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1956-04-24 第24回国会 参議院 運輸委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月二十四日(火曜日)    午後二時一分開会     —————————————   委員の異動 四月二十日委員岡田信次君及び内村清 次君辞任につき、その補欠として最上 英子君及び木下源吾君を議長において 指名した。 四月二十一日委員最上英子辞任につ き、その補欠として岡田信次君を議長 において指名した。 四月二十三日委員川村松助辞任につ き、その補欠として西郷吉之助君を議 長において指名した。 本日委員木下源吾辞任につき、その 補欠として内村清次君を議長において 指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     左藤 義詮君    理事            木島 虎藏君            早川 愼一君    委員            有馬 英二君            岡田 信次君            仁田 竹一君            平林 太一君            三浦 義男君            三木與吉郎君            内村 清次君   政府委員    運輸政務次官  伊能繁次郎君    運輸省鉄道監督    局長      權田 良彦君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    日本国有鉄道副    総裁      小倉 俊夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本国有鉄道法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査)     —————————————
  2. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 運輸委員会を開きます。  まず、委員の変更を御報告申し上げます。四月二十日内村清次辞任木下源吾補欠岡田信次辞任最上英子補欠、四月二十一日最上英子辞任岡田信次補欠、四月二十三日川村松助辞任西郷吉之助補欠、四月二十四日木下源吾辞任内村清次補欠選任せられました。     —————————————
  3. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。  興野のお方は御発言を願います。
  4. 内村清次

    内村清次君 運輸大臣国鉄総裁、出てこられますか。
  5. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 運輸大臣は今内閣委員会に行っておられますので、それが済み次第、すぐこられます。国鉄総裁は山陰に旅行中でありますので、副総裁がすぐ参ります。
  6. 内村清次

    内村清次君 出席されましてから、質疑をいたします。
  7. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 伊能政務次官が参って十おります。
  8. 早川愼一

    早川愼一君 今度の理事会で、権限といいますか、その中にいろいろ一、二、三、四、五というふうに羅列してありますが、たとえば新線の建設とか、あるいはまたバス路線国営バスの選定とかいうことも含めてあるわけだと思いますが、その点はいかがですか。
  9. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) お説の通りでございます。そういうものは理事会にかけなければ相なりませんが、それは改正法律の第九条の第三項の第七号に「この法律の規定により、運輸大臣の許可、認可又は承認を受けるべき事項」に、いずれも御指摘のようなものは相なりますので、総裁はさようなものを決定するには理事会決定を待たなければならない、こういうふうになっております。
  10. 早川愼一

    早川愼一君 そこで理事会構成でありますが、これは運輸大臣が今度は任命することになっておりますが、決議機関執行機関を分けられたというそのこと、そのうち常務理事というのは、これは一人か二人ということですね。どういうことになっておりますか。
  11. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 理事会は、お説の通り意思決定機関でございまして、この意思決定機関は、総裁内閣任命いたします。副総裁理事は、運輸大臣認可を受けて、総裁任命いたします。この総裁、副総裁理事全員構成いたしまするのが理事会という意思決定機関でございます。執行機関は、総裁と副総裁、並びに今申し上げました理事のうちから若干名を総裁任命いたしまして、これが執行機関として業務執行に当るわけでございます。
  12. 早川愼一

    早川愼一君 そうしますと、大よそどれくらいを予定されておるのですか。たとえば執行機関は何名とか、人数につきましては……。ちょっと私法文を見てないのですが。
  13. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 意思決定機関である理事会理事は五人以上十人以内ということに相なっております。このうち執行機関に当ります常務理事は若干名となっておりまして、ただいまのところまだ正確な数は、この総裁業務執行内容にまかせておりますが、私どもはこのうち数名だろうと思っております。
  14. 早川愼一

    早川愼一君 さらに重ねてお伺いしますが、その理事というのはもう意思決定機関でありますが、常務は数名でありますから、残りの人は執行機関ではなく、また他に兼職を許さない専門理事でありますか、その点伺いたい。
  15. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) お説の通り常務理事に相なられる理事は、同時に、執行機関でございますが、それ以外の理事の方は意思決定機関のメンバーである理事でございまして、この理事はこの改正案によりまして、第二十条でございますが、こういった欠格条項以外の仕事はできるわけでございます。この理事の中には、私ども意思決定機関理事もできるだけ常勤というように考えておりますが、具体的な方によりまして常勤が困難な場合には、非常勤意思決定機関理事も生じて参る、かように存じております。
  16. 内村清次

    内村清次君 関連いたしますが、ただいまの、今回の理事定数が五人以上十人以内、こういうことになっておりますね。これは定数としては非常に幅が出てきておるのですね。これでは、たとえば運用責任体制といいますか、そういうようなことを考えていくと、常任定数という制度を設ける必要はありませんか。
  17. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) これは他にもこういういろいろな例がございまして、この意思決定機関である理事会理事定数確定数をもっていたしますることは、非常にかたくなに相なりますし、実際の運用が困難でございますから、理事五人以上十人以内ということにいたしておりますが、大体この範囲においてある程度必要な数を、総裁の申請を待って運輸大臣認可をいたして、総裁任命する、こういう形式には相なっております。従いまして、今先生の御指摘のような、不確定になるというようなことは、意思決定機関のあれから任命を用いますので、数的には弾力性を持っておりますが、業務としては確定いたしておりますので、差しつかえないと存じております。
  18. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、現在の経営委員会、これが大体五人の委員及び一人の総裁、こういうことで成り立っておったのが、先ほどのように、五人以上十人以内ということになると。そうしますと、これの運輸省としてお考えの点は、委員構成ですが、これは部外者も相当入れる考えでしょう。その比率というものは一体どうなってきますか。
  19. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 今御指摘通りでございまして、この理事五人以上十人以内ということは、国有鉄道部内者だけを考えておりません。部外者もこれに入っていただきたい。大体その割合は適切を期したいと思いますが、おおむね半数ほどはこれは部外者で充当すべきではないか。しかし具体的な人事の問題でございますので、その人を得る都合がございますから、それによって適切な任命措置を講じたい、かように考えております。
  20. 内村清次

    内村清次君 大体今回の改正のねらいというのは、現在の経営委員会構成と同時に、また今日までの運用状態から見て、どういうような欠陥が認められておったかという点ですね、これの一つ考えを承わりたい。
  21. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) お答え申し上げます。現在の経営委員会は、御承知通り現行法によりますると、国鉄意思決定機関となっておるのでありますが、これも全部の意思決定機関でございませんで、限定的な重要事項に対する意思決定機関に相なっております。それとともに、監査機関的な機能、あるいはまた外部からの国民の世論を反映するような諮問機関のような機能をも持っておりまして、この点が非常に、何といいまするか、あいまいの点がございます。さらにまた、制度といたしましては、よそにもこういう経営委員会の例はございまするが、今日までの実際の運用状況を見ますると、御承知のように、五人とそれに総裁が入っておりますが、その五人の方々がすべて非常勤でございます。従いまして、おのずから積極的にそういったことに参加できないで、実際は諮問機関的な運用になってしまっておる。この点、所期の目的を達し得ないと考えるのでありまして、経営調査会答申によりましても、このようなあいまいな性格を発揮さして、それで意思決定機関監査機関に分ける。しかもその間において、この法律の新しい改正構成しておりまするように、理事会というものと、そのうちの総裁、副総裁と一部の理事執行機関に当ることによりまして、意思決定機関とこの執行機関との表裏一体をはかる、そのことによって責任明確化及び今申し上げました今日までの不備を補おう、これが改正の主眼でございます。
  22. 内村清次

