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1956-05-23 第24回国会 参議院 商工委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月二十三日(水曜日)    午後一時四十四分開会   —————————————   委員異動 五月二十二日委員高橋衛辞任につ き、その補欠として木村篤太郎君を議 長において指名した。 本日委員木村篤太郎辞任につき、そ の補欠として高橋衛君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三輪 貞治君    理事      西川彌平治君            白川 一雄君            阿具根 登君            河野 謙三君    委員            斎藤  昇君            笹森 順造君            高橋  衛君            苫米地義三君            深水 六郎君            海野 三朗君            上條 愛一君            藤田  進君            加藤 正人君            山川 良一君   国務大臣    通産商業大臣  石橋 湛山君   政府委員    通商産業政務次    官       川野 芳滿君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    通商産業省通商    局長      板垣  修君    通商産業省通商    局次長     樋詰 誠明君    運輸省観光局長 間島治郎君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君   説明員    農林省農林経済    局参事官    森  茂雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○特定物資輸入臨時措置法案内閣提  出、衆議院送付) ○連合審査会開会の件   —————————————
  2. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ただいまから本日の委員会を開きます。  まず委員異動について申し上げます。五月二十二日、高橋衛君が辞任され、その補欠として木村篤太郎君が指名されましたが、本日、木村篤太郎君がさらに辞任され、その補欠として高橋衛君が指名されました。  以上御報告いたします。   —————————————
  3. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) これより特定物資輸入臨時措置法案を議題といたします。  質疑のある方は御発言を願います。
  4. 海野三朗

    海野三朗君 運輸省からだれか見えておりますか。
  5. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 今、観光局長を督促中であります。
  6. 海野三朗

    海野三朗君 私は昨日このバナナ割当についていろいろ質疑をしたのでありますが、この外貨割当につきましてどういう基準通産省がやっておられるのか、その外貨割当基準一つ承わりたい。外貨割当基準、そのときそのときに臨んで場当り的におやりになるのか、一定の基準を設けてそしてその外貨割当をおやりになっておるのか、その点をお答え願いたい。
  7. 板垣修

    政府委員板垣修君) 一般的な外貨割当方針に対する御質問と存じますが、ただいま大体大きな方式で分けますると、需要者割当のもの、それから消費者割当のもの、この二つに分けられると思いますが、需要につきましてはそれぞれの業種によっていろいろと外貨割当基準というものを作成いたしておりまして、あるものにつきましては設備割当のものもございましょうし、あるいは生産実績あるいは消費実績というようなものを参考にして基準をきめたものがございます。いろいろこれは各物資によって違っているわけでございます。外貨予算が編成されまして大体その期の期首におきましてそれぞれの物資につきまして外貨割当基準を作成しておりますが、おもな物資につきましては大体ここに数年来同じような基準でやっております。  それから商社割当につきましては大体において原則といたしましてその商社の過去一定年におきます輸入実績というものを基準にして割り当てております。
  8. 海野三朗

    海野三朗君 この農林省から河野農相の名前をもって去年の十二月十四日に「バナナ輸入方式に関連する取引について」という達しを出された、こういうことは一体正しいのでありましょうか、どうなんですか。
  9. 板垣修

    政府委員板垣修君) 題目は輸入方式というようなことになっておりますので、少しばく然とした表現になっておるわけでありますが、その内容から見ますると農林省専管事項でございまする卸売仲買人資格に関する都条例変更のものでございますので、これは別に通産省権限とは全然関係のないことでございますので、農林省が独自の立場指導をされて差しつかえない、かように考えております。ただ外貨割当基準ということになりますればこれは通産省の所管でございます。
  10. 海野三朗

    海野三朗君 このただいまの取引についてという、こういうものを出されないでもちゃんと規則があるはずであります。それを何ゆえにこれをもってこのバナナ輸入割当を規制を改めようとされたのであるか、そういうところに非常な疑義が生じやすいので、そういう点については通産省が知らないとおっしゃるならばそれまでであるかもしれないけれども、何ゆえにこういう達しを出れさたのであるか。その辺が非常にはっきりしない。不明朗な点であると私は思うのですね。こういうことを出して今度はあらためてくる、そうして都条例をも変えてくる、そうして今まで割り当ててもらっていなかった、つまり中間業者の全バ連入札に参加させる、こういうことのいきさつをずっと見ておるというと、どうしてもこれははっきりしない、不明朗なものとしか考えられないのでありますが、通商局長あたりどういうふうにお考えになっておりますか。
  11. 板垣修

    政府委員板垣修君) そのお話につきましては昨日大臣からもお答え申し上げましたように、通産省といたしましてはその都条例の問題は実は知らなかったわけでありまするが、ともかくその前の問題といたしまして従来の輸入実績者のみに割り当てた方針を新たにバナナの非常に関連がある加工業者を加えるかどうかという問題について論議をしたわけでございます。で、農林省といろいろ協議をいたしました結果、昨日も御説明申し上げました通り、この際輸入の意思と能力のある加工業者なら加えてもいいだろうということに決定を見たわけであります。その後におきましてその加工業者の大部分は仲買人でございますので、その仲買人たる立場で行動いたします資格について都条例というものがあることがあとからわかりましたので、それならばその都条例変更しようということに農林省措置をされたというわけでございまして、初めから都条例のことを知っておって全部一貫してやったわけではございません。まず加工業者を入れるかどうかということにつきまして私ども十分に審議した結果いいということになった。ところが、あとでその都条例という障害があることがわかりましたので、これを行政指導によって変更したということになっております。
  12. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) その点について私からもちょっと伺っておきますが、その結果は何ら差しつかえないということで加工業者入札に参加せしめられるような業務規程変更をされたわけでございますが、その結果はどういうことになりましたのですか、非常に輸入がスムーズにいって、しかも消費者価格が安くなるというような結果が現われれましたかどうか。
  13. 板垣修

    政府委員板垣修君) その結果につきましては、加入したあとで従来のような、たとえば定額徴収というような制度がとれますれば、おそらくそう大した問題はなく輸入が行われたと存じまするが、昨日も申し上げましたように、その比率等につきまして話し合いがつきませんでしたのでやむを得ず入札制度をとった、まあ入札制度の結果輸入秩序に多少の混乱を生じたということになったのでございまして、その点につきましては、私どもはその経験にかんがみまして今後のあり方につきまして再検討を加えたいということでございます。
  14. 海野三朗

    海野三朗君 そうしてその結果は市場混乱し、はなはだおもしろくない結果を生じておる、これは率直に申しますならば、農林経済局長が、こういうふうな案を作って、つまりこの「関連する市場取引について」という案は一体だれがこれを作ったのでありますか、それをちょっとお伺いしたいのです。この発案者局長でありますか、これは。
  15. 森茂雄

    説明員森茂雄君) バナナ輸入方式につきまして通産省と打ち合せた結果、加工業者も入れようじゃないか、こういう結果になりまして、加工業者がたまたま各市場仲買人をやっておる場合が非常に多い実情でありましたので、しかも東京都だけは仲買人が場外で買付をする場合の特例の道がなかったのでありまして、われわれ経済局長以下事務的に検討いたしました結果、その他の中央卸売市場では輸入物資等について特例を設けることができる条例になっておりましたようですから、東京都だけはそういう特例を、特別の措置をとる規定がないのでありましたので、その点を変更するように事務的に検討いたした結果、そういう通牒を出したわけであります。
  16. 海野三朗

    海野三朗君 つまり全バ連のようなそういうものに入札をさせたいというのが根本のねらいであって、それからこういう達しが出てきたので、ありましょう。そうしてみるとよほど農林省にも通産省にもこの業者の方から働きかけがあったとしか思われないのですが、そういう働きかけがありましたか。
  17. 森茂雄

    説明員森茂雄君) 私ども事務的に携わっておるところでは入札に、入札といいますかバナナ輸入に参画したいという希望を二、三回開いた程度で、あと強いいろいろなお話は私ども事務的に開いておりません。
  18. 海野三朗

    海野三朗君 その要望はありましてもわざわざこういうバナナ市場取引についてという御丁寧なこのお達しをお出しになって、そうして結局これに入札参加さすということなんですね。ですからそういうことは業者の方からの要望があったからそこまで御親切をお考えになったのか、上からの方の命令であなた方がお出しになったのか、この案をお作りなさらぬでも農林経済局長の方で案を作ったのでありましょうかな。私はそこを聞くのです。明瞭でない。それならば、輸入したいというものを入れてやらせろということは、それはまあ一がいにもう信じ切ることはできないでありましょうが、こういうふうな、そうしてしかも入札をやったというようなことで市場混乱させておる。こういうことについては農林経済局長はどういうふうにお考えになっておるか。こういうように達しだけ出し都条例を改めて、そうして入札に参加さす、どうもこういうところは世間一般の者は非常に疑義を持って見ているのですよ、あなた方のところを。それに対してはどういうような明快なお答えがあるか、それを一つお伺いしたい。
  19. 森茂雄

    説明員森茂雄君) 農林省物資でいろいろ配給関係あるいは生産関係等で、たとえば例をあげて申し上げますれば砂糖のメーカーとか、それから肥料のメーカーとか、いろいろ実需者に直接外貨を割り当てろという希望が常にあるわけであります。それらにつきましては輸入業者輸入実務に支障のないように極力希望を述べまして通産当局と御了解がいった場合にそういう措置をとっていただいておるわけであります。バナナの点につきましても、バナナを入荷されまして、そして加工して色づけしていくという一種の実需的な観念からいろいろ希望もありまして、検討した結果加工業者等にも輸入参加の機会を与えるべきが適当でないかという事務的な観念から通産省とも相談をしてきめた問題であります。
  20. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっとそれでは私からも伺っておきますが、従来の業務規程輸入方式改正される以前の状態にきめられておったのは、これはどういう理由に基くのですか。あとでそれが農林大臣命令によって業務規程内容のうち「「買付」」とあったのを「「買付輸入を含まない。)」」こういうように改められたためにあるいは海野委員から聞かれたような事態になったのですか。これが初め輸入を含んできめられておった事情を見ればどうしてこのときに限って輸入を含まないという改正をしたかということがわかってないのです。その点をお伺いしたい。
  21. 森茂雄

    説明員森茂雄君) 中央卸売市場法律は大正十二年に制定いたされまして、その後憲法改正に伴いまして民法的な規定だけで改正されただけで実質的な改正は行われておらなかったわけであります。従いましてそれに基く業務規程、各大都市におきまする中央卸売市場法に関連します業務規程ではその後の経済事情にマッチした改正が行われておらないわけであります。農林委員会で先般御審議願いました中央卸売市場法改正もその一つであります。そういう趣旨から出て現在の経済事情にマッチした市場運営をやっていこう、こういう趣旨でできたわけであります。買付につきまして輸入を含むかどうかと、こういう問題でありまするが、従来中央卸売市場監督は戦時中まで昔の商工省に属しておりまして、その後農商省軍需省に分れたときですか農商省に移管されずっと農林省にきておるわけであります。その時代の商工省係官等に伺いましても、買付について輸入が含むかどうかということが非常に議論がありまして、私の方の部内でもいろいろ検討した結果、はっきり明文を明記した方が疑いが起らぬじゃないか——二説ありまして、含むという説と含まないという説とありまして、はっきりさした方がいいじゃないか、こういうことで東京都だけはそういう特例を運用し得る規定がないものですから、その点を明確にして買付には輸入は含まないということに明文をもって明確にして、疑いが起らないようにしたわけであります。今後いろいろ輸入物資が入りまして、そうして市場等で適正な相場が立つ、あるいは輸出物資等について適当な相場が立つということは適当であるというふうに考えておる次第であります。
  22. 海野三朗

    海野三朗君 私のお伺いしたいのは、こういうふうな通達を出してまで営業事情及び市場秩序を乱しておられるわけでありますが、これでいいのかと私は思うのです。どうなんですか、その点は。こういうものを出さないでもその範囲内で適当にやられなかったのか。これを出さなければこの実需加工業者入札に参加せしめることができないから、これを参加せしめるためにこういう法文をあなたの方で作ったのでしょうか。どうもその点が不明瞭なんです。その点に対してはどうなんですか。
  23. 森茂雄

    説明員森茂雄君) バナナ輸入基本方式につきまして通産省農林省相談をいたしました結果、お配りしました資料にありまする通り外貨二百二十五万ドルを割り当てる、以下内容がありまするが、この話し合いがきまりましたあとそれぞれ事務的に検討いたしました結果、東京都だけは仲買人資格を持っておる他面において、仲買人資格を持っておりまして市場法関係で先ほど申しましたように貸付に輸入が含むかどうか非常に疑義が起ったわけでありまして、基本輸入方式を決定したあとでそういう論議が起りましたので、それを特に明確にしていただくということで各大都市中央卸売市場加工業者が公平に取り扱われることを望みまして市場法に関する買付を特に輸入を含まないということを明記していただくようにいたしたわけであります。
  24. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっとお聞きしますが、そういうふうに業務規程をかえて輸入を含まないというふうに買付の解釈を広げた場合においても輸入バナナ国内流通系統はやはり通産省からジェトロに外貨を割り当てて、それから輸入業者加工業者消費者と、この系統は原則的には変らないのでしょう……。
  25. 森茂雄

    説明員森茂雄君) その点でいろいろ市場混乱を起してはならないという意味におきまして、三十一年の三月三十日に関係市場通知をいたしまして卸化人に対して、買付をした者が、輸入した者が仲買人である場合におきまして、卸売人委託販売をやる場合にはせりの方法によらず関係者協議による評価に従う定価売り等の所定の方法を講ずる、せり売りの方法によらず定価売りの方法を講ずる、あるいは卸売人に対して委託販売方法をとらず直接売り渡しの方法をとるというようなことによりまして、大中央卸売市場には極力入って来る措置を講じますし、それから従来の販売方法が一応従来円滑に流れておったと仮定いたしまして、極力そういう方法にのっとるように通知をいたしたわけであります。東京都におきましては都のごあっせんによりましてこれらの配給段階については卸、仲買い、小売、従来の関係業者が相寄りまして、円滑な流通をはかるように措置しておるわけであります。
  26. 海野三朗

