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1956-04-26 第24回国会 参議院 決算委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月二十六日(木曜日)    午後一時五十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            青柳 秀夫君            白井  勇君            大倉 精一君            梶原 茂嘉君            石川 清一君    委員            岡田 信次君            小沢久太郎君            西川彌平治君            笹森 順造君            白川 一雄君            最上 英子君            安部キミ子君            久保  等君            近藤 信一君            山田 節男君            湯山  勇君            島村 軍次君            八木 幸吉君   政府委員    行政管理政務次    官       宇都宮徳馬君    行政管理庁監察    部長      岡松進次郎君    大蔵省管財局長 正示啓次郎君   —————————————    会計検査院長  東谷傳次郎君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修藏君   説明員    大蔵省管財局国    有財産第一課長 天野 四郎君    大蔵省印刷局長 大槻 義公君    会計検査院事務    総局第一局長  大澤  實君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○本委員会の運営に関する件 ○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十九年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和二十九年度政府関係機関決算誰  (内閣提出) ○昭和二十九年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和二十九年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出)   —————————————
  2. 大倉精一

    理事大倉精一君) ただいまから第十五回決算委員会を開会いたします。  本日は田中委員長都合によって欠席されましたので、依頼を受けて、私が委員長の職務を行うことになりました。よろしくお願いします。  次に本日の理事会において申し合せた事項についてお諮りいたします。本日の議事日程は、別紙、お手元にある通りでございまするが、案件としましては、昭和三十九年度決算大蔵省管財局国有財産管理状況に関する行管勧告を含む)、昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書昭和三十九年度国有財産無償貸付状況計算書議題に供します。なお次回の日程並びに自後におけるところの本案件の取扱いにつきましては、来月の四日の理事会において協議をすることといたします。  以上、理事会において決定いたしましたが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大倉精一

    理事大倉精一君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。   —————————————
  4. 大倉精一

    理事大倉精一君) 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十九年度特別会計歳入歳出決算  昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和二十九年度政府関係機関決算書  国家財政経理及び国有財産管理に関する調査  昭和二十九年度国有財産増減及び現在額総計算書  昭和二十九年度国有財産無償貸付状況計算書議題といたします。  本日は大蔵省所管のうち、管財局の分及び国有財産に関する総計算書の二件を審議いたします。また四月十一日付をもって行政管理庁から大蔵省に対しなされました国有財産管理状況に関する勧告についてもあわせて審議することにいたします。  本日御出席の方は、岡松監察部長東谷会計検査院長池田事務総長大澤第一局長であります。前回の委員会におきまして行政管理庁から勧告の概要について説明を聞きました。本日は大蔵大衆の御出席を願っておるのでありますが、都合上、大蔵大臣は二時半から三時までの間御出席になることになっております。従いまして、その間、まず会計検査院から、会計検査院としては本件に対してどんな見解をお持ちになっておるか、こういうことをお伺いしたいと思います。
  5. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) 本年四月十一日に行政管理庁の次長から大蔵事務次官に出された監察結果についての依命通牒についての意見ということのように拝聴いたしたのでありまするが、実は会計検査院といたしまして、行政管理庁が、政府といいますか、大蔵当局に対して出しました勧告なり意見事項についての批評とかというものは、一応私は差し控えたいと思っておるのであります。ただ会計検査院におきましても、国有財産に関しまして御承知のように検査をいたしておるわけでありますから、その状況を大体御説明をいたしまして、御了解を願いたいと思うのであります。  国有財産は御承知のように昭和二十九年度末におきまして一兆四千億であります。そのうち行政財産が七千数百億、普通財産が六千六百億ということになっておるのでありまするが、会計検査院検査といたしましては、この普通財産管理及び処分というものについて重点を指向いたしておるのでありまして、前々御説明申し上げております通り、年初に各方面検査をする方針を策定いたしまして、大体重点をどの方面に指向するということをきめておるのであります。そういたしまして、国有財産普通財産につきましては、ただいま申し上げましたように、その普通財産管理及び処分について重点を指向して検査を実行いたしておるのであります。ただ人数関係がありまして、全部を全部検査をするということはとうていできかねまするので、あるものは書面検査により、あるもの以上につきましては実地検査を実施するということに相なっておるのであります。そういたしまして、検査の結果につきましては、検査報告批難事項として掲載いたしておるのでありまして、昭和二十九年度の国有財産関係、二十八年度の国有財産関係というものにつきましても、御承知のようにおのおの三十数件の不当事項があがっておるのであります。そのほか毎年不当事項の前文といいますか、概説といいますか、概評といいますか、そういうところにおきまして、国有財産管理及び処分というものについての概評を試みて、政府改善方また善処方を要難いたしておるのであります。なお常時検査をいたしておりまする関係上、局長名をもってあるいはその他事務総長なりの名前をもちまして、各当局に注意を喚起いたしておるような次第でございます。  検査の結果を見ますると、普通財産管理及び処分におきましてはずいぶんと工合の悪い事項があるようであります。これは検査報告によって御了承願えると思うのでありまするが、しかしこの終戦後、年を追いまして、ことに管理の部面におきましてはよほどよくなっておるように私どもは見受けておるのであります。ことに昨年からでありましたが、国有財産監査官制度というものを新たに制定されて、国有財産管理及び処分について、よほど政府においても熱心に監督をしておられるようでありまして、悪いことは相当批難事項がございまするが、客観的に言えば、相当改善され、よくなっておるということを私どもは感得いたしておるのであります。   〔理事大倉精一退席理事青柳秀夫着席〕 先ほど初めに申し上げましたように、行政管理庁のこの通牒に対しての批評は差し控えたいと存ずるのでありますが、しかし大体的に申しますると、私は大体同感の意を表しておるのであります。と言いまするのは、管理庁指摘しておられる各項目につきましてしさいに検討いたしましても、会計検査院が従来検査報告の各項目において、あるいはその概説において指摘しておる事項と大体同じであります。その意味におきまして、行政管理庁の今回の依命通牒というものに対しては、批評は差し控えたいのでありますが、同じような感じを持っておるのであります。そこで会計検査院といたしましては、政府当局に対しましては、さらに一般の御努力を要望し、その改善を促したいという気持は今なお持っておるようなわけであります。ただいま申しましたように批評は差し控えたのでありますが、一々の事項につきましてもし御質問がございますれば、全部資料を整えておりまするので、局長その他から説明を申し上げたいと思います。
  6. 青柳秀夫

    理事青柳秀夫君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 八木幸吉

    八木幸吉君 今、会計検査院長から行政管理庁国有財産管理及び処分に対する監査結果の報告書に対しての御意見がございましたが、この前の当決算委員会におきまして、私が会計検査院当局参考資料の御準備をお願い申し上げておきました、今日ここに「行政管理庁大蔵省に対して行なった勧告事項の基礎をなす監察報告に関する資料」というものをちょうだいいたしまして、まだ十分拝見するいとまがないわけでありますが、私、概括的に会計検査院にお伺い申し上げたいことは、今いただきました資料の中には、第一次並びに第二次の行管監察部報告と、会計検査院決算報告とを照合して、それに対する御意見がここに出ておるわけでありますが、第一次並びに第二次の行管監察部国有財産管理並びに処分に対する監察結果に載っておるもので会計検査院がお気づきにならなかったという件数が一体どれくらいおありになるか、比較してお調べをいただいたでしょうか、どうでしょうか、その点伺っておきたいと思います。
  8. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) ただいま八木委員からの御質問でございまするが、一々につきまして調べておりますから、後ほど御説明申し上げたいと存じますが、まあ大体的に申しますと、行政監察部取り上げられました二百二件に対しまして、会計検査院で実際それを実地検査をいたしましたものが、そのうちの大体二割強といいますか、四十八件でございます。そのほかの百五十四件は実地検査いたしておりません。おりませんので、これは書面検査で済まして、実地検査はいたしておりません。これは先ほど申しましたように、会計検査院重点事項といいますか、会計検査院の認める重点事項を策定いたしまして、その方向に向って検査を実行いたしておるのでありまして、私が、説明会計検査院で聞きましたところによりますと、非常に小さいものが取り上げられたものもあるようであります、行管で……。そういったようなものは、私どもの方は、あるものは小さい事案であるという面で、実地の方の検査はいたされないで、書面で済ましておるというものもございます。なお取り上げ方が私どもの方の何と違いますから、先ほど申しましたように、二十九年度の検査報告におきましても、会計検査院で不当なりといって検査報告に掲げましたものは約三十件あるのでありまするが、この行管の方でお取り上げになりました二百二件のうちで、検査報告に掲げておりますのは二件だけでございます。さように違っておるのであります。それからまた同じ一件と申しましても、二十九年度の検査報告にも書いてございますが、たしか共有船舶などの問題にしましても、一つ事項の悪い金額の十万円、これは悪い金額でありますが、十万円以上のものだけでも十四件ただいま会計検査院は見ておるのであります。そのうちで検査報告に掲げておるのは三件だけを掲げておるのであります。十万円以下のものは相当件数に上っておると思うのであります。そういうような関係で、この二百二件のうち四十八件だけを実際に見たいというと非常に見方が損のようでありまするが、やはり行管の方でごらんになりまする一つ方針と、会計検査院検査をするという一つ方針が、多少といいますか、大いにといいますか、食い違った点があると私は考えておるのであります。なお詳しいことにつきましては局長から御説明申し上げたいと思います。
  9. 八木幸吉

    八木幸吉君 今、会計検査院長の御説明ですと、行管監察部取り上げた二百二件のうちで、二十九年度の決算検査報告にお取り上げになったのは二件だけだとおっしゃる、さようでございますか。
  10. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) それは間違えました。訂正いたしますが、二十八年度で一件、二十七年度で一件ということになっております。従いまして二十九年度では取り上げたものはないということになります。
  11. 八木幸吉

    八木幸吉君 そうすると、二十七、八年度で二件、この数字には間違いないわけですね。行管岡松部長に伺いたいのですが、今、会計検査院長行管の方の監察部でお取り上げになったのは二百二件だと仰せられましたが、第一次、第二次を通じて検査はそんなものですか。
  12. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 二百二件というのは、私ちょっと思い当りませんが、あるいは一つの例として述べたのが二百二件であると、今ちょっとお答え申し上げたかと思います。
  13. 八木幸吉

    八木幸吉君 行管監察部国有財産管理並びに処分に対する監査の結果、   〔理事青柳秀夫退席理事大倉精   一君着席報告書にお取り上げになった例示的の件数は二百二件ですか。
  14. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) ただいまの二百二件の点でありますが、会計検査院が、これは一件、これは一件であろうというので取り上げ件数が二百二件でありまして、もう少し詳しく局長からその点を御説明いたしたいと思います。
  15. 大澤實

    説明員大澤實君) ただいまの二百二件と申しますのは、この監察報告の中の具体的事例として、どこの財務局で何々があった、その件数のうち、最後に、台帳登録されておるのがどこというのが一表になっておりますので、それを一件として数えまして、具体的にどこのどういう事項だということがわかりましたのが二百二件、こういうことになります。
  16. 八木幸吉