    内村清次君 たとえば専門的立場にあり、しかもまた現職でもある理事も今後任命せられると思いますが、そういう方々外部理事方々との調和と申しますか、あるいはまたその認識の程度と申しますか、そういう問題は今後調整せられていく見通しがあるんですか、どうですか。
  23. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 御指摘の点は、この理事会総裁、副総裁理事ということで合議体でございまして、その理事会は、この新しい法律にございますように、業務管理及び運営につきまして意思決定をする、特にこの九条の三項にありますような重要事項については必ず理事会決定をするということに相なっておりますので、その間におきまして、やはり意思決定においては、部内からなる理事と、部外から来ていただく理事とは、おのおのその専門的な業務、あるいは広い知識分野を生かし合いまして、相互に合議することによってそこにりっぱに意思決定が行われるように、私ども調和がとれて運営できるものと考えておるわけでございます。
  24. 内村清次

    内村清次君 これは国鉄総裁にも実は御答弁願いたいのですが、今回の日鉄法改正は、これは何としましても、終局的には運輸大臣権限を強化していこうという点が見られると思うのです。この点は、あとで指摘をしてお考えをお聞きしたいと思いますが、日鉄法改正だけでなくして、私たちは今後、現在国鉄経営というものが非常に困難になっておる。しかもまた前途も、今まで通りでいけば、決して明るい見通しというものは望み得ない。そこでこの点はやはり経営の努力というものが必要でありましょうが、問題は、私たちはやっぱりこれはどうしても財政の投融資、それから現在の利子の負担、それから公労法関係、こういう総合的な見地から、日本国有鉄道法というものと抱き合せて経営実態考えていかなくちゃならぬ段階ではないか。そうしてみますと、現在の経営も全く、これはもう国鉄交通界独占業だという形態はだんだん薄らいできておるような形が出ておるのですからして、これを勘案して、経営と結びつけて、ただいまのようなものを総合的に考えていく段階ではなかろうか。それには私たちは、ただ運輸大臣権限強化だけのこういう内部機構改正するということも必要かもしれませんが、まだ問題点はございますが必要かもしれませんが、やはり総合的な法律改正をもって臨んでいかなくちゃならぬ。特にまた財政法の問題ですね、それからくるいわゆる国鉄財政の問題、これを十分中に取り入れて、公共性を、あるいはまた独立採算制を、自主的な見地から切り開いていくというような法案がちょっと必要でなかったかと思うのですが、この点に対しましては、国鉄自体といたしましてはどういうお考え方で臨んでおられるのですか。
  25. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) お答えいたします。国鉄の現状につきましては、たびたび申し上げておりすす通りに、また、ただいま御指摘通りに、いろいろ困難な面がございます。消極的な面と積極的な面にきまして、いろいろ改善いたしていかなければならぬ点が山積いたしておるのであります。消極的な点につきましては、企業合理化でございまして、これにつきましてはいろいろ各種、十に余る委員会を設置いたしておりまして、各方面専門家の御意見を伺い、着々その下を打っております。また積極的の面につきましては、いろいろ収入を上げます上におきまして、あるいは車両の増備でありまするとか、あるいは動力の近代化とかということによりまして、積極的な施策による収入を上げていきたいと存じます。また御指摘通りに、国有鉄道万般にわたります法律関係ということも多々考えるべき点があるかもしれませんですが、何と申しましても、企業体としてもっとも重要な、もっとも先決いたすべき問題はトップ・マネージメントでございまするので、今回は早くそのいかなる意思決定機関を持つか、あるいはまたいかなる最高執行機関を持つかということをおきめ願いまして、これによりまして、私ども運営をできるだけ国民の御期待に沿うようにいたしていきたいと存じます。ただ、先生がただいま御指摘せられましたように、他の万般にわたりますことにつきましては、いろいろ今後御改正を願う点があるかもしれませんと思いますが、ただいまのところにおきましては、この法律の施行をまちまして、私ども心機一転消極面積極面に努力していきたいと、かように考えております。
  26. 内村清次

    内村清次君 この国鉄経営問題につきましては、先般来当委員会におきましても、たとえば行政管理庁監督の線から、あるいはまた経営調査会答申の問題から、そういう点で相当論議されておりますが、これに対して国鉄自体としても、これは何から手をつけたらいいか、大体考えた基本的な問題は持っておられると思うのです。ただいま言われるように、一つ一つ解決をしていきたいという気持ちはよくわかります。わかりますが、やはり一番大事なことは、やはり国鉄財政自主性を確保して、そうして公共性を確保していくというような点は、これはまあ早く手をつけていかなくちゃならない問題ではなかろうか。それが今回の改正案に、一体どこに見受けられておるか。その点がどうも不足しておるように私たちは感じます。  そこで問題は、たとえば財務会計の問題においては、現在の総計予算主義根本的に改正をして、純計予算主義にしたらばどうか。事業予算資金予算と二本建にするようなことになったらどうかというようなこともありますが、これに対しては一体どういうお考え方をしておられるか。
  27. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) お答え申し上げます。国鉄予算形式につきましては、今御指摘のように、現行予算形式は、内容簡素化は十分に行われておるのでありますが、一応一般会計と同じく、支出金の賦与という形になっておりますために、これも外国の例にもございますが、企業体にふさわしい形式先生の御指摘になりました純計予算と申しますか、事業予算資金予算と明確にする、こういうことも十分検討せられておりまして、また国有鉄道としても、私どもも、検討はいたしておりますが、今日の段階ではまだこれが結論にまで至っておらないのでございます。  一方、現在の予算形式は、今申しましたように、一般いろいろ国財政政策その他から考えまして、ああいう制度をとっておりますが、それでも一般会計と異なりまして、内容簡素化され、弾力性を持っておりまして、実際問題はこの運用には相当の自主性を与えでおりますので、この点は、御指摘の点は十分深く調査検討いたすことにいたしまして、今回はとりあえず、この点には結論が出ておりませんので、触れなかったという次第でございます。
  28. 内村清次

