○
政府委員(正
示啓次郎君) ただいま
会計検査院から各個の
ケースにつきまして御
説明がございましたが、私の方からも、別途
説明書に一応の
説明を申し上げておるのでありますが、その後の
調査等に基く若干の
説明の補足をお許し願いたいと思います。
まず、第一に五十二号、この「敷地
調査の不十分なために不経済な工事となったもの」という点でございますが、これは技術的には建設省関東地方建設局において担当されたのでありますので、さらに詳細なことはそちらから御
説明いただくわけでありますが、これは結局やはり何と申しましょうか、多少この経費を節約しようとした動機が非常に大きな
理由になっております。建設省におかれましてはいわゆる地耐力あるいは柱状図等の技術的な一応の検討は遂げられましてやられたことなのでございますが、ただいま
検査院から御
指摘のように結果におきまして不同沈下が起ったために不経済な工事になったということに結果的になっておる。この点につきましては今後のこれは貴重な体験になるわけでございまするが、私
どもといたしましても、こういう問題を
一つの教訓にいたしまして、将来の営繕に当りましてはさらに気づかぬ点等につきまして、そういうことのないようにいたしたい、かように考えております。
五十三号でございますが、これは全く財務局財務部の内部連絡に欠陥があったためでございまして、御
指摘の
通り恐縮いたしております。ただ幸いなことに結局
検査院の御注意によりまして賠償金を取り立てておりますが、かようなことのないように事前に十分に今後とも注意をいたさなければならぬというふうに考えております。
五十四号の土地の売り渡し価格が低価に失したという点でございますが、このことにつきましては一言私の方から弁明をさしていただきたい。
説明書にも一
通り書いてございますが、これは全く一般原則といたしましては、御
承知のようにはっきりと契約を締結いたしましてから工事を認めるのでございます。ところが当時の
電力事情がきわめて逼迫いたしておりましたために、契約の締結前に着工を認めることがやむを得なかったのでございます。そこで一応将来契約を締結するときには、どの
程度の価格で買うかという点につきまして大まかな安全度を見ました保証を取りつけておこう、こういうことで、こういう請書というふうな形で出していただいて、それをあとで御
指摘を受けまして、この
程度の価格でも買えるではないかというところから、
検査院は
検査院としての算定をされまして、先ほど御
説明のように八十五ページのいろいろの点を御
指摘になっておるのであります。しかしこれは私の方としましても、もとより十分この価格決定については
調査をいたしております。これは先般当
委員会の専門員の方にも現場をたしかごらんいただいたはずでございまして、詳細にわたりましては御
質問によってお答えをすべきかと存じますが、大体三つほどのことがはっきりわかっております。すなわち第一には四十八級という等級、これがここの湿潤地帯、また立地条件等から申しまして、
相当これは高めの級になっておるということが
一つ、第二にこれに対しまして地価の騰貴著しい場合にはこれを考慮するということに一般的に指導いたしておるのでございますが、付近の売買実例等から見ましてさような事実が認められないのでございます。もともと級の高い土地でございまするので、またそこに、付近における売買実例はむしろ比較的低めに出ておりますという
関係をもちまして、私の方の評価が行われておるということがいえるのでございます。それからもう
一つは精通者の意見でございますが、これまた正式に当地方におきまする最も権威のあるものといたしまして、民間業者あるいは市役所等の意見をとっております。大体この点からも私の方の価格につきましては少くともあまり低過ぎるというふうな結果は出ておりませんので、これは場合によりましては、さらに御
質問によりまして詳しくお答え申すことにいたしますが、一応先般わざわざ専門員の方にもごらんをいただきましたので、この際、その基本的な問題だけを申し上げてみたいと存じます。
次に、五十五から五十九でございますが、いわゆる用途指定につきましての問題は、これは先ほど申し上げましたように、従来用途指定をあまりにも形式的、総花的につけ過ぎておった点につきましては、今後率直に反省をいたしまして、そういう場合を厳選して、そのかわり用途指定をつけたものはそれをきびしく守らせる、こういうふうに進めたいと考えておりますが、ここにあります個々の
ケースにつきましては、これはやはり
相当それぞれ
