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1956-02-09 第24回国会 参議院 商工委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年二月九日(木曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三輪 貞治君    理事            高橋  衛君            河野 謙三君    委員            西川彌平治君            白川 一雄君            中川 以良君            深水 六郎君            阿具根 登君            海野 三朗君            上條 愛一君            藤田  進君            上林 忠次君   衆議院議員            首藤 新八君   政府委員    通商産業政務次    官       川野 芳滿君    通商産業省軽工    業局長     吉岡千代三君   事務局側    常任委員会専門    員       山本友太郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○小委員補欠選任の件 ○砂利採取法案衆議院提出)(第二  十三回国会継続) ○高圧ガス取締法の一部を改正する法  律案内閣提出)   —————————————
  2. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ただいまから本日の委員会を開きます。  この際お諮りいたします。去る二月三日栗山良夫君が商工委員を辞任されましたので、委員長国産車振興に関する小委員でありました栗山良夫君の補欠として藤田進君を小委員に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。   —————————————
  4. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) これより砂利採取法案を議題といたします。前回の委員会において本案に対する修正案が提出され、提出者阿具根登君よりその趣旨説明が行われたのでありますが、右修正案について質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
  5. 河野謙三

    河野謙三君 この際一点だけお伺いいたしたいのですが、本法提案趣旨によれば、現在地方ボスと結びついたところの不徳義な権利の上にだけ眠っておる業者というものが非常にある。これを撲滅したいということが本法趣旨であることはたびたび提案者から強調されておりますので、現在まででも、私よく知りませんけれども、河川法の第何条かによれば権利譲渡ということはできないことになっておりますね。しかるにこれらの不徳義な業者のために相変らず権利譲渡というものが公然の秘密として行われておるということにつきましては、これは提案者もお認めになることですが、しかるにこれをなぜ河川法条項に照らして禁止ができなかったか。どういう点に行政的に法案に従って権利譲渡につきまして禁止する措置がとれなかったか、この間の事情を一つ伺いたいと思います。
  6. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) 政府委員の方から答弁いたさせます。
  7. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 御指摘のように河川法のたしか第二十一条だったと思いますが、砂利採取に関する権利譲渡できないという明文があるわけでございます。従いまして法律上これは禁止せられておりますので、われわれとしてはそういう実態を具体的に実は承知しておらないわけでございますが、御指摘のような点も耳にするわけでございますので、今回の砂利採取法案運用に関する要領といたしまして、建設省と打ち合せをいたしまして、採取事業を行う意思がなく、単に許可を得てこれを他人譲渡し、あるいは他人事業を実施させて利益を得る目的のある者には許可せず、また与えた許可を取り消すという方針を指示することにいたしております。それからさらに許可の際には、着手期日等を明確に定めるということにいたしまして、着手期日を経過しても採取着手せず、実際に採取を行うことを認められない、また正当の理由なく他人に行わしめたときには許可を取り消すという条件をつけると、こういうことに建設省と打ち合せをいたしておるわけであります。さらに御指摘の点でございますので、今後これらの点につきましては、この法案成立機会といたしまして一そう監督上、厳正を期して参りたい、かように考えておる次第であります。
  8. 河野謙三

    河野謙三君 そういたしますと、具体的には認可を与える際に、認可条件として権利譲渡認めないという措置をとられるわけでございますか。
  9. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 河川法の第二十一条に、「本章ノ規程ニ依リ与ヘタル許可ニ依リテ生スル権利義務ハ地方行政庁許可受クルニ非サレハ之ヲ他人ニ移スコトヲ得ス」という明文があるわけでございますが、これをさらに許可の際には、条件によりまして相手方に明確に認識させまして、一そうその運用の適正を期して参りたい、かように考えておるわけであります。
  10. 河野謙三