    内村清次君 ただいまので大体御意見はわかりましたが、この点はやはり将来、問題としてやはり十分御検討願いたいと思うのです。特に予算総則というものの立て方ですが、これには相当疑義があるのですよ。まあ一応予算総則内におきましての、その年度内の基準をきめるということも必要でしょう。膨大な予算ですから必要でございましょうが、しかし、その立て方がどうも事宜に会わないというふうなことで、収支がたとえば多い少いというようなものが非常に大きな労務管理の面に現われてくるようなことになりはしないかと思うのですが、その点は将来ともに、これは大蔵省の関係でもございましょうが、やはり存続をしていくというお考え方でございますか、どうですか。
  29. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 現在の予算の立て方は、先ほど御説明いたした通りでございますが、この予算総則においては、よく御承知のように、特に国有鉄道特別会計の場合には、非常にそういう公共企業体等業務量の変化に応ずるように融通性がとられるような予算総則に相なっておるのでございます。今御指摘の点は給与準則ではないかと存じますが、御承知のように、給与準則は、一事業年度支出が、当該年度予算の中で給与額として定められた額でありまして、この額をこえられないようになっておりますので、これが何と申しますか、常に労使の給与改善のときに一つのワクになるではないかという御議論も各方面から承わっております。しかし、ただいまの給与準則は、政府全体のこういうものの予算の立て方といたしましては、いろいろな関係にありまして、直ちにこれを三公社から外すということは困難でございます。しかし国有鉄道給与準則運用については、よく御承知通りに、相当の弾力性を持たしておりまするし、今回もまた業績賞与の活用もできるようになっております。なお日本国有鉄道法の問題ではございませんが、近く改正せられんとしておる公労法におきましても、なおこの点を、在来はすぐ国会の議決まで持っていきませんと解決いたしませんでしたものを、主務大臣認可によって流用額弾力性を持たせるような改正も、政府として準備いたしておりますので、そういった御指摘の点に対しては、現行制度で十分まかなえるものだと、かように考えておる次第でございます。
  30. 内村清次

    内村清次君 たとえばまあ予算総則の、これはまあ内容として含まれますが、歳入歳出の面ですね、それから予算の面、それから債務負担行為継続費の四本建ですね、こういうような四本建の予算総則の全体が、どうもこれで拘束が強過ぎやしないか、弾力性がそれの中に果して保たれて、国鉄財政の自主権というものが持たされておるかどうかという問題です。これはむしろ廃止をしていくというようなお考え方はないだろうか、こういうような質問ですがね。
  31. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 今御説明いたしましたように、昭和三十一年度政府関係機関予算書の第三章にお示しいたしますように、この第十条から第十八条に至る間におきまして、いずれも公共企業体にふさわしき、むしろ弾力性を持たした総則と私ども考えておりますので、この運用のよろしきによって十分御期待の線に沿えるものと考えておる次第でございます。
  32. 内村清次

    内村清次君 そこで質問はちょっと飛びますが……。
  33. 早川愼一

    早川愼一君 関連して、ちょっと。今内村委員からの御質問の中に、いわゆる国鉄部内ではいろいろ整理されておるが、予算として国会承認を今まで得られた実例によりますと、それが違っております。たとえば昨年問題になりました、いわゆる国鉄の基礎になる減価償却の問題が、たとえば行政管理庁意見と食い逢っております。こういうような問題は、みなその予算形式にあるのじゃないかと思うのですが、その点はどういう御研究の結果ですか。国鉄黒字だとか、赤字だとかいうことの根本において、ここに非常な誤解があるのじゃないか。
  34. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 今御指摘のように、国鉄経営赤字であるか黒字であるかというものを企業的に判定いたします場合には、形式的には減価償却費の問題でございます。従いまして、この減価償却費を、正当資産に対する正当償却をどこまで見るか、こういう点の研究は十分いたしておりますが、この問題と予算形式の問題とは私ども関係がないと思っております。予算形式におきましては、これは減価償却関係もまあいろいろ財政都合上、フルにいたせばいいのでありますが、これは財政上の観点からフルにできないというために、ある程度圧縮しておりますることは御指摘通りでありますが、予算形式上はそれは損益勘定から資本勘定収入へ見合う財源になるのでありまして、形式的には何ら矛盾はないと思っております。ただ、実体的に減価償却企業計算においてどう見るかということは国鉄経営根本であるということは、全く同意見でございます。
  35. 内村清次

    内村清次君 そこで、ただいま私たちが基本的な問題として質問申し上げたのですが、この点は副総裁のお立場で逐次一つ解決していくということで、一応質問をこのままにしておきますが、今回改正重要点一つに加えてありますが、監査制度ですね、いわゆる監査委員会の設置ですか、これが従来行政管理庁の勧告の線で出てきた問題ではないかと思うのですが、この監査委員会性格、これはどういうふうな格づけがなされておるのですか。
  36. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) お答え申し上げます。監査委員会というのは、今回これは新しく作りました制度でございまして、その性格でございますが、まず第一に、これは日本国有鉄道内部機関でございます。しかしながら、内部機関でございますけれども国鉄意思決定あるいは業務執行とは独立したものでございます。従って、監察委員会委員も他の役員を兼ねることができないと、こういうことになっております。従いまして、その役割は、国鉄意思決定が忠実に実行されているかどうかを監査するとともに、広くその監査の結果に基いて国鉄経営が妥当であるかどうかということを批判検討する。すなわち業務全般にわたって監査をいたすとともに、特に経理監査につきましては、国鉄内部決定の決算には必ずこの監査を必要として、その監査報告書とともに政府報告をする、こういうような一つの新しい内部監査機関でございます。  そういたしますと、つけ加えてさらに外部監査との関係をちょっと御説明させていただきますが、国鉄にはさらに、たとえば政府あるいは政府関係機関等から外部監査する、たとえば会計について会計検査院、あるいは業務について行政管理庁というようなものがあるのでありますが、それからまた業務について運輸省監督いたしておりますが、こういう監査監督政府公共企業体政府として行う監査でありまして、先ほど申し上げました監査委員会内部監査とはその性質を異にしておるのでありますけれども、でき得ればこれを一つにしてしまうことが考えられないかということはずいぶん深く研究いたしましたけれども、おのずからその筋合いが違いますので、今回の案のようにいたしたわけであります。  ただ、今後この監査委員会運用によりましては、たとえば外国におきましては、ドイツ連邦鉄道にやはり内部監査機関として中央検査局という内部検査局がございますが、別に存在する政府会計検査院検査事務の大部分について同局に委任しておるような例もございます。従いまして、今回の新しい制度が育ち上りまして、監査委員会がその職能を十分に果し得るようになれば、私どもはそういう点にまで運用上成長していくようなことを希望いたしておるのでございます。
  37. 内村清次

    内村清次君 そうすると、この性格国民代表監査立場をとっておるというようなことも考えられますか。
  38. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 国民代表監査という言葉が多少、不敏にして了解いたしかねるのでありますが、今申し上げましたような部内業務監査機関でありますが、その性質上、意思決定機関業務執行機関とは部内的に独立しております。少し例は当らないと思いますが、たとえば会社の場合では取締役、監査役のような立場、ただこれはちょっと違います、監査役のような関係でありませんが、部内機関の独立並行した関係においては似ておるように考えます。なお内部機関とは申しましても、そういったような仕事筋合いから、委員運輸大臣が直接任命して、その業務監査が公正にできるように、こういう配慮が払ってあるわけでございます。
  39. 内村清次