    海野三朗君 昨日レモンのことについて伺いましたところが、通産省の力ではなくて運輸省の扱いである、こういうお話でありましたが、旅館業レモンを割り当てる、この判り当てるのはどういうふうな現状になっておりますか。旅館では余っておるが、これは足りないのか。あるいは旅館の方で余ったのは横流ししておる評判を私は聞いておるのであります。そういう方面に対して運輸省としてはいかなる監督をしておられるか。その実際の現状一つ承わりたい。
  27. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) ただいまの御質問に関しましては、現在旅館業外貨割当を受けておりますのはホテルでございます。国際観光ホテル整備法という法律がございまして、この法律によりまして運輸大臣の登録を受けましたホテル、これに対しまして外貨を割り当てる、こういう制度に相なっております。これは毎年、運輸省といたしましてはこういったホテル事業を所管しておりまする関係上、どうしても輸入物品に頼らなければならないものもございますので、どの程度外貨が必要であるかというふうな全般の数字をにらみまして、通産省にこの程度外貨予算を組んでもらいたいという要望をいたすわけでございます。三十年度の実績は年間二百十九万ドルに相なっておるわけであります。大体ホテルにおける外客消費額外客から収得しました外貨に対して二〇%程度に相なっておるわけでございます。これを通産省にお願いいたしまして、個々ホテルに対する割当通産省がその前半期の各ホテル外貨収得額を報告を聴取されまして、それに基いて割当をし、輸入許可をせられておるわけでございます。運輸省といたしましては、こういうふうにホテルの経営上ある程度輸入が必要でございまするので、外貨割当をお願いしておりまする関係上、適正な使用について常に注意は促しておりますが、しかしこれに対しまする監督権限はないわけでございます。お願いいたすだけでございます。しかし他用途で法律に基きましてホテル施設監査等に出向くこともございますので、そういう場合には、外貨使用やり方等につきまして状況を聴取したりするというような方法で、まあ何と申しますか、事実上のある程度指導はやっておる次第であります。なお、ときどきそういううわさも聞きますので、そういう場合には調査もいたしておりますが、何分はっきりした監督権限を持っておりませんので、十分確証もつかめない点ははなはだ遺憾でございます。しかし、機会あるごとに適正な使用につきましては注意を促しております。
  28. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますと、外貨獲得をしたごほうびに割り当てておるわけですか。
  29. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) そうではございませんので、この割当基準を前の実績においておるわけでございまして、今後外客を誘致し消費額を増すためには、どうしてもやはりある程度輸入に待たなければならない品物もございまするので、そういった外国からの輸入を認めますことによりまして、さらにサービスを向上し、より多く外貨を獲得する、こういうことが趣旨でございます。
  30. 海野三朗

    海野三朗君 そういう御答弁では私は満足できない。なぜ満足できないかというと、外貨を獲得するから割り当てると言われるけれども、それが果して妥当、正当な数量であるかどうかというところに私は大きな疑問を持っておるのです。ただ外人を相手にやるからこれぐらいやればよかろう、何かドルぐらいでいいだろうというふうなばく然たるお考えでは、監督権がないとおっしゃられるけれども、それこそは、運輸省観光局としてはどうもお仕事がはなはだふまじめであるとしか私は考えられません。外人を何人入れてその間の消費量がどれだけであるかという実績を見た上で割当をなさるべきものでありましょう。外貨獲得がよけいであるからこれに割り当てるという、そんななまやさしいことではいけないのではないか。そこで、たとえば帝国ホテルならば帝国ホテルに対して、どれだけの外人が来て、どれだけの消費量があったかというところの、前年度の実績を見た上で組みたてられるべきものではないかということを私は申すのです。その点はいかがなものですか。あまりずさんであると私は考えます。今のあなた方のお仕事は。
  31. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 説明が悪かったかと存じますが、現在通産省個々ホテルに対して割り当てられております方法は、その前半期個々ホテル外客消費実績ホテルごと消費実績調査いたしまして、それに基いて判り当てしておるわけでございます。それで、この率を二〇%程度におきましたのは、通産省運輸省相談をいたしまして、ホテルでそういう外客が消費しました中で、個々に検討いたしまして、どの程度ほんとう輸入が必要であるかというふうなことを前に検討いたすわけでございます。これは時期によりまして、ある程度差が起るかも存じませんが、現在はその程度基準を置いておるわけでございますが、個々ホテルに対する割当は、その前半期個々ホテル外客消費額、これをもとにしておるわけでございます。その消費額につきましては、通産省に各ホテル申請をするわけでございますが、運輸省は別途統計法に基きます指定統計外客消費額に対する指定統計を実施いたしております。これは罰則もございます。それが運輸省に参りますので、業者申請が適正かどうかということはそういう点からもチェックできるわけでございます。
  32. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) そういう自国産業の紹介でなしに、むしろそれに逆行するような、国の入口とも言うべきホテル外国の商品を入れて、その需要に応じさせる、こういうような方法をとっておるような実例が他の国にありますか。むしろ私は万年筆なんかだったら、こういうものが日本でもできますと言って、国産品を奨励するような立場なり、また場所にあるべきだと常識的には考えるわけです。
  33. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) その点につきましては、こういうホテル業輸入を認めまするものは、当然国産品ではどうしても間に合わないというようなものでなければならないわけでございます。ただ、ホテル業におきましては、たとえば一例をあげますると、ウイスキーと申しますものは、スコッチウイスキーが最上品でございまして、アメリカ人といえども、自国アメリカウイスキーよりスコッチウイスキーを好むわけでございます。こういうものは、各国とも輸入いたしておるわけでございます。外国の例を見ますると、こういった場合には、何と申しますか、経費を引き下げる、外国人が来た場合に、その人の旅行経費を引き下げるという意味で、そういった外国から輸入しなければならないホテル用品に対しましては輸入税を免除している国もだいぶございます。日本はそれを行なっておりません。でございまするので、国産品で十分間に合い、それでツーリストを満足させ得るものは輸入すべきものではない、かように考えておるわけでございます。
  34. 海野三朗

    海野三朗君 この外貨割当について、レモンのようなものに対しては、実績に照らして割当をすると今言われまするが、それの正確なる調査表とでも申しますか、そういうふうな実績に照らして割り当てたという表ができておりますか。
  35. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) その点につきましては、個々輸入申請通産省の方へ出ますので、私の方はタッチしていないわけでございます。しかし、その点は、使用実績等もわかりまするので、通産省の方で御相談があれば、運輸省としてはこれに対しまして運輸省の見地から、多過ぎるとか少な過ぎるというような意見は申し上げることができるわけでございます。
  36. 海野三朗

    海野三朗君 それでは私は通産省の方へお伺いしますが、その辺はどうなんですか。
  37. 板垣修

    政府委員板垣修君) ホテル用品割当方針につきましては、ただいま運輸省側から御説明がございましたが、通産省といたしましては、企業局の特需課が扱っておるわけでございますが、まずホテル全体に対する外貨割当がきまりまして、個々ホテルから申請書が出るわけであります。すなわち、ホテルがそれぞれの物品ごとに、万年筆はどれくらい入れたい、あるいはウイスキーはどれくらい入れたいということを申請しまして、それを所管課におきまして、過去の実績とにらみ合せまして、できるだけ厳格に査定いたします。あるいは外貨事情等も考慮いたしまして決定をいたしております。なお、割り当てた後におきまして、毎月各ホテル消費実績、販売実績等の報告を徴しております。これが経過的に検討の材料になりまするし、その後に割り当てまする外貨割当の審査資料にもなっておるわけでございまして、品目ごとにその実績及び販売高等を十分参酌いたしまして、国内にそれが流出する点を抑制するような措置をとっておるような次第でございます。
  38. 海野三朗

    海野三朗君 今私がお伺いしたように、横流れがある話をちょいちょい私は聞くんです。そういう点については通産省は御存じでないのでありますか。
  39. 板垣修

    政府委員板垣修君) ただいま申し上げましたように、毎月実績等の報告をとっておりまするし、かりに横流し等の事実が発見されました場合には、外貨割当は停止するということになっております。従って、今まで横流れがあったという事実を私どもは確認をいたしておりません。絶対に一つもないということは私ここで断言できませんけれども、特に通産省といたしまして処罰権などを発動するほど大きな横流れがあるとは私どもは考えておりません。
  40. 海野三朗

    海野三朗君 それじゃただいまのお話はよくわかりました。問題点は、都条例を改めてまでこれをやって、そうして輸入秩序を乱すような結果を招来したということに対しては、通産省及び農林省はいかようにお考えになっておられますか。
  41. 板垣修

    政府委員板垣修君) 加工業者を加入せしめました経緯につきましては、しばしば申し上げておりますが、その後におきまして、輸入方式といたしまして、やむを得ず入札制度をとりました結果、あまりに不当にビッドの価格が上ってしまったというような点で、多少の混乱が起きたことは事実でございます。今後の輸入方式といたしましては、その点を十分考慮に入れまして、検討を加えたいというふうに考えるわけでありますし、ただいまのところ、できる限り入札制度方式を避けまして、定額徴収方法で参りたいというふうに考えております。
  42. 森茂雄

    説明員森茂雄君) 農林省といたしましても、流通機構に乱れがくるということは適当でないのでありまして、現実に東京都に対しましては、通牒を発しますと同時に、具体的に混乱の起きないように指導いたしております。関係業者寄り集まって円滑な方法が講ぜられておるわけでございます。
  43. 海野三朗

    海野三朗君 加工業者入札に参加した者はどのくらいありましたか、数の上では。そうしてそのうちで落札した者はどのくらいな割合でありましたか。
  44. 板垣修

    政府委員板垣修君) ことしの二月の入札の際に、入札者が全部で八百十三社ございまして、そのうちで落札者が三百五十四社でございます。これの大体九〇%が加工業者でございますので、加工業者の数が三百くらいだと存じます。
  45. 海野三朗

    海野三朗君 私の方の調べによりますと、加工業者入札に参加したものは八百二十一名、そうして全バ連の会員ではそのうち七百八十三名が落札している、大部分が。こういうことになっているのですが、あなたの方はどうなっておりますか。そうしてしかもその入札はほとんど、昨日申しました加工協同組合連合会の福田一派によって独占されてしまっておる。この高値の落札のために、全バ連会員の落札者がジェトロに納入しなければならない価格差益金、そういうことについても非常なここに疑問がありますが、その辺はいかがなものでありましょうか。
  46. 板垣修

    政府委員板垣修君) ただいまお述べになりました八百二十一というのは、入札に参加し得る有資格者の全部の数でございまして、そのうちその後八社棄権をいたしましたので、私が申し上げました通り、実際入札に参加いたしましたのは八百十三社でございます。そのうち既存の実績者、すなわちこれは輸入業者でございます。これが百十四社でございますので、結局八百十三社から百十四社を引いた数が加工業者ということになります。
  47. 海野三朗

    海野三朗君 この割当方は、つまり要約しますというと、そういうふうな割当のなかったものに割当させるために、こういう通達を出して、そうしてその結果がどうなったかというと、バナナはべらぼうに高くなっちまった。こういうことに対しては、どうも今日の輸入秩序及び市場を乱した結果、一本七十円にもなっておる、バナナが。こういう結果をはなはだ私はおもしろくないことであると思う。こういうことに対しては、将来とも通産大臣はどういうふうに一つ御処置をおとりになるお考えであるか、その御信念を承わっっておきたいと思います。
  48. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 加工業者バナナ輸入に参加させますことは、これはぜひ輸入に参加したいという熱望が強かったので入れたのであります。これを除外する理由も認められないのであります。そこでなるべく多数に公平に輸入の権利を認めたらよかろう、こういう大体の方針加工業者の中の有資格者には今までの輸入業者と同じように参加させることにしたのであります。繰り返して申し上げますように、その場合に、一つのこれはいいとか悪いとかいうことは別に議論がありましょうけれども、とにかく輸入に参加する者の間で話し合いをつけて、一定価格の納入金をして、そして入札などの手数を省いて、協調して輸入したらどうかという指導通産省——農林省もいたしたのでありましょうが、通産省としてはいたしたのでありますが、これは話し合いがつかなかった。そうなりますと、どうしてもこれは入札以外には手がない。そこで入札させる。考えようによっては入札でやる方が一定価格で払下げ資格を認めるよりは公平といえば公平でありましょう。そこで入札制度にしましたところ、そこにいろいろスペキュレーションがございまして、バナナの前途高いと見た諸君が多かったのであります。そこで非常に商い入札価格を出してきた。その非常に高い入札価格を出してきたというところに、市場を乱したという世間の非難の出るところでありまして、そういう現象は確かにある。そこでその現象に水をかける処置は相当行いました。きのうも申したように、今度入札に参加した者は、それはそのままそれを資格には認めない。次の場合から必ずそれらに資格を認めるということはしないということを最初に明らかにするし、あるいは落札価格についても、それらが不当に競争をしないような方法を講じたのでありますから、まあ結果は相当商いものになった。まあそういうようなことから、バナナが現在高いということを聞いておりますが、しかしこれはきのうもまた申し上げましたように、この法案が通過し、適当な処置がとれるようになりますれば、さっそくバナナ輸入割当をしまして、今の要するに品が不足で非常に高いのでありまして、輸入がおくれておる。それですから輸入を促進するようにして、バナナの値段をこれを高くないようにもう少し引き下げるような処置を講ずるつもりでおります。それから今後の輸入割当についてはどういたしますか、まだ結論を出しておりませんが、これはいろいろ考えようがあるのでありまして、今度の入札で非常な入札競争で大へん高い値段が出たというのも、これは初めての経験であるから、あるいはこれで案外入札したけれども、もうからないということになれば二度目からはこんなばかな入札をする者はなくなるかもしれませんが、あるいは入札制度を続けても差しつかえないかとも思ってはおりますが、これはなお検討を加えたいと思っております。
  49. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ただいまお伺いしますと、加工業者に割り当てないという理由が見つからないし、また非常な熱心な要望があったので、これを割り当てた、こういうお話でありますが、これはその他の場合においても、非常に輸入を直接したいという熱意があり、またこれを認めないという理由がない場合においてはやはりそういうふうに外貨を割り当てになる御方針なのですか。
  50. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 今までの、たとえば設備割当であるとか、なんとか、全然そういうものに無関係なものはあらゆる面において輸入を許したということはいたしておりませんが、とにかくその生産に従事しておる人とか、あるいは輸入に従事しておる人とか、そうして資産、その他の点において適当と認められる者には大体今まで輸入を許しております。で、バナナは今まで特に輸入業者だけに割り当てられておったのですが、しかし加工業者というものも、これはまあバナナ業としては無視できない一つのグループであります。それらの者が、商売人だけでなく、おれたちもほんとうにバナナを取り扱うのだから、取り扱うやつに輸入さしてくれというたっての希望がありますから、それを除外することは不適当であると思います。
  51. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) そこで、先ほどのお答えにありましたように、落札の三百五十四社のうち、その九割が加工業者で、一側が輸入業者である、こういう結果になっておるわけでありますが、これは、私は輸入業者加工業者仲買人というものが一緒に入札をすれば、これは、輸入業者の方は仲買人にその利潤をとって卸すのですから、その者と仲買人とが一緒に入札をすれば、これは仲買人の方が多少高く買ってもなお商売が成り立つことはこれは当然でありますから、こういう場合には、必ず値段がせり上るのが当りまえであって、輸入秩序が乱れるというのは当然のことではないかと、こういうふうに考えられるわけですが、将来こういうことが方々で行われることになりますと、これはただバナナだけでなく、石油の問題もありましょうし、あるいは砂糖問題もあります。非常にそういう輸入秩序を乱すことになるのじゃないかと、こういうふうに憂慮するわけですが、その点は心配ないですか。
  52. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これは一般的に申します場合に、通産省指導方針としては、外貨割当はなるべく消費者割当にしようと、こういうことになっておりますが、今までには生産者にも相当参加しておるものがあるのであります。それでバナナの方は、輸入業者のほかに、確かにそのバナナを取り扱う加工業者というものがあるというのでありますから、そこで、さっき申しましたように、その方面から、ぜひ自分たちも輸入業務に携わらしてくれと、こういうことでありますから、その要求をむげに断わるわけにもいかないので、そこで参加さしたのでありますが、その結果、今度はバナナが高くなったというのが、そういうふうに加工業者を加えたのだから高くなったということではなくて、むしろこの加工業者の間に非常なスペキュレーションがありまして、ぜひ自分たちが一つ輸入割当を多くとろうということで、非常に競って入札値段を高くしたと、そういうことから加工業者の方に割合に、数の上からいっても落札者が多くできたということもございます。
  53. 海野三朗

