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1956-03-13 第24回国会 参議院 大蔵委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月十三日(火曜日)    午前十一時二分開会     —————————————   委員異動 三月十二日委員青柳秀夫辞任につ き、その補欠として西郷吉之助君を議 長において指名した。 本日委員西郷吉之助君、大野木秀次郎 君及び大矢半次郎辞任につき、その 補欠として青柳秀夫君、平林太一君及 び川村松助君を議長において指名し た。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岡崎 真一君    理事            山本 米治君            岡  三郎君            土田國太郎君    委員            青木 一男君            青柳 秀夫君            井村 徳二君            川村 松助君            木内 四郎君            菊田 七平君            白井  勇君            西川甚五郎君            藤野 繁雄君            平林  剛君            木村禧八郎君   政府委員    大蔵政務次官  山手 滿男君    大蔵省主計局    次長      宮川新一郎君    大蔵省主税局長 渡邊喜久造君    食糧庁長官   清井  正君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君   説明員    大蔵省主計局主    計官      上林 英男君    水産庁漁政部漁    船保険課長   中村 正路君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○所得税法の一部を改正する法律案  (衆議院提出) ○所得税法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○租税特別措置法等の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付) ○昭和二十八年度昭和二十九年度及  び昭和三十年度における国債整理基  金に充てるべき資金の繰入の特例に  関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○漁船再保険特別会計における給与保  険の再保険事業について生じた損失  をうめるための一般会計からの繰入  金に関する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○物品管理法案内閣提出) ○関税法等の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○国有財産法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○食糧管理特別会計昭和三十年度に  おける損失をうめるための措置に関  する法律案内閣提出衆議院送  付)     —————————————
  2. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) これより委員会を開会いたします。  議事に入ります前に、委員異動がございます。昨十二日付をもって委員青柳秀夫君が辞任せられ、その補欠として西郷吉之助君が委員に選任されました。また本日付をもって、委員西郷吉之助君、大矢半次郎君、大野木秀次郎君が辞任せられ、青柳秀夫君、川村松助君及び平林太一君が委員に選任されました。     —————————————
  3. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) それでは所得税法の一部を改正する法律案(衆第一二号)を議題といたします。  本案につきましてはすでに質疑を終了しておりますので、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いとうございます。——別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 御異議ないものと認めます。   それではこれより採決に入ります。所得税法の一部を改正する法律案(衆第一二号)を衆議院送付通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  5. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 全会一致であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。  なお本院規則によりまして、本会議における口頭報告内容議長提出する報告書作成等につきましては、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 御異議ないと認めます。  それでは委員会報告書に多数意見者署名を付することになっておりますので、本案を可とされる方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     山本 米治  岡  三郎     土田國太郎  青木 一男     青柳 秀夫  井村 徳二     川村 松助  木内 四郎     菊田 七平  白井  勇     西川甚五郎  藤野 繁雄     木村禧八郎     —————————————
  7. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 次に所得税法の一部を改正する法律案閣法第八号)を議題といたします。  本案につきましては質疑は終了しておりますので、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  8. 岡三郎

    岡三郎君 私はただいま議題となっております所得税法の一部を改正する法律案について賛成をいたします。政府提案理由説明によりますと、「最近の所得税負担状況にかえりみますと、給与所得者負担が他の所得者負担にくらべて特に重いと認められ」云々という形で提案されてきておりますが、この点につきましては、われわれは遅きに失したのではないかという強い感じを持っておるのであります。それから今回の改正昭和三十一年度におきまして一五%から一七・五%つまり七月一日からの二割ということになっております。この点につきましても、いま少し財源捻出して四月一日から実施してもらいたいという強い希望がありますし、さらに昭和三十二年度において租税制度を全般的に検討せられるということになっておりますので、その際は二〇%を二五%程度引き上げてもらいたいという考え方を持っておるものであります。またこの減税財源に充てられておるところの交際費損金算入措置の範囲の拡大という点についても、もっとこれを拡大して財源捻出しても、現状においては無理はないのではないか、こう考えております。それは最近の金融事情等にかんがみましても、従前は金融を受ける側が平身低頭していろいろと接待その他をするということが見られたのでありまするが、最近においては主客転倒いたしまして、金を貸す方が下座になっておるというふうな工合で、諸事万端情勢というものが二十八年度当時とは変ってきておるというふうな点を考えておるものであります。それから退職金引当金を積み立てるこの限度額を百分の百から百分の五十に制限したという点についても、やはり財源捻出上においては無理ではないかというふうな感想を持っております。砂糖に対する関税税率引き上げるという点については先般の法案について意見を申し述べております。以上において、財源捻出においても相当無理があって、真に勤労者全般についての減税にふさわしい内容にあるとは申されません。しかし私は、以上の諸欠点を持っておりまするが、本法案がこの百分の十五に相当する金額を百分の二十とし、そうして最高八万円を控除するという方針をとられたことについては、不満でありまするが、賛成を申し上げる次第であります。  なお今後の希望として、十分これらの計数について検討せられて、真に税を負担するところの勤労者給与所得者が納得するような方法において今後とも善処せられることをお願い申し上げまして、討論を終ります。
  9. 土田國太郎

