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1956-04-12 第24回国会 参議院 大蔵委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十二日(木曜日)    午前十時四十二分開会   —————————————   委員異動 四月十一日委員平林剛辞任につき、 その補欠として山本經勝君議長にお いて指名した。 本日委員山本經勝君辞任につき、その 補欠として藤原道子君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岡崎 真一君    理事            山本 米治君            岡  三郎君    委員            青木 一男君            青柳 秀夫君            井村 徳二君           大野木秀次郎君            木内 四郎君            菊田 七平君            白井  勇君            西川甚五郎君            藤野 繁雄君            杉山 昌作君            土田國太郎君   政府委員    大蔵政務次官  山手 滿男君    大蔵大臣官房長 石原 周夫君    大蔵大臣官房会    計課長     竹村 忠一君    大蔵省主計局次    長       宮川新一郎君    大蔵省主計局法    規課長事務代理 中尾 博之君    大蔵省管財局長 正示啓次郎君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君   説明員    大蔵省印刷局長 大槻 義公君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○財政法の一部を改正する法律案(内  閣送付、予備審査) ○租税及び金融等に関する調査の件  (印刷事業に関する件)   —————————————
  2. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) これより委員会を開会いたします。  議事に入るに先立ち、委員異動について御報告いたします。昨十一日付をもって、平林委員辞任されて、その補欠として山本經勝君委員に選任されました。また、本日付をもって山本經勝君辞任されて藤原道子君が委員に選任されました。
  3. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) まず財政法の一部を改正する法律案予備審査)を議題とし、政府より提案理由説明を聴取いたします。
  4. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) ただいま議題となりました財政法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由内容の概略を御説明申し上げます。  政府は、行政機構の改革及び行政運営の改善を図る目的のもとに、別途、内閣法国家行政組織法の一部改正等を今国会に提案し、御審議を願っておりますが、本法律案は、これらの諸法律案と並んで、予算編成に際しましてあらかじめ予算編成方針を作成すること及び予算閣僚会議に関する制度を設けることにつきまして、財政法に所要の改正を加えようとするものでございます。  以下その内容について申し上げますと、まず、政府予算を編成するに当っての基本的な方針となります予算編成方針に関する規定を置いたことでございます。  すなわち、毎年度予算編成方針は、大蔵大臣が作成し、前年度の七月中に閣議決定を経るのを常例とすることとし、各省各庁の長が歳入歳出等の見積りに関する書類を作製し、また、大蔵大臣歳入歳出等概算を作製する場合には、この予算編成方針に従って行うことといたしております。  次は、予算閣僚会議に関する規定でございますが、内閣がこの予算編成方針及び歳入歳出等概算閣議決定をするに当りましては、閣議による審議の過程におきまして、内閣総理大臣大蔵大臣経済企画庁長官及びその他内閣総理大臣の指定する二人以内の国務大臣の会議、すなわち予算閣僚会議によりまして審議を進めることができることとし、もって閣議における予算審議を一そう円滑ならしめることといたしておる次第であります。  以上が、この法律案提案理由及び内容の概要でございます。  何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいまするようにお願い申し上げます。
  5. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 本案の質疑は後日に譲ります。   —————————————
  6. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 次に租税及び金融等に関する調査議題とし、印刷事業に関する件を問題に供します。本件につきましては岡委員より発言を求められておりますので、これを許します。ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  7. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 速記を始めて。
  8. 岡三郎

    岡三郎君 それでは正示君がまだ来ないのでこの点は来てから質問いたすこととして大槻印刷局長にお尋ねいたします。大槻印刷局長は国税庁の方から移られたので、詳しい内容を御存じかどうか、この点まず第一にお尋ねいたします。
  9. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 私、四月三日に印刷局長を拝命いたしまして、問題のある時期、はなはだ責任の重いことを感じております。早速着任いたしまして、一週間余り私といたしましてもできるだけ早く実態をつかみ、与えられた職責を全うしたいというつもりで、せっかく勉強しておるところでございます。問題が問題であるだけに、私といたしましても、ある程度、すでに事件に関連して起訴された職員も六名もございますし、事態を調べておりますので、十分御満足いただける答弁ができるかどうか、この点は疑問ではございますが、できるだけお答えしたいというようなつもりであります。
  10. 岡三郎

    岡三郎君 この大蔵省印刷局の問題は、大別すると二点になると思うのです。一点は印刷局自体の問題であり、他の一点は関東財務局に関連する問題であります。それで、大槻さんの方には主管事務でありまするところの印刷局問題について質問いたしたいと思うのでありまするが、大体指摘されている事項は、その印刷局業者のなれ合いという点で、この問題については、印刷局外郭団体である朝陽会という問題が登場してくると思うのです。まずこの朝陽会そのものについて、今まで大槻印刷局長調査せられた点について御解明願いたいと思うのです。
  11. 大槻義公

    説明員大槻義公君) お答え申し上げます。御指摘通り印刷局の今回の事件発端朝陽会関係から起っております。その後、事件が発展と申しますか、新しい問題として、部内事件としましては、営繕工事に関連する収賄容疑の問題、不要の物品の払い下げの代金を業務上横領したという疑いの問題、それから土地交換に関連する収賄容疑の問題、このような事件に分けることができようかと思います。  そこで朝陽会でございますが、この関係は、事件発端になったという意味におきまして、皆さんの注目を引いたことと思いますが、私の見たところでは、事柄としてはむしろ問題はその後の問題にあるように考えております。朝陽会財団法人として法人格が認められたのは昭和九年でございますが、古く印刷局発足当時、明治の初期に職員福祉の増進をはかる制度ができました。それがずっと引き続いておりまして今日に至った関係にございます。もともと発足のいきさつから申しまして、職員福祉を増進する、職員の教養の向上に努める、そういうことが主たる目的でございまするが、現在寄付行為によりますると、さらに印刷及び製紙技術の振興に寄与することということも加わりまして、その二つ事項が同朝陽会目的となっております。その目的を達成するためにやっておりまする事業といたしましては、印刷、製版及び製紙技術調査研究並びに印刷物の製造、頒布というようなこと、それから生活必需物資の加工、販売、職員のためにいろいろ日用品の売店を持っておるというようなこと、それから第三に修養、体育、慰安、救恤、弔慰、その他の福利施設、第四に、そのほかに本会の目的達成のために必要な事業、こういうような事業になっております。これに関連しまして、終戦後印刷局から、不安になったくず紙とかあるいは截ちくず、紙の截ちくずでございますが、そういうようなものの払い下げを受けてずっと今日に至っております。その他ときどきに発生する不安のものの払い下げも受けておったようでございます。  今回の事件は、昨年の暮払い下げられました凹版輪転印刷機二十台、これはもう使用できないものであったそうでありますが、それの払い下げに当りまして、払い下げ業者談合不正入札という容疑朝陽会理事者並びに職員取調べを受けた次第であります。印刷局関係でありまするが、その談合を幇助したという疑い職員が一人取調べを受けましたが、朝陽会関係のその後の事件の処理といたしましては、現在その三名とも処分を留保されて釈放されておるというような状況になっております。私といたしましては、この問題も、そういう歴史を持ち、また仕事をやっておる朝陽会の今後の仕事の持っていき方、そういうような点については深い関心を持つ次第ではございますが、事柄としてはそれ以外の問題について心を痛めておるという次第でございます。
  12. 岡三郎

