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1956-04-19 第24回国会 参議院 建設委員会 第25号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月十九日(木曜日)    午前十時四十四分開会     —————————————   委員の異動 本日委員伊能繁次郎君及び若木勝藏君 辞任につき、その補欠として大谷贇雄 君及び佐多忠隆君を議長において指名 した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     赤木 正雄君    理事            石井  桂君            小沢久太郎君            近藤 信一君    委員            大谷 贇雄君            酒井 利雄君            佐多 忠隆君            田中  一君            北 勝太郎君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 馬場 元治君   政府委員    建設大臣官房長 柴田 達夫君    建設大臣官房参    事官      水野  岑君    建設省河川局長 山本 三郎君    首都建設委員会    事務局長    松井 達夫君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    農林省農地局管    理課長     岡田 覚夫君    運輸省港湾局計    画課長     坂本 信雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○首都圏整備法案内閣提出衆議院  送付) ○建設業法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○建設事業並びに建設計画に関する調  査の件(福島県常葉町大火の件) ○国土開発縦貫自動車道建設法案(衆  議院提出)(第二十二回国会継続) ○海岸法案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) これから委員会を開会いたします。  首都圏整備法案を議題に供します。  本案について質疑の続行をいたします。御質疑のある方は御発言願います。
  3. 田中一

    田中一君 われわれはかつてこの特別都市法という法律案を数十、議決をして、今成立をしております。従って、この数十のこの特別都市法案というものは、一年に一ぺんずつその都市報告国会にしなければならぬということになっておりまして、先般その報告が来たように思っておりますけれども、その実績を見ても、何ら見るところがない。少くともわれわれが立法当初考えておりましたところの所期目的というものは、政府の怠慢というか、あるいは地方財政の疲弊というか、所期目的を全然達しておらないという現状からかんがみて、この首都建設法から今度首都圏整備法になってどういうような決意を、これはまあ松井君は当面の事務当局だから、これはもう書いてある通り言うでしょうけれども政府としてどういう態度で臨んでおるか、第一に伺いたいのです。水野君でもいいですよ、水野君は政府委員だろう。
  4. 水野岑

    政府委員水野岑君) そうです。ただいま田中委員の御発言ごもっともな御意見でございます。このたび首都建設法を廃止いたしまして首都圏整備法拡充強化をいたすのでございますが、その際にわれわれとして特に考えておりますのは、いわゆる行政委員会、この行政委員会一流専門家を、しかも常勤委員として任命いたしまして、そうして十分行政委員会機能を発揮して参りたい。従来の首都建設法におきます委員会は御承知通り、非常勤の委員ばかりで構成されておりまして、この行政委員会機能というものを十分に発揮できなかった。そういう点に非常に隘路があったと私ども考えておるのでございます。これを今度は一流専門家を、国会の同意を得て任命いたしまして、そうして十二分にその行政委員会としての機能を発揮していただく、こういうことを大運なねらいとして考えておるのでございまして、それからまたこの法案にございますように、人口なり産業適正配置という大きな理想をもって、総合的な広域にわたる計画を樹立いたしまして、これを推進して参るつもりでございます。で、政府といたしましても、関係各省と十分緊密な連絡をとりまして、この首都圏整備法のねらっております趣旨を十分発揮して参るように強い覚悟を持っておるつもりでございます。
  5. 田中一

    田中一君 むろんこれは一応首都圏整備法としての、予算でもって金をとって、今の衆議院付帯決議案を見ると、それを移しかえてやるというようなことになったようですが、特別な今の計画そのものはいいとしても、実施の裏づけとなる予算というものは、この法律の制定によって相当大幅に計上されるような予算を盛り込もうというような意図を政府は持っているのかどうか。同時に、また三十一年度予算においては、それに対して首都建設法と比べて首都圏整備法の方がどのくらい予算として伸びているかどうかという点を伺いたいと思います。
  6. 水野岑

    政府委員水野岑君) 第一の御質問でございますが、この予算を大幅に確保いたしまして、そうしてこの首都圏整備事業を強力に推進しなければならないという御意見でございますが、御承知通り衆議院におきましても、この整備事業を強力に推進いたしますためには、三十二年度から事業計画にかかる予算整備委員会予算に一括計上いたしまして、これを実施する各省に移しかえするようにという付帯決議がつけられておるのでございますが、この各省の実施いたします事業を総合調整し、これを強力に推進いたしますためには、整備委員会予算に一括計上して実施して参る、こういうことも非常に、重要なことだと存じます。ただ、どういう範囲予算整備委員会予算に一括計上するかどうか、こういう点につきましては、関係各省と今後十分御相談をいたしまして、そういう方向に向って私どもといたしましては努力をいたしたいつもりでございます。  ただ、この予算確保の問題でございますが、首都圏整備事業を円滑に適正に実施いたします上において必要な予算というものは、これはもちろん全国的な均衡ということも大切なことでございますが、どうしても必要な事業に要します予算というものはこれを確保して参りませんと、この首都圏整備法を制定いたしました趣旨も十分達成できないというのでございまして、私どもといたしましては、今後十分一つそういう方向に向って努力をいたしたいというのでございますが、特に私ども考えておりますのは、起債確保の問題でございます。これまで東京都の実情を見ましても、富裕団体なるがゆえになかなか起債が円滑に許可を与えられておらない、こういうことを今後とも一つ是正をいたしまして、十分事業の性質が適正であり、かつ償還能力がある、こういうような事業につきましては、もちろん全国的な均衡という点を考えなくちゃなりませんが、必要やむを得ないこういう事業につきましては、十分特に一つ力を入れて確保に当って参りたいというふうに考えておる次第でございます。
  7. 田中一

    田中一君 この法律が公布せられて、そうして同じような条件に合う都市から、同じような都市圏大阪なら大阪市を中心とする都市圏整備法というような法律案が出た場合には、むろん今の構想からいうと、政府は好ましいものであると、かような意見のように考えられるのです。ということは、今言う政治、経済、文化の重要な機能というものは、あえて東京にとどめません。従って、この三つの大きな目的を、商業とかあるいは何かに置きかえれば、これに見合うような都市もあるわけです。その場合に、そういう法律案が出た場合に、これは政府として反対する理由はありませんね。
  8. 水野岑

    政府委員水野岑君) ごもっともな御質問でございますが、東京都は、御承知のように、人口産業過度集中傾向如実に現われておりまして、ますます過大都市化弊害を露呈し、その傾向を強くしている。こういう現状にかんがみまして、かような法案をぜひとも現在の情勢において必要であるというふうに考えまして御提案申し上げたのでございまして、ただいま御指摘がありました大阪というような所におきまして、そういう東京都と同じように、過大都市化弊害如実に現われてきたと、こういうような場合におきましては、やはりこの首都圏整備法と同じように、政府といたしましても善処いたして参らなければならないというふうに考えておる次第でございますが、目下のところ大阪方面におきましては、たとえば大阪市の人口を例にとりましても、まだ戦前ピークに達しない。人口集中傾向産業集中傾向も、首都に比べますれば、非常に緩慢な情勢でございますので、目下のところはそういう必要性はないというふうに考えておる次第でございます。
  9. 田中一

    田中一君 大阪市が戦前人口集中が見られないというならば、これに接続するところの二十幾つかの都市というものがあるのです。これを全部含めた場合には、あなたの今言った説明はどうなりますか。
  10. 水野岑

    政府委員水野岑君) 東京都の二十三区と同じような範囲大阪方面におきましても考えまして、すなわち大阪市の区域のみならず、その周辺東京都の二十三区に相当するような大きな範囲のものを考えてみましても、大阪市の人口増加速度は、もちろんそういうある程度範囲にとりますと、その増加趨勢は大ではございますけれども、この首都人口増加趨勢よりもはるかにそのテンポは緩慢であると、そういうことははっきり申し上げられると思います。
  11. 田中一

    田中一君 過度産業及び人口集中という過度という限界は、どのくらいに押えておりますか。
  12. 水野岑

    政府委員水野岑君) この過度ということに対しましてはいろいろな限界があろうかと存じますが、私ども考えておりますのは、適正かつ合理的な収容人口というものを考えておるのでございまして、たとえば東京都の二十三区というものを例にとりますと、適正密度方式あるいは都市計画的な観点、そういうようなところからいたしまして、日本実情を考え、ある程度宅地の高度利用、建物の高層化ということを考えまして、そして合理的に収容していく、そういうようなことでどのくらい収容することが合理的な適正なものであるか、そういうことを私ども首都圏委員会といたしまして、ただいま行いました試算があるのでございますが、この試算によりますと、東京都の区部におきまして約八百五十万程度が限度ではないか。御承知通り東京都の区部は七百万に上っております。従いまして、このような最近のような人口増加速度で参りますと、ここ十年を出ずして、十年と申しますよりも、ここ数年を出ずして、八百五十万という適正かつ合理的な収容人口限界に達して、全く飽和点に達してしまう、こういうように考えておる次第でございます。
  13. 田中一

