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1956-05-25 第24回国会 参議院 議院運営委員会 第55号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月二十五日(金曜日)    午前十一時四十九分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石原幹市郎君    理事            剱木 亨弘君            寺本 広作君            天田 勝正君            藤田  進君            森田 義衞君    委員            雨森 常夫君            石井  桂君            榊原  亨君            佐藤清一郎君            高橋  衛君            宮田 重女君            永岡 光治君            上林 忠次君            河野 謙三君            三浦 辰雄君     —————————————    議     長 松野 鶴平君    副  議  長 寺尾  豊君     —————————————   国務大臣    郵 政 大 臣 村上  勇君   政府委員    内閣官房長官 田中 榮一君    大蔵政務次官  山手 滿男君   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (記録部長)  丹羽 観月君    参     事    (庶務部長)  渡邊  猛君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君     ————————————— 本日の会議に付した案件 ○国会議員歳費旅費及び手当等に 関する法律の一部を改正する法律案 に関する件 ○旧軍港市国有財産処理審議会委員任 命につき本院の同意を求めるの件 ○首都圏整備委員会委員任命につき本 院の同意を求めるの件 ○日本放送協会経営委員会委員任命に つき本院の同意を求めるの件     —————————————
  2. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。まず、国会議員歳費旅費及び手当等に関する法律の一部改正に関する件を議題に供します。理事会におきまして評議いたしました結果、期末手当勤勉手当を受けるべき期日の直前に議員任期が満限に達した場合にも、議長、副議長議員秘書期末手当勤勉手当を支給するための措置として所要の法律改正を行うことに意見が一致し、お手元の資料のような草案決定いたしました。すなわち現行法によりますと、六月一日から六月十四日までの間、または十二月一日から十二月十四日までの間に衆議院が解散されたときは、その解散の日に在職する衆議院議長、副議長及び議員秘書は、六月十五日または一十二月十五日にそれぞれ在職したものとみなして期末手当及び勤勉手当を受けることになっておりますが、右の期間に議員任期が満限に達した場合については規定されておりませんので、その不備を是正しようとするものであります。御質疑等のある方は御発言を願います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)別に御発言もなければ、本草案国会議員歳費旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
  4. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 次に、旧軍港市国有財産処理審議会委員任命につき本院の同意を求めるの件を議題に供します。  前回政府側から説明を聞きまして質疑を行なったのでありまするが、本件取扱いを本日いかがいたしましょうか。
  5. 天田勝正

    天田勝正君 まだ若干の質疑をいたしたいと思います。答弁に当られる方はどういう方でしょう。
  6. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 本日は、山手大蔵政務次官、それから説明員といたしまして国有財産の第二課長が見えております。
  7. 天田勝正

    天田勝正君 それではまず第一にお伺いいたしたいことは、ここに千金良宗三郎君、渡辺武次郎君、この両君が、いずれも土地の評価等にまことにたんのうであると、名はさしませんでしたけれども、こういう御答弁があったのであります。そこで私は、この千金良君にいたしましても、渡辺君にいたしましても、いずれも三菱合資でずうっと長い間この会社関係されて、どちらも能力においては同じ人であろうと思う。そういたしますならば、すでに三菱合資やめられておるといたしましても、同じ系統のところから二人とるよりも、むしろ他から選んだ方が適当ではないかと、これは常識的にそう考えられるわけであります。どうして三菱系統の人ばかりこの五人のうち二人を選ばれたのか、一つその事情を伺いたいと思います。
  8. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) お答えいたします。千金良さんは、御承知のように経済団体連合会の代表的な資格お願いすることにいたしたいと考えたのでありますが、渡辺さんの方は、この三菱地所責任者でございまして、三菱地所にこういう地所の判定、そのほかについては非常に権威があると認められておるわけでございまして、そういう高い学識経験というものを生かしていただきたいと、こういうことでお願いをしようとしたわけでございます。いろいろ三菱との関係でということで議論もあるようでありますけれども、この軍港市の活用の問題は、それらの旧軍の施設を呉なら呉市にどういうように活用さすことにするか、そういうことに今御協議を願うわけでございまして、直接三菱がこの契約の相手になるとか何とかいうことはないわけでございまして、こういうそれぞれの部門における権威のある方々をお願いすることが適当であろう、こういうことでこういう決定をいたしたわけでございます。
  9. 天田勝正