    八木幸吉君 私どもの実はこの前の委員会会計検査院にお願い申したのは、行管の方でお調べになったそのお調べが、会計検査院の方でも行き届いておるかどうかという点を実は確かめたいのでお伺い申し上げたわけでありますが、会計検査院の方では、今お話通り行管の方の報告書の中で例示的に出ておるところを自分の方の調べと照合して大体二百二件あって、そのうちで二件だけが実は問題としてここに掲げられておるといったようなお話で、方法としてはごもっともだと思うのですが、例示的に出ていないものでも相当大きなものがあるのじゃないか、かように考えますので、たとえば金額にして十万円以上なら十万円以上、そういったような問題で例示的に出ていないものは、行管会計検査院とがお打ち合せをいただいて、それに対する会計検査院調査をしたかしないか、あるいは見解が合っておるか違っておるかというような点も、なお両方御協力を願ってお調べを願いたい、こういうことを、これは今直ちにそれに対する御答弁は伺えないかもしれませんが、そういう方法ができるかどうか、会計検査院行管両方から御意見を伺いたい。……もう少し観点をかえて申上げてみますれば、行管の方で例示になっていないところは、例示された例よりもっと金額が小さいとか、事件として重要性が薄いとか、こういう意味でございますか、例示なさった基準というものを一つ伺いたい。
  17. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) 私の方は……、その前にちょっと御説明しなければならぬと思いますが、実は私の方のやりました重点は、いわゆる貸付、売り払い等業務改善ということを主として見たのであります。従いましてその徴表をいいますか、一つ傾向としまして、あとう限り多くのケースを見たということでございますので、ここに具体例に掲げた例及びこれに掲げてない例におきましても、ただいま委員長が述べられましたように、軽微な例も相当あるのでありまして、みながみな不当な事例であるという意味で例に掲げたのではない。たとえば帳簿の整理が悪いというような、こういうような傾向があるというふうに述べたのであります。それと、それから掲げましたのは、単に金額が多いとかということではございませんけれども、やはり一つの例を示すのに適当な例ということで掲げたのでありまして、大体に見まして、やはり坪数が多いとか金額が多いということになっておると思います、大体におきまして……。
  18. 八木幸吉

    八木幸吉君 例示されないものでも不当事項として指摘する値打があり、かつ金額が十万円以上というものは、これは相当ございますか。
  19. 岡松進次郎

    政府委員岡松進次郎君) この例示した以外におきましても、まあ不当であるというような、事件は小さいけれどもやはり不当であるということを指摘するような例はあると存じます。たとえばきょうお手元に差し上げました大倉委員からの御要求で、一般競争入札すべきを随意契約にやったという例を八件ばかり書類として差し上げましたけれども、あれは三十一件の中から選びまして、八件を選んだのでありますけれども、その例示の中には入っておらないのがありますから、そういう意味から申しまして、例示してない中にも不当な事例はあるということは申し上げることができるかと思います。
  20. 八木幸吉

    八木幸吉君 第一次と第二次の行管監察部監査報告は、いずれお手元資料の調製中であるそうでありますから、それが当委員会に出されましたらもっと具体的にはっきりした御質問もできるのでございますので、できるだけ早くこの資料をお出し願いたいのでありますが、今お話のその資料具体例に出ていないもので、行管の方で不当とお考えになり、かつ国損金額が大体十万円以上と見られるものは、この第一次、第二次の報告とは別に、資料として当委員会に御提出を願うと同時に、その写しを会計検査院にもお送りを願いまして、それを会計検査院ごらんになりまして、そのうちで検査院でお取り上げになったものと、お取り上げにならないものとを、次の機会にそれをごらんになってから一つ調べ願いたいということをお願いいたしておきます。
  21. 大倉精一

    理事大倉精一君) なお、ただいま正示管財局長並びに天野国有財産第一課長出席になっております。
  22. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 院長にちょっとお伺いしたいのですけれども、毎年の年度初めに、その年の会計検査方針をおきめになる。二十九年度の国有財産検査についての方針は、先ほどのお話のように、普通財産管理及び処分重点を置くというだけの方針なんですか。どういう方針国有財産検査されたかということをお伺いしたいのです。
  23. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) 国有財産検査という場合におきましては、先ほど申しましたのは、財産自体について申しますと、行政財産も見るのでありまするけれども重点普通財産の方に置いておるということを申し上げたのであります。こまかく申しますれば、やはり売り払いの場合は歳入でありますが、歳入面において売り払いがどういうふうに売り払われたか、貸付がどういうふうになっておるか、貸付についてはどういう、売り払いについてはどういった面で検査を特に重点を置いてやるのかというふうにいたしておるということを申し上げておるのであります。それからやはり国有財産関係でいえば、取得する場合においては支出でありますが、支出の面ではどういうものを見る、管理において申しますると、先ほど申しましたように、普通財産の分については、特にそのうちでも物納とかあるいは旧軍用財産であるとか、あるいは共有船舶であるとかいう面を、別に重点を置いて見るのだということを示しておるという説明を申し上げたのであります。
  24. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 現場の検査と、それから文書等による検査普通財産について……、その管理及び処分にわたって全部一応目を通すという結果になっておるのでしょうか。それとも一部分ということになっておるのでしょうか。
  25. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) ただいまおわかりになっておるように拝聴いたしたのでありますが、一応書面検査では全部を見ることにいたしておりますし、そうでなくちゃならぬわけでありますが、書面検査で全部を見る、さらにその中で重点的なものを重点として取り上げて、実地に臨んで検査をするというふうにしておるのであります。
  26. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 行政管理庁監査会計検査院検査、これはおのずから性格が違うであろうと思います。しかし現実には、対象が同じものであるだけに、重複するといいますか、という場合もあるように想像されるのであります。会計検査院行政管理庁とは、何らか初めに検査及び監査について打ち合せをするとか、協議をするとか、連絡をするとかということがあるのか、全然独自でいくのか、その点をちょっと伺いたい。
  27. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) 会計検査院検査と、行政監察部でおやりになる監察というものは、会計経理に関する限りにおいては、私は同じようにダブっておると思っております。そこで打ち合せして、どちらかを省いたらどうだという御意見は、ときどき私も聞くのでありまするが、行教管理庁でおやりになる面は、やはり政府部内におきましてなさる監察であるし、いろいろな目的もまた違うものも私はあり得ると思うのであります。会計検査院は御承知のごとく政府のほかにありまして、厳正公平に検査を実行しなくてはならぬのでありまして、その目的は、適正を期し是正をはかるということにあるのでありまするが、初め申しましたように、何さま人数の制限がございまするので、その人数と予算とにおいて、あとう限りの検査の幅と深度を持ちたいというので、重点的に実行いたしておるのでありまするが、重点的に実行する場合において、初めにそういう計画を策定してやるのであれば、行政管理庁協議してやったらいいじゃないかという御質問がまた起るかと思うのでありますが、どうも行政管理庁と私の方で同じ立場においてやるといいますか、あるいはそうでなしに、私ども検査の手助けとしてやるといいますか、あるいはまた反対に、行政管理庁の方が会計検査院の方の検査を利用するといいますか、どうもそういうふうにしてやることがいいではないかという意見も聞くのでありますが、私どもはやはり別々の観点において、独自の見解でやる方がよろしいのじゃないかというふうに考えておるのであります。でありますから、特に行政監察部の方と協議をして、検査あるいは監督を分担するというふうなことはいたしておらないのでございます。
  28. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 これは正示さんに一応お伺いしたいのでありますけれども国有財産監査官ですか、その制度の現状とそれから機能、それから効果、これを一つお尋ねいたしたい。
  29. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。先ほど検査院長からもお話がございましたが、累年検査院からの御指摘もございまして、最近また行政管理庁におかれましても監査を受けたわけで、また言うまでもなく、毎年国会の決算委員会等におきましていろいろと国有財産処分について御指摘を受けて参りましたので、私どもといたしましても、国有財産監査官制度を設けまして、ただいま全国に百五名配置いたしております。このうち本省に五名、各財務局、これは十カ所に分れますが、百名ということにいたしまして、それぞれ配置をいたしておるわけであります。創設をいたしましたのは昨年の四月でございまして、ちょうど一年余りになるわけでございますが、これは非常に私どもとしては、これをお認めいただいたことは効果があったと考えております。先般当委員会におきまして、二十九年度決算に対して御審査をいただいたのでございますが、これは検査院の御批難事項に対する私どもの弁明、あるいは説明の中にしばしば監査官制度に言及をいたしておったことは御承知通りであります。大体監査官の今日の運用の基本方針といたしましては、もとより処分業務面はそれぞれの担当の係々において処理いたすものでございますが、これが部内の監査をやっていただくということが第一の主眼であることは申し上げるまでもありません。しかしながら、そういう一種の事後監察的な機能だけでは、監査官の職分は全きを期し得ないのでございまして、できる限りこの監査官監査をいたしました結果は、次の処分の事前にこれを参考にするということに配慮いたしておるのであります。従いまして、監査官の活用といたしましては、毎年総合的な監査計画を立てております。これは各財務局においても立てまして、本省に出しておりますが、その総合的な監査のほかに、随時の監査をやらしております。また監査の結果は直ちに業務面に、先ほど申し上げましたように、次の新しい業務の資料として活用させるように配慮いたしておるのであります。その結果、先般の検査院批難事項に対する御説明でも申し上げましたように、たとえば用途指定という制度が従来あったのでございますが、この用途指定の違反事件が、毎年検査院批難事項の中に入っておることも御承知通りであります。また今回の行政管理庁監察結果の中にも入っております。これは私ども監査の場合につとに注意をいたして参ったのでありまして、とかく従来は、一種の極端な言葉をお許し願えますれば、マンネリズムに陥っておったように率直に認めざるを得ないと思うのであります。およそ随意契約的なものにつきましては、特に縁故の場合等を除きましては、一応用途指定をつけている。そこで用途指定で縛っておるから、まあ一定の用途に供されるものという安心があったと思うのでありますが、それがしばしば指定の用途に違反して転売されたり、ほかに使われておるというような事例があるわけであります。これは率直に申しまして、用途指定をあまりにも広く、あまりにも形式的につけ過ぎた結果さような結果に相なった、事態に相なったということを率直に反省いたしまして、いかなる場合に用途指定をつけるべきであるかという点について、部内でも積極的に研究いたしまして、この点につきましてはあとで申し上げますが、今回の行政管理庁の御指摘に対しましても、用途指定は大幅にこれを整理いたしたいと考えております。この点はまた検査院批難事項に対しても同じくお答えになると思うのであります。これらはやはり抽象的ではございませんので、個々に具体的に監査の結果、かような場合には用途指定をつけるべきではない、かような場合にはやはりどうしてもつけておくべきであるというふうなことを、部内監査の結果といたしまして、私どもの方でも自主的に判断をする材料が得られた。まだしかし創設一年でございまして、十分な成果が上っているとは申し上げかねるのでございますが、これはぜひこの監査官の本来の趣旨をより一そう伸ばして参りまして、ただいま申し上げましたような事後監査としての成果はもとよりこれは非常に貴重でございますが、それをただ単に検査院なりあるいは行政管理庁から御指摘をいただくような部内監査という意味に終らせることなく、常に部内における新しい反省の材料を得ることによりまして、それがとりもなおさず、次の処分なりあるいは管理のやり方にすぐ反映をして参るようなふうに監査官制度を活用して参りたい、こういう方針をもちましてせっかく督励をいたしておるような次第でございます。
  30. 八木幸吉