    田中一君 大阪限界はどのくらい見ておりますか、大阪並び大阪周辺都市を含めた大大阪という構想は。
  14. 松井達夫

    政府委員松井達夫君) ただいま過度集中という、過度というのはどういう程度かということから、大阪限界はどうかという御質問であります。私ども過度ということにつきましては、いろいろな大都市的な欠陥といいますか、禍害といいますか、そういったものが顕著に現われるような程度人口集中過度と称して差しつかえないと思っております。たとえば東京都内部道路交通状態が非常な混雑状況、あるいは通勤交通の非常な混雑殺人電車といわれるような状態、あるいはまたその他いろいろな都市的な施設がとうてい人口増加に追いついていけないといったような状況、それからなおまた住居地住居状況が非常な悪い状態、いろいろな面から過度ということが言えるのではないかと思います。  大阪方面のことにつきましては、実は私ども首都建設委員会自分たち圏内のことに追われまして、大阪方面のことにつきまして十分検討して参っている余裕がございませんので、あまりはっきりしたことを申し上げることはできませんが、たとえば交通機関状況にしましても、近年東京都の郊外電鉄乗客はどんどんふえておりますけれども大阪郊外電鉄は存外乗客がふえない。中には減っている状態もある。よほど東京状況が違うと思いますし、また道路交通状況を見ましても、大阪の人とせんだって実は話し合ったのでありますが、大阪の方から東京へ出てくると、道路交通自動車の数の多いのに驚く。大阪では道路交通がずいぶん混雑しているのは、京阪神国道大阪へ入ってくる大阪市内あたりとか、二、三カ所ぐらいに感ぜられる程度で、東京の至る所と非常な差異がある。そこで大阪周辺人口と申しますのは、現在大阪自体人口は二百数十万、大阪府の人口が三百万幾らと思いますが、たとえば東京都の区部の面積に匹敵するような範囲大阪人口は大体三百万ぐらいかと思っております。東京が七百万でありますが、大阪はその半分にもならないという状態でありまして、大阪方面の適正な人口と申しますと、なかなかこれはよく研究してみなければ申し上げられないのでありますが、現在大阪市ではまだ戦前ピークにまで達していないという状況でありますので、おそらく大阪市の人口の適正の程度と申しますのは、現在の状況からやはり二百五十万程度か、せいぜい三百万足らず程度じゃないかと考えております。
  15. 田中一

    田中一君 大阪の問題はやめましょう、あなたが調べていないから。  政府自立経済六カ年計画というものを発表しております。今五カ年計画を持っております。そこで今松井さんが言っていることは、この首都圏整備法というものを制定して、ますます道路上の交通が困難になっておる、あるいは通勤者電車混雑を増す政策を立っておるように見えるのです。首都圏という考え方に対しては、それはあなたが示したところの首都圏という考え方はこれを想定しているのだというものから見ても。そこで今日は日本は資本主義的な自由経済社会でありますから、これは国がどういう形でもって首都というものに対し整備しようということに対しては、おのずからわれわれとは見解を異にしております。従って、われわれの見解としては、計画経済に基く産業構造変革いかようにもなる。このような強力な法律を作らないでも、計画経済に基く産業構造変革によって、いかようにも都市産業人口集中というものの過度というものは是正されるという考え方を持っておるのです。これはただ自由奔放な、やたらにもうかればいいのだ、どうも近ごろ若い女と若い男が勝手気ままに野合するから、さかさくらげが盛んにできるというようなことでは、これは幾らこういうものをやろうとも、実施されないのです。従って、国が基本的な計画経済というもの、国民が消費する資材というものを限界として、あえて統制経済とはいいませんけれども計画経済のもとに立脚すれば、こういう法案は要らないのです。あなたが心配することはなくなってくるのです。そこで政府が今持っておるところの自立経済五カ年計画とこの首都圏との関連は、どういう工合に考えているか。  ということは、これはきょう採決しようと思うから、あまりうるさいことは言いませんけれども、高碕経済企画庁長官が常に口にしている自立経済五カ年計画、これを考慮されないで、この首都圏構想というものを立てたのか。あるいは考慮されておるとするならば、首都におけるところの、あるいは首都圏における産業構造をどうなさろうとする意思があるかどうか。ただ現象だけとらえて、こうすればいい、ああすればいいということでは、国民は納得しない。たとえば路面の交通量がふえたならば、あるいは地下に持って行っても差しつかえないでしょう。その部分だけではいろいろ考え方はあります。従って、がつがつ言うのじゃない。自立経済五カ年計画というものと首都圏におけるところの産業構造というものをどういう工合に考えているか。場合によれば、市中にあるところのさかさくらげというものは全部よそへ持っていってしまう、あるいは赤線区域青線区域をどっかに持っていくというお考えがあるか。そういうところから出発しなければ解決されないのです。ただ絵にかいたもちです。首都圏というもののあり方というものを、現象に圧倒されてだんだん伸びてくるということでは、日本の国はもう立たないのです。日本の国というものはもう独立できないのです。経済的な独立なないのです。そういうところから見て、どういう関連性を持った考慮を払っておるか。これは松井君、水野君に聞くつもりはないが……。高碕さんでも、あるいは馬場さんでも、来れば伺いたいのですよ。そこに問題があるのですよ。
  16. 松井達夫

    政府委員松井達夫君) 経済五カ年計画との関連につきましては、あとから水野参事官からもお答えがあるかと思うのであります。  この首都圏構想につきましてちょっと申し上げたいのでございますが、それはただいま図で示しました構想、私どもの考えております構想と申しますのは、東京都に集中します大量の入口あるいは産業というようなものを適正に配置をいたしまして、これを周辺に持っていきまして、周辺の方に工業、これは私どもだけでなく通産省その他関係当局とも十分協力しまして、積極的にそちらの方に工業を導入するように努力いたしまして、そちらに住みます人口に、東京都内でなく、周辺の方に職場を作りまして、そこで民生を安定させ、すべての周辺の人が東京都心に通勤しなくてもいいようにやっていきたい、こういう意味で今の交通関係の問題とか、あるいは住宅の問題とか、そういったようなものを、そういった面からも解決したい、こういう趣旨でやっておるのでございます。決してこの首都圏整備のためにかえって交通量増加して、交通難をますますひどくさせるということにはならない。むしろその逆になるように持っていきたい、こう考えておるわけであります。経済五カ年計画関係のことは、かわって申し上げます。
  17. 水野岑

    政府委員水野岑君) 経済自立五カ年計画との関係でございますが、五カ年計画は、御承知通り国民所得的な分析方法によりまして、いわば上から、マクロ的に全国的に計算をいたしておるのでございまして、その下に立つ地域的な計画まで深く掘り下げてないのでございます。で、やはり私どもといたしましては、どうしても経済五カ年計画というものがだんだん実績を、実効を上げていく、こういうためには、地域的な、下に掘り下げた計画もぜひ必要である。そうして地域的な計画と、上からくる全国的な計画とが調整がとれて、マッチしていく、こういう方向に行くべきものだと考えております。私ども承知しておりますところでは、経済企画庁事務当局におきましても、そういう地域計画一つぜひ今後やって参りたいというようなことで、いろいろと作業が続けられておるように聞いておりますが、この首都圏整備法に基く首都圏整備計画、こういうものも経済企画庁十分連絡をとりまして、経済自立五カ年計画の全国的なその範囲内において適正な位置が与えられ、そうして先ほども説明がありましたように、首都周辺地方都市を振興してそこに工業を導入する。一方この首都内部の非常に密集した工場街におきましては、大規模な工場等の新設、増設を制限する、こういうようなことで一つ十分関係省と緊密な連携をとりまして遺憾なきを期して参りたいというふうに考えております。
  18. 田中一

