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1956-04-17 第24回国会 参議院 商工委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十七日(火曜日)    午後二時二十分開会   —————————————   委員異動 四月十六日委員大谷贇雄君及び西川弥 平治辞任につき、その補欠として泉 山三六君及び岩沢忠恭君を議長におい て指名した。 本日委員泉山三六君、岩沢忠恭君、上 原正吉君及び西田隆男辞任につき、 その補欠として大谷贇雄君西川弥平 治君、深水六郎君及び苫米地義三君を 議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    理事            西川平治君            白川 一雄君            阿具根 登君            河野 謙三君    委員            大谷 贇雄君            小野 義夫君            古池 信三君            高橋  衛君            苫米地義三君            深水 六郎君            海野 三朗君            上條 愛一君            藤田  進君            加藤 正人君   政府委員    通商産業政務次    官       川野 芳滿君    通商産業大臣官    房長      岩武 照彦君    通商産業省重工    業局長     鈴木 義雄君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選機械工業振興臨時措置法案内閣提  出)   —————————————
  2. 阿具根登

    理事(阿具根登君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員異動について報告いたします。四月十六日大谷贇雄君及び西川平治君が委員辞任され、その補欠として泉山三六君、岩沢忠恭君が指名されました。さらに本日泉山三六君、岩沢忠恭君及び上原正吉君が辞任され、その補欠として大谷贇雄君西川平治君及び深水六郎君がそれぞれ指名されました。以上報告いたします。  なお、右の異動の結果理事一名が欠けることになりました。ついてはこれより理事補欠互選を行うわけでありますが、その方法は成規の手続を省略しての指名を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 御異議ないと認めます。よって委員長理事西川君を指名いたします。   —————————————
  4. 阿具根登

    理事(阿具根登君) では、機械工業振興臨時措置法案について御質問のある方は御発言を願います。  それでは私から一、二質問をいたしたいと思います。本法案中小企業の中の中を対象としていると思いますが、その対象に漏れる企業に対する対策をどう考えておられるか。  なお、その前にその対象となる基準を詳細に御説明願います。
  5. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 本法の対象となります企業につきましては、この前資料をお配りしてございますが、大体この前から御説明申し上げております通り、この法案は特に機械工業のうちで立ちおくれております基礎部門、あるいは部品部門中心といたしまして、中堅機械工業育成をはかる、こういう考え方でございます。今日の日本機械工業の要請する精度の高いもの、それらのコストを安くして、国際競争力を付与して、それによって機械工業輸出を伸ばし、あるいは国産化を大いにはかっていく、こういうふうな考え方であるわけでございます。  そこでこの前お配りいたしました資料で一、二例をあげて申し上げますと、たとえば歯車につきましては、現在、資料にございます通り百五十四の企業がございます。しかしこれはごらんの通りこの中の九〇%以上は一千万未満企業でございます。そういうふうな中の企業のものでございます。そこで育成の目標といたしましては、特に今後の日本機械工業の要請する精度の高いものという考え方でございます。歯車について申し上げますと、DINの四級から七級のものをねらいとする、このため、現在九級以上の技術を要する専門メーカーが約十二ばかりございます、こういうふうなものを全部対象として大いに育成していこう、こういう考え方でございます。それ以外の、先ほど御指摘がございましたこれ以外の中小企業はそれではどうなるかと、こういうことでございますが、これは大体ここに書いております通り、現在十級以下の程度のものにつきましては、さらに中小企業金融公庫等資金活用いたしまして、八級程度まで技術を引き上げていく、こういうふうなことでやっていきたい、こういうのでございまして、この法案対象としておりますのは中堅企業であり、これに対して精度の高いものを、相当規模の、その企業規模にしましては大規模資本を投下するという関係でそういう措置をしまして、これらの適用を受けない企業につきましては、われわれといたしましては中小企業金融公庫等資金の運用によりまして、さらにこれらについて十分考えていきたい、こういう考え方でおります。
  6. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 質問の途中ですが、ただいま委員異動がありましたので報告いたします。  西田隆男君が辞任され、その補欠として苫米地義三君が指名されました。以上であります。  質問を続けますが、対象にならない中小企業に対しては、中小企業金融公庫資金あっせん融資をするというようなことでございますが、この法律によって中小企業に対しては金融面についても大幅な緩和措置をとられておる。そうしますとその取り残された中小企業に対しましては、ただ中小企業金融公庫がこれに当る、そういうことではこれは決して私は実績が上るもの。じゃない、中小企業金融公庫にこれを当てるとするならば、いわゆる担保の緩和とか、あるいは利率の引き下げ、あるいは延長とかいうような、何かの政府の施策がなければ決して貸し付けるものではない。ただ漫然と中小企業金融公庫がこれに当る、そういうことでは私は中小企業は成り立たない。かように思うのですが、何かそういう対策ありますか。
  7. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) 中小企業金融公庫金利等の問題につきましては、実は今検討中でございます。でき得べくんばある程度下げたい、こんなことで実は検討はいたしておりまするが、しかし下げるか下げないかという点については、まだここで言明する段階に立ち至っていないことを御了承していただきたいと思います。  なお年限等につきましては今回ある程度年限を延長いたすということに決定をいたしておる次第でございます。
  8. 阿具根登

    理事(阿具根登君) ただいまの御答弁に、中小企業に対してまだ何らの考えもない、こういうことでございますが、この法律適用されれば、たとえば粉末冶金を見ましても年産四百トンを五年後には一千五百トン、四倍にも上るようになっております。そのしわ併せはこれに漏れた適用を除外されたところに大きく響いてくる、それにもかかわらず金融措置もしていない。そういうことでは中小企業はつぶれていく以外にない、こういうことになると思うのですが、それに対してはどういうふうにお考えですか。
  9. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) ただいまも局長から御説明申し上げたように、漏れた部門につきましてはでき得る限り中小企業金融公庫対象として救済いたしたい、そして中小企業金融公庫支払い年限等につきましても、ある程度従来よりも年限を長く貸し付ける、こういうことの決定をみておる次第であります。  なおできるだけ安い金利金融をいたしたいと、こういうふうに考えておりまするが、今そういう問題等につきましては実は検討を加えておるような次第でございます。その点を御了承していただきたいと思います。
  10. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 結論的にお尋ねいたしますが、この法律案が通ったならば、通らなかった工業圧迫を受けると思いますか、受けないと思いますか。
  11. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 考え方は先ほど来申し上げております通り日本機械工業全体として、ただいま例をもって御指摘されました通り、全体に無理があり、物によりましては二倍、三倍、全体として。経済五カ年計画におきましても機械工業は現在を基礎として一六〇%になっている。そういうわけでございまして、もちろんこれも指定される精度の高いものについていろいろな伸びを期待いたしますが、その他のものにつきましても、機械工業の総体的な振興に伴って相当伸びていくのじゃないかと、こういうふうに考えるわけでございます。
  12. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 私が言っておるのは、この法律が通ってそして非常に優秀な機械が入ってきて合理化されれば、もちろんその製品伸びていくことは当然でございまして、その点については反対するものではございませんが、今でさえも圧迫されておるこの下の工業、これはいよいよその伸びによって圧迫を受けて、おそらく私は操業できないようになるところがたくさんできてくるであろうと思う。それに対する対策がなくて、一方だけを助けていくということは非常に不合理ではないか、こういうことなんです。たとえばダイカストをとってみても、ダイカスト業者は、この資料で見ると八十業者があります。その中で二百五十トンの大型ダイカストを持っておるものは八社しかございません。総収の十分の一です。その八社を対象にしておるので、あとの十分の九というものはこのために犠牲になる、極端に言えば、これは中企業と言っておるけれども、ダイカスト自体をつかまえて言えばダイカストの大企業です。ダイカストの大企業だけを助けておる。頭から八社だけ助けて、あとの七十二社というものは切り捨て御免のような形になる。それに対する対策がなくて一方だけを救済するような法律は私はあまりよくないと思うのですが、どうですか。
  13. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) たびたび申し上げております通り、この法案のねらいは要するに新しい分野、何といいますか精度の高いもの、そういうようなものをねらって輸出を伸ばし輸入防圧し雇用の増大をはかる、そういうような見地から出たものであります。従いまして新しいところに伸びを見ておるわけであります。具体的に例を申し上げますと、ただいま粉末冶金について御指摘がございましたが、ここで十一社ございます。この法律対象としておりますものは、この十一社のうちの大企業三社を除いて、あとは全部対象とするわけであります。従いまして、これで見ますと一千万円未満、一千万から一億円、これは全部対象になり得るわけであります。それからダイカストにつきましては八十社ございますが、対象といたしますものはここに書いてございます八社でございますが、これは大型のものを持つものでございまして、このほか大型以外の分野については——大型のものが大型で精密なものに専心いたしますれば、この他の分野はほかのものに回ってくるというような関係になります。そういうような点で全体としては伸びていく、そういうような感じであります。従いまして先ほど申しました通り、これでねらいますものも伸びますが、その他のものに対してはこれが直接どうこうという関係には立たないわけであります。そこでもう少し申し上げますと、この法案対象としておりますものは、前前から申し上げております通り中堅企業でございます。これらがもしこういう方策ができませんと、結局何と申しますか、国内でできない場合には輸入しなければならない、あるいは場合によっては大きな大企業自分自家用部品部門を担当する、こういうような傾向になるわけであります。こういうふうなものを阻止してむしろ中堅的な工場を適正な規模によって専門的に大いに育成しよう、こういう趣旨でありまして、むしろこの考え方は大企業に対して中小企業中堅中心として全部をレベル・アップをしていく、こういうふうな感じのものであります。さらにいろいろ適用予定業種についても、強靱鋳鉄ダイカスト電動工具等はいわば新規産業でございまして、将来の需要の伸びは二倍四倍でございます。従いまして適用される業種が精密なものでございましても、その他のものにつきましても相当分野がございます。またそのほか測定器具試験器、抵抗・コンデンサー等相当な増加が見込まれましてきわめて問題が少いと思います。またここに書いてあります油圧ポンプ時計部品双眼鏡部品等は、協同組合または関係企業共同施設をねらっておるわけであります。また工作機械につきましては、品質向上あるいはコスト低下によって輸出を大いにふやし、また従来国内生産が五十億円でありますが、輸入も五十億円であります、この輸入の五十億をできるだけ減らして雇用の機会を与えよう、こういうような感じのものであります。また歯車につきましては、先ほど例をもって示されましたが、これは大企業自家用として歯車工場に進出するのを阻止して、大企業分野にこの法律措置によって中堅企業伸びて行く、こういうふうな感じ考え方でございます。
  14. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 粉末冶金とか電動工具というのは、私は非常にいいことだと思うのです。それは一億円以上の資本金を持っているところはこの適用からはずされている。そうして小企業適用されているから私はいいと思うのですが、今の理論からいっても、そうしますと、大企業に対抗するために、中企業を大企業に引き上げる一つの手段である。そうすれば、中企業が引き上げられたら小企業はその圧迫を受けるのがきわめて大になりはしないか。私が言うのは、中企業の五千万以上も持っているようなところは自分でもやって行けるところなんです。それだけ国が補助してこれを引き立ててやって行こうというならば、やって行けないその下のところを上まで引き上げるならば私はわかる。ところが自分でもやって行けるところをさらに国が援助してやって、大企業に匹敵するような大企業にして、大企業と小企業をなにして中企業がなくなって行く、こういうようなことになるおそれがある、かように思うのであります。これは粉末冶金とか、ただいま申し上げました電動工具のように、これは中企業の中でも大きいところは自分自己資金でやって行きなさい、その下のやつは政府がこういう法律で守ってあげましょうというならわかる。その理論で行くならば、これは一億円以上の大企業というものは全部この法案から適用を除外されなければならない。ところが全部それ以外のところは大企業が入っている。中企業の中でも一番大きいところが入っている。そうすると先ほど言ったように、その中企業の中でも大企業に準ずるような大きなところを政府がわざわざ資金を出して大企業にしてやるのだ、そうなってくる。そうすれば先ほど局長が言った理論に反論が出てくる、こういうふうに考えるのですが、その点どうですか。
  15. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 今の点、私が申し上げましたのは、大体中堅中規模程度のものを中心として大いに育成して行くということを申し上げたわけでありまして、この表にございます通り、ものによりましては一億円以上のものが適用される場合もございます。それはなぜかと申しますと、一つ業態を全部見ていく場合にはやはり一つ業態として見なければならない、こういう感じがあるわけでございます。しかしながら大企業において負担力があり、その必要なしと認めた場合にはあるいは除外するとか、あるいは入れましても、たとえば開銀資金あっせんの場合におきましては程度を非常に圧縮する、負担力によって締めて行くというふうなことを考えているわけでございます。また御指摘のこれに漏れている企業の問題は、先ほど来申し上げております通り、この法案のねらっておりますのは、やはり精度の高いもの、従いまして資本投下等も、中堅規模工場にしましても相当資本を要しますのでかような措置を講じたわけでございまして、それに漏れております中小企業が普通にやります、普通の場合には合理化資金としましても程度が少額である、そういうような関係から中小企業金融公庫等活用によってできるだけ目的を達するようにしたい、こういうわけでございまして、いずれの場合におきましても精度の高い分野、あるいは普通の分野、それぞれ機械工業につきましては領域がございまして、機械工業全体が伸びていけばやはりそれに相応して皆伸びを見るわけでございまして、そういうふうな観点から、これに漏れておりますものにつきましても中小公庫の活用によりまして、あるいは直接の場合には、こういった業態輸出振興目的から、あるいは国産化奨励目的からというふうな基準を示してできるだけ育成するような方向で行きたい、こう考えております。
  16. 阿具根登

