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1956-05-24 第24回国会 参議院 決算委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月二十四日(木曜日)    午後一時四十七分開会   —————————————   委員の異動 五月二十一日委員久保等辞任につ き、その補欠として永岡光治君を議長 において指名した。 五月二十二日委員永岡光治辞任につ き、その補欠として久保等君を議長に おいて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     田中  一君    理事            青柳 秀夫君            紅露 みつ君            白井  勇君            大倉 精一君    委員            岡田 信次君            西川彌平治君            笹森 順造君            白川 一雄君            瀧井治三郎君            最上 英子君            久保  等君            近藤 信一君            山田 節男君            梶原 茂嘉君            島村 軍次君            八木 幸吉君   政府委員    内閣官房長官  根本龍太郎君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     大山  正君    大蔵大臣官房長 石原 周夫君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    日本国有鉄道施    設局長     佐藤 輝雄君   —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選 ○本委員会の運営に関する件 ○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十九年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和二十九年度政府関係機関決算書  (内閣提出)   —————————————
  2. 田中一

    委員長田中一君) ただいまから第十八回決算委員会開会いたします。  まず委員の変更を御報告申し上げます。五月二十一日久保等君の辞任に伴いまして、永岡光治君が補欠として選任されました。五月二十二日永岡光治君の辞任に伴いまして、久保等君が補欠として選任されました。  また梶原茂嘉君の理事辞任に伴う補欠互選の件についてお諮りいたします。理事補欠互選につきましては、成規手続を省略して、その指名を委員長に一任とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないと認めまして、奥むめお君を理事に指名いたします。   —————————————
  4. 田中一

    委員長田中一君) 次に本日の理事会において申し合せました事項についてお諮りいたします。  本日の委員会日程に関する件は、お手元に差し上げてあります日程によりまして、公務員不当事項に対する処分に関する件を内閣官房長官根本龍太郎君から伺うことにいたします。なおこれに関連して、国鉄その他からも経理局長以下出席を願いまして質疑をいたすことにいたします。時間の関係上、予定されておりましたが、防衛庁は次回に譲ることに決定いたしました。  次回以後の委員会日程に関しましては、委員長にその開会の日時を御一任願うように申し合せいたしましたので、その点、御了承願いたいと思います。  小委員会資料要求その他の手続に関する件は、小委員会国会法第百四条及び規則第百八十一条に基き議長を経由する正式の資料要求手続を行う必要がある場合には、委員会決定を省略して委員長に一任することとし、委員長は小委員会決定に基き正式の資料要求手続を行う。また証人、参考人その他議長を経由して正式に手続を要するもの及び議長の承認を要するものについても、委員会決定委員長に一任し、委員長は小委員会決定を適宜措置することとする。ただしこの措置はやむを得ない場合に限ることとすると。以上の申し合せをいたしましたので、御了承願いたいと思います。  なお継続調査案件といたしまして、国鉄関係三つ案件が持たれておりましたが、そのうち、国鉄民衆駅に関する件、国鉄外郭団体に関する件、国鉄経理状況に関する件の三つを一括いたしまして、国鉄経理及び財産管理状況に関する件として要求し、なお病変米に関する件、この二件を調査案件として継続審議いたしたいと存じます。  以上の通り申し合せましたが、理事会決定通り決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中一

    委員長田中一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  6. 田中一

    委員長田中一君) それではこれより議題に入ります。  昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書昭和二十九年度政府関係機関決算書議題といたします。  まず公務員不当事項に対する処分に関する件を質疑いたします。本件につきましては、前回の委員会において淺井人事院総裁から説明を聴取したのでありますが、本日は根本官房長官に御出席を願って説明を求める次第であります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 八木幸吉

    八木幸吉君 官房長官にお伺いをいたしたいと思いますが、最初国家公務員出勤状態のことについてはお尋ねをいたしたいと思うのでございます。四月の二十八日の産経時事記事に基いてお尋ねをいたしたいのでございますが、四月の二十日に総理府から各省次官宛執務時間に関する通達というのをお出しになって、執務時間は朝の八時半から夕方の五時まで、こういうことにおきめになった。ところが、その後の、一週間たっての状況がただいま申しました通り新聞紙に出ておりましたが、「三日坊主の定刻出勤」、こういう題で、「課長級はでたらめ、出そろうのは十時過ぎ」、こういう表題で、厚生省は、まず通達は知らぬ課長さん。建設省、自治庁女子職員は好調。通産省は、九時ごろには、やっと六割ぐらいが出ておる。農林省は、九時には給仕が一人で、電話が外からじゃんじゃんかかっているのに一人も応接する者がいない。外務省は九時半がやっとだ。通産省は、人は非常に少いけれども理髪店喫茶部は朝から満員だ。郵政省は、政務次官は非常に早く出ておられるが、一般はまず九時半から十時ごろが出勤のピークであって、勤務時間中でも裏庭でバトミントンが盛んで、芝公園まで遠征する野球チームがある。それから文部省は、大臣がやかましいので比較的状態がいい。  こういったようなことが出ておりますが、そこで私、官房長官にお伺い申し上げたいのは、その後の状態は一体どうなっておるのか。民間では、昨日、私、伺ったのですが、昭和電工では、一週間のうちで三回、朝八時から重役会を開く。関西の各会社等でも社長以下大てい九時ごろには会社に出ております。ある私の先輩は、もう日が上ると同時に社会の活動が始まっておるのだから、会社首脳者というものは、なるべく早く出なければならぬということを言われたことがありますが、どうもこの通達をお出しになったということは、非常に出勤状態が悪いのだということのために、それを是正する意味でお出しになったと思うのですが、今の新聞記事にもあります通りに、八時半から五時までなんということは、これは空文にひとしいので、官庁がそれだけ遅ければ、やはり民間はそれがために非常な迷惑をこうむる、こういう状態であると思うので、その点一つ伺っておきたいと思います。
  8. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 現在の官庁勤務時間は八時半から五時となっております。これを励行するように示達したことは事実であります。これは文書によらず、事務次官会議で厳重にそういうふうに示達しておる次第でございます。部局によってお示しのような状況でありますが、まことに遺憾でございまして、官庁は役人のための官庁でないので、一般国民のためのものでございまするので、厳重にさらに注意いたしまして、そういうことのないようにいたしたいと存じます。従来御指摘のような点が仄聞されましたので、実は強く要請したわけでございます。まじめなところでは、今度新しくできました科学技術庁方面では、これは政務次官、それから次長も非常に早く出て、それで大臣も早期に登庁いたしまして、朝、幹部会議を開いて進めするが、こういうふうなよき慣例は全体の官庁に及ぼしたいと思っております。御指摘の点、まことにこれは恐縮いたしておりまして、さっそくまた閣議並びに次官会議に示達しまして、時間を励行するように処置したいと思います。
  9. 八木幸吉