    八木幸吉君 三月二十二日の予算分科会で、管財局長に国有財産の帳簿に載っていないものは相当あるのではないかと私は伺ったときには、もうほとんど大したことはないのじゃないかというふうな御答弁をいただきました。ところが、今度行政管理庁監察部国有財産に関する調査の御報告をこの前の委員会で伺いましたときには、旧軍の財産及び旧大蔵省の雑種財産等で五・七%を監査している、その監査の結果が台帳にあって現実に存在しないものや、存否不明なもの、一部が滅失してその他が存否不明のものが約四〇%あった。こういうことが新聞紙に報ぜられており、また行管報告にもあるわけなんですが、この間のお話とはあまり違うのですが、大体この行管の方の報告はそう間違っておらぬとお考えになりますか、その点いかがでしょう。
  31. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは行政管理庁からすでに御説明があったと存じますが、行管の今回の御調査はいわば一種のサンプリングと申しますか、抽出実態調査ということになっております。先般予算分科会におきましてどのくらいのものが脱落財産としておるかという御質問でございました。これに対して的確にこれをむろん把握いたしておりませんのですが、私どもとしては、全体の金額から申しますと、そう大したものではないというふうに申し上げたわけであります。今回の抽出調査の結果でございますが、これにつきましては、このやり方について理論的にもいろいろ私は統計学上からも問題があるかと思うのでありますが、先ほど来検査院行政管理庁との間の帳簿検査の対象、あるいは監察の対象について、八木委員の御質問に対する応答を拝聴いたしておりましてやはり感じたことでございますが、一種の対象が金額で非常に大きなものと比較的小さなものとあるわけでありますが、それらはすべて一件に相なっております。従ってそういうものの寄せ集めの総体に対する何%という場合でございまするから、これは非常に統計的な場合におきましては私は注意を要する問題ではないか。そこでたとえば普通財産の総額、先ほどお話がありましたように六千六百幾らといっておりますが、そのうち御承知のように有価証券等が非常に大きな部分を占めております。そこで現実にいわゆる処分可能なる土地建物というふうなものになりますると、これはもうきわめて小さな金額が今利用されずに残っておるわけでございます。大体資料をもって申し上げましても、台帳価格で数十億というふうな金額に相なってしまいまして、そのほかの金額貸付中であるとか、あるいは駐留軍に提供中であるとかいうような形になっておる。そこで私どもは、これはむしろ管理庁に率直にお答え願った方がいいかと思うのでありますが、気持といたしまして、やはり金額の全体から見ますると、そう大した金額ではないのではないか。まあこれは金額で言いますと、ほんとうに小さな割合になるのではないかというふうに実は感じております。しかし、お前はそれを現実に把握した上で言うのかという点になりますと、遺憾ながらこれは実態が現実に把握されておらない面があるのでありまして、その点につきましては、これは遺憾ながら、実は今後、この前も申し上げましたように、一定の期間にわたりまして、どんなに、何と申しましょうか、軽微なものにつきましても、これを片っ端からとにかく台帳の上に載せまして、台帳と実態との突き合せをいたしました上で、これだけでございますというふうに申し上げますのが私は正しい態度である、かように考えております。しかしながら、大体達観いたしまして、今日金額的には今申し上げましたようにさしたパーセンテージにはならないというふうに実は考えております。  なお、たまたま今お話がございましたので申し上げますが、新聞紙上に報ぜられました際に、私最初に気がついたのでございますが、財産の存否につきまして、全部滅失という表現になっていましたと思いますが、この中には、なるほど災害によりまして、台帳には土地が幾ら幾らとあるにかかわらず、陥没してしまってもはや土地が現実にない、従ってあとに残ったのは、一種の公有水面埋立権のような形になっておるものも土地としてあるというのが現実に指摘されております。これはまあその表現で正しいかと思うのでありますが、ただ除帳漏れというのが滅失に入っております。これは管理庁の書類によっても明らかであります。これは現実には処分をいたしまして、ただいわゆる消し込みが時間的におくれておる。これもむろんよいことではございませんので、処分をすれば直ちに消し込みをするということでなければならぬのでございますが、これはいわば滅失ではないのでございまして、処分をいたしまして民間の手に渡った、それがなお台帳の上で消し込み漏れになっておったというのが滅失の中に入れられているのでございますが、この点は現実の実態とはやはり違っているわけであります。さような点につきまして、なお今申し上げましたような点では、大体の私たち勘から申し上げまして、一応まあ脱落財産につきましては、大体私は三年計画をもってほんとうにきちっとしたものをカードの上に明らかにする決心を持っております。その結果は、少くとも金額的に非常に大きなものではない、こういうふうに申し上げたいと思います。
  32. 八木幸吉

    八木幸吉君 今三年計画で整備したい、この前の予算委員会では五年計画でじみちに片っ端からやっていきたい、こういうお話であった。ところが行管監察部が近畿の財務局をお調べになった報告を前に見たことがありますが、それによると、近畿だけでも四十年はかかるだろう、こういうことが正式に業務報告の中に出ております。国有財産整理するのに四十年かかるのだろう、これは行管監察部の方が独断で言われたのじゃなくて、財務部の何人か、その道の方とお話があってから後のことじゃないかと思います。今の三年なり五年なりとおっしゃっても、第一線に働いている方々は四十年と言っている。あまりにその開きが多いので、その辺のことはお耳に入っているかどうか、どういうところでそういう違いが出たか、何か御想像できる点があったら簡単でよろしうございますから……。
  33. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。先般第一分科会で五年と申し上げましたことは事実でございますが、その後、私どもとしては実は絶好の機会、これはいいというふうに考えまして、それで三年ぐらいでやっていただきたいということをいろいろお願いを申し上げまして、大体さっき申しましたように、三年計画ということをこの際申し上げて差しつかえないのであります。この点は、私が前に申し上げましたよりも一そう促進をしてやって参りたいという決心を持っているということを申し上げます。  近畿財務局につきましてのただいまのお話でございますが、これは私そういうことは耳にいたしましたし、また当時そういうことを行政管理庁におかれましても、あるいは第一線の職員がそういう気持で申し上げたこともよくわかるのであります。要するに今までのようなやり方でずっと進んだのではほんとうにこれは百年河清である。そのうちに新しい返還財産等もまた出てくることでございますから、要するに処分に追われていって、実態をすみずみまで把握するということはまあとてもこれは長い年月の後でないとできないだろうという気持を、私は、従来も部内の者も持っておった、またこれはまことに残念ながらやむを得なかったと思うのであります。私も実は主計局におりまして、この歳入をいただいたり、それから歳出を削ったりする仕事をやってきたのでありますが、国有財産の方は、なるべく歳入はたくさんもらうけれども、歳出はなるべく少くするという方針でずっとやって参りました。と申しますのは、効率ということを考えるからそうなるわけであります。そうして効率は、やはり税の方で歳入をあげていただくのが効率が多いのであります。しかしこれはいついつまでもそういうことは許されないのでありまして、今日国有財産制度が根本から批判を、内外に批判を受けているというこの実態こそ、いわばきたるべきものがきたというふうに感じたのでありまして、この機会にこそやはりあるべき姿に立て直しまして、今申し上げたような案は、なるほど経費の効率という点から申しますと、相当むだなように見えるかもしれません。しかしまずもってそういうもとを正す、現実の実態を把据していないようなことで処分を急がれては、間違いをあとからあとから繰り返していくことに相なるのでありますから、まずもって実態を完全に掌握するということに私どもとしてはこの際全力を傾倒したいと考えます。まあそれによって大切な処分をおろそかに、ゆるがせにすることは許されませんので、処分は従来よりも一そう慎重にやらなければなりませんが、しかしこれをおろそかにする気持はございません。どんどん能率的に処分をやりながら、しかも一方においてぜひとも実態の掌握を、先ほど申し上げたように三年間にはぜひ終りたい、こういう決意を持っているわけであります。それにはどうしましても、ある程度これは定員をふやしていただくというふうな考えは持っておりませんが、臨時の人手を要するわけでございます。また経費も必要でございます。これはぜひともよく関係の向き向きにお願いをいたしまして、そうして先ほどお話にございましたように、今後何十年かかるかわからないというような気持で部内の職員が仕事をしておったその頭を徹底的にこの際切りかえまして、もう三年たてばすっかり全国の状況が、その係々においてはむろんのこと、これが本省におきまして一元的に掌握されているという事態にぜひ持って参りまして、そうしてそのような力を基礎にいたしまして、ほんとうに合理的な処分計画というものを作りまして、これによって間違いのない管理処分をやっていきたいということに実は考えているのであります。あとで大臣もお見えになると思うのでありますが、今回審議会をお作り願い、あるいは審議会において抜本的ないろいろな施策を御立案願う、御審議願うという趣旨も、実はそういう決意をもとにして初めて意義があるのではないかというふうに考えているわけでありまして、ただいままでのいろいろの考え方は、そういう意味で非常に大きなここに転換をしているという点につきまして、まず御了解をいただきたいと思います。
  34. 八木幸吉

    八木幸吉君 四月十二日の委員会でだいぶ論議されておりまして、私その席にいませんでしたので、多少重複になる点もあるかと思いますので、その点は御了承願いたいのですが、印刷局長の問題について管財局長に伺いたいと思いますが、第一点は、印刷局長がお入りになっておった公舎が、行政財産から普通財産にかわっておるのですが、その理由は一体どこにあったか、まず第一点、その点伺っておきたいと思います。
  35. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。今回問題になりました前印刷局長国有財産払い下げの問題につきましての御質問でございますが、この土地及び建物は、前に当委員会において申し上げました通り昭和二十二年の三月二十七日に東京財務局長官舎として民間から買い上げたものでございます。その後昭和二十四年の六月に官制の改正がございまして、東京財務局から東京国税局に所属がえに相なったのでございます。なおその後昭和二十五年の三月になりまして、当時東京財務部、これが今日の関東財務局でございますが、東京財務部から東京国税局に対しまして引き継ぎの要求がなされております。と同時に東京国税局長からは本省の大蔵大臣あてに——これは管財局の系統というよりは官房会計課の系統に属するのでありますが、いわゆる所管大臣の系統に属するのでありますが、この財産につきまして用途廃止を承認してほしいという申請が出ておるのであります。この用途廃止の事由といたしまして、土地が過大で、建物も比較的利用価値がなく、台風等にて一部大破しておるから、これをいわゆる官舎としての用途にそのままにしておくことは不適当であるということで、公用を廃止した、こういう事由に相なっております。これはだいぶ前のことでございますが、当時の本省の官房会計課というところで、この申請につきまして審査の上これを認めまして、公用財産から普通財産に切りかえられた、こういういきさつになっておるのでございます。
  36. 八木幸吉

    八木幸吉君 山階宮家から買い上げたんですね。
  37. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) そうでございます。
  38. 八木幸吉

    八木幸吉君 買い上げて官舎にしたわけでしょう、官舎のために買い上げたのですね。
  39. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 先ほど申し上げましたように、昭和二十二年三月に東京財務局長官舎として買い上げたのでございます。
  40. 八木幸吉

    八木幸吉君 そこで普通財産として貸与してしまったら、官舎に入っておった人はどこに行くことになりますか。
  41. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) この点、官舎を廃止いたしますれば当然にいわゆる普遍財産ということに——公用財産普通財産ということになりまして、本来いわゆる普通財産として、先ほど来申し上げますように、一般処分の対象の財産になるわけでございます。まあ当時、先ほど申し上げたような事由で、一応廃止になっておったにかかわりませず、これを依然として公務員が使っておったという点につきましては、御指摘のように本来の姿ではないと思うのであります。しかしながら、普通財産につきまして賃貸借をする事例も今まで全然ないわけではございません。いわゆる官舎に住むのに不適当な者が、普通財産を借りて住む場合もこれはあり得るわけでございますが、しかしながら、先ほど申し上げたような事由で、用途を廃止いたしました場合は、当然これは普通財産として一般処分の対象になるべきであったということは、大体において当時の事由から申しまして自然のことではないかと、こう思います。
  42. 八木幸吉