    内村清次君 この監査の任務としては、たとえばその監査報告総裁にもやる、それから第二には運輸大臣意見を出しまたは理事会意見を述べることができる。そういうような二つの権限があるわけですね。そうすると、これはどこまでも、もちろんそれは国鉄内部の経営の実態に対するところの監査ではございましょうが、それは公表の時期、すなわち国民立場からの関心という問題とは関連ないですか。それはもう全然ないわけですか。
  40. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 形式的には国民の代表というような、あるいは何か国民の推選するとか、国民の選挙に待つような形にはなっておりません。形としては運輸大臣任命でございますが、実質的には、今おっしゃいますように、そういう広い部外意見を反映することは可能でございます。すなわち、意思決定機関業務執行機関とは独立しておりまして、その監査委員会委員というものに対する総裁の指揮権はございません。総裁から独立しております。そういった点において、今先生のおっしゃるような内容も含まれると存じます。
  41. 内村清次

    内村清次君 内閣は、首班指名は国民の代表がこれを決定するのですが、その内閣総理大臣の任命によって閣僚がきまり、その閣僚の一人であるところの運輸大臣任命をするのですから、そういう高度の意味からいえば、一応国民的な代表監査機関とも言われる、こういうふうに私は考えまして、この性格を聞いたわけですが、そういうふうに考えてもよろしゅうございますね。  そうしますと、ただこの委員任命ですが、たとえば委員構成のうちに三名ないし五名と、こうなっているのですが、こういうような数は少し少きに失しはしないかという感じもするのですが、これを十名程度にしなかった、三名ないし五名という以上にしなかったというところは、どこにありますか。
  42. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) この点は、先ほど繰り返し申し上げましたように、意思決定機関業務執行機関監査機関と、こういうふうに部内に相並ぶわけでございまして、こうなりますと、具体的な日本国有鉄道経営合理化し、その実を上げますために、おのおの機関のバランスということが考えられて参るわけでございます。これはいろいろ他のそういう公共企業体等の例もしんしゃくいたしまして、さらに経営調査会答申の線をも尊重いたしまして、意思決定機関よりはその数を少くいたしまして、三名ないし五名といたしたわけで、監査機能からいえばこの程度が必要にして十分である。これをふやしますることは、かえってこの意思決定業務執行との間のバランスを失するかに考えておるのであります。
  43. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 ちょっと、お尋ねしますが、第一点は、監査委員監査の範囲、これは業務一般に関することですか。それから第二点は、これはスタッフを設けるのかどうか。それから第三点は、監査の結果に対してどういうような処理をされるのか。ちょっと書いてありますけれども、その三つをお伺いいたします。
  44. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) お答えいたします。監査委員会の任務は、今おっしやいますように、業務一般でございます。  それから第二点の監査委員会のスタッフでございますが、これについてはやはり私どもは、これは国鉄部内の機構でありまして、法律事項でないから、書いてございませんが、やはりそのスタッフを持つべきだと考えております。おおむね現在の監査局がこの事務局の役割に当るべきであろうと思います。  それからその仕事の結末でございまするが、まず業務監査をいたしましたときは、監査委員会は結果を総裁に通知いたします。総裁はその通知に基いて、業務執行に十分これを尊重し反映さして参ると存じます。さらに改善事項等で、監査の結果その必要を認めましたときには、総裁に通知する以外に、意思決定機関である理事会に対しても意見を述べ得る。さらにまた監督官庁である運輸大臣意見を提出することもできる。これらはいずれもその内容において理事会がそれをしんしゃくし、運輸大臣もまたその意見を十分判断、しんしゃくして参る、こういう活動状況に相なると存じます。
  45. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうしますと、執行機関のやる業務運営の方針、こういうものまでタッチするのかどうか。あるいは方針にはタッチしないで、きめた方針が実際にどういうふうに流れておるか、その流れておる実態を監査するのかどうかということです。
  46. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 監査委員会は、監査委員個々には権能がございませんで、委員会としての組織体で今申し上げたようなことをいたしますが、今御指摘の点につきましては、監査でございまするから、執行機関のやりましたことについて監査をいたして参りますが、それに基いて、さらに経営方針の妥当性についても、その実績に基いて批判検講ずる機会はあると存じます。
  47. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そういたしますと、その執行機関にはフリー・ハンドでやらして、そうして側面からその結果を見ると、こういうことで、執行機関のフリー・ハンドをここでいろいろ干渉して、千足が縮むということはないわけですね。
  48. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) その通りでございますが、ただ、執行機関はフリー・ハンドと申しますが、やはり意思決定機関決定に基いて執行いたさなければなりませんのと、さらにまた、重要な公共の政策に関係するような事項は、運輸大臣監督下において認可、許可を得ていたしますので、その点はさように相なると存じます。
  49. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 それから、これは申すまでもなく、監査委員会理事会総裁のもとにあるわけですか。
  50. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 執行機関である総裁のもとではございません。意思決定機関として理事会がございます。その理事会の会長はまた総裁でございます。それからまたその意思決定に基いて執行する長が総裁でございます。それからまた監査委員会監査委員会として、その内部の独立監査機関でございます。三者並立をいたしまして、総裁の指揮下ではございません。
  51. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、監査委員会決定なりについて総裁はどのような制約を受けるのですか。
  52. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 法的には拘束力はございませんが、その実体内容に応じて通知を受け、あるいは意見を出されますので、総裁は当然十分これを尊重しなければならないと考えます。
  53. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、この監査委員会の正当な客観的妥当性のある意見を、かりに総裁が踏みにじったとしたら、うしろの方に罷免理由がありますね、これに引っかかるということですか。
  54. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 罷免の場合には、ここにございますような条項によって罷免いたしますが、ただいまお述べの場合は、直ちに罷免になるよりは、たとえば監査委員会が何か正当なことを意見で言うたとか、通知したとかいう場合に、総裁の方がこれを聞かなかった、そういうことはまあないと思いますけれども、かりにたとえてそういうことがございました場合に、その内容が正当で公益のために必要であると認めます場合には、運輸大臣監督権が発動できる。また運輸大臣は、日本国有鉄道監督上特に必要があると認めます事項については、特命事項として監査委員会監査の命令もできる、こういう仕組みになっております。
  55. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうしますと、これは会計検査院監査とは重複しませんね。
  56. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 重複いたしません。
  57. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 そうすると、これは今ある行政管理庁監査ですね、これとの関係はどうなりますか。
  58. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) その点、先ほど少し触れてお答えした点でありますが、建前上は部内監査政府の行政監理庁監査と別個のものでありまして、その筋合いを異にしておりますが、運用によっては、実質上ある場合には同じ問題をやり得ることも起り得ます。これは先ほど申しましたように、政府におきましてもきでるだけそういうことを重複しないように、ある場合にはこの監査委員会に委託して運用して参ることが私は望ましいと、具体的な問題については十分そういうことがダブらないように今後の運用に留意したい、かように考えているのであります。
  59. 内村清次