    田中一君 松井さんの御答弁で、ニュータウンという方式が、これはまあイギリスなんかでやっておりますが、これはいいと思うのですが、そこで自由経済のもとに行われるところの産業構造変革というものが、これは政府の力ではとうていできないのです。ということは、たとえば日本では東京都の現在の飲料水の問題にしても、小河内の貯水場の完成を待ってもまだ足りない、利根川の水を持ってこなければならぬことになっております。利根川の水もおそらく限界がある。そうしてそういうものを何ら考慮されないで絵をかこうというならば、これはけっこうです。今言う自立経済五カ年計画との関連というものが、まだ何もなされておらぬということになる。これは全く絵にかいたもちなんです。そうして一体東京都におけるところの首都としての重要な関連のある事業というものは、これは都心からなかなか離れないのです。そこでこれに首都としての性格を持つ行政地といいますか、この従業員の数と、それから自由にどこに持っていってもいいという従業員の数は、どれくらいの計数になっておりますか。時間がないから、それはあとで答弁して下さい。  そこで産業計画性を持たずして、産業人口集中過度を調整しようというととはあり得ないのです。それは簡単に地図の上に十メートルおき、五十メートルおきに円を書くのは容易です。今日の社会というものは自由経済社会なんです。工業用水の問題にしても、物を運搬する道路の問題にしても、輸送の問題にしても、ことごとくその自由経済に基く自由企業の上に立たなければならないと思うのです。私は単にニュー・タゥンを作って、産業をそこに持っていくのだという考え方に対しては、構想としては認めましょう。しかしながら国が国がですよ、国が実際に首都圏内におけるところの産業構造というものが、日本自由経済のもとにかくあるべきものだというものがなければ、日本現状においては同じことを繰り返すだけなんです。この構想が、高碕国務大臣が言っておる自立経済五カ年計画との関連において何ら考慮されてないというならば、これはあなた方の遊びです。  日本現状はそんなものではない。こういう点については、これは松井さんに伺ったり、水野さんに伺ったりしては悪いと思うから、大臣が来れば大臣に聞きたいと思っているのですが、今水野さんは、そういう意味関連において、首都圏としてのものはその中の幾分かはあるでございましょう。あるでしょうが、この法律を作って、今図面にある通り円を書いて、どの円がそうなるか存じませんけれども、少くとも自立経済五カ年計画のうちの、首都圏におけるところの産業構造というものをはっきり把握しないで考えることは、間違いです。  ことに松井さんの言うように、ニュータウンとして事業地も、住宅地も、教育地も、娯楽機関もそこに持っていくのだという考え方は、今のような自由経済日本現状においては、不可能なんです、これは。ことにそれに要するところの、先ほど言った交通網とか、水の問題とかいうものはだれが解決するのか、こういう点はどういうようなお考え方を持っておられますか。
  19. 水野岑

    政府委員水野岑君) ごもっともな御意見だと思いますが、この首都圏整備計画を立てます際に、ただいま御指摘がありましたように、首都圏産業構造というものを十分考えまして、そしてそれを念頭に置いて、りっぱな計画を作らなければならぬということは、もう御指摘通りでございます。私どももそういう方向で、今後この整備計画を立案して参りたいというように考えておるのでございまして、いずれ詳細な計画につきましては、この委員会が発足した上におきまして、関係方面の御意見を十分拝聴いたしまして、あるいはこの委員会にできます審議会、この御意見も十分尊重いたしまして、作成するというようなことになろうと思いまするし、また経済企画庁とかその他関係各省と緊密な連携をとりまして、その御意見も尊重して作成していくというようなことになろうかと思いますが、私どもただいまのところ考えておる一端を申し上げますれば、御承知のように、東京都にはいろんな産業集中しておりますが、一番多い、全国的に見まして集中度合いの高いものは精密機械工業——カメラでありますとか、レンズでありますとか、そういうものとか、あるいは医療器械製造業、それから皮革製造業皮革第二次製品製造業、それから出版業、こういうようなものが全国的に集中いたしておりますが、そのほかいろいろな産業集中をいたしておるのでございます。で、その中で私どもただいま考えておりますのは、たとえば機械製造業、こういうようなものはこの狭い密集いたしました東京都になくてはならないというような産業ではないのではないか。で、こういうような機械製造業というのは、この首都周辺都市衛星都市に今後大いに伸びていく。で、こういうことをぜひとも考えていいのではないか、こういうようなことをほんの一端でございますが、そういうようなことを今のところ研究をいたしておるというような次第でございまして、いずれ整備委員会ができました上で慎重に一つそういう産業構造というものを研究して、その方向を見きわめて、そうしてそのもとにこの整備計画を立てるというようにいたして参りたいと思います。
  20. 田中一

    田中一君 まあ現在それを考慮しなかったということは間違いない、今のあなたの御答弁を見ても。そこでもしもこの委員会が発足して、その際には日本の現在の自由経済社会においては、これはそれに対して特段な助成をしようということを考えておるのか。これは助成なくしてはできません。そういうものはあり得ないのです。  もう一つ松井さんの分のニュータウン構想からきて、東京都の財政規模というものがニュータウン東京都並びにその周辺の——いや首都圏の市町村並びに都道府県が、これがそうした意味交通その他の面、交通とか水道とか下水とかというそうした面において、それだけを負担する能力がありやいなや、私はないと思う。ない場合には、国は特段の助成をするような考え方を現在政府は持っておるのですか。
  21. 水野岑

    政府委員水野岑君) この市街地開発区域、すなわち衛星都市を育成発展いたしますためには、何らかの広い意味の助成措置がどうしても必要であるということは、もう御指摘通りでございます。ただ、その場合に、国家財政の関係もありますので、それからまたこの全般的な経済効力ということも十分考えて参らなければならないと思うのでございますが、この衛星都市を育成発展いたします場合に、何といたしましても考えなければなりませんことは、この工業立地条件を整備する。この工業立地条件を整備する上におきまして、国家が援助していく、こういうことはぜひとも必要なことでございます。で、田中委員もよく御承知通り、英国の例なんかを見ますというと、工業用地を低廉に取得して、これを造成していくというようなことが、何といいましても英国のような国を見ますというと、一番大きな問題になっておるようでございますが、その場合に英国や何かにおきましては、工業用地の取得会社を作りまして、これに国家が援助を与える、そうして工業用地の取得なり造成を強力にやって参っておる。で、こういうようなことも今後一つ整備委員会におきまして、こういう先例もあることでございまするし、慎重に一つ考究すべき問題かと思うのでございます。あるいはわが国の実情におきましては、地方公共団体というものがそういう工業用地の取得をし、造成をしていく、これに対して国家がいろいろと金融的な援助を与える、こういうようなことも考えなくてはならない問題かとも考えられるのでございまして、そういうような点は十分勘案いたしまして、本法の第二十五条に規定されておりますように、この委員会が発足しましたあとで至急に準備をいたしまして、市街地開発区域の整備に関する法律を単行法として制定をいたしまして、立案をいたしまして、国会の御審議を仰ぎたいというふうに考えておるのでございます。
  22. 田中一

    田中一君 御答弁で不満足です。しかしもう時間がないからやめますが、もう二つ伺います。  昭和二十八年一月から八月までの実績として、二十三区内のうちの農地の改廃状態は三十万坪に上っておるのです、これはあなたの方から出した資料によるとですね。そこで、まだこの首都圏の中には原野もあれば沼沢もあります。それから山林もあります。山林というても、山岳ではなくて、平地にある山林ですね、こういうものもあります。そういうものをこれによって農地化するのか、あるいは市街地化するるのか。これは原則はどう考えておるのです。御答弁はきっと適地適材にやりますと言うかもしれぬけれども、しかしこの首都圏構想というもので農業の面というものがどのくらいのウエートになっておるかというとを私は聞きたいのです。ただ、この円の中にどう持っていくという、配置転換だけではほんとうの目的は達せられないと思うのです。どういう考え方を持っていますか。
  23. 松井達夫

    政府委員松井達夫君) この首都圏構想におきましては、農地、特に優良な農地の保存ということに十分大きなウエートを持って考えていきたいと考えております。その意味で、今後都市化する場所を決定いたしますのに、土地の調査を十分やりまして、なるべく優台農地でない所を選んで都市化するように、農林省当局とも十分相談いたしましてやっていきたいと思っております。またその意味で、なるべくならば、利用できる所は、海岸の埋立地は、これは臨海工業等の関係もございますが、利用するというようなことも考えております。まあ大体そういったことであります。
  24. 田中一

    田中一君 現在の耕地は、二十八年の一月から八月までの間というもので、三十万坪改廃しているのです、現に。私は自後今日まで、どのくらいのものが改廃したかわからぬと思うのです、現状において。そう考えた場合、目的は何かと。そりすると、この法律が成立した後において農地というものはもう一切しない、農地というものが地目転換しない、農耕地は農耕地として残すということは言い切れますか。
  25. 松井達夫

    政府委員松井達夫君) 私ども考えておりますのは、とにかく東京人口集中してくるという事実は厳然としてあるわけでございまして、これを無計画にほうっておきますというと、それとそ優良農地であろうが何であろうが、まあでたらめにつぶされてしまう。たとえつぶされなくても、そのために、周辺の悪影響で農地の価値が低下するというようなことも起りましょうし、非常に不利益な、好ましくない状態が起ることが考えられるわけであります。これを計画的に持っていきまして、少しでも土地の利用を有効にしていきたいというのが大きなねらいでございます。
  26. 田中一

    田中一君 どうもあいまいなんですがね。人口集中によって農地が改廃するのではないですよ。その方が利益だから、利益によって改廃されるのです。多くの間違いをしています。たとえば大島土地なんていう変な土地ブローカーか何か知らぬが、悪いことをして、やっている。百姓は、農耕地の収入よりも売った方が利益だから、売るのです。また改廃するに当っても、農地委員会というものがあって、正しい機関を経てやっているのです。これすらやはり利潤追求のためにやっている。利潤追求というか、その方がもうかるからやっているのです。そこでこれだけの大きな首都圏というものを構想のうちに入れるならば、この地域は農地として、農耕地として、市街化させないというような強い決意がなくては、全面的に市街地になってしまう。その方が高いからですよ。これは今の政府の行き方だと思う。高いからそうなってしまう。だから、それを是正するというような方途をとるかとらぬかということを伺っているのです。
  27. 松井達夫