    八木幸吉君 次に公務員不当不正行為に対する処分の問題について伺いたいと思います。  最初国有財産処分に関連しての問題でありますが、御承知の、世間で有名になりました元の印刷局長の問題で御注意を喚起されたと存じます。この印刷局長の問題は、御承知通り昭和二十二年の三月に、旧山階宮家土地家屋、七百三十坪の敷地、四十二坪の建物局長官舎として買った、まあ、そこに問題があるわけであります。この買収の経費の出し方につきましても、災害対策費の項目から出ております。この問題も一つの大きな問題だと思うのですが、その問題は暫く触れませんで、これは二十二年の三月に買ったこの土地を、二十五年の四月に行政財産普通財産に変更した。その変更した理由は、敷地が広過ぎるからである、こういうことで並日通財産になったのであります。その後、さらに二十九年でありましたかの六月かに、東京財務局長から印刷局長に御転任になった前の印刷局長が、不当に安い値段で二百四十七万八千円でこれを払い下げた。しかもその代金の払い方は十カ年年賦であるというのが事件の概要でありますが、  それに対して私が、これは不都合であると、こう考えます点を申し上げてみますと、  第一は、井上局長は、関東財務局総務部長時代に、自分の住んでいた家を局長官舎が要るというので大蔵省に買わせた。ところが局長官舎が要るというので買い上げさせたけれども、当時、局長はほかのところに住んでおられまして、一ぺんもお入りにならない。結局二十二年から二十九年までずっと井上局長が住んでおられて、局長官舎が必要だという理由は、あとから見れば何ら根拠のないものであった、こう言うても過言でないという状態でありました。  それから、最初からこの敷地が七百三十坪あるのは、これは建物に比して広いということはわかり切っておったのですが、後に行政財産から普通財産にかえるときには敷地が広過ぎるという、買うときと何ら変らない理由でこの用途を変更しておる。  それから第三には、財務局長ではむろん自分職務柄払い下げができないのですが、印刷局長にかわったらすぐ払い下げ手続をしている。  第四には、価格が非常に安い。おそらく七百万円以上のものでありましょうが、それを二百五十万円以下で買っておる。  それから五番目は、十カ年の延納であって、延納の場合には、国有財産特別措置法第十一条によって、確実な担保をとるということが法律規定できめてあるにもかかわらず、無担保で、しかも抵当権設定もされずにこれが買われている。これは明らかに違反であります。  それから第六番目には、国と印刷局長との契約には、抵当権設定登記のことだとか増担保条項等が麗々しく書いてありますけれども、何にも実行されておらぬ。一種のこれは擬装的の契約だとも言い得るという状態にあるわけであります。  以上はこの官舎払い下げに関連することだけでありますけれども、そのほかになお新聞紙の伝うるところによれば、自分が買った後に印刷局出入り建築業者家屋を数十万円かけて修繕をした。またゴルフの入会金ども外郭団体である朝陽会から数十万円支出しておる。こういったような数々の、まことに言語道断の所業があったのであります。  さて、ここで、これの処分はどうなっておるかと申しますと、依願免職処分になっておる。依願免職処分でありますから、恩給退職金もそのままである。どうもこの問題の処置は、私ども国民立場から見れば、その官職が非常に高級官吏であるだけに、納得のいかない処分である。こういうことであれば、幾ら官紀粛正が叫ばれましても、とうていこの膨大ないろいろの不当不正、たとえば決算委員会でも問題になります会計検査院不正不当事項も二千何百件、金額にして七十三億ことしも出ておりますが、こういう行政処分政府が平気でやっておられたならば、百年河清を待つというても過言でないと、かように考えますので、この依願免職が妥当であったかどうかという点について官房長官の御意見を伺ってみたい、かように存ずるのであります。
  10. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 官吏信賞必罰を徹底すべしという御議論には全く賛成でございまして、その趣旨から、実は先般も当委員会において総理が申し上げましたごとく、信賞必罰をやる。従来ややともしますれば、当委員会質疑された事項あるいは会計検査院批難事項を、一応事務当局をしてまあ善処せよという程度でありましたのを、実は私から三回ばかり閣議にこれを報告いたしまして、おのおの調査の上厳重なる処分をする、自後そういうことのないように、ということを特に厳重に申し上げておる次第でございます。従いまして、御趣旨には全く同感でございまするが、今具体的な問題となりました前の印刷局長の行いましたところの行為、並びにこれに対する処置につきましては、御承知のように現在の懲戒処分権任命権者に与えておるのでございます。従いまして大蔵大臣がこれの任命権者でありまするので、そちらの方が、どういう見解の下に、どういう事実調査の下にこういう処分をしたかを申し上げることが適当だと思いますので、私その詳細をまだきわめておりませんので、政府委員として大蔵省官房長が参っておりますから、そちらの方から答弁させていただきたいと思います。
  11. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 井上局長処分の問題でございまするが、これは、かつて数週間前でございましたか、この委員会におきましてお尋ねがございまして、お答えをいたしておりますのですが、井上局長といたしましては、印刷局に幾つかの事故がございまして、それが司法当局の発動するところとなりまして、いわゆる印刷局の問題を生じたわけでございます。それで、その後におきまして責任を痛感をいたしまして辞表を提出をいたしておったわけであります。その後におきまして、ただいまお話のございました局長自身の住んでおりまする家の払い下げが不当に安かったのではないかという疑いを生じまして、自身その官を退くに至ったわけでございます。この問題は御承知のように相当長くかかっておりましたので、印刷局職務を行なって参りまするためには、印刷局長を更迭をいたしまして、新しい印刷局長の下におきまして再建をはかるということが必要だったのであります。その際に今申し上げましたような点にかんがみまして、その当時の事実から判断をいたしまして、依願免官という措置をとったわけであります。その後におきまして、先ほど来申し上げておりまするような事実もあったのでございまするから、本人の申し出もございまして、当該の土地建物につきましては四月十九日をもちまして契約解除ということをいたしております。それらの意をあわせて考えてみまして、依願免官と申しまするのは、昔で申しまする諭旨退職というような意味を含んでおりまするので、官吏としての身分を失うという意味におきまして、相当重い扱いであるというふうに私どもは考えて、依願免職をやったわけであります。その後の状況からみまして、これか不当であったというふうには今日考えていないわけであります。付け加えてちょっと申し上げておきまするが、土地建物延納担保の点でありますが、これにつきましては、本人からは先取り特権登記委託証払い下げ契約に差し添えて提出になっており、それを財務局側におきまして事務手続の疎漏で登記をいたさなかった。その点につきましては、今八木委員かお申し述べになりました事実のうちで、多少付け加えて申し上げたらいいかと思いますので、この機会に申し上げます。
  12. 八木幸吉

    八木幸吉君 今、官房長から担保の問題がありましたが、いろいろ経路においては何か委任状をお出しになったというお話しですが、確実な担保をとるということが法律でちゃんときまっておるのです。きまっておるにもかかわらず、手続の疎漏といってみたところが、民間で、これは時価七、八百万円もするものなんですが、十カ年月賦で、初めには五十数万円しか払ってないということであれば、民間であれば、法律になくても担保を取るのは、これは当りまえの話です。ところが、われわれしろうとがやるのじゃなくて、その道で何年もその方の監督の位置にある人のやることが、手続の疎漏で、それがまだ完了してなかったというふうなことは、これは弁解にはならんのですね。その関係者責任を十分痛感すべきであるという一点を、ただ私、申し上げて、その問題はこれだけにしておきますが。  もう一つ今の官房長のお言葉で、私どものどうしても納得のいかないのは、依願免職がきわめて妥当な処置であった、こういう御見解については、私、納得ができないのであります。どうも大蔵省のお考え方は、大へん失礼な例を申しますが、名前を出しては悪いのですけれども、よく昔、朝鮮あたりで、子供がどろぼうをする、現場をつかまえる、取った物を返せばもともとじゃないか、こう言ったということを朝鮮から帰った人に私よく聞きましたが、今も官房長から、あの契約解除して物を返したのだということが、やはり情状のうちの非常に大きな一つの部分を占めておるようでありますけれども、悪いことをして物を返せばそれで済むのだということは、私はこれは納得ができないのです。この間も言った依願免職は一体各省でどの程度やっておるのかということについて、各省からの調査をいただいて私ここに持っておりますが、少いところもありますが、大蔵省が一番依願免職が多いのであります。数はちょっと当ってみませんが、これで一カ年間に七十名くらいあるでしょう。七十名くらいここに出ておると思いますが、その退職理由を見ますと、金を横領したとか、あるいは収賄したとか、供応に応じたとか、いろいろなことが書いてありますが、しかし、みなそれを弁済したというので、懲戒処分にならずに、依願免職になって、恩給退職金ももらっておる。どうも返せばいいといったような考え方が多分におありになるのではないかと、この点、はなはだ私は了解に苦しむわけでありますが、もう一点、その点について官房長から伺ってみたいと思います。
  13. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 八木委員指摘のように、事柄はすでにわかっておるのでございますから、のちにおきまして、原状回復契約解除、あるいは返還というようなことによりまして、返せばいいのだというふうには相成らんことは、全くお示し通りであります。私どもはそういうふうに考えまして、従いまして、契約解除いたしたから、本人としての責任が非常に軽くなったというふうには考えないわけであります。ただ全体の懲戒その他の扱いにおきまして、そういうような過ちがある程度事後においても是正される道があったか、あるいは是正せられたかということは、これはやはり情状のうちの一つとしては考えておる。従いまして、依願免官というのは、先ほど申し上げましたように、本人の願いによりまして、これを承認するという形になっておりまするが、これは昔の言葉で申せば諭旨退職というものに類似をいたしておるのでありまして、官吏としての身分を奪うという意味処置にはなっておるわけであります。そこら辺の点は八木委員のおっしゃいます通り、私どもも、なんらか返還ということによりまして、過ちが消えるものだというふうには考えておりません。
  14. 八木幸吉