    岡三郎君 朝陽会については、朝陽会収支決算書と、それから具体的に、印刷局長として現在まで払い下げ物資、その価格といったものの資料二つ御提出願いたいと思います。
  13. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 決算書等は、これはございますが、払い下げ物資数量価格と申しますか、どの……最近の分の物資でございましょうか。
  14. 岡三郎

    岡三郎君 最近二年くらい程度でいいと思います。
  15. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 後ほど提出したいと思います。
  16. 岡三郎

    岡三郎君 昭和二十九年、三十年に古輪転機三十六台、三十年度においては二十台と言っておりますが、二十九年度では十六台、その程度ですか、その点について……。
  17. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 私、今回の事件になりました二十台という輪転機のことは承知しておりまするが、それ以前のことはまだよく知っておりません。あるいはそういうことがあったのかとも思いますが、確かめましてあらためて御答弁申し上げたいと思います。
  18. 岡三郎

    岡三郎君 大手町の元の印刷庁舎の跡ですね、この土地交換問題でいろいろと指摘されておるわけですが、国際電電調査役島田正雄という人がこれに介在して、また印刷局の方からも土建業者を使っていろいろと土地工作をしたというふうに言われておるわけですが、この土地交換をめぐって相当なリベートなど収賄が行われたという指摘があるのですが、この点について印刷局長に就任せられてから調査をせられましたか。
  19. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 御指摘土地交換の問題に関連して、周旋業者土地のブローカーから収賄を受けたということで、本局職員が一人起訴されました。これは国際電電大手町所在土地五百四十一坪余り、これを与え、その交換として、かえ地として幾つかの土地を受けたわけなんでありまするが、その交換土地を選ぶに当って、たまたま印刷局工事をそれまでやることになっていた土建業者、これが土地の事情に明るいというようなことがあったと思うのでございますが、その探してきた土地、そういうものを印刷局としましても検討して、職員宿舎を設けるために適当であるという観点からこれを採用して、そして結局大手町所在の五百四十一坪余り交換したわけでありまするが、その際その土地のあっせんをした者から金をもらったと、まあこういうようなことで、先般職員の一人が起訴をされたわけでございます。私まだ、その程度は、とりあえずは実態を聞いたわけでありまするが、まあ大体そのようなことでございます。
  20. 岡三郎

    岡三郎君 もう少し親切に知っていることは言ってもらいたいと思うのだが、その起訴されたというのは、これはどなたですか。
  21. 大槻義公

    説明員大槻義公君) これは本局会計課管財係長をしていた者でございます。
  22. 岡三郎

    岡三郎君 何という者ですか。
  23. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 岡崎博という者でございます。
  24. 岡三郎

    岡三郎君 当時の会計課長は何という人ですか。
  25. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 当時の会計課長呉藤恒でございます。
  26. 岡三郎

    岡三郎君 その代替としていわゆる江古田その他の土地を含めて三千五百坪を取得したと、こういうことになっておりますが、その通りですか。
  27. 大槻義公

    説明員大槻義公君) かえ地として取得した坪数は三千四百六十四坪、こういうことになっておりまして、江古田もございます。そのほか六つの個所に散在している土地でございます。
  28. 岡三郎

    岡三郎君 その江古田その他三カ所はどういうふうに今利用されておりますか。
  29. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 江古田外六カ所でございまして、これは現在の利用状況は、その全部について現在正確にお答えできませんが、すでに職員宿舎を建設したという土地もあると承知しております。中にはまだそのような工作物を建てて利用するということに至っていない土地もあるように聞いております。
  30. 岡三郎

    岡三郎君 大手町土地は全部でどのくらいあるわけですか。
  31. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 現在国際電信電話に五百四十一坪を交換によって与えまして、残っております土地が八千二百七十二坪ということになっております。
  32. 岡三郎

    岡三郎君 結局この三千四百六十四坪のうち大きいのは江古田土地だそうですが、当時の評価から言って、この五百四十一坪という大手町土地をどの程一度に評価しておるのですか。
  33. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 大手町の五百四十一坪と余り土地評価は、坪十三万円ということになっております。
  34. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、総額幾らになるのですか。
  35. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 総額七千四十三万八千二百九十円、こういうことになっております。
  36. 岡三郎

    岡三郎君 そこで、その江古田その他六ヵ所の土地ですね。それを、もう少しどことどこで何坪だということをはっきり言ってもらいたいと思うのです。
  37. 大槻義公

    説明員大槻義公君) ここに資料がございますが、ずっと読み上げますのですか。
  38. 岡三郎

    岡三郎君 非常に簡潔に一つ、要領よくやってもらいたい。
  39. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 新宿区信濃町所在土地四百二十四坪。それから単価金額と、こういうのを申し上げますか。
  40. 岡三郎

    岡三郎君 はあ。
  41. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 単価二万八千円、金額千百八十九万一千四十円。新宿淀橋所在土地数量五百三十四坪、坪数は端数がございますから……。単価は二万二千円、金額千百七十六万五千八百二十円。次に渋谷区原宿所在土地四百三十八坪、単価三万円。金額千三百十五万五百円。同じく原宿所在土地三百六十九坪、単価二万九千円、金額千七十一万八千六百九十円。次に北区王子町所在土地二百二十四坪、単価二万三千円、金額五百十五万五千九百十円。次に中野江古田所在土地九百六十四坪、単価一万一千円、金額千六十万六千九百七十円。次に岡山市住吉町所在土地五百八坪、単価一万四千円、金額七百十二万二千五百円、合計数量は三千四百六十四坪、金額にいたしまして七千四十一万一千四百三十円、こういうことになっております。
  42. 岡三郎

    岡三郎君 その中で未使用になっておるのはどこですか。
  43. 大槻義公

    説明員大槻義公君) ちょっとその点、明らかにここで、資料がございませんので、後ほどお答えしたいと思います。
  44. 岡三郎

    岡三郎君 困るね、そんなことじゃ。大槻さん、短かいのだから、まだなって早々だから、これ以上あまりやらぬがね、それじゃ困るですよ。こんな問題になっているときに、どこが使っているか、使っていないかわからぬなんて……。江古田土地九百坪、坪一万一千円、これは農地であるというふうに書いてありますが、もともとそうですか。
  45. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 大へん恐縮なんでございますが、詳しくまだ私そこまで調べておりませんので、もし後ほどでよければお答えいたしますが、大へん恐縮に存じます。
  46. 岡三郎

    岡三郎君 これは大槻さんでもしょうがないのだが、当時のこういうふうな物件を取扱った責任者はだれですか。
  47. 大槻義公

    説明員大槻義公君) これは土地の問題は会計課管財係というので扱っておりまして、会計課長がその意味では一番よく承知しておるものでございます。
  48. 岡三郎

    岡三郎君 その会計課長というのは呉藤という人でしょう。
  49. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 呉藤氏はさきに代りまして、現在は別な者が会計課長をしております。
  50. 岡三郎

    岡三郎君 呉藤氏というのはどこへ行ったのです。
  51. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 関東国務局管財部長に、昨年と思っておりますが、転出されました。
  52. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、当時土地交換をやった一応の責任者呉藤という人で間違いございませんか。
  53. 大槻義公