    河野謙三君 現に法文にあるにかかわらず行われておると、この事実はお認めになりますね。でありますからよほど強硬な措置をとられませんと、この権利譲渡の行為というものは今後相変らず繰返されると私は思うのであります。でありますから、例外なしに権利譲渡はできないのだというふうにするには一体、私はあらためて伺いますが、どうしたらその的確が期せられるか。
  11. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 従来前々から提案者からも御説明がございましたように、非常に短期間許可であり、また重複許可等が行われておる。従いまして行政庁との手続関係業者としては非常な負担になっておった。そういうような関係で、他人の取得いたしました権利を譲り受けてやることが簡便であるというような考え方もあったかと思います。さらに許可に際しまして、この砂利採取業重要性という点において、やや不十分な点があったのではなかろうかと思います。で本法成立によりまして、区域期間等につきましても砂利採取業の安定した運営が成り立つという点をも考慮することによりまして、まじめな業者地位も安定し、安心してその経営ができるということになれば、その面からの一つ権利売買というような原因は除かれるのではなかろうかと思うわけでございます。もちろんこれを機会にこの砂利採取業に対する行政運用ということが法的にも明確にせられましたので、今後はこの法案趣旨とするところに従いまして、これを適正に運用して参るということに努力いたして参りたいと思います。
  12. 河野謙三

    河野謙三君 いや、はなはだくどいようですが、局長行政官としての気持はよくわかるのですがね、これを徹底的にその権利譲渡をなくすためには、どういう措置をとられるおつもりかと言ったのです。具体的に私は一番徹底しているのは、本法の中に、河川法の二十一条にあろうとなかろうと、本法にも権利譲渡禁止条項を入れるのが一番徹底していると思いますけれども、この段階まできて、それは非常に手続上めんどうだということであるなら、行政指導の面でどういう措置をおとりになるかと、権利譲渡認めないという御趣旨はよくわかる。その精神でやられると、気持だけじゃなくて、その気持を具体的に現わしたものはどういうものになるかということをお尋ねしたわけです。
  13. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) まず率直に申しまして、従来業者地位もきわめて不安定であったわけでございますので、これをまず安定するということが、この法律によって相当程度なし得るのではないかと考えております。で具体的の行政上の運用考え方といたしましては、まず許可に際しまして十分にその申請者実態と申しますか、まじめにこの砂利採取業運営する人間であるかどうか、その点を十分に検討いたしまして、許可そのものについて慎重を期して参る、さらに逆に積極的方面から申しますと、まじめにこの事業運営していこうという人間に対しましては、期間とか区域等の点につきまして、この法律趣旨とする安定性を与えるその積極的な考慮と、一面消極的と申しますか、まあいいかげんな判断で簡単に、軽々に許可して参ることは十分慎重にやって参る。その術面考え方から、これを御趣旨のような点に運用して参りたい、かように考えております。
  14. 河野謙三

    河野謙三君 私はもっと率直簡明に具体的の措置を伺いたいのですけれども、ではもう一つ別の立場から伺いますが、河川法の二十一条というのはあるのですね。しかるにこの二十一条を無視して権利譲渡というのは、現実に行われているのですね。この行われている権利譲渡というのは無効ですか有効ですか、これを一つ伺いたいと思います。
  15. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) 二十一条は御承知の通り権利譲渡するときには行政庁許可を受ける、こういうことになっておるわけであります。従ってわれわれとしては、権利譲渡があった場合には、当然行政庁許可を得たものというふうに解釈しておりますが、問題は、河川法許可を受けなければ譲渡できないということになっておるけれども、しからばいつま権利を持っておっても、それを取り消されるという一つの半面の制約は今日までなかったわけです。権利をいつまで持っておってもいい。そこに今までおもしろからない問題が起っておったと私は考えております。そこで今度は一定の短期間着手期日を指定して、それで着手期日が来ても着手しないという場合には、それを取り消すということによって、いたずらに権利のみを持っておって着手意思のない者は、当然権利の取り消しをする。ここにおいてある程度の制約ができる、こういうように私は考えております。
  16. 河野謙三

    河野謙三君 今までの河川法の第二十一条というのは、裏返せば、権利譲渡認めておるということになるわけでありますよ。行政庁許可を得れば、許可ももらえるということになるのですよ。そこに二十一条というのはかえって弊害があった。ですから行政庁許可があろうとなかろうと、当初から権利者に対して認可を与える場合に、これは事業を遂行しない限りにおいては取り消すのだ、取り消す以外に何ものもないのだということにすっきりしないと、提案者が非常に心配されておる、本法によっていわゆる一部の利権屋のおもちゃになっておるところの砂利権利というものを、撲滅しようとする趣旨が徹底しないように思うのですが、どうなんですか、それは。
  17. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) 本問題はこの法案の一番骨子だとわれわれ考えておるのでありまするが、そうしてそれは砂利採取法案第十一条の運用においてこれを厳格に一つ実行いたしたいという気持を持っておるわけであります。そうしてこの十一条の運用のおもなものは、先ほど申し上げた通りに、許可を受けようとするときには着手期日採取期間採取区域採取の方法、採取数量、及び採取量、または払い下げ量をきめるほか、着手期日を経過しても着手しないという事実があった場合には、すぐにこれを取り消して他のやる意思がある者にこれをやらせるということを厳格にやれば、多分そういう権利のみを売買とする目的を排除できるのではないかと、こういうように実は考えておるのであります。
  18. 河野謙三