    八木幸吉君 私の伺っているのは、局長の官舎として買ったんですね、ところがそのときは広過ぎるとか何とかいうのではなしに、七百何十坪というものを買ったのですね、ところが三年ほどたって、これは広過ぎるということで今度売ろうというのですね。前おった局長の家が当然なくちゃほかに移れないのだが、その家は一体どうされたかということを聞いておるのです。
  43. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは昭和二十二年、東京財務局長は、御承知のように現在の東京国税局並びに関東財務局を合せました局長をいたしております。たしか当時の東京財務局長はこの官舎にはお入りにならなかったというふうに記憶いたしております。それから東京国税局に、先ほど申し上げましたように引き継がれたのですが、このときも東京国税局長はこの官舎にお入りにならなかったのでありまして、これは率直に申しまして、前印刷局長が当時総務部長として、この局長が入っておりませんので、その下の総務部長がこの中に入っておったのでありますが、それが局長官舎としては不適当であるという事由をもちまして普通財産に移り変っておるわけであります。
  44. 八木幸吉

    八木幸吉君 この国有財産の公務員宿舎には、いろいろおっしゃる通りむずかしい法律や法律の施行令があって、入る順序とか、また宿舎を買うにはあらかじめ宿舎審議会の議にかけるとか、予定計画をあらかじめ立てるとか、いろいろむずかしい規定がありますね。そこで局長の官舎として買って、一ぺんも局長が入らないというようなことであれば、最初の一体予定計画とか、宿舎審議会に対する最初の議案というものは、実際と違った案を出して審議を受けたわけですか。局長の官舎に買っておいて、実は局長は一ぺんも入らなかった、総務部長が入っておる。私は宿舎に関する規則を見て驚いたのですが、次官が一番先に入って、次は局長が入るという、非常に順番がきまっておるのですね。それがわれわれから考えると逆の順序だと思うのですが、だから今の説明では私は一向納得がいかないので、局長の官舎が入り用なら、もう買うなりすぐ入るくらいの緊急性がなければならない。それを総務部長が入ってしまった、総務部長がずっと入っていて、しばらくしたら、大き過ぎるから、これは一つ払い下げようじゃないかと、印刷局長にかわって二カ月もたたんうちに、その人が自分で家を買ったということは、全くばかばかしい話だと新聞はでかでかと書いておりますが、新聞に書いてあるのがほんとうで、今の御説明を伺っても納得がいかないので、どうして局長が入らなかったかということが一つと、宿舎審議会にどういう理由で御申請になられたか、その宿舎審議会に対する申請書類がもしお手元にあれば伺ってみたいと思います。
  45. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいま八木委員の御指摘の点は、国家公務員のための国設宿舎に関する法律につきましての建前からの御議論で、まことにその通りであります。ただこれは御承知のように、昭和三十四年の五月に国家公務員のための国設宿舎に関する法律というものが作られております。従ってまあ昭和二十二年でございまするから、これを買収した当時はそういう法律はございませんが、しかしその精神におきまして、いやしくも役所が局長官舎として買収する場合、そこに局長が入らないようなものを漫然として買うべきじゃないじゃないか、この御趣旨はその通りであると思います。かようなことをいたすべきではございません。ただ当時は、御承知のように二十二年でございまするから、非常に終戦直後の混乱の時期でございまして、役人の異動等が行われましても、なかなかその宿舎がございませんために、異動等も十分に行われないような時代でございましたので、そこで各省それぞれ一応責任者の宿舎というものを確保いたしまして、いつ何どきでも必要な人事異動が行われるようにと、最小限度のものはそれぞれ手配をいたしたのでありますが、もとよりこういう一戸建のものだけではないので、合宿所的なものを用意いたしまして、大量に世帯の者も入れまして、一時しのぎをやったような事例がたくさんあったかと私は思います。そういう意味から、私は買収をいたしましたこと自体につきましては、私は当時まことにやむを得なかった事情があったかと思うのでありますが、問題はその後においてこの建物の使用方について私は遺憾の点があった、この点は率直にさように思います。今回のようなことになりましたのも、その辺から私は問題が発生しておるのではないかと思うのであります。  なお御参考ではありますが、昭和二十八年に私どもの方から国家公務員のための国設宿舎に関する法律の精神にのっとりまして、いやしくも国家公務員の入っておる宿舎を普通財産のままに置いてはいけない。これはすべて行政財産として、いわゆる公用財産に切りかえなければいけないということを通牒を出しております。これに違反するものはほとんど今はないと私は思っておりまするが、これらの点につきましては、なお部内においてよく検査をいたしますとともに、そういう通牒が出ますと、すぐまた行政管理庁なり検査院からその通牒違反が行われておりはしないかということで、すぐ検査の対象になるのでありますが、これは徹底的な私は御検査を願いたいと思うのでありますが、今回のような事案は、やはりそれらのことにつきまして十分筋を通していなかったという点も私は遺憾ながら認めざるを得ないのでありまして、ただいま申し上げたような措置が十分守られておりましたならば、かようなことは起り得ないというふうに思っておるのであります。
  46. 大倉精一

    理事大倉精一君) ただいま大蔵大臣の秘書官の方から連絡がありまして、今衆議院に出席中でございますが、四時にMRAのブックマン氏が羽田に到着されるので、これを出迎えに行かなければならぬので、本決算委員会出席は次回にお願いをしたい、こういう要請がありましたが、了承して差しつかえございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 大倉精一

    理事大倉精一君) じゃさよう了承することにいたします。
  48. 八木幸吉

    八木幸吉君 別なことを伺いたいのですが、あの宿舎に入って非常に修繕をされたということが新聞に出ておるのでありますが、この行政財産になっておる官舎の修繕というものは、一体自由に認るのですか、公舎といいますか、いわゆる国設公務員宿舎に入っておる人が自由に原形を変えるということを許すのですか。
  49. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げます。この国家公務員の宿舎につきましてでございますが、御承知のようにただいまでは年に十億くらい公務員宿舎の設置につきまして経費を予算に計上していただきまして、これを各省庁に配分をいたしておりますが、遺憾ながら、この宿舎を新設することに実は追われておりまして、なかなか既設宿舎の修理にまで手が回っておりません。それでまあ各省庁におきましては各省修繕費というものが御承知のようにございまして、これは坪当り三百円とか四百円とかきわめてわずかな金でございますが、そういうものをもちまして、それぞれの所管の公務員宿舎等につきましても最悪のものからある程度の修理はしておられるのであります。しかしどうしても手が回らないような場合には、やむを得ず居住者が自分で負担をしておるような事例もあるようでございますが、これまた建前としては私はさようあるべきではないと思っております。たださような場合に、これは一般の正しい公務員宿舎についてまず議論を申し上げておるわけでございますが、そういう正しい公務員宿舎のあり方といたしましては宿舎料は適正でなければならぬ、これは不当に安くあってはいけない、適正な宿舎料を徴して、そのかわりにこれを設営する国の立場といたしましては、必要な修理は施すということでなければならぬと思うのであります。私は本年の、三十一年度の予算の際におきまして、この点ははっきりと主計当局とよく話し合いをいたしまして、ある程度の修理費は認めていただきまして、そのかわり御承知のように固定資産税にかわる交付金制度も今度新しく設けられることになりましたので、これに伴いましてある程度の宿舎料の引き上げはやむを得ないと考えております。それらの点は追って宿舎審議会等にかけまして決定をいたさなければならないのであります。しかし本来の姿といたしましては、宿舎料は適正なものにして、ぜひこれはちょうだいする、そのかわり必要な修繕費は出す、こういうことでなければならぬと思うのでありますが、従来は、先ほども申し上げましたように、必ずしもそう参っていないのであります。そこである程度の修理費をもったということは、一つこの際ばかりでなくても、ある程度そういうことが行われておったことは否定できないと思います。ただこの特定の問題につきましていろいろうわさを耳にしておられる点につきましては、実はだんだんと調べてみますると、二十九年の六月、印刷局長に転勤後二カ月になっておりますが、そのとき払い下げをいたしましてから、本人が支出した修理費等が相当の額に上っておるようであります。それと従来国有の財産を使っておった場合に使用いたしたものを比較いたしますと、あとの方がずっと多いようであります。前の場合は、やはり私はさほどのものを使っておったというふうには認めがたいのでありまして、これはやはり先ほど申しましたように、ある程度国がどうしても手が回らなかったような場合に、応急に自分でやったものが若干あるというふうな関係のように私は理解をいたしておるのであります。
  50. 八木幸吉

    八木幸吉君 借りておる場合に修繕したら、非常に修繕費がかかっても、それを弁償しますか、弁償しませんか。
  51. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは私は先ほど申したように、あるべき姿ではないので、まあいわば異常の形態であったというふうに考えますが、かようなものは弁償という形ではなくて、やはり将来それをかりに払い下げるというふうなことになりました場合には、これは有益費ということで、一般の民間に対して貸し付けております場合にとっておるような方式は、これは当然考えなければならぬかと思います。しかし、自分勝手に、どんどん修理費は出しなさい、それを国が弁償しましょうということは、これはどうも少しやはり宿舎管理の建前からいいまして、さようなことは認めがたいのではないかと考えております。そこで、やはり今回のような事案におきましては、これに厳正にそれらの点についても査定をいたしまして、売払価額を決定すべきであったと、私はその点は率直にさように考えております。使ったからといってみだりにそれを弁償したり、あるいは売払価額から引くというふうなことは慎しむべきでございまして、どこまでも一般の御納得のいくような評価、または有益費なら有益費の客観的な妥当性と申しますか、そういうものが一つの限界でございまして、それ以上のことをいたしたとしましても、さようなことはまた認めがたいのではないかと、こういうふうに考えます。
  52. 八木幸吉

    八木幸吉君 家賃は幾らですか。
  53. 大倉精一

    理事大倉精一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  54. 大倉精一

    理事大倉精一君) 速記を始めて。
  55. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) この家賃の調定額で、ございますが、これは年々ある程度変動しておりますが、二十九年の四月一日から二十九年六月十七日、要するに売り払い直前までの額を申し上げますと、約三ヵ月足らずでございますが、土地が五千百六十八円、建物が……。
  56. 八木幸吉

    八木幸吉君 一年で幾らですか。
  57. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 一年となりますと、二十九年の三月三十一日までの一年分を申し上げますと、土地が二万一千八百二十円、建物が七千八百十三円ということになっております。
  58. 八木幸吉

    八木幸吉君 月に割ると二千五百円弱ですね。そういたしますと、この国家公務員のための国設宿舎に関する法律に家賃の基準がありますね。その基準と見合っていますか、基準より安くないですか。
  59. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは私はまず建前論だけを先に申し上げますが、先ほど申し上げましたように国設宿舎法は直接これには適用はないわけであります。しかしながら、その精神論から申しますと、さっき申し上げたように、それぞれ別個のものであってはならないというふうに考えますが、これは一応普通財産を特に賃借をしておったという形になっておりまして、国設宿舎法による国設宿舎では実はないのであります。しかしこの家賃自体が果して適切であるかどうか、これは一つの判断の基準といたしましては、やはり国設宿舎法による家賃等を照合してきめるべきであるというお説には、私は非常に理由があると考えます。かように考えますが、一応建前論としては、国設宿舎法によるものではなくて、別にきめられておった、こういうふうに御了解願いたいと思います。
  60. 八木幸吉

    八木幸吉君 先ほど二十二年三月の局長官舎として山階宮家から買い上げたときには、国家公務員のための国設宿舎に関する法律が二十四年にできておるのですから、二十二年には適用がなかった。この話はわかるのですが、二十九年の家賃が、二十四年にこういう法律が出ておるのに、その適用がないというのはどういうわけですか。法律が出てから五年にもなっているのに、一体、普通財産国有財産に入れなければならぬ立場におる関東財務局長が、普通財産のまま置いておいて、自分の家賃はうんと安くしておると、そんなばかな話がありますか。
  61. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 実はその点を先ほど申し上げたのでありまして、私の方は二十八年に通牒を出しまして、すべて国家公務員の入っておりますものは、これを国設宿舎法による宿舎に切りかえるという通牒を出したわけであります。しかしながら、その通牒に違反して、これは普通の財産のまま従来のようなやり方で、条件で貸しているということをさっきは実は申し上げたつもりであったのであります。そこに通牒違反が行われておったということをはっきり認めざるを得ないのであります。
  62. 八木幸吉

