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1956-05-17 第24回国会 参議院 商工委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月十七日(木曜日)    午後一時五十三分開会     —————————————   委員異動 本日委員上林忠次君辞任につき、その 補欠として山川良一君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三輪 貞治君    理事            白川 一雄君            阿具根 登君            河野 謙三君    委員            古池 信三君            高橋  衛君            苫米地義三君            中川 以良君            深水 六郎君            海野 三朗君            小松 正雄君            山川 良一君   国務大臣    通商産業大臣  石橋 湛山君   政府委員    通商産業政務次    官       川野 芳滿君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    通商産業省企業    局長      徳永 久次君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君   説明員    建設省河川局次    長       美馬 郁夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○工業用水法案内閣提出、衆議院送  付)     —————————————
  2. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ただいまより本日の委員会を開会いたします。  まず委員異動について申し上げます。本日上林忠次君が辞任され、その補欠として山川良一君が指名されました。  以上御報告いたします。  なお前回委員会散会後、委員長理事打合会をいたしましたので、その御報告をいたしておきます。前回委員会散会後、非公式の委員長及び理事打合会を開きまして、今後の法案審議予定について協議いたしましたところ、今週は工業用水法案、来週は特定物資輸入臨時措置法案電源開発促進法一部改正法案、来々週は繊維工業設備臨時措置法案について、おのおの委員会の結論を出す目標審議を進めることになりました。委員長はこの申し合せの線に沿って委員会を連帯して参りたいと存じますので、この際特に委員各位の御協力をお願いする次第であります。
  3. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 次に工業用水法案議題といたします。本法案について質疑のある方は順次御発言をお願います。
  4. 海野三朗

    海野三朗君 この工場用水法案を大体拝見いたしますと、つまり政府お金を出してやる、そしてこの工場用水を助けていこうというこうとになっておると思うのですが、そのお金は一億八千万円ほどであると聞いて折るのですが、それだけで将来とも事足りるのですか。今はちょっと序の口に試験的に出していくのですか。
  5. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) 当省の計画といたしましては、実はもう少し個所も多くいたしまして実行いたしたいと考えまして、予算的交渉も申し上げたのでありまするが、国家財政都合によりまして一億八千万円と、こういうことになりましたので、今回は四カ所をやりたいと、こういうことで計画いたしておる次第であります。
  6. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっとこの際申し上げておきます。本日の政府側の御出席は、政務次官並びに企業局長官房長及び説明員として建設省から河川局次長が見えておりますが、河川局次長は、ただいま建設局長会議が開かれておりまして、二時三十分ごろより河川局関係議題に入る予定だそうでありますから、その方に御質問ある方は先に一つそれをお願いいたしたいと思います。
  7. 海野三朗

    海野三朗君 そしてあと、その他のお金はどうしなさるお考えですか、一億八千万円ではどんな工事をさせるおつもりですか、その他のお金はどうなっておるのでありますか。
  8. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 一億八千万円を補助金といたしまして、各地の事業費の四分の一の補助ということにいたしております。それで残りは四分の三ということになるわけでございますが、そのおおむね半分は工事施行者でございます府県なり、市町村の長期債ということで、安い金といいますか、預金部資金引き受けで、低利の長期のものをお世話したいというふうに考えております。残りの四分の三の半分以上、おおむね三分の一ぐらいになりますが、それにつきましては公募債ではございますが、工業用水道が布設されることによりまして、それを利用いたします事業者公募債を引き受けてもらうというふうに考えております。これは地元とも、それぞれ工事施行予定のところにつきましては、おおむね受益者といいますか、事業者側とも了解がついております。それから長期債をつけます点につきましては、目下大蔵省なり、地方自治庁なり、その他と、政府部内で目下相談中でございますが、私ども予定通り順調に取り運び得るものと考えておる次第であります。
  9. 海野三朗

    海野三朗君 今まで政府補助をするというような場合は、道路にしても、いろいろな事業についてもあったのですが、そのたびごとに、地方ではもらう金を当てにしておって、その地方の支出するお金予定通りいっておる場合は少い、結局するところ、この四分の一程度では、地方赤字財政もととなりゃしないか、もう少し私は補助を出してやらなければならぬ、こういうふうに思うのですが、四分の一というような非常に少いように私は思うのですが、どうなんです。
  10. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 国家補助の額が多ければ多いほど建設が安くでき上っていくということになる、それによりまして水道料金も安くなるということは確かでございますが、ただ財政都合もございまするし、私ども受益者としましてがまんし得る程度値段で供組し得るという目標は踏みはずさないよりにしなければならぬということをいろんなそろばんを実ははじいてみました。先ほど申しました四分の一補助、それから一部長起債、一部受益者引き受けというような形でいろいろ計算いたしてみまして、水道料金トン当り三円五十銭、高くても四円というようなところでできそうでございます。そういたしますると、今上水道値段みたいに十円とかいうようなことになりますれば、これはまあ工業用の水はそんな高い水ではどうにもならない。工業用の水といたしまして、現実事業者地下水をポンプによりまして井戸からくみ上げております料金が二円何がしというようなことからみますると、高くては産業それ自身の基礎を脅かすことになりますから、いろいろ事業者とも相談してみましたところ、三円五十銭かそこら見当であればがまんし得るのではないかというようなことで、ございまするので、その線になる、ごとくいたしました。それにつきましては、十分の見通しは持っておりますが、いかにも四分の一補助じゃまだ足りぬのじゃないかという感じをお持ちになるかもしれませんが、これでいろんな計数をはじいてみまして、十分適正料金で供給を確保し得るという見通しをつけまして、さような補助率をきめました次第でございます。
  11. 海野三朗

    海野三朗君 これに政府お金を出してくれるというようなのは非常にいいことでありますが、同時に、生産工場コストが高くなってくるという、そういう懸念はありませんか。生産コストが高くなってくる、つまり工業用水、この水道をこうやった、ああやったということのために生産コストが高くなってくるというおそれはないのでしょうか。それは響かない程度でありますか。どうなんです。
  12. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 事業者工業用水として利用しております水というのは、いろんな種類、水の種類としてもいろんなものがございます。その利用しておりまするものをコスト的に見ました場合、いろんなものがありますわけでありますが、大した量でない、生産工程上、生産技術上大して使わないよう産業ございますれば、上水道のような高い水を使ってやっておるものも一部ございます。しかし、おおむね大量に使いまする事業者でありますれば、そういう高い水を使っては工業が成り立ちませんので、現実に使っていない、それで水の安い場所を求めておるという事情でございます。今、工業用水道を新たに国家補助によって設置しようといたしておりますような場所についてみますと、尼崎等考えますれば、地盤も沈下しておる、排水が混入しておるといいますか、というようなことで現在水質も必ずしもよろしくない面も相当ありまして、工業用水が三円五十銭くらいで手に入ればけっこうだというような事情でございまして、現実井戸コストから見ますと、二円か三円くらいで手に入っておるわけであります。わずかながら値段が上っておるということでございまするが、今お話のように、それが工業生産にとりまして致命的でありますとか、コストが高くなって消化ができなくなるというおそれがない、十分事業者としてがまんし得る、むしろ歓迎する値段であるというふうに私、見ております。
  13. 海野三朗

