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1956-07-25 第24回国会 参議院 議院運営委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年七月二十五日(水曜日)    午後二時三十八分開会     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     石原幹市郎君    理事            剱木 亨弘君            寺本 広作君            天田 勝正君            藤田  進君            森田 義衞君    委員            雨森 常夫君            石井  桂君            榊原  亨君            佐藤清一郎君            高橋  衛君            宮田 重文君            横川 信夫君            阿具根 登君            永岡 光治君            上林 忠次君     —————————————    副  議  長 寺尾  豊君     —————————————   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡辺  猛君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   国立国会図書館側    副  館  長 中根 秀雄君    参     事    (建築部長)  吉田 辰夫君   説明員    内閣官房長官  根本龍太郎君     —————————————   本日の会議に付した案件臨時国会召集に関する件 ○中共地区引揚者実情調査のための  委員派遣承認要求の件 ○国立国会図書館建築に関する件     —————————————
  2. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいまより議院運営委員会を開会いたします。  前回の委員会におきまして、官房長官に対し、本院の構成関連して臨時国会召集時期等について質疑が行われました。これに対し、政府側としてはなお検討したいとの答弁があったのでありますが、この問題につきまして、官房長官から発言を求められております。発言を許します。
  3. 永岡光治

    永岡光治君 その前に、きょうは総理大臣に出ていただく話になっておりました。それから議長にも特に一つ出席いただきたいというこの前の要望でしたが、どうなっておりますか。
  4. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) お答えいたします。  議長は本日出席するということになっておったのでありまするが、一週間ほど前から実は入院されておるのです。入院中であるけれども、きょうは出たいと言っておられたのですが、今朝来から、神経痛でどうも痛みがとまらないので、議長は副議長にかわっていただく、それから総理大臣の点は、この前一応希望があったのでありまするが、今日までの間に政府側と、それから与党首脳部ともよく相談をいたしまして、ことに政府の方では閣議等にもさらに諮って、官房長官政府を代表して本日出てきておられますので、一応官房長官から御説明をよく聞いていただきたいと思います。
  5. 永岡光治

    永岡光治君 その閣議には総理大臣出席されたんですか。
  6. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 出席されたそうであります。
  7. 藤田進

    藤田進君 きょうそれでどうして出てこられないのですか、誠意さえあれば当然私は出てくるべきものと考えます。
  8. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 今まで一応議運でのこういう問題は、政府を代表する官房長官がずっとやってきておられたのでありますから、出目房長官一つよく了承してもらいたいと、私はかように思っております。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 それは話を聞いた上でまた……。
  10. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 先般の本委員会において、臨時国会をすみやかに開くべしということが要請されまして、さらにたしか二十四日と思いましたが、成規にまた社会党の本院の方から、本院の構成に関する問題、それから日ソ交渉プライス勧告案に対する問題、それから健保の赤字対策の問題、人事院勧告並びに報告に対する問題、その他緊急事項という項目を列記されまして、正式に国会召集要請がございました。二十四日の閣議におきまして、私がこれを閣議報告し、本院の社会党方々あるいは緑風会方々の御要請状況をつぶさに報告いたしまして、お諮りいたしたのであります。しかるところ、政府といたしましては、先般本院においてお答えした通り、現在直ちに召集するという方針は、この前はとっていなかったのですが、やはり同じように、これは今直ちにやることは政府としてはいたさないということに再確認された次第でございます。その前に、実は政府与党首脳部とも協議いたしまして、社会党並びに緑風会要請状況をもつぶさに報告いたしまして、検討をお願いいたしたのでございまするが、この前お答えした通り、今直ちにやることは……、憲法の規定に基いて正式に召集要求がありました以上、でき得るだけ諸般準備が整うた上、なるべく早く要望に沿うようにいたすべきであるという意見に一致したのでありますが、今それではいつやるかということについては、まだ結論を得ていない次第でございます。諸般の情勢を勘案いたしまして、政府責任をもって適当なる時期に臨時国会を開くようにいたしたい、こういうふうな結論に達しておる次第でございます。
  11. 藤田進

    藤田進君 永岡委員から質問のありました点は、官房長官からその経緯を加えて御答弁に相なったと思ったのでございますが、本日のこの議院運営委員会には、問題が重大でありますし、時の内閣重要法案関連することでもありまするので、第一、官房長官ではありまするけれども、特にこの際ぜひ鳩山総理の御出席をいただきたいという要求をいたしておいたわけでございますが、この点について、どういう理由で御出席に相ならぬのか、その点をお答えを願いたいと思います。
  12. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 二十四日の閣議において御報告をいたしたのでありますが、政府臨時国会召集の時期については、これは先ほど申し上げたような結論になりましたので、政府を代表して官房長官から報告をして御了承を得るようにということで、総理出席いたさないことになりまして、私から政府態度については御報告を申し上げ、また御趣旨に応ずるようにということでございます。
  13. 藤田進

    藤田進君 まことに遺憾でありまして、この点は今すぐ待って来ていただくといっても時間もかかりますから、取りあえずは質疑をいたしたいと思います。しかし事のいかんによっては再度出席要求いたしたいと思います。  昨日来、伝えられているところでは、与党政府話し合いの中で、少くとも九月の下旬に臨時国会を開くように諸般準備を進めるということが新聞等にもすでに報道されておりますが、これらの点は、ただいまのところ具体的に触れておいでにならぬけれども、そういう一応のめどを立てて準備をお進めになるか、そういうめどは全然ないので、新聞などの誤報であるのか、まずこの点を明らかにしていただきたい。
  14. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 二十三日の政府与党会合におきましては、新聞に報道されたごとくに、九月下旬に開くべしという意見があったことは事実でございます。しかしながら、九月の下旬に開くということの決定はまだ見ていないのであります。大体そういう見当で準備したらどうかというような御意見のあったことは事実でございます。
  15. 藤田進

    藤田進君 しかし、それは与党からあった意見なのですか。
  16. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 政府から私が出ただけでございまして、与党首脳部でありますから、首脳部の方からそういう意見が出たことも事実でございます。
  17. 藤田進

    藤田進君 政府としてはその意見を尊重して、九月下旬に臨時国会召集すべく準備を進めるということになったのか、ならないのか、二十三日の日に政府与党会議があったとすれば、翌二十四日に閣議が開かれているのですから、そういう事情はつぶさに官房長官から閣議報告せられたと解しなければならない。そうすれば、その与党意見というものは反映して、そうしていつ開くということのめどはつけられたに違いない。その点をもっと明らかにしていただきたい。
  18. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 政府与党首脳部会議において論議されたことは報告いたしました。しかし閣議において、それでは九月下旬にやるという決定には至っていないのでございます。大体、政府与党首脳部の意向もそういう点がございまするのみならず、緑風会並び社会党の方からも要請がございましたので、諸般準備ができ次第、できるだけ早くやるようにという要請があったということについては、政府においても了承いたしております。
  19. 藤田進

    藤田進君 そうしますと、要請があったし、一方成規手続じゃないが、緑風会からも要求があるというので開かなければならぬが、今伝えられている九月下旬ごろ何日ということはないが、下旬という表現だから、日にち、時間は別としても、九月の下旬という一つ目標というものは全然内閣として考究されていないし、その報道の事実はない、従って九月下旬に開くというそういうめどもない、全然そういう目標はないということに解していいのか、それともある程度の見通し目標は立てていると解していいのか、それを実は聞きたいわけです。そこのところはどうしてもわからない。
  20. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 先ほど申しましたように、いつという決定はいたしておりませんけれども、九月下旬ごろには準備を整えて開くことが必要じゃないか、こういう傾向が強いことは先ほど申した通りでございます。
  21. 藤田進

    藤田進君 それは閣議としての傾向が強いというわけでございますね、二十四日の席の話でありましょうから。
  22. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 大体そう解釈されてけっこうであります。
  23. 藤田進

    藤田進君 今度の臨時国会召集というのは、今の大勢、閣議の空気というものは、社会党両院から所定の手続を経て要求をしている、参議院においては特に参議院構成に関する要件開催要求理由にしておるということで、そのために政府憲法五十三条によって開くことなのか、それほど時期を延ばされる点からみると、あわせて政府としてもその時期には臨時国会を必要とされる時期なのか、この点がどういう性格の臨時国会になりましょうか。
  24. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 政府召集の期日をきめるに当りましては、もとより憲法手続によって要請されたことも、これは大きな要件でございまするが、政府としても、またその時期において国会において審議してもらう問題も出てくるのではなかろうかと考えております。
  25. 藤田進

    藤田進君 そうすると、一方召集要求あり、一方政府がこれまた必要とするということになると思うのですが、政府の予定されているその九月下旬に開く臨時国会は、こまかいものは別といたしまして、政策に関連するものといったような重要な点は、どういう政府提出のものが予想されておりますか。
  26. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 今のところその案件について具体的に検討はいたしておりませんけれども、少くともスト規制法案の問題は、臨時国会を開きますれば当然議題になるものと考えております。なお立法措置を講ずるかどうかはわかりませんけれども、当然人事院勧告その他の問題が議題になるということも、これは考えられることでございましょうし、またなお社会党の方から要求されておる項目は、当然これまた論議の議題となってくると考えております。
  27. 藤田進