    河野謙三君 どうも私は、この本法だけによって河川法の二十一条との関係は、全部解消しないと思うのだが、河川法の二十一条というのは相変らずあるわけですね。もし権利譲渡をしようと思う者は行政庁認可を得ればできるのだ。ところが本法提案者趣旨権利譲渡というものは厳格に規制していこうというのでしょう。そこの関係においてどうも私は、相変らず権利譲渡というものは行政庁認可というけれども、行政庁認可そのものが非常に今までずさんだったのだから、そこに本法提案者趣旨もあったわけだから、でありますから本法提案者におきましては、この本法の中に権利譲渡禁止するか、さもなければ通産省の方ではっきりと、権利許可を与える場合には権利譲渡は一切認めないのだ、例外認めないのだというような具体的の行政面を担当されておる行政庁の方から私は伺わなければ、これはちょっと困るですね。
  19. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 御指摘のように、本法はこれは公法上の権利でございますから、これをむやみに譲渡するという場合に、これを正当な理由づけのできる場合は少いかと思いますが、一切譲渡禁止していいかどうかという点につきましては、今後さらに実際上の実態を十分に検討いたしまして、公益上、あるいはこれによって砂利採取法の健全な運営を促進されるというような明確な理由のない場合はこれを許可しないということを、運用方針として地方庁に指示するということにして参りたいと思います。
  20. 河野謙三

    河野謙三君 ほんとうは私この質問を一、二分でやめようと思ったのですけれども、どうもこの問題は私だけじゃない、ほかの委員の方もこれは非常に重要なポイントだと思うのですよ。これは本法によって今までの短期間許可長期にわたるわけでしょう。少し誇大にものを言えば、これは一つ鉱業権を与えることになるのですよ。でありますから一ぺん許可を取ると、一つ鉱業権を取ったような気持になって、長期でありますから、権利譲渡というケースは今までよりもよく起ってくるはずだと思うのですよ。ところが提案者の方はそういうことは今までよりも一そう厳重に規制するのだと、ところが長期でありますから、そのケースはふえるには間違いない。これに対してあらかじめこの法律によって備えるか、さもなければ行政指導の面において、あらかじめこういうふうに備えるのだということを私は伺っておかなければ、どうも私は提案者趣旨と非常に違った結果が生れると思うのですがね、これはどうなんでしょう。  ちょっと私は休憩してもらいたいと思います。これはほかの委員の方に私は聞いてからさらに議事進行したいと思う。
  21. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっと速記をとめて。     午後一時五十八分速記中止    ————————     午後二時十三分速記開始
  22. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をつけて下さい。
  23. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) 先ほど来河野委員、その他の委員の方から採取権譲渡につきましてのいろいろ御注意をいただきまして、私どももなお十分実態を今後勉強して参りたいと思っておりますが、そういう御趣旨のような点から、当分の間はこの採取権譲渡は一切認めないということを指示することといたしまして、どうしても本法運用上積極的にその必要があるという点が明確になりました場合は、さらにその理由を明らかにいたしまして、当委員会にも御了解を得ました上で、きわめて限定された場合にのみ、その際には御考慮をお願いする、それまでは当分の間は一切それを認めないということで運用して参りたいと思っております。その点を御了解いただきたいと思っております。それからなお、阿具根委員からお尋ねがございました、本法第十一条の運用による許可期間につきましては、手掘り採取業者については六カ月、機械採取業者につきましては一年を基準といたしまして許可するように運用して参りたい、これもその趣旨を通知することにいたしたいと思います。
  24. 海野三朗