    八木幸吉君 官房長にはその程度にいたしておきます。官房長官に続いて伺います。今お聞きの通りのような成り行きで、私は依願免職という処分はどうしても納得がいかない。そこで何かこれを是正する手段はないか、こういうのでいろいろ研究をいたしました結果、国家公務員法の第八十四条には、御承知通り懲戒処分規定があるわけでありまして、第一項には「懲戒処分は、任命権者が、これを行う。」第二項には「人事院は、この法律規定された調査を経て職員懲戒手続に付することができる。」こういう規定があるのでございますから、人事院総裁に当委員会にお越しをいただきまして、この第八十四条第二項によって、人事院みずからが、この依願免職処分が不当であるというふうな御見解ならば、人事院独自の立場でさらにこれらに対して調査をし、適当な処分をするということをしてもらってはどうかということを実は聞いたわけなのです。そういたしますと、人事院総裁は、どうもこの法律の従来の解釈では、一たん免職したものは公務員としての身分を喪失しておるから、人事院懲戒の対象にはならない、こういうまあお話しでありました。この解釈に対して、私、必ずしも全面的に納得が今でもいっておりません。というのは、御承知通り人事院はいろいろ任命権者の不当な懲戒手続に対して救済的な立場におるわけでありますから、救済するということがあるならば、今度は軽いものを是正するということも当然やはり行うのが、人事院立場としては当然であるし、それの根拠規定としては八十四条第二項が適用できるのじゃないか、こういう気持ちはあるわけでありますけれども人事院総裁がそう言われますので、その点はそのままにいたしておきまして、次に、依願免職以外の、免職しておらぬ行政処分措置による懲戒処分一覧表というのを、人事院当局から提出を求めたわけであります。そういたしますと、人事院職員課から過去一カ年間における全省庁懲戒処分理由別件数表というものをいただきました。それを拝見しますと、過去一年間に懲戒処分になった者が二千七百名あります。懲戒の種類は、免職停職減給戒告ということになっておるわけであります。この一覧表を見まして、私、非常に驚きましたことは、たとえば文書偽造、収賄、横領、公金流用、窃盗、強盗、詐欺、恐喝、暴行、傷害といった、一言で言えば破廉恥罪ともいうべき悪質の犯罪に対して、戒告処分だけで、停職にも、減給にも、いわんや免職にもなっておらぬ件数が千三百十三件、二千七百の約半数というものは、今申しましたような非常に悪質な事件であっても、なおかつ戒告だけで済んでおる、こういう事例が発見されましたので、私は実は非常に驚いておるわけであります。さらに、それでは一体この国家公務員背任罪というものはどれぐらいあるのかということを、法務省の刑事局調査を依頼いたしまして、この二十一日にその調べが参ったわけでありますが、非常に完全な調べとは申すわけには参りませんが、「国家並びに地方公務員在職背任容疑で取り調べられた件数起訴起訴件数について。在職中の背任容疑そのものについては統計がないので、当局に対し右年度中に報告のあった事件につき、取りあえず」報告する。こういうので報告がありましたのですが、それを見ますと、昭和二十八年に報告件数が十二件、不起訴件数が十二件、起訴がなし。昭和二十九年が報告件数が十二件で、起訴が一件、不起訴が十一件。昭和三十年が報告件数が十三件、起訴が四件、不起訴が七件、未処理が二件。つまりこの三カ年を通じまして報告された件数が三十七件で、起訴がわずかに五件である。これをみましても、背任司法権発動、検事が起訴するというのはきわめてわずかである。そういたしますと、公務員懲戒に値するような事件が非常にたくさん起っているのに、背任罪でこれを処置するということは非常に少い。行政処分としては、今申しましたように、これもまた非常に少いということでは、結局官紀粛正ということは望みがたいのじゃないかというふうに私は実は考えるのでありまして、試みに諸外国の例を調査立法考査局調査を依頼いたしまして、「フランスにおける官吏汚職行為に対する刑罰による制裁」の調べだけが参ったわけでありますが、それによりますと、公文書偽造は無期徒刑一本です。これは私非常に驚いたんですが、公文書偽造は無期徒刑一本です、フランス刑法の第百四十五条にあるのですが……。公けの受託者の横領罪が一万フラン以下のものでも二年ないし五年の禁固であります。官吏がたとえば税金なんかを不法に請求した場合の罪が、二年以上十年以下の禁固、収賄は二年以上十年以下の禁固で、おまけに収賄したものの二倍の罰金を課せられて、その罰金が、しかも二万五千フラン以上収賄でもらったものは国家が没収する、こういったようなフランスの規定が、おそらくフランスの官吏というものは非常に腐敗しているから、こういう規定が起ったのだろうと思いますが、そこで私は官房長官にお願いしたいのは、国民感情としてこのようだ、今の印刷局長の例で申しましても、かような例でも依願免職で、恩給退職金ももらえるというようなことでは、われわれ年に一人当り平均一万五千円以上も苦しい中から税金を払っている国民としては、この税金で衣食している公務員がこんなふらちを働いて、しかもなお恩給退職金ももらって、依願免職くらいで、そうしてその職を離れるくらいの処置をしておっては、一体われわれの税金はこんなことに使われていいのかということが、これが偽らざる国民の感情であろうと思います。また公務員の中にも善良な方がたくさんおられるわけでありますから、この善良な方々の考え方からいっても、ああいうことをしてさえ、何ともないんだからといって、まじめな人は非常に憤慨されるんじゃないか、私はこう思うのでありまして、どうも今の上の方の方の考え方というものが、非常にわれわれの国民感情から離れておるという、ここに一つのまた例があります。これは郵政省ですが、郵政省は、依願免官に容易にするとあとに困るからと、こういう回答が参っております。「当省では、職員が非違事件を発生した場合は、すべて部内の懲戒処分基準に照らし相当処分を行い、特に軽微な事案を除き直ちに依願免職措置はしないこととしております」、こういう非常にはっきりした前書きがあるのでありますが、その依願免職者の調べを見てみますと、たとえばある郵便局では、三十万三千七百十二円の保険料の横領があったのに依願免職にしておる。この依願免職にどうしてしたという理由は、非違者が局長の五男であって、その奥さんから内済にするように懇請されたから依願免職にしておる、頼み込まれたから、三十万円横領したけれども依願免職にしておる。それからまたもう一つは、ここに七万三千三十五円の保険料のやはりこれは横領事件がありますが、   〔委員長退席、理事大倉精一君着席〕  それの依願免職にした理由は、被害金はすでに弁償したこと、及び事件が表面化することにより、保険募集に努力している局員の士気に影響を与えることがおそれられたこと、並びに非違者が局長の次男であり、親子の情にかられ、依願免職として処理した。こういうことになっている。私は悪いことをしている連中が保険の勧誘に当っているのは、それを処置しなければ、他のまじめな保険勧誘員の士気に悪影響を与えると思うのですが、この理由書では七万三千円使った者を依願免職にして、表面化すると、保険募集に努力しておる局員の士気に悪い影響を与えることをおそれ、また親子の情にかられて依願免職にした。一体こういう行政処分のやり方では、国民がこれを聞いたならばこれはとてもやりきれぬとこう私は思うのです。  そこで官房長官にお願いしたいことば、どうか一つこの問題をもう一ぺん閣議なり、あるいは次官通達でもお出しいただいて、厳重にこの問題を新しい観点で、もっと強く国家公務員不当不正行為に対しては処置をしてもらいたい。これは単に私がここで申し上げるだけでない。参議院としましては、すでに院議でかなり強い決定があるわけです。くどいようでありますが、昭和二十九年四月二十三日の本会議で「懲戒処分の適正励行に関する決議」、これは参議院の満場一致で通過いたしておりますが、念のためにちょっと読ましてもらいます。   内閣提出の決算検査報告によれば、  公務員による不当行為は累年激増  し、官紀の弛緩これより甚しきはな  く、国家のため憂慮に耐えない。   然るに他面これらの不当行為者に  対する処分は緩慢にして、却って成  規の処罰を回避している観が強い。  即ち特に刑事事件に聞しない限り、  その制裁は単に「注意」又は「訓告」の  程度に惜まるのを常とし、法律上の  懲戒処分は殆んど行われず、国家公  務員法第八十二条は空文化している  現状である。   かくの如き微温的態度は、不当行  為の防止上何等の効果なく、却って  法律軽視の気風を醸成するに過ぎ  ず、懲戒制度の目的を甚しく滅却す  るものといわなければならない。   内閣は、かくの如き弊風を一掃す  るため、懲戒処分を厳正に励行し一  罰百戒の実を挙げ、もって吏道の刷  新に努むべきである。   右決議する。  これは二十九年四月の本参議院の満場一致可決した決議であります。  ところがこの二十九年度の決算処分調査を見ますと、国家公務員法のいわゆる懲戒処分の行われてない省庁が、建設省、通産省、厚生省、調達庁、北海道開発庁には一件も懲戒処分が行われていない。ただ建設省などはいろいろ補助金関係等で、相当やはりこの決算報告会計検査院指摘を受けていることがあるのです。あるけれども戒告さえも行われていないというのが実は現状でありまして、今ここで朗読いたしましたこの参議院の院議なんというものは、まるで無視されているというのが現状であります。  そこで私はお忙しいところを特にここに官房長官委員長を通じておいでをお願いいたしましたのは、この実情をさらけ出して、一つここら辺でまるで違った観点で、われわれからいえば、悪いことをした者は懲戒免職になる、これは非常に素朴な考え方ですけれども、その考えが上から下まで徹底すれば、これはいい方法ではありませんけれども、もう少し官紀が振粛されるんじゃないか。局長の職にある人でも、いろいろな理由をつけて依願免職にする、相当巨額の退職金をもらう、恩給ももらう。理由はいろいろありましょうけれども、今理由をいっている場合ではないのですから、公務員で悪いことをすれば懲戒免職になる、その処置が不当であれば人事院がこれを救済するというくらいのはっきりした素朴な勇断をもって、一つこれを今の内閣ではぜひやってもらいたいということを、この機会にお願いしたいと思って、実はお忙しいのをおいでをいただいたのでありますが、この点についての一つ御所見を拝聴いたしたいと思います。
  15. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) ただいま八木委員から申されたことはまことに同感でございます。先ほども申しましたように、私は当委員会の強い御指摘によりまして、三回にわたって閣議で発言をし、各大臣の善処を要望して参ったのでありまするが、いまだその成果が十分でないというような感じもいたしまするので、明日定例閣議がございますので、あらためて御決議の趣旨並びに本日御指摘の点を申し上げまして、十分善処するように私から申し上げたいと存じます。
  16. 八木幸吉