検査院の御
指摘のように、是正措置を講ずべきものがございます。そこでまず五十五号につきましては、当時の責任者を、これは非常に努力をいたしまして、法務省の入国
管理局登録課等の非常な協力を得まして、やっと責任者を探し出しまして、去る三月三十日、まだなまなましいのでございますが、三月三十日付で契約を解除いたしましてその損害賠償をただいま求償いたしているのでございます。その他の点につきましては、たとえば五十六号、これが私の申し上げた用途指定をみだりにつけべきではないという
一つの事例かと考えますが、五十六号は実はこういうことになっております。
昭和二十六年に用途廃止されました旧公共物、これは東京都の物揚場でもったのでございますが、この物揚場であったものを東京都の知事から財務局が引き受けました土地でございます。相手方は
昭和十年に東京都の許可を受けて使用しておりました。そうして当局が引き継ぎますと同時に払い下げ申請がありましたので、これを売り払いましたときに用途指定をつけておったのであります。これはいわば本来用途指定の必要のないものでございまして、そういうものに用途指定をつけましたために、かような用途指定違反というようなことになっているのでございまするから、この点につきましては、今後用途指定をつけべき場合を厳選する場合の非常に貴重な
資料として参考にして参りたいと考えております。なお、本件につきましては、
昭和二十九年の七月の通牒によりまして財務局は用途指定を解除することになりまして、これまた最近でございますが、三月三十日付関東財務局が用途指定を解除いたしましてあとの処理をはかっている次第でございます。
五十七号につきましては、これはいわゆる担保流れでございますが、すでに
説明書にも書いておりますが、契約を解除いたしまして求償の手続を進めております。
五十八号及び五十九号につきましては、いずれも相手方は地方公共団体でありまして、用途も学校施設として解体移築を条件として売り渡したものでございますが、売り渡し物件が学校建築資材として不
適格であった等の
事情から小金町、現在松戸市でございますが、この
説明書にはたしか柏市となっておりますが、その後さらに行政区の変更がありまして松戸市となりました。この松戸市は中学校校舎の新築所要
資金の一部に充当するため転売した。それからまた前橋市におきましては競輪場建設資材に転用したのでありますが、それぞれ
事情やむを得ないものがあったと認められます。そこでこの際用途指定を解除いたしまして、売り払いの際控除した金額等を求償するという
方針で解決することにいたしております。松戸市につきましては建物及び土地につきましてその使用料を去る三月二十四日に徴収決定をいたしております。前橋市におきましては減額
相当分をこれまた三月三十日徴収決定いたし、三月三十一日収納済みでございます。それからこの転得者としての小金毛織株式
会社、これにつきましては土地使用料を三月二十四日徴収決定いたしまして、三月三十一日にこれまた収納済みに相なっております。
次に八十七ページ以下にございまする旧軍用財産の
関係でございますが、まず六十号及び六十一号、これは
電力線路についての問題でございますが、このうち六十号は、これは広く管内全体にわたっておりまするので、諸
資料を各財務部より染めさせまして、使用者の区分、使用料、使用期間等の実態に即しまして徴収を決定する運びといたしております。
六十一号につきましてはこれまた各路線ごとに
調査決定いたしましたために若干遅延をいたして申しわけないのでありますが、昨年の十月及び十二月に徴収決定を了しまして、長尾鉱業株式
会社の使用料約十四万円を除きまして、それぞれ全額収納済みということになっております。
次に、六十二号から六十五号でございますが、これはいずれも
貸付機械の使用料の徴収及び求償措置の問題でございますが、こういう
事態の起りましたのは
貸付財産に対する実態把握が不十分であったということに原因をいたしておりまして、まことに遺憾でございます。
六十二号につきましては不法処分の事実を発見後直ちに求償すべきでありましたが、相手方の
会社が解散状態でございましたので、責任者の居所も転々としていたために遅延をいたしましたのはやむを得なかった次第でございます。その後になりまして
昭和三十年十一月九日即決和解が成立いたしまして、不法処分されました機械九個の損害賠償金及び使用料
相当額並びに返還された機械九個の使用料九十二万四千三百三十八円につきましては現在までにその一部が収納され、現在ではその残余につきまして厳重督促をいたしておる次第でございます。