    海野三朗君 私はこの修正案に対してちょっとお伺いいたしたいのですが、十一条ですね、十一条で「河川等管理上その他公益保持の上に支障がある場合を除き、」と、この河川管理上あるいは公益保持の上に支障がある場合というのは、どこで判断をするんでありますか。これはその主務官庁、たとえば建設省とか地方通産局とかに願いでも出してやってもらうのか、許してもらうのか、あるいはそうでなしにやり得るのか、その辺はどういうもんですか。その辺どういうふうに河川管理上お考えになっていますか。
  25. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) これはですね、河川管理上のいろいろの制約はあります。従ってその制約に違反せない場合、さらにまた公益的な事業である電源開発であるとか、あるいはその他の場合にも、その場合、実際を考慮いたして、電源開発等支障があるというようなときには、これは許可しない、こういう支障のない場合に限ってこれを許可するという趣旨であります。
  26. 海野三朗

    海野三朗君 この河川管理支障があると判断するのはどこで判断しますか。
  27. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) これはその区域を担当しておる行政官庁でこれを決定するのであります。
  28. 海野三朗

    海野三朗君 そうしますと地方通産局になりますか、またこれは建設省になりますか、あるいは県庁あたりになるのですか。
  29. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) 行政官庁地方府県であります。
  30. 海野三朗

    海野三朗君 そうするとその府県の方には、つまり願書を出すわけですね。願書を出して、県の許可によって効力を発生するというわけですか。
  31. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) その通りでございます。
  32. 海野三朗

    海野三朗君 そういたしますと、これはもう全部地方通産局ではなしに、県の方に入りますか。
  33. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) お説の通りであります。
  34. 藤田進

    藤田進君 今のに関連して、従来の説明もあったことだけれども、またそれが速記に載るということになれば……。許可するに当っては地方庁、つまり県知事県知事はその内規に従ってしかるべき機関、土木出張所長等に委任するというようなことがとられ得ると思うのですね。その通りだというお答えなんですが、そうして砂利採取法案に照らしてどうだという、そういうことについてもこれは本省は通産省でしょうから、これとの関連はどういう手続をとられるのか、関連して伺いたいと思います。
  35. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) この問題は建設省通産省両方にまたがっております。さらに実際に許可をするのは地方府県、三本建てになるわけであります。従って許可をいたしまする場合には、当然事前通産省建設省主管官庁合議の上で、合議が成り立った場合に許可する。その許可府県がこれの責任を負うということになっております。
  36. 藤田進

    藤田進君 実務の場合を考えた場合、あらかじめ基本方針なり今るる議論になった通牒その他そういう場合はできるが、具体的な許可について各省庁間において、あるいは地方庁間において見解が違う場合もしばしば起き得ると思います。その地点の何坪か何立米かのものが、果して水害の支障があるやなしやとか、その他あると思います。そういうこさい事案について、ことごとく御協議なさるのかどうか。むしろそういう面の方が国民として、あるいは業者としては一番重要なところだろうと思うが、そういう場合の扱いはどうなさるのかというお尋ねをしておるわけです。
  37. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) 大体地方行政庁に対しましては、建設省通産省の間で許可内規というものを作ってこれこれのものは許可すべきである、あるいは許可すべからずという内規を作って、示唆しておきたいと思っておるわけであります。で、しかも実際においてその内規に該当せない場合どうするかということでありまするが、それはただいま申し上げた通りに、河川管理人、あるいはさらに進んで建設省あるいは通産省事前合議し、そうしてその合議ができた場合に許可をいたすという順序をとりますれば、支障のない運営ができるのではないか、そういう考え方をとっております。
  38. 藤田進

    藤田進君 そうしますと、内規その他の段階では御協議になるだろうが、具体的な許可申請が出てきた場合には、内規その他に照して、窓口としては県知事のところ一つと、そうして県知事判断においてそれが許可、不許可がなされる、こういうことになるわけでしょうか。
  39. 首藤新八

    衆議院議員首藤新八君) その通りでありまして、その許可をする場合の県知事は、事前に示されておる内規を標準としてそれで許可するとか許可せないとかきめるということになると思います。
  40. 藤田進

    藤田進君 修正案について若干質疑をいたしたいと思います。これは提案理由説明にさらに詳しい説明もすでにあったようですので、二、三の点についてお伺いをいたしますが、その「第一条中」以下見受けるところ字句修正という点で、さして内容に変更が加えられたとも解せられないようでありますが、この際明かにいたしたいと思います。そこで五条の「「採取管理者選任」」、以下修正案に示されておるようにこれを作業主任名称を変更することになっているのです。この場合原案にある「管理者」と修正案にある「作業主任者」と、この間の相違についてまずお伺いしたいと思います。
  41. 阿具根登