    天田勝正君 まあ経済団体代表者という形で千金良君を選び、地所関係という意味渡辺君を選んだと、一応の筋は通っているのですが、さて経済団体から一人選ぶ、こういうふうに理屈を狭めて考えましても、経済団体代表者というものは、千金良君でなければならないという理屈はとうてい成り立たないのであって、たまたまこういう同じ財閥系統から出たという事態があるならば、経済団体の方は別のところから選ぶ、別の人を選ぶということもできることでありますし、また、必ずしもこの仕事性質からしまして、経済団体から選ばなければならぬということにもならない。そういう前提が私の頭の中にありますから、今のようにお聞きしたわけであります。特にこの審議会仕事といたしましては、なかなか権限が重大でありまして、すなわち、その相手方とか、財産の単位であるとか、譲渡価格延納期限を定める。まあ、これは諮問ではありましょうけれども、とにかくここに諮問された以上は大体の決定でございまするから、いか相手公共団体とはいいながら、やはり譲渡価格をきめる、あるいは延納期限を定めると、こういうようなことになれば、これはまあ普通の状態からすれば、非常に言葉が過ぎますけれども、汚職に関連してくるという危険もなきにしもあらずであります。そういうことであるから、同系統から二人出すということは、どうも適当でないように私は考える。これはどうなっているか。経済団体から千金良君を選んだとすれば、どうして経済団体から選ばなければならぬかという理由があるならば、それをお示し願い、また、どうしても選ばなければならぬとすれば、やはり同系統でない人を選ぶことが適当だと思いますが、そう考え直されるという気持はございませんか。
  10. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) 今度やめていただくことになりました堀越さんが経団連関係で入っておらたわけでございまするが、まあ堀越さんがおやめになります経団連から特に入れなければいかぬというわけでもないわけでございますが、全国的視野に立って産業経済界のグループといいますか、大きな経済界視野に立って判断をしていただくということで、この団体から入れることが適当であろう、そういうことで、まあ堀越さんがおやめになったそのあと、適当な人ということでいろいろ物色をいたしましたが、まあ経団連関係会長とか何とかいう人は、たくさんこういう審会議委員会委員なんかもやっておられますし、なかなか適当な人もございませんので、千金良さんにお願いをしようということにいたしたわけでございます。
  11. 天田勝正

    天田勝正君 過日荒井君に関して、日本建設業保証株式会社、これに対して他の委員から質問があって、まだ十分お答えになっておられなかったと思いますけれども、この会社というものは、こうした旧軍港における国有財産の使途には直接関係はないでありましょうが、何か役所関係仕事をする場合の保証に当る、こういう努力、間接に何かこうそこにできるような気もいたしますけれども、そういう杞憂といいますか、それは毛頭ない、こういうことでしょうか。
  12. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) この会社は、旧軍港市の国有財産処理その他のことにつきまして、直接、もちろん全然関係はないのでございます。この会社はあまり世間に知られておりませんけれども、御承知のように、昭和二十七年六月に成立をいたしました公共工事前払金保証事業に関する法律によってできましたまあ一種の国策会社でございまして、この会社の負っております任務は、国とか、地方団体等発注をします土木建築工事について発注者前払い金を払います。その前払い金払つたあと請負業者が何かの事態工事を中座するとか、何とかいうことになって、その前払い金が取れないというような事態が起きます場合には、非常に発注者の方で迷惑をいたしますので、それを保証するためにできた建設大臣監督下にある一種の国策会社ともいうべきものでございまして、全然自分土建工事をやるとか何とかいうことでもございませんし、もちろん旧軍港市の国有財産処理については直接関係は全然ないわけでございます。
  13. 天田勝正

    天田勝正君 そこで私が質問しているのは、もちろんこれが直接関係があるとは思つていない。何かこの会社性質間接に、というのは、端的に言えばこういうことです。この会社土木工事に対して公共団体関係いたすことについては、政務次官のおっしゃる通り一つ保証行為を行う、そういうことがある。であるから、さて旧軍港国有財産処理するとか、あるいは整備するとか、そこにやはり土木関係仕事が生まれる。そういう場合に、やはりこれは自分の方が保証してやるから云々ということだってなきにしもあらず、だから間接にそういう関係がどうも生ずる気がするのだけれども、そういう例は全くないかと、こういう質問をしたところが、その会社性質について答弁されたのですが、どうもその点について、私は何か間接には大きく圧力が、かけようとすればかけられるような気がして、そこを心配をしたので、その説明を求めたわけでありまして、もう一ぺん一つ間接でも全然そういう圧力なんかの心配はないのだというなら、それで一つ答弁を願いたいと思います。
  14. 山手滿男