    説明員大槻義公君) この土地交換が、最終的に交換の承認が部内でできたのは三十年の一月二十二日ということになっておりますが、それより以前、二十八年ごろよりと聞いておりますが、この種の問題がいろいろあったように思っております。従いまして呉藤君時代のことと存じます。
  54. 岡三郎

    岡三郎君 お願いをしておきますが、そういうことは簡単明瞭に言ってもらうと時間が省けていいと思うのですが、何も大槻さんを責め上げようと思っているんではないので、事の真相を今お伺いしているのだから、簡単に一つそういう点はお答え願いたい。現在の会計課長はどなたですか。
  55. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 村上太一郎君です。
  56. 岡三郎

    岡三郎君 この人の就任はいつからですか。
  57. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 申しわけございませんが、まだそこまで行き届いておりません。
  58. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、この土地交換ですね、この問題については、内容的に調べるというと、まあ問題があるかどうかまだ調べてみなければわかりませんが、先ほど私が質問した点ですね。つまりこの土地の中でどの点が未使用になっているのか、また使用されているのか、一体どういう部面に使用されているのか、その点の資料をお願いいたします。
  59. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 承知いたしました。
  60. 岡三郎

    岡三郎君 それから土地自体がどういう土地であるか。つまり農地であるとか、あるいはさら地であったのか、あるいは物件と一緒にあったのか、そういう点について一応カッコの中でもけっこうですから一つ解明しておいていただきたい、こう思うわけです。
  61. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 承知いたしました。
  62. 岡三郎

    岡三郎君 それからこの小田原工場改築工事ですね。この問題については、請け負ったのが中野組と、こうなっておりますが、これは間違いございませんか。
  63. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 小田原工場改築は本年度で第五年度になると思いまするが、現在施工しているのは中野組ではありませんが、最初から、たしか昨年までと思いまするが、この工事につきましては中野組が施工しておりました。
  64. 岡三郎

    岡三郎君 五年越しやっておられるというのですが、この中野組がやった工事総額はどの程度ですか、金額にして……。
  65. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 現在手元に資料がございませんが、これは調べればすぐわかると思いますから、後ほどお答えしたいと思います。
  66. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、今大槻さんから話があったように、小田原工場に関して相当長期間政策工事が行われておるので、その改築せられた物件ですね、それに要した費用及びその請負業者、それから、それを契約した当該責任者、そういう資料を出してもらいたいと思うのですが、よろしうございましょうかね。
  67. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 承知いたしました。
  68. 岡三郎

    岡三郎君 その点で、また資料が出てから質問したいと思うのですが、当時の施設課長鶴田という人が相当のリベートを受けておるというのですが、まあその他の係長もそういうような記事に載っておりますが、こういう点御調査なされましたか。
  69. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 御指摘鶴田は、その当時本局施設課長をしておりました。収賄容疑で起訴されております。そのほか本局施設課営繕係員がやはり収賄容疑でこれまた起訴されております。いま一人小田原工場営繕関係係長であった者がやはり収賄容疑で起訴されております。
  70. 岡三郎

    岡三郎君 この本局営繕係長は何と言ったですか。
  71. 大槻義公

    説明員大槻義公君) これは営繕係長ではございませんで、長谷川と申しますか、施設課営繕調査係係員でございます。
  72. 岡三郎

    岡三郎君 で、この鶴田係長がつかまったときに、少しも悪びれず、今日あるを予想して、つかまってもあとの食いはぐれがないように堂々と集めていたとうそぶき、まあ時効になった分も合せれば全部で一千万円ももらったかと係官から聞かれ、そんなものじゃない、三千万円はあるでしょうと顔色もかえずに言ってのけた。しかも私だけじゃない、上役などはもっと悪いことをしている、何でもしゃべるから片っ端からつかまえてくれと、逆に係官を激励したほどである。こういう、まあ新聞ですからこれは読み物で、おもしろおかしく書いてあるかもわかりません。しかしこういうふうな記事から推察しても、なかなか堂々とやっておったように見受けられるのですが、そういうふうな点についての御印象はどうですか。
  73. 大槻義公

    説明員大槻義公君) お話しの記事の真否は私も確信はございませんが、私の調べた印象からしますれば、一番この者が遺憾ながら罪が重いと申しますか、不心得であったように思っております。
  74. 岡三郎

    岡三郎君 この鶴田君というのが四百坪の土地に三棟のアパート式借家を建て、大家になっておるという点は、これは事実ですか。どうですか。
  75. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 事実でございます。
  76. 岡三郎

    岡三郎君 そのほかにゴルフのことがちょっとつけ加えて書いてあるのですが、印刷局ではゴルフというのが盛んに行われておったようですが、その通りですか。
  77. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 盛んに行われていたというお話でございますが、まあ私の承知したところでは、なるほど前局長は最近お始めになって熱心であられたかと思いますが、一般的に職員ゴルフを楽しむというような雰囲気ではございません。一部の、たまたまできる方がやっておるという通常の状態と見ております。
  78. 岡三郎

    岡三郎君 それは下の方の人は、やりたくたって、ゴルフはとても金がかかってできないから無理もないと思うのですが、この那須のゴルフ場ゴルフのクラブですか、これに加入するために云々と、それから野田ゴルフに某幹部と二人で入会しておった、こういう点はどうですか。
  79. 大槻義公

    説明員大槻義公君) これはそういう事実がございまして、なぜそのような必要があったであろうかという点につきましては、いろいろ印刷局仕事につきましては、外国、東南アジア方面からの切手の註文を受けるとか、その他そうした仕事もございまして、社交上そのような必要もあったという状況でございます。そうしてそれを、問題は、朝陽会の負担において、また朝陽会の役員の一人でもあったという関係において、法人加入と申しますか、という形で入ったのでありまして、問題が起りまして、現在では全部それを返して、会員から脱会しておるのが現状でございます。
  80. 岡三郎

    岡三郎君 野田ゴルフに入会していたもう一人の人は何という人ですか。
  81. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 中村という製造部長でございます。
  82. 岡三郎

    岡三郎君 そこで、この井上さんが朝陽会会長であったと書いてあるのですが、その点は事実ですか。
  83. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 朝陽会会長は従来印刷局長である者がなるということに、寄付行為の上でなっておりまして、お話のように井上さんが会長をしておられました。
  84. 岡三郎

    岡三郎君 幹部はほとんど同局の退職職員で占めているという組織であると、こう書いてありますが、これは資料一つ出してもらってもいいと思うのです。出してもらえましょうか。
  85. 大槻義公

    説明員大槻義公君) その点が明らかになるのは、朝陽会寄付行為でございますので、寄付行為資料としてお出しいたします。
  86. 岡三郎

    岡三郎君 それとともに、朝陽会役職員ですね、これを出してもらいたいと思うのです。
  87. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 了承いたしました。
  88. 岡三郎

    岡三郎君 それから井上局長の自宅の庭に、有料練習場以上のゴルフ練習場を作られておったと、こう書いてありますが、その作られた練習場の器材は印刷局の資材と費用でと書いてありますが、この点はどうですか。
  89. 大槻義公

    説明員大槻義公君) ゴルフ練習施設が作られておることは事実でございますが、私、当面前局長の問題は問題とするも、それ以外の問題について善後の措置、綱紀の粛正等に心をくだいておりまして、前局長は現在なお取り調べを受けておる状況でございますので、私としてはそこまで事実を詳しく承知しておりませんので、答弁いたしかねます。
  90. 岡三郎