    ○阿具根登君 これは実際から申し上げますならば、第六条で、第三条の公益保持というものをうたっておる。これを管理しなければならないということになっておりますが、第五条の見出しから、これが採取管理者ということになれば、一応これは官庁の命によってやっておるものだというようなことに考えられるわけであります。しかもそれをまあ命令するものはこれは業者である。そういう二足のわらじ的のことをやったならば、今までやられておる他の法案でも見られるように、政府が考えておる、この法律が考えておるその精神のほかに、その人たちの生活は業者から与えられておる。そうすれば業者の言うことだけしか聞かない管理者というのは考えられない、こういうような考え方からその作業責任者である、その作業責任者砂利採取に当っては責任を持っておるということになりますと、これが違法な場合でも業君に一番強くその責任はかかっておる、こういう考え方から管理者という言葉を抜いて作業主任者、いわゆる業者は他の地方におってそうして仕事をさせておる、その人を管理者というような感じ方でなくて、作業主任者だ、あくまでもそこに責任があるのだ、こういうような考え方主任者ということに直したわけです。
  42. 藤田進

    藤田進君 そういたしますと、河川法並びに砂利採取法、この実定法上の権限等から見れば、これはあくまでも請願者であるその人に、刑法上その他の責任がなければならぬと思うわけですが、その点と、それから現場での作業主任との責任範囲相違ですね。それが管理者の場合は、政府筋からかねて聞いていたと思うのですが、作業主任という名称になった場合との相違ですね。そういう点はどういうふうに解せられておるのですか。
  43. 阿具根登

    ○阿具根登君 私はこの管理者というようなものは、これは第三者的なものでなければならないと思っております。その作業に直接関係のある人が管理をするというのはおかしいのだ。そのためにこれは河川法にいう、あるいは行政官庁から指名された管理する人がおるはずなんです。そういう人とこれは厳格に分離しておかねばならない。あくまでも作業のこれは責任者である。しかしその責任者はいわゆる管理面からそれを侵さないように十分やられている。侵した場合は、その主任者だけの責任でなくて、その作業主任者というものは業者から委任されておる。いわゆる業者の出先であるから、これは業者に最も強くその責めを負わせることができる、こういうような観点と、しからばその業者主任者は要らないではないか、こういうことになるわけでございますが、そうすれば、仕事をする場合に一々業者を遠いところから呼び寄せるとか、あるいは連絡をとるということが非常に不便であるから、その代行者としてこれを主任者とする、こういうことであります。
  44. 藤田進

    藤田進君 この際政府にお伺いいたしておきますが、管理内容省令にゆだねられているようでありますが、この「管理者」という原案に対して「作業主任」という、今修正者説明がありました内容修正案が通過した場合における省令内容について、その概略を御説明いただきたい。今大よそ考えられているところの政令についてですね。特にこの作業主任にどういう点を委任するというところにまで及ぶのかどうか、責任範囲の問題などについて……。
  45. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) この法律に基きます罰則等は、これは原案におきましても事業主そのものにかかるということになっておりまして、この点は「採取管理者」が「作業主任者」に変りましても何ら変りはないわけでございます。ただ、先ほど阿具根委員からお話がございましたように、「採取管理者」という字句河川管理者というような観念ともややまぎらわしい点もあるかと思います。またこれによって事業主責任が免れるのではないかというような印象を与えるような点もございますので、ただいま御説明のありましたように、これはあくまで現場作業主任者である。この砂利採取を行うにつきましては、いろいろ技術上の問題もございます。また多数の労務者を、中にはまあ十分知識経験を持たない臨時の日雇人夫等を使う場合もあるわけでございますから、この点につきましては、やはり現場作業の指揮監督を行うという意味の人がおった方が、行政運用上も好都合じゃなかろうか、また運用によりましては、その作業主任者というような地位法律上明確にすることによりまして、その本人も自分の地位を権威づけられ、責任を感じて職務に励んでいただくというような面もございますので、ただいま考えておりますところでは、採取の技術面の問題、それから現場の労務者を、この河川の管理その他公益目的に沿うように実際の作業をやっていただくという面におきましてこれを十分に指導いたすということを中心に運用して参りたい、かように考えておる次第でございます。
  46. 藤田進