    政府委員松井達夫君) 御指摘通り、農地の改廃は利潤追求の的になりまして、あるいは投機の的になってふえておるのでありますが、結局はそれはやはり需要があるからというわけでありまして、その需要のもととなるのは、やはり人口あるいは産業等の集中ということがもとになるというのでございます。それで私どもといたしましては、この農地の改廃、特に優良農地の保存ということを大きな目標に考えておりまして、少くともいわゆる既成市街地の周辺の近郊地帯と考えております、いわゆる緑地帯と考えております地域につきましては、将来はこの緑地帯を保存して、これを有効に利用するために、何らかの立法措置を考える必要があるのではないか、こう考えております。
  28. 田中一

    田中一君 人間がふえるからそうなるのだというけれども、それは間違いなんです。政治が悪いのです。私の推定では、東京都の二十三区の中に、三百万戸の住宅がいつでも供給できる空間が遊んでいるのです。政治の貧困なんです。また地価を上げようという自民党の内閣の政策なんです。特定のものに利益を与えようという政策なんです。二十三区のうちの空間に、三百万戸と推定される宅地が遊んでいるのです。そういうものをうっちゃって、首都圏構想はあり得ないと思うのです。そこでその二十三区内におけるところの推定三百万戸と目されるところの空間宅地というものに対する考慮は、どのくらいのウエートを置いて考えられるのか。
  29. 松井達夫

    政府委員松井達夫君) この首都圏構想の既成市街地の利用のことにつきましても、昨年来いろいろ研究しておるのでございます。御指摘通り、これを空間的に利用するということは非常に、交通問題等に対しましても大切なことでございまして、私どもとしてもいろいろその方途を考えておるのでございますが、まだそれを表面に打ち出すまでに研究が進んでいないのは、まことに遺憾な点でございます。そういう意味で、いろいろ研究して参ったんでありますが、この首都圏構想は少くも今までやっておりました、首都建設委員会で考えておりました構想といたしましては、あと二十年後の状況を考えておったんでございますが、たとえば既成市街地の空間的利用ということも極力進めるということにいたしましても、昭和五十年ごろまでに増加する人口を収容する、そういった高層建築の建設の速度等も考えまして、なかなかそれだけでは追っつかない。市街地の空間地利用によって人口の収容を強力に進めると同時に、周辺衛星都市の決定をやっていかなくちゃならない。そういった時間的観点から、両方相待ってやっていかなくちゃならない。そのウェートはどちらが高いということもございませんが、両々相待って努力していかなくちゃならない、こう考えております。
  30. 田中一

    田中一君 それはね、都市における立体化というものは必須条件なんです。問題はそこで解決されるんです。ではね、もう一つ伺いますがね、人間がふえるから住宅を与えなければならぬという観点から、平面的にやった場合の時間的ズレと、それから工事費のどちらがかかるか、かからないかという問題を、御説明願いたいと思うのですよ。私はね、いいですか、ただうちを作るんじゃないんですよ。人間、水を飲まなければ困るんです。水を飲むんです。水道、下水道、いいですか、ガス、電気、道路、こういうものを一ぺん考えてですね、市街地におけるところの立体空間宅地ということを考えた場合に、どちらが工事費がかからぬか、これは一目瞭然ですよ。そんなことはもう比較の問題じゃないんです。政府がそういうことをやろうという意図があるかどうかという問題なんですよ。意欲があるかどうかという問題なんですよ。そういう点について、その対比というものを調べた資料があるならば、資料をお示し願いたいと思います。利害得失の、さっき言った時間と事業費ですね、この対比ですよ。私は三百万戸が二十三区の空間に設定できると言うんです。これと今度の首都圏構想、平面的に伸ばそうという考え方と比較したこと、ございますか。
  31. 水野岑

    政府委員水野岑君) ただいま田中委員から御指摘がありましたように、東京都二十三区のうちの空間地を大いに活用するということは、ぜひ考慮しなければならぬと思っております。そういう……。
  32. 田中一

    田中一君 空間地じゃないんですよ。立体宅地ですよ。
  33. 水野岑

    政府委員水野岑君) 空間地ではありません。失礼いたしました。立体宅地を非常に考慮すべきだという御意見はごもっともでございまして、私どももこの整備計画におきまして、建築物の高層化計画というものを整備計画の非常に大きな重点に置きまして、今後推進して参りたいというように考えておるのでございます。ただ、田中委員もよく御承知通り、いかなる方策がわが国の実情に合って、しかも実効性があるかというようなことになりますと、なかなかこれまでにおきましては、名案がなかったというようなのが偽わらざる実情だろうと存じますが、今度整備委員会が発足いたしまして、十分そういうことを、整備計画の重点でございますので、一つ建築物の高層化計画ということで、そういう空間の活用、利用ということに重点を置いて考えて参いりたというように考えておる次第でございます。
  34. 田中一

    田中一君 最後の一つ前に伺いますが、首都建設法実績と比べて、首都圏整備法という看板の塗り変えをやった場合、現在そういう問題にぶつかっておるわけです。そこで首都建設法としてやっておったときの欠陥、それから首都建設法法律で示したところの目的限界というものがどこにあるかというような説明をしていただきたいと思いますね。だから、こうしたんだという……。
  35. 松井達夫

    政府委員松井達夫君) 首都建設法は、御案内の通り東京都の区域に限っておるわけでございます。それで一つは、首都建設法限界といたしましては、現在の東京都及び周辺状況を、どなたも御存じの通りに、東京都の区部だけでは東京の問題が解決できないということに結論が到達したわけでございまして、この点の道を開くのが今度の首都圏整備法一つのねらいであるわけであります。  それから第二の、そうやって計画いたしました計画事業の実施に関しまして、首都圏整備法ではその計画を尊重するとか、あるいはその実施について勧告を委員会がするとか、そういった内容があるのみでございまして、それを首都建設委員会が積極的にどう導いていくかというような権限がないわけでございます。それを今度の首都圏整備法にはうたってございませんが、首都圏整備法のねらいといたしましては、予算の一括計上によりまして、首都圏整備委員会のそういった建設に対する意思を具体的に実現できるようにするという点において、今度の法案の進歩しておる点があるわけであります。  それから第三番目といたしましては、委員会の構成を常勤委員を主といたしまして、今までの首都建設委員会の非常勤委員だけで構成するという考え方をやめまして、積極的にその常勤の委員が中心になりまして、計画なり業務にいそしんだり、あるいはまた事業のあっせんその他につきまして積極的な活動をやるという点におきまして、また今までの法律との差異があるわけであります。     —————————————
  36. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) この際報告をいたします。本日伊能繁次郎君及び若木勝藏君が辞任されまして、補欠として大谷贇雄君及び佐多忠隆君が指名されました。     —————————————
  37. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、田中委員
  38. 田中一

    田中一君 最後に建設大臣に伺いたいのですが、首都圏整備法という法律は、これは一党一派に偏したものではございません。従って、これは全東京都民的な考慮と同時に、また日本国民全部の首都としての考え方が、当然この計画には織り込まれるのは当然でございます。そこで最後に大臣に伺いたいのは、第十八条にある審議会委員、これは四十五名以内で組織することになっている。そうして衆議院議員の中から衆議院の指名する者四名、参議院議員の中から参議院の指名する者二人、学識経験のある者十三名、これが一応政府並びに行政機関外の国民の意思を代表する委員の構成であります。そこでこれらの委員の中から、与党、野党と言わず、少くとも国民の意思を代表するという意味からいって、与党で全部独占するというような考え方は、この首都圏整備法に対して汚点を残すことになります。これは与、野党とも公平にその発言を述べる場を与えるという考え方が望ましいと思うのですが、建設大臣意見はどうか。  次に、学識経験者の十三名のうちも、自民党の自由になる学識経験者もございましょう、あるいは社会党支持の学識経験者もございます、あるいは緑風会支持の学識経験者もあると存じます。従って、そういう者も公平に国民全部の世論を代表するという意味でもって、この発言の場を求める。そういう意味でもって、そのような私が希望するような委員を選定するというような考え方でいるのか、あるいはこれは全部与党的な色彩でもって塗りつぶすのか、こういう点を最後に明確に、建設大臣の意向として、決意として御答弁願いたいと思います。
  39. 馬場元治