    藤田進君 現在日ソ交渉に関する問題は朝野をあげて重要な問題になっているわけですが、この点はどういう見通しになりますか、臨時国会を開くということになれば、今言及されていないけれども、当然その経過なり、あるいは結果なり、そういったものがこの臨時国会一つの重要な問題になると国民は思っているだろうと思う。この点はどういうふうに、実質的に解釈せられておりますか。
  28. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 交渉をやってみなければわかりませんことでありまするが、しかし社会党の方から正式に日ソ交渉の問題を議題にするということが出ておる以上、当然、開きますればこれは議題になるということは考えなければならぬし、当然のことであろうと考えております。
  29. 藤田進

    藤田進君 そうではなくて、日ソ交渉の問題で社会党要求しているのだから、それをかけなければならぬというのであるならば、これはむしろ全権が出発する以前に開けば開き得たのです、開かなきゃならなかったのですね。しかもそれをことさらに開かないで、全権の出発を待って、九月下旬まで開かなかったということになりますると、どう考えてみても、政府日ソ交渉結末を、場合によれば条約批准をこの臨時国会に出すということにならなければならぬと思うわけですが、この臨時国会においては、日ソ交渉交渉結末というものについてどういう関連を持つのか、やってみなければわからないけれども、政府目標としては臨時国会に対して条約批准をする、案件として出すという、そういう一つめどがあって、日ソ交渉関連もあるから九月下旬ということになったんじゃないのですか、その日ソ交渉は、社会党要求するものは国論の統一であり、全権に対して、政府が基本的な方針を統一したものにしてかの地に赴任せしめるということが目的であったわけです。この点がいかにしてもこれは間に合いません、もう全権が出発するわけでありますから。院議としての手続はできなくなってしまいましたが、これはそうだとすれば、政府自身において九月下旬をめどにした以上、日ソ交渉の結果というものは、当然これは考え合せているに違いない、そうでなければならぬはずです。日ソ交渉との関連をいかに考えるやという質問
  30. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 非常に重要な外交交渉でありまするので、九月までにどうなるかについてはまだ予断を許さない状況でございまして、その九月下旬、あるいはいずれにしても臨時国会が開かれる時期までに条約ができるようになりますれば、これは当然臨時国会に、これがあるいは批准手続をとるようになるかもしれませんし、また一応の経過について報告しなければならぬようになるということは考えておりまするけれども、今から九月下旬なり、あるいは十月上旬なりに、そういうことができるかどうかということについて、あらかじめ今から予測申し上げることは困難な状況でございます。
  31. 藤田進

    藤田進君 少くとも全権であり外務大臣重光さんは、この臨時国会の九月下旬までには日本にお帰りにはなっておりますか、その予想は……。
  32. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは交渉経過を見なければなりませんので、今からそのときに外務大臣日本に来ておるかどうかは、今から申し上げることは非常に困難でございます。
  33. 藤田進

    藤田進君 それでは日ソ交渉の問題を、全権団外務大臣のいないところでやれということになるわけですか、そういう場合があり得るわけですか。
  34. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは今から予測することは困難でございまして、外務大臣交渉のために出張中の間は、臨時代理を高碕国務大臣にしていただきまするので、万一臨時国会を開いて、しかも重光外務大臣がまだかの地において交渉しておるという状況でありますれば、これは臨時大臣において国会質疑応答責任者としてお答えするということになる可能性も全然ないとは申し上げかねます。
  35. 藤田進

    藤田進君 それならば九月下旬まで待たないで、参議院のように半身不随で、全く作用がないこんなような状態に置かないで、また社会党要求している水害は、非常に遺憾なことですが、その後、今、官房長官は二十四日に社会党要求したとおっしゃるが、手続上そうなったか、これはまだ調査いたしておりませんけれども、二十日に召集要求をいたしております。そこでその二十日にはまだ予想しなかったですね、その後の東北地方においては悲惨な水害状況が出てきた。参議院としても、衆議院が院議をもち、あるいは委員会の意思において現地に派遣して事情調査をし、あるいはまた適切な院としての措置をとることができても、参議院としてはそれができない状態にある。本日も舞鶴にソ連から帰ってくる人たちに対して面会をしなければならぬ、これは恒例になっております。ところが当該委員会社会労働委員会には、あなたの与党自由民主党の方では適当な人がない、仕方がないから文教委員会かどこか、そのほかの委員から借りてきて、ここに特別な措置をして、この件に限り何とかこれはというようなことで、派遣もしていかなければならぬ。そういう不便な状態にあるのですから、九月下旬に開く場合には、日ソ交渉もおよそこれだけの見通しがあります。重要な案件はこういうふうにありますというのならばまだしも、何にも、スト規制法がどうやらというような、こんなものはもうすでに国民から忘れられている。われわれもこれは自然消滅になるぐらいに思っていたが、こんなものだけしかない、あとは人事院勧告とおっしゃる、そうだとすれば、九月下旬まで待つまでもなくお開きになるのが至当じゃありませんか、日ソ交渉もそういう事態の不明確な状態である。九月下旬の根拠はどこにあるんですか。
  36. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 先ほども申し上げましたように、政府といたしましては、諸般状況を総合的に考慮いたしまして、政府責任をもって召集する時期をきめたい、しかしそれについては与党の方の御意見もありまして、九月下旬ごろまでには開くようにしたらどうかというような御意見もありますので、これをも十分に尊重いたしまして手配いたしたいと考えておる状況でございます。  日ソ交渉の問題については、まあこれから再開することでございまするから、今からいつ、九月までに妥結するかどうか、どういう結論になるか予測することは困難でございますので、これをしいて予測してやるということは困難な状況であることを申し上げたわけであります。
  37. 藤田進

    藤田進君 だから、今予測することは困難だとするならば——しかしそれもおかしい。相手まかせではないはずなんですね。交渉は自主的におやりになるのでしょう。彼我の間に交渉が進められるわけですから、自主的に。そうして自決権を持って全権団が乗り込むのであるならば——もうすでに松本全権がロンドンでかような交渉をやってきておるわけです。新しい事態はどうなるかという予想はほとんどない。これは国民一般も知っているような状態なのです。すでに。だからそう長くかかるとは思わないけれども、しかしこの席で全然見通しが立たないというのであるならば、それは官房長官なり、内閣としてはそうだとするならば、日ソ交渉とは無関係に、臨時国会は院の構成一つだけ考えても開かなければならぬのです。与党が九月下旬という主張で、それを尊重するというならば、その理由は、九月下旬説の根拠はこれは与党に聞かなければなりませんが、官房長官からまず聞いた上で与党に聞きますけれども、どうなんですか、憲法五十三条によって要求しているのは、今官房長官が言ったように、両院を通じて社会党だと言うのです。そうであれば、与党との連絡を緊密にされることは、これはけっこうであります。これをとやかく申し上げませんが、しかしいつ開くかどうかということについては、むしろ四分の一以上でもって要求しているその会派と、これはどうだろうかということで話し合いがあっても一向不自然ではない。むしろ要求した四分の一以上の会派、これはまとまった会派ですから、日本社会党という。これとの関係において、いつごろどうかという話し合いがあってしかるべきじゃありませんか。要求も何もしていないところの、与党なるがゆえに相談をされるということだけにとどまって、その時期を決定されるについては、円満な院の運営を今後諸般の問題についてはかろうとせられるならば、そういう手続がむしろ妥当じゃないですか。なぜ社会党相談しなかったのか。
  38. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 与党の方と相談したというのは、私が与党の方から呼ばれていろいろお聞きを受けたので、それに対して政府所見を述べた。それに対して、与党側においても、九月下旬までには開くようにしたらどうかという御意見が出たということを御紹介しただけであります。社会党とのお話し合いは直接政府は今やっておりませんけれども、国会対策においていろいろと話も進んでおるということを聞いておりますので、これは従来こういう問題につきましては、やはり政党政治の立場から、こういう問題についてはよく国会対策委員同士で協議されておりますので、そういう点においても、さらにお話しが進むものじゃないかと考えております。
  39. 藤田進

    藤田進君 国会対策委員会関係というのは、これは会派話し合いで、対政府との話し合いではないわけです。その結果が政府にどう反映するか、政府がどうこれを処理するかということになると思います。もとよりわれわれ社会党国会対策委員会衆参両院を通じて作っておりまするので、決して今申し上げておる点は矛盾はないと思うのですが、国会対策委員会でとやかく言われるということになれば、しからば国会対策委員長間話し合いでは、今与党の言う九月下旬説であって、そういう方向でいいというようなあなたの方には伝わり方でありましょうか。
  40. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) その点は私全然承知いたしておりません。
  41. 藤田進