    政府委員山手滿男君) 今申し上げましたように、この会社請負業者からむしろ保証金を取るということになっておるわけでございますから、その保証行為そのものについて、実際にそういう圧力がかかった関係があるかということについて、建設省とも話をいたしてみたわけでございますが、そういう関係はないということでございまして、御心配の点は私はなかろうかと考えております。
  15. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  16. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をつけて。それでは、本件につきましては質疑は終了したようでありますが、決定は次回にいたすことにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。さよう決します。
  18. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 次に、首都圏整備委員会委員任命につき本院の同意を求めるの件を議題に供します。  本件政府側から説明を聞き、質疑を行ったのでありますが、本日のところ取扱いいかがいたしましょうか。
  19. 天田勝正

    天田勝正君 これはどうですかね。端的に申しますが、次田さんは、これは何としても御老齢で、どうも私は、もうこの後進に道を譲る程度年令に十分に達しておると思いますがね、これをまあ一つ大前提として。それから過日私が質問したのに答えがなくて、お聞きの通り自治庁参与という仕事をされておる。選挙制度調査委員会仕事をされている。この問題について、やはり自治庁参与というのはどういう仕事をしておるのだという話をしたら、多分まあもろもろのことについて相談にあずかっておるという話だったでしょう。もろもろのことに相談にあずかっておれば、自治庁の所管である選挙制度の問題であっても、これは相談にあずかっておる。それが今度はまた諮問委員になって答申案を出す、この関係はおかしいということで、この点の答弁はよく調べてからと、こういうことになっておるのでありますが、これを一つまあ答弁してもらいたい。
  20. 田中榮一

    政府委員田中榮一君) 前回の議運におきまして、次田三郎氏が自治庁参与になっておる、参与というのはどういうような職務権限を持っておるか。またその自治庁との関係はどうかという御質問でございまして、参与自治庁設置法の第八条の第一項に「参与は、重要な庁務に関して、自治庁長官に対して意見を申し述べる。」こういうことになっております。それから第二項に、いろいろ資格——どういうものが、しからば参与になれるかという中に、「参与は、地方公共団体の長」、途中抜かしまして、「並びに学識経験者のうちから、内閣総理大臣任命する。」、「参与は、非常勤とする。」、こういう規定がございまして、内閣総理大臣学識経験者のうちから任命いたしております。  そこで、次田三郎氏は履歴でごらんのように、かつて地方行政に相当長いこと携わっておられましたし、また法制局長官とか、いろいろな役目をやっておられた方でございまして、そういう点から、自治庁としましても、この次田氏の地方行政に関するいろいろな知識経験を拝借したい、こういう意味任命いたしたのであります。従って参与は、いろいろな重要な庁務に関しては諸般のことについて意見を申し述べる権限を持っておるわけなのであります。
  21. 天田勝正

    天田勝正君 そうすると、私が一番聞きたいところは、選挙制度調査なんというのは重要な庁務の中に入っていない。結論的にはそうなりますか。
  22. 田中榮一

    政府委員田中榮一君)選挙制度調査委員会は、また別な立場におきまして委員として御任命になるものと考えております。もちろんこの中には選挙制度もありましょうが、あるいは地方財政の方の点、あるいは地方行政機構の点、そういった点につきまして、いろいろと意見を申し述べるものと思います。もちろんこの中に選挙制度のことに関しましても意見を述べる権限はお持ちになっていると考えておりますが、現在の選挙制度調査会委員は、また別個立場において任命されたものと考えております。
  23. 天田勝正

    天田勝正君 むろん自治庁参与と、選挙制度調査会委員別個立場任命されたに違いないでしょうけれども、ただ職務が重複する、自分相談にあずかったことを、また選挙制度調査会議論をされた結果、答申する場合には自分もその仲間に入って答申する。そのことがおかしいんじゃないか別個立場任命されようと何であろうと、自分がもうすでに相談にあずかり、かつまた、向うが相談しなくても、今の法律の解釈からして重要な庁務について意見を述べることができる。その意見を述べることの重要な庁務の中に、もちろん選挙制度調査ということも入っておるでありましょうから、それは入っておれば、自分意見を述べたところを重複してやるということになりはしませんか、その関係はおかしいと思うのですが、どうですか。
  24. 田中榮一