    海野三朗君 このバナナのことにつきましては、バナナは南方に行ってみると常食にしておる国がたくさんあるようでありますが、バナナを食えば腹が一ぱいになる。で、日本のように食べ物の足りない国では、高いバナナだけを食わせるわけにはいかないでしょうが、こういうものももう少し安く大衆の口に入れるようにしたらいかがでしょうか。そうすれば食糧の助けともなっていいのじゃないか。それには、どうしたってこのバナナを安くする、安くするのにはもう少し入れなければならない。そういう方面の外貨をもう少し増加してでもやるお考えはないのですか、通産大臣どうですか。
  54. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これは台湾の生産とかいうような関係もございますから、自由にしたら、どれほど戦前のようにたくさん入ってきて、バナナのたたき売りまでいくかということは、これはわかりませんが、しかしこれはお説のように、自由に入れると、少くともAA制のようにしてどんどん入れれば、確かに今よりはバナナは安くなると思います。問題は、全部入れたところが大したものじゃないと、私自身は思いますが、しかしずいぶん必要物資がほかにもあるのに……、それから外貨は相当あるとはいいながら、これに対してもずいぶん将来心配する人も多いわけですから、バナナお話のように食糧にもなりますけれども、食糧の中ではあってもなくても、どっちかといえばいいというふうな考えが一般の通念になっておりますから、そこで今のところは、バナナのようなものはそうたくさんの外貨を割り当てて入れるということはいかがなものであろうかというようなことでちゅうちょしておるわけでございます。
  55. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっと今のもう一つ……。先ほど大臣の御答弁の中で、仲買人を入れた場合には、その入札実績輸入実績と見て、将来ともにそういうふうにやっていくのではないのだ、こういうことを十分周知せしめてやったということのように聞いたのですが、その通りですか。
  56. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) その通りです。
  57. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) そうなりますと、今度の法律によって外貨を割り当てられる場合に、仲買人は前の入札実績をもって輸入実績があったのではない、こういうふうに認定されるわけですね。
  58. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) それだからその次の場合には彼らを必ず除外するということに決定しているわけではございませんが、この前の入札の成績をそのままに今後の成績として認めることはしないということだけははっきりしております。
  59. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) そのままには認めなくても、やはり幾らかは認めるのですか。
  60. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 幾らか認めるということも言うておらない。これは全く白紙に戻して考え直してやるぞ、こういうことになっております。
  61. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) それでは今どういうふうにお考えになっておりますか。
  62. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 実は先ほども申し上げましたように、今事務当局でいろいろ検討さしておりますが、実はまだ結論に達しておりません。前のような、いろいろバナナでもって問題を起すようなことのないように、何とか方法を講じたい、こういうことだけでありまして、ここで申し上げるような、こういう手続をして、こういう方法をとるというところにはまだ結論に達しておらないのであります。
  63. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっとおかしいですね、全然それが入るのか入らぬのかもわからぬというのでは、何だか法案を審議するのに、われわれ頼りないわけですが、通産局長どうですか。
  64. 板垣修

    政府委員板垣修君) 今大臣からお答え申し上げましたように、割当方法はまだ検討中でございまして結論は出ておりませんが、今までの私どもの考えでは、加工業者を全然今度は除外するというところまでは考えておりません。やはりある程度まで参加せしめるべきではないか、その場合に輸入業者対——まあ入札制度の問題もございまするが、その他の方法でいきます場合、従来の輸入業者対新規加入者との関係の比率をどうするか、こういう問題が残っているわけでありますが、加工業者はやはり継続して参加さしたいというふうに考えております。
  65. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 大体何パーセントぐらい考えておりますか、外貨の額からいって。
  66. 板垣修

    政府委員板垣修君) その点は全然まだ検討いたしておりません。
  67. 河野謙三

    河野謙三君 砂糖のお尋ねをする前に、ちょっとオレンジでしたか、レモンですか、それでちょっと通産省間島さんにお伺いいたします。非常にとっぴな質問ですけれども、今ホテルに割り当てているレモンの量というものはわかっておりますね、それから間島さんの方で、外人がどれくらい日本に来て飲んだり食ったりしているという外人の数までわかっておりますね、外人一人当りレモンをどれくらい消費しておりますか、私はそれから見ればすぐわかる、横流れのものが。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そういう外貨割当をする場合に、外人の入ってくる数はわかっている、日本に来て飲んだり食ったりしている量もわかっている、そのレモンの量を入ってくる人間の数で割って見て下さい、幾らくらいになりますか。
  68. 高橋衛

    高橋衛君 ついでに関連して……通産当局に、また間島さんの方でおわかりでしたら、いずれからでも御答弁願いたいと思うのですが、先ほどの御答弁によりますると、観光によって収入されたドル収入の大体二割を見当として外貨割当をしておられるということでございますが、私どもその数字をはっきり承知していないのでありますが、大体推定するところによりますると、外人の使う金をホテルの部歴代、食堂で使う食費、それから買物をする代金、こういうものに分けられると思うのでありますが、そのうちホテル食堂で使用するところの外国産のものの比率というものは、それほど大きなものじゃないはずだ、むしろわれわれ外国旅行しましたり、外人等がこちらへ来ましてつき合った範囲では、ホテルで食事をするよりも、外に出てほんとうに日本趣味のところに行ってみたい、またはデパートに行って買物をしたいというのが通常の例であると思うのでありますが、そういう場合にも二割の外国製品を必要とするという根拠について、私どもはちょっと理解しかねるのでありますが、その二割という根拠を出された何か実績、またはそういうようなものがありますならば、一つ説明を願いたい。
  69. 河野謙三

    河野謙三君 高橋さんの御質問にお答えになる前に、私からまた続いて申し上げますがね、私今お尋ねした数字は、そんなものみっともなくて出せないと思うんだ、一人で腹下すほど食べなければそういう数字にならない。要するにわれわれが帝国ホテルなり、国際観光ホテルに行ってみてすぐわかる、あそこに行って飲んだり食ったりしているのは、外人が多いけれども外人より日本人の方が多いのです。そのほかに町へ行ってもどこへ行ってもレモンは食べられるのです。だから私は皮肉に聞いたのではありませんけれども、そういう数字は無理に出してもらわなくても、私のお尋ねした根本は、このレモンを入れたり、外国物資を入れるのはホテルのために入れているのか、外客誘致のために入れているのか、ホテルの経営の便宜をはかるために入れているのか、あの品物は日本人がレモンを食べたい場合にはホテルに行けば食べられるのだということで、ホテルは非常に有利な地位にあると思うのだ、その意味ホテルを保護するために入れているのか、外客誘致のために入れているのか、どちらなのかということです。それさえはっきりすれば今の輸入方針というものはホテルの経営を保護するために入れているので、外客誘致のほんとうの目的のために入れているにしてはあまりに数字がずさんだと思うのですが、どうです間島さん、ホテルの保護のために入れているのですか。
  70. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) それは申し上げるまでもなく外客誘致のために認めておるのでございますが、ただ今御指摘のように今のホテルが必ずしも外人専用でないということは事実でありますので、この点は取締り方法も非常に困難だという点がございますが、実績から申し上げますと、東京都内のホテルにおきましては、年間を通じまして外人の利用率は八五%であります。
  71. 河野謙三

    河野謙三君 私は今ここで高橋さんとお話したんですが、外客誘致のためならレモンを食わすよりミカンを食わしてやった方が喜ぶでしょう。われわれが外国へ旅行してみてミカン食ってもおもしろくない、向うの人がこっちへきて日本の柿だとか、ミカンだとか日本特殊のものを食って初めて外客が喜ぶので、そこに外客誘致の急所がある。アメリカなりイギリスなりの本国にあるものと同じものが日本にもあるというので喜ぶかもしれぬが、そうでもないと私は思うのですが、その辺の、間島さん外客誘致の専門家ですが、外客誘致の急所はどこにあるのですか。ちょっと急所をはずれていると思うのだが。
  72. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) その点はもちろん仰せのごとく、その土地の特産を食べさせるということが一つの観光事業上大きな誘致策にはなると思いますが、また本国で食べなれたものをある程度用意しておくということもやはり一つの誘致策としては考えられるのではないかと思います。要は量の問題ではないかと思います。
  73. 河野謙三

    河野謙三君 そこで量が少し多過ぎますよ、私は多いと断定する。お尋ねする数字を出して下さい、腹下しますよ、そんなに食ったら。
  74. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 大体一日に何個というお話でありますが、非常に大ざっぱな数字でございますが、大体昨年一年間のこの実績で、レモンのために使われた外貨というのは八万ドルでございます。大体単価が十ドルから十二ドルくらいしておりますので、箱数にしますと七千ケースであります。一日に割ると二十ケースくらい、一つの箱に大体三百五、六十個入っておるとしますと、この計算で参りますと大体日本全体で消費されますレモンというものは外貨割当七千個ということになりまして、今観光局長にお伺いしますと、大体延べにしまして四百万人くらいの外人客というものがあるんじゃないかというようなお話でございますので、滞在客その他を合せますと相当の数がおると思います。(「そんなにおりますか」と呼ぶ者あり)はっきり観光客の方は今ちょっとお伺いしただけで私自信はございませんが、大体レモンの方の数は一日七千個程度ではないかと思っております。
  75. 河野謙三

    河野謙三君 一日に七千個というのは原則としては外人だけが食うことになっておる、そうすると大へんなことになるじゃありませんか、朝から晩までレモンを食ってることになるじゃないですか。そこで私は高橋さんの質問に対するお答えがあるから、私はここで通商局長にお伺いするのですが、通商局の方で査定をする場合にもう少し過去の実績とか——過去の実績そのものが問題になっておるんですから、白紙に戻して、今のバナナの問題も白紙に戻されていますから、これもついでに一つ白紙に戻してやられるという考えはございませんか。
  76. 板垣修

    政府委員板垣修君) 高橋委員の御質問につきましても、ただいまの河野委員の御質問につきましても実は企業局の方でやっておりますので、私ただいま資料を持ちませんから至急調査いたしたいと思いますし、ただいまの御質問に対しましてももう一ぺんいろいろ御質問趣旨をくみまして原局と再検討いたしたいと思います。
  77. 高橋衛

    高橋衛君 ただいまの御答弁によりますと、企業局の主管であるために詳しい資料をお持ち合せでないということですが、大体常識的に考えて私は申し上げておるのでありますから、あなたも常識的に考えて二割程度はそういうものを認めると御判断なさいますか、どうですか。
  78. 板垣修

    政府委員板垣修君) まあホテル用品に対する外貨割当制度につきましては従来いろいろ経緯がございまして、もともと最初の目的はもちろん先ほど運輸省からお答えがありました通り外客誘致でございまするが、まあ一部分につきましてはホテルの経営を楽にするという面も確かにあるんじゃないかと思います。観光というものは非常に重要なのでいろいろ運輸省におきましても観光事業整備というようなものでいろいろ観光ホテルの整備につきましては努力をされておるわけでございまするが、外貨割当の面につきましても従来とも御承知の通り外国人から日本ホテルが非常に高いというようなことが言われておりまするので、そういうような関係ホテルの用品なり、まあそれに付随いたしまして多少の日用品というようなものもホテルで買わせるということで外貨割当をして参ったわけでありますが、最近におきまして情勢もだいぶ変りましたので、この点につきましてはただいまの御質問趣旨でただいま運輸省とも秤検討中でございまするが、私一部のホテル業者あたりの話を聞きますと、たとえばウイスキーなどもこれを一般から買ったらどうかと申しますと、ホテルとしまして町から買いますと高いウイスキーを買わなければならぬ、もう少し観光ホテルの育成について何らかの形の育成を願いたいというような注文もあるわけでございまして、こういうような点も一応かみ合せまして、ただいま御指摘のような点をもう少し再検討いたしたいというふうに考えます。
  79. 高橋衛