    岡三郎君 大体アウト・ラインだけお尋ねしたわけでありますが、結局ここで思い当るのは、鳩山内閣になって、マージャン、ゴルフを禁止するというようなことを一応お達しを出した、で、それを印刷局は平然とゴルフをやっておったのかどうか、その点についてはどうなんですか。
  91. 大槻義公

    説明員大槻義公君) マージャン、ゴルフをやるなというお話は、私も前任時代承知しておりますが、先ほどもお答え申し上げましたように、事実はそうした接待の必要からそのようなことが行われていたということでございまして、私といたしましては十分その辺は今後の問題としては戒慎していかなければならないことだと思っております。
  92. 岡三郎

    岡三郎君 こういうふうな一連の問題について、かりに不当な価格土地交換したとか、あるいはその他リベートをもらって不当な建築をしたとか、いろいろな問題が判明して来た場合に、印刷局がこうむった損害といいますか、いわゆる国の損害というものについては、当然何らかの措置をしなければならぬと思いますが、そういう点はどう考えておりますか。
  93. 大槻義公

    説明員大槻義公君) 私といたしましては、現在すでに起訴されておる者が六名ございます。これらの君は起訴と同時にとりあえず休職の発令になっておりますが、早くそれの処分について厳正な立場から処分をいたさなければならないと考えております。同時に、そのような事態を引き起した仕事のやり方の上において監督上の欠陥がなかったかどうか、あるいは仕事のやり方が適正であったかどうか、機構が仕事実態に即応しておるかどうか、それこれの問題について、再びそのような事態を引き起さないように措置していくという責任の重いのを感じております。  なお国に損害を及ぼしたという点について、どのように処置する考えであるかという点につきましては、これは公務員の賠償責任の問題として処理していくべきものと考えております。
  94. 岡三郎

    岡三郎君 大槻印刷局長に対しては、今までまあ質問をして資料を要求したのですが、その資料をできるだけ早く出してもらいたいと思うのです。結局こういうものは調べようと思えば調べられるんだから、できるだけ一つ早く出してもらいたいと思うのですが、どうです、あしたごろまでに出してもらえますか。
  95. 大槻義公

    説明員大槻義公君) できるだけ早く出したいと思います。御指摘資料は大体取りそろえられると思いますが、朝陽会関係資料につきましては、あるいは帳簿が検察当局の方に現在あるということで、あるいは最近のものがどの程度に調製できるか多少疑問を持ちますが、もし最近のものができなければ、それに次ぐ資料を調製いたしまして、できるだけ早く提出したいと考えております。
  96. 岡三郎

    岡三郎君 まあ私の考え方を一言申し上げておきたいと思うのですが、こういう問題が読売新聞に大きく三月の二十日に掲載されて、これに伴ってその他の新聞も時々刻々報道してきたわけです。こういう問題については大蔵委員のわれわれがここで質疑を申し上げるまでもなく、当然こういう事態というものがわかったらば、まあ罪の問題については警視庁なりあるいは検察庁がやるということになると思うのですが、しかし国政の担当者としてやはり明解に内容を分析せられ、事実を事実としてすみやかにわれわれに報告して、この欠陥はここにあったんだ、ゆえにこの欠陥をどう克服するように今対処しておるかというふうな、一つのまとまった御報告を受けないと、一体日にちがたって影が薄れて、知らぬ間にこれが模糊としてしまったということになると、われわれ自体としても、大蔵委員は一体何をしているかということになるわけです。ですから、われわれがこういう資料要求とか質疑を申し上げる前に、やはりこの問題はこうなんだ、いわゆる天下を驚かした問題として、具体的にまずこの問題を明快にするということが、後任の大槻局長仕事の私は第一歩でなくちゃならぬと思う。ですから、同僚なりあるいは下僚なり、まあそういったような方方、が俎上に上ってきておるので、非常にやりにくい面があるとも考えられる。で、われわれの方としても検察庁に問題が移っておるわけですから、ある程度まで検察庁にまかしておけばいいとも考えられるのだが、一言の釈明もごあいさつもないから、大蔵大臣もここへ来ても何とも言わないし、しゃあしゃあとしている、こういうふうなことでは、なかなかわれわれとしては納得できないのです。ですからわれわれは少くとも——われわれという言葉は複数ですが、私個人にしてみれば、意地悪くこまかいあかを拾ってここでどうしようということではなくして、すみやかにこの事態を、検察庁ではなくして、印刷局当局、大蔵省当局みずからの手によってすみやかに事態を明確にして、そうしてその根本原因をこうだと判定したならば、それに対してどういうふうに対処しているのか、またしようとしているのかということがわからなければ、これは、なっておらぬということになると思うのです。ですから私はそういうふうな点でお尋ねしておるわけなんです。何かしら隠しおおせて証拠書類が出て明確に罪になった者だけが罰せられて、それで済むものでは私はないと思う。だから懲役とか罰金とかいうものを受ける者だけではなくて、そうでない者も重大なる責任があるわけなんですから、そういうふうな全体的の関連で一つ当局みずから責任を感じ、責任をとるというふうな態度でいかれることが私は望ましいと思うのです。なおここでちょっと意見をつけ加えれば、井上局長は辞表を出して免官になって、四月二日に任意出頭で、直ちに証拠が固まったので、逮捕された。それで免官になってここへ出てこない。私はこういう処置は大蔵大臣に言うべきものだと思っておりますがね。しかしあなた方にも私、聞いておいてもらいたいが、国税庁の役人なんかが賃金闘争なんかで、何かドアやなんかを傷つけたということで直ぐこれを懲戒免官にしている。懲戒免官とは役人に対する極刑ですよ。この事態はいずれはっきりされることだろうと思うけれども、しかし鶴田という人が四百坪に三棟のアパートを作っておるとか、その他の事実が肯定されておる限りにおいて、これは単なる免官で私は済む問題ではないと思う。事態としてこういうものこそ懲戒免官という処置がとらるべきが至当であるのに、これは刑法上において将来どういう刑の確定があるかどうか知りませんが、非常に弱い下僚に対しては強い意思表示をして、こういうものには、さっさと免官させる。そうすれば恩給も取れるだろうし、そういうふうな特典を与えて、片っ方の方は懲戒免官というぴたっとした処置をとる。私はこの点は今後ともさらに追及したいと思っておる。大槻さんは国税庁の次長だったから、その点はこれとの関連で、いわゆる信賞必罰といいますか、そういう点で私は非常に均衡を失するものがあるというふうに私自体は考えておる。それは、それだからといって何も懲戒免官をここで直ぐ取り消せということではないのです。問題の処理の仕方というものが非常にあいまいで、われわれとしては納得できない点が多いわけです。しかしまあ、たまたま関連した一つの意見を言ったんですが、ただそういう意見をここでさらに述べても仕方がありませんから、次に正示政府委員から……
  97. 大槻義公

    説明員大槻義公君) ちょっと……。岡委員のただいまの考え方につきましては、私もそのつもりで、同感でございます。まことに事のできてしまった今後の処理という点は、私の責任のある最も重要な任務の一つであると考えておりまして、決して事実をごまかして糊塗する、そういう気持は毛頭ございません。ただ何分にも就任早々でございまして、まだ私がこの席でこうするああするとはっきり申し上げ得られない点は申しわけございませんが、しかし私、責任を持って事態の処理をいたす覚悟でございますので、この点はお答え申し上げます。
  98. 岡三郎