次に、六十三号でございますが、これは相手方の
会社によって不法処分された機械三十九個の損害賠償金及び不法処分されたときまでの使用料合計八十七万五千二百五十一円につきましては、
昭和三十年六月二十一日に徴収決定をいたし、仮差し押えを仙台法務局に申請いたしましたところ、支払い命令について
異議の申し立てがありましたので、現在訴訟が係属中になっております。なお、
昭和三十年十二月八日相手方所有不動産、これは仮差し押えをしたものと別のものでございますが、その処分代金のうちから二十万円を将来確定すべき債務額の一部弁済金として収納いたしております。
次に、六十四号につきましては、機械三台を相手
会社に
昭和二十二年十一月より一時使用を認可していたものでございますが、
昭和二十四
年度以降の使用料につきましては再三折衝したが、いまだ解決するに至らなかったのであります。よって
昭和二十九年現地
調査をいたしましたところ、機械二台が所在不明となっていることを発見いたしましたので、同年十二月文書をもって
貸付機械の確認を求めましたが、
回答がございませんので、
昭和三十年十一月使用取り消し及び現物返還の通告をいたしましたところ、機械一台の返還がありましたが、他の二台は返還されませんので、
昭和三十年十二月に
昭和二十四
年度以降の使用料
相当額を弁償金として徴収決定をいたしますとともに、目下現物返還及び使用料
相当額の支払いを求める訴訟を提起すべく準備を進めております。
次に、六十五号でございますが、これは機械十一個を相手
会社に保管を依頼していたのでありますが、うち七個は無断処分され、他の四個は同社が
昭和二十九年十月
事業不振で工場を閉鎖した際、その傍系
会社広島冷蔵株式
会社に移動をいたしまして、現在に至ったものであることが判明いたしましたので、現在の保管引き継ぎ者である広島冷蔵株式
会社に一切の責任を負うことを了承いたさせまして、
昭和三十年十月に機械二台を返還せしめ、
昭和三十年二月七日不法処分された機械七台について徴収決定を了し、無断使用機械二台につきましては
昭和三十年三月十九日に使用料の徴収決定をいたしましたので、目下その未納分につきまして厳重督促中でございます。
次に、六十六号でございますが、これは一応私
どもの方の非常な不注意がございまして検査
報告に
指摘された
通りでございますが、この経緯につきましてはなお御
質問を待って詳しく申し上げますが、いずれも相手方が地方公共団体でありましたために、これに対しまして
相当信用を置いておったために、かような
事態が発生をいたしたのであります。そこでこれらの点は相手方が地方公共団体であるということで、ある
程度こちらに注意不十分の点があったかと存じまするから、それぞれ
検査院御
指摘のような
事態に対しまして打つべき手は打っているわけでございますが、これは重要な貴重な参考といたしまして、今後の戒めにいたしていきたいと考えている次第でございます。なお、本件の一切の責任は呉市がこれを負うべきものと認めまして、呉市に対する損害の求償につきましては遺憾なく努めている次第でございます。
次に、六十七号から七十六号につきましてでございますが、これはいわゆる「
国有財産の使用料の徴収措置当を得ないもの」としての御
指摘でございます。
先ず六十七号の土地につきましては、これは
昭和二十一年五月から一時使用により簡易住宅敷地として東京都に使用の認可をしたものでございます。都は本地の大部分を財務局の承認なしに、これまた公共団体に対する過当な信頼ということに相なるのかも存じませんが、財務局に全然断わりなしに東京都貸家組合連合会の傘下組合である言問貸家組合に転貸をいたしたのであります。同組合は
昭和二十一年及び二十二年に国庫補助住宅五棟二十四戸を建築いたしまして、このうち四棟十六戸は都民住宅会が
管理いたしているのであります。一方これと前後いたしまして言問貸家組合の組合長が自己を責任者とする別個の法人
——ここにごさいます糟元一合資
会社名義で建築許可を受けまして五棟二十四戸を建築しているのであります。そこで関東財務局といたしましては東京都に対しまして契約違反のかどによりまして原状回復を要求いたしましたが、東京都は都民住宅会に払い下げしてもらいたい旨の
回答をして来ております。本地につきましては都民住宅会、同地居住者組合からそれぞれ払い下げ申請があり、いわゆる競願の形になっております。権利
関係きわめて複雑でございまして、使用料の徴収決定をいたしますと、そちらの方に払い下げをする