    ○国務大臣馬場元治君) 首都圏の整備は、地域的にはいわゆる首都圏を対象といたしますが、その及ぼす影響、これは全日本的な問題であることは申し上げるまでもございません。従いまして、一党一派に偏するような考え方でこの問題を処理しようというようなことは、毫末も考えておりません。  なお、委員の選定、それから学識経験者の選定は、この根本の考え方が御理解願えれば、その結論はおのずから明確になると思いますが、衆参両院議員、あるいは学識経験者、さような諸君を選任いたしますにつきましては、党派的な考えをもって選任をしようという意向は一つもないのでございます。これこそ首都圏整備目的を完全に果し得べき適任者というような観点から、至公至平の選任をして参りたい、かように考えております。
  40. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ほかに御発言はございませんか。——御発言がなければ、質疑は終局したものと認めます。  これから討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、お述べ願います。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  41. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 速記を起して。
  42. 近藤信一

    ○近藤信一君 ただいま議題となっております首都圏整備法案、これをさらに強力に推し進めていく上において、付帯決議をつけたいと思うのですが、その点、動議を提出いたします。  付帯決議の案を読み上げます。    附帯決議   政府は、本法制定に伴い首都圏整備に関する事業の強力な推進を図るため、昭和三十二年度以降の事業計画に係る予算は、首都圏整備委員会予算に一括計上し、その実施に当つては、これを関係各省に移し替える措置を講ずること。 以上でございます。
  43. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 別に御発言がなければ、これで討論は終局したものと認めます。  これから採決を行います。  首都圏整備法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  44. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました近藤君提出の付帯決議案を議題に供します。近藤君提出の付帯決議案を、本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  45. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 全会一致と認めます。よって近藤君提出の付帯決議は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方々は順次御署名を願います。   多数意見者署名     石井  桂  小沢久太郎     近藤 信一  大谷 贇雄     酒井 利雄  佐多 忠隆     田中  一  北 勝太郎     村上 義一     —————————————
  47. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) この際、建設業法の一部を改正する法律案の提案理由の説明政府から承わります。
  48. 馬場元治

    ○国務大臣馬場元治君) ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨について御説明申し上げます。  建設業法は、建設工事の適正な施行を確保するとともに、建設業の健全な発達に資することを目的といたしておりますが、特に建設工事の請負契約に関する紛争につきましては、同法に規定する建設業審議会が解決のあっせんをすることとなっており、これによる紛争処理もある程度の成果をおさめて参ったのであります。しかしながら、建設業審議会のあっせんの方法のみをもってしては紛争処理におのずから限度があり、従いまして紛争の未解決または遷延等の事態を生じ、このため当事者が相当の損害をこうむり、あるいは工事が遅延して公共の福祉に支障を及ぼすような事例が少くないのであります。  かかる事態に対処する措置といたしまして、建設工事の紛争を適正かつ迅速に処理するため、新たに紛争処理機関を設置し、建設工事の請負契約に関する紛争につき、あっせん、調停または仲裁を行わせることといたしました次第であります。  以上がこの法律案の提案の理由でありますが、次に本法案の要旨につきまして御説明申し上げます。  まず第一に、現行の建設業審議会によるあっせんは、審議会の性格等からみまして、頻発する紛争を迅速にかつ効果的に処理するには適当でないと考えられますので、この際、新たに専門の紛争処理機関として、建設省及び都道府県に建設工事紛争審査会を設け、建設工事の請負契約に関する紛争に関しあっせん、調停及び仲裁を行わせることといたしたのであります。  第二に、紛争処理の手続といたしましては、あっせん、調停、仲裁の三種類の制度を設けることといたしました。  あっせん、調停につきましては、当事者の申請によりこれを行うほか、重要な公共工作物等で紛争の結果公益に重大な支障を来たすような場合は、審査会の職権によって行うことができることといたしました。  次に仲裁につきましては、民事訴訟法の適用により当事者間において確定判決と同一の効力を有することとなっておりますので、その手続に慎重を期した次第でありまして、まず仲裁の開始、仲裁委員の選定等は、当事者の合意にかかわらしめ、仲裁委員のうちには弁護士の資格を有する者を加えることとし、また都道府県審査会の行なった仲裁判断に対し不服のある者は、異議申立を行なって中央審査会による仲裁をさらに受ける道を開くことといたしました。  第三に、紛争処理の手続に要する費用につきましては、原則として当事者各自の負担とし、当事者の申立にかかる費用を要する行為については、当事者に当該費用を予納させることとし、また申請手数料を徴収することといたしまして、国、地方公共団体の財政負担の軽減をはかったのであります。  第四に、都道府県審査会の設置に伴い、従来都道府県建設業審議会の行なっておりました事務の重要な部分が審査会に移管されますので、この際、都道府県建設業審議会は任意機関とし、あわせて地方行政の簡素化に資することといたしました。  その他、以上の諸点に関連して関係各条文の整備を行なったのであります。  以上、建設業法の一部を改正する法律案の提案理由並びにその要旨を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。     —————————————
  49. 馬場元治

    ○国務大臣馬場元治君) なお、この際福島県の火災について御報告を申し上げたいと思います。  去る十七日の夜、不幸にして福島県常葉町に火災が起りました。焼失戸数が、ただいまここに書類を持っておりませんからはっきりしたことを申し上げかねますが、私の記憶によりますと、たしか二百五十四戸であったと承知をいたします。さっそくこれが対策を立てまするために、稗田住宅建設課長を、係官一名を同行させまして、現地に派遣をいたしました。で、住宅問題その他につきまして現地の実情を精査いたしました上で、すみやかに適当な方策を立てたい、かように考えておる次第であります。  なお、八戸市にも火災が起りましたが、これにつきましては現地の要望がありますれば、公営住宅法を適用いたしまして善処いたしたい、かように考えております。  いずれにいたしましても、ただいま実情を調査中でありまするので、その上でさっそく具体的な方策を立てまして、罹災者諸君の救済に当りたい、かように考えております。  一応御報告だけを申し上げておきます。
  50. 田中一

    田中一君 災害救助法の適用をされる際に、能代の大火の場合にも要望しておきましたけれども、災害救助法に基く応急住宅というものは、あの程度の工期ならば本建築も可能なのです。従って、これは早急に厚生省とお打ち合せ願って、あとで使えるようなものにする。何も七坪の、半年たてばつぶれるようなものを作らないで、あとで使えるようなもの、そこにアパート式な住居を与えるというようなことを考慮しないと、これはもう後々いろいろな問題があるのです。こういう点はもう、相当近ごろは大火が多いといわれておるんですから、早急に閣内の調整をやっていただいて、実施されるように希望します。せんだっても申し上げた通り、重ねて早急にその対策を立てていただきたいと思います。
  51. 馬場元治

    ○国務大臣馬場元治君) 先般、能代の火災に対する御意見を承わっておりまするので、それらの点では特に意を用いて、御承知通り、厚生省の所管でもありまするから、厚生省とよく協議をいたしまして、善処いたしたいと思います。
  52. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) これをもって暫時休憩いたします。    午後零時五分休憩      —————・—————    午後二時十八分開会
  53. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 午前に引き続き、これから委員会を再開いたします。  本日の日程には、公報には上程してなかったのでありますが、国土開発縦貫自動車道建設法案を議題に供することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) では、これから国土開発縦貫自動車道建設法案を議題に供します。  本法案については今までずいぶん質疑応答がありましたが、なお質疑に関して御発言の方がいますか。  別に御発言がありませんので、質疑はもうすでに終了したものと認めて差しつかえありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) それではこれから討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。  なお、修正意見のある方、または付帯決議案を提出される方は、討論中にお述べを願います。
  56. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 私は国土開発縦貫自動車道建設法案趣旨には全面的に賛成するものであります。ただし、この法案趣旨達成を完璧ならしむるために、私は自由民主党を代表して、次のように修正案を提出するものであります。以上でございます。
  57. 田中一

    田中一君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案になっております国土開発縦貫自動車道建設法に対しまして賛成をするものでございます。同時に、今小沢委員から提案されました修正案をも賛成するものでございます。  ただこの法案が通過いたしましただけでは、このわれわれの目的であるところの国土開発縦貫自動車道の建設はできません。従いまして、政府はこの法案の通過とともに、妥当なる法案、並びに実行するための計画、並びにいよいよ実施の段階に至れば相当大幅な予算をもこれに計上して、一日も早く本法案目的を達せられるような措置をとられることを希望いたしまして、本案に対する賛意を表するものであります。
  58. 村上義一