    海野三朗君 これは大丈夫だというふうにお考えになって、そうして四分の一という割合をおきめになったのですか。
  14. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 国家補助につきましては、四分の一で十分であるというふうに考える次第でございます。
  15. 海野三朗

    海野三朗君 その四分の一というのは、つまり受益者が負担するところのものが、生産コストをそう目立って上げなくともやってゆけるという見通しもとにこの四分の一の見当をおつけになったのかというのです。
  16. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) お話通りでございます。
  17. 海野三朗

    海野三朗君 それから建設省関係することについて伺いたいのですが、これはどこまでが建設省扱いで、どこまでが通産省扱いになりますか。
  18. 美馬郁夫

    説明員美馬郁夫君) 具体的にどこまでと申しますと、御質問の趣旨がよくわかりませんが、たとえばどういうような問題についてでございますか。
  19. 海野三朗

    海野三朗君 この法案通りますれば、つまり工事が始まるわけでございましょう、そうすると、その工事をするまでが建設省の側であるかどうかというのです。その範囲ですね。建設省関係する範囲通産省関係する範囲、その両方を私は伺っているのです。
  20. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 私の方から便宜お答えさしていただきたいと思います。工業用水道設置につきまして私の方の通産省建設省と共管で仕事をいたすことになっております。両方役所設置法趣旨から考えてみますれば、形式的に分けますれば、各事業体——県なり市なりが考えております工事内容といいますか、工事計画といいますか、土木技術といいますかというような面から適当にできているか、できていないかということを審査してもらう、それを審査してもらったあとにおいての仕上げ、工事施行そのものを十分監督していただくということになる。通産省の方はどこの工業用水道設置補助金対象として取り上げるかとか、それから水道料金をどう考えるかとかというふうのことを見て行くというようなことになろうかと思うのであります。しかしこれはお互い役所でございますので、申請者側にあっちも行かなければならぬ、こっちも行かなければならぬというような不便、御迷惑をおかけしないように考えようじゃないかという、一とで、実は私ども通産省建設省の間で担当同士共同委員会といいますかを設けておきまして、そこで地元からのいろいろなお話共同でヒヤリングを、お話をいたしましょう。申請書を受理してそれの説明を聞き、それからいろいろな意見を言うというようなことも共同でやろうじゃありませんかということに実はいたしております。むずかしく考えないで実際運用を仲よくやって、そして実際の申請者に不必要な御迷惑をおかけしないようにということでやりたいと思いまして、そういう話し合い両省の間で進める、そういう話し合いもと一に事務を運営したいというふうに考えております。
  21. 海野三朗

    海野三朗君 そういう点については建設省側意見が相違することがありませんか。
  22. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 今のような申し上げましたようなことで両方でやろうじゃありませんかということで、両省の間には十分の了解ができております。
  23. 美馬郁夫

    説明員美馬郁夫君) ただいまの取扱いにつきまして私どもの方も通産当局とよく相談いたしまして、不便なことのないような処置をとりたいと思っております。
  24. 白川一雄

    白川一雄君 第三条の三項に書いてありますような理由で急に非常処置としてこの法律を実施しなければならないという事情になったと、こう観察するのでございますが、この法律は非常に制限することばかりを目的にした法律で、実際に産業を今後助長していこうという場合にこの法律だけでは産業をむしろ制約していかなければいかぬという結果が生ずるではないか・そういう点から考えると、この法律と並行して特に今回指定されておるような措置に対しては、豊富に水を供給してやるという線の施策がないと、産業の増進ということがはかれないのじゃないかというように考えるのでございますが、この法律と並行して何か積極的な水を解決するような施策というものが計画されておるのかどうか、その点をお尋ねしたいと思います。
  25. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) お話のように第三条の二項をちょっとごらんいただきますと、今のようなお感じをお持ちになろうかと思うのでございますが、これは実は提案理由で御説明を申し上げておりますように、問題は逆にお考えいただきたいわけでございます。と申しまするのは、すでに国会の御了承を得ました予算の中におきまして、工業用水道設置助成ということをいたしております。そういたしまして、その設置助成を本年度いたしておりまする三カ地点尼崎四日市川崎という三カ地点につきましてはすでに水がなくて困っております場所でございます。それから地下水過度にくみ上げまして事業者側も困っておりますような場所でございます。そういうところに新たに工業用水道を設けまして事業費が困らない、あるいはさらにその次の発展ができるような水を供給することをやりまして、そういう水のできておる場所におきましては現在くみ上げ過度になりまして地盤が沈下したり、その結果といたしまして事業者側も迷惑している、機械を据え付けております地盤ががたがたになるというような苦痛を感じ、あるいは無制限に新規に井戸を掘られますために自分のところの井戸のくみ上げの量が影響を受けて事業が円滑に運営できないというような、苦痛しておりまするような事情にございますので、水道ができたんだからもう新たに井戸を掘るのは地下状況からみて差しつかえない程度にとどめて下さい、それで水道ができたんですから今までくみ過きておってくみ上げ過度になっておったがために困っておったようなところは、新たにできた水道の方と切りかえて下さいという法律でございまして、補助金が先で、補助金によりまして水道のできる場所にしかこの法律は適用しないというふうに実は作りましたつもりでございます。この三条の二項に書いておりまする、法律条文の書き方ですからわかりにくいのでございますけれども、書いておりまする意味は、そういう地盤沈下の隔ったりいろいろな弊害の起っているような場所であり、かつその地域工業水道がすでにできたり、または一年以内に布設の工事が開始される見込みのある場所しかこの法律制限地域にはしませんよというふうに実は書いたつもりでございます。勝手にそういう対策のないところを制限するということは禁止するように実はこの法律はそういうつもりで作っております。むしろ予算措置によって事業者はむちゃくちゃに制限されるということじゃ困りますけれども予算措置代替水ができるようになったから否んで制限についていくといいますか、というような場所だけについて制限しようというようなつもりであります。法律もそういうふうに作り上げたつもりであります。
  26. 白川一雄