    藤田進君 言葉尻をつかまえるわけじゃないですが、国会対策委員長間話し合いも進められているし、今後されるであろうということは、そういうことはどういうことを意味するのですか。特にこの議運の席上で御発言になるのは、われわれ参議院参議院で四分の一で要求をし、緑風会さんも、成規手続ではないけれども、会派をあげて要求なされておる。自由民主党もおそらく議員総会を二十四日開かれているが、これも調査しておりませんが、半数改選で、マークを受けただけのことで、何の効能もない、調査権議決権その他の審議権も何も剥奪されたそのままの形でいる自由民主党半数議員方々でも、おそらく二十四日の議員総会では会議をやはり開かれて、われわれも任務があるのだから、その任務を遂行できるようにしてくれという声があったに違いないと予想される。そういう参議院の今特殊な事情に置かれている臨時国会なんです。国会対策委員会だなんというお話しはどういう意味合いを持っているのですか、今お話しになった……。
  42. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 先ほど藤田委員から、与党とだけ話し合っておったのは、まあはなはだ意に満たない、むしろ社会党の方と話をしたらどうかというようなお話がありましたので、これに関連いたしましてお答えしたのでありまして、政府与党会合と申しましても、与党の方から私が出席を求められて政府の見解をただされたのに対して、先ほどのように、与党の方の一部においては、九月下旬までにはやったらどうかというような御意見があったということを申し上げたわけであります。従いまして、私の方は直接政府が各会派とお話し合いをする態度をとっておりませんので、正式にはこの議運その他において政府所見を申し述べることにしておりまするので、そこでこの問題についてさらにお話が進むとすれば、従来はいろいろ国会運営のことについては国会対策委員長間においていろいろ協議されておるから、そういうことも期待されるのではないかという意味のことを申しただけに過ぎないのであります。
  43. 藤田進

    藤田進君 この点については、やはり要求している会派がばらばらであればあれなんだが、ちゃんと署名して出して、その報告もしてあります。七月の二十日付で阿具根登外八十名、右代表岡田宗司ということで出してありますが、こういう側の意見をやはり徴されるのが至当だと思いまするから、やはりそういうことも含んでおいていただきたい。  それから、どうもこの鳩山内閣憲法五十三条の解釈については私疑義があるわけでありまするから、この際明確にしておいていただきたいのでありますが、憲法第五十三条には「内閣は、国会臨時会召集決定することができる。」、これは私は議員要求がなくても、内閣は必要に応じてその召集決定し、召集をすることができるということだと思います。ところがこれとは別個に同第五十三条には、「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集決定しなければならない。」、問題はここであります。いずれかの議院、すなわち衆参両院、これが現実の問題としては四分の一以上の成規手続要求しております。要求しておる。そこで内閣はその要求に基いてその召集決定しなければならないことに五十三条では定めておる。この場合には、その要求の内容が是であるか否であるか、そういうことはもう判断する余地は与えていない、内閣にもう。これがしばしば要求されるということの点を規制するために、総議員の四分の一ということで規制してあるわけでありますから、政府はその要求があった際には、すみやかにその要求にこたえて召集決定しなければならぬと解すべきなんです。しかるがゆえに国会法の改正の場合には、四十日以内に開かなければならぬとか、一説には五十日できめようとかいう議論があったわけで、参議院としては大体日子を定めることは全会一致であった。これは衆議院との関連でその日にちは入りませんでしたが、それなのに今回は言を左右にして全然開かない。開く要求の内容によっては、内閣が失政で、これ以上政権の担当を許さないというような意見もあるかもしれない。四分の一以下がそのために臨時国会要求するかもしれない。ところが時の政府は言を左右にして居すわって開かない。ただ通常国会の前の日に一日ちょいと開いたというようなことがなし得るようにしかとれないのです。今の態度というものは……。この憲法第五十三条の解釈としては、私はさように内容の是非でなくて、すみやかにその召集決定しなければならぬというのが建前だと思います。国会法に明定してないからということで逃げるべきものではない。政治道義として思うのですが、どういう解釈をもってこの要求に当っておられるのか、この点を明確にしていただきたい。
  44. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 政府召集するということについて二つの条項があるわけであります。いずれにしても政府召集するということが、その権限を与えられておりますから、一つ政府みずからの発意によって召集する場合、もう一つは規定の定数をもって、所定の手続をもって要請された場合に政府が開かなければならぬという義務づけされたところの召集と、二つあると思います。その時期についてはいろいろ今日まで議論があったでしょうけれども、やはり国会召集するということになりますと、政府自体においても、万般の準備ができてからこの召集に応ずるということが国会運営上最も適切であるとの判断のもとに、そういう規定ができているものとわれわれは解釈しておる次第でございます。従いまして、召集の時期については政府の全責任をもってなすことであると考えておる次第でございます。
  45. 藤田進

    藤田進君 政府責任召集決定するのですが、その召集決定するのは、便乗して政府も何か案件をそれじゃ出したいということが主になってはならぬ、そうであってはならぬ、四分の一というこの多数の意思がそこにあるならば、政府はこれを受けて立って開かなければならぬというのが建前で、便乗するのじゃない。そうであるならば、政府として要求する、たとえば日ソ交渉の問題とか、あるいは人事院勧告の問題であるとか、水害の問題であるとか、そういう要求書の中に当該会派なり、四分の一の方々がこういう要件で開きたいということであるならば、それのみで開かなければならぬ、それに対して、政府の法案が間に合わないとかというようなことはもう二の次なんだ、私どもはそう解しておるのです。官房長官内閣の解釈としては時期がもう自由になるという、そんなふうに解釈しておられるように聞えるわけですが、私はやはり直ちに開くというのがこの法の精神と思います。憲法の精神だと思います。その点をお伺いいたしておきたいと思います。
  46. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 要求された場合において、当然政府がこれは召集しなければならぬという義務規定があるのは当然でございます。しかしながら、この期間を、期間といいますか、いつ召集するかの点については行政府にその権限が与えられておる以上、政府要求された事項について諸般準備をして、そうして召集するということも、これまた当然のことではないかと考えておる次第でございます。
  47. 藤田進

    藤田進君 それでは、要求がある、これはいつまでも鳩山内閣が続くかもしれないし、続かないかもしれませんよ、何党内閣の場合でも、あなたの鳩山内閣の代表としての発言の速記録が残るわけです。何党内閣であろうとも、居すわった形でいろいろ要求の内容があるでしょう。時の内閣不信任案を用意しなければならぬ場合もあるでしょう。だけれども、おれの方がついでにそれでは出そう、それが準備ができないということで遷延をしていいものかどうか、こういうことは許されないのじゃないんですか。あなたの説で行くならば、要求があったならば、それに便乗することはけっこうですよ。けれどもそれが主体ではないのだから、要求の主体は四分の一の選挙された議員が開いてくれ、しかもすみやかに開いてくれということなんです。そのことは、要するに憲法の精神も、通常国会を、常会を待つことができないということには変りがない。だから臨時国会要求する。その臨時国会は今政府が予定したという九月下旬、これはまあ十月といっていいでしょう。九月下旬、十月早々ということである、そういう時期まで七月に要求しておるのに時期をずらしてしまう、開かない、そういうことは憲法の精神ではないと思う。いずれの内閣においてもそういうことは許されない。だから国会法の改正では三十日説あり、四十日説ありということで、参議院は先ほど申し上げたように、その歯どめをしようじゃないかということに当時なった。あなたの、今統一されておりますが、吉田内閣のときにはまた変った人から、今はそう言われるけれども、けしからぬというお声は当時でも出ていた。この点の解釈は、一つ後世のためにも、今の鳩山内閣憲法五十三条の解釈をはっきりしていただきたいと思います。
  48. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 大へんどうも鳩山内閣の統一がされているということですけれども、私今考えておることを申し上げれば、御指摘のように、政府がみずからの発意によって召集する場合の規定と、それから議員の定足数をもっての要求された場合における召集とは、おのずからこれは違うということは当然でございます。そのゆえにこそ条文が二つに分れているものと考えるのであります。しかし政府として便乗することが至当であるかどうかということのお尋ねですが、便乗するのかどうかということを私は申し上げているのではないのであります。要求せられました事項について、諸般準備ができて、政府責任においてその時期を政府がきめるべき責任がある、その責任においてきめて国会に臨む、こういうことを申し上げている次第でございます。
  49. 阿具根登

    ○阿具根登君 関連して御質問申し上げますが、今の問題はこの前から続いておるものと思っておりますが、そうすれば、すでにきょうは日ソ交渉についての全権が出発される。ところが官房長官はこの前の議運においては、日ソ交渉については二十四国会ですでに政府態度は表明しておるから開く必要はないのだ、こういう御答弁をここで述べられたと思っているのです。そうなりますと、今、藤田理事と質疑応答をされたその問題と非常に変ってくると思うのですが、官房長官としては、この前のあの答弁は間違っておったということになりますか、それともこの前の答弁通りだということになりますか、御質問いたします。
  50. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 日ソ交渉に関する政府の所信をただすという議題であるように私この前承わりましたので、それについては、政府の所信はすでに二十四国会で明らかにしたところでございまして、しかもその後全然変更していないから、そのためであるならば、すでにこの問題については政府の所信は明らかにしておることである、こういう意味のことを申し上げた次第でございます。
  51. 阿具根登