    高橋衛君 ただいまの御答弁によりますと、先ほど間島局長の御答弁とは完全に趣旨が合っておらぬように思うのですが、間島局長はどこまでも外客誘致のその直接の目的のために外貨割当をしておるという御答弁でありますが、ただいまはホテル業者の経営を楽にするという趣旨も加味されておるのだということでありますが、その意両者の間に答弁が食い違っておるようでありますから、もう一度はっきりしたところを、どちらからでも御答弁を願いたいと思います。
  80. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 先ほど申し上げたお答えは私の言葉が少し足りなかったかと思いますが、主たる目的はもちろん外客誘致が主でありまして、外客が参りましてある程度どうしても輸入品に打たなければならぬものを輸入しまして、また外客を誘致する場合に、今通商局長からお話がありましたように、戦後の日本の観光事業は経費が割高だというのが欠点でありますので、これをある程度引き下げるということも一つの主眼点に考えております。外貨割当がそういうような効果を発揮いたしまする面につきましては、そういった面からもある程度はもちろん、何といいますか、反射的な利益としてそういった経費引き下げに役立つというような点ももちろん考慮されておるのでありますが、しかし主眼点はあくまでも外客誘致で、どうしても輸入に待たなければならない、ツーリストが使わなければならないものを入れていただくというのが主眼点であります。
  81. 高橋衛

    高橋衛君 ただいまの御答弁もホテル業の経営を楽にする、いわば観光事業としてのホテル業の補助をするという趣旨も含まれているんだという御答弁と伺えるのでありますが、もともと輸出品の価格等につきまして、輸出の割高なものに対してリンク制をとって輸出の増進をはかっていく、そういうような趣旨に一脈相通ずるものがあると思います。必ずしも相反するものじゃないのじゃないかと思いますが、しかしそういうふうな処置を政府の方針としてはどんどん解除されて、そういうものはなくしていくのだというようになっているのであります。しかも観光事業につきましては、別途の趣旨をもってこれが助成をはかっていく、その助成の限度はこの法律に定められておる程度をもって適当とするという国会の意思の決定であると私どもは考えるのであります。従ってそれ以外に外貨割当を通じて別途に助成して補助をするということについては、どうも私ども納得いたしかねると思うのでありますが、今後の方針についてどうお考えになるか、これは一つ大臣から御答弁を願いたいと思います。
  82. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 先ほど局長から経営に幾らかゆとりを打たせるということも、何も外貨割当そのものが彼らに利益するというよりは、たとえばウイスキーの例が出ましたが、市中から買えば高い、自分で輸入して安いものを売るということも、間接にホテルの経営を幾らか楽にするという趣旨もあったのだろうと思います。しかしこれは漸次減らしつつある、減らそうという方針であります。それからなお私もいろいろ疑問を持つんです。必ず外国産のものでなくちゃならぬかということも、かなり問題であろうと思います。たとえば自動車のごときでも、どうしても外客にはアメリカ産の車でなくちゃいけないか、あるいは日本産の車でもよくなったらそれが使えないかということも、これは根本問題として一つ考えたいと思っておりますから、なお一つ、これは運輸省にも非常に関係がありますから、運輸省方面とも打ち合せまして、十分一つ質問趣旨に沿って漸次整備をしていきたい、こう考えております。
  83. 高橋衛

    高橋衛君 先ほどの御答弁によりますと、ウイスキーの例がたびたび出て参るのでありますが、ウイスキーにつきましては日英通商協定上、この新しい法律によっても適用できないという品目に入っておるわけであります。従ってこれらのものをホテル業者に一部割り当てるということは、これはこの法律関係においては当然しかるべきことだと思う。むしろ外貨の獲得に関係のないところに割り当てて、それらの人に利益を講じてやるよりは、そういうような少くとも国家目的に合致する方面に流していただくということが適当であろうと思うのでありますが、こういうような特殊のものは別として、その他のものにも割り当てるということは、いかにも納得しかねると思うのでありますが、従ってただいまの大臣の御答弁では、今後そういうふうな趣旨でもって整備していくというお話でございますから、その点は了承いたします。
  84. 河野謙三

    河野謙三君 どうも食いものの話でやりにくいのですけれども、間島さん一体ホテルでは外人ウイスキーを飲むのと、日本人がウイスキーを飲むのと値段が違うのですか。
  85. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 販売価格といたしましては、税金の点だけは違います。政府の登録ホテルにおきましては、百八十日以内の滞在外客、これに対しましては遊興飲食税を免除いたしております。その点が差が出るだけでございまして、おそらく違った価格では販売はいたしてないと思います。
  86. 河野謙三

    河野謙三君 同じ価格で飲ましているとすると、さっきの政府の希望通り、市中からウイスキーを買わして……、市中からでも外国の人は買えるのですから、売値が同じなら買値も同じでいいじゃないですか。買値だけは外客誘致のために、外人に安くさせるために、買値は特に安くしてやる、売値の方は同じでやるのだ、こういうのでは完全なホテル保護だと思うのですが、そういうことになりませんか。それじゃそろばんが合わないでしょう。われわれは外客誘致のために、泊っている外人が二割、三割安いウイスキーを飲んでいるというなら承知しますよ。しかし同じ金を払わせて、一方は税金を払って飲んでいて、仕入値段の方は、ホテルの方は一般市中よりも安く買っているのだというのでは、その点はちょっとわれわれ了解しかねるのですが、これはどうでしょうか。
  87. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) その点は日本人と外人とは同じ価格でそういったものが飲めるという点に問題があると存じます。これはホテル業者の側の言い分かもしれませんが、現在市中にあるものを買い入れますれば、全体としてある程度コスト高を来たすから、まあウイスキーも高くしなければならぬ、こういっておるわけでございますが、今のお話の点、もともと外客用でございますので、ホテルへ行きました日本人がそれを飲用するというような点がありますれば、それが一番問題だと、かように存じます。
  88. 河野謙三

    河野謙三君 ところが別の角度から言うと、帝国ホテルへ行って飲む人は外人並みに飲めるのだろうと思う。そうすると町で飲む場合には高いのだということになりますと、帝国ホテルへ行けるのは、石橋通産大臣はじめ、これは特権階級だけでしょう。(笑声)その特権階級の保護のために、関税保護政策その他いろいろな保護政策をやっているということになる。これはどっちから考えても私は不当な処置だと思うのですが、通産大臣こういう点についてはおそらく私は御共鳴願えると思う。特に通産大臣のように、液については非常に理解のある人は(笑声)御共鳴願えると思いますが、そういう理屈になりませんか。
  89. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これは速記にするほどの問題じゃないと思いますが、それは今運輸省から言ったように、帝国ホテルへ行けば、日本人も外国人も同じ値段で飲めますから、これは値段を変えておらないと思う。私はよく知りませんよ、あまり飲んで歩かないから、(笑声)でもおそらくそこらのバーで飲むより帝国ホテルの方が安いでしょう。それはそれだけ安いものを仕入れておるから安いのじゃないかと思います。それは確かにそこらに矛盾がありますが、そうかといって、これを一ぺんに廃止してしまっちゃ……、確かに日本ホテルは高いことは事実であります。安いものも高くなるということもありますけれども、そこらの点は矛盾をなるたけ改善するように相談をしたいと思います。
  90. 河野謙三

    河野謙三君 簡単に農林省に砂糖のことを伺いたいのですが、農林省は相変らず砂糖の割当実需者である炭労とか、日教組とか、パンの組合とか、菓子の組合、全購連とか、こういうものに割当をしておられますが、今後もそういう方針は変えられませんか。これは食糧庁でなければわからぬですか。
  91. 森茂雄

    説明員森茂雄君) 御指摘のように従来はあったと思いますが、今後の割当につきましては、食糧庁に伺ってみないとはっきりはわかりません。
  92. 河野謙三

    河野謙三君 私は通産大臣にも伺いたいのですが、この割当の問題ですが、きのう申し上げましたように、外貨割当物資輸入物資というのは不足物資ですから、そこに特に不当な利潤が出るわけです。それを防ぐ一つ方法として、今度のような法案が出ておるのですが、法案がなくして、しかもそれを防ぐという方法は、直接に実需者に割り当てるというのが一つ方法だと思う。たとえばこれは通産省でもいろいろ異論があったようでありますが、油の場合にも精油業に油の一部外貨割当、大豆の場合でも、精油業者によると同時に、一方とうふの組合にも割り当てる、一力大豆の直接実需者の団体に割り当てる、こういう方法外貨割当の不足物資の価格高騰を防ぐ一つ方法だと思いますが、この点については通産大臣どういうふうにお考えでありますか。
  93. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 私は実はこの割当には悩み切って困っておるのです。実需者というと、これはとうふの場合などはある程度はっきりしていただけるでありましょうが、先ほどお話がありましたように、ある組合へぜひ割り当てろというような要求もずいぶん一時来ました。そういうところでも、どういうところで線を引いていいかということが非常にむずかしくなりますので、今のところではできるだけそういうふうにこまかく割り当てなければならぬという方法だけはやめてもらいたいと、こう考えておるわけであります。
  94. 河野謙三

    河野謙三君 先ほどの砂糖の問題ですね、特に実需者団体をかかえている農林省からの主張が強かったと思うのですが、従来、砂糖は炭労であるとか、日教組であるとか、全購連であるとか、ひどいときには甘クリの組合とか、お茶の組合とか、実需者として割り当てている。甘クリとかお茶の組合は少し極端でありますけれども、全購連であるとか、菓子屋であるとか、パン屋であるとか、炭労であるとか、こういう従来割り当ててきましたのは、今後ともこの方針は、考え方としては通産相は共鳴されておるのですか。
  95. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 今、それは実は聞いたんですけれども、現在やっているのは、一応、商社割当になったものを農林省指導によっていわゆる実需者割当指導をしている。実際は非常にこまかく割り当てると、今の労働組合等からも非常な要求が一時ありまして、私の方ではもう全部断わっておったんですけれども……。
  96. 河野謙三

    河野謙三君 私は今度問題になっているバナナにつきましても、砂糖でも石油でも、大豆でも、こういうものに政府が割当方式を一貫しないからいけないと思う。ある場合には実需者まで入れている、ある場合には輸入業者だけにしぼってしまう、ある場合にはメーカーだけだと、こういう、品物によって動くところに問題があると思う。大体、主要物資なら主要物資というものは割当方式をかちんときめられたらいいと思う。輸入業者なら輸入業者一本にするのもいいでしょう。私は実需者割当を従来から主張するものであります。社会党の海野君、江田君と私は砂糖の実需者割当を三年前から主張しておる。それでわれわれの主張が通って、全購連とか、炭労の割当ができたと思っている。これは私は自分の考え方を押しつけるものではありませんけれども、いずれにしてもそのつど動くところに問題がある。これは一つ少くとも行政の問題で、事務官の問題、局長の問題でなくて、大臣あたりがやはり内閣の方針としてはっきり私はきめるべきものだと思いますが、その点について、まあ二年、三年前と現在とは経済情勢が変っております。いわゆる安定してきておりますから、安定した現在においてまた将来を予想して、大臣は今後は輸入業者割当一本で進みたいのか、それとも従来の方針を踏襲するのか、これらの基本の問題を一つ御発表願いたい。
  97. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) それはごもっともですから何か方針をきめたいと思います。が、実際は、打ちあけ話をすると、非常に各方面から要求があるので、ついに要求に負けていろいろなことをやると、従って、そこに混乱を来たすという今までは実情でありました。かっちりそれを方針をきめて、その通りに押し通せばいいんですが、それを押し通せるかどうかというところに問題があると思っておりますが、できるだけしっかりした方針をきめて参りたいと思っております。
  98. 阿具根登

    ○阿具根登君 大臣が今この質問にしっかりした基本方針を立てると言われておりますけれども、たとえば砂糖の問題にいたしましても、これは日本でよく言われておるように、日本の政治家が、あるいは業者か知らないけれども、砂利をやれば砂利を食うと、鉄道を敷けば線路を食うと、こういうことまで日本では言われてきておる。そういう日本で、砂糖なんかというと、甘いやつだからアリのたかるようにたかってくると思うけれども、これでべらぼうにもうけておる連中がおって、それを需要者の方に回すようになってくれば安く入ってくると、こういうところに欠陥がある、一部のところに膨大な利潤がいくと、こういう問題があって、だから抜本的な対策がなければこれは解決しない、こう思いますが、その点どうですか。
  99. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 根本は、希少物資になっておって、もうかり過ぎておる。どこへ、持っていっても何かの弊害が生ずるのであります。いわゆる需要者割当というものにやりましても、やはり同じようなことが起る欠点がある。ですから、これはもうどうしても根本は、砂糖なんかのごときはもっと輸入量を、だいぶふやしてきましたけれども、輸入量をふやすことで自由にできるだけ早く近づくということが必要だと、こう思います。
  100. 阿具根登

    ○阿具根登君 そこでバナナの問題をちょっと質問いたしますが、皆さん質問されておりますので重複しないように質問していきたいと思いますが、政府みずからが特殊利潤である、超過利潤であるということを認めて、それを国庫に吸い上げるということがいいか悪いか、たとえばそれだけの超過利潤がある、あるいは特殊利潤があるということは、それを出しているのはだれか、しわ寄せがきているのはだれかということになると、これは国民である。しかもそれだけ膨大な利潤があるということを認めて外資を出さなければならない、ここにもう一つ考え方がありはしないか、そういう点の根本的な問題について御答弁を願いたい。
  101. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これもやはり輸入量の問題じゃないかと思うのです。ですから、もっと輸入を豊富にし、あるいは自由にすれば、こういう現象は起らないのでありますが、いろいろな事情バナナのごときは輸入量をしぼらざるを得ない、しぼればこれは当然利潤が特別利潤に現われてくる。その特別利潤が現われてくるということが明らかであるにかかわらず、それを一部の者にもうけさせているということが正しいかということと、それから過去の例においていろいろこれを利用して輸出を奨励したとか何とかという例がありますので、かたがたこういうところで、これはどうせ永久にしていくということではもちろんないのでございますが、この際は一応超過利潤だけを国庫に吸収するのが、まずいながらにもせめて幾らかでも公平に近づけるゆえんじゃないかと、かように考えます。
  102. 阿具根登