    白川一雄君 おっしゃることはわかるのでございますが、三地区というのは、特に工業が非常に集まっているという関係であり、今後産業が拡大して来ますればその地域外工場を持っていけばいいようなものの、すでに投資されている企業というものは膨大なもので、これに関連産業というものがやはりふえなければいけないという事情にあるのに、この地区に特に制限するのは現況から考えたらその必要はあろうと思いますけれども、やはり他のソースから水の供給できる線が出てこないと、その三地域産業というものは今後拡大するということができないのじゃないか。ただ工場の敷地として不適当であるというのでほかに持って行けばいいようなものの、現在既存の設備というものが膨大なので、おそらくこれの関連で、果して他に持っていくということは産業という建前から考えたら非常に不合理な結果を生じて来やせんか。そういう意味から、この法律はもちろんけっこうなんですが、同時に当局としては工業用水を豊富に供給するところの計画というものが、今後非常に緊要なのではないだろうかという点を、この法律を見ておる途中で感ずるのでお尋ねしたわけでございます。  それからまた指定されただけ制限するとしましても、地下水が、私専門的な知識はありませんが、地下一つのタンクのような性質になっておるものとすれば、地域外のところでどんどん井戸を掘れば、やはりその地域に非常に影響するのじゃないかということになると、地域外のものもある程度御制約がないとそういう結果が生じてくるのじゃないかという心配があるのですが、その点いかがですか。
  27. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 最初の点でございますが、最初の点は先ほど申したことを補足申し上げますると、私どもも今先生がおっしゃる通り考えております。たとえば川崎にしろ、四日市にしろ、今後の発展のためには水がなければ何にもならないのだ、水を確保するようなことをしましよう、またそれをやることが大事だというふうに考えております。ただし、それは新しい水を供給するように工業用水道設置し助成してやりますが、それは全部が今後のその地域工業発展のための水ではありません。将来の発展の分も含めておりますが、同時に現在くみ上げ過度になっておるものの置きかえ用の水も含んでおりますというようなつもりでおるわけであります。置きかえ用命及び今後の発展川分を考えまして、工業用水道を布設し、それを設置助成することによりまして、その地域経済発展が今後できるようにということを頭に置いて、実は水道工事という方は助成いたしたいというふうに考えております。  それから第二の点でございまするが、お話のように、地下水はある程度相関関係を持っております。離れました場所でのくみ上げが、ある場所影響を与えるという性質は持っておりまするが、しかし、その状況といいますものは、地盤状況、それから地下水の水脈といいますか、の状況によって、それぞれ所により一構を異にいたしております。その点につきましては、私の方の地質調査所でこの辺の相当調査もいたしておりまするが、その調査データに基きまして、この法律目的といたしまするくみ上げ制限をする場所としては、地下状況にかんがみ、どことどこをどういう線の引き方をすればいいかというふうに定めるつもりでありまして、それは四角とか三角とか単純にはなりませんで、非常に地質状況に応じましてややこしい線の引き方になろうかと考えるわけであります。法の目的に合うごとく線は引くつもりであります。十分実際に即し、必要限度は充足しますが、必要限度以上にわたらないように、地下状況に応じましてやるというふうに考えております。
  28. 河野謙三

    河野謙三君 この機会にちょっと聞いておきたいのですが、直接工業用水の問題じゃありませんが、最近江東地帯天然ガス事業が盛んに、盛んというほどじゃないが、やっておりますね。ああいうものがやはり地下埋没現象を起すと思うのですよ。こういうものについては将来何か考慮を払っておられますか。まあとりあえずこの法の対象になっておる四日市川崎尼崎というところではそういう問題は起っておりませんが、現に東京の江東地帯にはそういう問題が起りつつありますね。こういう問題について、将来に備えて何かお考えになっておりますか。
  29. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) お話のように、天然ガスをくみ上げますると、同時に地下塩水といいますか、ある種のおおむね塩水が多いのでありますが、出て参る現象が起って参ります。それがある程度地表に、ちょうど工業用井戸を掘りまして水をくみ上げますと地表影響を及ぼすと似たような現象を起すことは、お話通りであります。ただし、天然ガスになりますると、その全体の量からみますると、それほど大きな量にならないということが一つ、それからいま一つは、これは天然ガスといいますものは、やはり地下資源の大事なものでございますから、これはここがだめならそこへ行けばどこでもあるというわけでもございませんので、若干の、影響が絶無ではないからといって、地下資源を捨ててしまうということにも参りかねるというような事情もございますので、鉱物採取に伴いまする地下の水をくみ上げるということを制限するというようなことを考えることは、適当ではないのじゃないかというふうに私ども考えております。
  30. 河野謙三

    河野謙三君 私が伺っておるのは、地価資源を大いに活用することでありますから、これは大いに奨励しなければいかぬと思いますが、その副産物として、この工業用水において起ったような地下埋没というような、もし現象が起ってきたときに、またこの地区住民が非常に騒いだというようなときに備えて、何かお考えになっておりますかどうですか、こういうわけです。これはすでに天然ガスの問題はもう一つの大きな鉱区を権利者がとっておるんでしょう。そうしてどんどんやりますね。その結果。その地区住民なり工場悪影響があったというときに、今はないかもしれませんけれども、私はそういうこともあり得ると思います。そういう場合について、何かこの工業用水に対する備えと同じような、何か将来お考えになっておることがありますか、どうですかということを今伺っておるのです。
  31. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 先ほど申しましたように、私ども鉱物採取代替資源のない、また有限な資源というものの採掘というものを尊重することでありますから、国の経済のやはりもとになることであります。また、しこうして、それが量的にも地表に及ぼす影響というものもたかが知れておるというようなことから、さような掘ることを抑制するというような措置というものは、適当ではないのじゃないかというふうに考えております。
  32. 河野謙三

    河野謙三君 私は抑制すべきだということを言っておるのじゃないのですよ。これは大いに奨励しろというのです。しかし、それによって、もしその地区に陥没が起ったり、その他いろいろな、その土地の住民なり工場悪影響を及ぼすようなことが起り得ると私は将来考えなければいかぬと思います。そういう場合について、何か政府はその鉱業権を持っておる人たちに、現に何か契約ができておるのか、現にそういう契約はないけれども、将来何か河東を立てなければいかぬだろうと考えておられるのか、そこらを伺いたいというのです。
  33. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 現在鉱業法である程度所有者責任は負わせられております。鉱業をやることによりまして第三者にいろいろ迷惑をかけるとかいうことが、相当因果関係さえはっきりいたしておりますれば、範囲があろうとなかろうと、無過失賠償責任、普通の責任より重い責任鉱業者に実は課しております。その価過失損害賠償責任によりまして、事業者にある種の責任を負わすということは、鉱業法上やるわけでございます。それ以上に、そういう原因が起らないような措置をとる、すなわち鉱業制限するというとは、鉱業法の中にもある程度の規制はございます。どこの場所でも掘っていいということではございません。相当の、たとえば貯水池があるところの近くを掘って、貯水池がだめになるというようなことはしちゃいかぬ、あるいは道路があって、道路が決壊するようなところを掘ってはいかぬ、あるいは川がございまして、川の水が地下へ流れ込んでしまうというようなことはしちゃいかぬ、相当制限が加えられておりますが、そういう鉱業法上の制限以上の制限というものは考えるべきではないのじゃないか、具体的に起りました場合に、鉱業法によりまして相当の予防的制限もしてございまするし、それから悪影響が起りました場合の損害責任も、通常の場合以上に誇張したものが課せられておりますし、それによって律して行くということが適当であるというふうに考えております。
  34. 河野謙三