    土田國太郎君 本案には賛成いたすものでありまするが、私の意見といたしましては、本年の八万円限度二〇%というのを少くとも十万円限度の二〇%へ持っていってもらいたかった、こういうことが考えられるのであります。それと合せまして、中堅階級所得税はいかにも高過ぎる、こういうことについては国会においては何人も議論をせられないようでありまするが、納める方からいかにも比率が高過ぎるから何とかこれは方法はないかというようなことを、しょっちゅう私どもは聞くのでありまするが、どうかそういう点につきましても政府は親切に考慮の必要があると思うのであります。なお、この控除率引き上げに対しまする面は、まあ勤続者がそうなんでありまするが、私は最近あわせて中小企業者が今度の税率引き下げに何らの恩典にもあずかっておらない現段階におきまして、士農工商を通じて一番困っておるのは中小企業者であります。それが何らの対策を講じ得られなかったということは、非常に私どもは遺憾であるのでありまして、これらについても政府対策を適当に考えるべきものであるとこう思うのであります。私が申し上げるまでもなく、この中小企業者は、この高い税率のほかに事業税というようなものも負担しているのでありまするから、来年三十二年度税制改正におきましては、中小企業者法人税所得税並びに事業税等につきまして、政府は特段なる考慮をわずらわしてもらいたいということを要望するのであります。なお、この財源でありまするが、私は交際費ということにつきましては、損金算入になった額はわずか十億程度のものであるという説明を受けておるのでありまするが、しかしながら、このわずかな金額を不算入拡大したということは、資本蓄積が不必要になったのではないかというような感じ一般民衆に与えるのではないかという感があるのでありまして、こういう点はよく為政者はお考えになっ方がよろしいと思うのであります。  次に退職金引当金制度取りくずしは、御承知の通り個人対象積立金であったのでありまするが、今回この取りくずしを全面的にやるというようなことになりまするというと、個人対象制度というものが否認されたということに相なるわけでありまして、特にこれらの取りくずしにつきましても、財源的にそう影響のない中小企業まで巻き添えを食ったということは、私は非常に遺憾に思うのであります。施行規則等お作りになりまするときにも、私はこの取りくずしにつきましては、大企業中小企業とを区別いたしまして、特別の施行規則お作りになるのが妥当ではないか、こういうふうに考えるのであります。どうかその点は十分一つ大蔵省は御注意にあずかりたいと思うのであります。  それとあわせて、この今回の減税政策は、表面は所得者減税はいいのでありまするが、裏へ回りますると、みなその陰に犠牲になる者がありまするので、こういうようなことは、まあ欺瞞政策と見られるようなことになるのでありまするから、私は為政者として十分御注意あってしかるべきものではないかと考えられるのであります。なお、この財源につきましても、こういうような直接あまり楽でない業態に影響を及ぼすよりも、特別措置の中にも、あるいはまた一般所得税の中にも、公平適正でないと思われるものもたくさんあるのでありまするから、こういうものこそ今度の財源に当てらるべきものであるということの感を深くするものであります。でありまするから、どうか三十二年度税制改正に際しましては、これらの諸点について十分政府考慮を要望するのであります。  最後に申し上げておきたいことは、今回のこの財源措置につきまして、政令によりまして七十八億というような膨大な額が退職金給与引当金制度の取りくずしによりまして出てくるのでありまするが、こういうことは、われわれ国会にも手のつけようのない方法であり、また国民といたしましても、政府国会の承認を得ない方法をもって膨大な資金を右から左へ回すというようなことは、はなはだ私はこの運営につきまして不安を感ぜざるを得ないのでありますので、こういうことは、私は国会として十分研究の上善処すべきものではないかということを考えられるのであります。  以上申し述べまして私の討論にかえる次第であります。
  10. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私は所得税法の一部を改正する法律案反対いたすものであります。  反対理由の第二は、現在の税制は、いわゆる資本蓄積重点を置き過ぎる、また資本蓄積に名をかりて租税負担の公平の原則が意識的に無視されておるという点でありますが、この点をまあ是正しようとして、その一環として動労控除一五%を二〇%に引き上げ、百五十一億減税しようとするのが本案のねらいでありますが、それはきわめて不十分であるという点であります。資本蓄積に名をかりて租税負担の公平の原則がじゅうりんされておる点は、第一に、申告納税源泉徴収給与所得税との不均衡、第二は勤労所得と不労所得との不均衡、それから法人特別措置中小法人との税金の不均衡、さらに法人間においても大法人中小法人との不均衡等々、租税負担の公平の原則が著しくゆがめられておると思うのです。これまでは日本の経済が正常化していない、そこで資本蓄積重点を置いたという根拠に立つならば、少くともこれまでは一応是認されるといたしましても、すでに経済が正常化したと政府は言っておるのですから、そういう点に立てば、この不均衡はここで是正されなければならないわけですが、特に資本蓄積に名をかりて、税制面から大法人に著しく減免措置を講じておるということは、各国の税制における資本蓄積政策から見ましても、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダ等税制面における資本蓄積政策から見ましても、あまりに特典を与え過ぎておると思うのです。この点に根本的な税制改革を行わなければならないのに、この点に手を染めてないということが反対理由の第一であります。  第二の反対理由は、この法案の意図する給与所得者負担が他の所得に比べて特に重いと認められるから、この点の不均衡を是正しようというのが今回の税制改革の意図であると言っていますけれども、一五%を二〇%に上げただけでは不均衡は依然として残っているわけです。少くともシャウプ税制改革前の二五%最高限度十万円までは、この際とりあえず引き上げるべきであると思うのであります。その点については、政府の方では財源がない、二五%十万円まで上げますと、今回の平年度で約四百億円余財源が要るといわれていますが、しかしその財源は決してないわけではないのであります。たとえば租税特別措置法による減収額は、期限定めのあるもの二百八十九億五千万円、期限定めないもの五百九十六億五千万円、合計八百八十六億円に達しているわけです。従ってこの方面について改正を行えば、必ずしも私は、今回の改正よりも平年度において約二百億新たに財源を調達すればいいのでありまして、その財源調達の方途はないわけではないし、財源がないのではなくて、ほかにあるのであるけれども、その財源をこちらの減税に向けないというだけに過ぎない。その点で、二〇%最高限度八万円まで引き上げるのでは不十分である、依然として不均衡は是正されない。特にこれが地方税にまたはね返ってくる。そのことを考えると、不均衡はちっとも是正されておりません。また必ずしも国民所得比較において不均衡を考えることは当らぬかもしれませんが、大体まあ現在の不均衡状況はわかると思うのですが、三十一年度分配国民所得は、勤労所得が三兆四千六百三十億、個人業種所得が二兆五千九百億で、勤労所得個人業種所得に対して三四%の増加でありますが、ところが税金の方は、勤労所得税千九百九十六億に対して申告納税は六百二十七億、これに地方個人事業税百七十八億を入れましても二倍以上であります。所得が三四%しか多くないのに税金になると二倍以上になる、こういう機械的な比較だけでは、正確にその不均衡を表わすということにならぬかもしれませんが、大体これを見てもまだ非常に不均衡になっておる。所得税というのは大部分が勤労所得税になっている。これを是正しなければなりませんので、二〇%八万円程度に上げたんでは、不均衡は依然として非常に大きく残っております。そういう意味賛成できないのであります。  それから第三の反対理由は、なぜ四月一日から実施できないか。七月一日から実施することにしておりますが、これも財源がないと言う。しかし財源が決してはいわけではない。しかもその財源を、七月一日から実施の百五十一億減税財源を、砂糖関税引き上げとか法人退職引当金損金算入を減らすとか、これは結局大衆負担が転嫁されていくのであります。不均衡を是正しておいてその財源大衆にまた転嫁している。こんな私は不合理なことはないと思います。この点、賛成できないのであります。  それから最後に、これは直接税中心から間接税中心に移行する税制一環としてこれが現われておりますが、砂糖消費税引き上げるという点にはっきり出てきておりますが、税金を納められないほど低所得の人は、所得税を減らしても何ら恩典がないのに、間接税だけふえてしまったら、まるっきり負担がふえるわけです。従って直接税中心から間接税中心に移っていますが、貧困階級は一体どうするか。所得税を納められる人は一応減税によって負担が軽減されるけれども所得税を納められないほどの低所得者は、間接税増徴によって物価が上り、その負担をまるまるしょってしまう。こんな不公平な税制はないと思うのです。貧困階級ほどこの間接税移行によって生活が困ってくる、こういうような税制改革になっているわけです。  以上の点から、その趣旨は必ずしも悪くないのですけれども、これではせっかく不均衡を是正しようとしてちっとも不均衡是正になっていません。しかも地方税増税を考えますと、実質的には、百五十一億の減税と言いますけれども、家計に直接響く負担軽減というものは百五十一億じゃありません。砂糖関税引き上げ、あるいは地方税増税を考えれば、これは百五十一億減税というのは名目に過ぎない。そういう点で依然として不均衡が是正されていないこの所得税法の一部改正案反対するのであります。
  11. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 他に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。所得税法の一部を改正する法律案閣法第八号)を衆議院送付通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  13. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 多数であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じます。  それから、多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     山本 米治  岡  三郎     土田國太郎  青木 一男     青柳 秀夫  井村 徳二     川村 松助  木内 四郎     菊田 七平  白井  勇     西川甚五郎  藤野 繁雄     平林  剛     —————————————
  14. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 次に租税特別措置法等の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては質疑はすでに終了いたしておりますので、これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
  15. 岡三郎