    内村清次君 先ほど御答弁がありましたが、国有鉄道にはたしかこの内部機構監査機構はあるわけですね、これは監察局ですか……。そうすると、外部機構としては会計検査院がありますね。まあ行政機構の関係での行政庁の問題は、これは随時何か監督をしたいと思って監査するというようなことで、まああまり厳格な問題じゃなかろうと思うのですね。その二本建の上に、運輸大臣任命した監査委員会というのが今後働いていく。先ほど、その監査委員会というものはやはり国民代表監査の意味も含まれている、こういうようなことでありますならば、私としては三名か五名では足らないのではないか、もう少しよけいに任命をしていったらどうかと、こう言ったわけですが、そうすると、執行関係と比較をして、どうも執行関係と均衡がとれないというような御答弁です。そこで、それではこの監査委員会性格やあるいはまた構成につきまして、それでは一体どういう人を任命していくか、運輸大臣はですね。この点が明確でないですね、この規定では。
  60. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) その点は極めて重大な点でありまして、監査委員会仕事が先ほど申し上げたような仕事でございますので、慎重に人選に当らなければならないと思っておりますが、どういう人を充てるか、これは法律事項じゃございませんので書いてございませんけれども、実際の運用に当りましては、国鉄内部からだけではなしに、外部からでき得る限り人を得たい、かように考えているのでございます。
  61. 内村清次

    内村清次君 そこで私も先ほど言ったように、たとえば執行機関とは均衡を失するかもしれないが、大体同程度な委員任命をして、産業界、あるいはまた労働界というような方面、また交通業界から、そういうような方から任命をして、国民的な代表機関としての性格を幾らか持たせるというようなことにお考えはなかったのかどうか、こう考えているわけであります。
  62. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) その点につきましては、監査委員会仕事が、先ほど申しましたように、監査委員会としての機能でございまして、委員個々の方の監査機能は持っておらないのでありますと同時に、執行機関その他意思決定機関との振り合いを考えると同時に、いろいろ他の例をもしんしゃくいたしたのでありますが、さらに実体的にも、業務監査あるいは会計監査でございまするので、これらの深い経験と知識を持ち、公平無私な人にその組織体として動いていただく。従いまして、諮問機関と申しますか、そういったような相談に応ずる役目ではございませんで、みずからそういうことをいたしていただく組織体のメンバーでございますので、三人ないし五人といたしたのでございますが、これには先ほどお答え申し上げましたように、スタッフとしての事務局をつけまするので、その点において遺憾なく仕事ができると考えております。これをただ数をふやしますると、結局その監査委員会仕事の実体と合わなくなってくるおそれもございまするので、さように考えた次第でございます。
  63. 伊能繁次郎

    政府委員伊能繁次郎君) 私から、鉄道監督局長のお答えで十分尽くしておると思いますが、ただ基本的に大事な点は、監査委員会自体も日本国有鉄道の組織の一つであるということが、まあさいぜん来、そういう言葉では申し上げませんが、議決機関、執行機関、さらに監査の機関として監査委員会があるという建前から、議決機関としての理事会の体系、執行機関としての総裁、副総裁、技師長、常務理事運営の体系、さらにそれに見合った監査委員会の体系と、大体の組織内容というものを全部を一応にらみ合せた上でその機構を考えましたので、御指摘のように、実質的には広く国民的な監査の意味も含まれるということは申し上げましたが、形式的にはあくまで日本国有鉄道の組織の中のものであって、それは議決機関、執行機関とは独立しているが、あくまで国有鉄道自体の自主的監査のものであるという点を、一つ御念頭にお置きをいただきたいのであります。
  64. 内村清次

    内村清次君 そこで私も、実はこの監査機関というものが今回できた、そのできた由来においては、かねがね運輸大臣権限強化という問題も含まれておったのでしょう。あるいはまたは行政管理庁経営委員会に対するところの批判もあったでございましょう。あるいは答申もあったでございましょうが、ともかく今後執行機関執行機関性格から責任を持って経営の実体に当っていく、それをいわば能動的によくいたそうという感じから、この監査機関が、これは善意に解釈して、できたものであると思うのです。そうしてきますと、たとえば内部組織機関ではございますけれども、やはりこれは一つ権限としては、総裁にも報告をする。そうしてその総裁のですね、仕事運営についても、まあ何ですか、理事会運営についても、一応一つ、端的にいえば、御注意を申し上げますと、こういう形の線が出ているわけですね。そうしますると、やはり産業界だとか、労働界だとか、あるいはまた交通経験者だとかというような、こういう人たちからもやはり専門的な立場から批判をしてもらう、見てもらう、監査をしてもらう、こういうようなことが組まれて、そうして経営が実質的に向上して。いくように、発展していくようになっていくのが、運輸大臣が今回考えたことじゃなかろうかと思うのですが、これは善意に解釈しましてですよ。そうしたならば、私たちは、国民的な性格も入っているという観点において、人数の点がごく制限せられているということはどういうものであるか、こう思うわけですが、いま一つ意見を伺いたい。
  65. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 御意見のあるところも十分納得できるのでありますが、先ほど来御説明いたしておりますように、これは業務監査会計監査という、いわゆる専門の監査という仕事でございますので、やはりある程度専任の、専門でそういう監査できるような方の組織体ということになります。広く各般の意見を聞くというような構想にいたしますると、それは諮問機関の方へ近づいてしまう。で、これは衆議院の方でもいろいろ御議論がありましたけれども、こういう意思決定機関執行機関監査機関とあって、これが独善に陥らぬ運営あるいは国民国鉄としての運営をするには、外部意見を十分取り入れなきゃいけないじゃないか、こういう御意見に対しましては、私どもはこれは監査機関の問題ではございませんので、広く国民の声を国鉄業務運営に反映させるのには、やはり総裁部内の、広く外部の有識者を集めた諮問機関であろうかと思います。  この点は、経営調査会においてもそういった意味で、国鉄の重要性にかんがみて、広く国民の声を企業運営の上に反映させ、また重要事項についての国民の意向を聞く必要もあるから、総裁諮問機関として諮問委員会を設けることが適当であるという、経営調査会答申を出しておりますが、私どもも、国有鉄道も、この点には異存はないのです。こういった性格のものでございまするならば、十分御期待の線に沿える、まあこういった性格のものは、法律事項によるところの組織体の法律機関ではないものでございまするから、今回の改正法には載っておりませんが、総裁部内諮問機関として、これは置くということは、大体政府もこれを認めておりまするし、日本国有鉄道も置きたいと申しておりまするので、そういったものはそれにまかせておりまして、監査機関といたしましては、やはり業務監査会計監査の専門委員会というような思想で構成いたしておるのでございます。
  66. 内村清次

    内村清次君 で、まあ私たちはその諮問機関という問題はですね、これは別に考えておるんですよ。これは性格上、専門的に部内監査をやっていくと、そういう線の衝に当る方々だと思っておるんですが、しかしまあこの組織の中には、一体それでは監査委員方々は専任であるか兼任であるかということは明確になっておりますか。
  67. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) その点は、先ほど申し上げましたように、監査委員監査委員会として、その委員会の格好において活動せられるのでありまするので、専任でございます。
  68. 内村清次