    政府委員田中榮一君) 自治庁参与は、むしろ積極的に自治庁のやっておりまするいろいろな庁務に関しまして、積極的に意見を申し述べる権限を持っておるものと思います。それからまた選挙制度調査会は、選挙制度調査会として意見を具申することもございますが、総理大臣から諮問を受けまして、その諮問事項に対しまして、選挙制度調査会として十分内容を検討して答申をするという委員としての立場と、それから自治庁参与としての立場におきましては、なるほど同じようなことであるかもしれませんが、おのずからやはり権限なり、職務というものが違っておるものである。かように考えております。
  25. 天田勝正

    天田勝正君 ちょっとおかしいのだけれども、副長官としては、そのように答えるよりほかにつじつまが合わぬから、そういうふうに答えるが、その点はまあこの程度やめますが、さてこの間、西畑個人に対してのとかくの批判はないのでありますけれども、緑風会の方からこれに関連して、要するに建設省が運輸省に十分了解を得てないのじゃないかという御指摘がありました。そこで私はかりに、西畑君に対する非難ではないが、西畑君を除いた場合には、一体この平均年令幾らになるかというと、たぶん六十七、八才になってしまうだろうと思う。西畑君がいたって平均年令が六十五才になるだろうと思うのですが、これは執行部なんですよ。今度できる首都圏整備委員会委員ですか。これは自民党が入りますけれども、そういう諮問機関としての審議会と違って、これは執行部としての委員なんです。どうも毎日職務執行している者が平均年令六十五だなんという、その中でも七十三の人がいるというのは、年だけのことを言うわけじゃないけれども、常識的にどうもあまりに老齢過ぎやしませんか。幾ら老齢尊重の国柄と言いながら、どうなんでしょうかね、これは。
  26. 田中榮一

    政府委員田中榮一君) まあ年令は、明治十六年でございますから七十二、三才になっておられると思うのですが、先般御説明申し上げましたように、次田三郎君のいろいろ過去における知識経験というものをぜひ拝借いたしたいと、こういう考えで御推薦をしたわけでございまして、もちろん任命された後はおいて、次田三郎氏が老齢のために職務執行ができないということは毛頭ございません。現在もなおこの委員会のことを非常に熱心に処理されている方でございまして、さようなことで、ことにまたこの西畑氏は非常に若いというお話なんです。明治三十八年、若いのでございますが、しかしそれは働き盛りでございまして、老齢と新進とを抱き合せでいいと思います。それにいい取と合せじゃないかと思っております。
  27. 天田勝正

    天田勝正君 今、現在も非常に熱心にやっておられると言っても、そういう差し出がましいことをやっても、まだ法律ができたばかりで、今これらに同意しようか、しまいかと思っているのに、それは官房長官の今の答弁は過ぎやしませんか。  それで、もう一つ私ついでに言いますが、島田さんが六十三才、工藤さんが六十二才、西畑さんが四十九才で次田三郎さんは七十三才、こういうのです。だからうまい説明をしても、執行部としては何としても年をとり過ぎているという感じは払拭できません、よ。今の最初の答弁をしたのは速記がついていますから、速記を見てから非難してもいいが、現在でもこの仕事に熱心だ、そんなばかなことはないが……。
  28. 田中榮一

    政府委員田中榮一君) それは今までございました首都建設委員会委員としまして、現在委員長代理ということでいろいろと職務を代行されているのでございます。今回、首都建設委員会がさらに拡大強化されたわけで、従来も非常に熱心にやっておりましたので、今後も十分熱心に職務執行していただけるものと私どもは信じているわけであります。
  29. 河野謙三

    河野謙三君 天田さんからの御質問で大体わかったと思いますが、念のためにもう一度伺いますが、次田さんは常任委員ですか。そうしますると、事務局を常に常時指導する職務なんですか。
  30. 田中榮一

    政府委員田中榮一君) さようでございます。次田三郎氏は常任委員でございます。それから西畑さんも常任委員で、常勤の方が二人でございます。それから非常勤の方が二人になるわけでございます。非常勤の方は工藤昭四郎氏とそれから島田孝一氏、このお二人の方が非常勤になるわけでございます。
  31. 河野謙三

