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政府委員(
小林與三次君) きょうはあまりこまかい資料は持っておりませんが、奄美の復興特別
措置法ができましてから、
政府といたしましてはこの復興
措置法の趣旨に従いまして、奄美群島の復興審議会が設立されて、そこで御
承知の復興
計画を作りまして、その復興
計画に従いまして年度別に実施をはかっておるのでございます。復興
計画は総事業費総額百五十二億でございまして、そのうち国庫の事業が百十億、こういう
数字になっておるのでございます。その
計画に基きまして毎年この事業化をはかっておりまして、三十年度では十一億の事業費を用いて、そうして明年度ではこの奄美の信用保証協会の経費を入れて十一億四千五百万円、こういう経費を使いまして事業をやっていきてたいと思っておるのであります。大体その中心は今まで放置されておりました道路、港湾等の公共施設をすみやかに整備して、向うの復興の幹線となるべき事業をやるとともに、特に産業施設として従来向うでやっております黒糖その他亜熱帯作物の復興を中心にし、それから水産業の復興、農林業の復興、つむぎ生産の復興、こういうようなもの、それから特に文教施設の学校の校舎の整備、最小限度の保健医療施設の整備というようなものに重点を置いて
計画を進めて参っておるのであります。最初はこの受け入れ態勢と申しますか、現地にはなかなか事業力もありませんし、現地の下部の動きも必ずしも活発でなし、それからまた国の
予算の流れも特に前年度は
予算がおくれましたので、進捗をだいぶ憂慮いたしておったのでありますが、最近におきましては受け入れ態勢も整備いたしましたし、ほとんど本年度の事業は予定
通り消化し得る見通しになっておるのでございます。そうして逐次地元住民の生産の状況も復興いたしつつありまして、地元といたしましては、なお復興のテンポのおそいことにつきましていろいろ注文がきわめて多いのでありますが、われわれといたしましてもすみやかにこの特殊事情にかんがみまして、早く復興
計画を完成させたい、こういう念願でおるのでございます。本日もちょうど復興事業審議会を別途開いておりまして、明年度の実施
計画の
検討に入っておる状況でございます。その他きょう
持ち合せておりませんので、必要な資料につきましては追って御報告申し上げたいと思います。特に先ほ
ども問題になりました名瀬市の大火が昨年の末に起りまして、この復興がこの問題のワク内に起った問題でございますが、われわれといたしましても、名瀬市の窮状にかんがみまして、速急に復興をやる必要がある、こういうので、厚生省それから建設省それからまあ私のところ、これが中心になりまして、厚生省は応急復旧に重点を置き、建設省は直ちに公営住宅法に基く三百六十戸の住宅建設を
考える。それから建設省と協力いたしまして、この前奄美群島の復興特別
措置法を御
改正願って、土地区画整理事業と都市
計画をこの機会に根本的にやり直そう、こういうので、さっそく都市
計画を実施することにして、大体総事業費五千万円余りで、本年度、三十年度は二千万円の事業
計画を立てて実施いたしておるのであります。これにつきまして必要な金は予備費から一千万円支出いたしまして、こういうふうにして災害の復旧の仕事を速急にやりたい。それとともに、それに
関連して民間の復興資金がきわめて窮屈になりましたので、その復興資金を円滑に運用できるように今度の保証協会の出資金の
増額を願いまして、復興に伴う資金並びに奄美群島
一般の復興に伴う資金需要というものを充足さしたいという
考えで今度の
法律案の御審議もお願いしたのでございます。
大体以上のような状況でございまして、逐次問題が国の力の許す限度において進捗しつつありますので、この点御報告申し上げます。