    ○阿具根登君 日ソ交渉については、この前の二十四国会から今日までに相当な変換がなされているのです。しかも自民党内では相当全権を選出する問題についてもいろいろな問題ができておる。それについて国論の統一、あるいは国民に対する理解、あるいはそれに対する政府の考え方について、議員の四分の一以上の署名をもって国会を開けということをやった場合に、政府は、その問題についてはすでに政府の所信を明らかにしておるから開く必要はないということは、憲法から照して言われるか言われないか、この問題をお尋ねしておきます。
  52. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 開く必要がないということは、これは政府として言うべきことではないと思います。ただし政府の所信は、今直ちに開かなければならないということについての御質疑については、政府としては委曲を尽して御説明申し上げておる次第であり、その後、二十四国会政府の所信を示してから方針が変っていない、この事実を私は申し上げたのです。
  53. 藤田進

    藤田進君 だから、その点をあれするために憲法五十三条の解釈を聞くわけですが、この間のあれは、要するに保険については赤字の問題がこれこれある。あるいは日ソ交渉の問題では、われわれの印象では、それは四分の一以上が要求しているが、これは内容はもう済んでおる、この前の国会でというようなことで、政府召集要求すること自体の是非を論議する権限は与えられているかと言えば、そうではなくて、要求があればこれを召集することに決定しなければならない。政府召集するのだと言われるが、召集には詔書が要るということになっておる。それまでの、詔書を出す決定をするだけのことだと私は思うのです。それをやらなければならない。ただその前に、きょう、二十日にこういうことがあった、それじゃしようがない、開いてやれというように短気を起して、あした開くぞというようなわけにはいかない。議員に公報をもって知らせなければ、知らなかったというようなことになって、この前の参議院の採決で、社会党が知らなかったと同じようなことになって混乱をするからまずいですが、せめて公報が九州の熊本の寺本さんの手元に行ったというようなことで、切符はまあ買わぬでもいいが、汽車に乗って東京に来て参加できるくらいの時間があるような余裕をみて開かなければならないのですが、そのときに、たまたま政府が出したいというものがあれば、与党と野党の相談の上で、会期をちょっと延ばすなり早く準備して、一週間を十日にしようというようなことをなすのであって、あなたのこの間以来の発言をみると、いや、これはもう適当でないのだ、召集要求の内容がもう適当でないのだと言っているようにしか聞えないのですが、この点の解釈は、内閣はそういうことの是非をとやかく言うべきではないので、準備が整う整わないということなら、これは必要だが、その点は政府責任で、準備が整い次第開かなければならないのだ、そういう解釈になりますか、なりませんかというのですよ。
  54. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) よくわかりました。その通りでございます。政府は、要求された議題を取捨選択するとか、それを批判するという、そういう批判のもとにこれを拒否するとか何とかという権限はございません、全然ございません。
  55. 藤田進

    藤田進君 ないでしょう。
  56. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 私は拒否するとか何とかというのではないのです。今そのために諸般準備諸般の情勢を考えて、政府責任において召集の時期をきめたい、こう申し上げたのです。
  57. 阿具根登

    ○阿具根登君 そこなんですよ。藤田君が今言われたことを認めるごとく、今度はまた認めないごとく、政府責任においてというのは、この問題については、日ソ交渉に当り全権日本を出発する前に国会を開いてもらいたいというのが社会党要望だったのです。政府責任において開くと言うならば、全権が出発するまでに開かれたならば政府責任においてということが言える筋合いだと思うのです。ところが、すでにその時期を失しておりながら、すでに議院の要望というものはもう失しておる。そのときにおいてこういうことを言われるのは当らない。かりに、私がこの前も言った通りに、その期間内において準備ができないということであったならば、また私は考えられるところもあるかと思いますけれども、ただいまも言われたように、重ねて御答弁もあったように、この問題については、政府の所信は変らないから開く必要はなかったのだと、しかし憲法に開けということがあるから開かないとは言わないのだ、開きます。責任をもって開きます。ということは、次の国会までということを意味されておる。しかし最初言ったように、この日ソ交渉の重要な問題については、全権が出発するまでに国会を開いてもらいたいというのが要望なんです。それに対して、開く必要はないという結果にしかならぬわけです。そこを私どもはついているわけです。それはどうですか。
  58. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 要求せられたる議題の点については、これは要求通りでございます。しかし期間、いつ何日に開けというような要望をすることも可能でありますが、これについて、政府がその通りにやらなければならないという拘束力はないものと私は考えております。
  59. 阿具根登

    ○阿具根登君 そこが、その期間の通りに開かなければならないということになっておりません。それはその通りです。しかしそれならば、その要求されたる事項について準備ができないか、あるいはその他もろもろの事情があって開けないということが明らかになればいいのであるけれども、そうでなくて、あなたは二十四国会政府が表明した通りに、政府態度は変っておりませんから開く必要はございませんということを再三にわたって言われておる。それは憲法違反になるではないかということをこの前ついたわけです。ところが今日においてその点は認めておりながら、政府責任においてということを言われることは、政府責任においてということの裏には、議院の要求、議会の要求、この憲法に示された五十三条の精神は踏みにじられておる、こう解釈できるではないかということを言っておるわけなんです。
  60. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 私はただいま申し上げたことで尽きておると思いますが、憲法の精神を踏みにじっておるとは考えないのであります。要求された事項について、これは適当だとか、適当でないとかいって取捨選択して議題政府が一方的に阻止したり何かすることはできない。しかし時期について、いつ何日間やれというような要望を出すことは、これは可能でありまするけれども、それによって政府が拘束されるということもまたないと思います。従って召集の時期は、これは政府責任においてなすことであるという憲法上の解釈があるじゃないかと考えております。
  61. 藤田進

    藤田進君 そこのところが、いずれかの議院の四分の一以上の要求があったならば、内閣はその召集決定しなければならない。これについては、参議院国会法改正についてすでに論議済みなんです。衆議院も論議済みです。その論議済みの結論は、要求があった場合には、あとは政府としては事務的にやはり準備が必要である。その限りにおいては時間的に政府が選択して、いつ開くということにしなければならぬが、いやしくも内閣の延命のためとか、政策のためにこれを遷延する、こういうことは許されない。だとするならば、それじゃ国会法のときに、これは吉田内閣でしばしば例があったから、そこで三十日にしようか、あのときに緑風会から四十日なんということがあった。自民党さんの方は、やっぱりそういっても四十日では短かきに失するだろう、じゃ五十日にしてくれないか、これは理論的に根拠はありません。やはりそのときの情勢において……。それくらいの幅は持たした方がいいというので三十日、四十日、五十日というので、今の九月下旬だの十月上旬というようなことで、百日というようなことは全然出てこなかった。ただし常会がすぐあるというようなときは要求はしないことにしよう、そういう議論が出ていた。これは議論済みなんです。要求が出てきた、内閣が是だ非だ、そんなことは言われません。開かなければなりません。しかし開く日時はあげてまかされておる、内閣延命の事由だろうが何だろうが、まかされているように聞えるのだが、これはもういつ開くかという日子の計算は幅が狭いのです。ただ事務的にどうこうということなんです。政府答弁の用意がないとか、そんなことは全然意に介しちゃいかぬ。両院ともそういう解釈のもとに国会法の改正にとりかかっていた。あなたは依然としてそんなに広く、何日に開いたって政府責任だとおっしゃるけれども、非常に狭いです。この時期については。どうなんです。その説明がほしいです。
  62. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 私はこの問題については何回も繰り返したので、私の意見は尽きておると思います。
  63. 藤田進

    藤田進君 それはどうです。(「天田勝正君「関連」と述ぶ)関連だけれども、何べんも言われた点があいまいですから……、政府とか内閣の延命まで、そういうことまで含めて時期を考えていいでしょうか、そういうものではないでしょうと言うのです。これはやはり事務的準備手続上、これだけ期間が必要だということが主体にならなければならぬ。そのお答をいただきたい。今まで言った通りというのだが、言った通りじゃ全然つかめない。
  64. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは要求されてからいつまでという期間はございません。これはいろいろの御意見はございましょうけれども、政府召集するについては御要求状況、それから政府準備の都合等、諸般の問題を勘案して、政府責任をもってきめることが許されており、また今日までそうやっておるから、それでそう解釈していいとわれわれは考えております。
  65. 阿具根登

    ○阿具根登君 そこでこの要求なるものは、早急に国会を開いてもらいたい、こういう成規手続を経ての要求なんです。それに対して官房長官は、早急に開かれない、早急には開きません。ところがその早急に開けという要望なるものは、日ソ交渉についての要望なんです。それに対して官房長官の方から、早急に言われても資料もそろいませんし、それだけの準備もできておらないということであるならば、私どもは一応了解するところもあるけれども、早急に開かれないという理由は、社会党が言っておる日ソ交渉については政府説明をする必要がないから開かない、こういうことを再三言っておられる。そうすればこの五十三条の精神を踏みにじっておる、今まで藤田君が言われたように、あなたが答弁されたのは違うじゃないか。今まで言った通り、言った通りだということになれば、これがいつも問題になりまして、政府の方で、この問題については私の方では考え方が変っておりませんから開く必要がございません、こういうことになったならば、この憲法の五十三条というものは踏みにじられておる。そこをわれわれ言っておるわけなんです。しからば五十三条によって四分の一以上で要求をして、そうして開かれなかった理由は何でありますか、今日まで開かれなかった理由日ソ交渉について……。
  66. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 要求されておる事項は日ソ交渉、それから沖繩問題……。
  67. 阿具根登