    河野謙三君 そうしますと、この官界にもおのずと秩序があると思うが、その官界秩序から見ると、次田さんというのはおじいちゃんのようなもので、今の事務局を担当するのは孫、曾孫みたいなものでしょう。おじいちゃんというのは、相談をかけられたらその時に判断を下すのがおじいちゃんであって、常に孫なり曾孫会議に出る、年令構成というものは秩序からいっても、事務局自主性というものに非常に圧力を加えることになるだろう。そういう点からいっても僕は不適当であろうと思うのです。むしろ常勤じゃなくて、普通の委員ならおじいちゃんとしての役目は非常にいいと思うのですが、おじいちゃん常勤で、常に朝から晩まで孫や曾孫会議に出て指導するというのは事務局自主性をなくするし、たとえば田中さん、あなたは次田さんから見れば子供か孫くらいですから、あなたが事務局を担当したら大へんでしょう。そういう意味で、委員会秩序からいっても、こういう委員任命の仕方は私は適当じゃないと思う。牛のくそにも段がある、(笑声)秩序がある、その秩序を乱すものですよ。そう思うんだが、どうですか。
  32. 田中榮一

    政府委員田中榮一君) もちろん委員といたしましては上下関係はございません。次田三郎氏は地方行政に関する非常ないろいろな知識を持っておられます。それから西畑氏は鉄道建設等にも非常に経験がございますし、まあ現在の首都圏整備委員会というものは、やはり交通というものを度外視して運営ができないのでございます。そういう点から、この建設的な技術的な関係において西畑さんの経験を拝借したいと、こういうことでございます。
  33. 河野謙三

    河野謙三君 ですから経験なり知識というものは、大いにこれはこの委員会で活用するのはけっこうだと思いますけれども、常勤において事務局を担当するということについては、私個人の見解になるかもしれませんが、私は少し年令その他の経歴からいって不適当じゃないか。常時でなくて、必要に応じて諮問に応ずる、意見を発表する、知識経験を大いに活用するということはいいけれども、若い事務局の連中を集めて、これを常時指導するということにつきましては、先ほども申し上げましたように、官界秩序からいきましても、これは事務局自主性をなくしますと私は思いますがね。
  34. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 本件につきましては、ただ質疑もあるようでありまするので、決定は次回以降にいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決します。
  36. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 次に、日本放送協会経営委員会委員任命につき本院の同意を求めるの件を議題に供します。  郵政大臣から御説明を求めます。
  37. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 日本放送協会経営委員会委員矢野一郎及び福田虎亀両君は五月三十一日任期満了となりますので、その後任として阿部眞之助村上巧児両君を同経営委員会委員任命いたしたく、放送法第十六条第一項の規定により両議院同意を求めるため本件を提出いたしました。  お手元履歴書で御承知のように、阿部君は、大学卒業毎日新聞社に入り、京都支局長大阪毎日新聞社社会部長東京日日新聞社整理部長政治部長学芸部長、副主幹編集総務編集主幹及び取締役等を経て、昭和十九年三月同社顧問に就任し、同二十四年三月辞任しましたが、その後、選挙制度調査会公安審査委員会中央青少年問題協議会等の各委員に就任し、現に公安審査委員会委員競輪運営審議会委員及び行政審議会委員の各職にあるものであります。  村上巧児君は、大学卒業後、大阪毎日新聞社三越呉服店を経て九州水力電気株式会社に入り、同社常務取締役となり、その後、九州電気軌道株式会社専務取締役小倉商工会議所会頭西日本鉄道株式会社取締役社長井筒屋百貨店取締役社長観光事業審議会委員小倉興産株式会社取締役を経て、現に井筒屋百貨店取締役会長の職にあるものであります。  以上申し述べましたように、両君はその経歴から見まして、公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、言論、文化、産業の三分野において広い経験知識を有し、また放送法附則別表に定める地区に居住しておりますので、当委員会委員として最も適任であると存じます。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに同意下さるようお願いいたします。
  38. 天田勝正

    天田勝正君 この日本放送協会の経営委員会委員は、やはり放送法の示すところによりまして執行部であります。諮問に応ずるということではなくて、「協会の経営方針を決定し、且つ、その業務の運営を指導統制する権限と責任を有する。」、こういうことで、以下十四条等にまたこまかくその職務内容を規定されておりますが、そこで、こういう仕事である以上は、当然すべての委員はやはり日本放送協会の本部といいますか、のある東京に常住しなければならぬと思いますけれども、この今までの委員にしても、また今回任命されようとする村上さんにいたしましても、必ず常時在京できる人でございますか。
  39. 村上勇