一つのコミットをするような格好に相なるのであります。そこで
適格者を先ず東京都と十分打ち合せまして決定をいたしまして、その
適格者の方に売り払いを決定する場合に
貸付料も合せて決定徴収するように運びたい、かようなことでやっている次第でございます。
次に六十八号でございますが、本地二百四十八坪を含めまする千五百九十六坪は、
昭和二十八年三月接収解除となったものでありますが、旧偕行社の建物は全国市長会館に使用せしめていたのであります。そこで本地千五百九十六坪につきましては接収解除とともに、全国市長会、中央大学、千代田区役所、郵政省等からそれぞれ売り払い申請がございまして、この調整に日時を要したのでございますが、全国市長会についてはその建物敷地部分を売り払うことにいたしまして、他は当分保留することといたしましたために使用料の徴収が遅延したのであります。しかしながら
昭和二十八年、二十九年両
年度の使用料は
昭和三十一年二月七日に徴収決定を了しております。なお、
昭和三十
年度分につきましては土地売払決定とともに徴収決定をすることいたしております。
次に、第六十九号は当初恩賜財団軍人援護会東京都支部長に一時使用を許可いたしまして、それより後、恩賜財団同胞援護会東京都支部長に変更され、
昭和二十四、二十五、二十六、二十七
年度分は弁償金として徴収決定済みでありますが、未納となっております。この納入を待ちまして二十八、二十九
年度を徴収決定する
方針で厳重督促をいたしておったために遅延したものであります。なお、二十八
年度及び二十九
年度分につきましては三十年の十二月八日に徴収決定を了しました。
昭和二十五
年度ないし二十七
年度分の使用料については目下厳重に督促中でございます。
次に、七十号は昭島市が
昭和二十四年四月以降
昭和中学校、
昭和高等学校、富士見丘小学校、東小学校施設として使用してきたものでありますが、
昭和二十七
年度までの使用料がほとんど収納未済、わずか一割
程度収納済みでございますが、他は収納未済でありましたので、使用料の納入を待って
昭和二十八、二十九
年度分を徴収決定する
方針の下に納入督促に重点をおいていたために遅延いたしましたが、厳重督促の結果、
昭和三十年十一月十万円の納入がありましたので、
昭和二十八、二十九
年度使用料を同月徴収決定を了し、目下厳重に督促中でございます。
次に、七十一号でございますが、本土地は久里浜所在の横須賀海軍軍需部の施設の一部でありますが、
昭和二十三年一月に土地五千三百四十三坪、建物九百五十二坪を精麦及び精粉及び魚肥等の製造に使用する
目的で一時使用を認可いたしましたが、その後相手方は営業不振となりましたので、
貸付範囲の縮小の必要を認めて、一部の土地、建物を返還いたさせましたが、営業状態は依然好転しておりません。
昭和二十七
年度貸付料も二十八年十二月末日に至ってやっと完納したような
状況でございます。その後も
貸付数量が過大と認められ、その範囲の調整、折衝に時日を要し徴収決定が遅延したのでございますが、昨年十一月十一日に徴収決定を了し、厳重督促中のところ、去る三月三十一日五十万円を収納し、残額二十六万四千八百九十八円につきましては四月中に収納の見込みでございます。
次に、七十二号でございますが、本地は千葉市所在の旧陸軍兵器廠及び旧気球連隊施設の一部でありまして、
昭和二十七
年度貸付料を滞納いたしましたので、同
貸付料を納入しなければ継続
貸付を認めない
方針のもとに再三折衝を重ね、もし納入しなければ土地、建物の明け渡しを要求し、その間の使用料は弁償金として徴収決定する
方針であったため遅延いたしたのであります。ところが
昭和三十年九月に至りまして同
貸付料を納入いたしましたので、
昭和二十八、二十九
年度分は弁償金として十月に徴収決定しましたが、相手方は分割納入誓約書を提出いたしまして、十一、十二月に十二万円、本年三月末に五万円を収納し、目下残余につき厳重督促中のものでございます。
次に、七十三号の機械は、旧軍が川崎航空機工業株式
会社に貸与し、終戦後同社が民間賠償工場に指定されたため、社有機械とともに賠償指定機械として
管理されておりましたが、指定解除後同社よりの
報告に基き、
昭和二十七年九月引き継ぎ漏れ発見として台帳に登載したものであります。台帳登載と同時に売り払いについて相手
会社と折衝を始めましたが、当時同社は不況のため話し合いが進まず処理が今日まで遅延していたものでありまして、最近ようやく話し合いがまとまりましたので売り払いを了し、