    岡三郎君 その資料の出し方の早いおそいによって私は次の態度を決定いたしますから、故意に遅延しておるようだったらこれを繰り返しますから、ですから、すみやかに御提出を願いたい。いつまでとか、やぼなことは申しませんが、おくれるようだったらそれは困ることですから、一つそういうふうに願いたいと思います。  次に正示政府委員にお尋ねしたいことがあるのですが、正示さんも新しい役職につかれて日がまだ浅いので、どうもきょうの質問はやりにくいのですが——どうも官僚組織というのは、うまくできているように思うので、何かこういう質問をしようというと、当面の責任者はいずこに行ってか知らないが、これは委員長にお願いしておきたいのですが、できるならば、直接先ほどの質問でおわかりの通りに、やった方々と、それから大蔵大臣なら大臣という形で、この次お願いしたいのですが、しかしまあ正示さんが来られたので一つお聞きしますが、衆議院において三月の二十日に大蔵委員会が持たれております。その席上において春日一幸君から本問題について概略質問がされておるわけです。そのときに、本事件の一番中心部分をなすと私は考えておるわけですが、井上局長の自宅の土地と建物の払い下げ問題です。この問題についての第一の質問は、財務局長在任中に、部下であった同局目黒出張所長に命じていろいろと価格を検討さしたというふうな記事になっておるわけですが、国有財産は財務局の所管で、職員払い下げを受けたり交換するのは、国有財産法で禁ぜられておるというふうになっておりますが、この点はその通りですか。
  99. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 国有財産法第十六条のことに言及されたわけでございますが、この点は、国有財産の事務に従事する役人が、その取扱いにかかる国有財産を払い下げを受けられないという御趣旨は、まさに法律によって定められておるわけでございます。
  100. 岡三郎

    岡三郎君 これは財務局から印刷局にかわったという場合には、この法律はどうなるのですか。
  101. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 十六条の解釈はこれはきわめて明確に、その役人がその取扱いにかかる国有財産というふうになっておりまして、先ほど来、印刷局長に対する御質疑もございましたように、印刷局長として所管をいたしておる国有財産があるわけでございます。これにつきましては、当然第十六条は適用されるわけでございますが、関東財務局長として扱っておりました財産につきましては、印刷局長が転任になりますと十六条の適用は除外されることに相なるのは当然と考えます。
  102. 岡三郎

    岡三郎君 なかなかそこはうまくできておるのだが、その転任後三月ほど立った二十九年の六月にこの払い下げを受けておるということは事実ですか。
  103. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 二十九年の六月に契約を締結いたしております。
  104. 岡三郎

    岡三郎君 転任したのは二十九年の三月末ですか。
  105. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはちょっと私、直接所管ではございませんので……、多分、大体三月ということは間違いないと考えます。
  106. 岡三郎

    岡三郎君 それから、あなたが質問に対して答えているのですが、「東京財務局におきまして買収をいたしました当時の価格は、土地は二十五万五千一五百円、建物が二十六万四千六百円ということになっております。」と答えておりますが、この「当時」というのはいつですか。
  107. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 山階芳麿氏から買収いたしましたときでありまして、昭和二十二年の三月二十七日、東京財務局長の官舎として買収されておるわけでございます。
  108. 岡三郎

    岡三郎君 この土地を坪三千円という評価で七百三十坪を二百二十四万円、四十二坪の建物を十三万円と、こういうふうに新聞紙上では出ておりますが、あなたの御答弁ではもう少し詳しく出ておるわけです。しかし大綱を言って大体間違いないと思いますが、「土地が二百三十三万円、建物が十万八千三百六十円、工作物が二万二千四百円、立木竹が一万七千三百七十三円、合計二百四十七万八千百三十三円、」というふうに答えられておりますが、これは間違いないですね。
  109. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 間違いありません。
  110. 岡三郎

    岡三郎君 この建物は何坪です。
  111. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 四十二坪という……
  112. 岡三郎

    岡三郎君 ここで脱線いたしますが、四十二坪という家が、どういうようなボロの衣か知らないが、建物を十万八千三百六十円、これはどういうところから来ておるのか、少し調査せられましたか。
  113. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) この点につきまして、もとより国有財産を管理する立場におきまして、この現状につきましても、また既往の経過等につきましても調査をいたしておるわけでございます。調査はいたしておるのでございますが、何分先ほど来、印刷局長からもお答え申し上げましたが、今日当時の払い下げを受けました井上印刷局長自身が身柄を拘束されまして取り調べを受けておるときでありますし、関係の書類一切が検察当局によって押収をされておる次第でございます。従いまして、私どもといたしましては、もとより、先ほど来、印刷局長岡委員との問答によって明らかなように行政官庁としてこれらの点につきまして明確に事態を調査いたし、それに対する対策を諾すべきことは当然と心得ておりまして、その点につきましてせっかくなお調査をいたしておるわけでございますが、ただいま申し上げたような事情のために種々困難な点もございますが、できる限りの調査をいたしておる次第でございます。
  114. 岡三郎

    岡三郎君 私の今質問してるのは、まあ四十二坪の建物が十万八千三百六十円、これはおかしいじゃないですか、だから正示さん、これは不当でしょうと附きたいところなんですがね。不当でないという答弁はならぬと思う。これは鳥小屋でも四十二坪で十万なんという建物はないが、そういうような建物なり土地、これを売り払うときには、やはり当然財務局では係数というものがあると思う。だから、そういうふうな係数の処理でこれはやったものでないと私は思うのだが、その点どうですか。
  115. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは先ほど岡委員からも特にお話がございましたように、当時の目黒出張所長のことに言及されたのでありますが、当時におきまして、職制上、目黒の出張所長の管軸下に属しておりましたこの関係の書類等は、先ほど申し上げたように、その後の事態——ただいま井上前局庁の取り調べのために押収をされておるわけでありますが、できる限りの調査をいたしましたところによりますと、やはり一応評価の御承知のようにないろいろの様式等がありまして、これによって算定をしておることは大体においてその通りでございます。ただいま御質問のように、いわば数字的な何らの根拠なしということではございませんので、一応の数字的な根拠があるようでございますが、何分二年前のことでございまして、その後いろいろとまたこの払い下げを受けました前後におきまして、本人の、居住者のこれに対してどういう措置を講じたかというふうな点もあるわけでございまして、ただいま先ほど申し上げたような事情もございまして、的確にこれを当不当を私は申し上げることができないのでございまするが、しかしながら一応さような一定の方式によりまして算定をして出した当時の出張所長の関係の陳述等は、私といたしましても、もとよりこれを聞き及んでおるわけでございます。
  116. 岡三郎

    岡三郎君 目黒出張所長は何という人ですか。
  117. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 小山内太兵衛と申します。
  118. 岡三郎