    藤田進君 私がお伺いいたしたいのは、許可する場合には、許可条件として、範囲なり、ことに堤防から何メーターとかいろいろなことがあるわけでございますが、しばしばその作業が受け取り制などになったりして、とにもかくにも能率を上げるということに実際は重点が注がれやすい。そういう場合に作業主任者等が許可条件を順守して、これは季節的には突如として水害の起らないこともない、いろんな事態を河川は持っておるわけでありますから、そういうときに万全の態勢がとれる。しばしば監督官庁が出向いて、刻々の作業を監督しなくても、これらの人によって安全が守られていくということですね。そういうことだとするならば、これに政令としてはどの程度の知識を有するものあるいは責任の範囲はどの程度のものというようなことがあって、むしろ政令の面で作業の前任者にある程度の権限というようなものが裏づけとしてないならば、まま現場においては統制がとりにくいということも考えられるので、それらの点について政令が今日予想せられておる内容は、そういう面においてどういうものになるものかという点をお伺いしておるわけで、設置の必要性をお伺いしておるわけじゃないのです。
  47. 吉岡千代三

    政府委員吉岡千代三君) この作業主任者につきまして、ただいま御指摘のような知識と経験等についても、いわゆる資格要件として考慮する必要があるんではないかという点も研究したわけでありますが、現状におきましては、比較的零細な業者を対象にし、これに直ちに厳重な資格要件等をつけることは、かえって実情に適しないのではないか、まずもって当事者のこの法律に沿うような作業を遂行していこうという意識を大いに喚起いたしまして、これに技術面なり公益保持の面の能率指導をいろいろな方法でやって参る。そういうことで管理者の、作業主任者の自覚を促しまして、それによってこの法律趣旨に沿うような運用をはかって参りたい、こういうことをただいまのところの主眼に考えておるわけでございます。もちろん御指摘のような災害等の発生するおそれある場合に、どういう処置をとるべきかという点につきましては、できる限り専門家の意見等を徴しまして、具体的の措置等について、これを指示して育成するようにして参りたい、かように考えておるわけであります。
  48. 藤田進

    藤田進君 どうも非常にばく然として、私の質疑いたしております内容については、どうもお答えが不満足なのですがこれ以上続けません。
  49. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をとめて下さい。   〔速記中止
  50. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をつけて下さい。他に御質疑はございませんか。……御質疑もないようでございますから、修正案に対する質疑は尽きたものと認め、これより原案並びに修正案について討論にはいりたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) その前に皆さん方に御報告をいたしておきます。実は本法案に対しては、建設委員会においても非常に関心を持たれて、合同委員会等の申し入れがあり、またその申し入れに応じて合同委員会を開いた経緯もございますが、この度建設委員長より商工委員長に対して次のような申し入れがございましたので、皆さん方に御報告いたしておきます。    砂利採取法案に関する申入れ   貴委員会において審議中の砂利採  取法案については、左記事項の点を  当委員の総意をもって申入れする。  一、この法律運用に当っては、河   川法に基き都道府県知事が有する   河川管理の権限を尊重し、河川の   管理支障をきたさないようにす   ること。  一、砂利が建設工事の主要なる材料   たるに鑑み本法施行による権利の   設定等に起因して価格の高騰を来   さざるよう運用に留意せられた   い。  以上であります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  52. 河野謙三

