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羽生三七君 もう一点だけ。なぜ私が今のような
お尋ねをしたかといいますと、実はこの
日ソ交渉の問題で、特になかんずく
領土問題についても、ほんとうに
領土権そのものが
至上最高の問題であるかということになると、私
どもは時と場合によっては、
ソ連は
領土問題で私は話がつくと思うのです。ところが今私がさきにお伺いしたように、
日米の
特殊的立場という
制約を受けている、しかもそれは
国際情勢の一環として重要な
制約を受けているこれもまた
一つの大きな障害だと思うのです。だからもしもそういうことではない純粋な
領土問題ということならば、私は他に
解決もあるであろうと思うのですが、しかしこれは理屈を言っても
政府と
立場が違うし、また鳩山さんの議論を借りるというと、国論が統一していないから
外交をやりにくいとおっしゃいますが、実際には私
どもがここでこう
お尋ねしても、もう
政府の
外交の妨げにならない、それほどの決定的な段階にきているから、私
たちは平気でこういうことを申し上げられる、それほどにも私
たちはきょうまで遠慮しておった。あまりにも野党は遠慮しすぎるくらい遠慮しすぎてきたと思うから、きょう改めて申し上げるのですが、私は純粋に
領土問題だけ取り上げて、
相手方の譲歩を促そうとするならば、他にやりようで道はあろうと思います。それはあまりに
国際情勢で他国の
制約を受けないということも、
一つの
条件であろうと思う。
それからもう
一つは、これは質問というよりむしろ
意見になるのですが、
自然休会というものは全然つまり先がない、
自然休会というものは、この程度までいったら、今そこで
外交上
政府が何回先になどというわけにはいきませんが、しかし必要
条件については
日本が
イニシアチブをとって働きかけていいということがなければ、これは一種の無期延期ですよ。そうすると
政府の政治責任というものはどういうことであるか、私はあえてきょうは政治責任を問うのを
目的にしている質問ではないから多くは申し上げませんが、しかし二大政党という建前から反対党の社会党に何か案がなければいいが、現に反対党の社会党でも
一つの
解決方式を持っておるのです、
政府と
別個の。同僚曽祢
委員、
佐多委員等もしばしば指摘されたが、
別個の
解決方式を持っておる。歴史的に将来
日本の民族から
判断を受けても、決して、あとで社会党の
考えておる
解決方式が
日本民族を不利に陥れたと、そういう歴史上の
判断を受けないということも私
どもはある程度信じておるのです。あとから、後世の民族から、社会党のやり方が
日本のために非常に失敗だったというようなことが見通されるならばこれまた問題ですが、私
たちはある程度社会党の
考え方に若干の自信を持っておるのです。そういうものがある際に、一方で今の
政府が、無期限に動きがあるまでということで
交渉を中断していくということになると、一体早期
妥結を公約された政党政治の責任としてまことに責任の所在が不明確になる。いつまでもこうやってずっていく、しかも国際的に見れば、先ほど来申し上げますように、
別個の前提
条件であるとはいっても、
抑留者を早く帰してもらうとか、あるいは貿易を促進するとか、こういう問題は私は三年五年先に延びていい問題じゃないと思う。そういうような
意味から私は先ほどの対
米関係の問題についても触れたのでありますが、しかしわれわれは別に
ソ連のイデオロギーなら何でもいいとか、
ソ連的でなければならんとかそういうことじゃありません。むしろ先ほど一番
最初に申し上げたように、冷厳に客観的に国際的
条件を見て、その上で誤まりのない
判断をしていくという
立場からいっても、今私の申し上げたことは決して不当ではない。そういう
意味からやはり
政府が
交渉再開のめどを適当な時期につけるだけの責任はあろうと思う。そうでなければこれは全く政治責任のない無責任なことになると思うのですが、まあこれはお答えがあればよしなければないでよし、私の質問はこれで。