    八木幸吉君 なおもう一点だけ。  それからまた公金を費消したとか、横領したとかいったことだけでなしに、非常に重大な過失だとか、あるいは怠慢のために何千万円という国損を来たしている事例が実にたくさんある。ところが法規に触れてさえいなければ、一向にそれを顧みないというのが現状であります。この国損の面から申しましても、周到な注意を払わなかったために国家に少からない損害を与えておるような場合には、やはり他の問題に準じて相当重い処置をするということも、この機会にあわせてお願いを申し上げます。
  17. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 八木委員からすでに御質問がございましたので、私重ねてお尋ねすることはかえって失礼かと思いますけれども、せっかく官房長官おいでになっておりますので、ごく簡単に今一度だけお尋ねをしたいのでありますが、印刷局長依願免官につきましては、官房長官自身としてはどういうふうにお考えになっておるか。それをまずお伺い申します。
  18. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 印刷局長処分の件につきましては、これは御承知のように任命権者が実情を調査の上決定することでございます。しかもただいま大蔵省官房長の御説明によりますれば、当局といたしましては、遺憾であるけれども、遺憾の点は多々ありましたけれども、現状において依願免官が至当なりと、こう解釈しているようでもあります。なお、また人事院当局も、国家公務員法八十四条の解釈につきましては、任命権者処分を行わないときにこの第二項が発動すると解釈するようでありまするので、さらに政府から任命権者に対して、もう一つ罪を重くして処分せいというような指示も、これは人事院関係の方でそういう措置を講じないという解釈をとっている以上、ちょっといたしかねると思いますが、今後におきましては、十分にただいま御指摘の点に従いまして、公務員たる人の国家、国民に対する責任を明確にする意味において信賞必罰の方針をもって臨むように各閣僚に申し伝えたいと思う次第でございます。
  19. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 石原官房長お尋ねするのでありますが、井上局長に対して依願免官をおとりになった、そのやむを得なかった理由ですね、それを簡単に一つ説明願いたい。
  20. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 先ほど八木委員お尋ねに対してお答えをしましたごとく、印刷局の内部におきまして数々の事故を出しまして、その点の責任を痛感をいたしまして辞表を井上君が提出した。その後、本人土地建物払い下げ価格が不当に安かったということにつきましての容疑が生ずるに及びまして、一面、印刷局の再建というか、建直しをはかって参りまするのに局長を更迭をいたす必要がある。その際に依願免官処置をとりましたのは、その当時におきまする判断として、これは依願免官によって本人官吏たるの身分を失わせるということが適当であるというふうに考えたわけであります。
  21. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 私は根本官房長官から今非常に真剣な御意見がございまして、ぜひ一つお願いしたいと思うのでありますが、また石原官房長は休職にはできないから依願免官にしたというようなことを前にもおっしゃっておって、依願免官がこの際一番厳格な措置である、妥当なる措置である。綱紀粛正にもむしろ悪い影響はないというようなお考えのようでありますが、私がこの際申し上げたいのは、実は淺井人事院総裁にこの間お尋ねしましたところが、総裁は石原さんと少し違う意見でありまして、これは甘いと申しますか、手ぬるい措置であって、自分では感心しないというような御答弁がございました。しかし人事院としてはそういうすでに済んだことをきびしくやり直すということはできないけれども自分としては遺憾であるというような御意見がございましたので、それではどういうふうにすればいいかという話になりましたところが、必ずしも辞表が出たときに依願免官にしなくても、また休職にはできなくても、その間何と申しますか、現職のままで処置をする。すなわち現職、印刷局長はやめても公務員身分は留保しておいて、その上でもし諸般の事情からして、その方のいろいろの事情がかりに一面刑事問題か何かが起っていても、こういうことも誤りで起ることもあるわけです。でありますから誤りであるということをはっきりすれば、むしろ本人はやめさせないで、引き続き公務員として、さらに栄転させるいき方もあるのであります。もしそうでなければ、はっきり懲戒にするというふうにして、とにかくあわてて梓表を受けつけないで、身分をそのままにしておくことが一つのいき方であると思っているというのが人事院総裁のお答えでございました。  そこで私は官房長官閣議でさらに強く綱紀問題について御発言があるそうでございますが、その道はただもう辞表を出せば受けつけるだけが手でないというところをおくみ下さいまして、そして最も綱紀粛正に合うような、しかもまた当該の方にも必ずしも不利にならんように、私は単にそういう方を責めているのじゃないのでありますけれども、あまりに早く辞表を受けつけてしまって、それが正しい措置だということに対して、どうも納得がいかないものですから、いろいろ法の手続がありますけれども人事院総裁もお考えになっている点がございますから、そういう点も合せて一つ御連絡の上で一番いい措置をおとりになることをお願いするわけなんです。その点だけ繰り返してお願い申し上げまして私の発言を終ります。
  22. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 先ほど八木委員からも申されたことでありまするので、御趣旨に沿うように厳重に閣議で連絡をいたしまして善処するようにしたいと思います。
  23. 大倉精一

    理事(大倉精一君) なお、ただいま佐藤国鉄施設局長出席になっておりますので御報告いたします。
  24. 近藤信一

    ○近藤信一君 八木委員国有財産の問題について関連してちょっと若干質問いたします。  現在加賀山之雄氏の住んでおられる世田谷松原町四丁目百四十六番地のこれは土地と住宅でございますが、これは昭和二十四年の八月九日付で国鉄の所有の登記になっているわけなんですが、その後これが現在加賀山之雄氏の所有に——これは昭和二十八年三月十八日付で登記が済んでおりまするが、所有が渡っておるわけなんでございますか、これはどういういきさつで国鉄の所有のものが加賀山之雄氏の所有になっておるか、このいきさつについて若干の質問をいたします。
  25. 大倉精一

    理事(大倉精一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  26. 大倉精一

    理事(大倉精一君) 速記を起して下さい。  今の近藤君に対する御答弁は、八木君の発言のあとで御答弁を願います。
  27. 八木幸吉

    八木幸吉君 官房長官にもう一点だけ伺いたいのですが、人事院総裁が、任命権者がある一定の懲戒処分をしたのに、ことに依願免職の場合は身分を喪失しておるから、人事院としては独自の立場でやれない、こういう意見を言われた。それから先ほど青柳さんの言われました、今度の印刷局長の問題は、自分としては非常に処置も早くて、かつ軽かったので実は意外に思ったところです、こう言われましたので、それに対して私ども人事院独自でこれに対する是正手段は講ぜられないか、こう申しましたら、任命権者に意見を言うことはできるけれども人事院総裁立場で独自の処置はできない、こういう話でありましたので、そこで私、官房長官お尋ねをいたすのですが、依願免官処置をした、その処置をしたものの処置が不当であれば、これをさらにそれに対して注意を与えるということは、これは総理大臣立場で当然私はできると思います。それから任命権者に——依願免官の場合はどうか存じませんが、任命権者に、懲戒処分に対してそれが適当でなかったという注意を与えて、任命権者そのものがその処置を是正するということはできる、こう言われたわけでありますから、問題は二つですが、一つ依願免職処置が妥当でないとかりにお考えになれば、その依願免職処置決定をしたものに対して総理大臣立場で、大蔵大臣なら大蔵大臣に対して注意を与える、これが一点。それからもう一つは、その他の場合すべてを包含するのですが、一たん処置決定したものでも再調をするということは、再調して不当なものは任命権者に忠告を与えるということは当然できると思うのですが、いかがでしょう。
  28. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) これは昔でありますれば、そういうことは行われたかと思います。しかし現在は御承知のように人事院一つの独立した行政機関といたしまして、法の解釈並びにそうした公務員の懲罰あるいは救済について独自の見解を持ってやっておるのでございまするので、総理大臣が単独に任命権者措置を命令するということは現在できないのじゃないかという解釈をしておるのでございます。
  29. 八木幸吉

    八木幸吉君 行政の最高責任者としての総理大臣が、各省でその処置の不当な場合に注意することは当然できると思うのですが。
  30. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 一般的な注意はできると思いまするけれども、いわば一つの指揮権と申しますか、今の依願免官は不当である、だからこれは懲戒免職にすべしといった命令を指示することは、現在のところできないのではないかという解釈をとっております。今後において十分、そういう疑義があるし、いろいろと世評もあるし、厳重に今後は任命権者において信賞必罰の観点からして、十分に措置をするように今後すべしというような指示をすることは、これは可能だと思っておる次第であります。
  31. 八木幸吉

    八木幸吉君 先ほど申しました二千七百件の過去一年間の懲戒処分に対して、人事院に事前に相談されておったものはわずか八十ぐらいしかない。そこで私、官房長官にお願いするのは、依願免職、ことに高級公務員依願免職等の場合は依願免職が隠れみのみたいなものに使われるおそれがありますから、あらかじめ任命権者から官房長官なら官房長官に相談をし協議をするというような内規といいますか、内達といいますか、さような御措置をおとりいただく方が悔いを後に残さぬのでいいのじゃないか、こう考えますが、この点いかがでしょうか。
  32. 根本龍太郎

    政府委員根本龍太郎君) 注意はいたしますけれども、任命の場合にはおのおの職階に基きまして閣議了解人事、あるいは閣議決定人事、あるいは全然閣議にかからずに各省庁だけでやる人事があるわけでございます。従いまして一がいに言えないと思いますが、高級人事においてそういう問題があるときには、これはいわゆる法規に基いての手続ではなく、道義的に私どもの方に連絡をとって万遺憾なきを期するように指導することは、これは可能であろうと存ずる次第であります。
  33. 大倉精一

    理事(大倉精一君) なお、ただいま加藤国鉄施設局管理課課長補佐が出席されております。ただいまの近藤君の質問に対して御答弁願います。
  34. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) お答え申し上げます。加賀山前総裁がやめられましてから後に、二十七年に書面で諸般の事情——まあ御家庭の事情だと思いますが、そういうような関係で、現在自分の入っておる家を引っ越しするのに困難な事情があるから、自分が持っている下代田の家と交換してくれないか、こういう書面が出て参りました。国鉄の方といたしましては、お売りするということは、私の方といたしましても国鉄の宿舎が減りますので困りますので、交換でしたら国鉄が損をしない、国鉄が有利になるという条件でしたら交換をしてもいいという、そういうような考えを持っております。実際にその提供されるほかの交換の土地——家がいいものでございますから、私の方ではそれに応じて交換いたしたわけでございます。
  35. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、交換された下代田の家、この家の土地の面積と、それから現在住んでおられる世田谷松原町の宅地、それから建坪、これの面積はどれぐらいですか。
  36. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 現在住んでおられます松原町の方の土地の面積は七百四平米ございます。それから建物の面積が百九十七平米、このほかに物置が二十平米ばかりございます。交換されて私の方に受け取りましたものは土地が二百三十四平米ございます。建物は百四十二平米ございます。もちろんこれには価格の差がございますから、別に差金というものはついております。
  37. 近藤信一