    八木幸吉君 そういう通牒違反で、自分のしりをぬぐう場合に、戒告とか注意とか、何らかの行政措置というものはないのですか。
  63. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはまことに御不審の点はごもっともでございまして、まず通牒は本省から出ておりますが、当時の関東財務局長は、関東地域におけるその責任者である、これに違反するということは、これはきわめて遺憾な点があったと思うのであります。本来さようなことのあるべきことではございませんので、通牒に違反するような事態があれば、当然その責任自体において措置をすべきであるという御意見につきましては、本来はさようにあるべきものと考えます。
  64. 八木幸吉

    八木幸吉君 この前の委員会で、この局長の依願免官の問題が非常にやかましく、青柳委員を初め大倉理事、皆さんからやかましくお話しがあったようですが、こういう辞表が出たときに、それを許可する場合に、そういったような通牒違反の事実なんかを一体お考えにならないのですか、どうなんですか。
  65. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはまことに役人の逃げ口上のようになって恐縮でございますが、身分上の問題はそれぞれの担任の同等におきまして、諸般の事情をよく御検討の上で決定されまして、先般当委員会におかれましてそれぞれ責任者との間に応答があったわけであります。もとよりただいま申し上げたような点もこれは顧慮されたことと私は思うのでありますが、むろん、先ほども申し上げたように、かようなことは許さるべきことではございませんので、それらの点をあわせ考えつつ、しかも先般の当委員会における質疑においても申されましたように、印刷局長というポストにつきましては、早急に後任を補充するというような必要に迫られまして、依願免官の措置がとられたというふうに一応われわれとしては観測をいたしておるのであります。
  66. 八木幸吉

    八木幸吉君 立川の財務局の出張所長にやはり問題が起きておりますね。そこで辞表を今度出されても、すぐそれをこの前のように依願免官で受け取るようなことはないでしょうね。その点を確めておきたい。
  67. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはまことに恐縮ですが、私よりはほかの政府委員がお答えすべきことだと思います。ちょっと本日は……。
  68. 八木幸吉

    八木幸吉君 あなたの関係じゃないのですか。
  69. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) やはり官房の系統が職員の身分についてやるわけでございますから……。
  70. 八木幸吉

    八木幸吉君 それでは簡単に辞表を受け付けないようにということを委員会で話が出ておったということを官房長なり大臣に一つとくとお伝えおきを願いたい。あれは許してしまうとそれっきりでどうにもならぬようですから、その点あらかじめ私お願いしておきます。  それから会計検査院大澤局長に伺いますが、この前の四月十二日の速記録に、大へん南平台の今問題になっておる公舎が安いということを聞いたので、調べ始めたということをお答えになっておるようですが、その辺の事情をもう少し詳しくこの機会に伺っておきたいのです。
  71. 大澤實

    説明員大澤實君) 井上前印刷局長に対する土地建物売り払いの問題でありますが、これは昨年七月、八月にかけて関東財務局検査いたしました際に、これは安いのではないかという疑問を持ちました。しかしただ安いのではないかという疑問だけではなかなか解決しません。いろいろな資料を照合しまして、なお今年の二月、次の関東財務局検査の際現地を見まして、土地建物の状況及び立木の状況を見まして、そうしていろいろその付近の売買の実情を調べました結果、これはやはり安いのではないかという確信がつきましたので、それでその検査の結果を出しまして、現在関東財務局の方の回答を待って、その回答いかんによってこちらが安いかどうかという結論を得ることを、最後の断定を下したいと、こういうように考えております。
  72. 八木幸吉

    八木幸吉君 その回答はまだ来ておりませんですか。
  73. 大澤實

    説明員大澤實君) まだ受け取っておりません。
  74. 八木幸吉

    八木幸吉君 会計検査院でお調べになったところで、大体どのくらいの金額が妥当だと大よそお考えになっているのですか。まあそれは言明する時期ではありませんでしょうが……。
  75. 大澤實

    説明員大澤實君) 評価の問題は非常にむずかしいのでございまして、私が一応考えましたものをここで申し上げて、かえっていろんな点で誤解をいただいても大へんかと思いますので、一応差し控えたいと思いますが、まあ非常に安いのではないかという感じだけは持っております。
  76. 八木幸吉

    八木幸吉君 正示管財局長にもう一ぺん伺いたいのですが、大蔵大臣がきょうお見えになったら伺いたいと思っていたのですが、今度国有財産の中央審議会をお作りになるということが明日の閣議で決定するというふうにきょうの新聞に出ておりましたが、大体その構想をこの機会に承わることができましたら承わっておきます。
  77. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) お答え申し上げますが、まだ、明日の閣議ということになっておりまして、正式に決定ということではないのでありますが、一応大蔵省におきまして内閣の方へお願いをいたしました考えの大体を申し上げたいと思います。  先ほど来、いろいろ議論がございましたように、国有財産は終戦後旧軍財産あるいは物納財産、あるいは終戦処理費支弁、安全保障費支弁等のいろいろの事由によりまして、急激に膨脹いたしましたことは御承知通りでありますが、これに対しまして従来の方針は、ともかくも処分のできるものからどんどん処分をして、国民経済の復興に役立てるように、また財政の上から申しましても、できるだけ売払収入を確保するという点に主眼が置かれて参ったように思われるのであります。それで先ほど八木委員からの御質問のような脱落地等について、どうも十分経費、人員等をさいていなかったように思われます。なおまたその処分なり管理なりの際におきまして、いわゆる政府の責任と申しますか、官庁の責任において大体事が処理されてきておったのではないか。これはまあ非常に早く処分するという場合にはある程度やむを得ないことかとも思われるのでございますが、しかし本来国有財産処分管理は国民の利益、利害に非常に大きな関係のあることでございまするし、またその結果は、国民経済全体に非常に大きな影響を持つことでございまするので、これはぜひとも広く民間各層の御意見を拝聴いたしましてやるべきことであったかとも思われるのでございます。そういう意味から、たまたまただいま国有財産の問題が根本的に内外から批判の対象になっておるのでありますが、これはある意味におきましてはいわゆる災いを転じて福となすと申しましょうか、こういうときこそ、抜本的な改革を行うべき絶好の機会かとも思われるのでありまして、この機会にこれまた役所だけの考えではなくて、ほんとうに各層、各界の方々の御意見を取り入れた抜本的な改善案というものを練りたいというのが、今回の審議会設置の基本的趣旨に相なっておるかと思うのであります。しかしこの審議会は、従いまして国有財産制度のあり方の根本について御意見を伺うのでありますが、同時に焦眉の急務でございますところの管理処分の基本問題、これまたこの審議会においてぜひとも御審議を願いたい。それから中央、地方それぞれ対象は異なって参りますが、重要な国有財産処分についても事前にこの審議会の御意見を伺うようにしたい。大体こういう三つの事柄を対象にいたしまして、本省に中央審議会、各財務局に地方審議会を設置していただくようにお願いをしておるわけであります。そこで大体審議会のただいま申し上げたような機能、あるいはこれに対する政府当局の期待がそういう点にございまするので、大体この委員の方々は民間の方を主にいたしまして、広く産業界あるいは金融界等、経済一般の代表の方たはもとより、特に国有財産に関するたとえば不動産の業務についての知識を持っておられる方、あるいは評価の点について御造詣の深い方々、あるいはその他行政制度全般についていろいろと学識の深い方々というふうな各層各界の方々にお願いをいたすことに相なろうかと思うのであります。これらの人選は、もとより最終的には閣議決定の後におきめになることと考えております。ただ中央審議会と地方審議会はやや扱う対象も違いまするので、また地方は財務局によりまして、それぞれ扱っております財産の量も違っておりますので、大体中央におきましては民間の方方が二十数人、これに関係各省の次官を入れまして三十人ぐらいが中央の委員になられるかと思うのでありますが、地方は規模によって財務局の規模によってもやはりおのずから違いが出て参りますが、やはり二十人内外の委員をお願いすることに相なろうかと思います。なお審議会には必要に応じまして、今申し上げたような以外に、専門的な問題を御処理願うような臨時委員というような構想も持っておるわけであります。  大体以上のような構想をもちまして、とりあえず明日の閣議におきまして御決定に相なりますれば、すみやかに委員の人選をお進めいただきまして、委嘱をいたしまして、まず中央の審議会が発足をいたしまして、その審議会に並行いたしまして、追っかけて地方審議会も活動に入る、大体さような構想を持っておるわけであります。
  78. 八木幸吉

    八木幸吉君 前に国有財産調整審議会、国有財産調整委員会、この二つがあって、いずれも廃止になりましたが、それとどう違いますか。
  79. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 前に設けられました委員会、あるいは審議会でございますが、これはただいま申し上げたような非常に広い立場で御審議を願うという考えではなくて、比較的局限された考え方でできておったように思います。たとえば、この国有財産調整審議会について申し上げますと、これは会長は大蔵大臣になっておりまして、関係各省のお役人並びに国会の事務次長の方々にお入り願っておったのであります。この仕事はどういう点にあったかと申しますと、いわゆる総轄大臣の権限というものが国有財産法に規定されております。各省各庁にわたって大蔵大臣が総轄大臣として、行政財産の使用の状況等につきまして調整を行う権限が、御承知のようにあるわけでございますが、そういう調整を行う場合に、ただいま申し上げたような委員の方々に御相談を申し上げて調整を行う、そういう相当局限された機能であったかと思うのであります。これに対しまして、今回の国有財産審議会は、ただいまも申し上げたように、国有財産制度の根本につきまして、一つ極端な言葉を申しますと、従来の官治制度と申しますか、これに抜本的な一つの考え方、それでいいのかどうか、もう少し能率的な管理方式なり処分の方式ということも考えていただこうというふうなところまで御審議を願う。なお付議事項は、先ほど大体三つと申し上げましたが、そういうふうにあまり限定的に実は考えずに、ぜひとも民間の方々から、たとえば先ほど問題になっておりますような公務員宿舎の問題とか、あるいはこの前当委員会において御論議になりましたような、役人に対して国有財産を払い下げる問題、こういう問題もすべて一つ率直に御意見を伺いまして、そういうことは本来あるべきことか、そういうことはどの程度にとどまるべきことかというようなことにつきましても、役人だけが独善的に判断をしていくということは、これは非常に不明朗でございますので、ぜひともこういうふうな委員会におきまして根本的に御論議を願いまして、従来の行き方をほんとうに根底から批判し、また反省を加えていくように持っていきたい、こういうふうな考え方でございます。
  80. 八木幸吉