    河野謙三君 私はきわめて具体的に伺っておるのですが、江東区で現に天然ガスをやっておるでしょう。あの地帯はもう天然ガス事業を始める前から、その他の事情によって、年々陥没しておるのですね。そこで、その天然ガスを始めて、天然ガスを始めたために陥没したのじゃなくても、天然ガスをやったために陥没がまたひどくなったというようなことが私は起り得ると思うのです。他の事情であっても、そういうことに結びつけて問題が起ったときに、どういう解決をするようになっておるかということを附いておる。これは政府が補償するのか、その鉱業権を持っている人が補償するようにちゃんと契約ができておるのか。私はこの江東地区については非常に問題が起ると思うのですよ。自然に陥没があるのです、毎年。その上に……また陥没があるような所だから天然ガスが出るのでしょう。私はよくわからぬけれども。こういう地区について何か政府事業者の間にお約束があるのかどうかということを聞いておるわけです。
  35. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) この鉱業をやりますことによります結果ということが明白であるという場合には、被害者の方か鉱業権者に損害賠償の請求ができる。それは鉱業者が——普通の民法の原則でいきますると、悪意または重大なる過失という要件がついておるわけであります。鉱業の場合にはそういう要件は抜きにして、原因と結果の相関関係さえ明らかであれば事業者責任があるというふうになっております。ただし、先ほど申しましたように、鉱業権を施行し得る場所というのは、鉱業法では公益上の相当制限がしてございます。公益上の相当制限がない場所につきまして、鉱業をやりました場合の結果というのは、鉱業権者の損害賠償の責任になるというふうになっておりますが、それは具体的には被害者と加害者であります鉱業権者との話し合いであり、いわゆる民事訴訟という形で処理するという建前をとっておりますo
  36. 河野謙三

    河野謙三君 くどいようでありますけれども、たとえば江東地区に今天然ガスを掘っておりますね。それは、ある工場のどまん中で掘っているわけです。その工場はそこから出てくるガスを使うから、その工場で他の被害があっても、その工場地内にガスがあるから、そのガスを使うから、それから受ける利得が大きいから、進んで掘って下さい、掘りましようということになった。ところがその周辺の工場はそれによって陥没等がもし起るというようなことになれば、これは迷惑千万なんです。その鉱業権の問題だと思うのですよ。こういう問題はどうかということを伺っているのですが、これは今別には起っておりませんけれども、将来その天然ガスをやっている人の言うように、非常に天然ガスが豊富であって、盛んに江東地帯天然ガス事業が起るとすれば、こういう問題は必ず鉱業法に起ってくると思うのですよ。あらかじめその点を御調査下さいまして、何らか一つ御対策をお立て、になることは決して、むだじゃないと思いますので、申し上げておく次第であります。
  37. 阿具根登

    ○阿具根登君 この工業用水法案につきましては、この前建設委員会の合同委員会において相当突っ込んだ質問もされて、当局説明もできなくて、そうして内閣としての責任者を出せということを言われておったが、それから何か報告があったかどうか。政務次官どうです。
  38. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) もうしばらくたちますと大臣が参りましてその点については政府を代表して御答弁申し上げると、こういうことになっておりますから、いましばらくお待ちを願いたいと思います。
  39. 阿具根登

    ○阿具根登君 この法案では、いわゆる過度の水の使用のために塩水とか、あるいは没落があるとか、こういうことを言われておりまするが、現在は工業用水井戸を掘るのは無制限に許可されておるのかどうか、その点一局長から伺っておきたいと思います。
  40. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 現在は何らの制限的な法律も何もございません。各人が自分の土地の所有権なりあるいは使用権を持っておりますれば、そこに井戸を掘って水をくみ上げることは各人の勝手であるという状態になっております。
  41. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうするとですね、現在まで問題が起きておらないのがおかしいのであって、私ども地方におる場合に、住宅を作つた場合に、その住宅の井戸を掘るためにも農民との間に血の出るような戦いがきれておる。いわゆる農民側から言うならば水の問題では日本始まって、以来親子でも血を流してきておるということが言われておるのにだね、全然問題が起っておらないというのがおかしい。問題が全然起ってなくて業者側が勝手に掘っていいことになっておりますか。
  42. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 問題が起っていないという意味ではないのでございます。たとえば尼崎地帯でございますれば、先ほどもちょっと申し上げましたように工場相互間も困っております。自分のところに井戸を掘りまして、ある仕事に応じましてこの程度の水が要るという見積もりである大きさのパイプの井戸を掘りまして水をくみ上げておる。ところが隣の工場ができて、ところがあまり近いところを掘り返しますために、近いところに掘りますと井戸相互間にやはり水が影響を及ぼしまして、前の工場のくみ上げ量に影響を及ばすというような現象も起っております。そういう事業者間でも困っておりまするのみならず、地帯全体としましてくみ上げ量が多くなり過ぎましてその結果地盤が沈下する。それからここに書いてありますような海水が混入してくるというようなことで水の質が悪くなる。地盤沈下の結果工場の建屋もがたがたになるというようなことも起ってくるし、それからさらに一般的に申し上げまして全体の地盤が沈下しておりまするので、たとえば台風でもあります際の被害といたしまして、地盤が沈下しておるためによけい被害が大きいというような現象を起してくる。今まではそのために尼崎でございますれば数十億の金を投じました防潮堤を作るというようなことをいたしております。そういう現象を呈しておるというのが現状でございます。私どもまあその根本を断つと申しますか、断っために——根本を断つといいましても同時に生産をストップするというような政策というものはおだやかでございませんので、遠いところの川から引いて来ましで、川から工業用水等を引いてやる。そうして事業者がこれを経済的に使えるような値段で供給し得るようなことを講じてやる。そのために国庫補助金をつけるというようなことでやりまして、だからこういう用意もできたんだし、今までくみ上げ過度になっておるものを適当に抑えていく。新規に掘るのは許可制で、ある地域々々で影響のない、一定の間隔のあいたところでないと新規に掘るのは認めませんというような措置を講じようという、この方法でやりますれば国民経済的に見ましても非常に安上りで、野放しにして被害が起って、いろいろな国民全体としてむだな金を使って、あるいは生産が落ちるというような損失を受けておる、それを合理的に予防し、国全体の経済力というものを高めるという政策であるというふうに考えておる次第でございます。
  43. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、次官にお尋ねしますがね。それは通産省の立場からとしてはこれを工業用水と名づけて、そうしてまあ低廉豊富な水と、これは河野先生の話じゃないけれども裸でしりからげるようなものですよ。そんなことはできっこねえんだ、そんなものは。その水というものは大体だれの所管です。通産大臣が勝手に許可されるようになっておるが、通産大臣は何を見て許可しますか。工業用水というものが自然にあるわけじゃない。政務次官どうです。工業応永というのは自然にあるわけじゃない。工業用水というのは、これは通産省がつけた名であって、工業に使う水だからそう言っているのだ。水そのものは工業用水として出ているのじゃない。通産大臣が勝手に許可するなら建設大臣や農林大臣は何をしますか。
  44. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) 水の所管というものにつきましては、現在におきましてはどなたが掘ってもよろしいと、こういうことになっておるそうでありまするが、工業用水の指定区域につきましては、水の問題等も勘案いたしまして建設省通産省とよく提携してする、こういうことで、おのずからそういう水の問題等も大所高所から勘案いたしましてその区域を指定されるものと、かように考えておる次第であります。
  45. 阿具根登