    内村清次君 そうすると、この方々はやはりたとえばまあ各局に出向いてですよ、その執行機関責任体制に対しての監査をやっていく、こういう行動的な面もたしかにあるだろうと思えるのですが、そう考えられますか。
  69. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 監査委員監査委員会として行動されまするので、その下にまたスタッフとしての事務局がつきまするから、これにいろいろ資料その他の収集あるいは調査等をいたさせまして、また委員個々がいろいろと、合議体としての審議の必要上、調査せられることはあると思いますが、いずれも個人の資格においては監査をするということは起らないわけでございます。
  70. 内村清次

    内村清次君 そうすると、この委員会の事務局ということはですね、ただいま置くとおっしゃっておるんですが、これはまた確かに置かれるんでしょうね。これは法律の中にはございませんね。
  71. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 事務局は置きます。それは総裁のきめます内部組織でございまするので、法律事項でございませんので、ここには書いておりません。
  72. 平林太一

    ○平林太一君 これはこういう心配はないか。いわゆる私企業でない、いわゆる公企業である、こういうものに監査委員会というようなものを作るわけだから、いわゆる企業の行為というものはこれによって一つの障害になる、そういう心配はないか。監査委員会を作ることによって、得るということよりも、失うことの方が非常に多いというふうなことが憂慮せられるわけです。すでに部内においては、当然監督局長なりあるいは経理局長というものがそういうことに対して一つの使命を果しておるとわれわれは信頼することを前提として、これは考えられる。そうすると、こういうものができたことによって、何か国鉄企業形態、企業の成果というものが、これによって阻害せられるというふうな事態が起きてはこないか。めったに起きてこないと思うのだが、平生において何かこれは、一つのいわゆる企業の自由、そういうものを拘束されるというような事態がないかということを心配いたすのだが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
  73. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 御指摘の点は、監査委員会意思決定機関に対する指揮権、あるいは業務執行機関に対する指揮権を持っておりませんので、それらの行われたあとにおきまする業務監査でございまするので、御指摘のような御心配の点はないと存じております。
  74. 平林太一

    ○平林太一君 それでは、こういうようなものがことさら必要ではないのではないかということにもなるのですが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
  75. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) その点は、部内監察機関といたしまして現在監察局があるのでございますが、これは全く部内組織でありまして、部内職員でありますので、総裁がこれに対して直接指揮権を持っておるわけであります。そういったものから、若干これを、先ほど申しました趣旨に沿うように、監査委員会ということにいたしまして、意思決定機関業務執行機関監査機関と、こう並列さした部内監査機関でございまして、そういう意味において、監査の能率向上と申しますか、実効を上げるようにいたしたのであります。反面、また今御指摘のように、執行機関業務執行にかえってじゃまになってはいけませんので、その点については、監査委員会がこれらに対する指図権は持っていない、両者がよく実際の運用で、部内でお互いに尊重しあって相提携して参れば、組織的にはこれが一番いい組織ではないかと、かように考えた次第でございます。
  76. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、この総裁のいわゆる権限下にある部内監察制度、そういうものに信が置けないというような事態がここに出てくるわけだが、そうなると、行政全体のこの監察機構なり機関というものに対して非常にこれは考えなくちゃならぬということに相なるが、その辺の限界はどういうふうに御説明なさるのか。
  77. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 今も御説明申し上げました監察局が部内組織であるということは、これを現在までの実績が信が置けないという意味では絶対にないのでございまして、制度上そうあるものより、今御説明申し上げたものの方が公共企業体で適当である、こういうことから出てきました一つの機関でございます。なお、この政府の持っております監察なり監査機関と申しますものは、公共企業体というものに対して政府立場からこれをあるいは会計検査し、あるいは行政監察するという立場を持っておりまして、政府の行政機関でございますので、行政行為に必要な限度において政府としていたすわけでございまして、一方この新たな監査機関は、国鉄内部機関部内監査でございますので、その点おのずから筋合いが違って参る、かような制度に相なっておるのでございます。
  78. 平林太一

    ○平林太一君 この改正法の趣旨説明の中に、「内部監査のとかく陥りがちな弊を防いだわけである」という、この内部監査の弊というのは、具体的にどういうことが心配されるのか、また何が対象になるのか。
  79. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) これは在来のような部内機構でございますと、監査としてのやはり専門独立の監査能力を持っておりませんので、とかくその権限が明確を欠くために、監査として十分なる実を上げ得ない、こういう意味でございます。
  80. 平林太一

    ○平林太一君 そういうことになると、これはますます明快でない。いやしくも監査というものは、そういう性質のものでは僕はないと思う。いわゆる監査というものは、非常に緻密なものであり、それから冷厳なものであり、厳格なものである。それが行われないものだから、この監査委員会というものを別に設けるのだ、今の御答弁のその裏はそういうふうになるが、その点はどういうふうに御釈明されるか。
  81. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 現在の監察局のような制度だけでは、内部監査ということは、今申し上げた御説明によって、不十分であると考えまして、これを内部機関ではあるが、その委員運輸大臣の認命制にし、さらに運輸大臣監督上特に必要と認めたときはこれは特命監査がやれるようにもいたしまして、この日本国有鉄道という業務の重要性から、その能率が上っているかどうか、また会計の経理が部内としてどうであるかということを監査するために、監査機関部内として独立さしたわけでございます。
  82. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、従来運輸大臣は特命監査等をすることができなかった、そういうことはどういうことなんでしょうか。
  83. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 先ほど御説明いたしておりますように、運輸大臣がいたします監査は、政府機関として日本国有鉄道に対して持っておる監督権の範囲において監査するわけでございまして、在来は運輸省みずからが監査いたしておるのであります。今回は日本国有鉄道の内部の監査というものの監察局の機能を、機構的にこういうふうに整備充実いたしたのでありまして、こういう制度ができました上は、これをさらに政府としても利用する道を開いた、こういうわけでございます。
  84. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、何かこれは外部に対する一つのゼスチュアである。とかく国有鉄道が近年批判を受けておる。だから、それに対して何か一つの、監査ということに対して、ことさらこれを表に打ち出して、そうしてそれを何か形式的なものを作って、そうして従来とやはり異ならないことを続けることに対しての一つの安全弁を作った、こういうふうにもこれは憶測せられることですが、憶測のみならず、そういうような性格にこれはなってくるんじゃないか、かように思いますが、その点どうでございますか。
  85. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) その点は、先ほど申し上げましたように、現在の日本国有鉄道法におきましても、組織におきまして経営委員会がございまして、その経営委員会意思決定機関であるとともに、監査機関的な機能、また外部意見を反映する諮問機関機能を持っておるのでありますが、これではとかく明確でなく、あいまいでございまして、運用上も実績が上りません。公共企業体というものはやはり国民国鉄でございまするので、この運営が正しく行われるとともに、能率的に行われ、また国民期待に沿わなければなりませんので、まあいろいろ他の公共企業体の例その他をもしんしゃくいたしまして、公共企業体のあるべき組織の姿としては、意思決定機関業務執行機関監査機関というものが確立さるべきである。現在までの組織の不備を補いまして、公共企業体の組織としての完壁を期する上に考え出した仕組みでございます。
  86. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、現行法ではこれは従来の経営委員会がやっておる、やるようにこれは処理してあったわけですが、経営委員会が今日まで存立している問に、監査行為に対してはどういうような事例があげられるか、事例を申してもらいたい、経営委員会のですね。全然していなかったのかどうか。
  87. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 従来の経営委員会は、御承知でございまする通り、五人の委員総裁がなっておりまして、やっておりますが、名誉職でございまして、非常勤でございます。週に一回合議体としていろいろ合議をいたしておりますが、いろいろ重要な事項の議決をする以外に、いろいろ業務運営について意見も申されております。この監査のような機能がそういった格好で行われておりますが、これは今までのところ、制度としてはいいのでございますが、先ほど御説明いたしましたように、諸機能が相まざっておりますのと、常勤でございませんので、どうもその実績が上らなかった。これを発展的解消といいますか、より組織としてりっぱな機能を果せるように、今回の改正案をここに御提出いたした次第でございます。
  88. 平林太一