    理事(阿具根登君) そこで、そういう考え方があるならどこかで線を引くとするならば、かりに一億円以上なら一億円以上のものについては相当自己資金も持っているし、自分でも信用があるし、機械でも相当機械が据わっているからこれには貸さない。今の御説明では開発銀行から金を借りる場合にシビアにやっていくのだ。それだけの考え方があるならば、一億円以上の会社自分でやりなさい——そこをシビアにやるどころか、それを一億円以上のところにやっていくならばより以上のところができて行く。ダイカストにしてみましても、そのダイカストは一億円以上のところが九カ所ある、そういうところは相当機械も据えておる、相当製品も出しておる。ところが一千万円、二千万円というところは手動でこれをやっておる。そうするとその差はものすごい差になってくる。だからこういうところで、一億円以上のところは、こういう優遇をせんでもいいじゃないか、これはたとえその下の一千万円なら一千万円の資本金を持っているところにこの法律適用しても、決して一億円以上の工業がつぶれるようなことはございません。しかし一億円以上のところにこういう法律適用するならば、一千万円、二千万円のところはつぶれなければいかんじゃないか、だからその線をどこに引くかという問題については、はっきりしたところがなければできないじゃないか、こういうことなんですが、これについて。
  17. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 考え方はやはりこの法律で書いてありますことは、日本の立ちおくれた機械工業を伸ばすというわけでございまして、業種別に見ていくのが建前でございまして、従いまして考え方といたしましては、一億円以上のものが入ってはならないということはないようなわけでございますが、先ほど来申し上げております通り、大体この業態は一千万円、一億円以下というふうな程度でございまして、ここら辺を中心にして育成していく、従いましてこの表に一億円以上がございますが、これは現在の業態説明したのでございまして、対象の場合におきましては、先ほど来説明しております通り、一億円以上は原則として除外するような方針で、例外的に入ります場合には、先ほど来申し上げておりますように、開銀資金あっせんの場合にはこれを締めていく、こういうふうなことになっておるわけであります。従いましてここに書いてあります十八業種の中で、一億円以上の会社に入ってくる業態はごく少なうございます。たとえば工作機械とか、工具とか、こういったようなものに業態として限られてくるわけであります。
  18. 阿具根登

    理事(阿具根登君) そこでそれだけの考えがあるなら、一億円以上のところは適用しないという考えを持っておかなければ、これがこのまま通っていけば、自然そういうところの圧力の方が強くて、そうして資金はそういうところに流れていく、私はこういうことを言っておるわけなんです。だからこういう法律をきめる場合にはやはりはっきりした線というのは一応引いておかなければ、一応そういう考えは持っておられるけれども、これが法律として施行される場合には、必ずそういうところが大きく動いて、そうして中小企業の方にいくということが少くなると、私はこういう考えを持っておるわけです。ダイカストにこだわるようですけれども、ダイカストは頭から八社ということになれば、あとの一千万未満のところは六十三社あります。この六十三社はだれがみてやるかですね、こういうふうな場合でも、この八社というやつを、一億円以上のやつを全部削って、そうして一千万円から二千万円のところを助けるというのなら、私は一億円以上のところが、二つも三つもできたような形になってくるから、非常にいいけれども、一億円以上のところを助けたら、下の方はつぶれていくのじゃないか、こういうことを言っておるわけです。
  19. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) ただいまのダイカストの場合には、表には一億円以上と出ておりますが、対象となる八社は一億円以上のところはみておりません。
  20. 阿具根登

    理事(阿具根登君) それじゃ一億円以上のところは二百五十トン程度大型ダイカストは持っておらんということになりますが、この説明には現在二百五十トン程度大型ダイカストメーカー専業者として約八社あるので、その全部を対象として設備近代化を促進するということを言われておりますが、この説明はうそですか。
  21. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 専業者と書いてございますが、そのうちの八社は専業者という見方で、一応一億円以上は兼業しておりますので除いております。
  22. 阿具根登

    理事(阿具根登君) そうするとこの九社は、一億円以上の九社ということは、専業者じゃないということですか。
  23. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) さようでございます。
  24. 阿具根登

    理事(阿具根登君) そうしますとその二百五十トン程度大型ダイカスト専業者というのは、この中でどれに入りますか。
  25. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは一千万から一億円と、それから一千万未満がその中に入るわけでございます。
  26. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 二百五十トンの大型ダイカストは、これは幾らになりますか。
  27. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 約設備として八百万円程度である、こう考えます。
  28. 阿具根登

    理事(阿具根登君) おそらく私はそれ以上だと思うのですが、一千万以下の資本のあるところで、そういう膨大な機械も、そうして人間も雇っているところがありますか。私たちが見に行きました場合は、あの大きなダイカストは、一千数百万円ということを聞いておりました。今から二百五十トン以上の大型が、一千万円以下で入ってくるかどうか、その点も御説明願います。
  29. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 具体的に名前はちょっと存じておりませんが、たとえば関西でありますと、京都ダイカスト等は、これは一千万円未満で、二百五十トンの設備を持っているように聞いております。  それからその次の点は……。
  30. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 今こういう法律適用してですね、そうして資金あっせんをして、二百五十トン以上の大きなダイカストを外国から輸入するとするならば、一千万円で入ってくるかこないかということです。
  31. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 私どもの聞いておりますところでは、八百トン程度ダイカストの場合には二千万円、それから二百トン程度ですと、八百万円というふうに聞いております。
  32. 海野三朗