    ○村上義一君 私は緑風会を代表して、意見を述べたいと思うのでありますが、本案は国土開発上の雄渾な理想を実現せんとするものでありまして、ただいま小沢委員が修正されました本案に賛成の意を表するものであります。  しかし、この法案はいわば審議会設置法ともいうべき内容でありまして、幾多の今後の措置を要する点があるので、これらはすべて他の立法にゆだねておるのであります。それで私はお手元に配付いたしましたような決議案をこれに加えたいと思うのであります。朗読いたします。    国土開発縦貫自動車道建設法案付帯決議案  一、路線の決定に当り本法の目的達成を阻害する虞れあるときは、第三条別表記載の経過地点については弾力性を持たせ得ること。  二、政府は国土開発縦貫自動車道を含む高速幹線自動車道に関する立法措置を速かに講ずること。  三、政府は国土開発縦貫自動車道建設審議会の設置に当り速かに各行政機関の意見の調整を計り且つ早期達成を計るよう事務局の構成につき措置すること。 以上であります。  きわめて簡単に、この付帯決議の事項について若干の説明を申し上げたいと思うのであります。  この法案はただいま申し上げましたように、審議会の設置法と申しますか、路線の指定法と申しますか、という段階においては完全に規定せられております。しかし、なお調査をし審議をする、そうして路線を決定するということになっておりまするが、一面において、第三条において、この起点、終点のみならず、経過地点につきまして別表に記載せられておるのでありまして、ただ私は調査の結果を待たなければわかりませんが、あるいは調査の結果、本法の目的達成を阻害するような事態が惹起しやしないかということをおそれるのであります。こういう場合には、経過地点については若干の弾力性を持たせ得るのだという意思を明瞭にいたしておきたいと思うのであります。  第二号につきましては、ただいま申しますような意味法案でありますがゆえに、この縦貫自動車道の管理につきましても、構造につきましても、また料金などにつきましても、今後の立法に待たなければならぬと思うのであります。ただ、本道は自動車のみの通行に供すということになっておりまして、国民に対して無条件に一般公開するものでないのでありまして、従って、道路法をそのまま適用するということはできないと思うのであります。また構造につきましても、現在道路運送法五十一条に基きまして、運輸、建設両省令第一号で自動車道の構造、設備を規定いたしておりまして、幅員とか車線、あるいは舗装、トンネル、その他の工作物、横断勾配、縦断勾配、カーブ、土工等を詳細に規定しておるものでありまするが、これは道路の等級を一級から五級までにして、しかしながら最高の一級といえども百キロの時速スピードを予定いたして定めておるのであります。この一級以上のスピードを持つ道路につきましては、運輸、建設両大臣がその基準を協議するというだけをきめておるにすぎないのであります。さらに料金につきましても、もとよりその査定の方法その他について何ら本法は触れておりません。従って、こういったようなものについてどうしても新たに立法措置を要すると信ずるのであります。この点を明確にしておきたいと思ったのであります。  なお三号は、今一方においては道路法、他方においては道路運送法という基本法がありますることは、御承知通りであります。今問題になっておりまする国土開発縦貫自動車道のごときものをこれによって直ちにあんばいしていくということは至難であることを信じまして、第二号について申し上げた次第ですが、自然、この両基本法の所管する政府機関がきわめて虚心たんかいに意見の調整をはかって進めてもらうことが、実効を上げる上においてきわめて必要だと思うのであります。審議会の設置に当りまして、事務局の構成などについてもその点について政府は深甚の留意を払うべきものであるということを表示いたしたいと考えて、この決議案を出したいと思うのであります。
  59. 石井桂

    ○石井桂君 私は本法案中の九条に対し希望条件を付したいと存じます。すなわち損失補償と相待つ生活再建または環境整備のための措置を規定しておりまする九条の運営については、特に公正を期せられたいという希望条件をつけまして、本法案に賛成の意を表します。
  60. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 別に御発言ありませんか。——御発言ないものと認めます。  これから本案の採決に入ります。  まず、討論中にありました小澤君提出の修正案を問題に供します。小沢君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  61. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 全員一致でございます。よって小沢君提出の修正案は可決されました。  次に、いだいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  62. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 全員一致でございます。よって本案は全会一致をもって修正すべきものと議決せられました。  次に、討論中に述べられました村上君提出の付帯決議案を議題に供します。村上君提出の付帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  63. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 全員一致と認めます。よって村上君提出の付帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 御異議ないと認めます。よってさように処置いたします。  それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、本案を可とされた方々は順次御署名を願います。   多数意見者署名     石井  桂  小沢久太郎     近藤 信一  大谷 贇雄     酒井 利雄  佐多 忠隆     田中  一  北 勝太郎     村上 義一     —————————————
  65. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 引き続き、海岸法案質疑を続行いたします。  一応逐条審議は済みました。しかし、なお御質疑のある方、また全般に対しての御質疑のある方は御発言を願います。
  66. 田中一

    田中一君 三十年度における海岸保全の予算はどのくらいついておったか、同時にまた、三十一年度においてはそれがどのくらい伸びているか、縮まっているか、一応御説明願いたいと思います。
  67. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 海岸修築事業の三十年度及び三十一年度の予算について申し上げます。海岸事業につきましては、海岸堤防を主といたしまする海岸修築事業というのがございます。それが三十年度は一億一千七百万でございます。それが三十一年度は一億六千五百万円でございます。次に、海岸侵食対策事業というのがございます。それが三十年度が四千万円でございます。三十一年度が五千百五十万円。次は海岸局部改良事業というのがございます。三十年度が三千五百万円、三十一年度が三千八百万円でございます。  次に、海岸の助成事業というのがございます。それが三十年度七億五千五百万円、三十一年度は十一億二千百万円。  次に、高潮対策事業というのがございまして、三十年度が三億一千七百万円、三十一年度が四億四千三百万円でございます。以上でございます。
  68. 田中一

    田中一君 農林省並びに運輸省関係のものはどのくらいございます。
  69. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 今の点につきましては、ただいまはっきりした資料がございませんから、今電話ででも問い合せましてお答えいたしたいと思います。
  70. 田中一

    田中一君 この法案は、建設省並びに運輸省が共管というような形になっておるはずだと思うのですが、そうじゃないのですか。
  71. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) お説の通り、運輸省、建設省、農林省共管でございます。
  72. 田中一

    田中一君 それでは運輸省、農林省の政府委員をお呼び願いたい。
  73. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ただいま呼ぶことに処置しました。——ほかに御質疑ございませんか。
  74. 田中一

    田中一君 この法案が通過いたすと、管理者の不明確な海岸線というものが全部なくなりますか。
  75. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 海岸保全区域にする部分につきましては、責任者がはっきりいたします。
  76. 田中一

    田中一君 運輸省、農林省、建設省が所管するという海岸線というものと、それからだれの管理するものかわからぬ、都道府県がやるものか市町村がやるものかというもの、それから全然だれも管理する者がいないという海岸線というものが、どういう比率になっております。
  77. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 建設省が所管する区域の大体の延長は千五百キロ、それから港湾、漁港の区域になるものが千五百六十キロぐらいになるつもりでおります。
  78. 田中一

    田中一君 日本の海岸線は一体、小さな島を除いて、どれぐらいございます。
  79. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 海岸線の延長は約二万三千キロございます。
  80. 田中一

    田中一君 この法律が出ない場合でも、おそらく市町村が管理しているものがあると思うのです。それはどのくらいあります。
  81. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 公有水面埋立法によりまして造成された土地を保全する施設が約六百キロあります。それからその他の保全施設が約三千三百六十キロございます。
  82. 田中一

    田中一君 海岸法は、日本というやつは海岸が広いのですから、海岸全部にわたる基本的な法律という考えではなかったのですね。そうすると、一応三省が協議して指定する海岸だけが海津法の海岸だということだけでいいのですか。
  83. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) この法案で指定するものにつきましては、海岸を保全するために必要な区域を指定するということでございまして、全部を指定するというようなことに相なりますと、いろいろこの法律で権利を束縛したり、あるいは行為を制限したりするようなところがありますから、必要な所から指定して参ろう、こういう趣旨になっておるわけであります。
  84. 田中一

    田中一君 私はそう考えてないのです。基本的な海岸法というものならば、全部入るわけですがね。海岸線全部を包含した法律であって、そうしてそのうち保全のために必要な場合には指定するということになるのじゃないかと思うのです。従って、二万三千キロといわれているところの海岸線全体を指定すれば、この法律が動く、指定しなきゃ動かぬということであってはならぬと思うのですよ、基本的には。だから、災害が起きるのです。だから、全部を国が掌握して、災害というものは何もきまって起きるのじゃないのです。全部の日本の海岸線というものを、むろん岩壁の所は直接の関係がなければ、それはむろん国がそれを管理する権限を持ちながら、それに手をつけないでよろしい。しかしながら、当然しなきゃならぬ場合があるのですね。ことにその海岸が民有地であった場合でも、これは政府は当然法律でもってその安全をはかるということが正しいのじゃないかと思うのですよ。日本の海岸線全部を国が掌握するという基本法でなくちゃならぬと思うのです。従って、この法律ができ上ると、指定するもの以外には及ばないということになりますか、国の管理といいますか、管理権といいますかは。
  85. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 先生のおっしゃるのと私どもが考えているのは同一なことだと私は思います。今申し上げましたように、二万キロ以上の海岸がございますが、そのうちで特に必要な所は指定をしていく。ですから、二万三千キロのうちで必要な所はどこでもできる、指定してやっていこう、こういう趣旨でございますから、先生がおっしゃることとこちらで考えていることと同一のことであると私には考えられます。
  86. 田中一