    ○平林太一君 それはそれでいいが、今僕のお尋ねしていることは、経営委員会が、創立以来今日まで、監査行為として取り上げられたものがあるかどうか。それからそういうことを経営委員会のいわゆる使命として相なっておるわけであるから、それだから、そういうことをいたしたはずであるが、それはどういう事例があげられるか、こういうことです。
  89. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 経営委員会は、今御説明いたしたようなことで、経営委員会としての役割は十分果しておられますが、今回予定いたしましたような監査機関的な機能というものはあいまいでございますので、若干御意見等は出ておりますが、明確に監査機関機能を果したという事例はございません。
  90. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、現行法では第十条の第二号に決算というのがあげられておるが、そういうお話であれば、経営委員会は決算というものは全然していないのですか、今まで。
  91. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 経営委員会としての第十条第二号の決算の議決はやっておられます。
  92. 平林太一

    ○平林太一君 決算の際に、そうすると——非常に今年の当然値上げをしなければならない鉄道運賃が値上げができなかった。そういうことが非常なきびしい批判の一つのあおりになって、それが政治的にできなかった。そういう事態は、たとえば公共企業体である電電公社は政治的に措置されておる。それがはっきりいたしたことだが、非常なこれはいわゆる国鉄自体の不信が災いをなしておる。それで経営委員会は、決算ということはどういう意味であるかということはお考えになればわかるが、そうすると、決算ということについて何らしていなかったということになる。決算に対しては従来みなそれを承認することのみで、そして障害があることは発見しなかったのか、発見してもそういうものに触れなかったのか。そういうふうにこれは解釈できるのですが、どうでしょう。
  93. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 経営委員会につきましては、毎週開いておりまして、予算、決算は提出してございますし、その他の重要事項の御審議も逐一やっていただいておるわけでございます。ただし、その決算につきましては、これは運輸大臣にも提出いたしますし、国会にも提出いたします。その事前におきまして経営委員会に御承認を願っておる次第でございます。
  94. 平林太一

    ○平林太一君 それはその通りでよくわかるが、僕の聞いているのは、決算において、いわゆる端的にそういうことは言いたくないのだが、会計検査院の批難事項とかあるいは不正事項、不当事項、こういうふうにそれぞれ摘出してあるわけです。決算というものはそういうことが目的であり、実は、いいことだけをそのままで済ましたのでは、決算なんというものはない。だから、そういうものが従来経営委員会で摘出されたものがあるかどうか、こういうことです。それができないくらいであれば、今度これをやっても、監査委員会を作りましても、およそ見通しというものがつくわけです。そういう点を僕はお尋ねしておるわけです。
  95. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 先ほど鉄監局長の答弁の中にございました通りに、経営委員会国鉄の全部の業務経営につきまして意思決定をしていただきますので、どちらかと申しますれば、監査ということが御専門じゃないような建前になっております。従いまして、業務全般の事柄につきいろいろ御検討の上御決定していただくのでありまして、特に監査という点に重きを置かれた機関ではございませんでしたが、今回この法律におきましては、ちょうど株式会社におきまする監査役のような、監察あるいは監査ということが専門で監査委員会ができたという意味の条文が入ったと存じまするので、こういうほんとうに監査、普通の民間会社でいいますれば監査役という監査専門の機関ができますれば、また国有鉄道の決算あるいはその他の会計につきまして御検査がさらに行き届いてできる機構になると、かように感ずるのであります。
  96. 平林太一

    ○平林太一君 御真意はよくわかるのです。決算の問題については、われわれが考えておる決算に対する考え方と、非常にお考えが違っておる。ただ、今回は経営委員会はこれでいわゆる発展的解消を示すのですからいいのですが、しかし、それはこの決定事項の中に決算というものが一つ事項としてあげられておるにもかかわらず、私のお尋ねすることに対しては、それが御即答ができない、こういうことで、この点はそれ以上追及いたしませんが、しかしそういうことは、言外に今度の監査委員会に対する一つの示唆を与えておる。だから、これを端的に——行政の簡素化は国のいわゆる一般行政においても、今日非常に重大な事柄として取り上げられておるわけなのです。理事会が、今度の現行法によって新してこれが制定せられた。だから、理事会の中に一つ監査を行使する事務局というようなものができて、その中でやらしておることの方が、実は私の方から考えれば、正直だと思うのです。同時に、その方が権威があるわけです。単なるそれが人を並べた、そしてそういういかにも厳重な監査をしておるのだというような形式によって、一時を糊塗弥縫するというようなことの弊害に陥らない、こう思う。だから、この委員会に対しては、委員会の活用、運用というものが大切になってくるので、それを今あらかじめ御注意申し上げておくわけだが、そういうことに対して、これは局長よりも副総裁から一つ、御答弁を承わることが適当だと思います。
  97. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) 国鉄におきましては、各方面の御注意あるいは御批判もございましたので、新たに監察局を設けまして部内業務全般について監査させておりまするが、これが先ほどから申し上げましたように、内部機構でございまして、外部から見ますと、意思決定機関、それから業務執行機関に対しまして、一段落ちるような格好になっております。それで、やはり業務と申しまするものは、権能の裏付がないと十分な仕事もできない。それからまた鉄道のような大きな機構になりますると、ますます監察関係の権威というものが尊重されなければいかぬということがやはり常識ではないかと、かように考えておる次第でございまして、この意味におきまして、やはりしっかりした監査制度を確立するということが国有鉄道に課せられた一つの課題であるという意味合いで、この御改正が提案されたものと存じます。  それで、先ほど先生が御指摘、お話しになりました屋上屋を重ねるか、あるいは業務の渋滞になるのではないかという御意見もございました。やはり企業といたしましては、監察制度というものがしっかりいたしましてこそ、初めて業務執行機関も緊張し、できるだけ非違がないばかりでなく、反面能率をあげるということにつきましても、さらに一段拍車をかけられることと存じまするので、この制度は私どもにとりましてもけっこうな制度だと、かように考えておる次第であります。
  98. 平林太一