    海野三朗君 それに関連して、私がお伺いしたいのは、この臨時措置法につきまして、これをやっていくというと、弱小企業が直接的に間接的に打撃をこうむらないということについては、どういう保障がありますか。一例を申しますならば、たとえば鉄の方で、八幡、富士のような大きなところでは、国家から莫大なる資本を借りて、そうしてこの機械設備近代化したと、従って現在においてもその板なんかはどんどん輸出している。ところが小さいつまり製鉄工場、板を引き延ばすとか、手動でもって、手でやっているというふうなそういうふうな中小無数工場は、これについていけない。従って大きな圧迫を食っているという結果を生じているのでありますが、これは事態の進行とともにやむを得ない現象でもありましょうが、この法案を通しますというと、この弱小企業がどういうふうになって行くかといいますと、みなこれは共倒れになってしまう。下のものはもう立っていけないということになりはしないか、そういうことに対してはいかなる保障がありますか、それをお伺いしたい。
  33. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは先ほど阿具根先生からも御質問があったと思いますが、大体この法案できまっておりますものは、中堅機械工業を伸ばして行く、それによって新しい輸出分野を開拓し、あるいは輸入の防遏をはかる、そういうような意味で、日本機械工業に対して国際競争力を付与する、そういうふうな見地からこれが出ているわけであります。従いましてむしろこれは全体として伸ばすんだ、こういう思想でございまして、従来の中小企業対策では十分までいかないところを特にこれで伸ばしていく、こういう考え方であります。従ってこれの適用を受けない事業につきましても、中小企業金融公庫等の利用につきまして、十分できるだけ合理化して伸ばすようにやっていきたい、そういうようなことでこの法案が出ているわけであります。
  34. 海野三朗

    海野三朗君 今のお話はよくわかります。それは国際の水準に到達しなければならないということ、輸出振興していかなければならない、そのために資金を貸し付けて、そうして機械設備近代化してやっていかなければならないということは、それはよくわかりますが、それに落伍をした、落伍という形になりますか、これがどしどし出ていった日には設備が古かったり何かして、その弱小企業ですね、弱小企業がいかにして救われるか、直接的、間接的にその打撃をこうむらないように、どういうふうな御決意があるか、ただ中金があるから金を借りればいいんじゃないかというようなのんべんだらりとした御答弁ではなしに、いかなる御決意を持っていらっしやるか、その保障でありますね、その御決意を承わりたいのです。
  35. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 先ほど来申し上げておりますが、大体機械工業としては伸ばしていきたい。従って現在を一〇〇として一六〇%のねらいを実は五カ年計画で持っているわけであります。従いましてわれわれといたしましては、輸出振興につきましてもいろいろ市場対策を打って輸出を伸ばしていく、こういう方法を講じております。また輸入の防遏につきましてもさような方法を講じているわけであります。かような政策とあわせましてこの政策を講じ、それによって機械工業振興をはかろう、こういう考え方でございます。  そこで、この対象となっておる業態につきましても、例を引きまして恐縮でございますが、たとえば先ほどの御指摘のありましたダイカストにつきましては、現在の年産六千トンを二万七千トンに、あるいは粉末冶金については年産四百トンを千五百トン、いずれも現在のレベルというものによりまして、こういった業種は特に立ちおくれておりますので、二倍あるいは三倍というふうな大きな伸びを見ております。従ってこの中で精度の高い、特に国際競争力を付与する必要のあるものにつきましては、この際は手を打ちますが、そのほかのものにつきましても大いに需要の開拓、あるいは輸出振興ということが考えられるわけでありまして、こういうふうなものにつきましては、先ほど来説明しております中小金庫等の方法によってできるだけ合理化なり育成をはかる、こういう考え方でございます。
  36. 海野三朗

    海野三朗君 今のお話はよくわかりますが、その保障ですね、弱小企業に対してつまり間接的、直接的にこの損害をこうむらないようにするには、つまり中小企業とかそういう方面にも融資を世話しようというお考え、しからばその額はどのくらいでありますか、何億ぐらいでありますか。中小企業なり、あるいは中小企業金融公庫のお金をこの弱小企業に対して何億ぐらいお世話をなさる御決意がありますか、漫然とただ中小金庫があるからそれから借りればいいというようなお考えでは私納得できないのであります。このことに対しまして政府がすでにこのお金をこれだけそういう方面に向けようというのであるならば、それに漏れたところに対しては何億ぐらいを金庫なりあるいはそういう方面から融資することに骨を折ろうというふうにお考えになっておりますか、大体のそのワクはいかがなものですか。
  37. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 従来の直接貸しというのは中小金庫でございます。本年度は相当額がふえまして六十億というふうに直接貸しはなっております。これが大体全部の中小企業に使われるわけでございます。従来の実績を見ますと、機械工業が直接貸しの六割方を占めておりますから、このうちの相当の部分が中小機械工業全体に向け得る。もちろん指定された業種にどのくらい使われるかはきまっておりません。全体として中小機械工業に対しては直接貸しの相当多くの部分が使われるというふうなことでございます。
  38. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますと、今ここにあげておりますダイカストとか、粉末冶金、それから歯車、ネジそういう方面のつまり弱小企業に対しては、その六十億のうち何億ぐらいが大体御検討で見積っておられますか、何億ぐらい出してその他のものを救おうというふうにお考えになっていらっしゃるか、どうなんですか。
  39. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) その点はまだ数字的に検討いたしておりません。要するに機械工業というものは広い幅がございましてこの面接貸しを使い得る範囲は中小の機械工業全般になりますので、その中にはあるいは繊維機械もあろう、あるいはいろいろ電気関係機械もあろう、いろいろ問題がございますので、それらの中でこういったものも一つの部分として見ていきたい、こういうふうに考えております。
  40. 海野三朗

    海野三朗君 今ここに上げておりますこのダイカストとか、粉末冶金とか精密機械工作機械などもそういう方面に融資を受ける。ところがその中で融資してもらえないところが確かに出てくるわけでありますが、それにはほかの方面から、たとえば金融公庫の方からでも金を融資することに骨を折ってやろうとい今お考えであるようですから、しからばそれは何億ぐらいこの方面の落ちこぼれに融資をしてやろうというお考えがあるのか。まだそこまでは数字的にはお考えになっていないのですか、どちらなんですか。
  41. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 直接貸しの内容をいかにするかということについては現在全般的に計画を調査しております。まだいろいろ数字が出てきておりませんので最終的な計画ができないわけであります。われわれとしましても。中小企業庁の方から要求がありまして、全般的に来年度どんなふうにこれを使うかということについて調査をしておりますが、まだ計画の提出が出ておりませんので目下調査中でございます。
  42. 海野三朗

    海野三朗君 今日までのこの中小金融公庫でもその方面の貸し付けの状態を見ておりますと実におかしな状態なんですよ。ある方面にはずっと行くけれども、ある方面には一つも行っていない。私は非常に公平という点から考えるとおかしなものなんです。ここにも、この法案をお出しなさったのも大体もう御予定があるのでしょう。あなたの方で十何億から十五億円を出して、年六分五厘でやるというふうなものは大体目星はついておられるのでしょう、あなたの方で……。それでその目星をつけておられるその工場はいいかもしれないが、ところがある方面になりますというと実際必要なんであるけれども、その湾に漏れているのがずいぶんたくさんあるのですが、そういう方面に対して選定されるときにおいてどういう一体基準でおやりになるのか。私は今日までの状態を見ますと、窓口はもう銀行歴がやりますから、銀行屋の方はもうからないような、もうけの薄いようなところにはやらないで、利息がちゃんちゃんと入ってくるようなところばかりねらって金を融資しておるように思われる。そういう点については通産当局ではどういうふうな考えでおられますか。この選定の仕方、それはどういうあれでおきめになるのです。
  43. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) ここにお配りしました資料は一応の試案でございまして、これにつきましては、やはり根本のこの法案で企図しております業種につきましてそれぞれの目標を立てて、いかに性能を上げるか、いかにコストを下げるか、どんなふうな設備に投資するかというような目標をきめまして、それによって、その結論によって企業を選ぶわけでございまして、従いましてこれはこの法案通りまして、審議会を開きまして指定業種をきめ、それによってよく審議会で議論した結論に基きまして対象企業を選ぶことになるわけでございまして、ここに書いてございまするのはまあ一応の、何と申しますか試案と言いますか、予想というふうなものでございまして、まだ固まったものではないわけでございまして、従いまして考え方機械工業審議会に諮った結論によりまして通産省がこういった企業を選定することになるわけであります。
  44. 海野三朗