    ○阿具根登君 大臣の言われるのはわかりますけれども、いわゆる需要と供給のアンバランスでそれが特殊な利潤になるのだということはわかりますけれども、大臣の言われるように、量をたくさん入れればそういう特殊な利潤は出ないと言われるのは、業者のもうかるのは、量をたくさん入れれば量でもうかるのだ、いわゆる業者の利益というものは変らないことを前提にされているわけですね、量をたくさん入れれば安くなる、もちろんその収益というものは量でまかなってくる、量が少くなってくれば需要と供給のアンバランスになって、そうして片一方の利潤が非常にふえるためこれは国で吸い上げるのだ。そういうことでなくて、すなわち国で吸い上げるけれども、そのしわ寄せがきているのは国民であるからその吸い上げをしないでいいように、アンバランスになっても特別上らないような措置を講ずるのが私は行政官庁としてやるべきことじゃないかと、こう思うのですがいかがですか。
  103. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これは量がふえてもなるほど全体の数量をかき合せればそれだけの商売として、全体としては利潤が生ずるかもしれませんが、しかし、その場合には消費者にあっても安い砂糖なり何なりが入るということで利益が均霑するわけです。特別のこういう希少物資にしておれば一部の者に利益が集中して所得されるという欠点がありはしないか、これをどうして防ぐかということは実は案がないのです。何か名案があれば聞かせていただきたいと思うわけで、今のように、たとえばバナナのような形にしておいて、そうして特別の利益を出さないようにさせる。これは国原が統制でもして国家が自分で商売するということになれば、これは国家自身が利益を得るか、あるいは国家がその利益を得ずしてこれを消費者に均霑するか、その場合でも数量が少ければ、たまたま消費いたしたものが安いこともあるが、さもなければ安くあるべきものが高くなる。こういうことになるからなかなかむずかしい問題じゃないかと思います。
  104. 阿具根登

    ○阿具根登君 いただいた資料で見ますと、日本外国——と言っても朝鮮だと思いますが、これはバナナ輸入状況を見てみますと、日本にすでに年間六十万かごから入っている。朝鮮はわずか二万七千かごですか、非常に今まで日本は戦後このかた急激にバナナを入れている。ところが朝鮮は非常に少く入れている。こういうことから考える場合に、こういうバナナなんかは先ほども出ておりましたように、一本七十円もするバナナを食うのは特殊階級です。そういう特殊階級が食うようなこんなものをなぜ日本でたくさん入れなければならないか。それはバーター制度もありましょうが、こういうのは私は特別に入れなければ国民の生活に非常に影響があるといったような問題じゃなく、ぜいたく品の中でもこれは上の方だと思います。そうすると、韓国等は非常に少く入れておられる。そういう点から見て、もう少しこれに対する考え方を変えられはしないか。先ほどの通産大臣の話と逆になりますが、そういう点はどういうふうにお考えになりますか。
  105. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これはバナナなどは、お話のようにいろいろ議論のしようがありますが、現状においては、そう日常必需品ではございませんから、なければないでも済むだろうと思います。ですが、これは先ほどもお話のように、台湾との関係で、どうしても入れざるを得ないという点もあります。そういうことで、全然これをしぼってしまうわけにもいかないので、今のところ入れております。
  106. 阿具根登

    ○阿具根登君 観点を変えて見ますと、台湾からバナナが入ってくるのは日本着CIFで一かご七ドル五十セントだと思います。そうするとこれが前年度は六十万かごで十六億も財政収入があったと聞いておりますが、今度は半額で、二百二十五万ドルの外貨割当であるのに十六億円の吸い上げがある。一億円を手数料として差し引いても十五億だけは吸い取られる。こうなってきますと、七ドル五十セントで日本に入れたものが業者がもうかるから、いわゆる七ドル五十セントのやつが、仲買人に渡るときは幾らになると見込んで十六億というお金を算出されたか、それは局長でもけっこうですから御答弁願いたいと思います。
  107. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 一応今回御審議願っております法案の、特定物資納付金処理特別会計の方で収入を算定いたしましたときには、過去二年間の一番低い浜相場、これは五千三百円であります。この一得低い浜相場と、それから七ドル五十というものに、いろいろ輸入税あるいは諸掛といったようなものがかかりまして、それに大体三%の輸入業者のマージンというものを見ますと、三千四百八十二円という総原価になる。これは港に着いて渡されるときの総原価になります。それで二年間の最低の浜相場の五千三百円と、三千四百円の差というもので、一かごについて千八百十七円というものを一応基準におきまして、そうして年間バナナだけで十億余りのものという計算をいたしたのでございます。これはついででございますが、この前の入札のときは、御承知のように、平均して四千百円ばかりということになっておりますが、われわれといたしましては、たびたびここでお話も出ましたように、ぜいたく品的なものではございますが、できるだけ安く国民に食わせたい。あまりたくさん取り過ぎて、そのためにコストそのものが上向きになって、これ以上は下らないということはまずいということから、千八百円という非常に低目な数字ということでこれをやっておりますが、その結果、千八百円と四千円との差額は、実際問題としては、割当を受けた人の反射的な利益というものになっておったということになるわけであります。今後の割当を、かりに定額制にするにいたしましても、その金額を幾らにするかということが一番むずかしいことでございますが、今までの実績等も十分勘案し、この前の入札の結果というようなことを参考といたしまして、差益を取ったけれども、まだ超過利益が相当残るというようなことのないように取って、あまり国民に高いバナナを食わせるという結果にならないように、最も合理的な値段というものを算定したいと思って、今いろいろ資料を検討いたしております。
  108. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 運輸省観光局長は御退席願って差しつかえありませんか。
  109. 海野三朗

    海野三朗君 私はまだ質問があります。
  110. 阿具根登

    ○阿具根登君 いま一点。お考えだけはわかりますけれども、二十九年の四月から三十年の三月の一年間の平均を見ても、これは六千八百円になっておる。そうすれば、まだ莫大なる利潤がある。これは通産省の資料なんですよ。通産省の資料を見てみても、六千八百円が平均であって、これが加工業者から小売業者が仕入れる場合には、八千七富六十円になっておる。今度一般価格は一万八十円になっておる。こういうふうに次々に莫大な利潤を持ってきておるわけなんです。そうすれば今言われたように、あまり吸い上げてしまえばまずいかもしれませんけれども、業者というものは、自分が利益を取らなければ、私はこんな競争入札なんかしないと思うんです。そうすれば、取れば取るほどバナナをつり上げていくわけなんです。そこにただ今までの実績考えて何かするとか、あるいは数字を並べるといっても、これはただ言うだけで、当然それは実施できない、結局国民は高いバナナを食うようになる。そこに何とか法でもう少しはっきりした規制をすることができないか、こういう点について局長か次長に伺いたい。
  111. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 初めの力の問題でございますが、確かに私が申し上げました五千三百円の数字、これは昨年一年間の平均から見れば、非常に安過ぎはしないか、これは御指摘の通りでございますが、ただ一応特別会計の歳入というものを見込む際に、これは非常に固く見るというのは、これは一応予算の立て方としては普通のやり方でございますので、かりに過去二年間に六十万かご入れて五千三百円まで下ったものが、それが今後下らないともいえない。そこで一応国の予算に組むときには、できるだけ固めに組む。実際にこの法律通りまして、あと施行するという際には、それまでのあらゆるデーターを総合いたしまして、それが二千円になりますか、二千五百円になりますかというようなことは、そのくらい取ってしかるべきだと思う。これは当然千八百円というのは、最低限これだけはどんなことがあっても取りはぐれのない数字だということで、ただ予算上の算定の数字としてあげたわけでございまして、あと、先ほど申し上げましたように、最近一年間の相場の動きというようなものも勘案した上で適当な値段というものをきめたい。従いましてきのうも局長から申し上げましたように、 この予算自体でも、今回特別会計に今年度繰り入れますものは十五億ということになっておりますが、これは相当ふえるんじゃないか。しかしどこまでふえるかというと、今すぐには申し上げかねますが、二十数億になることは間違いないんじゃないか、そういうふうな感じでおります。この値段を幾らにするかということを申し上げますにつきましては、この法案が成立いたしまして施行されるまでに、できるだけ慎重に検討いたしました上で適当な値段をきめたい、こういうふうに思っておるわけであります。
  112. 阿具根登

    ○阿具根登君 あまり数字が大きいので、ばく然としてよくわからない。私が今ここで計算したのが間違っているか何か御指摘願いたいと思うんですが、政府が考えられている五千三百円、去年一年の平均をとってみても六千八百円、それだけでも一かごについて千五百円の利潤がある。こういうことになれば、今はじいたのでは、一年間でそれだけの利潤が九億円になると思うんです。そうすると、これは入札をされる場合に、極端な数字になって出てくる、こういうことにもなると思うんですが、こういうものに対して、もう少しはっきりした考え方をしなければ、今度の入札なんかでも、またあと質問いたしますが、いろいろな不明朗なことを言われている。なぜそんな不明朗なことが起るかといえば、あまりにも利潤が大き過ぎるからです。あまりにももうけが多いから、それにいろいろ手ずる手くだで不正なことがやられて不明朗なことがうわさされたりする。そのしわ寄せは全部国民にきている。それでこういうものに対して、もっと断固たる処置の仕方はないか、こういうことなんです。たとえば今度の入札におきましても、今までちっとも出なかった全バ連の方々は九割は握られた、こういうことになっている。これはあと質問いたしますが、逆にいえば、それでも現在までの輸入業者は、自分は輸入業者であるという、その上にあぐらをかいて、ただ台湾からバナナ日本に入れさえすれば莫大な利潤を得る、こういうこともあると思うんです。しかし双方がそういうことをしてもうけていって、結局今まで五十円だったものが、七十円にも八十円にもなっておる。これをじっと見ておるという法があるかというのです。どうすればこれを押えられるか、そういう点をもう少しきびしく私は考えなきゃならないと思うので、当局の考え方をお示し願います。
  113. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 特定のものに割当の反射的利益を享受させるということをさせないということのためには、これは先ほどからいろいろ御議論の対象になっております、むしろビッドということでとにかく自分の危険と責任においてたくさん出すという人は、それだけ責任を負ったのだからということで出していただくというのは、これは一番その点じゃ不当利得的なものではないということになるかもわからぬのですが、ただそういうふうにやりますと、この前の例にもございましたように、非常に今まで以上に値が上り過ぎるという傾向はこれはあるかもしれません。一方においてこれはぜいたく品的なものだから、百円になっても二百円になってもいいじゃないかという議論をすればこれは別でございますが、われわれの方といたしましては、やはり貴重な外貨を使って入れるもの、それを国民に消費させる場合にもあまり法外な値段は好ましくない、こうも思っておりますので、今検討中でございますが、今後やる際にはこの前のビッドの成績というようなものを勘案し、この前に定額をとっておったという時代に今、先生から御指摘がありましたように定額の取り方が少い、そのために一かごについて相当莫大な利益をあげておったというような点を考えて適当な額をきめたい、こう思ったわけでございますが、消費者価格を末端の最終価格を幾らにするかということ、これは先ほど大臣から申し上げましたように、こういう物資はもっぱらコストの関係でなしに需給の関係できまるということになりますと、戦前御承知のように三百五十万かごぐらい入っていたわけであります。それが最近台湾の生産の関係もございまして百五十万から二百万全部入れても戦前の半分にならない。しかもそれを日本としては現在六十万というので戦前の六分の一、人口はその間五割ふえているというので、結局一人当りの消費量が戦前の一割になっている。そうするとやはりその一割程度の非常に微々たるものでございますので、非常にそれに対して愛好を感ずる方々が少しは高くても、とにかく食べたいということでやっているというようなのが実情でございますので、末端価格を押えるということはこれは公定価格でもしけば別でございますが、現在の全体的な物価体系から申しまして、それができないということになれば、むしろ今までバナナが異常に高くなった、あるいは投機的になったというのは、輸入公表のやり方等がとぎれとぎれになったという点も一つあったのです。一つは一昨年の台湾のバナナの生産の状況自体が害虫や風害があったということで、これの入札がおくれた。元来が少いところへもってきてまた到着がおくれたために高くなった。最近上っていると申しますのも、これは非常に、割当をこの前やったきりあとやってないということのために高くなっている。そこでこの法案が通りまして、追っかけてまたすぐ次の割当をやるということにしますと、そうすると一種の競争関係に立つわけでございます。いつまでも輸入しなければ輸入の権利を失うということになります。ある程度時期が、短かい時間に相当数量が入るということになりますれば、おのずから市場価格というものは下るのじゃないかというので、われわれといたしましては、さしあたりできますことはこの法案通過後できるだけ早く次の輸入公表をするということによって、そして新しい秩序のもとに、相当数量が入ってくるということで、末端の価格を下げるという以外にさしあたりの対策というものはないのじゃないか、そういうことでできるだけ早く公表したい、そう考えております。
  114. 阿具根登

    ○阿具根登君 私は安いバナナをたくさん入れて、国民にたくさん食べさせて上げたいという、これは私は同感なんです。しかし限られたバナナなら何ぼ高くってもいいと思う。そういうのを食う人は特殊階級の方々だから。何ぼ高くなろうが、一本百円しても私はいいと思うのです。ところがその陰に莫大な利潤を取っている連中が、私はいかぬというのです。だからそういう莫大な利潤をもうけるためにいろいろなことをやっておるから、そういう莫大な利潤を受けないようにすべきだ、その点を私は言っているわけです。ただ今のままでは利潤があるから、今度十六億なら十六億の利潤を吸い上げることにしても、まだ十億からの利潤があるからそれを吸い上げても、需要と供給のアンバランスでもっと高くするでしょう。必ずそれはバナナを高くするということじゃなくて、それはまあそうだけれども、自分がもうけるためなんです。それを何とかできないか、こういうことを言っているわけなんです。
  115. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これはどうもおそらく今のやり方では競争入札で高くしろということにならざるを得ない。特殊なやつに利潤をさせないというために、この間やったような競争入札で彼らが出すだけのものを出させるということだろうと思う。それでも値段を高くするということは、需要がその上にさらに増して、幾ら高くなっても需要がふえればそれは高くなりますが、これは需要でおのずからチェックされると思います。これはポータントとか何とかいうもので政府自身が将来やってみたところが、品物が少ければポータントで出るときには安くても、また末端にいくとどこかで高くなるとか、あるいはやみの売買が行われるというようなことが現われるだろうと思います。
  116. 海野三朗