    河野謙三君 私は本法につきましては、提案君の意図されておることは、この程度の法案をもってしては、よき結果を必ずしも生むとは考えられない。問題は今後の運用に待って初めてこの提案者の意図されるところの法案趣旨が生きるか死ぬかの問題だと思う。たとえば本法によって零細な業者は圧迫を受けるじゃないか、こういう危惧はわれわれ依然として持っております。しかし、これにつきましては提案者はさようにあらずとお答えされております。また、従来提案者自体が非常に強く主張されておりました業者権利譲渡、これによるところの利権の対象になっておった業界の腐敗というものを、本法によって徹底的に粛正するのだと言われておりますけれども、これも私は今後の運用に待って、初めてこの趣旨が徹底するかしないかの問題にかかっておる、かように思います。また、その他この法によって今後の砂利というものは、値段は安くなり、しかも質は良質になる、これを大きく期待されておりますが、これにも私は非常な疑問を持っております。  さような意味合いから、本法につきましては、以下申し上げますような附帯決議をつけまして、今後の法の運用に当る行政府に私は強く注意を喚起いたしたい、かように思います。であらかじめ準備いたしました付帯決議案を朗読いたします。   砂利採取法の施行に当り、政府は  次の諸点に留意し、万全の措置を講  じなければならない。  一、砂利採取許可が一種の利権と   して取扱われ転売されることのな   きよう厳重に取締ること。  二、公共工事の運営を阻害せしめざ   るは勿論、自家消費用及び農家等   の季節的な砂利採取、又は経営規   模の零細な業者の経営に支障なか   らしめるよう措置すること。  三、中小業者を圧迫することのなき   よう配意するとともに、その育成   を図るため、資金の確保、協同化   等を積極的に推進すること。  四、建設基礎資材としての砂利の重   要性に鑑み、強力にその品質の向   上と価格の低下を図ること。  以上でございます。以上付帯決議をつけまして私は賛成いたします。
  53. 藤田進

    藤田進君 私は日本社会党を代表いたしまして、砂利採取法案について、阿具根委員より提出されておりまする修正等に賛成し、その他は修正部分を除く原案に賛成をいたします。  なお、ただいま河野委員より提案せられました付帯決議案について賛成をいたしますと同時に、他に要望を付しまして賛成するものであります。  すなわちこの種立法に関して、必ずしも議員提案が妥当であるかどうかについては私は疑問を持つものであります。創設的な立法というよりも、むしろ河川法におけるところの今後の運用、この手続的な分野が多分に含まれていると解せられるようなこういった法案については、議員提案を待つまでもなく、政府におかれては平素行政監督上十分な検討を加えられ、かつ、主要な立法は政府提案にするのが建前であると私は考えるものであります。その点将来について十分なる注意を喚起いたしたいと思います。  他の第一点は、先ほど河野委員も言われましたように、この法律が施行せられるに当って、ほんとうに公益のために役立つものであるか、あるいは悪法に堕するかということについては、付帯決議案にもありまするように、今後の運営の妙味というものがきわめて重要であると思いますので、この点付帯決議にもありますが、さらに重ねて運営に当っては公益を優先する妙味をもって当られるように、特に申し加えておきます。  以上で賛成討論を終ります。
  54. 中川以良

    ○中川以良君 私は自由民主党を代表いたしまして、本法案に賛成をし、かつまた阿具根君提出の修正案に賛成をし、さらに河野君御発言の付帯決議案に対しましても賛成をいたすものであります。御承知のごとく本法律案はわが委員会におきましては三年越しにわたってこれは審議を続けて参った。どうしてこういう長い慎重なる審議をいたしたかということに私どもは思いをいたしますると、これは従来砂利採取事業というものはいろいろな点においてまことに明確を欠いておった。しかもややともいたしますると、砂利採取はいろいろな利権がこれに伴うというようなことでもって幾多の非難を浴び、今まで過去の実情を見ましても、私ども寒心にたえないところがあった。そこで提案者といたしましては、この砂利採取事業の発達に資しますとともに、砂利採取と河川の保全との調整をはかって、近時非常に需要が増して参ったところの砂利の供給を円滑に、しかも良質多量のものを出して、これが一般公益事業を初め諸般の需要に対して十分なる効果を上げんとする意味のもとにこれを出したと思うのであります。  しかしながら、この提案者趣旨はこの法案には十分に盛られておりまするが、ややともいたしますると、この法律運営を誤まったときには、これはむしろ提案者の善意によるところの趣旨というものは逆の結果を招くおそれがある、かような意味のもとに当委員会においては、各委員諸君が真剣なる検討を加えいろいろ議論をされ、しかも妥当を得た修正案を出され、さらにただいまの付帯決議等も出て参ったものと私は信ずるのであります。ことに、本案の運営をよくしていただきませんと、すなわち権利の転売等で利権を伴うようなことが出て参り、あるいは零細なるところの中小業を圧迫する、零細なる農家の運営をして困難ならしめるというような幾多のことが出て参る。特に建設関係におきましても、災害等の場合においてすぐ復旧工事をするというようなときに、適切なる措置をこれは政府がおとりにならぬと、非常に急なる場合に、高い砂利を買わなければならぬ、あるいは容易にこれが採取できないというようなことも起って参ります。従来の質疑中にございましたように、電源開発等の場合においても、電源開発の主体がきまると、どうもその一帯の権利を押えるというようなことがもし出たといたしますと、これは公益事業に対しては非常なる支障を起し、将来に禍根を残すことになります。こういう点も私はこの際さらにここに重ねて発言をいたしまして、当局のこれが運営に対するところの善処を促してやまない次第でございます。  以上をもちまして、私は本法案の精神が、今後の運営におきまして十分に遺憾なく発揮されることを切に期待をいたしまして賛成討論といたす次第でございます。
  55. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。  これより砂利採取法案について採決に入ります。  まず、阿具根登君提出の修正案を問題に供します。阿具根登君提出の修正案に賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  57. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 全会一致でございます。  よって、阿具根登君提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  58. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって修正すべきものと議決されました。  次に、討論中に述べられました河野謙三君提出の付帯決議案を議題といたします。  河野謙三君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の御挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  59. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 全会一致でございます。よって、河野謙三君提出の付帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議をすることに決定いたしました。  この際、政務次官より発言を求められておりますから、これを許します。
  60. 川野芳滿