    ○阿具根登君 その他の問題はあとで触れます。
  68. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) たくさんございます。政府態度決定するためには、そうした要求されたすべてを勘案してこれはいたさなければならぬ問題でございます。先ほど日ソ交渉の問題について開く必要がないというふうに私は何回も繰り返したように言われておりますが、私はそういう真意ではなかったのでありまして、もしそういう点にとられたとすれば、これは私の誤まりでございます。先ほど藤田委員から言われたことに対して、憲法の規定において、これは政府が一方的に選択して拒否するとか何とかいう権限はないということだけは明確にしたつもりでございます。なお、なぜ直ちに開かないかということについて、あるいは健保の問題、その他人事院勧告、これらの問題は相当広範な問題でございまして、これに対して政府もまだ検討が十分にできておりません。従ってこういうようなすべての問題の準備ができてから国会召集する手続をするのが政府として責任ある態度である、こういう意味なのであります。
  69. 阿具根登

    ○阿具根登君 そうすれば、この前御答弁になったのは、全部これは一応御破算にして、新しくお答えになるのかと私は解釈するのです。なぜかなれば、たとえば緑風会さんから、議会の構成をするために開けということに対しては、それは委員発言でもいいではないか、あるいは委員会を開いてもいいではないか、こういうような政府の代表としての官房長官の御答弁であったし、今の日ソ交渉については政府の所信が変らないのであるから、そのために開く必要がないのだ、こういうような答弁だった。これは今取り消されましたが、こういう点についてお伺いするのは、今言われたように、人事院勧告について、あるいは健康保険の赤字については、予算を伴うからこれは当分開けません、これはわかっておるプライス勧告について、あるいは水害について、こういう問題については、開かれなくなった理由は何であるか、こういうのがはつきりした上で、それではいつ開く、それではいつまでかかるかということに相なるのだと思います。そうしなければ、幾つもの要求があった場合に、たった一つだけの予算の問題で、十月なら十月にならなければ予算の問題ができないのだといって、その前に、今度は重要な法案が、予算に関係のない重要な法案が三つも四つもあったのに、それを犠牲にしていっていいのですか、こういうことになるわけですが、これらについて官房長官の御説明を願います。
  70. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) いろいろの案件その他があるでありましょうが、そうした問題を総合的に判断して政府召集手続決定するということになろうと思います。従って憲法においてそういうふうに規定されておりますが、政府としては、この案件についてはこれだけで開くということにするというと、先ほどお叱りを受けたように、これは政府みずからが要求された事項を判別して、これについてはすぐに答える、これについてはお断わりするという結果になりまして、かえって趣旨に反することであろうと思います。  それから先般来私が申し上げたことにおいて、何回も繰り返して、政府要求されたことについては拒否するような権限があるような発言をしたことについてお叱りを受けましたが、権限がないということを私は申し上げたつもりでございます。なお、議院の構成については、委員発言があるからそれは開く必要はないということは私は言っていないのであります。御承知のように、従来もそういうふうな不便がありましたけれども、そのときには委員発言としてその間の運営をやっておったという例も聞いておりますという事実を私は申したつもりでございます。それあるがゆえに議院の構成を急がなくてもいいということは私は申してないつもりでございます。
  71. 天田勝正

    ○天田勝正君 ちょっと関連しまして。この種の問題は、まるで立場を逆にしたことを想定して考え直してみれば大ていわかることなんです。  それでいま一つだけ御注意申し上げますが、根本官房長官は、さっきこの間言ったことを今度は取り消されたような、これは言葉は別でありますが、取り消されたようなことを言っております。しかしこれは速記録で明らかでございまして、速記録を官房長官は見直してもらいたい、それははっきりと、要求項目について政府が取捨選択をできるんだ、この要求項目が今日政府の見るところによれば不正とまではいわなくとも、妥当でないということをここで指摘されて、それゆえにこの際それには応ずる必要はないということをはっきり言っておる。これは速記録で明かであります。こういう言い方であるがゆえに、憲法違反なんだからわれわれは非常に遺憾に考えております。この際私は追及いたしません。あなたが速記録をごらんになれば、私の指摘した通りであることを承知されるでありましょう。それでさようなことは今後お慎しみを願いたい。これだけはお願いしておきます。それで今お話を聞くと、あなたはただ憲法召集の日限が明示されていない。であるからその要求項目の取捨選択云々の問題は、これはそういう権限は政府にないけれども、日限の問題については拘束がないのであるから、これは自由である、こういうような趣旨の御発言であります。そこで藤田委員の方から、それはそう幅の広いものではないということを、両院国会法改正のときの模様をいろいろお話し申し上げたのです。私はそういうよけいなことをよく記憶しておる人間ですが、この国会法改正のときの議論は、実はそのときの議運委員長が今ここにおられた寺尾副議長であります。同時に国会法の改正の小委員長でもあったのであります。そのときの三十日説、これは私どもがお願いして主張したのだが、これは特別国会すら三十日である、臨時国会内閣の変らざるときに起る問題であるから、別段特別国会ほどの内閣準備を必要としないがゆえに三十日以内が妥当であろうという意見であったが、五十日説も出て、それでは四十日ということで一応落ち着いた。ところが衆議院の方でもそこまでの議論はあったけれども、常識的に五十日以上なんということはあり得ないのだから、これは将来良識に待ってさようなことはやめよう、当時は、吉田内閣はとかく今あなたが例に上げたように、いつでもかまわぬというような方法をとったのだけれども、将来は、まあこういうふうなことはあるまいというような話合いがあって、それならば、むしろここで改訂しない方が体裁上もよかろうと、こういう経過をとった。これは余談で、いつも申し上げることですが、そういうことはいつでもかまわぬという解釈をとることは妥当でない、将来はさようなことはとりたくないということは両院一致しておったのであります。ところが今あなたのお話を聞くというと、日限はもう自由なんでと、こういう解釈になれば、たとえば社会党が政権をとった場合に、皆さんの方が野党になった場合に、五月の初旬で通常国会が終る、六月の初頭に関東大震災のような重大な事件が起る、世間一般だれが見てもこれは緊急事態なりと認定できるようなものが起きておる、そこで召集要求される、その項目には触れませんけれども、召集はいつでもこちらの自由でございます。そこで、新国会法によって、十二月の下旬ということになっていますから、十二月の三十日でひょいと召集したと、そういうことをやって、たった一日だけやって、あとは通常国会でございます。こういうことにもなるんですが、そういうことですか、要するに、あなたの憲法解釈は……。
  72. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 通常国会のぎりぎりの直前まで延ばしておいて、一日ぐらいやるという、そういう考えは毛頭ございません。
  73. 天田勝正

    ○天田勝正君 今持ってないけれども、憲法上の解釈としてはあなたはそうおっしゃっている、いつでも権限は自由である……。
  74. 藤田進

    藤田進君 そこで、いずれにしても準備が必要だというのだが、スト規制法を出すというのでしょう、あなたの言うには……。これにそんな準備がかかりますか。それから人事院勧告についてはどうなんですか、これは追加予算でも出すというようなことなんですか。政府提案というのはそんなに準備が必要なんですか。
  75. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) スト規制法の問題は、あの法律の中で八月六日ですか、六日後において期限が切れる形だと、そのゆえにこの国会か、次の国会においてこれは議決しなければならぬということでありますから、これは当然臨時国会議題になると思います。政府がこれに対してどういうふうなものをどういう形で出すか、延長するか、これはまだ今検討中でございます、非常に重大な問題と思いますから……。それから人事院勧告の問題は、これは非常に広範な問題でございまして、これも今地方財政に及ぼす影響、それから政府機関の給与関係等、非常に広範な問題でありまするので、これは相当の期間かからないと結論ができかねると思います。今せっかく関係省において研究をいたさしておる次第でございます。そういうような状況でありまするので、今直ちにこれに対する準備に十数日間とか、そういうことでできるという見通しはございません。
  76. 藤田進

    藤田進君 今後これは何内閣においても同じ解釈をとり得るようなことになるので、そこで今のあなたの憲法解釈をそのまま当てはめても、人事院勧告に相当手間がかかるとか、スト規制法でどういうものを決定しなければならぬとか、そういうようなことは臨時国会召集する日にちに関係さしちゃいかぬのですね。要求したものによって開くのですから、そのときにたまたま便乗できれば大いに便乗して、案件政府提案でお出しになるでしょう。この場合は便乗したいけれども、手間がかかるからなかなかできないとおっしゃる。政府には何の用意もありません、提案はないけれども、要求があったから開きましたという場合もあり得るでしょう。そういうことで、要求した主体について今度の臨時国会を開かなければならぬのだと思うのですが、そこがどうも自己矛盾がありはしませんか、スト規制法だの人事院勧告は間に合えば出すし、間に合わなければ出さないということにとどまる、そうじゃないのですか。
  77. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 私は御質問に対して答えたつもりです。具体的に人事院勧告はどういうふうな準備が必要かどうか、あるいはまたスト規制法についてはどうだと言われたからお答えしたのでありまして、全体の社会党の方から要求された問題について、政府責任をもって国会においてこの問題を処理するためには、諸般準備が必要であるということを申したのであります。そのうちの個々の問題について、これについてはどういうふうな段階かと聞かれたから、今まだ研究中で、ここでいつまでにできるという見通しがつかないということを申し上げたのであります。これに便乗をしてこれを出すということを、積極的立場においてお答えしたのではないのであります。
  78. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 懇談にしたらいかがでしょうか。
  79. 藤田進