    海野三朗君 私はちょっと一言その点について申し上げておきたいと思うのですが、この通産省から金を配付する、つまり研究資金を今まで初め助成金と言いますか、そういうことをずいぶんおやりになっておるようでありますが、百パーセントうまくいけというのではありません、ありませんが、ずいぶんいかがわしいようなところにもずいぶんお出しになっておる。その金は研究費に使わないで会社の運転資金に回しておる、そういうふうなことを私はひんぴんとして聞くのであります。それで通産省でおきめになる、今日までおきめになったそのあり方は相当ずさんであるというふうに私らは見ておるのですが、今日まで初め助成金だと言っておやりになった、金を出しておられるが、中にはちょうど好都合だと言って建設費、運転資金に回してしまってその方面の研究を一つもやっていない、そして今度は通産省の方にはうまいことを述べ立てておるし、そうしてその金を百万なり二百万なりもらっておる、そういうようなところを今日まで再三見受けるのでありますが、あの配付の仕方なんぞについては、審議会にかけておやりになるのですか、あるいは通産省内部だけでおきめになるのですか。事実を、工場を実際見ないでおきめになるのですか、見た上でそういうふうな金を配付なさるのであるか。従って今度のこのあれでも、専門的立場に立ってはっきりした上でないと、いかがわしい金の融資になりはしないかということを私は非常におそれるのでありますが、そういう点については何かお考えはどうなんですか。
  45. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 大体研究補助金等を交付します場合には、申請が出ますと、機械で申しますと、重工業局、それから工業技術院、そういうところでよく審査をしまして、連絡会議をいたしまして、場合によりましては、民間の専門家の意見を聞き、場合によってはもちろん機械試験所等、関係技術官とよく諮りまして、それで選択するわけであります。それから最終的には科学技術行政協議会、よくスタックといっておりますが、そういうところに諮ってきめることになるわけであります。従いまして補助金交付の目的を十分達成するようなものを選びますと同時に、担当者については十分慎重を期しておるわけでございます。たまたまいろいろな事情で、あるいは御指摘のような点があったかと思いますが、こういう点については今後十分監督を厳重にして、また選択等につきましても十分注意を払って処置していきたい、こう考えておる次第であります。
  46. 阿具根登

    理事(阿具根登君) ほかに質問ございませんか……。それでは私が質問をいたします。  この中小企業の場合に、大企業と何らかの関係があって、従属工場みたいなのが非常に多いと思うのですが、そういうふうなのに対してはどういうお考えを持っておられるかお伺いいたします。
  47. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 部品部門の場合でございますと、やはりこれらの部品が、もちろん中小企業に使われる場合もございますし、大企業に使われる場合もあるわけでございます。そこでこのねらっておりますのは、やはり。大企業の下請けの場合になりましても、これはこういった中堅企業を大いに育成して、できるだけ専門メーカーと申しますか、独立した形の企業を大いに育成していきたい、こういうふうな考え方で与えておる次第であります。
  48. 阿具根登

    理事(阿具根登君) たとえば大企業から何がしかの資金が出て、そこの従属工場になっておるものに対してもこの法律適用するお考えがあるのですか。
  49. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 具体的にそういうケースがこの中にあるかどうか、まだよく調べてみないとわかりませんけれども、考え方とすれば、やはり納入先は、部品部門でありますれば、相当企業が多いと思います。その場合に、資本的にどうこうなっておるかということはなかなかむずかしい問題でございますが、その場合でも、ある特定の企業だけに、いわゆるまるがかえというふうになっておる場合は、これはなかなか問題だと思います。しかしながら幾社かの大企業に出しておる、いずれ納入先は大企業でありましても、この場合にはやはりそういった従属しておる企業をできるだけ独立して、専門メーカーとして育成したい、この考え方でこの法律考え方は貫いておるわけであります。
  50. 阿具根登

    理事(阿具根登君) いやそういう場合に、大企業から資金が出ておる場合に、大企業との縁はおそらく私は切れないと思うのです。そういうものに対してまでこの法律適用して援助してやらなければいけないということは私にはわからないのですが、その点どうですか。
  51. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) その点は、大企業から、もし資金が十分流れていて、必要ないという場合でございましたら、それは一応対象に入りましても、その点で何と申しますか、額をしぼる、いろいろな負担力のあるという意味におきましてそういう点はしぼるということは可能であると、こう考えるわけであります。
  52. 阿具根登

    理事(阿具根登君) そうした場合に、十分な資金が流れておれば、私はそこは中小企業でも相当なところだと思うのです。そんなことをしてやる必要はないと思うのですが、そうした場合にも、通産省としてはこれを対象外にはずすということでなくて、一応考えたいということになってくると、大企業援護になってくると思うのですが、そいう点ははっきりできないのですか。
  53. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 考え方は、先ほど来申し上げております通りに、一つの特定の大企業のまるがかえというふうなものについてはこれは避けたいと思います。利用先ができるだけ広くいっておるというふうなものが選ばれるという感じがいたすわけであります。しかしながら、かりに大企業から資本なり、あるいは系列がありましても、考え方といたしましては、これをできるだけ独立した隷属しない形で伸ばしていきたい、こういう気持でございますので、そういった場合には、むしろ大企業の隷属を断つといいますか、あるいは独立した専門メーカー育成するという立場から、この法案対象としてみていきたい、こういう考え方でございます。
  54. 阿具根登

    理事(阿具根登君) たとえばこの中で一千万円以上の工場になりますが、それに大企業から資金が投下されておる、そういうものは、おそらくほかのところにこういう法律適用されれば、より以上に大企業から流れてくると私は思うのです。その点は、今局長が言われたのもわかりますけれども、実際これがやられる場合に、局長考えられているような結果には私はならないと思うのです。たとえば一億円の工場に三千万円なら三千万円の金が出ておったとしても、十五億の金の中からこれをあっせんする場合にはそれ以上の金額というのはなかなかできないと思う。そうすればこれを引き離すどころか大企業の援助にしかならない。これをはっきりするためには、先ほど海野委員質問もございましたが、十五億のワクの中でどれだけ考えておられるか。たとえば一千万なら一千万とするならば百五十社がこの該当工場になるわけだ。そのワクをどのくらい一工場に対して考えておられるか。そのワクによって、たとえば大工場から援助を受けているところにもっていっても、大工場が援助しているだけの資金はこれでは援助できない、こういう形になれば、大企業の援助であって、中小企業の援助じゃない、こういうことになると私は思うのですが、その点はっきり御説明願います。
  55. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 御質問の点に対して十分お答えできるかわかりませんが、大体企業の数等も、先ほど来申し上げております通りに実はまだ試案の程度でございまして、数が幾らになるかというふうなことはやはり機械工業振興審議会で目標がきまりまして、それによって選ばれる範囲がきまる、それによって数がきまる、こういうふうなものでございまして、どの程度の数になるかということについてまだ的確な数字が出ておりません。  それからまた本年度は十五億でございますけれども、これは三カ年計画として全体で百億、主要設備で八十億というふうなのが本来の計画でございます。そういった考え方考えておるわけであります。従いまして一企業当り幾らの投資を行うか、ものによりましては二千万円、あるいはものによっては五千万円といろいろ業態によって雇うと思います。従いましてこれも画一的には数字がまだ出ておらないわけであります。  それから御質問の点は、先ほど来申し上げております通り、やはりこの法案でねらっておりますのは、中堅企業をできるだけ独立したものとして育成していきたい、こういう考え方でございますので、かりに大企業からひもがついておりましても、これによってさらに特別の資金なり、あるいはこの法案の企図するところによって専門メーカーが生まれれば、広くほかにも供給されて、そうして隷属関係相当薄くなるといいますか、断たれるということにもっていきたい、こういう考えでおります。
  56. 海野三朗

    海野三朗君 もう一つ、私はさっきのところどうも十分でなかったからお伺いしますが、つまり今度の法案のねらいは、これは傾斜育成の方式を採用することにありますね。そうして結局するところ、この法案のとどのつまりはどうなるかというと、規格統一のため合理化カルテルを助長するようになってくるおそれがあるのじゃないですか、どうなんですか。
  57. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) このカルテルにおきましては四つのカルテルを認めておりまして、規格統一もその一つでございます。
  58. 海野三朗

    海野三朗君 結局中小企業振興育成ということにはあまり考慮されていないように思うのです。そのいいものだけを伸ばしていこう、その伸ばして行くのはいいのですが、中小企業の全体の振興育成ということについてはあまり考慮されていないように思うのですが、それで私は先ほど保障があるかということで念を押したわけなんですが、ただその点になると至って当局の御答弁はばく然としておるのでありまして、どうなんですか、その辺についてのもう少しはっきりしたことを承わりたい。中小企業振興育成ということは全く考えられていないようであって、ただ一部分のすぐれたもの、それを大企業からして行く、従ってここに傾斜育成の方式になってくる、その結果がこの合理化カルテルを実施するようになってくるのだ、つまり優勝劣敗、これが行われて行くのは、資本主義経済における成り行きとしてはやむを得ないことでありましょうけれども、あくまでもこの公正なる競争を通してのみ行われるべきで、政策的に国家権力の介入によってそれが助長されて行くようではおもしろくない結果になると、こう思うのですが、その中小企業いわゆる弱小企業に対する保障はどうなんですか、保障は、はっきりした御答弁をもう一度承わりたい。
  59. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) カルテルについての御質問もございましたが、この法案考えておりますカルテルはいわゆる合理化カルテルというわけでございまして、整理を目的とするような不況カルテルというようなものではないのであります。先ほど来説明しております通り、大体日本機械工業の需要というのは一つのレベルであって、これはふえないというのであればあるものが伸びれば他のものに影響するのでありますが、全体として機械工業については一六〇%に伸ばして行く、こういう思想であります。従来の中小企業につきましてもいろいろ対策を打っておりますが、さらにこういうような伸ばすことをやるためにはどうしてもかように特殊な体制が必要でありまして、そこで大きな伸びを見るためにはこういうようなことをしなければならない、もしこれをほうって何もしないということになれば、結局機械工業伸びも見ないし、そうして現在のレベルにおいてみんな盛んに競争をして共倒れになる、こういうことでありまして、このねらいはあくまでも全体を伸ばすというところから特に上の方の国際競争力を培養するというような意味において、精度の高いものを中心としてまず伸ばして行く、そこで突破口を見出していこう、従って将来はさらにこういった施設を拡充して、機械工業全体の振興をはかろう、こういう考え方になっておるわけであります。
  60. 海野三朗