    ○近藤信一君 そういたしますると、代田の方と松原町の方とは、宅地の面積も現有の方は約倍以上ということになります。それから建坪の方も相当現在の方が大きいわけなんですが、価格は一体どれくらいで換算されたのですか。そうしてその差額というものはどれほどになったのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
  38. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) お答え申し上げます。現在住んでおられる松原町の方の土地の価格でございますが、これは大体私の方で算定いたしましたときに、いろいろ参考に外部を見ております。このときも東京都あるいは近傍類似のもの、あるいは勧銀の査定、こういうようなものを参考にいたしまして、土地の値段は六十三万八千円に見ております。それから建物は百四十七万円というふうに考えまして、合計いたしまして二百十一万円近く、そういうふうに見ております。それから交換して受け取りました方の土地も、同じような査定に基きまして、土地の方は十四万二千円、それから建物は百八十五万八千円、合計いたしまして二百万円、こういうふうに見ております。結局この二つの価格の差が約十万九千円でございます。これが差金でございます。
  39. 近藤信一

    ○近藤信一君 そうすると差額は十万九千円ですか。
  40. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) さようでございます。
  41. 近藤信一

    ○近藤信一君 十万九千円の差額で交換をされたということになるわけなんですが、現場を見てみなければわかりませんが、私どもがこの数字の上から見て、さらに現在の価格の予想から見まして、これは土地が倍以上もしておる。さらに建物もそんなに倍以上にはなっておりませんが、若干大きい。これはしろうと目に見ましても、わずか十万円そこそこの差額というようなことは、これは考えられないわけなんですが、これは査定委員会が査定されました査定額だ、こうきめてしまえばそれまでのものでございますが、このように国有財産が、こういう十万円そこそこで、土地の倍以上しておるところが交換されるということは、それは大きな疑惑をいだくことだと私は思う。そういう点から考えまして、これは十万円の差額が妥当であるかどうか、こういうことについてどうお考えになっておられるでしょう。
  42. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) お答え申し上げます。こういう交換というものは、やはり疑惑を生じやすいものでございますから、私の方といたしましても、特に念を押して査定することにいたしました。それで先ほど申し上げましたように、土地につきましては、そのほかの方の査定を標準にしております。大体としての感じは、松原の方は道路の狭いところでございますし、下代田の方は淡島のあの自動車車庫の近くで、非常に大きな三間以上の道路に面したところでございます。バスの便も非常によく、渋谷にも近いということでありまして、それで土地の価格におきまして違いがございます。ただここで申し上げなければならないのは、土地は借地になっておりまして、私たちの方は、これの借地権を査定しております。それからもう一つ建物の方でございますが、建物の方は、私の方は全部複成価格で見ております。それで建物の片方の松原の方は十七年経過しておりますし、下代田の方は十三年の経過、しかも下代田の方は総ヒノキ作りと、こう聞いておりまして、建物の出来が非常に段違いに違う。片方の松原の方は庭が広いというのでございますが、建物もだたっ広いというような感じなんでございますが、品物としてはこの下代田の力がはるかにいい。こういうふうに私たちの方の専門家が見まして、それでこの複成価格によってはじいております。その値段がこれでございます。
  43. 近藤信一

    ○近藤信一君 松原の方の建物それから土地、これは合せて二百十一万円、それから下代田の方が二百万円、こういう価格はあなたの方は価格査定の方から査定を受けて、これは妥当なりとこう判断されたでしょうが、これはその当時両方の、下代田とそれから松原町、これの地理的関係、こういう点からいきまして、松原の方が不便だとこうなって、土地が広いけれども安い、こういうふうに査定の方では判断されたと私は思うのであります。しかしこれは周囲の環境、それからいろいろと周囲の住宅の点から考えて、これは専門家の査定委員がしたのだからやむを得ない、こういうことかもしれませんが、実際にはしろうと目が見て、なるほどこれは妥当かというふうに考えた場合には、これは査定というものも妥当かもしれませんが、あまり変りないところで、同じような値段、そうして土地がその倍以上もある。三倍近い土地がある。こういうふうに見た場合には、しろうと考えからゆくと、これは何かあるのじゃないか、こういうふうに考えられるのです。実際三倍からの土地で、あまり便不便という点も変りがない、こういうことになれば、非常にそこに一つの疑惑というものが生じるのじゃないかというふうに考えられる。そういう点から考えて、国鉄は、これは前の総裁であったから、もうだいぶ国鉄の方が損するけれどもやむを得ない、こういうようなことであなたの方が交換されたのではなかろうかというふうに私どもは判断するのです。その点いかがでしょう。
  44. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) お答えを申し上げます。決してそういうことはございません。前の総裁であろうが、これはやはり国有財産に準ずるものでございますから、私たちといたしましてはその点はもう厳正に取り扱うことにしております。なお、この交換は、私が施設局長になる前のことでございますが、私も実はこの近くに住んでいるものでございまして、渋谷の方を通りますと片方の下代田の家の近くを通りますし、それから甲州街道の道を通りますとこちらに出るのでございます。実際に土地がどちらが便利だというのを見ますと、はるかに下代田の方が淡島でございますから渋谷にすぐであるという点は非常に便利なんじゃないかと思っております。なお、この土地の問題につきましては、これは近傍類似、あるいは勧銀その他の専門家がおりますから、これに値段を踏ましてみればこれはもうすぐわかる問題でございます。それから建物も、これはもう建物の専門家に見せますれば、大体その坪当りは幾らだという値段はすぐ踏めます。しかもこれの複成価格はまた計算すればいいのでございます。そういうもので見ていた、たけば、これはもうはっきりするものだと思っております。国鉄といたしましては、こういう財産の件につきましては、従来相当うるさくいわれておりますし、特に売却、交換というものにつきましては、私たちも念には念を入れてやっておりますから、まあこの点につきましては私問題はない、こういうふうに確信しております。
  45. 大倉精一

    理事(大倉精一君) 私から関連してちょっとお伺いしたいのですが、これは別に不正があるとかないとかいう問題じゃなくて、今の井上印刷局長の問題に関連しまして、同じようなケースであるということで質問があると思うのですが、加賀山さんが総裁に就任なすったのはいつでございますか。
  46. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) ちょっと今正確のを忘れたのですが、あとで調べてすぐお答えします。
  47. 大倉精一

    理事(大倉精一君) それでは今の松原町を国鉄が買収をされたのですが、買収をされた時期はいつでありましたか。
  48. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 私は、実はこれはもう戦時中じゃなかったかと思っていたのですが、先ほど二十四年というお話があったので、私もちょっと今、自信がないものでございますが、私は今まで戦時中という話を聞いていたのです。これはまた後ほどよく調べましてお答え申し上げます。
  49. 大倉精一

    理事(大倉精一君) この売収された目的はどういう目的であそこを売収されたのでございますか、価格は幾らでありますか。
  50. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 目的はやはり総裁の宿舎として売収されたわけでございます。鉄道には一種、二種、三種というような宿舎がございますが、この総裁の宿舎として買った、こうなっております。  それから価格につきましては、今私の方も、まだ数字を知ってないものでございますから、それがもし必要ならあとで調べましてお答え申し上げます。
  51. 大倉精一

    理事(大倉精一君) そこで今の就任なすった日時と価格ですね、それからその当時の建物、建坪とそれから宅地ですか、そういうものにつきましての資料をお願いいたしたいと思います。なお、国鉄の総裁用としてお買いになったのですが、加賀山さんはそこにずっとお入りになっておったのですか。
  52. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 入っておられたようでございます。
  53. 大倉精一

    理事(大倉精一君) 家族も一緒に。
  54. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) はあ。
  55. 久保等

    久保等君 これに関連して。もちろん実情はよく知りませんが、今の御説明を伺っておって、松原町の方の建物は、先ほど何か建ててから十七年経過しておるというお話だったのですが、そうだとすると昭和十四年ごろじゃないかと思います。代田の方は十三年程度経過しておるということですから、昭和十八年ごろじゃないかと思いますが、その通りでしょうか。
  56. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 十七年前でございますから、松原町の方は昭和の十年ごろです。
  57. 久保等

    久保等君 二十一年……。
  58. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 二十八年ごろに売っておりますから、十七年で十一年ごろ。
  59. 久保等

    久保等君 そうすると松原町の方の建物昭和十年ごろ、それから代田の方が十四年ごろということで、代田の方はむしろ戦時中に建てられた建物ということになりますか。それから松原町の方が戦争前というか、そういう当時の状況もいろいろ建物の非常にむずかしいとき、あるいはまたそうでなかった時期といったような状況も考えられておるのですが、十七年、十三年ということになると、年数としては三年、四年が果してどの程度建物が実際問題として破損あるいはまあ古くなっておるかというようなことの判断には、私ちょっとなりかねると思うのですが、ただ、今言われた御説明でも、総裁用にお買いになって確保された建物が、やめられた総裁用にそれがまあ交換で——財産価値としてはそう甲乙かりにないといたしましても、また新しくその後おそらく総裁用の公邸をお買いになったのじやないかと思うのですが、それはどこにどういったものをお買いになったのでしょうか。
  60. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) お答え申し上げます。建物を建てましたときにつきましては、十一年、十四年ごろも私は大体条件は同じじゃないかと思っております。昭和五年ごろ私自分で家を建てましたときには割合に安いときでして、それからすぐぐんと上ったと思うのです。十一年から十四年ぐらいは建物の方はそう私は大して変らなかったと思っております。総裁の宿舎の件でございますが、長崎総裁は国鉄の宿舎には入っておられませんでして、今度十河総裁にかわられましてから代々木に買い求めたわけでございます。
  61. 久保等

