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海野三朗君 私は
中小企業庁長官に重ねて
お話を申しておきたいと思うのですが、昨年でありましたか、
関東金属という
会社があるのです。ここは
機械の
製造工業です。でここで金を借りたいからと言うてきましたが、それはこうこうこういうふうにしてその出先に行って金を借りろということを教えてやりましたところが、その
取引銀行は
都民銀行であった、そうしたところが
書類を出せと言われて、
出した
青写真の数が何と四十枚以上になっておるのです。それをようやく作成をして、
注文先はこれこれである、それでこれから上る
利益はこれこれ、それであるからこれに金を七百万円ほど
出してもらいたいという話だったのです。ところが結局その
青写真も私見たのですが、四十枚以上ですよ。ところが結局
都民銀行の方ではそれには貸されない、不確実であるから貸されないということになってそこがばかをみたわけです。四十何枚の
青写真を幾組も作りましたが。それと私が重ねて申しますのは、単に
銀行屋だけにまかせておっちゃいけないんだ、
銀行屋はその
利益の上る方にしか
出しませんから。それで今この
工業方面の
資金に因っておるところを救うということにはなっていない。
都民銀行です。これは明らかに私ははっきり申し上げますが、
東京都内にある
都民銀行です。私はこの
中小企業金融公庫というものを設立したその根源にさかのぼって
考えてみると、本来の
趣旨に沿うていない。そういうことがありますから、特に私は
中小企業庁長官にやかましく申し上げますのは、本来の
目的に沿うようにしていただかなければならない。そうでないと
利益の上る
方面にばかり
銀行がやっていくものですから、
中小企業の方には
あまり力を注がない、
都民銀行はその
一つの例でありますが、
青写真も作れということであって、
青写真が一組で四十何枚です。これは大した膨大なものです。
機械設備から全部作らして、作らしたあげく、お金を貸さない、ああだめだ、それでは仕方がないと断わったのです。何ともしようがない。こういうのを私は眼前に見ておるのでありますが、これらに類似した事柄はたくさんあるだろうと私は思うのです。もしだめなら初めからだめだと言ってくれればいいのだけれ
ども、
窓口まで引きよせておいて、さんざん
青写真を作らしてしまって、それから断わるという、たしか
関東金属かなんかの
会社です。相手方は
都民銀行、そこにも私は電話で言ってやったことがあるのです。ここの工場をよく調べてどうにかしてくれということを言ってやった、結局そこで
都民銀行で
重役会議にかかった。ところがどうも
不安心である、ここには金を出さんということに
重役会議できまったから出さないと、こういう返事であった。そういうような
現象が
東京都ばかりではなしに、
地方にも私はあるだろうと思うのです。
注文がこれだけある、これこれから
注文をもらっておるから、これだけの
還元債務をすれば助かるのであるからと言って精細に調べた、四十何枚ありました。そういうことがありましたので、私は
法案が出ると、また去年のことを思い
出して、特に
企業庁長官にその辺に対するはっきりした御信念を私は重ねて伺っておきたい、こう思うのです。