貸付料についてもこれと同時に売り払い月日までの分六百十二万七千六百四十二円を三月二十二日に徴収決定を了した次第でございます。
次に、七十四号でございますが、
昭和二十五年旧豊川海軍工廠に自衛隊が駐屯することとなり、同地区格納の賠償指定機械を緊急搬出するよう軍政部から指令がありましたが、その節軍政部係官を通じて鈴木電機株式
会社より申請がありましたので、一時使用の認可により使用せしめていたものであります。
昭和二十八年に
貸付料を相手方に通知しましたところ、使用料が高いこと、四台の機械は当初より使用不能であったこと等を主張してきましたので、使用不能と称する機械について
調査をいたしましたところ、使用の事実が認められませんでしたので、返還するよう勧告するとともに、使用料に対して請書の提出がなければ全機械を返還するよう再三折衝し日時を経過したような次第でありますので、三月二十九日使用料
相当額百二十七万三千八百八十五円を弁償金として徴収決定し、納入しない場合は使用取り消しと同時に、現物返還ならびに使用料
相当額の支払いを求める訴訟を提起して解決する
予定にしております。
次に、七十五号は、旧三菱重工業株式
会社が工員寄宿舎及び厚生施設として使用していたものを、終戦後静岡市が同社から借り受けて、戦災者、引揚者の収容施設として約五百世帯を収容していたものでありますが、同社が
昭和二十五年戦時補償税の物納として国が所有するに至ったものであります。一方静岡市は
昭和一十四年一月軍政部が社会施設として認めなくなり補助金の下付も中止されましたので、本物件が国に収納されるとともに、戦災者、引揚者の収容施設としての用途を廃止しましたので、国が直接居住者と賃貸契約を締結することとなりましたが、従来静岡市では無償で居住させていたのであるから、国に
管理が移れば、当然無償の扱いを受けるという観念がありました。また支払能力のない貧困者が多いため、再三の折衝にもかかわらず、使用料の納入に応じなかったのであります。
昭和二十八年ごろに至りまして、ようやく使用料の納入義務を認識していただく運びとなったのであります。
昭和二十七、二十九
年度分はもちろん、
昭和三十
年度分についても引き続き折衝を重ねていますが、二十九
年度分は申すに及ばず、何分にも生活困窮者の集団を相手とすることであり、強制手段によるときは社会問題ともなり適当でないので、極力話し合いによりまして解決すべく目下努力をいたしておる次第でございます。
次に、七十六号は、広島市宇品所在の旧広島陸軍糧秣支廠施設の一部でありまして、
昭和二十一年大和糧食株式
会社に農産物加工工場施設として一時使用認可したものであります。
昭和二十五年に至り
会社内部に紛争が生じましたので、財務局裁定のもとに
業務を二分し、松岡精麦所及び松尾糧食株式
会社として使用認可してきたのでありますが、松岡某は土地の分割について営業に不利を来たすとの
理由で財務局の裁定に不服を唱え使用料の再検討を要求し、再三の折衝にもかかわらず、了解するに至らなかったものでありますが、
昭和三十一年二月十五日に至りようやく徴収決定を了し、目下厳重督促中でございます。
次に、七十七号でございますが、これは職員の不正行為のうち財務局
関係の分でございまして、本件は関東財務局前橋財務部におきまして、旧公団等の債権
回収に当っていた大川一藏が、収納金を国庫に納入せずに横領着服した事件でありまして、このような不祥事件が生じたことをきわめて遺憾に存じております。本人は
昭和三十年三月二日
業務上横領で懲役二年の第一審判決を受けましたが、同月九日東京高裁に控訴いたしまして、九月二日控訴を棄却されたところ、本人はさらに最高裁判所に上告いたしましたが、同年十二月上告棄却されまして同月二十七日判決は確定を見ております。本人に対しましては
昭和二十九年十一月八日国家公務員法第八十二条により懲戒免職に付し、また
関係者に対しましては、直接監督者でありました直属上官課長に対しましては、国家公務員法第八十二条により
昭和二十九年十二月二十八日付で懲戒減給をいたしました。また総括的な監督者である財
務部長に対しましては、関東財務局の訓戒規則によりまして訓戒するとともに昇給延伸の措置を講じたような次第であります。なお、国の損害につきましては
昭和三十年二月十六日及び同年六月二十七日の二回にわたりまして即決和解を締結いたしまして、現在までにその一部を
回収しているのでありますが、その残額につきましては目下厳重督促中でございます。
以上簡単でございますが、私の方から補足的に
説明をいたしました。