    田中一君 指定しないでも、この法律は海岸全部を掌握するという立法精神なんじゃないのですか、海岸線というものを全部。
  87. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) お説の通りでございまして、全海岸線を常ににらんでおりまして、必要な所があれば指定するということでございます。
  88. 田中一

    田中一君 指定するというのは、安全をはかるための事業を行うということなんじゃないんですか、結局。
  89. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 事業だけでございませんで、管理であるとか、維持であるとか、そういうものも含んでおるわけでありますから、工事個所のみを指定していくという趣旨ではございません。
  90. 田中一

    田中一君 この法案通りますと、先ほど御説明があった、三十年度、三十一年度の予算と比べて、相当三十二年度は大幅に増額になるような見通しでいますか。
  91. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 海岸につきましては、特に最近非常に災害が多くなっておりまして、そのために今までにおきましても海岸事業につきましては予算も特に重点を置きまして、建設省といたしましては要求をしたわけでございますが、この法案通りますると、各省の分担もはっきりいたしますし、そういう点から見ましても、計画を早く立案いたしまして、予算の獲得にはわれわれといたしましても十分努力したいと、こういうふうに考えております。
  92. 田中一

    田中一君 構造その他は一応、協議の上同じような構造でいくのでしょうね。
  93. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 法案の中に構造基準というようなものが法定されるような案になっておりまして、これによりまして各省、地方別にも考えなければならぬと思いますが、基準を作りまして、打ち合せの上やっていきたいと、こういうふうに考えております。
  94. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 田中委員質問関連しましてお伺いしたいと思いますが、塩田やなんぞ、その途中にある海岸なんかは、これは決壊した場合は大蔵省がすると思いますが、それはどういうようになりますか。
  95. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 塩田のみの場合は大蔵省の方になりますが、その以外に一般の土地なり住宅なりありますと、公共用施設として扱う。
  96. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 というと、塩田ばかりのときはこの法案は適用できないわけですね。
  97. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 指定いたしますると、行為の制限とか、そういうものはできるわけでございます。
  98. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 行為の制限だけあって、つまりこの法案は適用にはならぬわけですな。
  99. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) そういうふうな取締りとか、そういうものには適用はいたしますが、補助金であるとか、そういうものは適用しないことになります。
  100. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 それで埋め立てして工場敷地になっておるような場合にはどうなりますか。
  101. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) そういうものが必要である場合には、指定いたしまして適用する、こういうことになります。
  102. 酒井利雄

    ○酒井利雄君 昭和十八年に中国の瀬戸内海に風水害があったのです。そのときに第一線の提防が、これは三百年以前、毛利侯の築いた護岸でございますね、それが高潮のために決壊したわけなんです。それが何した。ところが、場合によっては、それがその地は内務省所管でもなければ、鉄道省の所管でもない、農林省の所管でもないという所がたくさんあった。私がそのときに調査委員で派遣せられまして、調査して帰ってきたのです。ところが、水田の場合には、これは農林省がやらなければならぬけれども、あれは干拓地でもございますから、第一線の堤防がなければならない。採算がとれぬからといって、農林省が放棄してしまう。中には国道もあります。国道はこれは内務省がやらなければならない。内務省も海岸の堤防をやるのは採算がとれないからという。そうすると、この中には鉄道がある。そうすると、これは運輸省がやらなければならぬ。それでどこの所管ということがなかったんです、その当時は。それで各省が連合でその復旧をやってもらったことがあるんです。これを見ると、この法案はそういう何からして生まれてきたものだと私は想像するのですが、それでまだ埋め立てを一応して、工場敷地になっておるとか、それからあるいは塩田であるとかというようなこと、塩田は大蔵省、工場敷地は通産省というようなことになりますと、農林、運輸、建設だけでは、三省だけでこの海岸法を何するということはどうかと思うのですが。
  103. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) お説の通り、先ほどお話がありましたような、どこの主管かわからぬでそれが非常におくれておるとか、一緒になって仕事をしたとかというようなことがないようにしようというので、今度は責任分界をはっきりいたしましてやっていきたいというのが、この法案の大きなる目的になっておるわけでございます。そうしてまあ塩田のみというような場合には、大蔵省が事業としてやっておりますから、やはり大蔵省が国として、それを復旧なりしていく、こういう建前でございます。
  104. 田中一

    田中一君 この構造基準ですか、港湾法、農地法、漁港法、道路法、いろいろ法律があってですね、これが今言われたように接点があると思うのです、接点が。道路法によって管理される海岸、その隣に農地法で管理される海岸、またそこに港湾法で管理される海岸、次にまた漁港法でやる海岸もあるでしょう。その築造基準というものはおのずから違うと思うのですがね。そういう片一方の方、違う場合を想定するんですよ。違う場合を想定しますと、まあ農地の場合と道路の場合とおのずから違うと思うのです、現在は。その接点をどういう工合に築造していくんですか。一々それと話し合いをしていくんですか。それともまた、一応全体のそういうものを含めた海岸としての、海岸としてのですよ、構造基準というものを作るのですか。
  105. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 築造基準というのをこの法案に入れましたのは、今先生のお話のありましたように、各省あるいは各場所々々によって非常に、あるいは同じ所をやっているのに、片一方は強くて片一方が非常に弱いというような、非常にふぞろいなところがありまして、全体として目的が果せないというようなこともありましたので、築造基準を特に入れたのでございますが、ただ、そのほかの建築というようなものに比べますと、非常に海岸の施設につきましては、特に地盤の問題であるとか、あるいは波の高さであるとかというような点が、場所によっても非常に違いますし、そのために築造基準というものが法律の中に一一書けないのが非常に苦しいわけでございます。この法律の中には具体的には書いてございませんが、おのおの各省でその案を立てまして、一連の工事があるのに、それが非常に強さが違うということのないように、実施の場合には処置していきたい、こういうふうに考えております。
  106. 田中一

    田中一君 私は、もうそれは実際にぶつかって処置していくのでしょうけれども、今あなたの、河川局長が考えられている農地の部分の海岸、漁港の部分の海岸、港湾の部分の海岸というものの築造基準は、今みんなめいめい持っておるのですが、持っておるものがどう違うかというのです。
  107. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) それは今各省におきましては基準は持っておるわけであります。ただ、その点が合わなかったというような点が考えられるわけでございまして、その調整を極力はかっていきたい、こういうことであります。
  108. 田中一

    田中一君 この海岸法というものは、漁港も何もかも、全部含めたものと解釈をしたいのです。今の政府の提案の理由というものもそういうものでなくちゃならぬと思うのです。従って、これは海岸の基本法だという考え方を私は持ちたいのです。従って、用途によってはおのずから違うと思います。違うと思うけれども、強度の面で、これは海岸の保全ということで、陸地の保全なんです。その背後にあるものの保全なんですけれども、従って基本的な構造というものがおのずから生まれなくちゃならぬと思うので、農地だから海水が入ってもいいのだということはあり得ないのです。そういう意味でもって、これを現在あるところの港湾法の海岸堤防、それから漁港法の海岸堤防、農地法の海岸堤防、それから道路法による海岸堤防というような、いろいろの立法下におけるところの海岸線というものの構造基準というものはがっちりしなければ、一つにならなければ、非常な危険をはらむというのです、ということを申し上げておるのです。従って、そういうような海岸線の保全という意味の基本的な構造というものを話し合いの上でもってきめるかきめないかということを伺っているのです。
  109. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 海岸保全の見地から見ますと、いずれも強さは、一連の部分については同じにしなければならないということでございまして、ただ漁港なり港湾なりは、そのほかに独自の目的がございますので、それと合せた目的を加味いたしまして、一連のものについては強さを同じにする、こういうふうに考えようというのがこの法律趣旨でございます。
  110. 田中一

    田中一君 その話し合いはついておるのですか、もうすっかり……。
  111. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 法律の建前といたしましては、各省ともそういうことでやろうということで話し合いはついております。
  112. 田中一

    田中一君 そうすると、この法案が通れば、海岸線、いわゆる海岸ですね、海岸というものの構造基準というものは、最低でも最高でもいいですが、基準というものを作るということを話し合っておって、これができ上ったらそれを作るのだということに了解していいですか。
  113. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) その通りでございます。
  114. 田中一

    田中一君 くどく念を押しますが、間違いありませんね。
  115. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) その通りでございます。
  116. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 皆さんに申し上げます。説明員として農林省農地局管理課長の岡田君が見えております。
  117. 田中一

    田中一君 この十三条の、海岸管理者以外の者が施行する工事という点ですが、民有地の海岸がある、そうするとその海岸を保全区域に指定した、しかし自分はそれをしない、金がないからしないという、財政上の理由でしない場合はどうなりますか、だれがやるのですか。
  118. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) どうしてもその施設を必要とする場合には、必要な用地を買いまして、こちらが施設を行います。
  119. 田中一