    久保等君 先ほど一番冒頭の御説明だと、国鉄に非常に有利なら交換してもよいという考え方であるというお話なんですが、これは当然そういうことであれば国損、あるいはまたかりに公社の財産でありましょうとも、国有財産に準じて私はやはりそういう考え方で交換せられたということであるならば、まず考え方としては問題ないと思うのですが、ただしかし、ただいまも伺って一応わかりますることも、総裁用に確保せられた公邸であるならば、やはり総裁用としての用途という面がこれはやはり必要あってお買いになったのじゃないかと思うのです。従って全然不用になった、従ってこれを適当な価格で処分ないしは交換をして、一応その財産を処分するということもわかるのですが、少くとも用途不用ということではなかったと思うのです。従ってそこにやはり一種の不明朗な印象を一般に少くとも私は与える問題になりかねないと思うのです。現に使っておる国鉄の総裁の公邸を、やめられた一私人の前総裁に譲り渡すという問題は、果して私は財産処分のやり方として適当であるかどうか、非常に問題があろうかと思うのです。しかも、現物を見た上でなければ実際は判断できませんけれども、ただ土地の坪数なりそれから建物の坪数等を比較いたしてみますると、少くともその限りにおいては価格の面においてはほとんど差異がありませんが、とにかく小さいものと大きなものと交換したということになっているとすると、これはやはり私はどうしてもいろいろと不明朗な印象を与える危険性が多分にあると私は思うのです。国鉄の方では非常に有利だと考えて交換せられたというのですが、また交換をしてもらった人の立場からいえば、これまた私は何らかの意味で非常に有利だと思ったから交換をおそらく申請されたと思うのです。犠牲的な精神において、一つこの際、長い間お世話になったというか、勤めた国鉄の方に一つ寄付でもして御奉公しようかというお気持では少くともなかったと思うのです。先ほど言われた家庭の御都合という御都合が、どういう私的な御都合か存じませんけれども、少くとも便利であるか、あるいはまた住みよいといいますか、経済的な面で少くとも有利たと判断せられて交換をしてもらえないだろうかという申請を私はやはりお出しになったのじゃないかと思うのですが、そうすると一体両方がいいのだという点がどういった点に……。一体国鉄側で特に有利だと判断せられたのはどこなんだ、それからまた交換を申請せられた御本人立場から見た場合には、一体どこが有利であり、ぜひ一つ交換をしてもらいたいと御判断になられたのか。そのあたりの、これはどうも先ほどの御説明と、それから数字的な面を比較対照してみては結論が出て参らないと思うのです。従って特に国鉄側の方が有利と御判断をされた根拠というものは、建物が要するに比較にならぬ、非常に代田の方がりっぱなんだという点だけが有利といえば有利な条件じゃないかと思う。それともう一つは、交通の便の面が渋谷に比較的近いというような点があげられたと思うのですが、しかし大きさの面からいっては、これは土地建物もどちらとも小さいのだという点から考えますと、それも私必ずしも総体を判断する有利な根拠にはなりかねないのではないかというふうに考えますし、どちら側かが私は不利であり、問題があるのではないかという実は推論をいたすのですが、ここらの根拠はもう少し何か納得のいくような御説明が伺えないかどうかという気がいたすのですが、施設局長にもし、もう少し何か補足的な御説明が願えるならばお願いしたいと思うのです。   〔理事大倉精一君退席、委員長着席〕
  62. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 面積が違うということも、確かに私たちといたしましても御説明するのに非常に説明しにくい点があるのでございますが、加賀山前総裁が譲り受けたという事情は、私はこういうふうに推察しているのでございます。それはやはり御家族の方々、あるいは就学の問題もございましょうし、近所隣りなんかとのつき合い、その他の問題もございますし、実際に家をまた求めまして引越しすれば、その引越し費用がかかる。学校の関係、その他これはやはり相当の不便になるのではないかと私は思うのです。そういう点から申して、今と同じ所にいれば、それは確かに私は便利じゃないかと思うのでございます。また私たち国鉄の方の立場から見ますと、総裁の宿舎をなくしてしまうというわけにはこれは参りません。ですから当然宿舎というものはどこかに確保しなければならないと思いまして、その点につきましてこういうふうに交換という話でしたから、初めて私たちは応じたのであります。  それでもう一つは、私たちがどこがそれでは交換して有利なのかという点でございますが、これは一つには、先ほど申しましたように淡島の近くでございまして、すぐ渋谷にも出られる、道もだいぶ広くなっております。それからもう一つは、私たちの専門の方から見まして、だいぶ前の家と現在の家とは物が違いまして、保守の経費の上からもだいぶ得だ、長持ちもする、こういうような点からこの交換は有利じゃないか、こういうふうに考える次第であります。
  63. 久保等

    久保等君 あと一点だけ伺いたいと思うのですが、今、代田の方のはどなたがお使いになっているのでしょうか。
  64. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 今、公安本部長が入っております。
  65. 久保等

    久保等君 そうすると、どうも松原町の方は総裁用として確保しておられて、それを自後総裁をおやめになった加賀山さんがお入りになっておる。その総裁用の公邸とそれから下代田を交換して、現在は下代田の方が国鉄の公邸になっておる。それで下代田の方はどういう事情か存じませんが、公安本部長が入っておるという御説明も、考え方によってはやはり小さくなった。従って総裁が入るのにはどうもあまり適当でない。従って総裁公邸は現にまた別の代々木方面にこれを求めて確保したということになって参りますると、本来の松原町の方の建物であるならば、総裁の公邸にも使えたのだが、しかし今度それと交換した下代田の方は小さくなった。従ってこれはどうも総裁公邸用としては適当でないというような意味で、公安本部長にむしろ使ってもらった方が適当じゃないかというふうな意味から、現在公安本部長が入っておるのだというふうにも私は理解されるのです。そうなりますると、これはさほど国鉄側にとっては非常に、非常にというか、国鉄側にとって少くとも有利であるという立場から交換という問題を考え、具体的にこの問題についてもその考え方に立って交換をしたのだと言われますけれども、やはり確保せられた公邸というものが、どなたが使うかによって、またどなたが使い得るかということによって私は公邸そのものの価値が、かりに市場における価値はいずれにいたしましても、国鉄側の、使う側の国鉄という立場に立った場合には、やはりそこに私は国鉄が現に使った場合の使用価値というものの非常に大きなウエートになるのではないかと思う。これは現実にかって総裁用に確保しておった公邸を他のものと交換したがゆえに、交換されて新しく取得せられた土地建物というものは、本来の総裁公邸用に使用できなかったという結果になっておるのではないかというふうにも判断されるわけです。その点についてはいかがなのでしょうか。やはり敷地はおそらく六十坪程度の屋敷ですから、これはあまり広いとは言えないかと思います。建物ももちろん松原町のものよりもはるかに小さくなっておりますが、そういうことも松原町であれば十分に総裁公邸用にも使えるが、代田の場合には使えなくなったというような問題が、建物の若干質がいいとか悪いとかは別問題として、用途の面から考えた場合にそういう結果になっておるのじゃないかと思います。その点いかがですか。
  66. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 松原町の宿舎は、先ほど申し上げましたように、私戦時中あるいは二十四年ごろはどうもわからないのでございますが、とにかくだいぶ前でございまして、例の終戦後の住宅払底のときにようやく求めたものでございます。従いまして松原でございますから、甲州街道をずうっと下りまして、明大前の近くから入りまして、相当都心から遠いのでございます。ですから場所といたしますと総裁の宿舎としては、位置といたしましては国鉄としては遠過ぎる、何とかして変えたいという気持はあったようでございます。そういうような点から少しでも近い方がいいという気持が多くてこの下代田の方に変えた、こういうふうに考えております。
  67. 久保等

    久保等君 ですから私のただいま質問したことに対して、下代田の方は総裁用にはとうてい使えないというような土地建物だというふうにお考えになっているのでしょうか、どうなんでしょうか。
  68. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 今のところですとちょっと小さいのじゃないかと、こういうふうに考えております。
  69. 久保等

    久保等君 おそらくそういうことだと思うのですが、だからそうなって参りますと、地理的に多少便不便という問題につきましては、下代田の方が渋谷に近いということで有利な面がありましょうけれども、そういう交通上の不利不便という面からいけば、松原町、下代田といっても、私は自家用車なら、自動車で行き来する場合にそう離れた距離にはないと思うのです。従って普通のサラリーマンが電車その他を利用する場合を考えれば、あるいは相当不便ということにもなるかもしれませんが、その便不便という問題はさほどの問題ではないと思うのですが、ただ問題はその実態——土地建物なりの実態そのものの面から考えますと、土地の面においてはわずか三分の一程度ものになってきておるわけです。そういう点から考えますと、これはやはり私は交換された土地建物の利用価値という面から考えますと、やはり国家的に見ても、それから現状、使っておる実情をただいまお聞きしたところによっても、何かしら不当な土地建物相互の交換が実際問題としてあるのではないかというふうな印象を強く持つのですが、今の御説明程度を出ないとするならば、事実関係だけを私明確にお伺いしたことにいたしまして、私の質問は一応以上でもって打ち切りたいと思います。
  70. 大倉精一