    岡三郎君 私は社会党を代表いたしまして、租税特別措置法等の一部を改正する法律案に対して反対いたします。  本法律案につきましては、提案の中に説明してありまする通り、それぞれの改正点が述べられておりまするが、航空機燃料用揮発油についての免税措置を三十四年三月三十一日まで延ばすこと、および有価証券取引税法について、税率を検討して、それぞれ引き下げたこと、また登録税法について規定の整備を行なったこと等については可とするものでありますが、法人の支出する交際費等について損金算入措置拡大したと申しておりますが、この点につきましては、「基準年度交際費等支出額の七割に相当する金額又は当該事業年度取引金額に一定の割合を乗じて算出した金額のうち」という、この基本的な問題について改正を加えられずに、部分的な改正に終っておるという点が、不満なのであります。さらに租税特別措置法等改正案提出されたことにつきましては、このような点だけではなくして、抜本的に政府は検討を進めて、期限定めのあるもの、また期限定めのないもの等の中からさらにセレクションしていただきまして、取れるものを十分取っていくという方針を確立してもらいたかったのであります。さらに一歩進めるならば、法人税特別措置は特に全廃していく方針を出してもらいたかった。そういうふうな観点から、本法律案内容について特段大きな異論はないのでありまするが、根本的な見地から、この法律案提出に対しては賛成しがたい、こういう理由をもって反対をいたします。
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私も本案反対するものであります。  第一に、この法案提出の仕方が、これは非常に矛盾していると思うのです。法人の支出する交際費損金算入措置拡大と、航空機燃料用揮発油に対する揮発油税及び地方道路税免税期間を延長する了ということと、公社債等の譲渡にかかる有価証券取引税税率を引き下げる措置等、この三つの間にどういう関連があるのですか。これはみな別々の法律案です。別々の法律案一つ法律案においてこれを処理しようとする、こんな不親切な法案の出し方は私はないと思います。これは個々法案を軽く見ているということではないかと思います。あるいはまた、衆議院で絶対多数を占めているから簡単にこれが通るのだ、こういうよう意見地に立って、こういうような法案の出し方をしてきていると思うのですよ。これがもっとさらに影響の大きいものであったら、一体どうするか。これは個々法案として提出すべきじゃないかと思います。ですから、先ほど社会党の岡さんも、この最初の法人交際費損金算入の問題については反対であるけれども、その他の点については別に異論はない、賛成であるけれども反対の点が一つあるために、全体の法律案に対して反対をせざるを得なくなる、こういう結果になるわけです。こんな出し方は、私は今後すべきものではないと思うのです。法案の出し方自体について私は反対であります。  それから第二には、その反対理由は、もう岡さんが述べられましたから繰り返すことは差し控えますが、要するに法人交際費損金算入の問題については、これは前にもっと徹底した措置をとるべきであったのを、これを中止して、今度は非常に不満足な形で出して参りましたが、内容については、この点に反対であって、あとの他の二点については、別に私も異論はないのであります。しかし法案提出の仕方がこういう形で出してこられましたから、鯨とまんじゅうとどっちがうまい、こういうような論理の範疇の違うものを比較せよ、そうして賛否を明らかにせよといったって、これは無理であります。そういう意味本案反対であります。
  17. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 他に御発言もないようてありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  租税特別措置法等の一部を改正する法律案衆議院送付通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  19. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 多数であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般手続は、慣例によりまして委員長に御一任願いとう存じます。  それから多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     山本 米治  土田國太郎     青木 一男  青柳 秀夫     井村 徳二  川村 松助     木内 四郎  菊田 七平     白井  勇  西川甚五郎     藤野 繁雄     —————————————
  20. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 次に、昭和二十八年度昭和二十九年度び昭和三十年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑を行います。——別に御発言もないようでありまするが、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願いとうございます。——別に御発言もないようでありまするが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  昭和二十八年度昭和二十九年度び昭和三十年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入の特例に関する法律の一部を改正する法律案衆議院送付通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  23. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 多数であります。よって本案は可決すべきものと決定いたしました。  なお諸般手続は、慣例により委員長に御一任願いとう存じます。  それから多数意見者の御署名を願います。   多数意見者署名     山本 米治  岡  三郎     土田國太郎  青木 一男     青柳 秀夫  井村 徳二     川村 松助  木内 四郎     菊田 七平  白井  勇     西川甚五郎  藤野 繁雄     平林  剛     —————————————
  24. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 次に、漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案議題として、事務当局より補足説明を聴取いたします。
  25. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法律案の補足説明を申し上げます。  この法案は、漁船再保険特別会計給与保険勘定に生じました損失を埋めますために、昭和三十年度において一般会計から六千三百五十万円を限りまして、この給与保険勘定に繰り入れることができるようにするものでございます。この給与保険勘定におきましては、漁船乗組員、給与保険法の規定によりまする漁船乗組員の抑留を保険事故といたします給与保険に関する再保険にかかる経理を行なっておりますが、この給与保険勘定は、昭和二十九年度び昭和三十年度におきまして、保険事故が非常に発生いたしましたために、再保険金の支払いが著しく増加いたしまして、多額の損失を生ずる結果となったのでありますので、前述のように一般会計から繰り入れをする必要が生じたのでございます。すなわち、この保険の保険料は、昭和二十五年、二十六年及び二十七年の三カ年におきまする実績によりまする危険率によりまして、一・四七%と定められておるのであります。これはこの三カ年間の平均抑留期間が二・三カ月になっておりまして、それを基礎として算出されたものでありますが、昭和三十九年度及び三十年度における実情は、抑留期間が数カ月ないし一年以上の長期にわたっておりますために、このような損失が生ずる結果となったのでございます。なお、今回この法律案によりまして繰り入れようといたしておりますのは、本年二月末までに見込まれる損失を対象といたしてございます。また再保険金支払いの対象になっております抑留人員は、本年一月末現在におきまして、ソ連関係八人、韓国関係四百七十四人、合計四百八十二人となっております。  簡単でございまするが、補足説明を終ります。
  26. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちょっと、ソ連以外は何人ですか。
  27. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 韓国関係が四百七十四名でございます。
  28. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この抑留された人の家族が非常に困っておるということを聞くのですが、この保険以外にも何かほかに措置が講ぜられておりますか。
  29. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) まず、見舞金といたしまして昭和二十八年十二月に保険に入っている者、入っていない者両方に対しまして差し入れ物資の補助をいたしております。具体的に計数をもって申し上げますると、まず、給与保険加入者に対しましては百八十四万円見舞金を出しております。それから未加入者に対しましては差し入れ品購入代と給料等合算いたしまして一人当り五万二千円の単価をもちまして三百五十二人分といたしまして千八百三十万円余を出しております。さらに昭和三十年十一月には差し入れ物品購入費といたしまして、一人当り一千百四十六円の単価をもちまして六百十一名分の四十九万九千七百五十二円を支給いたしました。そのほかいろいろ事務的な経費をこれに付随して出しております。さらに、昭和三十年十二月におきましては、差し入れ品購入のための補助金といたしまして九百七十万五千円を支給いたしております。さらに、抑留者で給与保険に入っていない者に対する見舞金といたしまして七百六十九万円を見舞金として出しております。さらに、保険に入っておりますが、給与が低くて保険でもらう金では、なかなか生活ができがたいという低額給与保険加入者に対しまして三百十九万三千円を支給いたしております。さらに、被災漁船乗組員遺族に対しまして見舞金といたしまして四百五十七万五千円を支給いたしております。  以上が保険以外に、政府におきまして抑留されております保険加入者並びに保険未加入者に対しまして見舞金等で支給をいたしております金額でございます。
  30. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはただ見舞金という形ですが、非常に長くなってきておりますね、何かこれは制度化するようなあれはないのですか、このままでやはりずっと見舞金というような形でやっていくのか、その他何か考慮されていないのですか、どうですか。
  31. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 木村先生の御意見ごもっともでございますが、ただいまのところ最も抑留期間が長く、困っておりますものは、李ラインで拿捕されました乗組員の関係でございます。北海直地区あるいは中共地区等につきましては、最近中共との間におきまして民間漁業協定が結ばれまするとか、あるいは北海道関係におきましては、ソ連におきまして諜報上特に疑問のあるものだけをとどめおくということでございまするし、国府関係におきましてもほとんど抑留の事実がございません。問題は、李ライン関係だけでございまして、この点につきましては、外交交渉によりまして、こういう異常な抑留が生じないようにせっかく折衝中でございますので、平常に戻りまするならば、この保険制度によりまして大体カバーできていくと思われますので、ただいまのところ、この保険制度並びに見舞金によりまして政府といたしましてはこの問題の解決にあたる、かように考えておる次第でございます。
  32. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もちろん大蔵省でも見舞金等を出すにあたっては、現地の実情をお調べになっていると思うのです。実際われわれ聞くところによりますと、こういう見舞金等をもらっても、非常に生活に困っておるように聞くのですよ。従ってこういうような状態で、おっつけ仕事のようなものですね、こういう抑留がやまれば、この保険会計で十分いけるだろうということですが、このおっつけ仕事でも、一応それでそう困らない程度に見舞金をやっておればいいのですが、現地の実情は非常に気の毒な実情にあるということを聞くのですよ。それは現地に行ってお調べになったかどうか、どういう状況なんですか。
  33. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 別に特に調査をいたした事実はございません。
  34. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それはよくお調べになる必要があると思うのです。しょっちゅうそういうことを聞かされるのですよ。ですからこういう予算を組むについてはやはり大蔵省としても実情をよく知っていなければなりませんし、別に調査していないというのは、これは大蔵省が調査されなくとも、ほかで調査されたかもしれませんが、それでは大蔵省としては直接に調査されないでも、関係官庁でおそらく調べておるところがあると思うのですが、今でなくともいいのですから、あるいは、農林省かどこかで、保険会計といったらば大蔵省ですが、それから見舞金関係も大蔵省ですか。それだったらば、今お調べになっていなければ、今後やはりお調べになって、個人の責任でこうなっているのじゃないのですから、不十分であったら適切な措置を講じてやるように願いたいのです。
  35. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 農林省の方であるいは調査した事実があるかと思いますけれども、ただいまのところ判明いたしません。いずれにいたしましても、実情をよく調査いたしまして、実情に合うようにいたして参りたいと思います。御承知のように今保険がありますと、保険に入っていない者に対しまして同様な見舞金を出すということはいかがかと思いますけれども、財政状態ともにらみ合せまして、できるだけ実情に即するような見舞金の支給をいたすように心掛けたいと思います。
  36. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 最後に、くどいようですけれども、実情を聞きますと惨たんたるものらしいですよ。個人の責任でこうなったのじゃないのでしてね、もっとよく実情を調査して把握していただきたいと思います。
  37. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 他に御質疑は……。
  38. 土田國太郎

    土田國太郎君 さっき私、聞き落したのですが、韓国に四百七十四名でしたね、抑留者は。ソ連はどうなっております。
  39. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 八名でございます。
  40. 土田國太郎

    土田國太郎君 ほかありませんか。
  41. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) ただいま申し上げました数字は保険加入者の数字でございまして、抑留者の数字はもう少し多うございまして、七百七十一名になっております。
  42. 土田國太郎

    土田國太郎君 それは韓国……。
  43. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 内訳を申し上げますと、三十一年一月末の数字でございますが、ソ連が五十九名、韓国が六百九十一名、国府が十一名、中共が十名合計七百七十一名になっております。
  44. 土田國太郎

    土田國太郎君 これは保険加入者をまぜてのものですか。入ってのものですか。
  45. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) さようでございます。
  46. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  47. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 速記をつけて。  御質疑がなければ、本案質疑は一応この程度にとどめます。     —————————————
  48. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 次に、本院先議でありまする物品管理法案関税法等の一部を改正する法律案及び国有財産法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括議題として、政府より提案理由説明を聴取いたします。
  49. 山手滿男