    海野三朗君 観光局長にお尋ねいたしますが、日本旅館外国旅館に対して高くつくということをさっきちょっと聞いたのですが、外国というのはどこの旅館に比べて日本は高いのですか、どういうふうになっておりますか。大体宿賃は、日本旅館は高くつくから、せめて安いものを入れてそうして安直になるようにして外人を擁しなければならないというさっきお話であったと思うのです。そうしてどこに比べて日本旅館のつまり値段は高くつくのでありますか、それをちょっと承わりたい。
  117. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 日本ホテル代が世界の水準からみまして非常に高いということを言われておりますが、これはいろいろの理由がございまして、もちろん一般的な戦後の物価高——世界水準からみまして一般的に日本が物価高ということももちろん影響いたしておりますが、特にホテルは御承知の通り、新築、改造等をいたしますと、固定資本を当初多額に要するわけでございますが、この資金が現在御承知の通り非常に短期で、最近はある程度金融も緩慢で若干金利は下っておりますが、しかし世界の水準から見ますと、まだ非常に割高な金利を払わなければならないということでございます。特に戦後新築しましたり、内部を全面的に改造しまして多額の資本を使いましたものはどうしても計算上高くなってくるわけでございます。ホテルの中でも戦前に建てました相当古く建てましてすでに償却を済ましておりますようなもの、あるいは戦前政府が預金部の低利資金を貸しまして、三十五年から三十年、金利は年三分というふうな助成をいたしたことがございますが、そういうふうな資金で建てましたホテルは比較的戦後においても安くできますが、しかし、戦後に建てましたり、あるいは戦災にあいまして全面的に改造したというようなところでは、そういった金利負担というようなものが非常に大きなあれになっております。その他一般的にやはり日本の税制が諸外国に比べますと、やはり企業面といたしましては相当重い負担であるということもございますが、そういったやはり金利の面、資金の面が一番大きな問題じゃないか、かように考えておる次第でございます。
  118. 海野三朗

    海野三朗君 その世界の水準より旅館が高いとおっしゃるのは、一体どういう標準でありますか、世界の水準はどうなっておるのでありますか、そこは一体ぼんやりとしたお答えのように思うのですが、どうですか。
  119. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) これは世界各国のそういったホテル料金というものは調べてみたことはございますが、たとえば同じ程度ホテルをとりまして、日本と欧州を比べてみました場合に、日本で六ドルないし七ドル程度の部屋代のホテルは、欧州に参りますと大体五ドルぐらいでございます。その程度の差があるということははっきり認めざるを得ないわけでございます。アメリカに参りますと、もちろん高いホテルはございますが、しかし、これはそういう高いホテルはまた施設が非常に優秀でございますので、施設の差ということを考えますと、アメリカに比べましてもやはり日本はある程度高いということを言わざるを得ないわけです。アメリカには部屋で十ドル、あるいは二十ドルという高い部屋代をとるホテルもございますが、その際には非常にりっぱな施設、豪華な施設をいたしておりますので、直接比べものになりませんが、ヨーロッパあたりの、日本の大体同程度と思われるものをとりまして具体的に調べてみますと、先ほど申しましたように、日本で六ドルないし七ドルという料金をとっておりますものが、欧州では五ドル程度で済むというのが大体の実情であります。
  120. 海野三朗

    海野三朗君 その旅館の高い安いについてはこれだけにとどめておきまするが、今のお話であるというと、いたって雲をつかむような、評判を聞いておられるような話、あなたが直接行って実際に旅館を調べ、そうして各国の水準をおきめになったとは考えられませんから、ここで私はその方面はやめますが、外人を導く、招くことについて外貨割当をやっておるということで先ほど河野委員からも鋭い質問がありましたが、つまりどうもその点は納得いかないのであって、こういうふうなあり方でよろしいとあなたはお考えになっておりますか。どうなんですか。運輸省としては、観光局としてはどうなんです。
  121. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) われわれといたしましては現状におきましてはやはり外客接遇上どうしても輸入に頼らなければならない物資がございまするし、またその場合に直接ホテルに割り当てるのがやはり輸入業者を通すより、割り当てるよりも割安になるという事実がございますので、こういった制度はある程度はやはり今後も一続けて、いつまでもというわけではございませんが、現状においてはある程度やるべきだ。ただしかし先ほども御指摘がありましたように、この割当方式あるいは実績等さらに慎重な検討をいたしまして、方式をさらに改善する、そしてそれが本来の目的に使われるということは当然考えるべきでございまして、この点は通産省当局とも十分今後連絡いたしまして、御趣旨に沿いたい、かように存じております。
  122. 海野三朗

    海野三朗君 こういうことにつきましては運輸省はもう少しまじめに考えてもらわなければならないと私は思う。旅館業務をつまり助けておる以外の何ものでもないとしか思われない。外人が、さっきの計算では全国では四十万人でしたか、四百万人でしたか、べらぼうな数字になってくる。どうも実に私はずさんだと思うのです。それからネープルを何ぼ食った。現状レモンを何ぼ食ったというところのはっきりしたところから判り出していかなければならないのでありまするけれども、旅館業に割り当てるというところに一つの特権を持っておるから、いたってばく然としてここに割り当てている。その結果はどうかというと、横流れが相当行われておる。またウイスキーにしてもそうなんです。このウイスキーにしても日本人が今度帝国ホテルへ行って飲むときはどうなるか、こういう疑問も起ってくる。ある特殊な人たちがこの恩恵に浴するようなあり方では私はいけないのじゃないか。外人必ずしも皆ウイスキーを飲むとは限りません。酒を飲まない外人もあるから……それでありますから、観光局としましてはそういう点はもう少しまじめに考えて、外貨割当通産省に要求してもらわなければならないのじゃないか。こういうふうに私は思っておるもので、先ほど河野委員が激しく追及されましたけれども、そういう点については今後どういうふうにお考えになっておるか。今までのままでよろしいとお考えになっておるか、これは細心にしなければならないとお考えになっておるか。   〔委員長退席、理事阿具根登君着席〕
  123. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) その点につきましては、いろいろ御意見もございまするし、またわれわれといたしましても、絶対に間違いがないと、あるいはまた本来の目的に全部が全部向けられているということを申し上げる確信もございませんので、十分実情を調査いたしまして、本来の目的を達し得るような外貨割当並びにその使用方式というものを今後検討すべきであると、かように存じます。
  124. 海野三朗

    海野三朗君 次に私は通産当局にお尋ねしたいのであります。
  125. 阿具根登

    ○理事(阿具根登君) 観光局長はもうよろしいですか。質問終りましたか……。じゃあ局長にお帰り願っていいですか。……それじゃ質問を続けて下さい。
  126. 海野三朗

    海野三朗君 バナナ輸入するに当って、いわゆる加工業者が室を作ったり何かして今までやっておった。ところが、その後いろいろ科学技術の進歩によって、バナナの保持というもの、いわゆる腐れたり、あるいは黒くなってしまったり、そういうふうなことを防ぐところの方法が、愛媛県立の農業試験場ですでに実験済みなんでありますが、それによって、もしこれを実施するならば、非常なロスが省ける、こういう結果になっているのでありますが、これに対しては通産当局はどれだけのお考えを持っているか。今日原子力の応用せられる時代に当っては、その研究に対しては決して冷淡ではあられないだろうと思いますが、通産当局はどういうふうにお考えを持っておられますか、これをお伺いしたい。バナナの、つまり保存法、これを長期腐敗しないようにしようというところの科学の実験結果が出ている。愛媛県立農業試験場の方から報告が出ているのでありますが、これに対しては通産当局どういうふうにお考えになっておりますか。このことに対して、政府ができ得るなら、何ぼでも力を添えて、これをやらして見ようという熱意がおありになるかどうか。
  127. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 今のバナナに特殊な被まくを施しまして、長期間保存にたえるというふうにしたい、しようといったような特許があるということは私も承知いたしております。またこれが日本に入ってきまするバナナにいろいろと応用されるということで、たださえ足が早いと言われているバナナの腐敗というものが防げて、相当長期間、いつまでも新鮮さを保つということになれば、これはそれだけロスが少くなるということでございますので、   〔理事阿具根登君退席、委員長着席〕 貴重なる外貨を使ってきたというものが、百パーセント活用されるという意味から申しましても、非常にけっこうなことだと、こういうふうに存じておりますが、これは何分にも、そういう被まくというものを施すということで保存できると、これは確かに特許が通っておるのでございますから、非常にりっぱなお考えだと、こういうふうに存ずるのでございますが、まだ大量にやったことがないといったようなことから、いろいろとその特許をとられた方からも、これを何とか実現したいということで、実施してみたい。そうしてもし実際にやってみて非常に結果がいいということになれば、ほとんど全部の方に応用していただけるのじゃないかということで、実施の機会についていろいろ熱望しておられるということもこれは私も承知いたしております。それでわれわれの方といたしましては、今後そういう非常に貴重なお考えというようなものが実現に移せられるというふうな格好で、実験台になるというような相手方というものを探し出して、そうして実験して、やっていただけるという方向になれば一番いいんじゃないか。ただ御承知のように非常にバナナ割当につきましても、今もここでいろいろ御審議、御議論も出ておりますように、従来からの非常にむずかしいあれがございます。実験するにいたしましても、相当まとまった量でないと、やはり実験が非常にしにくいというような技術的な理由もあるようでございますので、特にその方だけに、じゃこれ実験してやってみようという特別な割当をするというところまで今すぐ踏み切れるかどうかということについてはまだ通産省といたしましても検討いたしておりますので、まずさしあたりの段階としては一定の基準割当を受けたという方々が、そういうしかも当初のうちは無償で、とにかく実験材料を費してもらうということだけをやればいいというようなお考えでもございますので、そういったような相手になるような方についてのごあっせんというようなことはできるだけ通産省としてもやりたい。さらによくそれは、私技術者でございませんので技術のことはよくわかりませんが、農林省のそういう試験場というような所でも非常に認められておるというようなことであれば、そちらの技術的な御意見等も承わりました上で、それを全体的にやるということが、結局外貨で入ってきたものをロスを少くするということで非常にけっこうなことだというようなことになれば、それを何らかの格好で促進するといったようなことについて関係省の間でも十分打ち合せたいと、こう思っておりますが、何分にもまだお話伺って実は日もたっておりませんので、目下検討さしていただいておるという段階でございます。
  128. 阿具根登

    ○阿具根登君 バナナの問題で質問を続けますが、たしか衆議院の参考人の意見を聞いた場合に傍聴したのでありますが、間違っておったら御指摘願いますが、そのときの質問輸入業者は三千三百円程度しか入札しなかった。今度は全バ連の諸君は最高四千六百円から最低三千八百円、平均で四千百五十円、こういうので落札した。そうすれば必ずバナナは上るであろうということを指摘された場合に、全バ連の福田さんだったかと思いますが、その参考人は輸入業者が三千三百円程度で入れておって、自分らが四千百五十円でバナナを入れたけれども決してバナナは高くなりません、輸入業者はそれまでにずっともうけておったんだ。だからわれわれが同じ値で売ったとするならば、われわれの利益がそれだけないので、今までの輸入業者がもうけ過ぎておったんだ、こういう意見があったと思う。そうすると現在は、その当時参議院の食堂でも五十円しておったバナナがすでに七十円になっておるということになれば、全バ連の責任者は公述にうそを言ったことになる。  それからもう一つ大事なことは、輸入業者の三千三百円というのは、今まで入れておった二千二百円というのはうそであって、そのほかに千数百円の利潤があったのだ、こういうようなことを聞いておりますが、その二点を明らかにしてもらいたい。
  129. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 確かに衆議院の参考人の公述の中には今度の入札した価格というものでバナナを販売しても現在より高くならないといったような話があったことは御指摘の通りでございます。たしかあのときの相場から見ますと、現在は二百円ぐらい上っているじゃないか、こういうこと、これもまた事実だと、こう思うのでございますが、最近の値上りの一つの原因といたしましては、これはもちろんわれわれの方もできるだけ早くたくさん入れてくれと、先ほど申しましたようにもっとたくさん入れれば、これは値が下る。非常に入札の仕方が悪いというところに一番大きな原因があるんじゃないか、しかも入札の仕方の悪い原因の一つにはこれは台湾における出荷の方がいろいろ出荷のコントロールというようなことをやっているということで、いろいろむしろ台湾の方の出荷と生産者との間にもある程度意見の食い違いがあるというようなことを聞いておりますので、われわれといたしましては、台湾からの出荷に対して、もっと日本の要請に対して早く積み出せということを間接的にではございますが、向うにしょっちゅう言っておるような事態でもございまして、最近値上りしておることの原因、これはもちろん品薄に乗じて国内で高く売っておるという面もございますが、その原因には向う側の理由といったようなものも半分存するというようなことになりますので、ある程度はやむを得ない。しかしわれわれの方といたしましては、先ほどから再三申し上げておりますように、今回新しく協定も大体まとまりました。そこで衆議院におきましてお約束しました通り、できるだけ早く台湾の協定がまとまり、そしてこの法案が通ったならば一日もすみやかに次の割当をやる。しかも新しい協定の中におきましても四百五十万トンのバナナを買うということを政府として確約したわけでございますので、そういう点から台湾大使館を通じ、あるいは直接に台湾の日本側の大使を通じまして、もっとすみやかに出荷せよということによって今度の値段を下げるということに万全の努力をしたい、そういうふうに考えておるのでございます。  それから輸入業者の方の案につきましては、これも御指摘の通りとにかく結果から判断いたしますと、五千三百円で千八百円というものになるというときに、それが六千三百円になれば、二千八百円というので、確かに五千三百円と現実浜相場との差というものが、一極の割当に伴う反射的利益というものがあったこと、これも事実でございますが、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、もう少しすみやかに着々として輸入させるということになれば、全体のあれが下るのではないか。そうすれば五千三百円までは下らぬまでも、現在よりははるかに下るということになるであろうということから、それを下るという要素があるにもかかわらず、政府の方で差益をとりたいために無理やりに今のところまでつり上げているというようなことがあっては本末転倒だということで、一応予算の上では千八百円ということでやっておりますが、実はこの前の入札のときに政府の予定単価二千五円ということで、千八百円では安過ぎるということで、二千円少し上回る予定価格を出しておったのでございます。それが結果において四千円という予想がその倍になったということはわれわれ自身も意外であったということでございますが、今後はああいうふうにべらぼうに上るというようなことのないように入札を促進するということと同時に、二千円と四千円との間において適当な金額というものをだんだんわれわれの方にも見当がつきかけて参りましたので、できるだけ合理的な数字というものをあげて、反射的な不当利得というものがないように処置したいと考えております。
  130. 阿具根登