    岡三郎君 この点については、二十日の速記録によれば、正示さんは、「ただいま申し上げたように、取調べ関係に意外に時日を費しておるのでありますが、これはさっそく取調べをいたしまして別に御報告申し上げたい、かように存じております。」これから大体二十日間たっている。衆議院の方にこの報告をいたしましたか。
  119. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいま御指摘のように、三月二十日の衆議院委員会におきまして、春日委員の御質問にお答えいたしたのでありますが、その後、御承知のように、四月二日に至りまして井上義海君自身が逮捕されるような事態に発展をいたしたのであります。当時といたしまして、極力私どもとしましては実情の調査をいたす覚悟であり、また実際いたして参ったのでありますが、その後、事態は新しい発展をみたような次第でありまして、先ほど申し上げましたようにただいま捜査を受けておる最中であります。さようなことから、衆議院等にもいまだこれは資料として最終的に提出をいたす段階に参っておりませんので、その点は御了承を願って御猶予を願っておるような次第であります。
  120. 岡三郎

    岡三郎君 二十日間一体何していたかということを今度は聞きたくなるのですがね。まあここにも書いてあるように、そのあとでも「御要求のございました資料は、至急に作成いたしまして、当委員会に提出いたしたいと存じます。」それから「調べ中でございますから、あとで資料として提出いたしたい、」こう言っておる。それが全然なされておらなければ、これはサボタージュと見る以外にないと思うのですがね。意識的に正示さんがサボっているという以外に考えようがなくなるのですよ。三月の二十日当時ならば、これは速記録に載っている答弁で一応はいくと思うのですが、それから二十日間経過している。二十日間というものが経っているのに、この物件に対していかなる評価額で——その計算の根拠ですね、一体公正なる価格はどんなものなんだというふうな点について、それが帳簿がないというふうなお答えがあるわけですが……。
  121. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。私の答え、先ほどやや先ばしって、当不当というふうな点にお触れになりましたのでその点多少先ばしってお答えをいたしたきらいがございます。実は先ほど申し上げました二十九年六月に締結いたしました売買契約、この関係の書類は至急に提出をいたしたいと存じているわけでありまして、今お答え申し上げましたように、当時の目黒出張所長小山内太兵衛君の責任によって——これが契約の当事者になっておりますが、作成いたしました書類の写しは、これは至急に提出をいたしたい。これは何もその後調査をいたさなかったのではありませんで、さようなものは取りそろえているわけであります。これは本日御質問もございますので、当委員会にも御提出を申し上げたいと考えます。さらにまた、その後何をしておったかという点でございますが、決して手をこまねいているわけではございませんので、先ほど申しあげましたように、当時の価格ということになりますと、二年前の実態如何ということに相なるわけでございますが、しかしながら今日の状況においてこれをよく調べることはもとより必要でございますので、その点につきましては関係の向きを督励いたしまして十分実態の把握に努めているわけでございまするし、なおまた民間の有識者、精通者の意見等も徴しまして、せっかくなお調査を進めているわけでございます。ただ、その結論をただいま申し上げる段階でございませんので、とりあえずただいま岡委員の御質問に対しましては、先ほど申し上げました二十九年の六月におきまする売買契約に関係した一切の書類を提出いたしまして御了承をたまわりたいと存じます。
  122. 岡三郎

    岡三郎君 この、元山階宮家の物納として七百三十坪、建物四十三坪、これが昭和二十二年三月に、土地は二十五万五千五百円、建物が二十六万四千六百円というふうになっているわけです。これが二十九年の六月に払い下げ価格が、土地が二百三十三万円で、建物が十万八千三百六十円で、その他云々と書いてあるわけです。それで、二十二年の三月の物価指数と、それから三十九年の六月の物価指数その他の指数というものから考えて、それぞれ国有財産を保管しているあなた方としては、これを払い下げるときにはどういうふうにして価格を査定するかということがきまっていると思う。またそれはいろいろと検討せられて払い下げておられると思うので、これをこういうふうに払い下げた計算方式は今出してくれるということですから、だからそれに対して、財務当局として、現在あなた方が計算していけば一体どうなるのだということ、それを出してくれなければ私は困ると思う。それは、そんなこと出せないというなら——帳簿がなければ出せんものじゃない、書類がなくても出せると思う。常識論的にいって、十万や二十万円の差等ができるかもわからんけれども、しかし大体渋谷の土地で、昭和二十九年当時にこれだけの物納があったけれども、現在の評価からいけば、この土地は大体坪どのくらいになるのが至当だというのが常識的に出ると思う。だからそういう点について、一応当時の目黒出張所長が計算したその書類は出してもらう、それから国税庁としては、計算上その方法のこれは妥当か不当かということは困るというけれども、とにかく国税庁としては、計算すれば妥当でも不当でもかまわないからこうなると、それが常識だという点の書類を出してもらいたい。その点はどうですか。
  123. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ごもっともなお話でございまして、これは当然さように、出すことにだんだんとなってくるわけでございますが、ただ、今、岡委員お話の中に、二十二年に山階宮家から物納というお話がありましたが、これは物納ではございません。先ほど申し上げましたように、関東財務局が官舎として買収をしております。この点が違っております。それから、これらは要するに当時の関係者からよく調べなければならない点でありますが、買収しましたときには、土地と建物と、この二つに分れております。これが払い下げになりますと、建物、工作物、立木竹と、こういうふうに分れておるわけであります。この辺が要するに技術的によく調査をいたさなければならない点でございます。なおまた、なるほど関東財務局目黒出張所長が、二十九年六月に井上義海君が締結いたしました契約書を出す、当然それに対するお前たちの責任者としての見解が出てくるべき筋合いではないかとおっしゃる御趣旨はよくわかるのでありますが、この点が要するに先ほど申し上げたように、技術的にもまた時間的にも二年間、要するに前にさかのぼらなければならないという点から、非常にむずかしい問題を含んでおるわけであります。もとより、しかしながら物価指数その他というものは、これは当然あるわけでございますから、その辺からもわれわれとしては種種検討しなければならぬ問題があるということは、その通り考えまして、先ほども申し上げましたように、極力検討を進めておるわけでございます。それから、単に役所だけの知識、経験によらずに、民間のあらゆる権威ある方方の御意見をも徴しまして、最終的な、適正な結論を出したいと考えて努力をいたしておるのであります。ただ先ほど来、すでに御承知の通りでありまして、井上義海自体が身柄を拘束されまして取調べを受けておる際でありますので、よほど慎重にまた堅実に、今申し上げたように、取調べに私どもの方の調査にも時間がかかっておりますし、ここで軽々に結論を出すということもできませんので、捜査当局の御調査、これによってもむろん事態は判明いたすことであります。しかし、だからと申しまして、私どもの方で責任を回避するわけではございませんで、こちらも並行いたしまして、極力すみやかに最終的な結論を出すべく努力をいたしまして、いずれはそういうような結論を申し上げる機会が来ると存じます。とりあえずのところ、はっきりといたしております二十九年六月現在におきまする契約の関係書類一切を提出いたしたい、かように考えております。
  124. 岡三郎