    ○阿具根登君 大臣がお見えになりましたから、今の問題は大臣にお答えしていただきますけれども、私の質問しておりますのは、通産省の側から工業用水と言われることはわかりますけれども、国民全般からみれば、水は、通産省が許可をするとか許可をしないとかという性格のものではない。たとえば、こうするならば、連合委員会のときも言われたように、農業川水法案工業用水法案、飲料用水法案、いろいろな問題が出てくるはずなんです。だから、工業用水法案といって通産大臣のもとにあるというのはおかしいのではないか。ここに工業用水を引きたいという場合には、その主体はその土地にあるものであって、もちろんこれは都道府県の知事や市町村長からはお聞きにはなると思いますけれども、水そのもの自体は、本来これは農業に非常に私は古来ついているものだと思うのです。そうすれば、たとえばこういう許可をする場合に、工業関係の許可を得なければ通産大臣は勝手に許可することはできないということになるでもありましょうし、知事の個からみれば、町全体の飲料用水の問題等も考えなければできない。そうするならば、水という問題の根本対策があって、この中から、この土地においてばこのくらいの水を工業用水にやってよろしい、これは農業用水でなければできない、これは飲料用水だ、というような根本な問題がなければ、こういう一部の法案を作っても、かえってもめるもとになるのじゃないか、こういうことが言えると思うのですが、その点について大臣どういうふうにお考えになっていますか。
  46. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) ごもっともの御意見で、そういう観点から前に国土総合開発審議会なるものが作られまして、この中に水制度部会というものが作られて、いろいろ専門家等が集まって水全体の問題について御審議を願ったのであります。しかし、なかなか水に関する問題というものは複雑多岐でありましてむずかしいものでありますし、また実際専門家が集まってもむずかしいものとみえまして、結局まだ結論を得ておりません。それでただ審議会から一応の中間報告みたいなものを得ただけであります。ところが実情は、農業用水等もむろんでありますが、工業用水の問題が先がつかえてしまいまして、ことにある地区においては、大体地下水を使っておるのですが、この地下水なるものが、伏流水というのは川の水と同じように公共のものとして相当の統制が行われているようですけれども、普通の地下水は、勝手に土地の所有者、または地上権を持っておる者が掘るというようなことで、従って工業用水地下水によっておる所が非常に多うございます。その地下水をただむやみに吸い上げるために、地盤の沈下を来たす、それからまた水そのものにも塩がまざつて工業用水として不適当なものになるというような、いろいろの支障が生じ、工業の発達の上に見るに見かねるようなありさまであります。そこで、とにかく水全体の総合的な見解がきまりませんし、従って、政府としてもまだそれに対して施策をするという段階にありませんので、とりあえず地下水を中心にしていわゆる工業用水の問題を至急にやらにゃならぬということで、今回工業用水——といいますけれども、実はごらんの通り地下水くみ上げにある規制を施し、それに対してその工業用水道補助というものを考えるという程度のものを作ったということでございます。でありますから、水全体の、お話のような農業用水から何から総合しての水の施策というものは、残念ながら今のところでは実はできておりませんし、考えさえも定まっておらぬというわけでありますが、まあ政府としましては、これは今度の工業用水法案によって見るように、とにかく水の問題は捨てておけませんので、何とか至急に審議会あたりの結論を出してもらって意見をまとめたいとは考えておりますけれども、現状は今申し上げる通りであります。そこでとりあえず今度は工業用水法案を出した、こういうことでございます。    〔委員長退席、理事河野謙三君着席〕
  47. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、この法案を出された考え方というものが無制限井戸を掘ってそうして陥没をさせ、あるいは用水を吸収するというようなことが原因になっておるとするならば、これは通産省が出すべきものでなくて、建設省なり、あるいは農林省が出すべきものであって、通産省が出す場合は、水が足りなくなってそうして工業用の水に因っておる、こういう場合ならいざ知らず、陥没があるとか塩水が混入されるとかいう問題は通産省の所管じゃない。それを原因にして掘る掘らんを通産大臣が許可するというのは、これはちょっと検討違いだと僕は思うのですが、そうじゃないですか。
  48. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 陥没とか塩がまざるとかいうことはお話通りでございましょうが、そこにある工業に直接結びついておるものですから、そこでやはり工業に直接平生携わっておる通産省工業の見地からは携わるのが一番便利である、こういうようなことから、建設省とは打ち合せをしまして、いろいろその点は確かに建設省から問題が出たのでありますが、いろいろな話し合いの結果、とにかく工業用水を主眼にするものでありますから、工業を直接統制しておる通産省がやるのが工業的立場から見れば適当であろうということで、通産省が所管をするということになっております。
  49. 阿具根登

    ○阿具根登君 通産大臣の立場からおっしゃるのは私はわかるのです。通産大臣が通産省の所管として工業用水はこういうふうにしたいとおっしゃるのはわかるのだけれども、たとえば問題になっておる川崎なら川崎の問題を考える場合に、工業を第一に考えるべきか、あるいは町全体を第一に考えるべきか、あるいは農業を第一に考えるべきか、こういうことになってくれば、私はこれはおそらくたとえば川崎なら川崎の問題でも、工業としては当然工業法案でも作ってもらってそうして低廉豊富な水をということになるかもしれませんけれども、今のままでは町全体あるいは農民、こういうところに弊害を与えるので、どうしてもこれは無制限に掘られるということになっておるけれども、これはできない、何とか法律を作ってもらって通産省責任において仕事をやっていきたい、こういうことになってくれば、その町全体の水のことでなくて、農民の水のことは第二義になって、工業用水が第一になりゃしないか、こういう弊害はございませんか。
  50. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) そういうように総合的な見地からやれば一番いいとは思います、確かに。さっきから申し上げた実情は、とにかく今川崎あたりでもさしずめ困っておるのはやはり工業用水の方面でありますから、そこで工業用水として通産省がとりあえず取り扱ったらいいだろう、こういう話し合いをしたわけなんです。
  51. 阿具根登