    八木幸吉君 資料一つ要求したいと思いますが、それは三十二年の三月に、山階宮家の土地を局長の公舎として買い上げるときの稟請書といいますか、申請書というものがあると思いますが、それの写しと、それから二十五年の三月に、今度は目途を廃止して払い下げるというときの、先ほどちょっとお読みになりました理由書の全文の写しと、もう一つは現在公舎であって、しかもたとえば先ほどの南平台の公舎と同じような、昭和三十四年に出た国家公務員のための国設宿舎に関する法律の適用外の公舎の明細と、それの家賃と、もしこの法律を適用したらその家賃がどれくらいになるかというところの対照表を一覧表にしてお出しを願いたいと思います。
  81. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 ちょっと意見になるかもしれませんが、先ほど国財有産の審議会ですか、そのことですね。中央にできるその審議会の機能、これはやや理解できるけれども、それと並行して地方に置かれる審議会ですね。それは御説明によるというと、個々の行政処分についても諮問をしていくようなお話だった。そうだとすれば、そういうことはむしろ中央における審議会の答申を待って、それからそういうことが適切であれば考えるというのが順序のように思われるので、国有財産管理処分等についての基本の問題をこの際検討して妥当な結論を得ようという際に、民間が参加することは、私、決して悪いというわけではありませんけれども、地方における財務当局の行政処分についてすぐ諮問機関を出発せしめていくということは、ちょっと早いような気がするのですけれども、これは意見になると思いますが、また機会があれば御意見を伺いたいと思います。
  82. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいまの御意見ごもっともな点もあるのでございますが、実はただいま私どもの中央で扱っておりますのは、払い下げの場合でございますと、一億円以上というふうなものを扱っておる。そこで先ほど来申し上げたように、小さなもので相当いろいろ問題になるようなものもございます。これらをやはり中央で重要なものはやるのでありますが、地方におきましても、やはりこの審議会が、制度なり管理処分の方式等についていろいろ御答申をいただく前に、処分というものは全然これを停止するわけには参りません。そこで処分はやはり行われて参るわけでありますが、そういう場合に、従来通り役人だけでやっていくというふうな点につきましては根本的に反省を加えていく必要があるという点が、今回の審議会設置の一つの大きな理由になっております。従ってただいまのお話のように、中央審議会と地方審議会は、その機能において相当違う点は確かに仰せの通りでございますが、いずれにいたしましても、地方にもやはりこういう地方審議会をお願いいたしまして、これはむろん責任を転嫁するという意味ではございませんが、いろいろまあ何といいましょうか、処分管理がガラス張りの中で行われていく一つの方途といたしましても、実情をよく御説明申し上げて役人の気がつかぬ点についていろいろ御意見を伺うというためにも、ぜひこの審議会というものをまずお願いしていったらいいんじゃないか、むろんその審議会のいろいろの方法等につきましては、中央審議会において今後御意見を伺いまして、さらに検討を加える必要があるかと思うのでありますが、とりあえず、何と申しましょうか、従来非常に官治主義的な色彩が強かったといたしますれば、今回の審議会を含めました今後行われようとする一連の施策は、公開主義といいましょうか、非常に一般によく御理解を願い、また一般の御意見をよく取り入れるという点を主眼にして参らなければならぬと思うのでありますが、そういうことの第一歩といたしまして、とりあえず各財務局長に相当の権限が委譲されておることでもございますので、その財務局長の処分の前に、よく処分計画についていろいろ御意見を伺う、また重要な問題については個々に御意見を伺う、さらに処分の場合の基準その他においても、一般的に事前に御意見を伺っておく、あるいは実績をある程度公表いたしておりますが、これらの問題について、特に御関心の深い委員の方々には、常にこの処分の実情をよく発表いたしまして、御了解をいただくということも非常に意義があるんじゃないか、こういう点もあわせ考えまして、大体中央審議会と並行的に地方にもお願いをすることにいたしまして、その運営等につきましては、十分中央審議会、また地方においても御意見があり得るわけでございまするから、御説のように本審議会の運営自体につきましても、いわば審議会の御意見をいろいろ拝聴しなければならぬという点については、大体御趣旨のように考えておるわけでございます。
  83. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 地方の財務局長の権限ですね、これと大蔵大臣の権限といいますか、委任の関係とはどういうふうになっておりますか、簡単でけっこうです。
  84. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 払い下げの場合でございますと、一般競争入札によるものは、一億円までは財務局長でございます。それから随意契約は五千万円まではやるということでございます。
  85. 大倉精一

    理事大倉精一君) 私がちょっとお伺いしたいんです。国有財産の売り渡し価額にはいろいろ問題があるようですが、この点について二、三お伺いしたいんですが、批難事項の五十四号について、財務局会計検査院の間に意見の相違があるようでありますが、この点について伺いたいと思います。この批難事項に、関東財務局が東電に随意契約で売り渡した。そのときに会社から買い受け申し出の最高価額というものを、そういう請書を取ったが、それより約三百八十万円安く払い下げしておる、こういうところに批難があると思うのですが、これに対して当局は、当時における電力事情逼迫のため相手から請書を取った。そうして相当の安全度を見て、その範囲内において将来売払契約に応ずるときに公正な価額をもってやろう。従って、その当時は契約締結前に着工しなければならぬという特殊事情があったからそういう方法をとったんだ。で、そういう印象を与えたことは非常に遺憾だというような趣旨の弁明があるのですが、この件について請書が、いわゆるこういう値段で買うという請書でなくて、こういう範囲で買うという請書でもって、このほんとうの売り渡し価額というのはそのときになってからやろうと、こういうようなふうに書いてあるのです。そこで検査院としてはいろいろ何といいますか、精通者の意見というものをよく聞いたという工合になっておるのですが、こういう点についてまず財務局から、これが不当なものではないという理由についてもう少し詳しく御説明を願いたいと思う。
  86. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいま委員長お述べの通り、これはまた私ども説明書にもございます通り、当時におきまする電力事情のきわめて逼迫いたしておりました関係上、本来ならば契約を締結いたしました後に工事を始めるというのが、これが本来の建前でございましたが、そういうことでは当時の電力事情逼迫の実情に沿わない。やむを得ず締結前の着工を認めるために、将来問題を残さないように一応請書を出さしたということでございます。この請書の文書でございますが、これはちょっと読み上げてみますると、「川崎市大川町所在の国有財産宅地一千八百十五坪四合四勺の払い下げについては、左記金額の範囲内において売り払いを受けることをお請けいたします。」というのでこの金額が出ておるわけでございます。要するに私の方から申しますと、ある程度余裕のあるものにいたしまして、むろん契約を締結する場合には精密な、立ち会いをいたしまして、また精通者の意見その他を勘案いたしまして、一定の様式によって計算をいたすわけでございますが、それ以内ならば相手は異議があるはずはないという見込みのもとに請書を徴したのであります。  そこで問題は、もっぱらこの請書の範囲内におきましてその後精密に算定をいたしました評価基準あるいは精通者の意見の徴し方等が問題になってくるわけでございますが、この点につきましては、一応私の方といたしましてはいろいろ念査をいたしました結果、大体この値段というものは不当ではない、こういう信念を持っておるわけであります。その詳細を申し上げることにいたしましょうか。
  87. 大倉精一

    理事大倉精一君) それでその請書の金額の一千百四十五万二千八百三十円、こういう金額というものは、これは東電とあなたの方と協議をされた金額なんですか。あるいは東電の方で単独に独自で出してきた金額ですか。
  88. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはやはり一応土地あるいはへい、防護壁というふうに分けまして、相当の、先ほど申しましたような安全度は見ておるわけでありますが、両方でまあ大まかな見積りという意味で作ったものでございます。
  89. 大倉精一

    理事大倉精一君) そこで会計検査院の方にお伺いするのですが、この精通者の意見というのは、どういう精通者にお尋ねになったのか、その点お伺いいたします。
  90. 大澤實

    説明員大澤實君) この「六、〇〇〇」という下に「上欄と同一の信託銀行株式会社不動産部ほか一会社」とございまして、銀行名は省略いたしまして、この財務局が照会されたという同じ会社へ行きまして、そしてここの土地はどのくらいなものであろうかと聞いたところが六千円であろう、もう一つの某会社は、あの辺の埋め立て会社でございますが、そこで聞いたところ、文書で六千円くらいであるという文書の回答を得たのであります。その結果総合して六千円という結論を出した次第でございます。
  91. 大倉精一

    理事大倉精一君) これは仄聞するところによりますというと、この会社で、検査院がお尋ねになったときには、いわゆる身分証明書とかそういうものを持たずにお尋ねになったと、従ってこの会社ではどこのだれかわからないので、適当に答えておいたというようなことを仄聞しておるのですが、そのお調べになったときに、会計検査院から来たなということでもって正式にお調べになったのかどうか。
  92. 大澤實

    説明員大澤實君) 会計検査院の事務官の名刺を持ちまして銀行へ行きまして、そしてこうして頼むということで受けて参りました。相手方の銀行の当時話をしてくれた人の名刺をこちらはもらってきておる次第でございます。
  93. 大倉精一

    理事大倉精一君) そこで精通者の意見というのが、大体この評価の相違になっておると思うのですが、この精通者の意見によってこういう評価の相違が出るということは、どういう点に原因があるのか、それに対して双方から一つ考えをお伺いしたいと思います。
  94. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) この点、今回のあの行政管理庁監察の結果の中にも実は指摘されておるわけでありまして、精通者の意見のとり方が、実は従来一定の様式によっておらないということを行政管理庁からも指摘されております。またたびたび検査院の方からも御注意があったのでありますが、これは本来はやはり正式に依頼をいたしまして、鑑定料を支払ってとるべきものというふうに考えております。今回の事案につきましては、これは私の方で正式にある信託会社に依頼をいたしております。書面をもって徴しております。従いまして、先ほど行政管理庁からの勧告の中にありますように、精通者の意見をとったと言っておるけれども、一定の様式によってとっておるのではなくて、きわめて簡単な方法でとっておるのではないかという御批難は、このケースについては実は当てはまらないかと思うのでありまして、これは私の方といたしましては、この精通者の意見によるものとしての価額には相当自信があるわけでございます。本来さような様式を今後の売り払い処分の場合にはすべてにとるべきではないかというふうな考え方をもちまして、ただいま鑑定料等を支払う場合いの予算措置等につきましても、大蔵省の部内において打ち合せをいたしておりまするので、今後はすべて評価については、ただいま申し上げたような一定の様式による正式の鑑定を依頼いたしまして、それを文書によって徴するようにいたしたいと考えておる次第であります。
  95. 大澤實

    説明員大澤實君) 本件の疑問に思いましたのは、普遍の場合は、固定資産課税台帳から見た数字とか、財産税とか相続税、こうしたものは課税標準から算出した額よりも精通者の意見というのはおおむね高いのが普通の例です。本件は非常に安いので、検査の場合に、どういう書類でとっておるのかと言いましたところが、当時向うの担当官が異動した関係もあったというお話でありますが、文書ではとっていない、電話で聞いたのだ、こういう話でありましたので、どうもおかしいと思いまして、こちらとしては先ほど申しましたような調査をいたしたわけでありまして、まあ結局結論としまして、あとから、こういう文書があったという文書は、最近になって財務局の方からお示しがありました。それが当時あったかどうかということに対しては確認はできませんでしたが、あります。まあしかし、それはともかくといたしまして、結局これは行政管理庁の方からも指摘されております。われわれもそう思っておりますが、精通者の意見は何を徴すべきかということを、ある程度ルールをきめておくことがやはり筋ではなかろうか、こういうように考える次第であります。
  96. 大倉精一

    理事大倉精一君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  97. 大倉精一

    理事大倉精一君) 速記を始めて。  それで今度のこの場合は、同じ三井信託といいますか、同じ信託会社で双方が聞かれて、そうしてこういうような二千九百円と六千円の相違が出てきた、ここに非常に疑問があるのですが、検査院が聞かれたこの三井信託の人はどういう人ですか。
  98. 大澤實

    説明員大澤實君) この不動産部の名前を申し上げましょうか。不動産部の銀行員の人であります。
  99. 大倉精一

    理事大倉精一君) それは幹部の方ですか、どういう地位の人でございますか。
  100. 大澤實

    説明員大澤實君) 不動産部に監査部というのがあるそうでございます。そこの部の部長ではないそうでありますが、そこの幹部。
  101. 大倉精一

    理事大倉精一君) 部員ですか。
  102. 大澤實

    説明員大澤實君) 部員であります。
  103. 大倉精一

    理事大倉精一君) 正示局長の方では、どなたにこれはお尋ねになったのですか。
  104. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは書類でいただいておりまして、三井信託銀行株式会社不動産部から関東財務局御中という書類をいただいております。ここに部印を押してございますが、何の太郎兵衛という名前はございませんが、それはあるはずでございます。書類でいただいております。——失礼しました。ちょっと訂正します。部印でございますから、不動産部の正式の印が押してあります。不動産部の全体としての印が押してあります。
  105. 大倉精一