    ○大倉精一君 局長の御答弁を聞いておると、どうもはっきりしないし、また疑問の点がたくさんあるのですが、逐次簡単にお伺いいたしますから、端的にお答え願いたいと思います。  この松原町の家をお買いになってから今日まで、内部は相当直されましたか、手を入れられましたか。
  71. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) その点は詳しく知らないのでございますが、いずれやはり買いましたときには、そのあとで使うのに適していないところがございますから、大ていは手を入れております。ですからおそらく手を入れているだろうと思います。はっきりは、また調べましてお答え申し上げます。
  72. 大倉精一

    ○大倉精一君 その点は一つ手を入れておいでになると私は思うのですが、特に住宅払底の場合に応急にお買いになったといいますから、当然これは手を入れておいでになると思いますが、どのくらいの費用がかかっておるかということをお調べを願いたいと思うのです。  それから国鉄の財産管理規程によりますと、交換をする場合の条件が第九十七条に書いてあるのですが、この九十七条の第二項ですか、交換による方が有利となるときと、こういう条件のもとに交換をされたと思うのです。今の御答弁ではそういうような御答弁だったと思うのですが、その有利なときという、右利であるという理由が、今の御答弁では私はどうもはっきりしない。その第一点は、今あなたの方が、松原町より下代田の方が便利がいい、道路も広いし、渋谷にも近いというのであれば、加賀山さんがどうしてそういう便利のいいところから便利の悪いところへおかわりになるのか、この理由が私どもはっきりしない。これは加賀山さんに聞かなければ私はわからないと思う。もう一点は、下代田のうちは、これは借家だと思うのですが、今の御答弁でも借家だと思うのです。これは所有権はないと思うのです。それから伺いましょうか、これは下代田のうちは国鉄の所有になっておるのか、これはどっかの借地借家になっておるのですか。
  73. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 先ほどお答え申し上げましたごとく、土地関係は借地になっております。それから家は国鉄が買ったのでございます。
  74. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこで有利だというお話なんですが、松原町の方は国鉄でお買いになって自分土地である。国鉄土地である。片一方の方は借りる土地なんだ。それがどうして国鉄の方が有利だという結論が出てくるのか、どうも私はその点がはっきりしないのですが、その点はいかがですか。
  75. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 申し上げます。この借地と所有していた方とどっちが得かという問題、これは経済的な問題、その他あると思います。私はもう現在の状態では、土地を所有しても借りていてもそう大して変りないんじゃないかと思うのです。ただ便、不便の問題では、先ほど申しましたように、とにかくまあ渋谷にも近い、これは一つの便です。それからまた自動車の出入りにも非常に便利なところですから、私はその点は確かに便利じゃないかと思っております。それからもう一つ、私の方の建物の保守の面もあるのでございまして、建物の質がまるで違うほどいいのでございます。それでいたみも少いし、そういうような面からこういうものを持っていた方が得だ、こういうふうに考えております。
  76. 大倉精一

    ○大倉精一君 まあ土地の問題はそのくらいにいたしまして、建物について、これはあなたの方の所有だとおっしゃっておるのですが、登記はされましたか、所有権の登記はしてありますか。
  77. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) これは買収すれば必ず登記いたします。登記してあるそうでございます。
  78. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは私のところの報告によりますというと、昭和二十四年一月二十日に贈与によって世田谷区下代田三十六の清水正夫という人の所有になっておるという工合になっておって、今、登記所の方には登記が出ていない、登記していないということになっているのですが、それは登記してあるのは間違いございませんか。
  79. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) それは前の所有者だろうと思っております。実際に交換は加賀山さんとの間でやっておりまして、そして国鉄の所有に今登記してあります。またそうしなければ交換というのは全然成り立たないものですから、それはもうはっきりとしております。
  80. 大倉精一

    ○大倉精一君 それではその登記の写しをお出しを願いたいと思います。  それからもう一点ですが、もう一つは、先ほどのお話によるというと、加賀山さんは松原町の方にずっと家族もお住まいになっておったということなんですが、下代田の方はその間にどなたかお住まいになっておったのか、あるいは管理人でも置いてあったのでございますか。
  81. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) その点は詳しく存じないのでございます。
  82. 大倉精一

    ○大倉精一君 その点も一つ加賀山さんにお伺いしなければわからぬと思うのですが、聞くところによるというと、下代田の方は留守番程度のものが置いてあって、国鉄で交換されるときに、塗りかえたりいろいろなことをおやりになって、そうして交換なすったということを聞いておるのですが、そういう工合でございましょうか。
  83. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 私はその点はっきり知らないのでございますが、ただ私の方の考えといたしましては、こう申し上げてはかえって誤解があるのかもわかりませんが、要するに交換は建物さえ確実でよければ、そうして交換したときに国鉄が得をすると思えば、得するということならいいという大体考えが強いものでございますから、その前にどういうふうにお入りになったのですか、私まだ調べておりませんですから、また調べましてお答え申し上げたいと思います。
  84. 大倉精一

    ○大倉精一君 これもまた加賀山さんにお伺いしなければならぬことだと思いますので、保留しておきます。  私の方は得であれば、有利であれば交換するということなんですが、その損得の問題は客観的な問題であって、これはちょっと水かけ論になるかと思うのです。が、しかしながら、あすこは土地柄からいっても、それから建っておる姿その他からいっても、普通だれが見ても下代田の方よりも松原の方が格が上だ。土地柄にしても建っておる姿にしてもそういうものは全部格が上だということは、これはもう常識でわかると思うのですが、これは佐藤局長あちらの力に現物に当ってごらんになったことがありますか。
  85. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 私はその加賀山さんのおうちに伺ったことがないもんでして、よく知らないのでございますが、下代田の方は私はよく公安本部長と一緒に帰りまして、玄関のところまで行ったことがございます。中へは入っておりません。大体環境は知っております。それから建物の種類は、私の方の建築の専門屋のいろいろ調査その他を私聞きまして、それで御答弁しておる次第であります。
  86. 大倉精一

    ○大倉精一君 耐用命数あたりは十七年と十三年ですから大したことはない。四年くらいしか違わないと思うのですが、どうも今の御答弁が、現地をごらんにならず御答弁になっておるので、私は実はこれは頼まれまして、行って見てこいということで、現地へ参りましたが、確かに下代田の方は車が入りません。あそこは大きい道路までは入りますけれども、うちの玄関までは無理してぐっと押し込めば入りますが、相当狭いところだと思う。どうもあそこをわずか十万円くらいで交換なさるということは、しかも土地国鉄のものではない。どう考えても私は有利だとは考えられない。九十七条の二項に言うところの、交換によって有利なことになる、得すると、そういうふうには考えられないのですが、それは私は水かけ論になると思いますので、これは一つ加賀山さんに聞いてみたいと思うのですが、ただここで加賀山さんは、家族の関係、学校関係、そういうものでこちらの方が便利だからかわってもらいたい。これはあくまで私的関係なんです。私的関係でそういうような御注文が、これはいわゆる第七章のどこですかね、第九十八条の第二項ですか、相手方の発動によるもの、こういうものに該当すると私は思う。そこでそういう私的の便、不便ということ、それに対しては、いや国鉄の方も便利だからとくっつけられると思うのですが、お伺いしておるというと、国鉄の方の便、不便という、あるいは得をするということよりも、あるいは加賀山さんの個人的な事情が主になって交換なすったと、こういうふうに考えるのもやむを得ぬ。率直のところそうではありませんか。
  87. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 私たちとしてはその逆に考えておりまして、やはり国鉄の方の便利のためだと、こういうふうに考えております。むしろ加賀山さんの事情というのは情状酌量と申しますか、そんなふうに考えておる次第であります。
  88. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは水かけ論になりますが、加賀山さんが辞任なすったのが二十六年の八月二十五日だというようになっておるのですが、あそこを事実上交換なすったのが二十七年の十二月十八日、一年有余たっておるのですが、これはやはりこの間加賀山さんはこの国鉄の松原町の公邸においでになったわけですか。
  89. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) そこにおられたのでございます。その間は家賃を払っておられました。
  90. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは国鉄の慣習として、現職から引いた者も引き続いてやはりそこにおるというふうになっているのか、あるいは出なければ、格別に貸借関係契約でもなすっておるのか、これはどういう慣習になっていますか。
  91. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 原則といたしまして、なるたけ早く出ていただく、こういうことにしております。ただいろいろの事情がございまして、行く先がまだきまらないとかなんとかいう間は、まあやむを得ず住んでおられてもしようがないと、こういうふうに考えております。その場合ははっきり家賃は取ることにしております。
  92. 大倉精一

    ○大倉精一君 家賃は幾ら取っておられましたか。幾日から幾日までの間、幾ら取っておられますか。
  93. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 現在家賃は、ちょっとわからんですから、調べましてまた御報告いたします。
  94. 大倉精一