    ○阿具根登君 これは局長からでもいいですが、そうすると井戸は掘ってできないように規制をされるわけですな。いままでのように無制限に掘ってはできない、規制をする。いわゆる工業用水が少くなる。そうすれば、低廉豊富な水は、川から引っぱるか何かしなければできない。そうなるならば、この問題の川崎その他の所のやつは、何かそういう計画があるならばお示し願いたい。井戸は掘るな、枯渇をする、あるいは塩水がはいってくる、陥没をするから井戸は堀るなといって水は少くなしておいて、低廉豊富な水を特ってくる、こうおつしやるのだから、低廉豊富な水というのは、井戸水が、枯渇しない所だったら一番低廉で一番手近でとれる水だと思う。それよりも低廉豊富な水は、井戸を掘ることもできたいような所から持ってくるとするならば、相当水道のことも考えられているだろうし、川から引かれるならばそういう考えもあるだろうし、そういう計画があったらお示し願いたい。
  52. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) これは前にちょっと申し上げましたが、別途法律の方でございませんが、予算の方に本年度初めて一億八千万円の補助金を計上いたしまして、この法律を適用しようと考えておりまする三カ地点——尼崎川崎四日市——四日市の場合は県がやることになっております。尼崎川崎の場合は市が施行者となりまして、工業用水道計画というものを立てております。それに先ほど申し上げました一億八万円の補助金をつけ、政府は別途預金部の金から長期低廉な金を供給してやる。それから政府があっせんいたしまして付近の事業者に、市町村が出します公募債受益者に引き受けてもらうという形でやろうといたしております。この補助金長期債とそれから受益者が引き受ける公募債という三本立によりまして、水道工事相当の金がかかるわけでございますけれども、出ます水は組合に安い値段で供給できる。大体の見当で申し上げますると、尼崎川崎の場合はトン当り三円五十銭、四日市の場合は四円、そのくらいの値段で供給できるという用意ができて、今具体的な工事計画そのものを審査中であるという段階でございます
  53. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、川崎尼崎四日市だけは一億八千万円を国から補助を出してそういうことを考えられておるが、その他の工業部市はどうなんですか。その他の方面にも相当工業用水のために困っておる所がたくさんある。たとえば福岡市のごとき、大牟田市のごときは熊本県から水を引いておる。こういう所についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  54. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) これはほかの場所にもいろいろな工業発展上、水が足らなくて因っておるという場所がございます。私ども本年度からももう少し広い範囲にしたいと考えましたのでございますけれども、何さま国家財政状況及びある程度各地の計画の熟し足らなかった事情というようなこともございまして、本年度はまあはしりとしてこの程度にとどめまして、しかし通産省としましては、今後の五カ年計画考えまして、また各地の工業都市の状況を見ますると、水の不足ということが発展を阻害する非常に大きな原因というふうに認められますので、三十二年度以降におきましては補助金ももっとふやしたい、こういうことで各地の計画を推進していきたいというふうに考えております。  それから、今までも実はある程度地の利によりまして非常に有利な場所もございまして、国の補助金に依存しないで作っておる場所もございます。極端な場合は、公募債だけ——公募債地方債よりも非常に金利が高いのでございますが、それでも地の利は有利でありまして、地の利が有利といいますか近くから水が引けるという場所でございまして、それで生きておる場所もございます。それで、たとえば静岡県というようなところは、公募債でありましても二円何がしぐらいでもできるというようなところもございます。これは事業者としては井戸水を掘る、地下水を掘るのとほとんどかわらないような場所というようなものは国家助成の対象にはしませんが、しかし公募債の判事というもの、これにつきましては自治庁なり大蔵省その他と連絡をとりまして、それを実現をするようにお手伝いいたしたいと存じております。
  55. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすると、この三カ所は今から新しく工場を建てるとかいうようなところは、いわゆるこの法律によって井戸の規制なんかされる、それは一応わかるとして、常にこの三カ所は現在まで井戸を自由に掘っておったと思うのです。それで工業をやっていたと思うのですが、現在それがどうなっているか。これで潤うのは大企業が一番だと私は思う。小企業でそんなたくさんの水を使っておるところはないと思う。それだけ大きな水を使うところは大企業だと思うのです。そうすれば国が四分の一も補助してやって大企業を非常に援助することになるが、今まではどうやっておったか、現在どうなったらこの一億八千万円の金をこの個所に出さなければならないか、どの川から、どういうふうに引っぱってやるか、これを詳細に。   〔理事河野謙三君退席、委員長着席〕
  56. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) この際ちょっとお諮りいたします。先ほど申しあげましたように美馬河川局次長建設局長会議出席するため退席したいという申し出がございますが、よろしゅうございますか。
  57. 阿具根登

    ○阿具根登君 もう私どもの方もやめますし、建設委員の方もすぐくると思いますから……。
  58. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) まだ若干調査が完璧でないところもございまして、まだお配り申し上げていないのでございますが、各地々々の状況を調べました利用者別の状況なり既存の地下水を幾ら使っておる、工業用水といいますか、上水を幾ら使っておるか、いう状況なり、それからどういうことをやつおるかというようなこと等の資料をある程度持っておりますから、ある程度持っておりますといいますのは、大体これで相当十分だと思うのでございますけれども工事そのものが、先ほどちょっと申し上げました建設省共同で審査するといいますか、妥当な企画であるかどうか、工事費をどの程度に見積って大丈夫であるかどうか、それから水利権との関係が、取り口がうまくできているかどうかというようなこともいろいろございます。その点がまだ調査が不十分でございまして、その意味で多少の未定稿という意味でこれを御了解いただければ資料をお配り申し上げます。相当詳細なものを用意いたしております。
  59. 阿具根登

    ○阿具根登君 それではこれは限られた範囲のものでありますから、詳細な資料をこの次までにお届けを願います。  それから委員長にこの際申し上げたいと思いますが、連絡も不十分であったかもしれませんが、非常な関心を持っている建設委員の方も見えておらないし、本委員会でもわずか三名ですから、これは一応私はこれで質問は保留いたしますので、きょうは散会していただきたいと思います。
  60. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  61. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記を始めて下さい。
  62. 河野謙三

    河野謙三君 これはいろいろ問題点はあるんですけれども、ちょっと伺っておきたいのは、この法案を施行した結果は現に地下水を使っておる人が非常に有利であって、これからその川の水等を引いて、これば国が補助するんですが、引いても、それを使う人が非常に高い水を使うことになるわけですね。同じ川崎なら川崎地区で現に井戸を掘って地下水を使っておる人よりも、この法の保護を受けて安い水を引いたといってもなおこの水の方が高いんですね。これは理想からいえばプールすべきだと思うのですが、プールしないまでも現在地下水を使っておる工業者と、これから川から水を引っぱって使う工業者と、この間にあまり水のコストに隔たりのないようにしなきゃいかぬと私は思うのですよ。空気とか水とかいうものは絶対に機会均等でなければならない。たとえば川崎地帯の非常にまだ工場の空地帯というのはたくさんあります。これからまだ工場ができるでしょう。この土地がやっぱり地下の水が出るということで一つの地価の条件が生まれているわけです。ところが今までは工場の敷地を買えば勝手に井戸が掘れた、これからは井戸が掘れないということになりますと、これは地価にも影響があるわけだ。そういういろいろ複雑な問題がありますので、この法によって水が、川崎なら川崎地区工業用水の価格が二つなり三つにならないようにしなきゃならないと思うのですよ。ところが相当考慮を払っておられるけれども、伺うところによると既設の工場地下水を使っておる方は、かりに石二円なら二円としますと、今度この法律によって保護を受けて水をもらう、その水はどうかというと三円なり四円である、こういうふうに聞いておるのですが、これは少し、いわゆる水の機会均等の立場からいって大きな政治問題になりゃしないかと思うのですが、その点大臣どうでしょう。私は理想としては何らかの形でプールに近いようにすべきだと思うのですが。
  63. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) これはどういう方法でそういうことをやりますか、なかなか問題だと思いますが、これからもこの法律が通っても地下水が全然とれないわけではないと思う。なお一つその点は十分研究いたしまして、なかなかむずかしい問題になるとは思いまするけれども……。
  64. 河野謙三