    藤田進君 これは記録に残しておいていただきたいと思うし社会党内閣でも検討したいと思います。将来。(笑声)そうなると、要求した案件が数項目あるのですね、現実にあるのですから。これについて政府答弁なり、あるいは何を言い出すかわからない、そんなことを予想して、政府がこれに対して答え得る用意ができなければ……、何内閣であろうとも要求要求召集の時期については、そういう意味合いにおいて、召集時期の判断の要素ができるのだと、私が申し上げているように、事務的な手続上の狭い判断に基いてすみやかに日時は決定すべきだというものではなくて、そうではなくて、要求せられた主要な課題について、それぞれ政府答弁がこれじゃできない、もうちょっと待たなければ資料もできない、いや、どうだこうだと、そういう受けて立つ側の都合によって、この時期というものは決定し得るのだ、これが憲法第五十三条の二項にある解釈だ、後段にある解釈だと、こうなんですか、鳩山内閣の解釈は……。
  80. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 立法府と行政府のこれは二つの権限は、いずれもこれは国政運用上重大な私は機能であると思います。立法府の立法措置も、これは行政をして国民の福祉のために運営させるための措置であると思います。従いまして、やはりその間は、政府が行政の準備その他ができるようにして国会に臨むということが、これまた国会に対する行政府の立場である。そういう観点からして、私は憲法上においても、要求されたならば直ちに応じなければならないという規定ではなくして、その召集手続の期日の確定の責任は、行政府に与えられているものと解釈しているものでございます。ただ、それゆえに先ほど御指摘されたように、通常国会の前の日に形式的に一日だけやるというような極端な解釈ではありません。そこはおのずから政治上の良識によってこれは決定さるべき問題だと思います。
  81. 藤田進

    藤田進君 そこで好ましき姿として私は否定しないのは、臨時国会要求せられた、それには特別な要件が書いてある、今度の場合に。そういう場合には、これについてできるだけの、政府が受けて立つだけの用意は必要であることは好ましいことです。これはだれも否定しない。この好ましいということを、これを主体にして、要求する側が好む時期に開かないで、受けて立つ政府の方で、内閣の方でまだ準備ができないということを理由に、これを開かないということは許されないことであって、好ましきことではあるけれども、場合によっては、政府答弁が十分に行えないというときでも、あえて要求があったならば、そして一方事務的に召集する詔書も出さなければならないでしょう。そういう限られた幅の狭い事務手続上の日子が満たされるならば、これをすみやかに開くという、そういう憲法の解釈にわれわれは立つべきだというふうに思う。それをもっと明確に、そうでないというならば、そうでないようにはっきり言ってもらいたい。好ましき姿であることと絶対的な要件であることとは違うと私は思う。受けて立つ政府が万全の用意がなければ開くことは必要なし、それを憲法が許しているとおっしゃるように私には聞える。そうであれば、臨時国会を開く以上は何を言っても政府準備がなければならぬということにもなる、人事院勧告だってそうでしょう、そこは私はやはり事務的な日子さえ満たされれば、これをすみやかに開くというのが憲法の建前であって、五十三条のあなたの解釈を聞くと、受けて立つ側が、さっきから申し上げるように、これが用意が整わなければいつまでたっても開かなくていい、とうとう臨時国会を開かないで通常国会になって、通常国会になっても自信がない、お前の出した案には自信がないというふうになりそうですね、ずっとその解釈で行けば……。
  82. 天田勝正

    ○天田勝正君 その質問を的確にするために、私ちょっと申し上げたい。それは、官房長官が今言われた憲法の規定というものは、行政府、立法府それぞれの権能があって、万全を期せられるのだということは私もその通りに了承するのです。そこでそれぞれの権能と義務とはどこに書いてあるかということは、国会の権能については四章に書いてあるし、内閣の権能は五章に書いてある。四章に書かれている五十三条の条章というものは実に国会の権能である、こういうふうに解釈するのが当然なんです。それはたしかに五章の内閣の権能の方にも国会が関渉し得る事柄も若干書いてある、しかしそれは付随的なものです。やっぱり五章の内閣の条章が主として内閣のやり得る権能を掲げておる。四章の今議論になっておる五十三条の問題は、これは国会の権能の中に書かれておる事柄なんだから、やっぱりこれは国会が主であると解釈するのが当然であろうと思います。それは最小限度に同格に書かれてあるんだと解釈いたしましても、五十三条の前段は、つまり今、官房長官説明されたように、内閣が十分準備をしてから開いても差しつかえないことが書いてある、前段第一項は、「内閣は、国会臨時会召集決定することができる。」、これは内閣でやり得るということなんです。第二項はそうではないんです。「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集決定しなければならない。」と義務づけてあるんです。だから準備できる、できないという問題は、第二項の問題とはそれは無関係のことです。そうですよ。学のない私が解釈したってそうなる。そういう解釈が立たなければ、第四章に国会という一章を設け、第五章に内閣という一章を設けるなんという手間のかかったことをする必要はない。内閣の権能というものは、主たるものは、内閣の条章にありますからね、それで藤田君の質問に答えてもらいたい。
  83. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これは私先ほどから答えた通りでございまして、それ以上に私は付加することもございません。
  84. 藤田進

    藤田進君 簡単に言えば、要求したならば要求した要件について内閣が受けて立つ用意がないと思えば、それで開かないで延ばし得るという解釈なのかどうかということなんです。
  85. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 要求された事項について、その要求通りにすぐやらなければならぬという規定ではない、そう考えております。従いまして、政府としては要求せられた趣旨を尊重して、国会に臨むに当っての諸般準備を整えて、政府責任において決定すべきものと解釈します。
  86. 藤田進

    藤田進君 だからその準備が整うまで政府は開かなくてもよろしい、やむを得ない、こういう解釈ですか。
  87. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) 開かなくてもいいというところに重点を置くのではなくて、開くために準備をするというところに重点を置いているわけです。
  88. 藤田進

    藤田進君 重点を置いたけれども、なお準備が整わないというときにはやはり延ばすんですか。
  89. 根本龍太郎

    説明員根本龍太郎君) これはどうも非常にそういうふうにたたき込まれると何ですが、これはやはり国会召集するに当って政府は十分準備を整えて、それはおのずから良識をもって判断すべきものだと思います。準備と申しましても、これはいろいろ解釈があり得ると思いますけれども、少くともこの要請せられた事項について政府責任ある態度をとって、それに対応する諸般準備を整えるということが私は良識的に考えられなければならぬと思います。
  90. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をとめて。ちょっと懇談しましょう。    午後三時五十七分速記中止      —————・—————    午後四時十九分速記開始
  91. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をつけて。
  92. 藤田進

    藤田進君 先日来、ここに二回議院運営委員会を開きまして、臨時国会召集関連して政府の所信を伺ったわけでありまするが、本日一応のおぼろげな目標としては九月下旬ごろという御答弁も伺ったわけでありまするが、本院は、今回半数改選に伴ってすみやかに院の構成をここに整えなければなりませんし、あわせては憲法第五十三条による成規手続もなされている状態でありまするから、政府におかれては、すみやかにこの際臨時国会召集する手はずを進めるべく、憲法五十三条にある召集決定をすみやかにするよう、この際再考をうながすよう議院運営委員会としても要望いたしたいと思います。この点、委員長においてお諮り下されたいと思います。
  93. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ただいま藤田君からお聞きの通り一つの提案があったのでありますけれども、二回にわたりまして論議しました模様から見まして、何らかの運営委員会としての意向をまとめたいと思うのでありますが、藤田君の提案、これで御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないようでありまするから、それでは議院運営委員会といたしましては、ただいまのような趣旨の要望政府の方へ提出いたしたいと思います。それではこの問題はこれで終り、次の問題に移ります。     —————————————
  95. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは次に、委員派遣承認要求に関する件を議題に供します。
  96. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 社会労働委員長岡三郎君から委員派遣承認要求書が出ております。  目的は、中共地区引揚者実情調査でありまして、派遣委員は雨森常夫君、山下義信君、派遣地は舞鶴市、期間は昭和三十一年七月三十一日から八月六日までのうち四日間であります。費用概算は二万八百円、なお、本件の経費は前例によりましてワク外の支出をお願いしたいと思います。
  97. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 本要求に対し承認を与えることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  98. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  99. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それから前回、天田委員から図書館建築状況について御質問がありましたが、係りの者が答弁を用意して出ておりますので、簡単にそれではお願いいたしたいと思います。ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  100. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それでは速記をつけて。  図書館側から来ておりますので、本件につきまして質疑のある方は御発言を願います。
  101. 天田勝正