    海野三朗君 将来はそういうふうにやっていきたいというお話でありますが、そこに対してまだ何らの保障考えられていない、将来はそうしていこう、これに落ちこぼれたものは何とかしていきましょうというのでは、ここに非常に心配がはらんでおるわけです。弱小企業に対しましては、その結果はこの法案を十分効果あらしめようとするには、早晩強制カルテルに移っていかなければならないのじゃないか、そうするとこれはきわめて憂慮すべき問題を含んでおるのであって、このカルテルによって生産性を確立しようとしておるように考えられるが、その辺はどうなんですか。
  61. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは合理化カルテルでございまして、不況カルテルと違いまして整理等の問題は含んでおりません。それと同時にこれはやはり強制はございませんで、業界がこれが必要であるということを認めたような場合において初めてカルテルの結成ができるわけであります。またカルテルにつきましては特にこれは関係の点を考慮いたしまして、第七条でもごらんの通りおわかりでありますが、三つの条項がついておりまして、「合理化基本計画に定める合理化の目標を達成するため必要な程度をこえないこと。」「一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。」また「不当に差別的でないこと。」といった条件がついておるわけでありまして、こういったふうな共同行為の内容がこういうふうなものに適合しません限りは合理化カルテルは認められないわけであります。
  62. 海野三朗

    海野三朗君 この弱小企業に不利益な事態が招来しないという保障がさらに明確化されていないんです。弱小企業の不安は解消されないわけです。それをどうしたならば弱小企業の不安が解消されますか、それを承わりたい。
  63. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 結局機械工業振興する場合に一ぺんに全部が下から上に上って行くということはできませんので、やはり段階を追うて上って行く、こういうことだと思います。従いましてこの法案でねらっておりますのは、相当精度の高いもの、性能のいいものが相当大きく設備を投下しようというところをとらえたわけであります。現在ではそれ以下の方々にはそれほど大きく投資するということは出て参りませんのですぐ一足飛びに精度の高いものをねらいませんで、現在の段階においては中小企業金融公庫等によって処理いたしますが、そういう点が出てくる、第一年度目においてそういうことは期待されませんが、第三年目にそういうものが期待されるものになればそのものを追加してそういうものを振興することも考えていいんじゃないか、こういうふうに考えております。
  64. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますとこれをただとにかく第一年度であるからこれをやってみよう、こういうお考えである。私が伺っておる問題点はこの弱小業者の不安が解消されない。それで弱小業者に不利益な事態が招来しないという保障がさらにまだ明確化されていない。これはまず今年度だけはさしあたりやってみようというお考えであって、そこまではお考えになっていないのですか、今私がお伺いした点。この弱小業者に不利益な事態が招来しないところの保障が明確化されていない。
  65. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 逆に問題を申し上げますと、もしこの法案を通さなかったらどういうことになるかと申しますと、結局その場合にはむしろ日本機械工業としては伸びないで新しい輸出市場の開拓にも成功せず、コストの安い、いいものができないという結果になり、新しいマーケットも開けず、現在の範囲内において中小企業はそのまま乱立して非常なみじめな姿になる、こういうことではないかと考えるわけでございます。この法案では精度をよくし、新しくコストを安くする手を打って、大いに伸ばして新しい領域を開こう、こういうようなことで、従いまして精度の伺いものの需要も開きますと同時に、また普通の一般の部品等の範囲も、機械工業全体の伸びとともに、分野を持ちながら伸びて行く、こういうふうな考え方考えておるわけであります。
  66. 海野三朗

    海野三朗君 私はこの法案に何も反対するために反対しているんじゃありません。今局長がお答えになったことについては私はよくわかっておるんです。これは必要である、必要でありますが、その穴を突いておるわけですよ。どうしたってそうやっていかなければならない、この機械工業振興臨時措置法案というものはぜひ必要である。ところがこれに漏れたものはどういうことになるか、それを救うための保障がないのは不安ではないかと言うんです。この法案の必要なることはもちろん認めておりますよ、認めておりますが、いわゆる弱小企業者に対しての不安は解消されないではないか、それの方は一向考えていないようである、そういうことを今私がお伺いしているのであって、すなわち言葉をかえて言えば、中小企業振興育成ということにはあまり考えられていない、ただいいものを作る、いいものを作るという方面に持っていこうというようなお考えのようにだけ思われて、一方いいことをしようと思えば必ず弱点がこれに伴ってくるものであるから、その弱点に対してどういうふうな対策考え、どういうふうな保障を持っておられるかということを私は伺っておるのであります。今局長のお答えになったことは当然なんであります。私はその点に対しては異論を差しはさむものではありません。しかしながらその案は、いわゆる一方をこうしていかなければならない、それはもちろんそうですよ。もちろんそうでありますが、この選に漏れたものが困るんではないか。で、それに対する対策はどうかということを私は重ねてお伺いしたいんです。
  67. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 結局御質問の点は、どうお答えしていいかわかりませんが、具体的問題になると思います。これは試案の程度でございますが、この前お配りした表を見ていただくと御理解がいくと思いますが、大体それぞれの企業において相当新しい伸びをみております。それぞれの分野考えて、それによって、比較的精度の高いもので、相当資本設備が要るものにつきましてはこの法による。そうでない普通のところにおいては、中小企業金融公庫等資金活用によってやるというふうな対策が出ているわけでありまして、かような考え方でできるだけやってみたいと、こういう考え方をしております。保障と申しますが、どうも保障というふうな感じ法律にうたいますわけにも参りませんので、かような考え方でできるだけ合理化審議会等で十分練った上で具体的な対策を、ただいま御指摘の点を十分考えながら運用していくべきではないか、こう考えております。
  68. 海野三朗

    海野三朗君 それは私が今伺わんとしておりまするのは、この業種においても救われるやっと救われないやつが出てくるわけです。そうすると救われない方にはどうするかと私が伺いましたところが、これは中小企業金融公庫とか、あるいは商工中金とかの金を融資してやる考えであるというお考えでありましたから、その金高はどれくらいの程度までこれに漏れたところのものに金を融資することを、つまり通産省が骨を折ってやるというお考えがあるか、それを私は聞きたい、こういうわけなんです。何も今さらそれだけの金を必ずどうしなければならぬ、こうしなければならぬというわけではありませんが、この選に漏れたところのものですね、そういうものにもやはり融資してやるだけの親切がなければいけないし、またその額が大体どれくらいであるかということを伺ったところが、先ほどのお答えでは、六十億も中小企業の方面には金を割り当ててあるんだ、こう言われるが、果してこの選に漏れた方にはどれだけ融資をすることに骨を折ろうというお考えがあるのか、それをもう一ぺん私は重ねてはっきり御答弁を承わっておきてたい。それがつまり私はまずその保障とみます、この選に漏れたやつにどれだけ金を回して骨を折ろうというのか、その点を伺いたい。
  69. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) この点については先ほどお答え申し上げましたが、まだ調査中でございまして、どの程度の希望があるかという点がはっきりいたしません。それからほかの機械工業全体の問題もございます。六十億のうちどれだけを機械に回すか、従来の率から言えば、大体六割くらいは機械工業に使っております。その相当の部分をわれわれは中小企業庁と相談して機械工業に使わなければならぬと思います。その範囲として、私どもとしては、これに漏れた企業や、適用を受けない企業については、ある程度基準を設け、全体に機械工業伸びるような方向で機械工業部門中小企業金融公庫資金活用していきたい、こういうことで最善の努力を払いたいというふうに考えます。
  70. 藤田進

    ○藤田進君 今海野さんは同じポイントについて、やはりいろいろな角度から質問されていると思うのですが、これに対してのお答えは、しからばこの法案が通らない場合には、やはり世界の水準を与えたときに置き去りになるし困るじゃないかというような格好で、論点がそこのところで大へんずれていると思うのです。これは非常に答弁しにくいところだから、そういうふうに避けられているのかもわかりませんが、私その点だけで一、二点お伺いしたいのですが、本日いただきました——これは三十一年四月六日の資料ですからこの前にいただいたのかもしれないが、この横の罫に書いてある「資本金規模別の業態」、それから「育成の目標および対象企業」というふうになっている資料がありますね。かりにこれで見ると五つの業種があげられてあって、それぞれ右の欄によると、一番上段の歯車で見ますと、専門歯車メーカー、これは約十二で、対象工場だと思うのですが、もう時間がないので一々申し上げませんが、数において相当な本法の対象工場があるわけですね、問題を二つに分けてみて、初めからこの法律によって適用対象とならないものと、それから今、計画にありますように、本法の適用は受けるのだが、しかしこの予算の関係資金のワクから、とりあえず初年度には貸付の対象にはならない、法の対象にはなるのだけれども貸付の対象にならないもの、こういうのではないのでしょうか、その点お伺いいたしたいと思います。
  71. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 御質問の点は機械工業審議会というもので目標をきめまして、それによって対象を選ぶわけになりますが、大体その対象になりますものは全部選びたい、こう考えております。従いましてここで歯車の例で申し上げますと、DINの四級−七級を目標とする、こうなりますと、これに到達し得る工場というものは大体九級以上の技術を有するものである、こういう考え方でそれを全部選びたい、もちろんそうしますと資金関係で第一年度に全業種を並行的に取り上げていくか、あるいは早く特定の業種だけを取り上げてやっていくか、こういう方針のきめ方になりますが、とにかくこの目標に当る企業は全部第一年目にできるだけ、あるいはそれができませんならば第二年目、とにかくこれの対象としておる企業は全部選びたいと考えております。それから対象と申しますか、選ぶ対象の範囲から漏れましたものにつきましては、ここに書いてあります通り中小企業金融公庫関係で選びたい、こう考えております。
  72. 藤田進