    田中一君 売らない場合は……。土地収用ですか。
  120. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) まず話し合いをいたしまして、協議をいたします。それに応じない場合には、そのほかの方法といたしまして収用委員会にかけてというような方法をとります。
  121. 田中一

    田中一君 どの程度の幅員を見ておるわけですか。幅といいますか、奥行きは……。
  122. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 普通の場合には堤防の幅は三十メートルくらいは要るわけでございまして、そのほかに堤防ができまして、その堤防を維持したり管理していくために必要な幅といたしまして大体二十メートル、合計五十メートルくらいの幅を考えております。
  123. 田中一

    田中一君 民有地であると、それを収用されて護岸ができ上った。ところが、その部分に入ろうとするには、海路で来るか、陸地から来れない、個人の民有地であったりして来れないという場合、でき上ったものは一応これは買収したのだから、政府なりあるいは都道府県のものか知らぬけれども、その際利用するのはその区域の人たちだけが利用するわけですね。ところが、利用する場合には、工事を施行してまた本人に返すというようなことはとれないものでしょうか、そういう場合。たとえば一応土地収用で買収して施行する。しかしそんなのはただ護岸の目的を達すればいいんだ。護岸の保全を達すればいいんです。従って、それはまたその本人に返してやるということはできないかということを伺っているわけです。
  124. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 作ってそれが完全に目的を果しているということが必要でございますので、やはり維持管理をしたりあるいは取締りをしていくためには、返さないというのが……。海岸管理者のものにしておかなければいけない、こういうように考えております。
  125. 田中一

    田中一君 その今言った五十メートル程度のものを買収するだけですと、そこへ民有地があって来れないという場合はどうします。その土地に海路以外には入れないんだという場合にはどうします。
  126. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 普通の場合においては道路なりあるわけでございますが、その工事をするために必要な道路がないというような場合には、道路敷地を一時借用するなり買収するなりやるほかないと思います。
  127. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  128. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 速記を始めて。
  129. 田中一

    田中一君 今河川局長に伺いますと、農林省の方も、運輸省の方も、海岸堤防といいますか、海岸線といいますか、海岸の保全のために共通な構造に基く基準をきめようというように答弁があったのですが、これは農林省並びに運輸省の方は、この法案ができ上ったら海岸保全のための堤防という意味の構造基準を合議の上でもって作成するつもりがあるのかどうか。また農地法に基く現在あるところの海岸線といいますか、海岸堤防といいますか、それから漁港法に基くもの、港湾法に基くものというものの築造基準があると思うのです。しかしそれだけでは困ると思うのです。そこでこの法案が通ったら、全体に関するところの共通な強度を持つ構造基準を作る意思があるかどうかという問題を伺っておきたいと思います。これは農林省、運輸省からそれぞれ御答弁願いたいと思うのです。
  130. 岡田覚夫

    説明員(岡田覚夫君) ただいまの御質問の点につきましては、この法律で一応統一的な基準が作られまして、それに基きまして各省が合議をしまして、統一的な基準に基いて事業を実施していく、こういうことになると考えております。
  131. 坂本信雄

    説明員(坂本信雄君) この法律の第十四条に築造の基準がございまして、このことにつきましては建設省の方ともお打ち合せいたしております。なお実施に当りましては、もっと細部の点までよく打ち合せて、そごのないようにいたしたいと考えております。
  132. 田中一

    田中一君 今までの三十年度、三十一年度予算を見ましても、その程度のものじゃ、今までのような程度のものじゃ幾らもできないと思うのですよ。従って、今度あなた方三者で相談して作るという海岸保全施設といいますか、こういうものは、農林省の場合には農林省の今までやっているところの農地保全のためにやっている海岸線と、海岸堤防というものとの築造基準が、構造がだいぶ違うと思うのですがね。違わないと考えておるのですか、違うと考えておるのですか、どちらです、運輸省の方は。
  133. 坂本信雄

    説明員(坂本信雄君) 今まで非常に密接に一環の施設として私の方でやりましたおもなものは、尼崎と大阪が一番おもなものでございますが、それは工事に着手いたします前に、堤防の高さとか断面の強度というようなものにつきましてもお打ち合せしまして、一環した施設でやっていくつもりでございます。
  134. 田中一

    田中一君 まあ尼崎の場合はあなた方の所管がどこにあるのだか……。漁港としての分ですか。
  135. 坂本信雄

    説明員(坂本信雄君) 港湾としてでございます。
  136. 田中一

    田中一君 農地の場合はそういう事例がありますか。農地の場合は、農地が海岸にくっついている。たとえば五十メーターなら五十メーターくっついているところですね、そこでもって従来やっておるところの護岸工事と、今度三省で協議してきめようとする設計基準といいますか、構造基準といいますか、そういうものとは相当違うと考えておりますか、従来通りやったものでいいんだという考えを持っておりますか。
  137. 岡田覚夫

    説明員(岡田覚夫君) 私技術の関係でありませんので、詳細には存じておりませんけれども、従来やっておりました点と、そう本質的には違わないと思うのでありますが、ただ各省でやっておられます間には、必ずしも十分な連絡が行われてやられないような点も、ない場合もあるのではないかと、こう思われますので、今後はそういう点については十分協議をいたしまして、相互に十分調整のとれた計画で仕事をやっていく、こういうことになろうと思います。
  138. 田中一

    田中一君 私は今あなたの言っているような、協議したり何かしてきめるなというのです。法律できまっているのだから、その法律通りのものを三省できめた設計基準というものでやれと言っているのです。協議なんか必要ないのです、その基準ができていれば。そうでないと、各省おのおのの考え方でもって、おのおのの維持管理しておるところの、所管しておるところの海岸をやったのでは、強い弱いの差があって、災害があった場合に困る、こういうわけなんです。それは困るから、一応構造基準を作ろうというのですから、それは話し合いなんというものじゃなくて、基準を作ってしまえば、あとはもう漁港法であろうと、港湾法であろうと、農地法であろうと、道路法であろうと、みな同じになってしまう。その点を申し上げているのですが、その点は確認していいのですね。
  139. 岡田覚夫

    説明員(岡田覚夫君) この法律で作られております基準につきましては、どちらかと申しますと、法律の性質上抽象的な形をとっておりまして、具体的な基準につきましては、所によっても異なりますし、またいろいろ違う点もあると思いますけれども、それらは相談をしまして、ある程度の基準のようなものになろうか思いますけれども、そういうものによりまして、相互に不均衡のないような形に工事をやっていく、こういうことになるだろうと思います。
  140. 田中一

    田中一君 個々の場合はそれでいいのですが、今言う通り、それじゃ農林省は一体今までどういうような農地がくっついているところの海岸堤防というものを作っておったのですか。
  141. 岡田覚夫

    説明員(岡田覚夫君) 従来農林省農地局でやっておりました海岸の工事につきましては、主として干拓工事として堤防を施工しておるわけでございます。現在海岸堤防のみということで堤防事業は従来はやっておりません。ただ保守改良ということにつきましては、従来から、なお現在も施工いたしております。主として新設のものは、干拓地の造成という形で堤防を作っておるわけであります。
  142. 田中一

    田中一君 そうでない。今までたくさんあるのですよ。港、漁港に続いて農地もある。これは漁港の範囲を出たのだから、うっちゃっておくということが、今まで往々あったのですね、今まで。だから、僕が言っているのは、ほんとうにこの法律が通った暁には、一つの一応の基準を作って、個々の問題は個々の問題です、そうして構造基準を作っておいて、海岸保全というものを仲よく同じような方法でもってやっていくかどうかということを聞いているのです。
  143. 岡田覚夫

    説明員(岡田覚夫君) 大体そういうことになると考えます。
  144. 田中一

    田中一君 そうすると、河川局長に伺いますが、三者とも全くこの法律が通過した暁には、今言う構造上の基準というものを作ってきめて、そうして構造上の問題についてはもう議論ない。海岸堤防というものは海岸のうしろにあるところの陸地を守るのだということが海岸堤防の原則なんですね。そうでしょう。農地だろうが、漁港だろうが、宅地だろうが、同じことなんです、こいつは。だから、基本的な海岸保全ですか、海岸保全の施設というものは同じものでなくちゃならぬということを言っているのです。そうすると、それはこの法律が通ったらば、一定の基準を作って、農地だろうと市街地だろうと、何だろうと、全部同じような基準でやっていくということを、三省話し合いのもとでこの法律ができているものと了解していいのですか。
  145. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) そういうふうな保全のための強度においては、そういう考えでございます。ただ、そのほかの目的が加味されると、強さは同じでも構造は変るということはあるわけでありますが、強さについてはそういう考えであります。
  146. 赤木正雄

    委員長赤木正雄君) 別に御発言もなければ、大体質疑は尽きたものと認めて、本日はこれをもって散会いたします。    午後三時二十六分散会      —————・—————