    国務大臣村上勇君) お答えいたします。従来の経営委員会の慣例とでも申しますか、従来の経営委員会は大体月に二日、三日くらいの審議で足りておるようでございます。従いまして、みな各地区から選ばれた方々は東京に在住することなく、各地区から明示された日時、その日に上京して、二、三日の審議で審議を終っておるように、従来はそのようになっております。
  40. 天田勝正

    天田勝正君 まあ阿部さんは東京におられる。村上さんは別府におられる。それから今度任期のこない阿部さんは京都、伊藤さんは北海道、遠藤さんは宮城、佐々木さんは愛媛、俵田さんは山口、三輪さんは名古屋、こういうわけですが、これでその職務には何ら差しつかえないと、こういう答弁だと私聞きましたが、その通りでございますか。
  41. 村上勇

    国務大臣村上勇君) その通りでございます。放送法第十六条の二項に、「前項の任命に当っては、別表に定める地区に住所を有する者のうちから、各一人を任命しなければならない。」とありまして、全国各地区からの任命になっております。
  42. 天田勝正

    天田勝正君 さっき別の委員会委員の審議に当って、大臣もお聞きになったかと思いますが、今度任命されようとする阿部さんは七十二才、村上さんに至っては七十七才、実に驚くべき老人一辺倒と言っていいわけなんですが、時間もかかりますから、ほかの人のはみんな言いませんけれども、ほかの人もみんなおそろしく長老者ばかりなんですね、今度任期のまだこない人をとりましても……。こういう人が月に何回なり通知を受けて、東京に出てきて会合に出るということだけでも大へんな仕事であろうと思うのですけれども、これで十分役割が果せるのですかね。どうもこの点は私は気づかいでならぬのです。さらにつけ加えますが、一般的な風潮は、だんだん平均寿命は上って行っているにもかかわらず、定年は低くなりつつある。常に問題になる学校の女教員のごときは、四十才で実際は勧告せしむると、こういう状態の中で、われわれが常にここで承認する人方はどんどん年令が高くなっていく。どうも世間の常識から考えても変だと私は思うのですが、どうなんですか、その点は……。
  43. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいま御指摘の点は全くその通りでありまして、私も年令の点については、いささか考慮の余地があると思ったのでありますが、しかし御本人が非常にかくしゃくとして、東京に月に一度や二度上京してくることは何ら意に介しないというくらいな健康体であります。またその豊冨な経験等からも、九州地区において最も適任者であるということを各方面にわたって私問いただした、その結果、村上巧児氏を最適任だということにいたしておる次第であります。
  44. 天田勝正

    天田勝正君 年のことばかり言うわけじゃありませんが、この八名の委員が全部六十をこえた人ばっかり、七十をこえた人が三名という状態で、それは国務大臣が承認を求めるために出席されているのですから、もうかくしゃくとして、大丈夫でございますという答弁をされるのは、きまり文句みたいでありますけれども、世間の常識からすれば、とうていこれは物の用に立たない、ということまでは言わないけれども、どうも少々新らしい感覚に立って、経営方針、特に放送事業などは時代の先端を行っているんですね。こういう若干年寄られると、時代ズレということは、これはお互い、経験からしてもやむを得ないことなんです。そこで、そういうところから、とかく日本放送協会の放送内容なんかについても、どうせ進歩的でないという批評を受けるのは、やはりこういうところにその原因があるのではないかと私どもは思うのです。でありますから、私はまあ今、現在任期のこない人にこの際とやこう言うても仕方がないのでありますから、今度新らしく任命しようとする場合には、やはり大臣もまったくこれはちょっと年が行き過ぎているように感ずるとおっしゃっておるのだから、今回の任命等について、これはどうも年が過ぎるというお考えがあるならば、一ぺん一つ出し直してほしい。こういうふうに私はしてもらいたいと思います。
  45. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  46. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をつけて。
  47. 天田勝正

    天田勝正君 質疑を行なったわけでありますが、まだ本日これは出されたばかりで、資料も十分詳細に検討したというわけではございません。なお、各会派ともそれぞれ相談しなければならぬと存じますので、本日はこの程度にいたしまして、次回以降に決定されるようお計らい願いたいと存じます。
  48. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 天田君の発言通り、各派にお持ち帰り願った上、次回以降に決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  暫時休憩いたします。    午後零時三十七分休憩  〔休憩後開会に至らなかった〕