    ○阿具根登君 その問題に二点だけ疑問が私はあるのです。次長の話では非常に業者をかばっておられるというようなことも考えられます。いろいろ台湾で出荷される場合の手続に非常に食い違いがあった、こういうことも言っておられますが、逆に考えれば外貨を、割り当てたやつで一度にたくさんの入荷をしないように、いわゆる需要と供給のアンバランスをますます来たすようにちびりちびり入れて値段をつり上げているのではないか、こういう点が一つ。かりにそういう点があるとするならば、政府としては何らかの措置をとらなければできないのではないか、こういう点が一つ。  それから衆議院の参考人として言われた場合に、自分たちはこれによって高額な利潤を生もうとするのではないのだ、今までの輸入業者ははるかに下の金で入れておったけれども、自分たちはそれよりも高い金で入札して、バナナの値段を上げません。こういうことを言っている。それが何か途中で問題があったということならいざ知らず、需要と供給のアンバランスがひどくなってきたからいわゆる値段が高くなったのだ、こういうことになれば、何も自分は損をせずに高くなっているわけなんだ。そうすると衆議院で証言されたことに、良心的な方であるならば私はアンバランスになったとしても同じ値段で売るべきだ、こういう点が出てくるわけなんですね、こういうことを考えると、輸入業者も今度入札された全バ連の方々も非常に非良心的だ、良心的でない、こういうように私は考えるのですが、私の考えが間違っているかどうか御指摘願いたい。
  131. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 最近のバナナが大へん入荷が悪いという点、これは先ほど私台湾側の理由が相当あるとかいうことを申し上げたのでございますが、実は最近入っておりますこの前の入札の結果平均して四千百五十円ということになったわけでございます。そこで四千百五十円で華商にも全部割り当てたわけでございます。実は華商を入れて入札をしますと、華商というのは台湾政府と直接のつながりがあるというために、この分だけ安くなり、全部華商にとられるのではないかということで、華商として四千円というものはとても想像しなかった値段と思いますが、日本商社が平均してこれだけでやるといいますならば、華商もやれ、もしそれがいやならばお前には割当しないということで、それじゃ四千百五十円納めますということで華商もやったわけでございますが、実はこの華商の関係等いろいろございまして、それで日本側のこの前落札しました方方の荷物というものはむしろあと回しにしてできるだけ華商の荷物を先にやるということが行われておる。しかしこれは百パーセントかどうかということは確証ございませんが、これは相当行われておる。これが台湾の、先ほど申し上げました出荷制限的なあれでとにかくまず華商だけはあまり損失しないようにということで、つまり割り当てる前にともかくやってしまおうのじゃないかといったようなことで非常にこれはわれわれは華商に対して警戒してやったということが逆にさらに裏をかかれておるということが実際のあれじゃないか。そこで先ほど申し上げたのでございますが、日本側がもう少しよけい積み出せという要請をいたしましても、必ずしもその通り積んでこない、いろいろの口実を作って満船にしないという実情が、これはシッパー側で相当ある。最近の荷繰りが悪いというのは先ほど申しましたように、台湾側に相当大きな責任があるのじゃないか。ということは、台湾に抗議を申し込んでいるといったような事情もございますので、今回の日台交渉が新しく一応大体まとまった、そこで正式の調印というようなことになって近く発効するということになるのではないか、これは早急に厳重な抗議をやって、そうして台湾側の反省も求めたいというように考えているわけでございますが、確かに今お話申し上げましたように、今までのバナナの全関係者という方が全く良心的に百パーセントやっておられたかどうかということについては、これはまあ御指摘の点も多分にあるのじゃないか、こうは思いますけれども、現在のところはさらに日本側の商社、これは加工業者のみならずあのときに落札をされました輸入業者の方も入れてでございますが、日本側の扱い業者に対して百パーセント罪をかぶせるということは少しかわいそうじゃないかという実情を申し上げておるのであります。
  132. 阿具根登

    ○阿具根登君 大臣に今度はお尋ねいたしますが、今のような御答弁をお聞きいたしましても非常に不明朗な点があった。そこでまあ今度の全バ連入札にいたしましても、私たちの聞くところによりますと、農林省の方から非常に圧力がかかっておった、こういうことも聞いておりますが、そういうことは別といたしましても、良心的でないというような人に対する入札というものについては十分に考えていただきたい、そうでなければますますこれは多くなってくる、こう思うのです。これは厳重に一つ取り締っていただきたい。  それからもう一つ私が心配いたしますのは、このバナナの問題で、年間四百五十万ドルのバナナの問題で、日本の利潤だけがまあ半期で今度は十六億、これは二十何億になるだろう、こういうようなことになってくれば、台湾そのものが自分のバナナを持っていってそんなに国がもうかるのであったならば、もう少し高く買ってくれということで七ドル五十セントというやつがあるいは十ドルになるかもしれない、十五ドルになるかもしれない、そういう心配がないかどうか、この点大臣にお答え願いたいと思います。
  133. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これは台湾との貿易協定で話し合いをいたしますから、だからそう不当に値段を上げさせるということはこちらとしてはしないつもりでございます。またその場合には輸入等についての数量のかげん等もいたしたい。  それから、さっきからお話しのように今度の入札の以後バナナの値段が高くなる、その高い値段をなるべく長く維持したいという動きのあることは事実のようであります。それに乗ってはならないということはその点事務当局にも常に申しておりますし、台湾との協定が近い間に成立する、あるいはこの特殊物資法案が通過するということになりますれば、すぐに次のバナナ輸入を開始したい、かように考えております。
  134. 阿具根登

    ○阿具根登君 台湾政府にバナナを上げないように交渉すると言われるけれども、実際国内でそれだけ利潤のあるバナナであれば、バナナを上げないにしても、バーターで行く品物を向うは今度は買いたたくか何かすると思う、向うでもやはり利潤を考えております。そうすれば台湾から持ってくるバナナでそれだけの利潤を日本が受けるとするならば、今度は日本から送る品物に対しても向うではそれだけの利潤はバーター制の品物にそれがかかってくるか、あるいはバナナの値段を上げるか、何か向うだってしてくると思う、そういう点に対してはどういう対策をお考えになっておりますか。
  135. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) それはあり得ることだと思いますが、今の状況では日本としては台湾からぜひとも入れにゃならぬものもあまりないようであります。たとえば砂糖のごときでも、むしろ日本が台湾に対して少しフエブァラブルに買ってやるというくらいに、むろん日本から輸出をしたいからその代替物の砂糖を入れるという意味もございますが、まあ砂糖のごとき、入れなければ、もし入れなければキューバから入れるということでも済むのでございますから、相当台湾とのそういう点の交渉の武器は持っている、こう考えております。
  136. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると砂糖は、必需品である砂糖にさえもそれだけ強い何ができるならば、バナナなんか入れぬ方がいいじゃないですか。日本バナナ食わなければ死ぬ人間ありゃせぬし、先ほどから言われたように特定の人の食うバナナをこんな国会でやいやと言うようなことじゃなくて、砂糖でさえもキューバから入れるぞというような考え方ならば、台湾からバナナをしゃにむに買わんでもいいじゃないですか。バナナなんかやめたらどうですか。
  137. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これはまあ極論ですが、日本人としてはバナナを食わんならぬこともありますまいから、これは台湾との貿易の関係で、実は台湾としてはバナナをぜひ買ってもらいたい、買ってもらいたいといろいろな手を通して割当以上にも買ってもらいたいということをしょっちゅう要求を持ってくるようなわけでありまして、まあ台湾と貿易をする限りにおいては、そう台湾の希望もむげに退けられないものですから、そこで台湾のバナナも入れざるを得ない、こういうようなことになっております。
  138. 阿具根登

    ○阿具根登君 それからほかの問題を一、二御質問申し上げたいと思いますが、次長さんにお答え願いますが、側人的には概略聞いたこともございますが、韓国ノリの問題につきまして非常な不明朗な話も聞いておりますが、その経過を簡単でけっこうですから御説明願います。
  139. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 実は昭和二十七年からの問題だと思いましたけれども、当時ある会社——はっきり申し上げると東和商事という会社でございますが、韓国に対しまして小麦粉を六百トンばかり輸出した。その見返りに韓国の物資輸入するということだった。ところがいろいろやっております間に二万八千ドルばかりをどうしても向うから取りそこなったというのが去年残っておったわけでございます。そこで二万八千ドルのものを金ではとても取れないので、物でもっていきたい。それで物で持ってくるといっても韓国から適当なものがないので、ノリで持ってきたいという話があったわけでございます。御承知のようにノリにつきましては、これは年間に一億枚という最高限度を設けまして、そうして最高限度を限って輸入するということをやっております。そこでわれわれの力といたしましては、一億枚の外数という格好で特別の割当をすることは、これはできない。ただ一億枚の範囲内で割当を受けたという方から、かりに百万枚の権利を譲ってもらうというのならば、その割当を受けた人の名前で入ってきたノリというものに金を送らないということで、結局無為替の輸入をさせよう、それは全体の方針にも相反しないのじゃないかということで、一応それを無為替の輸入を許可したのでございます。たまたまノリの生産期が十一月から三月までということになったのでございますが、昨年一億枚の割当をいたしましたところが、八月に対日経済断交という暴挙が瀞国政府によってなされたということのために、夏場に入る予定のノリが全然入らなかった。やっと十月になって再開されたわけでございますが、とやこうしているうちに生産期たる十一月になった。そこでわれわれといたしましては、十一月以降は国内のノリの生産業者に非常なる迷惑を及ぼすということで、輸入しないということを前国会におきまして衆参両院にお約束しております関係もありましたので、十一月二日に、今後もう絶対に来年の三月まではノリの通関はしないのだということの通達を税関あてに出したわけでございます。それで一般のノリは十一月の十日ごろに入ってくるのが相当あるわけでございますが、そのノリは全部税関でストップする。これに対しまして韓国側から、船に積み出して入ってきたというものを、幾ら生産期であるとはいえ、とめるのははなはだ暴挙である、通関させろということを再三いって参りました。通産省といたしましては、国内のノリの生産業者に影響を来たさないという建前でとめたのでございますが、どうしても韓国の方で通関を希望する——通関希望ということは結局金を払ってくれということでございます。で、通関させて同時に韓国向けの送金ということをそれほど希望するならば、通関だけは認めましょう。ただしそのノリを国内で売られたのでは、国内のノリと競合するので困る。それは全部保税倉庫へ——営業倉庫でもけっこうですが、入れて、そうしてそこの倉荷証券というものを銀行に寄託する。政府が指示するまでは布巾にノリが一枚も流れないという措置をとられるならば、これは韓国側の希望を入れて、とにかく通関だけはさしても差しつかえない。国会の方に前に生産期中に輸入しないとお約束したのは、生産業者に支障を来たすようなことで国内に流通をさせないというそういう趣旨でお約束した。そういうことであれば、四月になればこれは必ず通関して入ってくるのだ。税関の向う側に置いても、あるいは国内に置いてこれは四月まで出せないということをしても、韓国においては全部材料として織り込まれるので経済的には変りがないということで、韓国側に対しても、もし通関さしたあとでも倉荷証券を全部預けるならばこれは通関さしてもよろしいということをいってやったわけでございます。しかしノリは御承知のように、いよいよ通関のときに最初の値ぎめをする。それまでは値がさまらないという特殊な商品でありますために、来年の瀞まで売れないものを半年も前に値段をきめるわけにはいかない。値段をきめる以上は売るということで通関をする、値段は割るけれどもということを向うも申しますので、それでは国内に流すことは税関として認められないから、来年の春まで待って、来年の春にゆっくり値ぎめをしましょうということで、三千二百万枚というノリは現在神戸の税関の中に眠っているということでございます。  たまたま東和商事の件につきましては、これは先ほど申し上げましたように、債権回収ということで、金を送る必要はない。そのことのために値ぎめとかいう必要がないので、金を送らない。値ぎめの必要がないということであれば、あとは国内に入れて、それを絶対に流さないという保証というものがあるならば、これは一応業者間にいろいろ金融関係その他の事情もあるということもございましょうし、あるいは韓国という国が非常に政情不安というようなことから、債務者等の地位も不安で、とにかく国内通貨にしておきたい。それで向うがだめだといって債権もとれないということになるかもしれない。日本側としましては、とにかく対外債権というのは百パーセント取り立てるというならば結局日本にプラスするという見地から、できるだけ早く取り立てるべきじゃないかというようなことと、それから市内に流さないという確約があるならば入れてもいいのじゃないかということで、通関後直ちに倉庫証券を預けるという条件で、必ずそれに違反しませんという誓約書というようなものを信用して一応通関を許したわけでございます。  ところが結果におきまして、倉庫証券その他があとからきたのでございますが、中身がすり変っておったというようなことで、そのノリの一部は通関の日に問屋元に売られてしまったというような事件が発覚いたしまして、これは衆議院におきましてもいろいろと問題になりましたし、われわれ役所といたしましても、絶対に生産者には迷惑をかけないという確信のもとにやったという、役所としての一応できるだけの行政の限度の行為というようなものが百パーセント踏みにじられたといったようなことにもなりましたので、これは不明という点、はなはだこれは不明を恥じざるを得ないのでございますが、今後はこういうことのないようにということで、前轍の戒めといたしまして今後こういう特殊な措置というようなことについては、より慎重に臨むというふうにしたいと思っておりますと同時に、この問題につきましても、役所に対しましてうそを言い、関係業界に損失を及ぼしたというような意につきまして、厳重なる処分というようなことをすべきじゃないかということで、ただいま事務的にも話しを進めております。近くその結論が出ると、そういうふうに考えております。
  140. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、倉庫にあるべき三千二百万枚のノリが、売るべき時期でない時期に市中に流されたのはこのうちのどのくらいですか。
  141. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 三千二百万枚はこれは全部あるわけでございます。それで流されたと申しますのは、これは東和商事に対しまして四回にわたって日本にきたのでございますが、十二月の二十三日に神戸に入りました百八十一箱の分と、それから二、三日おくれて門司に入りました七十七箱ですか、その分の一部と合計いたしまして二百二十万枚ばかりが市中に流されたということでございます。
  142. 阿具根登