    政府委員(山手滿男君) ただいま議題となりました物品管理法案ほか二法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  最初に物品管理法案について御説明を申し上げます。  国における物品の経理は、物品会計規則により規制されているのでありますが、この規則は明治二十二年に制定をされたものでありまして、すでに多年を経過し、その内容も、近年とみに膨大かつ複雑になった国の行政事務に対応する物品経理の基本法規としましては、必ずしも適当であるとは申しがたい状況にございます。一方、毎年度の会計検査院の決算検査報告におきましても、物品の過大なまたは不適当な調達や、不当な管理、保管の事例が相当見られるのでありまして、金銭の経理、国有財産の管理と並んで物品経理の制度をさらに整備する必要に迫られたのでございます。  このような情勢にかんがみまして、物品の供用は、各省各庁において作成をする需給計画及び供用計画に基き、または、物品の分類の目的に従い行われるべきこと等物品の管理の方法及び基準を定めるとともに、国の物品管理機関を整備し、その責任を明確にすることにより、物品の適正かつ効率的な供用をはかるために、今回、ここに、物品管理法案提出をいたしました次第でございます。  以下、この法律案内容につきまして、その概略を御説明を申し上げます。  第一に、この法律の適用を受ける物品は、国が所有する動産のうち、現品、日本銀行に寄託される有価証券及び国有財産法の適用を受ける動産を除いたもの並びに国が使用するために保管する動産でございます。  第二に、各省各庁の長は、予算及び事務または事業を勘案して、毎会計年度、重要な物品の需給計画を作成をするほか、物品管理官においても、供用計画を立てて、物品の調達及び供用は、この計画に基いてなされるべきものとし、もって、物品の過大なまたは不適当な調達を防止し、計画的かつ効率的な調達及び供用をはかることといたしておるのでございます。  第三に、物品を供用の目的に応じて分類することとした点でございます。物品会計規則のもとにおきましても各省大臣が定める取扱規程において、分類が設けられておりましたが、その大部分は、供用の目的及び予算の目的とは無関係に、単に名称または性質による分類にすぎなかったため、物品の調達については厳重な予算の規制を受けるにかかわらず、物品としてはその規制が必ずしも十分でないような事態を生じ、物品の合目的的な供用のための方法となっていないうらみがあったのであります。よって、この法律案におきましては、物品の分類は、原則として、予算の目的に反しないように設けるものとし、物品の使用はこの分類の目的に従って行わるべきものといたしました。これによつて、予算が執行されて物品になった後においても、その物品について予算の目的が追求され得ることとなり、物品の合目的的使用が確保されることとなる次第でございます。ただし、所要の場合には、物品の分類を変更することを認める等物品の供用の効率化、円滑化をはかることもあわせて配慮をいたしております。  第四に、物品の管理機関といたしましては、各省各庁の長が所管物品の管理の責に任ずることはもちろんでございまするけれども、その下に、物品の管理事務を行う物品管理官、物品の出納保管事務を行う物品出納官及び物品の供用事務を行う物品供用官を設けることといたしました。また、物品を管理する職員が、故意または重大な過失により、法令に違反をして物品を亡失損傷する等国に損害を与えたときは、会計検査院の検定に基いて、及び物品を使用する職員は、故意または重大な過失により、物品を亡失または損傷した場合には、それぞれその損害を弁傷しなければならないこととし、その責任を明確にいたしております。  第五に、その他物品の出納保管、処分、検査及び報告等物品の管理の基準及び方法を規定いたしております。  次に関税法等の一部を改正する法律案について御説明を申し上げます。  この法律案は、税関手続の簡素化及び関税行政の適正化に資するため、関税法及び関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正しようとするものでございます。  以下、改正内容について簡単に御説明申し上げます。  第一に、関税法につきましては、外国貿易船等が簡易手続により入出港することができる場合を拡張し、福島県小名浜港及び熊本県水俣港を開港に、福岡県板付空港を税関空港にそれぞれ指定するほか、所要の規定の整備を行うこととしておるのでございます。  まず、外国貿易船等の入出港手続につきましては、従来外国貿易船または外国貿易機が開港または税関空港に入港し、その船用品または機用品以外の貨物の積みおろしをしないで出港する場合に限り、簡易な入出港手続によることが認められておりましたのを、船用品または機用品のほか乗組員の携帯品及び郵便物のみを積みおろしする場合にも簡易手続を適用することとして、税関手続の簡素化をはかることとしているのでございます。  次に、従来不開港でございました福島県の小名浜港及び熊本県の水俣港につきまして、これらの港における貿易実績及びその将来性にかんがみまして、これを関税法上の開港に指定するとともに、福岡県の板付空港につきましては、日本航空株式会社の福岡−那覇線の開設に伴い、これを税関空港に指定することとしているのでございます。  そのほか外国貨物で刑事訴訟法の規定により売却等の行われたものは、関税法の適用上輸入を許可された貨物とみなして手続の簡素化をはかるほか、収容貨物を廃棄処分できる場合を拡張し、また、収容貨物の換価代金を所有者に交付する場合におけるその貨物についての質権者及び留置権者の保護に関する手続を明確にする等所要の規定の整備を行うこととしておるのであります。  第二に、関税定率法の一部を改正する法律に関する改正点を申し上げます。  従来、学校等の給食用の乾燥脱脂ミルクにつきましては関税を免除しているのでありますが、免除を受けたミルクが実際に給食の用に供されるまでには、輸入者以外の者の手を経る関係上、他に転用されるおそれが少くない実情にかんがみまして、その用途外使用を制限するとともに、違反者に対する罰則を整備することといたしておるのでございます。  次に、国有財産法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  国有財産の管理及び処分につきましては、原則として国有財産法に基きまして運営されているのでありますが、今般同法に若干の改正を加え、合同庁舎等の管理に関する特例を設けるとともに、別途御審議を願っております物品管理法案と関連して国有財産の範囲を調整するほか、行政財産について各省各庁相互の間における使用の調整をはかります等のため、この法律案提出いたした次第であります。  次にその概要を申し上げます。  まず第一に、合同庁舎等の管理に関する特例を設けようとすることであります。現行国有財産法においては、合同庁舎等二以上の各省各庁の長において共同して使用する行政財産につきましては、これを所管する者が明確に定められていないのでありますが、これらの財産の管理の適正を期するため、統一的に管理を行う必要のある行政財産のうち、大蔵大臣が指定するものにつきましては、これを使用する各省各庁の長のうち大蔵大臣が指定する者の所管に属させることといたしたのであります。  第二に、国有財産の範囲を拡張いたしまして、これに航空機を加えたことであります。これは、今般物品管理法案におきまして、従来国有財産として取り扱われて参りました事業所、学校、研究所等の施設の用に供する機械及び重要な器具は物品として取り扱うことにいたします等、国有財産として管理するものと物品として管理するものとの範囲を調整いたす必要を生じましたことに伴いまして、従来物品として取り扱われて参りました航空機につきましては、航空機が近時国においてその用に供することが顕著となりましたこと等にかんがみ、これを国有財産として規定することが適当と考えたからであります。  第三に、行政財産について各省各庁の組織相互の間における使用の調整についてでありますが、行政財産の管理の斉一を期するため、各省各庁の長がその所管に属する行政財産を他の各省各庁の長に使用させようといたします場合には、国有財産を総轄する大蔵大臣に協議を要することといたしたのであります。  以上物品管理法案ほか二法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  50. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) ただいま政府より提案理由説明がありました三法案につきましての補足説明質疑は次回に譲りますが、資料の御要求がありましたら……。     —————————————
  51. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) それでは漁船再保険特別会計における給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からの繰入金に関する法難案を議題として、質疑を続行します。
  52. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 抑留の乗組員は、今説明によってみますと、七百七十一人が抑留されて、そのうち保険を受けているのが四百八十二人、こういうようなことでございますが、この保険を付していない人に対して、いろいろ見舞金をやっておられる。こういうことで見舞金をやっておられることはまことに喜ばしいことだが、それももう現在の状態から非常に生活に困っているものが多いようであります。またその抑留されたところの人の家族の数によって、生活も非常に困っているようなものも多いのでありますが、政府においてはそういうふうな抑留者については、一律にやっておられるのであるか、あるいは家族のようなものも考えて、その人の実生活に即したような見舞金をやっておられるのか、その点お伺いします。
  53. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 見舞金の支給につきましては、抑留期間に応じまして、金額の差をつけているのであります。一人当り幾らと計算しております。家族の数に応じた支給の方法は講じておりません。従いまして藤野先生の御指摘のように、あるいは実情に合わん点があるかと思います。先ほど申し上げましたように、なおよく実情を調査いたしまして善処いたします。なおよく検討いたしたいと思います。
  54. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 抑留者の中で、その抑留された船に魚が多く積んであるというような船の抑留者と、それから全く魚がとれてないところの船に乗っている抑留者とは、抑留期間における待避が、向うにおける待遇ですが、向うにおける待遇が差があるような話を聞いておりますが、そういうふうなことを御調査されたことはありますか。
  55. 中村正路

    説明員(中村正路君) 所管外でありますので、直接私の方で調べてはおりませんが、抑留された船に漁獲物があった場合は、向うで一定の価格で買い上げているようでございます。従いましてそういう買い上げた金が向うで使えますので、漁獲物を全然持っていない船の場合とは、若干違いがあると思います。
  56. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから抑留された者のうちで、刑期が満ちて帰ることができるようは身分になっている者でありながら、帰ることができないで困っているというようは者が相当あるというようなことでありますが、そういうふうな者がどのくらいいるか。
  57. 中村正路

    説明員(中村正路君) これは韓国関係だけの関係にはると思いますが、韓国関係のうち四百七十四人の現在残っております人のうち、二百二十九人が昨年からそのまま帰られないでいる方でございます。こういう方はおそらく全部刑期を終った方だろうと思っております。  それからまた本年に入りましてから、つかまっている方は大体七月、八月あたりから、私の記憶では八月以降と思っております。こういう方はおそらく最近刑期が——新聞などでみますと、半年前後の者が多いようでございます。夏につかまった方は大体刑期が終ったのじゃないか、若干の人が十一月ごろつかまっておりますが、これらの人は刑期にあるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  58. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今朝鮮では、二百二十九人ぐらい大体刑期が満了したのだろうというようなお話でありますが、そうするというと約半分です。私の聞くところによれば、刑期中の者と刑期満了した者との食糧その他の待遇が非常に異なっていて、刑期満了したところの者が却って困難な状態に陥っている、こういうふうなことを聞くのでありますが、事実でありましょうか。
  59. 中村正路

    説明員(中村正路君) 帰って参りました船員の方に聞きますと、今おっしゃられたようなことを申しております。
  60. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうしますというと、刑期中の者よりも刑期満了の者が困っている、こういうふうなことであれば、政府としてもこれは何とか対策を講じなくちゃいけない。今韓国とはいろいろの問題で交渉はやっておられるのであろうが、できるだけすみやかに交渉をまとめて、そして刑期が満了した者はすみやかに帰って来るように、また帰ることができないような場合であったらば、刑期中の者よりも待遇が悪くならないように、そういうようなことは十分考慮をお願いしたいという希望を述べて私の質問を終ります。
  61. 岡三郎

    岡三郎君 昭和二十八年度、二十九年度、三十年度について抑留された数をちょっとお述べを願いたいと思います。
  62. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 二十八年度の数字を申し上げます。ソ連関係が三百九十六名、韓国が六百六十名、国府が二十四名、中共が二百九十七名、合計千三百七十七名でございます。二十九年度はソ連が五百六十五人、韓国が四百八人、国府がゼロ、中共が百七十七名、合計千百五十名でございます。三十年度はソ連が一千九人、韓国が四百二十九人、国府がゼロ、中共が二十四名、合計千四百六十二名でございます。
  63. 岡三郎

    岡三郎君 それで、これは二十八年度ではなく、初めから数えて損失補てん金の総額は大体どのくらいになりますか、今までに……。
  64. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 二十八年度に七百万円繰り入れております。二十九年度は一千五百万円、それから三十年度の七月に七百万円、合計二千九百万円支給しておりまして、今回の六千三百五十万円さらに追加されるわけでございます。
  65. 岡三郎

    岡三郎君 今回は従前に比較するとずいぶんふえてきたわけですが、この原因はどういうわけですか。
  66. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、最近李ライン関係、韓国関係の抑留期間が非常に長くなっております。そういう関係でございます。
  67. 岡三郎

