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衆議院議員(
田中角榮君) ただいま申されたその
通りであります。
道路整備費の
財源等に関する臨時
措置法第二条に規定する
道路整備五カ年
計画の実施に関する国費
財源としては、いわゆる当該
年度の
揮発油税収入額を充てるのだということは、明らかに
法律できめてあるのであります。この
法律を改正しない以上、新しいこの
道路交通の
確保に関する
法律が出て、国が
補助しなければならないと規定した場合には、当然この
法律の求むる
財源は別に
支出しなければならないと、こう簡単に私は割り切っておるわけであります。
ただ、でき得べくんば、これは
予算を伴う
事業でありますので、実質的には
政府とできるだけ十分連絡をし、調整をして出されることが好ましい現象であります。ところが、
政府は何でもかんでも全部議員の言うことを聞くとは限らないのであります。まあこれは一例を申し上げますと、自由民主党も、選挙区では相当大きなことを言っておるわけであります。その政策をまとめてみると、最終になると千三百七十億ばかりという党の要求が出るわけであります。これはまあ
大蔵省は、とても
財源が許さないということで、二百億でついに最後は妥結して、参議院ではおしかりを受けておるわけであります。できもしないことをどうしてしゃべっているのか、こういうおしかりを受けるわけでありますが、私は大蔵事務当局とお話して、どうしても議員がお
考えになることであっても、なかなかうまくいかないということは、これはいつでも
大蔵省は申されるのであります。しかしこの問題は、いつでも
大蔵省が
財源の問題でもってなかなかむずかしいと言われておることでも、非常に重要度が高いのでありますし、特にこれは
衆議院におきましては全会一致の
法律案であります。その
意味において、
衆議院及び参議院の院議によって
法律ができれば、当然
政府は拘束されるわけでありますが、それかといって、無理に拘束をしよう、
政府とは全然話し合いがつかないのだという
考えで、これを出しておるわけではないのであります。しかも社会党さん及び自由民主党が、お互いに超党派で出すというのでありますから、できるだけ円満にやれるようにと、こういう慎重な態度でやったのでありますが、実際私たちがこの
法律案を
提案し、御
審議をわずらわして通していただくのには、五カ年間に二、三百億も出していただきたいという腹があるのでありますが、それでは
予算編成権を拘束するであろうと思うから、
大蔵当局の良識に待とう。もうこの段階になっては、これは大蔵事務当局はいつまでいっても、まあ
ガソリン税も入れてくれ、特に
道路整備五カ年
計画法は、この
国会で
修正をし、
道路公団に出資をすることができるというふうに道を開いたじゃないか、そういう前例もあるから、それに合わすようにこの
法律を適用してくれないかというのでありますが、これは
衆議院におきましては、社会党も自由民主党も反対であります。それであるならば、先ほどあなたが申された
通り、この
法律を出す必要は何もないじゃないか、こういうのでありまして、最終的な問題としては、結局二、三百億というところを、百億でしぼるか、また
予算を編成するところで六十億になるか、五十億になるかということは、まあお互いが
財政問題をにらみ合わして、当該
年度の
予算を編成するときになって円満に妥結すればいいじゃないかというので、
大蔵省の希望を入れて、三分の二ということでありましたが、「三分の二以内」、しかも「
予算の
範囲内」ということまで譲ったのであります。
だから、まあもちろん譲ったのでありますから、
大蔵省当局はここに来られて、またできるならば
ガソリン税に入れてくれないかなどと、できもしないことをお頼みにならないで、
ガソリン税以外で本法の要求する
費用は捻出に努めます、努めますが、その限度にはおのずから際限があるのでありますから、何とか
一つそこで折り合っていただきたいと言われる方が、私は正しいと思います。しかも大蔵事務当局がここへ来て、何でもかんでもとにかく
予算が許さない、一兆円の
予算を組んでおるのでありますが、しかも一兆円という
ワク一ぱいというのではない。一兆をオーバーして、来年は一兆二千億になるかもしれないのであります。そういうことを
考えておるときに、この
財源をいつまでも一兆円という
ワクにはめられておるという前提で、自繩自縛で、
冬季間
日本の半分が
交通確保ができておらないというその
交通確保に対して道を開き、しかもそれが
人口の再
分布の原因を作り、
地方産業の発達を大きくして、いわゆる都市に
人口が集中するのを防ぐんだ、こういう大きな政治命題を持っておるこの
法律案に対しては、もう少し私は奮発いたしますと、こういうふうな御答弁があるものと期待をしております。
まあこの
法律案を出すときにも、この
程度で話がついたら出そうと全会できまりましたのは、今耐火建築促進法という
衆参両院の議員
提案の現行法があります。初
年度は二億、四億、六億、八億、十億と計上し、五年間で立体的な都市に進めなければならぬ。二年たったら、もうほとんど田地田畑はみな宅地に変換されてしまうという
意味で、
衆参両院の議決がなされたのであります。それが四、五年たったら、今
年度は原案においてはゼロにしよう。それが千万円に増額され、最後に大蔵事務当局の良識によりまして六千万円にしたのであります。六千万円では困りますぞと言ったら、その舌の根のかわかないうちに、能代の大火が起ったのであります。大蔵事務当局も非常によくお
考えになっておるようでありますが、ただ過去の実績だけを累積してものを
考えておられますが、
政府も実績だけを見ておったんじゃ話にならない。先を見て
一つ立法しよう、こういうのが
衆議院の両党の
意見でありまして、この
法律案を出したのでありますから、もちろん私も与党でありますので、
政府との円満な連絡はとらなければならないとは思いますが、この
法律案審議の
過程において、
ガソリン税収入額の中の一部でも繰り込んでもらいたいという
議論には、いささか賛成できないのであります。