    ○阿具根登君 その東和商事が一札入れておりながら、そういうことをやったということに対して、それが判明して政府として処分も考えられているようでありますが、こういうことは事の起ったときに厳重な処分をしておかなければ、私はまたこういうことがあり得るのじゃないか、かように思うのですが、どういうことを考えておられるか、もうそういう許可を二皮とやらせない、何かそういうようなことを考えておられるかどうか、お知らせ願います。
  143. 板垣修

    政府委員板垣修君) 通産省に対しまする念書違反の行為に対しまして、私どもとしましては厳重な処分をするつもりでございます。内容につきましては、まだ最後の決裁を得ておりませんし、公開の席上で一商社に対する処分を具体的に申し上げることは差し控えたいと存じますが、方向といたしましては、外貨割当の停止という方向で参りたいと思います。
  144. 阿具根登

    ○阿具根登君 わかりました。それから今特定物資輸入臨時措置法案を審議しているようでございますが、このノリ等はこれに該当しないのか。
  145. 板垣修

    政府委員板垣修君) さしあたりこの特定物資にノリを入れておりませんでした、これは御承知のように、ノリの輸入につきましては、まあ常に意見が分れ、ことに国内生産業者の反対も強くて、毎年毎年ノリを入れ得るかどうか自体が今まで問題となりまして、きまっておりませんでしたので、一応予定していなかったのでございますが、最近私どもいろいろと検討いたしまして、少くとも本年度はある程度は入れるということになりました。そうなりますれば、これも相当の利潤の出る物資でございますので、この特定物資に指定する方向で考えたいと考えております。
  146. 阿具根登

    ○阿具根登君 特定物資に指定するということの御言明でございましたが、御発言の中にありましたように、これにも相当な利潤がついてくるものと思います。しかし私はそれ以上に心配いたしますのは、国内のノリ業者に非常に影響を与えるのではないか、国内のノリ業者立場を十分お考えになった上で、輸入する数量その他等もお考え願いたい、そうしませんと、朝鮮では、お聞きしたところでは、三億枚ぐらいのノリができている、もともとこれは日本人が指導したものであって、朝鮮の方々はあまりノリは食べない、そうして安いノリが日本にたくさん入ってくるということになって、ノリ業者が非常に困惑するようなことになるかもしれない。そういうようなことは十分一つ注意してやっていただきたい、かようにお願いいたします。
  147. 海野三朗

    海野三朗君 ちょっと今のに関連いたしまして。ノリは、韓国の方のノリはどれくらい入れることになっているのでありますか。本年度は入れるのですか、入れないのですか。
  148. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 本年度の輸入総量は大体一億枚ということに考えております。このうち先ほど申し上げました、すでに日本に到着しておるものは三千二百万枚でございます、それも全部含めまして。昨年割当を受けてそしてまだ到着していない——われわれが通関をとめましたために入ってこなかったというものもございますので、新しく割り当てますものは大体四千万枚でございます。
  149. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますと、今一枚十円するノリはどれくらい安くなりますか。朝鮮ノリは非常に安い。それでその安いやつを入れる人は相当ぼろいもうけがあります。そのもうけは通産省が吸い取られるお考えであろうと思う。また吸い取ることが必要でありますから。そうしますと、今国内のノリは一枚十円する。あの十円はどうなのですか。どれくらいまで安くなるというお見通しでございますか。あまり安くなっちゃ日本のノリ業者が困りますから、その点はどうなのですか。
  150. 樋詰誠明

    政府委員(樋詰誠明君) 御承知のように、大体国産のノリというものは十五、六億枚あるわけでございます。これに対しまして今回入れるときめましたのが、昨年に到着しておるものを合せて一億枚、そこで十五、六億枚というのがかりに年に平均して消費されますと、月に一億二、三千万枚ということでございますが、今ここでノリを入れまして大体九月の末までに入れおおせたい。そうしますと、大体四ヵ月くらいの間に入れたい、こう考えておるわけであります。六、七、八、九と、この四ヵ月くらいの間に入れる。そうすると一億枚が四ヵ月に平均して入って来ると二千五百万枚ずつということになるわけでございまして、夏の間は平均の消費よりも二千五百万枚程度ふえる。現在一億二、三千万枚くらいが一億五千万枚くらいまで上るということになりはしないか、こういうことに一応計数的には出てくるわけでございますが、しかし果して一億二、三千万枚という平均に対してここで一億四、五千万枚になるということが価格にどの程度の影響を来たすかということはまだ十分なる算定ができておらないのでございまして、どの程度まで下るかということは、これは同時に特定物資に指定します場合にも政府としてどのくらいの差益を取るかということに非常に密接な関係がございますので、農林省水産庁あたりとも十分相談した上で、業界の意見を聞いてきめたいと思っておりおりますが、実は通産省としてはもう少し入れてもいいじゃないか。これは現在非常にノリが高いというのは需給関係で足らないということでありますので、もう少し数量を入れるということでなければ、一億枚くらい入れても焼け石に水ということになりはしないか。いずれにいたしましても計数的にもう少し整備したい。  で、生産者に対する影響でございますが、これは御存じのように十一月から三月までがノリの生産期でございまして、大体その期間にほとんど九制以上のものが生産者の手を離れて流通段階に入っております。従いまして非常に高いというのは、問屋さん以後の段階がむしろもうけているということにもなりますので、通産省といたしましては、生産者の生産が済んで、そうして次の生産期までまだしばらく時間があるという夏場には、相当数量入れても直接的な影響はそうないのじゃないかということから、もう少し入れたいということでいろいろ折衝をしてきたわけでございますが、非常にノリにつきましては、末端の生産漁民が零細だというので、金融力の点その他で非常に問屋に対して不利な条件にあるというようなことから、実際には数量的には大した実効がない数量でも、それを宣伝の具に供されて、朝鮮ノリが入るのだからというので買いたたかれるというようなことになってもまずいのじゃないかということで、生産官庁とも相談しまして一億がいいということで今年は話をつけたという関係でございまして、生産者に対してはさしあたり影響はないのじゃないか、そういうふうに考えております。
  151. 海野三朗

    海野三朗君 そこで時価にどのくらい響いてくるかということをやはり換算なさって、この輸入の方を制限されるお考えであろうと思いますが、やはりそうなんでありますか。時価の暴落のしないように、つまりノリを作る者が困らない程度の、その面も見計らわれてノリの輸入をやっていこうというお考えでありますか。
  152. 板垣修

    政府委員板垣修君) ノリの輸入につきましては、先ほど申し上げましたように、非常に生産者との関係が問題でありますので、私どもといたしましては、この生産業者の方を入れました需給調整協議会を作っておりまして、そこで数量をまずきめるということになっておりまして、今年度の輸入量につきましても生産者側と十分に協議をいたしまして、大体一億枚ぐらいならよかろうということになりましたので、具体的に一億枚入れたら今年度のノリがどのくらい下るかという点は私どもはまだ資料を持ちませんが、生産者自体が一応一億枚ぐらいならよかろうというおそらく認定をしたと思いますが、その点につきましては私ども大体心配はいたしておりません。
  153. 海野三朗

    海野三朗君 それをよく見計らいつつこれから輸入の方を許可していこうというお考えでありますかどうか。つまり、ノリ生産業者にあまり響かないように、それを見計らいつつ輸入の制限をし、あるいはまたこれをもっとよけい入れるということをしていきなさるのでしょう。
  154. 板垣修

    政府委員板垣修君) その通りでございます。
  155. 海野三朗

    海野三朗君 この特定物資に指定する物はもっとほかにたくさんあるだろうと思うのですが、これは順次これを広げていかれるお考えでありますか。
  156. 板垣修

    政府委員板垣修君) 特定物資に今回予定しております四品目に類似のもので、輸入しているものが相当あるわけでございますが、昨日もお答え申し上げました通り、通商協定との関係とか、あるいは現に施行しております輸入制度関係というところで現在考えられるのは四品目でございますが、さらにノリが加わりますれば五品目になります。しかし今後なおそういうような品物が出て参りますれば漸次拡大はいたすつもりであります。
  157. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 他に御発言もなければ質疑は尽きたいものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  158. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 暫時休憩いたします。    午後四時十九分休憩    ————・————    午後四時三十七分開会
  159. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  160. 高橋衛

    高橋衛君 私は自由民主党を代表しまして、この特定物資輸入臨時措置法に対して賛成をするものであります。ただこの法律の適用に関しまして、この際私は本委員会の決議として付帯決議を動議として提案いたしたいと思います。付帯決議の案を朗読いたします。  趣旨説明をいたします。本法案は第一条に規定いたしておりますように、輸入が制限されるために本邦における需給の不均衡が大きくなり、その輸入により通常生ずる利益をこえて異常な利益を生ずる、そういうふうな物資につきまして、その不当な利益を政府に吸収して、これを輸出振興その他の産業の振興のために活用していきたいというのがこの法案の目的でございますが、政府の答弁によりますると、さしあたりこの法案を適用する物資として政令で指定しようとしておられるものは、バナナ、パイナップルカン詰、すじこ、時計の四品目のように承わっておるのでありますが、その他にもこれに該当するものが相当あり得ると私どもは考えるのであります。もっとも通商協定等の関係上、この法律の適用を受けることが妥当でないというものもあり得ると存じまするけれども、それらのこの本法を適用することが妥当であると認められる物資につきましては、ここにそれの是非を基準なしに決定するということじゃなしに、この第一条の趣旨をもう少し詳しく政令でもって具体的に一基準を設けられて、その基準に該当するものは、たとえば金額が少くても必ずこれを適用するというふうにすることが、この法案の趣旨から申しまして最も、妥当であると、かように考えておるのであります。  なお通商協定との関係上この法律は適用できないというものにつきましても、その利益を一部のものに壟断させるということではなしに、やはりこれをできるだけ国家目的に活用せしめるとか、その他これが一般に均称する方途を講ずることがぜひ必要であると、かような御点からこの付帯決議の動議を提案する次第でございます。  自後の点につきましては大体質疑応答を通じて十分論議されたものでございますので討論を省略いたします。
  161. 河野謙三

    河野謙三君 私も政府原案並びに今高橋委員から出されました付帯決議に賛成するものであります。ただ私は特定物資というものはどういう定義から出ているか政府にはおのずと見解があると思いますけれども、私の見解をもってすれば輸入物資全部が即特定物資だと言えると思うのであります。不当な利益を得ているものが特定物資であるならば輸入物資——外貨割当物資というものは全部これは特定の利益を得ていると私は思います。その全部特定物資である中からさらにこの四つを特定物資として指定されたことにつきましては、私は理解がいかないのであります。少くともこの法案によりましてとりあえず指定されます四物資以外の物資につきましては今付帯決議にもありましたような趣旨によりまして政府が一定の基準を設けて順次物資を指定いたしまして、追加いたしまして、そうしてこの不当な利潤につきましては政府が超過利潤を吸収するという措置をとっていただきたいと思います。  特に私が大臣に御考慮願いたいことは、大きな物資、国民の生活に重大な影響のある砂糖であるとか、油であるとか、大豆とかにつきましては一刻もゆるがせにすることなく適当な措置をとっていただこくとを強く要望いたしまして私は本法案に賛成いたします。
  162. 海野三朗

    海野三朗君 私は一木社会党を代表して本法案にいろいろな要求をここに述べて本案に賛成の意を表したいと思います。  この「バナナ輸入方式に関連する取引について」というような河野農林大臣からの東京都知事あての書面を発して、そうして在来実績のなかったものに特権を与えるような組織を作ってきた。そういうことが営業の秩序を乱し、市場の販売秩序を乱しておるのであります。これは巷間伝うるところによるとこういうものを出さないでもここに打つ手があったはずである。それを特にこの中間加工業者にこの特権を与えんがために通達を出し都条例を改めて、そうしてこの全バ連入札参加の道を開いた、ここに非常な疑義がはさまれておるのであります。初めに河野農林大臣に対しては馬のことが問題になり、次いではバナナのことについて次々とこういうふうな疑念がかけられるようなあり方をやっておるということは私ははなはだ遺憾に思うものであります。その根源はどこにあるかと申しますと、ただいま申しましたような通産省当局としては一定の信念がない。行きあたりばったり、出たとこ勝負でばかりおるからこういうふうになるのだと、かように思うのであります。そこでこの入札をするというようなことは低物価政策を建前としておる政府においてはとるべきことではないと私は思う。在来の実績を見、あるいはその事情を勘案して与えるようにしなければならない、こういうふうに思うのです。ことに入札によって需給秩序を乱しその販売秩序を乱して混乱に陥れた、こういうふうなことは今後絶対にあってはならないと私は考えるのであります。私はこの点を強く政府に要望いたしましてただいま付帯決議をされたことにも賛成の意を表し、そうしてこの入札制度に対しては今度断然こういうことをやってはならないというふうに思いまするので、この条件を付して私はこの法案に賛成の意を表するものであります。
  163. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 他に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  164. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  特定物資輸入臨時措置法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  165. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に討論中に述べられました高橋衛君提出の付帯決議案を議題といたします。  高橋衛君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  166. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 全会一致でございす。よって高橋衛君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお本会議における口頭報告の内容、議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  167. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますから、本案を可とされた方は順序御署名を願います。   多数意見者署名     西川彌平治  白川 一雄     阿具根 登  河野 謙三     笹森 順造  高橋  衛     苫米地義三  深水 六郎     齋藤  昇  海野 三朗     上條 愛一  加藤 正人   —————————————
  168. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっと速記をやめて下さい。   〔速記中止〕
  169. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記を始めて。
  170. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 特定物資輸入臨時措置法案につきましては、当委員会において熱烈なる御審議の結果、可決を願いましてありがとうございました。なお付帯決議その他御意見については十分当局としてこれを尊重いたしまして善処いたすつもりでございますから、それを申し上げておきます。ありがとうございました。
  171. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  172. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記を始めて。  次に、繊維工業設備臨時措置法案についてお諮りいたします。本案について本日大蔵委員会から連合審査の申し入れがございました。本案について大蔵委員会と連合審査会を開会することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  173. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。なお、連合審査会の開会日時等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  174. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後四時五十三分散会