    岡三郎君 相当長期にわたるので生活状態についてさきに質疑があったわけですが、具体的にその家族についての生活状態の調査資料がありますか。
  68. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 先ほどお答えいたしましたように、ただいま資料を持ち合わしてございません。
  69. 岡三郎

    岡三郎君 それについては一つ農林省等にあったならば、そろえてもらいたいと、こう希望申し上げます。  それからこの問題について直接これは大蔵省との関連ではないのですが、特に朝鮮水域等において依然として出漁しなければ生活がたたぬ。ところが李ラインの線そのものが明確ではないばかりではなくして、向うへ入らなければ魚が取れぬというふうなことで、実際の措置として漁業者が行かなければ生活が成り立たぬし、行けばこのような状態になるというところで大きな問題が起っておるわけですが、根本的に考えれば雇われている人たちですね。いわゆる雇っている人たちはつかまらないので、雇われている人がつかまっているわけなんです。ということになると、これはこの中に書いてあるように、賞与とかそういったものは一体どうなっているのか。実績が上らなければ賞与をやらぬということになるのか、そういった点はどうなっているのですか。
  70. 中村正路

    説明員(中村正路君) 乗組員の手取りの問題になりますかと思いますが、歩合制度が大部分でございまするので、漁獲の実績が、成績があがらないとそれだけ乗組員の収入も減るわけでございます。
  71. 岡三郎

    岡三郎君 だから実際問題としてとりに行けば、つかまってしまうし、といって雇われているからやはり当然冒険をおかしても出漁するということになった場合に、実績給与が落ちるということになったならば、漸次志気が沮喪するし、実際問題として残された家族がたまったものではないというふうに考えれば、やはり抑留される当時の給与実態というものを精査して、それに相応する損失補てんというものを考えてやらなければ国としてはいけないのではないか、こう考えておるのですが、その点はどうですか。
  72. 中村正路

    説明員(中村正路君) ただいま御指摘の点は重々ごもっともだと思います。これは漁村によって一律ではないのでございますが、危険の海域に行く乗組員につきましては、特に船主が相当の給与を保証しておるところもございます。私の方といたしましては、給与保険にできるだけ多くつけるというようにしてもらいたいと、こう思っておりますが、給与保険では給与の六〇%以上保険につけなければならないということになっておりまして、その額は一定はしておりませんが、多い船は一人当り平均三万円ぐらいのものもございます。全体といたしまして給与保険に入っているものは月間一万五千円前後の給与額になっております。
  73. 岡三郎

    岡三郎君 やはり出す方の大蔵省はできるだけそれを減額するというふうな気持が動くかもわからない。それだからもう少しその点の実情を聞いて、あなた方が直接調べることにはらないかもわからぬが、十分聞いてこれは特例中の特例ですからね、やはり損失補てんという観点よりも、国際的ないわゆる日本の外交上における一つのこれは被害者だということに考えられて、当然な措置をとってもらうように考究願いたいという点を申し述べて、最後にこの繰入額算出基礎表の中で給与再保険料として数字が載っておりますが、そのカッコの中の「収納未済を含む」という、この収納未済はどのくらいありますか。これは昭和三十年四月から昭和三十一年二月末までという数字です。
  74. 中村正路

    説明員(中村正路君) この数字は調べましたのが少し前でございまして、二月末までに入って来るものを一部予定いたしましたので、収納未済という言葉が使ってございますが、この保険につきましてはその期間が過ぎての収納未済というのは今までのところございません。
  75. 岡三郎

    岡三郎君 以上で終ります。
  76. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  77. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 速記を始めて。
  78. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今いろいろ数字を説明していただいたが、この数字は資料としてこの次に出していただくことをお願いします。
  79. 岡三郎

    岡三郎君 ちょっと資料ほしいのですが……、申しおくれて失礼しましたが、関税法等の一部を改正する法律案の中で乾燥脱脂ミルクですね、これを用途外に使用することについての制限を設けたといいますが、どの程度用途外に使用されたか、一つ資料を提出してもらいたいと思うのです。用途外に使用した場所、その数量、行き先、それからそれに伴った価格、それからそれに対する責任者及びそれに伴うところの処分、こういったような一覧表を資料として御提出願いたい。
  80. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 今の関税に関連しまして、直接関連ではないのですが、行政協定によって駐留軍が自家用として無税で輸入するものがありますね。そういうものは特に自動車が多いと聞いているのですが、そういうものの品目はわかりますか、自家用としてどの程度入るのか、そういうものがわかったら一つ
  81. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 所管でございませんので、正確なことは申しかねますが、できるだけ調べましてお答え申し上げたいと思います。大体自動車が多いのじゃないかと思いますが、なおもう少し精細に調べたいと思います。
  82. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 船員保険で、簡単にわかりいいように一つ……、保険は抑留期間中もらえるのでしょう、給与を事業者が払う全部または一部というのですが、一カ月間どのくらいもらえるのか、これは人によっていろいろ違いましょうが、それを未加入者に見舞金として払うでしょう、それは一カ月間一人についてどのくらいのものなんですか。
  83. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 未加入者に対しては一人月一万円の計算でいたしております。それは大体最短二カ月から最長六カ月ということにいたしております。人によって違いますが、従いまして一番低い人で二万円、多い人で六万円というふうになっております。
  84. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 しかしそれはたとえば六カ月過ぎちゃうともらえないのですか。
  85. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) さようでございます。六カ月で頭打ちにしておるわけであります。
  86. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうなるとあとは救済規定はないのですね、全然。
  87. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) さようでございます。
  88. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういう人もあるのじゃないですか、全然もらえなくなっちゃう。
  89. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 最近のように抑留期間が長くなりますと、六カ月以上抑留されているということに相なるわけでございまして……。
  90. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういう人は一体どうするのですか、全然急いでしょう。それで非常に惨たんたる人がいるということを聞くんですよ。それでこれはまた家族数か何か別なんです。とにかく一人に……。
  91. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) さようでございます。
  92. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 どうもこれは実情に合ってはい。期限が切れちゃったあとの問題ね、それから何か平均一万円でしょう。生活保護法は五人で約一万円ですかね、大体生活保護法並みですかな、これは。
  93. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 確かに御指摘のように六カ月以上にわたっている人が六カ月しかもらえない、しかも月一万円、家族の数が多いときは一万円じゃ食っていけないじゃないかということは御指摘の通りであります。ただ私どもの考えますことは、できるだけこういうところに出漁にいく人は保険に入っていただくというふうにやはりすべきじゃないか。これはたまたま今まで政府の勧奨もありますけれども入っていない人が困っておる。見舞金として出す関係上、財政の点もございましょう、そういう点で六カ月で切っておるのですが、できるだけ保険に加入していただくように勧奨して、そっちの方でカバーしてゆく、見舞金というふうな制度はできるだけやめてゆきたい、かように考えております。
  94. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その趣旨はわかりますが、その保険額は船主も払うのでしょう。
  95. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 船主が全額負担します。
  96. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうすると船主が漁がなくてとても払えないという人が多いんじゃないんですか。それですからね、原則は加入した方がいいと言いますけれども、だって漁がないのに払えないですよ、実際は。そういう実情を無視して、ただ加入原則でせよせよと言ったって、それは困難じゃないですか。
  97. 中村正路

    説明員(中村正路君) この給与保険の保険料は百円について一カ月一円四十七銭ということに相なっております。従いまして一万円かりに保険をつけるといたしますと百四十七円、これを原則として一回の保険期間は四カ月になっておりますが、六百円弱、たしか五百八十八円になると思いますが、これを一人につける。従って十人の乗組員のある船では六千円程度の保険料にしかならないので、さほどこの保険は大きな負担ではないんじゃないか、こういうふうに思っております。
  98. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もうやめようと思ったんですが、そういう御答弁ですと、船を抑留されちゃって、船がないのに漁できないじゃないですか。それで保険料を船主が払えないというのが実情じゃないかと言うんですよ。
  99. 中村正路

    説明員(中村正路君) 私の説明が少し足りなかったと思いますが、これは抑留される前に加入するのでありまして、加入しております人が抑留されますと、その後一切保険料は払わなくても、帰ってくるまでの給与保険は保険金は支払われることになっております。ただその期間は抑留が開始されてから六年四カ月間ということになっております。
  100. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 六年四カ月というのは……。
  101. 中村正路

    説明員(中村正路君) 六年四カ月間は給与を支払う、こういうことになっております。それ以上長く抑留されておる場合は六年四カ月で打ち切りになる、こういうことでございます。
  102. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  103. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 速記を始めて。  ではほかに御質問がなければ、本案質疑は一応この程度にとどめます。     —————————————
  104. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 食糧管理特別会計昭和三十年度における損失をうめるための措置に関する法律案議題とし、事務当局より補足説明を聴取いたします。
  105. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 食糧管理特別会計昭和三十年度における損失をうめるための措置に関する法律案の補足説明を申し上げます。  昭和三十年度食糧管理特別会計当初予算におきましては、この特別会計の昭和三十年度において発生する損失を約七十億円、昭和二十九年度における損失を約三十億円と見込みまして、合計額約百億円がこの特別会計の損失になるものと見込まれていたのでございます。その後、昭和三十年産米の未曽有の増収、昭和二十九年産米に対する減収加算等の情勢の変化によりまして、昭和三十年度において生ずる損失は百三十六億円になるものと見込まれまして、当初の予想に比較いたしますと約六十七億円の増加を来たしまするので、この特別会計の昭和三十年度末における損失は約百六十七億円になるものと予想されます。この損失を補てんいたしまして、今後の健全な運営に資するため、この百六十七億円のうち、六十七億円を限りまして一般会計からこの特別会計に繰り入れることができることとしますとともに、残り百億円につきましては、昭和二十六年法律第六十九号によりまして、昭和二十六年度において一般会計から特別会計へ繰り入れましたインベントリー・ファイナンス百億円を一般会計に繰り戻さなくてもよいことにすることによまして補てんの措置をしようとするものでございます。  簡単でございますが御説明といたします。
  106. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 質疑を行います。
  107. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今の提案理由説明と、それから昭和三十年度食糧管理特別会計の推定損益の当初予定とこの補正との比較、この表とは数字が一致しないのですが……。
  108. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 数字は間違っておらぬと承知いたしておりますが、特に御指摘のようでございますのでお答えいたします。内地産米で百八十八億、内地産麦で約十億円、米の集荷数量の増加等に伴いまして三十億円、合計二百二十八億円の損失が増加することになっております。正確に申しますと、二百二十七億三千三百万でございます。
  109. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 これは資料として提出をお願いしたいのですが、昭和三十年産米の等級別検査数量、それから予約集荷の都道府県別の数量、及び予約をしておって現在まだ予約数量に達していないところの府県別の数量、今後政府が集荷しようと計画しておられるところの特別集荷の都道府県別見込数量、それだけの資料をお願いいたします。
  110. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 承知いたしました。
  111. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 現在内地米の配給量はどうなっておりますか。
  112. 清井正