    ○大倉精一君 そこで価格の問題なんですが、大体等価ということになるのですが、われわれしろうと考えで、土地にいたしましても三倍くらいはあるわけなんです。土地七百四平米に対して二百三十四平米ですから、三倍になると思います。それから建坪にいたしましても、百九十七平米に対して百四十二平米、これが私はあの土地からいってもどうも等価のように思えない。松原町の方は確かに付近は非常に宏荘な建物がずっと並んでおって、非常に環境はいいと思うのです。ところが下代田の方は雑駁な付近の環境になっておる。ですからこの土地で等価であるということは、どうも私は考えられない。そこで今の建物がどうのこうのとおっしゃるのですが、その間にいろいろな専門家の意見を聞いてそれを採用した、こういうことなんですか。これはあれですか、専門家の意見を聞いて、専門家が一つの評価をしてくれば、それは無条件におのみになるということなんですか。あるいはその評価が、だれが見ても不適当だという場合においては、国鉄の方ではその評価に対して修正をなさることになっておりますか、その点を一つお伺いをいたしたい。
  95. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 土地につきましては先ほど申し上げましたように、大体不動産会社、都、勧銀近傍類似の売買価格、そういうものをもとにいたしまして、そのうち大体このくらいが妥当だろうというところを査定いたしましてきめます。  建物につきましては、私の方に建物の専門家がたくさんおりますものですから、そういう者に当らせまして、それからそれをまあその事務的の手続を踏みましてきめるようにしております。
  96. 大倉精一

    ○大倉精一君 これは詳しい点について、今の御答弁ではおわかりになっておらんようですが、たまたまこれが今の井上印刷局長土地の買収といいますか、そういう問題に関連した問題であって、これがたまたまこの委員会で出たということになれば、やはり相当関心を持たなければならぬ問題だと思っております。従ってやはり当委員会としましても、この問題は別に不正とか不当とかいうことは、ないとすればないとしなければならぬと思いますので、これは一つ次回に十分お調べになって、所要の資料をお出しになっていただきたいと思うのです。どうも私は経過をずっと見てみますというと、これは正確かどうかわかりませんが、加賀山さんが就任になったのが昭和二十四年の四月二十四日、四月二十四日に御就任になって、そして八月九日に今の松原町をお買いになっておる。そうして二十六年八月二十五日に退任になって、一年有余置いてから、二十七年十二月十八日に土地を交換になっている。建物を交換になっている。しかもどうも今の便、不便、あるいは有利、不利、あるいは片一方は国鉄の所有地であり、片一方は借地であるというように、いろいろの点からどうもすっきりしない。しかも加賀山さんがこの松原町を買収されてからずっとお入りになって、退任なさってからも依然としてこれはお入りになっている。そうしてこれを譲れということでお譲りになったこの経過が、どうもすっきりしないところがある。それでこれは一つ委員長、次回に所要の資料をお出し願うとともに、さらによく御調査を願い、加賀山さんを一応一つおいで願って、この事情を聞きたいと思います。さようお取り計らい願います。
  97. 田中一

    委員長田中一君) ほかに御質疑ございませんか。——では私、二、三伺いたいのですが、現在の国鉄の総裁の公邸というのですか、それはあるんですか。
  98. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 現在の十河総裁の入っておられるところがございます。それは代々木山谷と申しますか、ガスタンクの近くでございます。
  99. 田中一

    委員長田中一君) 従来、国鉄総裁は四人目ですか。
  100. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) さようでございます。
  101. 田中一

    委員長田中一君) 四人の方々は、加賀山さんはとにかく就任直後に公邸へお入りになった。その前任者はどうしておりますか、それからまたその前任者はどういうことに……。
  102. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 前の、前任者の下山さんは自宅でございます。自宅に入っております。それから加賀山さんのあとの長崎総裁は、秋田県の寮長みたいなのをされておりまして、寮長と言っちゃおかしいのかもしれませんが、そちらの方におられまして、国鉄の宿舎には入っておられません。
  103. 田中一

    委員長田中一君) これは資料としてお願いしたいのですがね。国鉄が現在総裁、副総裁ので持っておられるところの建物ですね、それの評価額、それから買い入れた先、現在までですね。そうして今の加賀山さんと同じケースのようなものですね。それをいつだれから買ったかというと、それから従来そういう高級職員といいますかね、職員の持っているものは、全部出してほしいのですがね。そうしてそれがその退任後にかえたと、交換したとかあるいは売ったとかいう事例があるかないか、それはおわかりですか。
  104. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) わかっております。
  105. 田中一

    委員長田中一君) おわかりですか、今現在……。
  106. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) 今はわかっておりませんです。
  107. 田中一

    委員長田中一君) そういうものを一つ資料としてお出し願いたいと思います。内容を、それを説明する買い入れた年月、それから規模、それから価格、相手方、それから国鉄の財産台帳にあるところの価格、それから償却はどうしたとかいう点ですね。その高級官僚の、高級職員のを全部お出し願いたいと思うのです。  そのほかに資料は、御要求になればどういう資料を御要求していいか。今、大倉委員から別々に、質疑の過程にあれも出せ、これも出せという要求がございましたが、それは写して、ノートしてありますか。
  108. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) ええ、ノートは大体とってあります。
  109. 大倉精一

    ○大倉精一君 委員長資料は、私よく聞いておりませんでしたが、国鉄がかえ地をなすった、昭和二十三年ごろから現在までかえ地をなすったもの、あるいは買却なすったもの、土地建物、そういうものについてお出し願いたい。これはこまがいものにわたっては非常に御迷惑かもしれませんけれども、大体のものを出していただきたいと思います。
  110. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) それはあれでございますか、宿舎敷でないものでございますか、宿舎敷でいいのでございますか。
  111. 田中一

    委員長田中一君) 高級職員でいいのです。
  112. 佐藤輝雄

    説明員(佐藤輝雄君) はあ、宿舎敷でございますね。
  113. 田中一

    委員長田中一君) ほかに資料要求はございませんか……。  ではお諮りいたしますが、今、施設局長からの答弁を聞きますと、当委員会でただしたいというものの答弁が非常に明確でないので、資料のみならず、やはり本人の加賀山君を参考人としてここに呼びたいと思いますが、一つ御了承願いたいと存じます。
  114. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 調査資料ですね、それはまあ十分に整えることは必要かと思いますけれども、ただ加賀山さんがわれわれ同様に議員であるという立場で申し上げるのじゃございませんけれども、やはりこういうところへおいでを願うということは軽卒にやるべきことでもございませんし、よく資料で研究して、どうしてもその必要があるという場合にはむしろおいで願った方がいいと思いますけれども、やはり委員会としてはできるだけ慎重にお進め願う方がいいのじゃないか。資料の方でさらにまた当局からもよく御研究願って、その上でするという方が穏当じゃないかと私は思います。
  115. 大倉精一

    ○大倉精一君 私が加賀山さんをおいで願うことを希望したことは、今の御答弁中でもわかるように、国鉄の財産管理規程によって第七章第九十七条の三項目の場合に限って交換をすることができるという規定があるわけなんです。で、その三項目の中の二項ですね、交換による方が有利であるということで交換されたと思うのですが、その有利である、不利である、これがはっきりすべきであると同時に、加賀山さんがあそこにかわられるというそういう動機ですね、そういうようなものについて、やはり加賀山さんから一つ事情をお尋ねしなければならぬと思う。同時にやはり加賀山さんが就任になって直後松原町に去っておられますので、そういう点についてもいろいろ事情をお尋ねした方がこういう問題についていいのじゃないか。これは決して時間のかかる問題ではないのです。ここへおいでになって、そういう点についていろいろ御説明を願えばそれでけっこうなので、長いことここに引きとめてどうこうということは、そういう必要もありませんから、まあこれは井上局長のあの問題もありますので、この種の問題は明らかにしておかなければならないと思う。それでぜひこの次の委員会には出席を願いたい、こう思うのであります。
  116. 島村軍次

    ○島村軍次君 私は大倉さんの御意見はわかりますが、やはり委員会としては国鉄資料を十分整えた上で、そうしてその結果あるいは必要があればということで、まあ正式でいいのかどうか……、いずれお呼びになれば参考人でしょうね、参考人ということになれば、まず次回で資料をお調べになった上で、それから必要があれば……これはまあ私の会派だから言うわけじゃありませんが、議員の立場から次回には呼ばない、それからその必要が備わったときにはさらにもう一ぺん御相談願って、そうして懇談の形式で呼んでいただけばその内容がよくわかるのじゃないか、そういう順序を踏んでいただきたいと、こう思います。
  117. 田中一

    委員長田中一君) もっとも、今手近かに加賀山さんいらっしゃるから、まあ参考人として聞いた方が、かえって御自分が非常にどうこうと思われるよりも、いった方がいいという加賀山氏の心境の方が強いのじゃないかと思います。これは井上印刷局長の例もございますので、かえって自分が率先していって参考意見として言った方がいいというような心境のように私なんかも推察されるのです。こういう問題は長引いて……、今言っている通り、施設局長の方ではどうもはっきりしない、あれも知らぬ、これも知らぬじゃ困るから、かえってそのために決算委員会の各委員に誤解を受けちゃ迷惑だという気持になる方が、私はやはり同僚議員としての友愛じゃないかと思うのです。速記をとめて。    午後三時四十六分速記中止    ————・————    午後四時十七分速記開始
  118. 田中一

    委員長田中一君) 速記を起して。ただいまの件につきましては、一応国鉄の方から資料提出を求めます。資料が出た場合に、これを理事会でこの案件の取扱いを協議することにいたしますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 田中一

    委員長田中一君) さよう決定いたします。では本件に対する質疑は本日はこの程度にいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時十八分散会