    理事大倉精一君) 会計検査院の方では、そういう正式の何といいますか、評価意見というものは出ておらぬわけですか。文書とか何かの正式なそういうものはありませんか。
  106. 大澤實

    説明員大澤實君) ほか一会社の方は、文書で会社に照会しまして、会社の方から回答がありました。今の不動産部の方は、文書ではもらっておりません。
  107. 大倉精一

    理事大倉精一君) ほか一会社、埋め立て会社と思うのですが、これは幾らに評価しておりますか。
  108. 大澤實

    説明員大澤實君) 同じく六千円であります。
  109. 白井勇

    ○白井勇君 私、院長に簡単なことをちょっと一言伺いたいのですが、会計検査院としましては、官庁が、つまり普通財産であろうが、特別会計の財産であろうが、国有財産処分をします場合に、財政法十六条に抵触しない限りにおきましては、公務員にそれが売却がされておりましても、何ら従来も触れていないし、そういう問題には触れないのだ、こういうふうに聞いておりますが、確かにさようでございますか。
  110. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) ただいま白井さんの御質問でありますが、国有財産法の十六条……。
  111. 白井勇

    ○白井勇君 国有財産を官庁が処分する場合に、それを公務員に売却いたしましても、財政法十六条に抵触しない限りにおきましては、会計検査院検査としましては何ら触れない、差しつかえないことになっているかというふうに私は承知いたしておりまするが、それはその通りでありますかどうかということをお伺いしております。
  112. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) 国有財産法十六条と違いますか。
  113. 白井勇

    ○白井勇君 ああ、そうですか。
  114. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) ただいまの御質問国有財産法の十六条に違反しない限りは、公務員に国有財産を売却しても、会計検査院は問題にしないことになっておるかどうかというふうな御質問と拝聴いたします。これは売却する時分に、何々局長に売却するというものは、そういう書類はないと思うのであります。何の太郎兵衛に売却するということになっておりますので、ただいまの御質問に直ちにお答えしていいかどうかということをちょっと今考えるのでありますが、たしか私、聞いたところでは、何々局長とか何々課長、何々事務官に何々の国有財産を売り払うというふうには表面上なっておりません。しかしながら、それを調べてみますと、何の太郎兵衛という者ではあるけれども、どこどこの課長であり局長であるというものはあると思うのであります。その場合におきましては、国有財産法の十六条に違反しない限りにおいては、会計検査院としては、ただいままでは取り上げておらないのであります。
  115. 白井勇

    ○白井勇君 これは将来ともそういうお考えでありますか。
  116. 東谷傳次郎

    会計検査院長東谷傳次郎君) 将来ともやはりそういう方針検査をしていくつもりにいたしております。
  117. 八木幸吉

    八木幸吉君 関連。管財局長に伺いますが、公務員が払い下げを受ける場合に、かりに今、国有財産法十六条に該当する人でなくても、備考に、これは何省の何課ということを今後書かすような通達をお出しになったら、弊害が幾分なくなるのじゃないですか。そういう通達を出すことはいけませんか。
  118. 大倉精一

    理事大倉精一君) 速記をやめて。   〔速記中止〕
  119. 大倉精一

    理事大倉精一君) 速記を始めて。
  120. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいまの八木委員の御質問にお答え申し上げますが、これは私は通牒を出すということになりますと、十六条の関係について疑義を明らかにするということですから、当然考えていいことだと思います。しかし現在でも、むろん決定をいたす場合には、そういう審査をいたしております。これは、十六条違反は御承知のように、前項の規定に違反してなした行為は無効とするということになっておりますから、第三者に対してきわめて重大な影響があるわけでございます。そこで十六条に違反しないようにということは、これは処分者の大きな関心になっておるわけでありまして、ただいま御質問のような点につきまして、むろん今後ますます留意せよということは、部内に徹底いたしますが、今日までもその点はこれは注意さしておるわけであります。  それからもう一つは、御承知のように売り払いは弁済力といいますか、資力、信用が非常に大事になって参りますので、それらの点から申しましても、大体その人はどういう地位にあって、収入なりあるいは資力なりがどういうふうになっておるかということも調査して契約して参りたいと思います。
  121. 八木幸吉

    八木幸吉君 今の弁済能力で私は思い出したのですが、先はどの印刷局長のこと、年賦で売るということは、しばしば例があるのですか。十年年賦になっておりますが、年賦で売る、官舎等の財産普通財産の払い下げに年賦で売るということが、相手が公務員の場合に、しばしばありますか。前例がたくさんありますか。
  122. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは大体今のような大きな七百坪というようなのは、ほとんど例がないのでありまして、個人といたしましては非常に異例でございます。従いまして今度のような例はきわめて異例であるということをはっきり申し上げておきます。ただこの役人に対してはそういう例は非常に少いと思いますが、一般の物納財産の場合でございますが、これは物納されました土地の上に家がありまして、その家にすでに居住者がおるというふうな事例は相当あるわけであります。そういう場合に立ちのきをしていただくといいましてもなかなかむずかしい。そこでやむを得ず、そういう現居住者に売る場合がございますが、これらはなかなか弁済をしていただくのにお困りの事情もございまするので、多くの場合延納、年賦ということになっておるのであります。役人等につきましては、私は今回のような事例はきわめてまれな事例だということをはっきり申し上げておきます。
  123. 八木幸吉

    八木幸吉君 この年賦で売ってもいいということは国有財産の、財産法のどこにありますか。第何条にありますか。
  124. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 国有財産法の、国有財産特別措置法第十一条であります。十一条に延納の特約という規定がありまして、「普通財産を譲渡した場合において当該財産の譲歩を受けた者が売払代金又は交換差金を一時に支払うことが困難であると認められるときは、確実な担保を徴し、且つ、利息を附して、五年以内の延納の特約をすることができる。但し、左に掲げる場合には、延納期限を十年以内とすることができる。」ということがございまして、その第二に、「住宅又は宅地を現に使用している者に譲渡するとき。」という規定になっております。
  125. 八木幸吉

    八木幸吉君 そこでこの財務局長の官舎の場合、確実な担保をとっていますか。
  126. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは遺憾ながらそういう手続に欠けております。
  127. 八木幸吉

    八木幸吉君 担保は一文もとっていませんか。
  128. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはこういう場合は普通売払物件に対しまして、抵当権あるいは先取特権というふうなものの登記をする例になっておりますが、これはどういうわけか、この手続がとられていなかったのであります。
  129. 八木幸吉

    八木幸吉君 その責任は関東財務局長にございますか。
  130. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは当時、前回の委員会において申し上げましたように、当時の職責区分から申しまして、目黒出張所長限りでできることになっております。目黒出張所長の責任になっております。
  131. 八木幸吉

    八木幸吉君 これ聞いてよろしいですか、決算報告の……。
  132. 大倉精一

    理事大倉精一君) 関連して私が質問したいのですが、価額の問題で関連してお伺いするのですが、この前の要求によりまして、国際電電会社に対する資料はいただきましたが、日本経済新聞等によりますと、この売払価額が非常に安いというような新聞記事が出ておるわけであります。ところがこれだけではまだ不十分でありまするが、これに関連してお伺いしたいのですが、あの近所の産経会館ですね、産経会館の土地を払い下げたのはいつごろでございましたか。
  133. 大槻義公

    説明員(大槻義公君) 昭和二十七年十月一日でございます。
  134. 大倉精一

    理事大倉精一君) これは関東財務局から払い下げをしたものでありますか。
  135. 大槻義公

    説明員(大槻義公君) そうでございます。
  136. 大倉精一

    理事大倉精一君) これは総坪数と価額は幾らになっておりましたか。
  137. 天野四郎

    説明員天野四郎君) ちょっと手元に正確な資料を持ち合せておりませんけれども、後ほど調べまして御返答いたします。
  138. 大倉精一

    理事大倉精一君) これは今のお話ですと、印刷局から払い下げたということになっておるのですが、これは印刷局が使っておった土地なんですか。
  139. 大槻義公

    説明員(大槻義公君) この地区はかつて印刷局の庁舎並びに工場があった土地でございまして、戦争中焼失して、現在残っておる部分は目下接収地になっております。交換ないし払い下げた土地はその一部でございます。
  140. 大倉精一

    理事大倉精一君) 正示局長にお伺いするのですが、この価額は大体千四百四十七坪で一億四百二十四万四千四百八十円となっているのですが、一億円以上になりますと、これは中央の所管になると思うのですがいかがですか。
  141. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは印刷局所管の財産でございまして、御承知のように、印刷局は大蔵省の中央部局になっております。そこで印刷局が処分をいたすわけでございまして、それによりまして印刷局におきましては、先ほど御質問のような従来の事例等も十分調べられて評価をしたものと、こういうふうに考えておるわけであります。
  142. 大倉精一

    理事大倉精一君) そうしますとこの産経会館の土地払い下げは、これは中央の管轄ではないわけなんでありますか、一億円以上は中央で何するのじゃないですか。
  143. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) 産経会館に払い下げました場合は、これは関東財務局が払い下げをいたしまして、それを価額からいいまして当然中央にも協議をしていると考えます。
  144. 大倉精一

    理事大倉精一君) それでは大体中央の局長の方でこの当時のいきさつがおわかりになっておると思いますが、この価額を計算するというと、いわゆる国際電電会社に払い下げた価額が非常に安い、不当に安いという非難があるにもかかわらず、この価額はさらに半分くらいの価額で払い下げがせられている。国際電電会社は、この資料によりますと大体坪十三万円くらい、この産経会館の土地はほとんど隣同士、近所なんですが、一番地違いなんですが、これが七万二千四十一円の坪当りの単価になっている。しかも登記をされたのは昭和二十七年十二月三日、国際電電会社が二十八年の二月となっております。ほとんど時期的にも変りがないのですが、こういう工合に単価の開きができたのはどういう原因であるか、御説明願いたいと思います。
  145. 天野四郎

    説明員天野四郎君) この評価を算定いたしました方法を申し上げますと、まず第一に売買実例に基きまして、それは今お話しの産経会館でありますが、産経新聞社の敷地として払い下げましたのが二十七年の十月一日でございまして、これを時価換算いたしますと、坪当り十五万六千五十円になります。それから第二の売買実例といたしましては、二十五年の三日三十一日に、関東財務局から近くの大洋自動車株式会社の敷地といたしまして売り払いいたしている土地がございまして、これが時価換算いたしますと十三万九千八百六十九円になります。第三の売買実例といたしましては、ちょうどその問題の国際電電の向い側でございますが、その敷地は東京都の所有地でございますが、これが三井生命に売り払いました——現在まだ接収中でございますけれども、二十九年三月十九日でございますが、坪当り十四万になっております。この三つの売買実例を平均いたしますと、坪当り十四万九百四十八円になります。さらにこの売買実例のほかに、精通者の意見というものを調べました結果、それは関東財務局自身並びに日本勧業銀行でございますが、その両方意見を総合いたしますと十一万九千九百円になります。従ってこの十一万九千九百円と、先ほど申しました売買実例の十四万九百四十八円、この平均価額が十三万四百二十四円になりますから、この千円以下を切り捨てまして、四捨五入いたしまして、坪当り十三万と算定したわけであります。
  146. 大倉精一