    ○天田勝正君 先般当委員会において一言だけ申し上げておいたのですが、それは、私が過日図書館の本建築の問題について若干関心を持っている関係もありまして、それに関連し、かつまた要求もあったから図書館に参ったわけです。その際に、本館建築状況等を聞いてみたところが、当初は御承知の通り、鉄材等はもはや十分買い込んであるというようなことから、本委員会にかつて説明された費用よりも、むしろかなり安く上るというような答えであったわけです。建築部長からそういう答えがあった。私どもはそうなれば非常に喜ばしいことであると考えたんだけれども、だんだん問い質して行ったところが、それどころじゃない、そこに説明された建築工事以外の付属工事をいたさなければ、どうしても本建築ができないという、まあ従来から言うならば、非常に技術的なミスと言いますか、そういう問題がここに出てきた。そうしますと、その付属工事をするために、本建築の方はここで説明承認をされた進捗はいたさない、こういうことが明らかになったわけです。それではまことにこの本委員会にしばしば説明されたことと非常な食い違いが起きるのみならず、本院においては、御承知の通り冷房の費用等は一切これをやめて、衆議院においては同じくやめたけれども、これはやはり衆議院自体の費用に使って、われわれの方はこれをあげて図書館の方に移管してまで本建築建築を進める、こういう措置を各会派、各議員に了解をさせて、それでやったにもかかわらず、非常に遺憾の事態に立ち至ったことを私は承知したわけです。そこでこれは一大事であるし、来年の予算の編成期も真近に迫って参りますし、要求する時期も迫って参ります。そうしますと、翌年の予算発足についても非常な支障を来たす。そういうことから、すみやかに本委員会に出て説明するように申し入れたのでありまして、一つ私の申し上げた範囲で答えていただくならば、議事進行上非常にいいのではないかと、こういうことをつけ加えまして今の質問をいたすわけであります。
  102. 中根秀雄

    国立国会図書館副館長(中根秀雄君) ただいまの御質問にお答え申し上げます。  昭和三十一年度の予算は、そのときの状況によりまして、当時まだ基本設計も完成いたしておりませんし、むろん実施設計もなかったのでありまして、懸賞設計で上りました当時のものを基礎にいたしまして積算いたしましたものでございます。ところが、その後基本設計が前年度末に完成いたしまして、建設省に委託されまして、建設省では鋭意その実施設計に当ったわけでありまして、ほぼ所定の期日に本年度必要な工事計画の実施設計が上りまして、近く請負入札に付する段階にまで達したのであります。ところが実施設計をいたしてみますと、実際におきましては、鉄鋼の値上りがありましたし、また技術上特別の理由もございまして、予定の工事量を完成いたしますには相当経費が不足になるわけでありまして、現在の見込みでは、本年度中に定められました予算の範囲内では、一月の当時に当委員会におきまして御報告申し上げました工事計画の全部を完成することが相当困難のように思われるのでありまして、ある程度の予定の工事量を減らすということが予想されておるわけであります。もし技術的等の理由につきましては、建設省並びに本館の建築部長が参っておりますので、さらに詳細に申し上げたいと思います。
  103. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) ちょっと天田君にお諮りいたしますが、建築部長からさらに詳細承わりますか。
  104. 天田勝正

    ○天田勝正君 詳細でなくても、今私が質問した範囲内によれば、ここで説明した以外のことが出てきたのです。それだけを、ここでこういうものが出てきたということを言えばいいのです。それに驚いたことには、懸賞募集したあの設計というものは、あれが基礎になるものだと私はしろうと考えに考えておった。あれは実にくろうとがかいた絵なんだという話だ、この間私が非公式に一人で聞いたところによるとね。それだから、基本設計というものができたら、これはどんどん変るのだという話になった。それじゃまるで、設計を基礎にしていろいろな積算をした。それでそれに基いて本委員会説明した。で、ここまではできるのだと、こういう説明で、つまり予算を組み、それが足らぬから本館の方の費用を向うに持って行った。これは実は持って行ったことについては、事務総長なんかにもはなはだ遺憾の意をわれわれは表さなければならない。しかしこの際やむを得ない、がまんをしてくれということで、各議員にもそれぞれ各会派、総会を通じて冷房期間中冷房はやらぬということで、こういうことで押えて了解を得てやった仕事が、まるで水の泡になっちゃった。それでは実にずさんきわまりないじゃないかというのが、私ども今までの了解しがたい遺憾な点です。だから、ここで説明した別のことをやらなければできなくなったということを一言言ってくれればいいのだ、そんな長い時間をかけなくても、詳細とか、そういうことでなく……。
  105. 中根秀雄

    国立国会図書館副館長(中根秀雄君) あまり詳細には、技術的には私にも申し上げられませんが、根本的には新規に加わりました部分はございませんので、設計図を今日持参しておりませんが、御承知のように南側、つまり議事堂寄りの方と反対側の方の部分は、第一期の八千坪工事の時期には作らぬことになっておりましたのでございます。これは御了承の通りと思いますが、ところが実際にその八千坪の案につきまして、実設計をいたしますと、北側の部分、それからやや西側にもかかりますが、その部分の土どめを同時に施行した方が、建築工事を進めます上におきまして便宜があるという意味におきまして、新規に追加されました部分と申しましては、ただいま申し上げました北側の部分と西側の鉄骨だけであるべき予定であったやつを、ついでにコンクリートを巻き上げまして、合せて土どめの役を加えて、合わせて将来の建築工事の進捗に便にするという点でございます。
  106. 藤田進

    藤田進君 だからそうなると、もう予算は一定なんだから、そうすると、それは予算内でそれだけの工事ができるのか、あるいはどっか削るのかということが一つと、今問題になったのは、懸賞募集をアイデアにしたところのデテールの設計はいろいろありましょうが、その懸賞募集によるもの、われわれはこの間見せてもらったが、あれがくずれて、全く別な新たな設計、アイデアになったのか、天田委員の話を聞くと、懸賞募集はどこへやら、あれはいたさないということで、別の設計で施行するのだというふうに聞えるのだね、その点を聞きたいのだが。
  107. 天田勝正

    ○天田勝正君 どうも私の聞いた通り言ってくれればいい、あとでまた整理します。それでは当然藤田委員から疑問が起きてくるのです。あなたもおられ、建築部長もおられ、それから山下管理部長もおられた席で、この設計というものは、あれを基礎にして次の積算ができるのじゃないか、従ってそれで予算ができるのじゃないかという質問をしたところが、あれはただくろうとがかいた絵でございますと言って、はっきり言うたのだよ。建築部長がここにおられますけれども……。そうすると、あれは全然予算の積算の基礎にならないことになる。くろうとがかいた絵だと思うということになると、これははっきり言ったのですが、これは一大事だということなんだ。当然しろうとはだれが考えてもそうでしょう。第二のこの土どめだとか何とかということは、これはこの前の説明には全然ないのです。だからそれをしないと、水圧でできたものが全然持ち上ってしまうと、こういう説明なんです。一番しろうとわかりのするのはそういうところなんです。それをそうやらないと水圧の関係でだめなんだ、そういうことは、初めの方のただ見積りというか専門家の見違いもはなはだしいじゃないか、それをやらなければだめだとするならば……。それの方を先にやらなければならないのを今の土どめというか……。そこでさっき言ったように本館で言ったのを僕は聞いたのだから、それは大へんな技術のミスもはなはだしいじゃないかと、そのことなんです。その二つのことなんです。
  108. 中根秀雄

    国立国会図書館副館長(中根秀雄君) ただいま二つの点があったと思いますのですが、私もしろうとで、肝心なことは聞いていないのですが……。
  109. 天田勝正

    ○天田勝正君 いや、あなたがいて聞いているのだから……。
  110. 中根秀雄

    国立国会図書館副館長(中根秀雄君) 懸賞設計からの計画は私も実は当初その点はよくわからなかったのでありますが、懸賞設計はやはり一つの設計図面ではございますけれども、むろん実施に直ちに移せるものではないのでありまして、あの出た図面に対しまして正確な基本設計をこしらえる。それが昨年度いろいろ当委員会にも御迷惑をかけて御尽力いただきまして解決いたしました基本設計の問題であります。基本設計ができまして、さらにそれを実際の工事に移すためには、実設計が要るわけでございまして、この点は前年度末に基本設計が上りまして、これに基きまして建設省が専門に担当したわけでございまして、この三つの段階を経て初めて具体的の工事に移れるということでございまして、まあくろうとの絵というのは多少比喩的に申し上げた言葉かと思いますけれども、そういう意味におきまして、実際の工事に移しますには、どうしても懸賞募集の図面から基本設計、それから実設計になって行って、初めて工事に移れるということで、実は私もあまり遠くない前までは知らなかったわけであります。  それからもう一つの点は、浮き上る云々の点でございましたが、その土どめの方は単なる土どめでございまして、建築の何と申しますか、底をどの程度に地下に埋めるかということにつきましては、むろん予算を御審議いただきましたときにきまっておりましたのでありましたが、その当時、設計いたしました当時に、相当深く掘り下げる、そのために水圧が相当かかる、これは先ほど申し上げました新たに加わりました土どめのコンクリート巻き上げでなしに、自然、鉄骨の丈夫さ、あるいはコンクリートの丈夫さと申しますか、厚さ、そういうことに影響しておりますので、先ほど申し上げました予定の工事量ができないと申しますのは、その点多少初めに予想したよりも相当、いろいろの技術的の理由から、コンクリートにしても、鉄骨にしても、それに加えての値上りが加わって、工事量に対しては初めに予想したものより若干狂いができる、こういうことになったものだと思います。
  111. 天田勝正