    政府委員(川野芳滿君) ただいま砂利採取法案の採決に当りましては、妥当なる付帯決議をされまして御決議になったのであります。通産省といたしましては、本法案の運用に当りましては、決議の趣旨を尊重いたしまして、遺憾なきを期したいと思います。
  61. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) なお、本会議における口頭報告の内容、議長に提出する報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本法案を可とせられた方は、順次御署名を願います。    多数意見者署名     高橋  衛  河野 謙三     西川彌平治  白川 一雄     中川 以良  深水 六郎     阿具根 登  海野 三朗     上條 愛一  藤田  進     上林 忠次   —————————————
  63. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 次に、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、提案理由趣旨説明を願います。
  64. 川野芳滿

    政府委員(川野芳滿君) 本日ここに、高圧ガス取締法の一部を改正する法律案を提出いたしました理由について御説明申し上げます。  現行高圧ガス取締法が施行されましたのは、昭和三十六年でありまして、最近になって高圧ガス工業の進歩発展にみるべきものがあり新しい種類の高圧ガスが出回って参りましたので、この事態に対応して、これに対する規制を強化充実する必要があります。これがこの改正法案を提出しました第一の理由でございます。  また、現行法を数年間運用して参りました経験に徴するに二、三の規定について、従来よりも一段と保安上の目的を速成するために、規定を改善、整備することが必要であると認められるのであります。これがこの改正法律案を提出いたしました第二の理由であります。  この法律案のおもな改正点を簡単に御説明いたしますと、  第一に、液化酸素の消費について、危害防止に関する技術上の基準の整備をはかり、この基準に適合しておらない場合には、基準に適合させるための命令を出し得るようにするとともに、液化酸素を消費する者に事業の開始とか、その施設の変更とかの場合に、届出義務を課して、監督上の建前を確立することがあげられるのであります。  第二に、液化酸素の消費と高圧ガスの販売につきましては、相当多量の高圧ガスを取扱っている場合とか、最近急速に伸びておりますプロパンのような危険な高圧ガスを取扱っている場合には、災害の発生を防止するために、現場監督に相当する取扱主任者を十分な知識経験を持つ者のうちから選任して、これに保安上の一切の責任を課することが指摘されるのであります。  第三に、高圧ガスを充填する容器に対する現行の表示義務を拡張強化することが取りあげられております。これは、容器に充填して差しつかえない高圧ガスの種類を、その容器に明瞭に色分けして表示をさせる義務が、従来は容器の製造直後一回だけに限定せられていたのを改めて、その表示が使用期間中に消滅した場合にも、義務を拡張させるものであります。  以上の改正のほか、昭和二十六年に定められて今日に至っております各種の手数料の金額を、その後の物価の変動に応じてこれを調整改訂するための改正とか、高圧ガス保安審議会の委員の任期を現行の六カ月から二年に延長するといった改正がありますが、主要な改正点につきましては、以上の三点をあげることができるのであります。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ御審議の上、御賛同あらんことを切望いたす次第でございます。
  65. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止
  66. 三輪貞治

    委員長三輪貞治君) 速記をつけて下さい。  本日はこれをもって散会いたします。    午後二時五十五分散会    ————————