    理事大倉精一君) 私の聞いておるのは、そういう資料はここでいただいておりまするが、この坪当り十三万というこの価額でさえも新聞等の論評では安い、しかもここに何か汚職があるような記事が今年の三月の十七日の日本経済新聞にも出ておる。ところがそういう評価があるにもかかわらず、産経会館は千四百四十七坪に対して坪当り七万二千円という安い単価が出ておる。私はこの理由を聞いておるわけなんです。
  147. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) ただいまの委員長の御質問でございますが、産経会館に対する売り払いというのは二十七年の十月でございまして、これを時価に換算いたしますと十五万六千五十円ということになっておりまして、これが印刷局の用地を国際電信電話と交換する場合の一つの売買実例、すなわち先例として考慮の中に入っておった、かようにお答え申し上げておるわけであります。
  148. 大倉精一

    理事大倉精一君) どうも今の単価の点が腑に落ちないのですが、これは産経会館の文書課で調査したわけなんですが、価額が一億円以上になっておれば、当然これは中央の所管だと思う。従って御承知になっておるはずだと思う。これが十数万という坪当りの評価を七万二千円で払い下げておる、この事情がわからない。
  149. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはもう一度お答えいたしますが、二十七年十月一日に七万幾らという価額になっておるわけでございますが、それを最近の時価に換算いたしますと十五万六千五十円で、これはあの辺の地価の騰貴率等によりまして換算いたしたわけであります。それを先例の一つにいたしまして国際電信電話との交換価額が算定されておる、かように御了解をいただきたいのであります。
  150. 大倉精一

    理事大倉精一君) 産経会館の文書課で聞きますというと、大体敷地を払い下げを受けたのは二十七年十二月三日ということになっている。そこで国際電電会社の払い下げ契約の行われたのが二十九年の二月ということになっているのですが、その間にそれだけ時価が上ったと解釈して差しつかえないわけですか。倍くらいになっておりますね。
  151. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは当時のいろいろのデータによりましてさように御了承願って差しつかえないと思います。
  152. 大槻義公

    説明員(大槻義公君) 今の国際電信電話の土地交換の日にちは三十年の一月でございますので、その点、二十九年二月ではないと思っております。
  153. 大倉精一

    理事大倉精一君) 国際電電公社の土地の交換の計画が進められたのは、大体二十八年ごろからだと思うのですが。
  154. 大槻義公

    説明員(大槻義公君) そうでございます。
  155. 大倉精一

    理事大倉精一君) そうしますと、産経会館のこの当時の払い下げられたところの経緯について、詳細な資料がありましたら、それを出していただきたい。
  156. 天野四郎

    説明員天野四郎君) 承知いたしました。
  157. 八木幸吉

    八木幸吉君 だいぶ時間もたちましたが、五十三の事項を簡単に伺いたいと思うのですが、千葉県下で学校教育施設の用に供するために、四百九十八万一千余円でもって千三百八十三坪を財団法人剣心学園に譲り渡したところが、その用途に供しないで転売したために、二十八年の八月に契約を解除して、その売り渡し代相当額四百九十八万一千百五十円のほかに、損害賠償金相当額六百七十八万六千八百余円を徴することとして、千葉財務部から関東財務局にあてて損害賠償金の一部に充当するよう買受人の相殺承諾書を添えて連絡しているにかかわらず、相殺の手続をせずに、四百九十八万円余を支払ってしまた。こういうことなんですが、一体こういうことが起るのは、どこが責任を果さなかったかというそのいきさつを、資料でもいいんですから、私一ぺんとっくりと伺ってみたいのです。これほど千葉財務部が書類なら書類で出している。そうすると関東財務局長なら局長か、どこで判を押されるか知らんが、見られたときに当然わからなくちゃならないのにこういうことが行われるというのは、どうも私ども民間の会社に関係しておった者から考えれば納得いかない。どこで一体どういうふうないきさつでこんなことで起るか、書類の不備なのか、書類がなくなったのか、その辺のことを資料についてじっくり私は一ぺん伺ってみたいと思う。
  158. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはあとで、場合によりましたら書類で差し上げた方が適当かと思いますが、これは端的に申しまして、ちょうど、私、十年くらい前に税務署の混乱の様相をよく承知いたしておりますが、ややそれに似たような感じであります。当時は御承知のように、すでに税を納めているにもかかわらず、これに差し押えをしたということで大へん国会のおしかりを受けたのであります。同じ税務署でそういうことが起り得るのかということで、大へんおしかりを受けたことをはっきり覚えているのでありますが、そういうことは一体起り得ないじゃないかということであります。ところが実際に起ってそういうおしかりを受けたのでありますが、今度の事例等は、まさに私はそういうふうな混乱の一つの現われというふうに申し上げた方が御了解をいただく上において実際に合っていると思います。要するに先ほど来申し上げましたように、非常に処分に追われました、内部の連絡の様式等が十分備わっていないのであります。財務部から参りましたものが、たとえば金の支払いでございますと、経理系統と申しますか、あるいは徴収の系統というところに参るわけであります。一方処分の系統は一種の業務の系統でやっておるわけであります。内部の連絡が十分についておりますればさようなことが起り得ないのでございますが、内部の連絡が不十分なために、かような全く常識では考えられないような事態が起っております。そこでこれに対しましては、その後放置はいたしておりませんので、いわゆる内部連絡線というものをいたしまして、それぞれの関係の部課にその連絡線を必ず回すようにいたしておるのでありますが、たまたま今回の指摘を受けましたような場合には、その連絡が実はとられていなかったために、当然相殺をすべきものが一方で払っておるというふうなことになっておる次第であります。この関係は、当時のどういう係がどうなっておるかということをむしろ書類で記述してお出しした方がわかりやすいかと思いますが、現実はさようなために、たまたまこういう大きなミスが出ておるのでありまして、これは結局内部の連絡方式をきちっとしたやり方に改めまして、その連絡線が十分関係の向きでクリアーされてなければ金を払えないようにしておきさえすれば、こういうことは起り得ないのでありますが、こういうあやまちによってそういう教訓を与えられたのでございますので、かような連絡線の方式をただいまは厳重に励行さしておるのであります。
  159. 八木幸吉

    八木幸吉君 この買受人のそうした承諾書は、千葉の財務部から関東の財務部に来て、どういう系統を伝わって財務局長にいったかどうか知りませんが、系統を図解にして、それに添付書類としてひな形をつけて、一ぺんがっちりこういう例を抽出して検討する、それよりしか手がないので、図解にして、資料をつけて見せて下さいませんか。
  160. 梶原茂嘉

    梶原茂嘉君 先ほどの八木さんの質問に関連するのですけれども国有財産の公務員に対する払い下げですね。大きな金額のケースというものは、先ほどお話しのようにきわめて少いだろうと思う。しかしその小さい金額の分はケースとしては相当あるものですか、それともそうないものですか、その辺のことを一つ承わりたい。
  161. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは率直に申しまして、全体の件数から見ればそうしたものではないと思いますが、しかし全然十六条に関係のないような処分のもである程度のものはございます。これは別途資料として御要求もございましたので、ある程度のものは差し出しておるわけであります。
  162. 白井勇

    ○白井勇君 今のお話あれですか、大蔵省お話であって、他の官庁に通じる例はございませんか。
  163. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) いわゆる普通財産を他の官庁の方に払い下げておる例もございます。
  164. 白井勇

    ○白井勇君 いや、そうじゃなくて、あなた方の普通財産ですね、ほかの官庁におきまして特別会計に属するものを、国有財産を公務員に払い下げるという、そういう扱いを他の官庁でやっておられることをあなた方御承知ですか。
  165. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) いわゆる一般に払い下げるのは大蔵省の所管の普通財産がおもでございますから、ほかの省にさような……。
  166. 白井勇

    ○白井勇君 特別会計がありますね、他の官庁に。私はそういうことはほとんどそういう例はない、小さな金額でありましてもそういう事例はほとんどないと一応承知しておりますが、あなたの方ではどういう見方をしておりますか。
  167. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これはほとんどそういうふうなものはないと考えております。
  168. 白井勇

    ○白井勇君 委員長にお願いしたいのですが、先ほど席はずしまして……。行政管理庁委員長から一つ資料を出すようにお願いしたいのですが、行政管理庁の行政監察を通じて見ました場合に、官庁において国有財産を公務員に払い下げております例がありましたものかどうか、あればどういう事例があったかどうか、これを一つ調べ願いたい。
  169. 大倉精一

    理事大倉精一君) 大津局長にちょっとお伺いしますが、先ほど私が質問しました国際電信電話会社並びに産経会館の払い下げ、こういうものには検査院としては一応お調べになったことがございますか。
  170. 大澤實

    説明員大澤實君) 産経会館は財務局関係の払い下げでありますから、一局の方で検査しております。それから国際電信電話株式会社の方の交換は、印刷局所管でありまして、これは検査院の第五局で検査しております。その問題に関連して調べておるという話は聞いておりますが、具体的な話は知っておりません。なお産経会館の話につきましては、先ほどからお話がありまして、当時調べました精通者の方の意見を徴しておりまして、ただいま詳しい資料は持っておりませんが、結局結論としてやむを得なかろうということになっております。
  171. 大倉精一

    理事大倉精一君) 会計検査院でお調べになった資料一つ詳細に御提出願いたいと思います。
  172. 大澤實

    説明員大澤實君) ちょっと今の産経会館の方は私の方で調べますが、国際電信電話会社の方は他の局になりますから、帰って伝えておきます。
  173. 大槻義公

    説明員(大槻義公君) 国際電信電話会社の土地につきまして検査院から照会がございました経緯を私は承知いたしておりますのでお答え申し上げます。検査院から、国際電信電話の用地として交換した土地の単価、坪当り十三万円というのは、ちょうどその電車通りを隔てて向い側に売買実例としてある用地の実例単価と比べて低く過ぎはしないか、こういう御照会を受けたわけであります。この点につきましては、この国際電信電話の用地が特に地盤が弱くて、高層建築をするためには、そういう地盤の弱さからくる特別な配意が要るという事情もありまして、そのために実例地と比べて安くなっておる、こういう趣旨の答弁を申し上げて、この点それによって了承していただいた、こういう経緯がございます。
  174. 大倉精一

    理事大倉精一君) 先ほどお願いしました産経会館に関する資料も、その払い下げになったいきさつと、それからこれが不当に安いものでないということを証明するところの資料がありましたら、そういうような資料もそろえてお出し願いたいと思います。——ほかに御質疑ございませんか。
  175. 八木幸吉

    八木幸吉君 管財局長に伺いますが、建設省でたくさんの土木の機械を持っておりますね、何十億というもの、あれは国有財産の方とは関係はないのですか。
  176. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは建設省の機械は私は物品になっておると思います。先般、物品管理法というものを参議院においても御審議いただいたのでありますが、その際に物品と国有財産との見解につきまして従来の規定が多少訂正されたようでありますが、従来、たとえば試験所等のあるいは工場等におきまする備えつけの機械、これは国有財産になっておったわけであります。これをも、事業所、作業所、学校、病院、研究所等にある機械及び重要な器具等は従来は国有財産になっておったのでありますが、これをも物品に直していただきました。その際におきまして作業所というものが、建設省の作業所のようなものがあるわけでございますが、それは今後物品として管理されることにはっきりきまったのであります。
  177. 八木幸吉

    八木幸吉君 従来の責任は管財局にございますか。
  178. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) これは建設省が管理いたしておったわけであります。
  179. 八木幸吉

    八木幸吉君 建設省に責任がある……。
  180. 正示啓次郎

    政府委員(正示啓次郎君) さようでございます。
  181. 大倉精一

    理事大倉精一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  182. 大倉精一

    理事大倉精一君) 速記を始めて。  本日はこの程度にして、質疑は次回に譲ります。なお五月四日午後一時から、委員会の運営に関しまして理事会を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時三十一分散会