    政府委員(清井正君) ただいまの配給をいたしておりますのは、御承知の通り産地は全部内地米で、十五日間、消費地の方は内地米が平均で八日、それから外米が七日、合計十五日、外米の七日のうち、二日が準内地米、五日がいわゆる普通外米、こういうことになっておるわけであります。そのほかにさらに生産地、消費地ともに三日までの内地米の希望配給を実施いたしております。
  113. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 三日ですか。
  114. 清井正

    政府委員(清井正君) 三日でございます。従って米としての配給量は十八日以内ということになっておるわけでございます。と申しますのは、生産地の方は原則として一日でございますけれども、その当該県におきまする配給辞退の数字を見まして、配給辞退の程度を見て三日までは配給いたしてよろしいということになっておりますから、結局全部合わせまして十八日の配給が現在行われておるわけでございます。これはただいままででございますが、引き続き三十二米穀年度におきましてもさらにこれは継続いたすということにしておるわけでございます。
  115. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 石数にして希望配給以外の配給量はどのくらいの石数を配給するのですか。
  116. 清井正

    政府委員(清井正君) 三十一米穀年度の需給推算といたしまして、これはトン換算でございますが、一トンは大体石に直しまして六石六斗になりますが、基本配給として計算いたしております数量は、三十一米穀年度において内地米につきまして三百十万三千五百トンであります。そのほかに外米が全部で九十六万五千トンございまして、さらに希望配給といたしまして内地米が六十三万六千四百トンございます。総計で三十一米穀年度の配給数量といたしましては四百七十万四千九百トン、でお話の希望配給をそこから六十三万六千四百トン引きますと、残りが基本配給に相当する数量になるわけでございます。
  117. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 とにかく内地米は二千万石くらいですか、内地米は三百十万トンというのですね。
  118. 清井正

    政府委員(清井正君) さようでございます。基本配給といたしまして三百十万三千トン、内地米の希望配給といたしまして六十三万六千トン、合計いたしますと内地米で配給いたす量は三百七十四万トンばかりになります。
  119. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一番初め予算に計上されたときの基本数量は二千三百五十万石、これは買付数量になっていますね、それが豊作でそれ以上予約買付をやったのですけれども、最初は二千三百五十万石内地米を配給する予定じゃなかったのです。最初からやはり内地米配給は二千万石程度……。
  120. 清井正

    政府委員(清井正君) ただいま申し上げました内地米の三百十万三千トンと申しますと約二千三百万石程度の数量になるわけでございます。ちょっと違っておりますのは、加工用が入っておりますので、二千三百五十万石になるわけでございます。二千三百五十万石という買入目標は、ただいま申しました三百十万三千トンの基本配給のほかに工業用、酒米等もありますが、これを全部含めまして二千三百五十万石であります。それに対しまして六十三万六千トンというものが希望配給になるわけであります。そういうことになるわけでございます。
  121. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういたしますと今度三十二米穀年度ですか、そのときは内地米の配給数量は減らないのですか。
  122. 清井正

    政府委員(清井正君) 減らしません。引き続きまた希望配給も継続いたしますわけでございます。
  123. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 伝えられるところによりますと、持越米ですか、持越米なんかは普通配給といいますか、その方に入れないのですか、これは希望配給にしてしまうのですか。
  124. 清井正

    政府委員(清井正君) 基本配給にいたしますれば非常にけっこうなんでございますけれども、ただいまの点といたしましては相当今年は買い入れ数量が減りますので、引き続き希望配給を実施いたすということにいたして参るつもりでございますが、基本配給の方は動かさない。従いまして、全部政府で買い入れました予定以上の米は希望配給として引き続き三日くらい希望配給を続ける、こういうことになるわけでございます。
  125. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、やはり内地米は三十二米穀年度も八日ですね。内地米は、希望配給以外のですよ。それをずうっと続けるわけですか。
  126. 清井正

    政府委員(清井正君) ちょっとその点若干問題がございますのは、三十二米穀年度からは生産地と消費地の配給量を統一することに配給いたしておるわけでございます。従いましてただいまのところでは内地米が消費地では八日、生産地では十五日ということになっておるわけでございます。内地米だけで申しますと。消費地は外米が七日あるわけであります。ところがそれに対しまして一般の声が、生産地、消費地に同様に内地米を配給しないのはおかしいじゃないか、むしろ生産地、消費地を通じて、消費者に対する配給というものは均一にするのがいいのじゃないかというような声が強いのでございます。それで三十二米穀年度からは内地米につきましては生産地と消費地とを平均いたしまして配給いたそう、こういうことにいたしておるわけでございます。しかし一ぺんに十一月からきちっとやるわけにいくかどうか、その点若干研究をいたしたいと思いますけれども、とにかく十一月からの計画といたしましては、生産地と消費地を通じて内地米の配給日数を均等化しよう、こういう形にいたしたいと考えております。均等化いたしまするというと、大体八日と十五日の平均が約十日になるわけでございます。従って内地米としては全部でもって十日の配給量ということに生産地と消費地を通じて三十二米穀年度からはなる、こういうことになるわけでございます。  ただそこに申し上げておきたいと思いますが、さらに普通外米につきましてはこれは新年度からはある程度希望数量を御希望に応じて制限をせずに、五日という制限をせずに希望に応じて出そうと思っておりますが、指定配給につきましては相変らず配給を続けるわけでございますので、とにかく生産地と消費地を通じまして全国平均十日と、二日の指定外米と、この会計が基本配給になる、こういうことになるわけでございます。ただ基本配給の価格といたしましては、八日分と、二日分の指定外米を通じて十日分が基本配給の数字、こういうことになるわけでございます。二日分の配給におきましては、ところによりましては希望配給になるところもあるのじゃないかというふうに考えております。
  127. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうしますと、生産地の方は十五日が十日になるわけですね、五日減るということになりますね。消費地の方は十日になれば二日ふえますけれども、それは百二円の配給価格でなく、希望配給の百二十円ですか、百二十円の方でそれは配給する、この三日を、希望配給の三日を五日にふやす、こういう形になるのですか。
  128. 清井正

    政府委員(清井正君) 実施上につきまして若干問題はございますが、今の予算上の立て方はそういうふうにいたしたわけでございます。と申しますのは、ただいま申し上げました通り今の外米が六百五十円で売っておりますが、これは四月から六百円平均に下げるわけでございます。そうしてこれは生産地と消費地を通じて外米を政府が配給をいたそうというふうに考えております。これは先行き下る要素もございますので、三十二米穀年度からは十日分は基本配給いたしますけれども、うち二日程度は普通外米になるということになりますので、全国を通じますというと基本配給価格で配給される米は大体八日分の内地米が基本配給価格で配給され、あと二日は希望配給価格で配給されることになるのではないかと計算上は考えております。ただ生産地といたしましては、そのほかにただいま申し上げましたように外米等を安く配給されますので、安く配給される外米と、それから基本配給と、それから幾分高い希望配給の米、この三つを組み合せまして、大体現在程度のものは維持できるのではないか、こういうふうに考えております。
  129. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 結論としては、消費地において内地米が今の普通配給の百二円で配給されるということじゃなく、内地米について生産地で十五日が十日に減る分について、これが消費地に回ってきても、それは希望配給の方として、内地米を希望配給で買うということにはりますね。
  130. 清井正

    政府委員(清井正君) 一部についてはお話の通りであります。
  131. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そういうことになりますね。
  132. 清井正

    政府委員(清井正君) はあ。
  133. 岡三郎

    岡三郎君 損失の中において黄変米——病変米が相当あると思いますが、これはどのくらいになっておりますか、これはこの損失の中で。
  134. 清井正

    政府委員(清井正君) これは二十九年度決算ですでに十五億実は落しているのです。評価減として落しております。三十年度は御承知の通り、最近厚生省から一割以上——一定程度搗精した結果、支障がなければ配給してもいいということが出たのですが、ただいまのところはみそ、しょうゆ等に販売いたしております。これは相当高目に売れているのでありまして、思ったほどの損失はないわけでありますが、三十年度におきましての損失は二億四千万円と計上いたしております。
  135. 岡三郎