    河野謙三君 この間も建設委員会の連合審査の場合に言いましたがね。水そのものの給源というものは、これは何もその土地の所有者の下から出る水だけじゃないのです。これは川崎地帯全般の水脈、もっと広くいえば川崎からずっと横浜の方までの広い範囲から出てくる水です。これは公有物です。それをそのまま早く手をつけた連中が得しちゃって、あとから行った連中は何も使えないということは、地主の土地なら別だけれども、水である限りは公有物ですから、この給源もまた広いのですから、この法律のために、私今申し上げたように差等がついては問題だと思うのですよ。それが片一方が二円で片一方が二円五十銭というような程度ならいいけれども、片一方が二円で片一方が四円というような結果になったら非常に既得権者に対しては保護であるかもしらぬけれども、これから工場建設しようとする人には非常に私は不利な条件になると思いますから、これは御考慮願うのですけれども、この法案審議に当って、これはその問題はある程度具体的に大臣の方から御説明願わなければならぬ問題だと思うのですがね。それともう一つは、これはちょっと局長に伺いたいんですがね。これは、従来の工業用水を使っておる、これを抑制することができると書いてありますね。水を減らすことができる、できるとなっておるけれども、それに服従しなかった場合どうなるのです。服従しなかった場合にはどうするという規定がないんだな。これはほおかぶりで、あんな通産省がやかましく言っておるけれども、あんなものに従う必要はない。それくらいのことは事業でもやる人はやりますよ。これは金もうけなんで、あつかましくなくちゃできないんだから。そういうのをどうしますか。
  65. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 私どもこの三地帯につきましては、今お話の点はある程度実は楽観しておるわけです。と申しますのは、三地帯というのは過度のくみ上げになりまして、先ほどいろいろな意味で申し上げましたように、水質そのものが悪化しておりまして、もちろんすべてがそうとは申し上げるわけではございませんけれども、この水の中に塩水が入ったりしますと、工業用水に利用する場合にも実は本来の用途に適しないで困っておる。それで今地下水を掘るよりしようがないので揃っておる面もございます。若干高いかもしれませんが、工業用水道ができますればこれは上水道ほど殺菌した水ではございませんけれども、しかしある程度の浄化をした水でございまするし、水質は割合上等なものが、ただ水温の関係では地下水ほど冷たくないという水であろうと思いますのでその意味地下水でなければ困る、用途水温等の関係から人はあれでありますが、そうでない人にとりましては工業用水ができればむしろ喜んで置きかえるという面も相当あるのではないかというように実はある程度楽観しておりますが、法制的にこれを勧告の程度にとどめました趣旨は先ほど来申し上げますように、これは今まで完全に各人の自由ということで認められておりましたようなことになっておりますのでこれは新しく法律が出たからといってこの既得権までこの強制力によって置きかえられるというふうにすることはいかがであろうかという、まあ常識的な考慮といいますか、考え方、新規なものはまだ掘ってないわけでございますので、新規なものを全然許可しないというわけではございませんが、今までは所有権絶対という意味で無計画に掘られておったということでございますので、新規なものが地下状況に応じまして適当な間隔、適当の深さであれば地表に何の影響もなしに水が得られる、場所々々によって違いますけれども、そういう点で一定の深さでありますればどこでも許可するというふうになると思います。浅い所を掘りますと地中に、地表影響を及ぼす、近所に影響を及ぼすということになりますが、その際にはある程度の間隔を置かなければ工合が悪いという制限を加えますが、絶対に禁止ではないので、地下状況に応じてこの運用の基準を作るということになっておりますわけでございます。新規なものはそういうことで絶対不許可ではございませんけれども、こういうふうな基準で許可をして行くということになるわけでございますが、これは今まで何も掘ってなかったわけでございますので、こういう大体水源もできたわけでございますので、新規なものは許可制でがまんしていただきたい。しかし今まで仕事をしておった人が水を取られるということは工場をとめるということにもなりますので、工場をとめることを強制するわけにもこれは参らないわけでございますので、ただ用途によりましてあなたの方は工業用水にこれに置きかえてよいはずですということをよく啓蒙もしながら指導いたしまして極力置きかえてもらうというのがほどほどのところではないかというふうに考えております。
  66. 河野謙三

    河野謙三君 局長、これは大へんな問題だと思う。あなたの方の説明では強制力は持たないけれども、これははっきりそうおっしゃった。そうすると今まで井戸の水を使った人はそのままである、これから井戸を掘る人については許可制をしくと、簡単に言うとこういうことになる。簡単に言っても複雑に言っても同じですが、法律はそんな不平等な悪法はないと私は思う。新しい人にはある制約を加えるけれども、同時に既設の井戸については過度の吸い上げその他で近所近隣に迷惑をかけるような、また公益に害のあるようなものについては、これまた制約を加えるというとで私はうらはらになったのがこの法律だと思います。そういうように書いてあるのだけれども、法の精神はあなたお話しのように強制力は持たないのだということでしょう、片っ方新設のあれだけは確かに許可制になっておるのだ、こんなあんた片ちんばな、表があって裏がないようなこんな法律は私はとんでもないことだと思いますが、そういう御説明を聞くとは今まで私は全く想像もしなかったのですが、そうなんですか、これはえらいことですよ、そんなことだったら。
  67. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) この既得権と申しまするか、今まで井戸を掘っておりました人、それは従来の通りであります限りは許可は要らない、ただし工業用水道ができたことでございまするから、政府工業用水道と置きかえして下さいというような指示権だけを条文で置いております。しかし既得権の事業者でございましても、今までの井戸よりくみ上げ量を多くする、あるいは掘ります場所を変える、今まで深いところから掘ったのを浅いところに変えるというような場合には許可を受けなければならないという仕組みでございます。これはまあある種の制限を加えます際に、一般的に前の人が得するといいますか、特に百貨店法を作りましても、今まで営業しておる人が助かり、新規の人が許可を受けなければならぬというような格好になりますわけであります。ことに水は工場の命になるわけでございますから、この新規の法律が出たということでもって、今までの工場を運営しておったものが権力によってがらがらひっかき回されるという形になるのは行き過ぎでないだろうかというふうに考えておるのであります。
  68. 河野謙三