    ○平林太一君 非常に善良な、寛容にお考えになっておる副総裁のお気持ち、よくわかるのですが、それで僕の心配することは、やはりこういうものが出ることは、今企業には差しつかえない、こういうことのお話ですが、これはやはり一つ経営であるから、こういう事態はいずれも今日あまり効果を上げていない、他の企業に対して。ですから、いわんや、われわれは公共企業体としての国鉄に対しては満腔の信頼、信用度というものを持っているわけですから、どうか現在ある制度下における部内の監察制度として、その使命を十分に総裁、副総裁、局長は果し得られるもの。もしそういうことが若干いけないというのであれば、従来の経営委員会は、決算ということで全然そういうことをしていなかった。それだから、実は経営委員会というものは無能だということで廃止になった実際の一つの事例から見ましても、今度の理事会はそうでないと思います。だから、理事会一つの事務局に独立したそういうものをお持ちになっておる方が、かえって総裁以下——新しい現行法による理事というものは、国鉄における最高機関に相なるわけであります。それでやはりそのように心配しているのですが、それを十分一つ考慮に入れて、これが形式倒れになってしまわないことと、それからその反面には、この監査委員会がいわゆる非常な国鉄の重要な運営の上にかえって支障を来たすというようなことのないように、十分御注意をいただきたいということを申し上げておきます。  それで、最後に、事務局についてですが、監査委員会の数は三人ですか、その事務局というものは幾人ぐらいの御予定になっておるか。監査委員会の事務局ですね、これが実際にはこれらの仕事をしているわけです。今予定しているのは……。
  99. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) お答えいたします。今度下部機構として予定しております監察局は、現在四、五十名の程度でございます。で、この法案が通りますれば、いろいろこれに伴いまして諸般の機構を整えなければなりませんので、その際には監査委員の方の意見も伺いまして、下部機構を充実していきたいと存じます。  また、ただいま先生がおっしゃいました通りに、この御意見を尊重いたしまして、監査委員会につきましては、理事の側もよく連絡をとりますし、また監査委員の御指摘も十分尊重いたしまして、実際の運営につきましては万遺漏なきを期して参りたいと存じます。
  100. 平林太一

    ○平林太一君 今の御答弁で大体わかりましたが、今御答弁をなされた四、五十人というお話ですが、これは独立して四、五十人の新しいいわゆる事務局のへ事の採用をなさるのか、あるいは現在国鉄部内にある監察事務の担当者の一部にそれを兼務させるのか、その点を、これ以上私の方から質問をしませんが、それを承わっておきたい。  それから四、五十名ということで、国鉄は二千五、六百億円を予定しておるが、そういうものに対してそれで事足りるかどうか。四、五十名のもので、それがもし兼務であったということだったらば、ことさらそれはそういう使命を果し得ないということを一応お尋ねして、そして作った以上はやはり成果を上げなくてはならないのだから、その点を明らかにされて、そしてその使命を達成せられるためには、あえて五十人が百人になっても、その点は十分そういうことにしなくちゃいけないわけでありまして、その点を一つ明確に伺っておきたい。
  101. 小倉俊夫

    説明員小倉俊夫君) ただいまございます監察局の職員は全部専任でございますので、監査委員会ができましてその下部機構にするということになりますれば、やはり専任ということになるのでございます。また人数その他につきましては、十分先生の御注意の線に沿うようにいたしますし、また監査委員会は、政府の、運輸大臣任命でもございますので、運輸省の意向も十分伺いまして、下部機構につきましては十分な人員も配置し、その機構が完全に動くように措置いたしたいと、かように考えております。
  102. 早川愼一

    早川愼一君 ちょっと一言。現在国鉄の中に常務理事というものは置いておられますか。それは何人ですか。今度の新しい機構とやはり同じような格好になるのですか。その点を一つ伺っておきたいと思います。
  103. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 現在の常務理事と今回の改正法によります常務理事とは、全くその性質を異にしておりまして、今回の改正法によります常務理事は、理事会理事のうちから業務執行に当るものを総裁任命いたしまして、役員でございまして、職員ではございません。ただいまの常務理事はこれは職員でございまして、現在は二名下ございます。
  104. 早川愼一

    早川愼一君 その理事会の組織が、総裁、副総裁、それから理事のうちから技師長、常務理事、技師長は一人ですが常務理事は若干人と書いてありますが、ちょっと十名という範囲内で常務理事が何人必要なのか知りませんが、せっかくこういう組織立ったものができておって常務理事が非常に多いということになりますと、何か組織自体に若干人と書いてあるというところに疑点を持たれやせんかという気がしますが、一体どういうお考えで若干人というふうになっておるか、その点を確かめておきたいと思います。
  105. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 御指摘の点はごもっともでございまして、理事会理事と、意思決定機関理事と、業務執行機関理事とは、その職能を異にしておりますし、この常務理事がきわめて多数になりますることは、合理的、能率的な運営、その所掌事項においても非常に複雑に和なりまするし、従いまして、ここでは理事のうち若干名と書いておりまするが、これはなお私どもの方もよく日本国有鉄道と打ち合せをいたしまして、比較的——この十名というような全部とはもちろん考えておりません。ごく少い若干名でなければならないのではないか。ただ、これを具体的に何名ということまではまだ検討をしおえておるわけではございませんので、若干名程度を業務の能率的運営に合せて任命するようにしていきたい、かように考えております。
  106. 早川愼一

    早川愼一君 なお、五十一条の運賃の設定及び変更について、これは大臣なり総裁に御意見を伺った方が適当かと思うのですが、これは何か、たしか国有鉄道経営調査会答申案には、運賃決定機関を別個に設ける、すなわち現在の規定のように、国会が運賃決定するのでは非常にその経営上合理的、能率的にいかぬという意見が、たしかあったように記憶するのですが、これが特に改正せられない理由をお伺いしたいと思うのですが、今政府委員の方でお答えになる点があったら、承わっておきたいと思います。
  107. 權田良彦

    政府委員權田良彦君) 運賃の決定機構につきましては、御指摘通りに、臨時公共企業体合理化審議会の答申にもございましたし、今回の経営調査会答申にもございましたが、国会が直接その決定を行うことをやめて、政府部内に運賃決定のための特別の審議機関を法律によって設け、その議を経た上で、政府がその責任において決定する方が適当である、という御答申をいただいておるのでございます。この御答申の線につきましては、政府部内におきましてもなお慎重に検討を続けておるところでございまして、実はいまだその結論を得ることができなかったのでございます。これは財政法、運賃法等の将来の改正として、いろいろ事務当局でもなお今慎重に鋭意検討を進めておりますので、いずれその結果を待った上で、それぞれの法律改正を要すればその手続をいたしたいと思っておりますが、ただいま何せ結論が出ておらないものでございますので、この今回の組織改正その他には入れなかった次第でございますが、今後とも早急に鋭意結論を得るようにいたしたいと思って、努力中でございます。
  108. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時三十八分散会