    ○藤田進君 そこのところが再三質問されてはいるのだが、あいまいなのは、つまりこのいわゆる十五億のワクですね、ところがここに書いてありますように、あなたはこれに詳しいから言いませんが、五つだけ取り上げてみても、相当企業の数になりますね、機械によっては相当なものです。ダイカストもこの間見せていただきましたが、なかなか大へんな資金を必要とする。そういうふうになると、十五億では足りなくなるのじゃないか、いいですか、足りなくなるということは、法律の審議の対象にはなったけれども、実際には貸付をしていただけなかったという工場がまずあるのじゃないか、この点があるのかないのかということを今お聞きしたい。貸付の対象にならないものができるのか、できないのか。
  73. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) その点は初年度は十五億でございますが、前から説明申し上げております通り、三カ年で百億、それから主要設備としては八十億というふうな金額を考えておるわけです。従いまして二年度、三年度においても、相当額をこれは財政投資の点で現在きめておりませんけれども、通産省としては最大限度の努力を払ってこの資金を確保いたしたい、こういうようにいたしたいと思います。そこで機械工業審議会においてこの目標がきまりましたならば、それに合致するような企業は全部これは育成していきたい、こういう考え方であります。
  74. 藤田進

    ○藤田進君 だからまだわからないの。ですが、簡単に言えば、十五億で対象にしようという計画全体を初年度でみな貸付ができるか、機械を半分買うというわけにいきません。機械を買うならば一台単位で買わなければならぬ、そうなるとおれのところは申請をして対象にはなったけれども、ことしははずされた、来年はおれのところだというのができるのかできないのか。
  75. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) できるだけそういうことにならないようにいたしたいと思います。と申しますのは、全部この十八の業種を十五億で並行的にやっていく場合には、御直間の通りある企業は初年度にみられて、ある企業は二年度にみなければならぬ、こういう事態になると思う。大体この考え方は、十八業種のうちとりあえず早くできるものから七、八業種選ぶ、そういうふうな方向で機械工業審議会で考えてもらいたい、こういうように思っております。ですから原則としてはできるだけそういうことを避けるようにしたいと思いますけれども、ものによっては、具体的に申しますと、一、二ことしと来年にまたがるというものはできるかもしれません。しかしそれは一部でございますから、必ず来年度の相当額が取れますれば、不公平のないように来年度においても必ずそういう資金が取り得ると思います。
  76. 藤田進

    ○藤田進君 そうすると歯車なら歯車は一応申請のあるもの、法律の資格対象になるものだけは、これはもう全部十五億のワクの中で歯車に関する限りは残らないで全部貸付もする、ところが金が余るからというので強靱鋳鉄にやる、ダイカストはことしはだめだった、こういうやり方のように聞えるのです。それとも歯車についてもここに書いてあるが、粉末冶金なり精密ネジなりというのもある、こういうふうにやってやはり十五億の中で操作をするように私は思っていたのですが、そうでなくて歯車は全部近代化、合理化ができるようになって、予算が余れば十五億の中でそれはダイカストに手をつけるものがあるという、歯車でも申請して対象になっていても今回はダイカストも要求しているし、ここに掲げられているこれだけあるわけです。だから同じ業種の中でも貸付を受けて機械を新しくいわゆる更新したところもあるし、しないで来年度以降を待つところもある、そういうふうに考えていたわけですが、実際の運営はどうですか。
  77. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 私の説明が少しまずかったかもしれませんが、十八業種を全部一ぺんにあるいはできないかもしれないということを申し上げたわけでございますが、従いましてこれはものによりましては、たとえば業界の希望も、同じ資金が要ります場合にも第一年度目に全部要るというわけでもありません、従ってものによっては同じ企業でも二年度にわたることもあると思います。従いまして考え方によってはできるだけ対象になる企業を令部取り上げるという考え方でございます。資金が初年度に全部出るというふうなことにはならないかと思います。
  78. 藤田進

    ○藤田進君 今の私の質問は非常にわかりにくいかもしれませんが、先ほどの答弁でみるとそういう同じ業種では貸付せられたところと、貸付せられないところ、つまり初年度と次年度とのそういう差別はつかない。歯車なら歯車という同じ業種ではこれはつかないということであれば、十五億というワクはきまっているのだから、そうなればたとえばダイカストだけは初年度には対象にしないという操作になるのかどうかというのです。
  79. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは審議会で諮った上できまることでございますので、非常に確定的なことを申し上げにくいのでございますけれども、たとえば私の申し上げました、強調しまし点は、先生の御質問で、歯車メーカーで要するに目標到達のために該当するような工場があったら漏れることはないか、不公平がないかという御質問だったと思いましたので、これは取り上げるときには全部取り上げるということを申したわけであります。しかしながら資金の問題はこれは公平に取り扱いたいと思います。しかしながらそれが初年度に全部出るかと申しますと、企業の状況によりましてたとえば五千万円要るという場合は、初年度に全部必要としないということがありますれば残りの部分は次年度に繰り越してもいいという、そういう考え方でできるだけ同じ企業は公平に取り扱いたいということを申し上げたのです。実際資金がやはり十五億に制限されました、それと三カ年にわたりますから、従いまして初年度に幾らか出て二年度に幾らか出て、三年度に幾らか出るということもあり得る。しかし同じ業種におきましてはできるだけ公平に扱って漏れのないようにしたいということを申し上げたかったのでございますが、気持はそうだったのです。
  80. 藤田進

    ○藤田進君 そうすると当初の説明等で考えてこうだろうと思っていた点を確かめてみたいが、それは初年度十五億の中でも歯車対象になる、ここに書いてあるこういう業種はそれぞれ対象になって、そうして審議会等の議がまとまれば十五億はそれぞれの貸付ができると、そういうことなんでしょう。
  81. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) さようでございます。
  82. 藤田進

    ○藤田進君 そこで今の海野さんの言われるように歯車なら歯車だけで、ダイカストならダイカストだけで考えてみると業種が違いますればさして弊害もないかもしれません。歯車だけは本年度十五億程度どこも対象となるものは貸付をするのだ。大体これで精密歯車もできるようになった。そういうことで条件その他というのは大体異なって、同業種ができるわけですからいいが、しかし今のように歯車で、あるいはダイカストでたとえてみても、もうしかしイギリスの機械を入れてそして量産もし、品質ももちろんいい、コスト安というようなことになりますと、残された、たとえば一年、二年、三年置き去りになる。それは各企業状態で、ダイカストなどの事情を聞いてみると、自分たちは下請企業、写真機にしましてもその他御承知の通り、ということになると自然お得意先はそこへ集中してしまうという結果になると非常に問題があるのではなかろうか。これが海野さんのまず第一の質問、それから私どもも同じですが、この法律対象になってさえそうなんですね。対象になっているが、実際には問題は業者はどういうところを問題にしているかと言えば、法律対象になったというだけで喜ぶのではない。対象になっただけじゃなくて結局は金が借りられた、もちろん担保で借りられたという、長期資金だということなんです。ところがそれ以外の中小企業金融公庫で全然法律対象にならないところと、影響としては二つ出てくる。対象になっても貸付ができなかった。貸していただけなかったということで、非常な冷飯というところと、もともと法律対象にならないという中小企業金融公庫対象のものと、しかし影響は同じだろうと思うがそういうものが出てくる。そこでそういう影響をどうするのか、悪い点が出てくるが。それであなた方の方はこれの切りかえしの答弁をやったわけだ。さっき、じゃあこの法律がなくなったらどうするかと、こうきたわけだがそういう理論でなくて、その対象にならなかったところは一時的にせよやむを得ない。国の政策としては、よたよたでとてもこれは立ち行かないというところは自然に整理され得るだろうが、やむを得ないということはなかなかこれは言いにくいことなんで、まあ中小企業金融公庫の方でというか、あるいは二年、三年のうちにというか、そういう説明を今なさった。そこで私どもはこの法律に反対しようという立場でなくて、そういうものができるだけ行政指導や、あるいは中小企業金融公庫はもとよりでありますが、その他の資金等で、これは単なる文章だけになるかもしれないが、そういうことでなしに何とか努力してもらって、ここに付帯決議でもしてこれを通していきたいという意欲を持っているわけです。そういう点からみればその付帯決議をしていったならば、それが行政指導をなさる行政当局においてもこれを受けて立つだけの用意があるかないかだけは確かめてみないと、ただ単にマスターベーションで、われわれの付帯決議を受けただけのことになっては困る。その点について海野さんも私どもも対象になっても貸付ができなかったところ、もともと対象にならないところ、こういう点については悪弊が残るのでそういうことのないように努力をするのか、しないのかということを聞いているわけです。努力すると言えばどういう努力をするかということになるものだから答弁が困るでしょうが、しかしある程度納得のいく答弁をいただきたい。
  83. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 第一の同じ対象になる企業をどうするか、これにつきましては先ほど来申し上げております通りできるだけわれわれとしては同じ業種対象になるものにつきましては、全部これが対象となり得るよう、できるだけ最善の努力を尽すということでいきたいと思います。  それから中小企業関係、これに対象とならない中小企業につきましては、先ほど来いろいろ御説明申し上げてあるところでございます。われわれとしましてもこの説明にも書いております通り、これにつきましてはそれに応じた何と申しますか、それぞれの技術程度、あるいは設備程度に応じまして、中小企業の金庫の利用によりまして、できるだけの努力を払って、こういう企業についても十分努力していきたい、こういう気持であります。ただ先ほど御質問がございました、それは直接貸しの方の、幾ら予定しておるかということにつきましてはまだ調査も行き届いていないので申し上げる段階ではございませんが、そういった気持で努力したい、こういう考えでございます。
  84. 藤田進