    河野謙三君 私が伺っておる。ポイントは過度の吸い上げその他については規制することになっておるでしょうが、規制することになっておるが、もしその事業者があなたの方から勧告を受けた場合承知をしないで依然と、して仕事を続けてやっておる場合日には、あなたの方はどうされるかということを聞いておるのです。それが何もないのですよ。それだけちょっと御説明願えればいいのです。もし三カ月たっても、四カ月たっても依然として通産省が認める、監督官庁が認める、過度の吸い上げだということを勧告をしてもなおかつ向うがその勧告に応じないという場合には、一体どうなさるかということなんです。
  69. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) これは法制上は十四条にありまする「指示」だけでございます。それを指示の通りにやらないという場合におきましては、法律の権力上は処置なしという格好でございます。しかし先ほどの答弁の最初にお断わりいたしましたように、この地帯は地下水状況が非常に悪くなった地帯でございますので、工業用水道、新しい均一な割合良質な水が供給されるということになりますると、事業者はただ値段が今まで二円か二円五十銭でやっておった、新しいものが三円五十銭になったという……。
  70. 河野謙三

    河野謙三君 御発言中ですが、私は法律の体裁を附いておるのです。そういうことで一体法律の体裁が整うかどうかということです。事実上の問題はあるのでしょう。あるでしょうけれども、しかしものには例外というものがあるの、だから、そこに法律の体裁というものがあるでしょう、体裁が整っていないと思います。一方において許可制があるんだから、一方においてこれを抑制するということは当然なんだ、その抑制についてきめて、いかないと、ただ勧告だけなんですね、それを伺っておるのです。
  71. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 許可制でございまするけれども、新規のものをすべて許可制にしたということでございます。既得権はそのまま、しかし今まで掘っておりました、くみ上げておりました業者も新規の許可と同じようなことになる。水揚げ量をふやすとか、あるいはくみ上げる場所、深い井戸から掘っておったのを今度は浅いところから掘るようにするとか、そういう場合には平等に同じ規律を受けるわけです。従来平穏公然にやっておりましたのまでを全部スクリーンにかけて許可制で審査するということはしないということでございます。
  72. 河野謙三

    河野謙三君 同じことを幾度も聞いてますけれども、勧告だけで目的を達するかということです。勧告を開かなかった場合にどうされるかということです。もともと尼崎とか川崎とか四日市というのはすでに限度をこえて幾らか土地が陥没をするとか、その他の弊害が出ておるのでしょう。このままでほうっておけばなおかつ非常な陥没その他の弊害が出てくるというのでこの法律を出すということなんだから、既設の井戸でさえもすでに多少の弊害はあるわけですね。そうでしょう、そういうことは前提でしょう。だから大つかみに考えれば川崎地区でも何らかの意味において既設の井戸に対しても規制を加えなければならぬ、四日前、尼崎同様、尼崎のこときは特にそうである、こういうことなんですね。だから新しいものは許可制にするというのはけっこうなんです。だけれども、新しいものが出てこなくても、すでに現在ある井戸でさえも非常にその土地では行き過ぎになっておるからこれを規制しようというのだが、規制するためにいろいろ勧告しても聞かなかった場合これはどうするかということです。私はなかなか聞かないと思う。これは非常に工場の経営から見れば利害関係が大きいから普通の勧告くらいで工場の損がいくことをやられるものですか、そんなものは罰せられないのだ。
  73. 徳永久次

    政府委員徳永久次君) 私ども法制問題として考えました際には、従来は勝手に掘っておりましたので、そしてそれにある程度弊害を受けておりました。弊害を受けておりました際に国がやっておったことはどういうことかといいますと、弊害に事後対策をやっておった、防潮堤を作るとか、それから土盛りをするとか、橋桁をかさ上げするとかいうような事後対策をやっておりました。それが過去の法秩序といいますか、社会秩序であったわけです。しかしそれをこのままほうっておけば弊害がなお顕著になるということでこれを許可制にして、新たな原因というものは、現状よりも悪化さす、原因というのはすべて許可制によって適正に処置しておるというのが法律の建前である。そして既得権につきましては、従来平穏公然に社会秩序として認められておったことで、ございまするが、それにつきましては代替水源もできたことであるから適当に置きかえて下さいということで、権力ではなしに、指示という形で協力を求めるということによりまして現状の事態も少し解決してきたというふうに考える。そういう骨組みの法案に仕上げたわけです。その辺が現在の社会的な秩序という面から見まして、またそれの生産に及ぼす影響等から見まして妥当なところじゃなかろうかというふうに考えました。しかし同時に、いま一つ実際上の問題といたしまして今河野先生がおっしゃいましたように、事業者は協力しないではないかというお話もございましたけれども、私ども地元の業者、いろいろな団体がございますが、地元でかような業者とも折衝しております限りの印象からは地元の業者も早く水道ができることを歓迎しておるというような状況に、ございまして、合理的な指示には地元の業者もむしろ喜んで協力してくれると、もちろん今の河野先生がおっしゃいましたように、すべての業者が協力してくれるかどうかということには問題があろうかと思いますけれども、実際問題といたしまして私ども相当大きな使用量になりまする業者の協力は相当あるものというふうに、以前におきまする地元との接触からそういうふうに考えております。
  74. 河野謙三

    河野謙三君 明日また委員会もあるようでありますから、なお不明な問題点もありますが、私はこの程度でやめますが、それから大臣、今私が局長に伺っておることを大臣ははたから聞いておられてどう考えますか。勧告で済むなら何も法律にしないだって、通産省というえらい肩書をもって、権力をもって、行政指導でできるでしょう。法律は要らない。一応法律にした以上ちゃんときめていかなくちゃいかん。今局長が言われるようなことが実情かもしれません、勧告だけでですよ、勧告のしっぱなしでけっこうだ、それは実情かもしれませんが、それなら行政指導で行けばよいのであって、何も手をかけて法律を作る必要はないと思いますが、大臣の御意見はどうですか。
  75. 石橋湛山

    ○国務大臣(石橋湛山君) 法律はその点ばかりじゃありませんから必要と思います。それは河野さんから指導されることもごもっともで、これがはっきり既設の井戸に対しても弊害ある場合には、これを禁止するとか何とかいうことが法律でできればなお強力でけっこうだろうと思います。
  76. 河野謙三

    河野謙三君 それでは政府側におきましても大した大きな修正でもありませんから、一つ明日までに再検討を瞬いたいと思います。どうも私はその点が法律の形としておかしいのです。人の権利、大きな権利に影響のあることですから、それを一片の勧告くらいでこれが片づくような簡単なものじゃないと思うのですよ。それはやはり徳永さんはお人柄がいいから、ほんとうに人の財布に手を突っ込んでもぎ取るような激しい商売をやる経験がないからあなたは甘く考えるので、ございますが、その点は大臣の方がいろいろ苦い経験をなめておられるから、もう少し商売人の心理状態もつかんでおられる。そんな甘いことで法の目的は達せられないと思いますが、どうです、一つ再検討をお願いいたします。
  77. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  78. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をつけて下さい。  本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後三時二十二分散会