    岡三郎君 それで再搗精して配給するということになると、これはどういう方法によるのですか。
  136. 清井正

    政府委員(清井正君) ただいまの厚生省からの御結論を得ましたので、私どもの方で学者を集めまして、サンプリング委員会を開いて、どの程度の数量を検査すれば全体が安全だということがいえるかという、そのサンプリングの研究を今やってもらっております。その研究が済み次第、ただいま政府の持っております十四万トン余を全部搗精いたしまして、それをさらに厚生省の研究機関に委託いたしまして、検査して結果がわかりましたものについて順次販売いたすということになるわけでありますが、これは直ちに主食に販売いたすということはきめておりません。とりあえずはみそ、しょうゆ、それから菓子、それからアルコール、いわゆる主食以外の原料用にできるだけ回したいということで、逐次売却いたしたいと考えております。
  137. 岡三郎

    岡三郎君 そういったようないわゆる損失を生ずると三十一年度へ回るわけですか。
  138. 清井正

    政府委員(清井正君) これがどのくらいで販売されるかわかりませんので、はっきりした数字は言えないのでございますが、ただ私どもとしては、二十九年度で十五億落しております。さらに三十年度で二億四千万円、さらに三十二年度で、これは相当高価に売れるかもしれませんが、その保管料や何かの関係で、ただいまのところは売却の値段が推定がつかないので、何とも申し上げられません。やはり持越米の保管料が相当かかりますのですが、三十一年度において適当な価格に売れれば損失はないかもしれませんが、ちょっとそこのところはわかりません。
  139. 岡三郎

    岡三郎君 相当数量だから、結局主食に出さなければ消化できないのじゃないか、こう思われますが、そうするというと主食に出す場合に、これは黄変米の再搗精したものだからというのでやるというと、いわゆる売れ行きが悪いから、まぜてやるのですか。いわゆるまぜてやるなら希望配給でやるのかということです。
  140. 清井正

    政府委員(清井正君) ただいまのところは主食に売るということはきめていないのであります。ただいまのところは搗精いたしまして、売るかどうかがわかりましても、今申し上げましたことは、配給という立場から見ますと、消費者の安全擁護ということがありますので、とりあえずは全部原料に販売いたそうということであります。
  141. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちょっと関連して。前に河野農林大臣が、主食に回すということはしない。それで別途の用途を考えるために、何か審議会みたいなものを作って、そこに諮問するとか言っていたのですが、今のお話だと、結論によっては主食に販売するかもしれないのですね。
  142. 清井正

    政府委員(清井正君) いや、主食に販売するということは申していないのであります。ただいま私どもの考えといたしましては、主食には売りたくないと思っております。と申しますのは、厚生省の御結論によりまして、一定割合だけ搗精して、菌がなければ主食にしてもよろしいという結論を得たのでありますから、その通りやれば主食に売ってもよろしいわけでございますけれども、私どもの配給というものの立場から申しますと、消費者の安全感ということもございますし、ただいまのお話のありました通りのような点もございますので、ただいまのところといたしましては、これは主食には売らないというふうにきめておるのでございます。主食に売らなければどこに売るかという点になりますけれども、その点はみそ、しょうゆ、あるいはアルコール等がございますので、いわゆる主食以外の原材料に売ろうということで、ただいま売り得るものだけは売っておるのでありますが、さらにサンプリング委員会等の結論を得まして、搗精したものの菌のないものにつきましても、現在申し上げますものにつきましても、同様に売っていこうと考えておりまして、ただいまのところは主食に売るという考えは持っていないのであります。
  143. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 しかし、それは主食に売らないとしても、横流れする危険があるのじゃないですか。
  144. 清井正

    政府委員(清井正君) その点は私ども最も心配するところでございます。そこで前々からこの問題につきまして売り渋っておりましたのも、非常に低価格で売りますことによるただいまお話のような弊害があってはならないということで、一時そういう事実もあったものでございますから、非常に心配をいたしておるのでございます。そこで売却をいたします場合におきましても、私どもといたしましては、実需者団体に直接売却をいたすということになっております。全国の実需者団体と直接話し合いをいたしまして、また知事の証明によって直接売却をいたしておるのであります。みそにしろ、しょうゆにしろ、その他全部同様の方法によっていきまして、確実に食糧事務所の倉庫から実情者の団体を通じて、実需者の工場に直接流れるように県知事の監督のもとに実施をいたしております。また、この問題につきましても逐次関係の取締当局にも連絡をいたしまして、いつ幾日どういう数量をどこへ売ったということを連絡してあります。そうして司法当局におきましても、この点につきまして十分監督をしていただくことにいたしております。そういうことで、流通経路は注意をいたしております。価格につきましても、できるだけ安く売るということによって、ほかに流れる危険がございますので、実需者の方はできるだけ安いということを希望いたしておるのでありますけれども、私どもの方といたしましては、できるだけそういうことがないようにいたしておりまして、現にみそのごときはトン当り五万六千円ぐらいに売っておりまして、今まで売っておりました価格と同程度の価格で売っておるのでありまして、私どもといたしましては、割合に高い価格で売れている、こういうふうに考えておるようなわけでございまして、今までの実例に徴しまして、せっかく売りましたものが他に流れることのないように、今までも十分注意をいたしておりますけれども、今後もこの点につきましては、十分注意を払っていきたいと考えておるわけであります。
  145. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 病変米を全部そういうふうに処理しますと、最後にどのくらいの損が出ますか。
  146. 清井正

    政府委員(清井正君) その損失の点は、今ちょっとはっきり計算が出ないのでありますが、ただいま申し上げました通り、すでに二十九年度で十五億落しておりまして、三十年度で二億四千万円の損失でございます。三十一年度は、ただいまのところでいきまして、果してそれがどの程度の価格で売れますか、厚生省の御結論があるものでございますから、それが搗精賃とか金利、保管料、輸送賃、売却価格というものが差引になるわけでございまして、ただいまのところ、それが三十一年度においてどのくらいの損益として現われてきますものか、ちょっとただいまのどころ、私ども自信を持った数字は申し上げかねるのでございますが、いずれにしても三十年度は二億四千万円ということでございます。二十九年度に十五億を落すということで参ってきておるのでありまして、正確な数字につきましては、いましばらく御猶予を願いたいと思うのであります。
  147. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まあずいぶん大きな損をしたものだと思うのですが、今の法律案の中で、今度の食管の百億円はインベントリー・ファイナンス、二十六年度一般会計から繰り入れたものですが、これは一般会計へ百億円戻さなくてもいい、こういう整理の仕方なんですね。
  148. 清井正

    政府委員(清井正君) この問題は二十六年度一般会計から繰り入れまして、一般会計から繰り入れただけになっておりまして、食管特別会計だけがこれが貸借対照表の負債になっておるわけであります。従いまして、今回これを戻さなくてよろしいということになりまして、一般会計とはこれで何ら返済の義務がなくなることになりますので、一般会計と特別会計との関係は、これで全然関係がなくなるというふうに私どもは考えておるわけであります。
  149. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一般会計の方はどういう損金になるんですか、どういう処理の仕方になるんですか。
  150. 清井正

    政府委員(清井正君) 一般会計は、二十六年度に食管特別会計に繰り入れをいたしておるだけでございまして、一般会計として食管に対する債権を持っておらないのでございます。その繰り入れをいたした金額でありますが、つまり一般会計として食管特別会計に債権はないのであります。そういうことで経過いたしておりまして、食管会計としては、一応これは負債として計上いたしておったわけでありますが、今回それは負債であることをこの法律によって免除していただくということになりますので、結局その百億円はよろしいということになるんじゃないかと私は考えておるのであります。
  151. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 初めて伺いますが、食管の方では負債になって、一般会計の方ではこれは債権になっていない、そういうふうになるわけですね。
  152. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 国と国との間に関係のあることでございますから、一般会計と特別会計、正確に言いますと一般会計の特別会計に対する債権でありますけれども政府といたしましては、別に債権として整理いたしませんで、ただ予算上二十六年度に百四十三億四千万円繰り入れて、法律によりまして、そのうち百億円は特別会計から一般会計に返るものだと、こういうふうに規定されておりまして、従いまして、特別会計では負債として経理されておるわけでございますが、一般会計としましては、別にこれを債権として計上していない、こういうことになっておるわけであります。
  153. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その点よくわかりませんね。それじゃ一般会計だけずっと見たんではその関係はわからぬですね。インベントリー百億出している。それがそういう食管の赤字埋めになった。しかし最初はその赤字を埋めるために出したわけじゃないんでしょう。その点ただ一般会計の方は、もうそれだけでいいんですか、何も一般会計の方は処理しなくてもいいんですかね。
  154. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 当時の法律によりますと、先ほど御説明申し上げましたように、後日食糧管理特別会計から、予算の定むるところにより、一般会計に繰り入れなければならない、こう規定してございます。従いまして国の方で、一般会計の方で別に債権として経理しておらなくても、食糧管理特別会計の経理の状況によりまして、後日一般会計に入るときに一般会計の方の歳入に計上すればいいんじゃないか、かように考えておる次第であります。
  155. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうすると何か食管に余裕があったときに、一般会計へまた繰り入れればいいんですね。
  156. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 別に余裕があるということは法律に書いてございませんが、後日食糧管理特別会計から一般会計に繰り入れなければならない、こういうふうに法律で規定してございます。
  157. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 さっきのお話ですと、これで一般会計と縁が切れてしまうんでしょう。
  158. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 今度の法律改正によりまして、一般会計と縁が切れるわけでございます。もう一般会計の方は、特別会計から百億円返ってこないことに相なるわけで、あります。
  159. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは一般会計の方で、特別会計は百億ですから今後は歳入に組み入れることはできないわけですね。今後は一般会計の方ではそのままでいいんですかね。これは予算総則か何かに出さなくてもよいんですか、一般会計の方は。
  160. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 別に予算総則にその関係のことを規定する必要はないかと考えます。
  161. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その点どうもおかしいですね。一般会計を見ただけでは何もわからぬわけですよ。これはこの法律が通れば、それで予算の取りきめによってですか、繰り入れなければならぬのでしょう。
  162. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) さようでございます。予算の定むるところによって……、従いまして、もしかりにことし百億円返すといたしますと、一般会計の方に歳入に百億円が入ってくるわけであります。
  163. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私はこう思うのですよ。一たん一般会計に返して、一般会計から出資、赤字補てん、こういうふうにしてやるんならはっきりするというのですよ。そうじゃなけりゃあれは予算の整理として経理が明らかでないでしょう。ですから一ぺん一般会計に、インベントリー・ファイナンスを返す、歳入に充たして、それから一般会計からこれは食管会計の赤字補てんとして出す、そうすればはっきりするんですよ。ところが何かこれははっきりせぬと思うのです。
  164. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 正確にやりますためには、御指摘の通りやる方が経理が明確だと思いますが、そういうふうに特別会計から一般会計に百億入って、またさらに百億出すという、経理が回り回ったやり方ではなくして、この法律によりますと、先ほど申しましたように、予算の定むるところにより繰り入れなければならないという規定になっておりますので、この法律の条項を落しますれば、特別会計として一般会計に百億円を繰り戻す必要がなくなる、義務はなくなってくる。それによりまして一般会計は別に債権として経理しておりませんので、予算上達しつかえない、こういう考え方で法律の条文を削除することにいたしたのであります。
  165. 山本米治