    岡三郎君 なかなかそこのところが出てこないのですが、そんなら昭和二十九年六月に、土地なり建物を、国有財産の物件をきっと払い下げたものがあると思う、都内で。あまり膨大な資料になると、また出してくれないから、だから都内において昭和二十九年六月に、これは土地それから建物で払い下げたものがあると思うのです。それで、だれに払い下げたかということと、それから払い下げ価格ですね、そういったものを、それでどういうふうにして査定したか、査定したのは当然であると思うのです。それから類推すれば、財務局はどういうふうな評価をしているかわかるので、ということに回りくどくわれわれの方で資料を要求していかなければならぬことになるのだがそんなことよりも、これはすぐ計算すれば出るのじゃないですか。これはどんなものでしょうか、正示さん。物価指数が昭和二十二年の三月当時幾らとすれば、大体財務局として払い下げをするということが一件や二件じゃないのですから、これは専門的にやっている人があるのですから、渋谷の南平台、ここは一等地か、二等地か、三等地か、すぐわかるし、あるいは周囲の状況からみて、これはどの程度の係数をかけたらいいか、あるいは土地にしても、建物にしても、四十二坪で坪幾ら、だいぶ古く使っているとしても、これは大体どの程度に計算するのか、そのくらいのことができないような財務局なら、これは不信任ですね。一体そういうことの役職をやっている者が幾人いるか、その数と名前を列記して出してもらいたいと思うのです。そういう価格評価をしているところの役人の名前と、それから何年何月どこの学校を出て、そうして何年間その実務に携わってきたか、そのスタッフを全部出して、そうしてこの次に、その役人を全部そろえて、そういうふうに出してもらいたいと思うのですが、それで、できなければ、私がここで計算さして出させるから、そんな書類がないからできないということはないと思う。
  125. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 重ねてのお言葉、御趣旨はまことにごもっともなんで、私も同感に思うのでありますが、これはもうできる限り全貌をすみやかにはっきりいたしまして、事態を明確にするということは、岡委員の御趣旨に私も全く同感であります。ただ先ほど申し上げたように、二年前でございまして、また関東財務局が買収をいたしましてからは九年も経過いたしております。従いまして、その間にいろいろ状況等の変化もあったわけでございますし、それから、この土地につきましては、単に坪数からすぐ坪当りというふうになるのでありますが、この点は、まあ、その土地状況いかんにも相当よる点がございます。これらの点につきまして、ただいませっかく専門家によって調査をさせておるのであります。その全容は、先ほどから繰り返し申し上げますように、これはきわめて重要な内容を含んでおりまするので、慎重に検討をいたしました上で、ぜひできる限りすみやかにこれは申し上げたい。たださっき申し上げた、とりあえずのところ売買契約の関係書類をまず差し出しまして、追ってそれを申し上げるということをお願いをいたしておるわけでありまして、決してこれは、いつまでもできないということを申し上げておるわけではございません。ただいま一つの御参考として二十九年六月ごろの都内における払い下げの実例を、まあ回りくどいとおっしゃいますが、実はこれはやはり私どもの調査の重要な資料でもございますが、これらの点につきましてはさらに調査をいたしまして、場合によりまして御参考に差し上げたいと、かように考えております。
  126. 岡三郎

    岡三郎君 どうも正示さんをここでとっちめるということじゃなくして、国有財産法というものをこれは無視しているね、大体本末が……。非常にこの国有財産法というものを専門家がうまく使ってやっているように思うのだが、その点どうですか、正示さん。
  127. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 私、管財局長といたしまして、国有財産法の執行の責任を負っておるわけでありますが、かような容疑をかけられるような事案を惹起いたしましたことに、これは部内からそういう事案が出ましたことにつきましては、きわめて深く責任を感ずるのでありまして、今後におきましては、これらの点について十分、今までもできる限り努力をして参りましたが、かような災いが起りましたることは、これはきわめて大切な教訓と心得まして、将来一そう部内を引き締めまして、かような疑惑の持たれるような事案をふたたび起さないように最善を尽すべきであると考えておるのでございます。その関係で、これは大体新聞等にも最近ぼつぼつ報道されまして、あらためて申し上げるのはいかがかと思いますが、実は今日の国有財産法の施行の建前が官庁中心にできておることは御承知の通りでございますが、これに対しまして、やはり国有財産の今日の状況なり、また一そう国有財産法の趣旨をよく生かしていくためにも、ぜひとも役人だけでいろいろな計画を立てましたり、あるいは処分をやっていくという体制……もとより今日におきましても、たとえば軍港市の関係とかあるいは評価関係、あるいは屑化の関係等につきましては、ある程度民間の方々の御意見も伺っておるのでありますが、やはり今日明るく能率的な行政をやっていくという意味から申しましても、よほど頭を大きくそういう体制に切りかえまして、いわば国有財産法の執行、あるいは広く管財行政全般の中に活発な民間の御意見をとり入れるということは、私は部内の風通しをよくすると申しますか、あるいは新しい考え方を入れることによって行政の能率も上り、またわれわれ仕事に携わる者も励みがつくわけでございます。ぜひそういうふうに新しい構想を入れまして、今後の管財行政につきまして一脈の新しい空気を導入していく、ぜひそういうふうにお願いをいたしたいと存じまして、ただいませっかく省内におきましてもお願いをいたし、また大臣その他からもこれは必要な指示を受けておるような次第であります。先ほど来の岡委員の御趣旨は、かような不幸な事件が起り、あるいは不幸な疑惑を持たれるような事件が起ったときには、お前たちは進んでこれに対する対策を講ずべきじゃないか、この点まことに私も御同感でございまして、ぜひただいま申し上げたように、今回のこの事案がそういう意味一つの転機となりまして、今後一そう能率的な、優秀な管財行政への一礎石になっていくというふうにぜひこれを生かしていきたい、かように考えておる次第でございます。
  128. 岡三郎

    岡三郎君 その今の問題の前に土地評価、三千円でやったというのですが、固定資産税の基準になる価格ですね、評価台帳によると八千円と、こう書いてあるのですが、この点はどうなのですか。
  129. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは資料によりまして提出をいたしたいと思います。
  130. 岡三郎

    岡三郎君 いや、そんなことはない。これは税務当局の不動産の評価台帳によりまして八十円となっていると、こう書いてありますが、それを調べたか調べないか。それは当然調べてあると思うが、それをただ言ってもらえばいいのだ。
  131. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) この点、私の方で調べておりまするから、追って資料によって提出いたしたいと思います。
  132. 岡三郎

    岡三郎君 おかしいな、それは……。八千円だかどうか、調べたかどうか、それは確かかどうか、それだけ聞いているのです。こんなことの資料は私は要らぬと思うのです。一言で済むのです。これこそ資料の問題じゃないと思います。これを答えてもらいたい。
  133. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほど申し上げましたように、土地状況等がいろいろあるわけでございまして、その辺をあわせて御説明をしながら申し上げたいという意味資料として提出をいたしたいと申したのでございますが、今日渋谷のいわゆる税務事務所におきましてこの土地をどのくらいに見ておるかという点につきましては、もとより調査をいたしております。これはたしか八千円でございませんで、六千二百円ぐらいになっているのではないかと、こういうふうに思っておりますが、その六千二百円を基礎にして出しますと幾らになるかというのは、御承知のように国有財産の評価一つの方式がございまして、その六千二百円を基礎にいたしますと、一定の基礎になるわけでありますが、いきなりそれを申し上げますと、土地状況等をあわせて最終的な価格を申し上げなければならぬのでありまして、その辺が先ほど申し上げたように、ただいまいろいろと各方面から調査をしており、私自体の方でも調査をいたしておりますし、また検察当局におきましても各方面からの資料によって御検討中かと考えまするので、総合的な資料として出したい、こういう意味で申し上げたのであります。
  134. 岡三郎