    ○藤田進君 あなたの努力はそれでわかりました。今の言葉は適切ではありませんが、中小企業金融公庫を年々増資をいたしましてやっておりますが、これは政務次官もお見えでありますからお答えいただきたいわけですが、私は中小企業金融公庫の運営についても、これは坂口さんなりに来ていただき、あわせて大臣なり政務次官等の約束を得られるならば、私はつけんとする付帯決議が生きてくると思うのであります。中小企業金融公庫の貸付事業を見ますと、最近は実は見ておりませんが、先国会だけで見ますと、旅館、待合業に四億かすでに昨年まで出ていたんです。旅館、待合業という、これはどういうものが一体できているのか、どうしてもその内容を見せないのですけれども、資料を要求してもなかなか金融業としてはお見せするわけにいかないということでありますし、われわれとしてはそれ以上要求は今までいたしておりませんが、これは昨年でも四億か出ていたと思うのです。それから私どもの方で見れば、緩急、事の順序から見て、お医者さんの関係等にもかなり出ていたと思う。そういう業種が大分類せられて、十数種あったと思うのですが、機械工業、それから製造工業というものは相当な数でもあるし、貸付の金額というものは比率から見てきわめて少い。たとえば具体的に努力、協力せられるならば、この機械工業に十五億出すわけですから、中小企業金融公庫もこれとある程度歩調を合せて、もし国の政策が、現内閣の政策が弱小企業をつぶすということに消極的に期待されておるなら別ですよ、そうでなしに国際的な競争下において品質と価格の点において競争力を培養しようとする考え方、一方中小企業育成強化ということであるとするならば、中小企業金融公庫の貸付についてももう少し検討せられるべきじゃないだろうか。確かに旅館、待合も必要かもわかりませんけれども、私は今の鳩山内閣の政策から見てもそういうものが優先するものではないと思うが、実際には優先したような結果になっている。この点については中小企業金融公庫なり、商工中金なり、いろいろな国家の資本で運営しているものについては、少くとも政務次官の方からも一つ御答弁をいただいて、御検討をするようにしていただきたいと思うのですが、御所見を承わっておきたい。
  85. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) 中小企業育成に対しましては、中小企業金融公庫並びに商工中央金庫におきましても従来努力をいたして参ったのでありまするが、ことに中小企業金融公庫でございまするが、御承知のように昨年から約二十億でございまするが、直接貸しを実は始めた次第でございます。そうしてこの直接貸しは、おもに輸出産業に向っての資金を実は貸して参っておる、こういうことは御承知の通りであります。今年はさらに直接貸し資金も増額いたしましたので、そういう金から、こういう面につきましてはできるだけ融資をさせたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
  86. 海野三朗

    海野三朗君 こういう場合はどうですか。私は、これはなお念を押して伺っておかなければならない。たとえば大豆かす工場で非常に金がありさえすればいいのだという際に、その工場が抵当に入っておる場合、銀行はその金は貸しませんか。
  87. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは金融の問題でございますから、最終的には銀行が判断するわけでございますが、この法案でねらっておりますことによります資金は、この前御説明申し上げたかと思いますけれども、担保の問題はまた今後新しく投下します機械を、何と申しますか持ち込み担保ということでとるというのが非常の措置として、できるだけそれ以外の設備について金融が担保を要求する場合はできるだけ少くして、ほかの銀行からの借り入れに支障がないように、そういうふうな建前で話し合いを進めておるわけであります。そういう点を十分考えておるわけでございます。しかしながらこういった問題はやはり金融でございますから、最終的の決定は当該事業が、経営が健全であるかどうか、あるいは債務はどうであるかというような問題が十分判断されて結論が出ることになると思います。
  88. 海野三朗

    海野三朗君 借金がある場合に、その工場機械なりがみんな抵当になって入っておるんだという場合に、たとえば双眼鏡の部品を作る工場でも、もう全部抵当に入っておるんだと、そうして、これを計算してみると、現在の状態でさえも赤字なんだという場合です。その仕事がいいからといってそういうときにはやはりこの法律適用の中に入りますかどうかと、私はそういうことを伺っておるのです。その工場がもう赤字になっておって、清算してみればもう何も残らないのだ、赤字だけだというような工場でも技術がよくさえあれば融資をするのかしないのか。
  89. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) この問題、金融でございますから、やはり銀行が十分当該企業の経営、あるいは資産状況ということを判断して結論を出すわけでございまして、ただここできめております開銀の特別融資というものはできるだけ持ち込み担保を中心として、担保条件を緩和するということをきめたのでございますが、具体的に、非常にほかの担保が多くてどうこうというような、経営内容等が悪い場合にどうかということになりました場合に、金融機関が判断して最終結論を出すということになると思います。
  90. 小野義夫

    ○小野義夫君 これは何ですか、新しい機械というものはおおむね外注だと思いますが、外注をした場合に、受け渡し、デリヴァリは相当機械の方は時間がかかると思いますが、すべて年度内に審査をして、これはよかろうということになる、そして注文を発する、それからそれが実際に工場に据え付けられるという期間の見通しはどういうことに、まあ物によって違うでしょうけれども、大体十五億の対象となる機械のデリヴァリと据付までの期間をどう見ておりますか。
  91. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これはいろいろ物によって違うと思いますが、発注はもちろんできると思います。従いまして手付等は十分考えております。しかし据付まで完了するものは物によりましては困難なものがあることもあると思います。しかしできるだけ、国内の場合には国内の生産を督促いたしますし、また輸入する場合でも輸入を督促して、できるだけ結論が出ましたら早く融資ができるようにいたしたいと思っております。
  92. 小野義夫

    ○小野義夫君 非常に高度の精度を希望しておる場合に、つまり機械機械になるわけですが、機械を作る小道具を作る、つまりその他の機械を作る機械、そういう非常に精度の高い機械日本で今現在できる状態ですか。私はそこに多少まあ精密機械基礎的の機械は外注でなくてはうまくいかないのではないかと思うのですが、その点どうですか。
  93. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) お話の通りなかなか日本で非常な精密なものでむずかしいものがございます。従って、そういうものは外国に注文することになると思います。しかしまた国内でも相当技術伸びまして、あるいは外国から技術を導入いたしまして、あるいは国の試作奨励によりましてできてくるものもございます。これらの問題につきまして、よく技術関係の方々にお集まりを願って相談して選択してきめていきたいと、こういうふうに考えております。
  94. 小野義夫

    ○小野義夫君 そうすると外注の場合においては私はこれはいつまでかかって決定されるか知らぬけれども、この三十一年度予算の金を年度内に支払うことのできないような実際上の注文も相当あるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
  95. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) その点は先ほど申し上げました通り据付が年度内に困難なものも出てくるかと思います。しかし少くとも発注いたしますれば、ある程度の手付は打たなければなりませんし、それからもう一つ、これは大体本年度限りでございません、三カ年計画で考えておりますので、そういった場合にはやはり何といいますか、できるだけ本年度内にスタートする、広い範囲でそういうことができるようになるじゃないか、こう考えるのであります。
  96. 小野義夫

    ○小野義夫君 そこで先ほどの藤田委員質問の点と私も同じ疑問を持つのでありますが、やはり選択する場合にはこれこれは対象にして、そして改良をやらせたいが、年内金融の事情でそうはいかない、一体取り上げるけれども、これはたとえば次年度には必ず予算に計上するであろう、けれども今年はだめだ。また今年は払うつもりで計上したけれども、事実それを、支払いの段階に至らないから、また今一応採択したものの一応金融からオミットしたけれども、またそれの方を復活するというような、実際問題としてはいろいろの操作が行われるのではないかと思うのですが、それはどうなんですか。
  97. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 実際問題としては、御指摘のような点が部分的にあるいは相当出てくるのではないか、こう考えられまして、そこら辺をやはり十分運用について考えて、慎重に目的に沿うように努力していきたい、こう思います。
  98. 小野義夫

    ○小野義夫君 先ほどから同僚委員がもうしばしば反復質問された点であり、これはこの選に漏れた機械、これは伸びのあるものを取り上げて、非常にそこを発達せしめるとそれに随伴いたしまして、たとえば船舶の注文が非常に、いろいろな機械精度が高まるために日本によけいくる。従って今までこなかったものもどんどん参って、他の工業も繁栄する。これは一つの産業が興ると必ずや他のものも興ってくる。これは当然の現象ではありますけれども、同じく機械工業でやっておるのであるから、これはこれでしごくいい名案かとも考えますけれども、ただ単にいわゆる中小企業金融公庫というものでこれをまかなって都合よくやるんだというのでなく、もっと組織的な、何か法案というものを考えておられるのではないでしょうか。そうあるべきではないかと思うのですが、その点はどうなんですか、金融以外で。
  99. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 金融以外でも、たとえば設備の補助金、そういうふうなものもございます。それからわれわれとしましては、直接貸しの場合はどんなものを、どんなふうな業種をどんなふうにいたしていかなければならないかというような貸付基準というようなものを作って、中小企業庁とも連絡して、そうした格好でできるだけ指導方針といいますか、そういうふうなものをはっきりして伸びていくものを伸ばしていくかという、こう考えておる次第でございます。
  100. 小野義夫