    山本米治君 それと同じ問題は、外為特別会計にもあるわけです。なお今まで一般会計から出投資をしているわけですね。あれは何か似たような問題で債権としては考えておらぬ、一般会計は、そうすると返すべき義務はあるようなないような、義務としてはないかもしらぬが、それはどういう法律関係になるんですか。
  166. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 御指摘の点でございますが、外為会計も同様に一般会計の方は債権として経理しておりませんが、かりに外為会計の方が廃止ということになりますと、当然これは一般会計に併合されるべきものだと考えます。従いまして、特別会計に入っておるか、一般会計に入っておるかという点の違いだけでございまして、将来同じような事態が起りました際は、一般会計の方に特別会計の外為資産が入ってくる、かように経理されるべきものだと思います。
  167. 山本米治

    山本米治君 出投資はどうですか。国民金融公庫とか中小企業金融公庫とか、そのほかたくさんありますね。
  168. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 出投資につきましても、それは別に法律で規定いたしまして、残余財産を振り向け得るというような法律をいたしまして、一般会計として処理すべきものと考えております。
  169. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 インベントリー・ファイナンスは資産見合いの勘定でしょう。資産があるということなんですよ。それから貴金属特別会計でも外為会計でも、外為会計なら為替というものがあるでしょう。貴金属特別会計なら貴金属というものがある。資産見合いにおいてインベントリー・ファイナンスをやっているでしょう。そうすると今度は食管会計は見合い資産というのはなくなるわけですよ。そうすると、一般人会計でインベントリー・ファイナンス、資産見合いになっているのに資産がなくなっちゃっているんですよ。そういう経理の仕方でいいんですかね。資産見合いの勘定ですからね、インベントリーは。それで資産があるということになっているのに、資産が消えてしまっているということはおかしいじゃないですか。そのまま、だから一般会計に返して、これは損金として、一般会計でもう資産がないということで処理しなければ、ないのにあるがごとく一般会計ではなっているんですよ、この処理の仕方では。
  170. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 食管の方は赤字が出まして、これに見合う資産がなくなったわけでございます。で当時繰り入れました金額に見合う資産がなくなっておりますので、一般会計としてはこれは繰り戻すことを期待することができない、こういう事情にあるわけであります。
  171. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そのインベントリー・ファイナンスというのは資産見合いだから、今度貴金属特別会計を一般会計に返そうとすれば、金属を売ってそれで返せるんでしょう。それでドッジ・ラインのときにドッジさんが、これは短期間でも資金が日銀から出たんではインフレ要因になるからというので、短期のインフレ要因を断ち切る意味で、われわれの税金でそうして金融したのでしょう。それには資産があるんです。資産があるからこそこれは返せるわけで、金融と同じことだったんですよ。御承知の通り短期金融なんです。(「貸し倒れだよ。」と呼ぶ者あり)貸し倒れですよ。そうすると、そういうふうに処理しなければいけないものを、こんな形で、何か返さなくてもいいのだ、何か見合うのだから返さなくていいというような形では、一般会計に見合わないことになりますよ。インベントリー・ファイナンスの趣旨から言えば。今インベントリー・ファイナンスで一般会計は外為として特別会計に出しておりますが、資産があるのですよ、特別会計に。それで返せといえば、貴金属を売れば返せるのです。食管会計でも米というものがありましたから、米を売れば返せるということになっていたわけです。そうしたら見合いの資産がないということになるから、一般会計の方は……、そういうわけですね。見合う資産がないものをあるがごとくなっておるのです。何か処理しなければいけないのでしょう。だから食管会計の赤字補てんのためにそれを繰り入れるということにすればはっきりするのですよ。
  172. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 仰せの通りでございますが、赤字になって貸し倒れになったわけでございます。従いましてはっきりとこの際、赤字繰り入れしたらいいじゃないかということでございまするけれども法律の規定が「予算の定めるところより、一般会計に繰り入れなければならない」ということになっておりますので、この条項さえ落せば、食管の方の見合いの資産がございませんので、これで政府が前に入れたもののうち、百億円は返してもらわなくてよろしいという法律体系にすれば、別に新しく予算措置を講ずることがなくてもいいのじゃないか、かように考えまして、こういう法律改正をいたしたわけでございます。
  173. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは違うのです。「予算の定めるところにより」というのは、予算総則か何かで書かなければいけないのじゃないですか。法律の定むるところによりじゃなく、予算の定むるところによりというように予算総則に書けばいいのです。書く必要があるのです。
  174. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) この「予算の定めるところ」という言葉の意味は、特別会計の歳出に立て、一般会計繰り戻し金というふうに特別会計の予算にこれを計上するという意味と心得ております。
  175. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 本予算のことは関係ないのですかね。
  176. 宮川新一郎

    政府委員宮川新一郎君) 返しました際は本予算の方に——一般会計の方に影響してくると思いますけれども、返さない場合は、これは一般会計の方は別に予算の方に何らの計上あるいは規定をする必要はないものと考えております。
  177. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その点はもう少しよく私研究してもらわぬとわからぬですね。それからかりにそれで法律的には違反でないとしても、しかしこういう赤字の整理の仕方としては非常に不明朗ですね。どうも今後やはり予算がわかりいいという形でなければならないのに、一般会計を見たのでは、前のインベントリー・ファイナンスが入っておるのかわからぬわけですね。
  178. 山本米治

    山本米治君 要するにインベントリー・ファイナンスとして一般会計から出したものは、一体債権であるのかないのか、法律上の性質は。出した方はやりっぱなしで債権とするつもりではない。一方受けた方は、いつ取り返されるかもしれないので、一方負債として計上しておるのでは、平仄が合わぬわけです。一般会計にするか、特別会計にするか、そういう法律の性質はどうなんですか。債権なら一ぺん返してもらうということになるし、やりっぱなしであって債権じゃないのかどうか。
  179. 上林英男

    説明員(上林英男君) 一般会計も特別会計も、いずれも政府でございますので、政府間の、何といいますか、貸金といいますか、従って厳密の意味の債権債務というものではないわけでございまするが、一般会計、特別会計区分のおのおの経理をいたしておりますので、債権債務等の関係に準じまして負担区分がそれぞれきまっておるわでございます。従いましてこのインベントリー・ファイナンスにつきましては、後日特別会計から一般会計に繰り入れなければなりませんので、特別会計といたしましてはそれを負債勘定に計上していったわけでございます。で、一般会計におきましては、これは特別会計から返ってくるものでありまするが、その特別会計の赤字を消しますために、先ほど木村先生から御指摘になりましたように、一般会計に取り立てまして、それをもう一ぺん繰り入れるという方法もございまするが、特別会計の赤字を補てんいたしまする方法といたしましては、そういうやり方のほかに取り戻すべき、いわば何といいますか、債権を免除してやるという格好で、その赤字を補う方法もあるわけでございまするので、そういう方法によって、正確には債権債務じゃございませんので、そういうふうな債権免除に準ずるような方法で赤字を補てんするという格好にいたしたものと心得ております。
  180. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは一般会計は不良債権の切り捨てをやっているのです。それは実質的には資産見合いの勘定なんでしょう。ドッジさんのときの成立の、ああいうのが起ってきた過程を見れば、当然だから返るものということになっているのですがね。これは実質的には債務だと思いますがね、実質的は……。それだからこの不良債権は切り捨てなければいけないのですよ。ほんとうはね。整理をしなくてはおかしいわけですよ。一般会計も……。それは当然資産見合いとして返ってくるものと予定されているのが依然として一般会計にあるということになるのですよ。処理されていないのがおかしいじゃありませんか。ですからそれは法律論はあれとして、やはり予算は明確にしておかなきゃいけないですからね。これは予算の民主的性格として明瞭性ということが、これは私は言うまでもないと思うのですよ。明瞭じゃないですよ。予算はその意味では法律上かりにそれでかまわなくても、財政法の精神からいけば、これは私はこういう処理の仕方はよくはないじゃないですか。もっとすっきりとして、片っ方では一般会計でも落すと、そいつをはっきりと赤字補てんのために出したという形をとれば一番いいと思うのですがね。それをただめんどくさいというだけで、政府間だからそれでもいいんだということでは済まされないのじゃないですか。どうも私はそういう気がするのですがね。一般会計としては非常に不明確ですよ。この程度に……。
  181. 岡崎真一

    委員長岡崎真一君) 他に御質疑がなければ、本案質疑は一応この程度にとどめます。  本日の委員会はこれで散会いたします。    午後一時十三分散会      —————・—————