    岡三郎君 払い下げたのは三千円というのは間違いはございませんか。
  135. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 払い下げ価格につきましても、先ほど申し上げた土地状況でございますね、これは三千円とおっしゃるのは、総平均でお出しになっておるのでありますが、この点が要するに土地のうちのいわばすぐ家屋の敷地になる部面、それからまあ、がけ地として、あまり効用のない部面というように、いろいろ分けて単価が出ておるのでありますが、これらは一切資料で提出をいたしたいと思います。
  136. 岡三郎

    岡三郎君 それから先ほどの御説明は、国有財産審議会とかいうものを作ってやりたい、こういうのですが、私は、こういう審議会というものがうんとできることに対しては疑問を持っているのです。何でも審議会を作って棚上げして、そっちの方で風通しがよくなるのではなくて、そこで空気がよどむということを考える。これは売春問題が盛んになるというと売春審議会を作って、審議会で何かかんかやっているうちに時間がたつようなことを考える。ちょうどこの問題がうるさくなったから国有財産審議会を作って、そうしていろいろな人間の構成とか何とかかんとかやっているうちに時間がたつ。これはちょうど防波堤にこれを作るというふうに考えられるのだが、まあその点は意見の交換になってしまうからやめますが、私はそれよりか何よりか、とにかく財務局自体でこういうものに対していろいろと問題を提起されて来たときに、はっきりと確信をもって答えられるようにやっておればいいと思う。この国有財産審議会で民間の人を入れるといっても、また何々会社の社長とか、あるいは何々会の会頭とか、そんなようなものを入れて作っても私は公正にはならぬと思う。作るならばわれわれのようなものを入れて行けばぴしっと厳正にできると思う。(笑声)そういうふうな公正というものが重要な問題であって、それは幾らそういうふうな機関を作って行ったって、私は結局審議委員というものを増加して行く以外にないと思う。これは吉田内閣のときに二百幾つかあったのを百幾つかに減らしたのです。ところが今の鳩山内閣になってから二百七十ぐらいになっているじゃないですか。二百七十ぐらいにわれわれの計算ではなっているのではないかと思う。みるみるうちにふえて来ているのですね。これは行政機構の簡素化とか刷新とかという面から言うと、あまり審議会というものを作らぬようにしてもらいたい。それで、それぞれの省で責任体制をもって処理して行くことが必要じゃないかと思う。だから、そういうふうな点で、こういうものを作らなくても公正なる評価というものは私はできると思う。だから一がいにわれわれはこういう審議会を作って行くということについては賛成しがたい。その前に、みずから責任体制を持った仕事の方式というものを確立して、そうしてもしも第三者の意見を聞きたければ、それこそ公正な方々に寄ってもらって、判断のつきかねる問題は処理するということでいってもらえばいいので、またこの審議会の委員というものの構成によってこれがどういうふうな方向を出すかということは、もうよく聞かなくても見当がつくというふうにわれわれは考えておる。だから一がいにはこれは賛成しませんが、一応こういうふうなことを考えているのだから、この次に国有財産審議会についての内容ですね、どういうことを考えているのか、まだ法律になっておらぬと思うけれども、その骨格になるということを説明できるような資料を提出してもらいたいと思うのです。
  137. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいま岡委員からの御趣旨まことに同感の点が多いのでありまして、まずみずからの責任を果す体制を整えるべきではないか、全く同感でございます。私ども何もみずからの責任を回避するために新しい審議会というふうに考えておるわけではございませんで、みずから十分職責を果してゆくために有力な民間の方々の率直な御意見も拝聴して参りたい、かような謙虚な気持で今回のようなことを考えておることをまずもって申し上げまして、先ほど来お答えを申し上げましたように、今回のようなこの不幸な事態に直面いたしまして、われわれは一そう部内を引き締めまして、まずみずから課せられた行政の責任を完全に果してゆく体制を確立する、これはもとより申し上げるまでもなくさように心得ております。  第二といたしまして、新しい審議会等におきまする委員の構成等におきましても、十分ただいまのような御趣旨も考えまして、ほんとうに、作っていただきます以上は、内外から信望の高いような方々にぜひとも御参画を願いまして、今後の管財行政のほんとうに正しい運営をはかって参りたい、かように考えております。  なお資料の点につきましては委員会にすみやかに取り揃えまして提出いたしたいと思います。
  138. 岡三郎

    岡三郎君 きょうは大体事実の問題を一応お伺いしたわけですが、質疑の中からわかったことは、なかなか現状においては財務当局は結論めいたもののお答えがないわけです。そのない事情もわからないわけではないのですが、次に資料を出してもらって、質問を続行したいと思うのですが、いつごろまでに資料は出されるのか、それを最後にお伺いしたいと思います。
  139. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほど申し上げましたように、今日提出できますものはさっそく明日にでもお出しいたしたいと思っております。なお全体の資料につきましては、先ほど来るる御説明申し上げましたような事情で、多少時日を要すると存じますが、これまたなるだけすみやかに調整いたしまして提出いたしたいと考えております。
  140. 岡三郎

    岡三郎君 これは念のために申し上げておきますが、私、決算委員を三年やっておってずっと通覧して大蔵省関係その他の関係を見て参ったんですがね、関東財務局というのはずいぶん事犯のある局ですな、これはAクラスですよ、ある意味における……。これは、だから、こういう問題が起ってくるのもゆえなきにあらずという印象を私は受けたんですが、ここにみな折紙してありますが、国有財産の売渡代金及び使用料の徴収処置当を得ないもの、それから用途を指定して売り渡した国有財産に関し処置当を得ないもの、そのほか国有財産物件払い下げをめぐって、機械器具等の売渡価額が低きに失したもの、こういうふうなものの中で関東財務局というのはずいぶん載っているんですよ。これは昭和二十八年ですがね。百四件から百八件、それから百十二件から百二十件、同じく横浜財務部、千葉財務部両方合せると百二十一件から百二十四件というふうに非常に事犯が多い、ほかの財務局から比べて……。これはまあ集中的に、近く、だからこういう結果が出たのかもわからぬ。私は調査根拠というものが全般平均に行われておるかどうかという点についてはここではっきり申し上げられませんが、とにかく全体から見て関東財務局というものは相当いろいろな問題で会計検査院から指摘されておるわけです。ですから、こういう点についても財務局としては十分検討せられて、やはり本庁だけではなくして出先の方ですね、こういった面についてもやはり実情を精査せられてゆく必要が私はあると思う。これは私がここでこの程度に事実問題をやっても、今度は決算委員会でこれをやるかもしれませんよ。衆議院の方で大蔵委員会でやってまた決算にゆくかもわからぬ。そういうことを考えていった場合に、私はできるだけ遅滞のないところの処置をあなた方がやられた方がいいと思っているんですよ。いたずらに変な疑惑を持たれて、そのあとでやるということよりも、率先して、この事態はこうですというふうな処置をとられることが国民に対しても私はいいと思う、委員会に対しても私は健全な行き方であると考えておる。そういうふうな点で、委員長、きょうはこの程度にとどめまして、追ってまた御相談を申し上げまして次回の取扱いをきめたいと思います。
  141. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) では本件の質疑はこの程度にとどめます。  では散会いたします。    午後、零時二十七分散会    ————・————