    ○天田勝正君 だから一番初め私が、くろうとの絵だという、そこに実は設計図というものは実は予算の積算の基礎にすべからざるものをわれわれがしちゃったということなんだよ。結局予算をきめたのはこっちのことなんで、設計図を基にして説明を受けて、こっちはそれをうのみにして、設計図というものは基礎になるものだとしたところが、これは基礎にならないのだということなんですから、それは実に無責任な話じゃないかと言っているのですが。
  112. 藤田進

    藤田進君 今の答弁はそれは専門家の方がいいと思うのですがね。
  113. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) それじゃ建築部長、簡単に要点だけ……。
  114. 吉田辰夫

    国立国会図書館参事(吉田辰夫君) 懸賞募集の図面と、それからそれに対して実際に実施する、その基礎になる基本設計、これは図書館の要求というものがその間にこまかく入って参ります。それから設計者というものがまたそこにいろいろの考案を加えまして、最初とだいぶ変ってくるのが普通でございます。それが順序でございます。どうしても最初のをそのままという工合にするわけにはいかないのでございます。
  115. 天田勝正

    ○天田勝正君 だからそれがだめなんだよ。そんなことは許しませんよ。まるでこっちの尋ねていることに答えていないから、だんだんしゃくにさわってくるのですよ。そんなことを今ごろ言える義理かと言うのだよ。それだから初めに、大体あれは絵だとあなたがおっしゃったのだ。絵を基礎にして、積算すべからざるものを積算したのですよ。なぜその今おっしゃることを、この前の説明のときに言いませんでしたか。そんなものは基礎になりません、基本設計が別にでき、また実設計ができなければ、これは予算は組めませんと言われれば、われわれは審議なんかしないのです。何も会派だってわれわれの方だって、冷房はやった方がいいという議論が一つもないわけじゃない。あるのです。あったってそれを押えてきて、図書館の方に注ぎ込んだのは、君、図書館に力を入れているからなんだよ。入れてここまでやってきて、元来そういうふうに、初めの懸賞設計というものとは実際は違うのでございます。そんな言いぐさというものはあるものじゃないよ、しろうとをごまかすもはなはだしい。
  116. 藤田進

    藤田進君 今の部長の話では、懸賞募集の懸賞の骨子が、スタイルの点とか、内部の構造とか、いろいろあったと思います。懸賞の一等に当選した以上は、それを一等に当選させたけれども、その後検討してみた結果、技術的にも、また使用上も、その懸賞はりっぱなものであったけれども、その後の実際にできる品物はあれではだめだったということはあり得ると思う。それはあり得るが、懸賞を一等に当選させた人たちはそれは責任問題ですよ。そこがどういうことになっているか聞きたい。
  117. 石井桂

    ○石井桂君 ちょっと私から……。懸賞設計に付帯する条件があるわけなんです。しろうとが見てどういう姿になるか、横から見た図面と平面ですね、それから切断面、どういう間取り、どのくらいの高さになるかという切断面、配置図、姿図ですね、これだけが普通懸賞に与えられた条件だと思うのです。これは初めから今まで全部そうです。しかし、それで家を作ろうというと作れない、なぜ作れないかというと、柱にはどのくらいの鉄骨を計算して、はりはどういうふうにするか、床はどういうふうにするかというこまかい計算が実質的に計算されなければならない。それをやって行くと一年くらいかかるわけです。そこで普通は懸賞設計は、このくらいのものを作れば一応坪当り何万円でできるかという概算を添えて、そうしてこの家はどのくらいでできるかという点を懸賞に出すのが普通なんです。だから与えられた懸賞設計の条件では、設計期間が一年でも二年でもかかってもよろしいから、柱や基礎や、いろいろなデテールを詳細に出すことを要求する懸賞設計ならば、あるいは二年後にかちんとした計算が出るだろうと思う。しかしその場合には材料の値上りというものがありますから、その変動だけは許されなければならぬというので、普通は懸賞設計は平面図と姿図と配置図、断面図、このくらいしか要求していないのです。それ以上は、まあ懸賞設計をやりましても実費に何百万円もかかるものですから、個人では負担の能力がないわけですね。そこで優秀な人に懸賞の知恵を借りようとすれば、簡単なことでアイデアを出していただいて、今度はアイデアがあれば、実際に技術当局がそのアイデアに従って計算して行けば、日数をかけますればできますから、そういうふうになっているので、このことはごまかしだとは思いませんです。  それからもう一つは、何といいますか、土どめや何かのことがなぜ前に出ていなかったかということ、これは私もよく知りませんが、あとでいい考えがわいたのでつけたのだろうと思うのです。全然知りませんけれども、私の感じはそういうふうに思います。
  118. 天田勝正

    ○天田勝正君 これは私らだって工場を建てたことがないわけではない。今、石井先生の説明を聞けば、すんなりとその通りというふうに聞けるのですよ。だけれども、そういう違いがあるなんということを初めに言ってもらいたいということを言っておるのです。それは私どもだって、しろうとながら、こういう格好に作りたいという説明を聞いて、そうして注文をし、その通りに行かなかった例も承知しておるのですよ。だからそれは多少の違いはあるにしても、そういうものだということを初めから言ってくれて、あれは当てにならぬものだから当てにならぬというのでやればいいものを、たくさんだということを言って、土どめなんということ、水圧で上ってしまうなんというようなことは、こんなことは自分らの方の不注意じゃないかというのですよ。
  119. 剱木亨弘

    ○剱木亨弘君 私の記憶では、例の懸賞設計が当選されて、いよいよ実施に移すためには、設計者というものとの関係がうまく行かぬという状態で、だいぶ時間がかかった。それは内部で細部の設計をやらなければほんとうの建築にならぬというので問題になったので、懸賞募集されて、そのままにすぐに家が建つということは私どもも聞いていなかった。ただ金額の問題とか、基礎工事とか、そういうふうなものは、実際懸賞募集のときに基礎工事を、地質検査とか何とか決定的にやったわけではないでしょうし、ただわれわれが認めたから、そこまで基本設計に行く土台ができるようになったので、われわれがやはり認めたということが決して無駄とは僕は考えていないのだがね。やはりそれを認めなければほんとうの設計というものにはかかれなかったのじゃないか。
  120. 藤田進

    藤田進君 それならお伺いするのですが、石井さんの話を聞いてまことに奇異に思うのは、懸賞募集というものは、実施可能であつて、そのアイデアなり、スタイルなり、実際の施行に取り入れ得る、国立国会図書館はこれで行こう、これはいいということなんです。従って二階だろうが、三階だろうが、全然柱もなしにずっと大きくて、これはいいな、便利だなというても、懸賞というものは事実できないものはで皆ない。柱もありますよ。ところが今聞くと、それはもう絵であって、全然だめなんだ、だめなんで 別のものができるというのでは懸賞募集した値打ちはない。それは別のものができるのか、懸賞募集したものが大半やはりアイデアとして取り入れられて懸賞募集が活用されるのか、全然別のものになってしまうのかということについて、またちょっと聞くと、懸賞は懸賞で絵であったので、全然別のものができるというふうに聞える。それはあり得るでしょう。そういうことは懸賞がずさんであった。
  121. 石井桂

    ○石井桂君 ちょっと御参考に。それは懸賞設計を募集する目的は、一番優秀な案を取り入れたいというので、有能な人に全部応募できるように条件を与えて案を出させるわけですね。今、藤田先生の言われるように、一番いい案を求めて審査員が選び出すわけです。それを基にしてアイデアをできるだけ多く取り入れて実際に作る。その場合に、大がいは懸賞設計が一等になった姿が地上に現われるのが普通です。しかしその場合に、やはり懸賞設計といえども万能でないのですから、一等であってもいいところばかりでもありません。悪いところもあります。それはやはり担当者が改善して、そうして実施して行く、そういうところは違ったところができると思います。  それからもう一つは、懸賞設計はデテールにわたっての設計はとってないわけですから、だからそれを入れると大へんですから、おそらく今のお話の現在鉄が一トンに一万円ずつ上っておるような現状では、二割五分くらい上っておるのですか、ですから材料が買ってなければ、従って面積も二割五分くらい減るわけですよ。そういうことがあり得るのですね。
  122. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  123. 石原幹市郎

    委員長石原幹市郎君) 速記をつけて。  本日はこれにて散会いたします。   午後四時五十一分散会