    ○小野義夫君 それではつまり、今、中小企業の問題はたとえば鋳物とかその他のものにしましても、非常に競争激甚というために、多くはその経理が悪くなってきて、いけなくなると、その競争激甚で非常に市価の安定も失ってしまっている。従って粗悪品もまあやむを得ぬ。こういったように安かろう悪かろうというふうに品位は低下してくる、値段は下るという、それを何か防止するような法案というものはないのですか。
  101. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 今のこの法案では合理化カルテルということに徹して考えておりますけれども、御指摘のように非常にたくさん業界が乱立して価格が下り、あるいはことに最近輸出等も安売りをしているというような事態が起ります場合には、やはり中小企業安定法によって調整組合、あるいはそういうような方法で業界についての調整を行なっていく道がある。われわれはそういう事態が起りますれば、そういうふうなことで善処していきたいと考えております。
  102. 海野三朗

    海野三朗君 今、ちょっと一つだけ重工業局長にお伺いしたいのですが、あなたは銀行屋でないから知らぬとおっしゃるかもしれないけれども、この、ミシン工業につきまして、山形のハッピー・ミシンが開銀に融資を申し込んだところが、これは抵当に銀行に入っておるから貸さぬといって断わられた、そういうことなんですが、それもやはり銀行屋じゃないからあなたの方は御承知ないとおっしゃるのですか、どうなんです。
  103. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 前に御質問がございましたので調べました。その結果は結局開銀に申請がありましたのでございますけれども、結局担保の問題で開銀と両羽銀行でございましたが、担保はどちらが優先するかという問題で、両方の銀行の間に話し合いがつきませんので、会社からその点が解決できなかったので取り下げたというふうに聞いております。
  104. 海野三朗

    海野三朗君 そこでもう問題は銀行の方に入りますから、あと質問はいたしませんが、この前お願いをしておきました開銀の総裁を一度この席に呼んでいただきたい。融資の問題については私は二、三重要なことを開銀の総裁に聞きたいと思うのですから、ぜひ開銀の総裁をここに呼ぶようにお取り計らいをお願いいたして私は質問を打ち切ります。
  105. 阿具根登

    理事(阿具根登君) じゃ質問を続けますが、十八業種というのはこれを拡大する意思がありますかどうか、その点を……。
  106. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これはとりあえず立ちおくれのはなはだしい部門を選びましたわけでございますが、将来資金問題等関係ございますので、そういう点を考えて、必要な事態につきましてさらに追加する必要が生じました場合には追加いたしたい、こういうふうな問題はやはり機械工業審議会によく諮りまして考えていきたい、こう考えております。
  107. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 十八業種を選定される場合に、鉄道の車両等の問題も出たやに聞いておりますが、そういう点についてどういうお考えを持っておられるか。なお一つこの工業部門には繊維機械は全然入っておらないが、繊維機械はそういう特殊な環境にあるのかどうかあわせて御答弁願います。
  108. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 車両あるいは造船について適用したいという話が運輸省当局からございました。しかしこれは大企業部門とそれから部品部門と両方ございます。これらをどうするかという問題、そういうふうな問題もございましたので、それから同時に資金のワクの問題もございます。そういうふうなわけで、今回はこの対象としないことにいたしたわけであります。今後この問題につきましては両省でよく研究して、これは運輸省の所管になりますものが多うございます。部品については通産省の関係もございますが、そういうようなわけで別の単行法でいくか、あるいはこの法律考えていくか、資金の問題とにらみ合して、あるいはほかの業界の考え方とにらみ合して今後研究していくということになっております。  それからその次の繊維機械の問題は、繊維機械についても確かに合理化する必要はございますけれども、どちらかと言いますと、ここで今度選びました業態に比べますと、繊維機械は現在相当輸出も出ておりまして、相当伸びている事業であるというふうに見えないこともございません。そこで一番問題は、繊維機械の問題は今後の輸出をどうするかという問題、あるいは国内の需要、たとえば今度の設備制限等が行われた場合にどういうふうにやるかというような市場開拓の問題が現在の焦眉の急でございます。これらについてできるだけ努力してこれと並行して将来そういうふうな市場開拓が十分できますような場合には、さらに繊維機械についてもこれまた資金のワクにも関係ございますが、考えていきたい、特に繊維機械についても、紡織機というものは現在相当出ておりますが、そのほかの仕上げ部分とか、あるいは染色整理機械とか準備機のようなものにつきましてはそういった必要が将来出てくるのではないか、こう考えておる次第であります。
  109. 阿具根登

    理事(阿具根登君) それから先ほど同僚委員質問の中でも、非常に重要な部分は逃げられて、審議会の問題だということを答弁されておりますが、審議会の構成の五十名の内訳は、学識経験のある者のうちから任命するということになっておりますが、学識経験の内訳をお示し願います。
  110. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) これは学識経験ある者と申しますといろいろございますわけですが、大体機械工業全体について知識経験ある方々、あるいは当該の基礎部門部品部門について相当学識経験ある方、あるいは金融関係についての方、あるいは関連産業あるいは学者、そういうふうな関係の方から適当なこの審議会の目的を達成するに必要な方々を選ぶべきではないかと、こういうふうに考えております。しかしながら具体的にまだどうこうという問題については人選を進めておりません。
  111. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 審議会を作るのは皆さんの方で作られるのですから、逃げる方法はないと思うのですが、学識経験というものは学識と経験と分けるのですか、それとも一緒ですか。私が聞かんとするところは、経験の中には労働者が入るか入らないか、そういう問題です。これを労働問題として取り上げて私は質問しておるのではなくて、労働者の人格をどの点に見ておるか、こういうことですからどうぞはっきりと御説明を願います。
  112. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 別に考えているのではないと、こう考えます。
  113. 阿具根登

    理事(阿具根登君) いや、端的に言って五十名のうちの中に労働者も審議委員考えておられるかおられないか、入れられるか入れられないか、こういう問題です。
  114. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) この審議会の目的機械工業振興をはかるためにあるのでございます。従いましてあるいは能率の問題とかいろいろそういった専門的な部分もあるかと思います。さような意味で労働関係の方でさような経験あるいは学識のある方がございましたらこれは考慮できると思います。
  115. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 学識があって経験があるというなれば、労働者でなくても当然それへ入るべきものだと私は思うのです。ところが一番経験のあるのは労働者だと私は思うのです。しかもこれが二人か三人ならばいざ知らず、五十人もの審議会の委員の中に、実際その機械を作っておる人が入らないという方法は私はないと思う。だからはっきりと労働者もこの中に入りますという御答弁があってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
  116. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) ただいま申し上げました通り、この目的に必要だということで労働者も労働関係に従事している方も経験あるいは学識がございましたらこれは考慮できるということを申し上げておきます。
  117. 阿具根登

    理事(阿具根登君) また同じことを言わなければならなくなりましたが、学識がなかったならばだめだと、なぜ私が学識と経験とを分離しておるのかという問題なのです。
  118. 鈴木義雄

    政府委員鈴木義雄君) 学識と経験とは先ほど申しました通りならば経験があればだれでもけっこうでございます。
  119. 阿具根登

    理事(阿具根登君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  120. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 速記を起して。  ほかに御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。
  122. 海野三朗

    海野三朗君 私は社会党を代表してここに討論をいたしたいと思います。  この本案のねらいは経営者育成方式の採用であり、また専門生産性、規格統一のため合理化カクテルを実施するのがそのバック・ボーンになっているようであります。従って今、日本の現状から見まして国際間の競争を考えますときにはやむを得ない法律であると思いまするが、この中小企業振興育成という点については全く考慮されていないように思われるのであります。従ってこの選に漏れたる会社業者は非常な不安に襲われることは当然であります。すなわちこの弱小業者の不安は解消されていない、こういう点から考えまして私は今まで再三政府当局に向ってこの保障を要求したのでありますけれども、時間の関係やら何やらで今直ちに保障ということは御答弁ができないように思いました。であいまいもことしておられる御答弁のように私は受けたのでありますが、この機械工業振興臨時措置法案はぜひとも現在の重要なる仕事であり、これをして一日も早く国際市場に日本機械工業が顔を出して競争場裏に戦っていかなければならない現段階におきましては、この弱小企業者の不安というものをないがしろにするわけには参りませんので、この点については特に政府当局に私が要求をいたしたいのであります。  それでこの法案に対しましては付帯決議といたしまして、ただいま読み上げてみたいと思いますから委員の方々にはどうぞお聞き取りを願い、御賛成を願いたいと存じます。    付帯決議   本法による貸付の対象とならない中小企業が競争条件の上で不利となるおそれがあるので、政府は本法の実施に当り、このような企業に対し資金の確保その他の助成策に遺憾なきを期し、機械工業全般の技術水準を向上せしめ、以て品質の改善とコストの低下が実現できるよう努力しなければならない。  この付帯決議をつけまして本法案に賛成の意を表する次第であります。何とぞ委員の方々御賛同あらんことをお願いいたします。
  123. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 他に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  124. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 御異議ないと認めます。  これより採決に入ります。  機械工業振興臨時措置法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  125. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました海野三朗君提出の付帯決議案を議題といたします。海野三朗君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  126. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 全会一致と認めます。よって海野三朗君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりましてこれを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 御異議ないものと認めます。よってさよう決定いたしました。  報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますので、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
  128. 川野芳滿

    政府委員川野芳滿君) 政府といたしましては、ただいまの決議の趣旨を尊重いたしまして、選ばれた企業ばかりでなく、その他のものにつきましても金融の面あるいはその他の助成策を講じまして、万遺憾なきを期したいと存じます。
  129. 阿具根登

    理事(阿具根登君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時十二分散会    ————————