○早川愼一君
道路運送法の一部を改正する
法律案に対する修正案について、その提案の理由を御
説明申し上げます。
自動車による
貨物運送の発達が
わが国の産業
経済の発展に寄与して参りましたことは、けだし人なるものがあり、将来も
貨物自動車に期待されるところが多いのでありますが、それは秩序ある正常な
運送体系のもとにおいてのみ健全な発達が期待されるのでありまして、現在のごとく一部自家用
貨物自動車使用者が
営業類似の行為をなし、輸送秩序を乱しております実情におきましては、とうてい
貨物自動車
運送の正常な発展は望めず、これは
わが国産業
経済の将来に対しても悲しむべきことと思うのであります。
従って、この輸送秩序の確立につきましては、つとに政府
当局においてもその対策につき腐心されておることは承知しておりますが、何分にも、もぐりの自家用
貨物自動車の捕捉が困難なるのみならず、違反をとらえました節も、逃避しやすい、現行制度のもとにおきましては、自家用
貨物自動車の不適正使用は残念ながら跡を絶たない始末であります。これに悩まされるのは、ひとり正常な
貨物自動車使用者のみならず、産業界も、
監督される政府
当局も、ひとしく有効な対策の案出に苦慮されておると思うのであります。
今回政府提案の
道路運送法の一部を改正する
法律案中にも、その思想の一端がうかがわれるのでありますが、この
法律案に規定されておりますのは、無償の名のもとに行われる不当行為の取締りでありまして、もぐり自家用
貨物自動車の実態を把握して、これの防止に役立つものとは思えません。
よって、ここにもぐり自家用
貨物自動車の絶滅を期し、輸送秩序を確立するため、この修正案を提出した次第であります。
修正案の内容を簡単に申し上げます。
自家用
貨物自動車に対する
届出制を認証制に改め、実情把握を明確にし、自家用
貨物自動車使用者の正常な使用を期待いたしますとともに、不適正な使用を防止しようとするものであります。
この認証制を設けましたことは、悪徳、不正なもぐり自家用
貨物自動車に対する
措置でありますので、正常な自家用
貨物自動車がこれによって不測の不利益を受けないように特に配慮いたし、認証の申請に当りましては、形式的要件を整えましたものはすべて認証いたすことは、ただいまの
届出制と同様にしてあります。現行と異なりますおもな点は、もぐり行為をいたしましたときでありまして、このときその悪質なものは認証を取り消し、自動車の検査証の返納をなさしめることにいたしてあります。これは違法行為者に対する制裁でありまして、これによって、もぐり行為を企図しておりまする他の悪徳自家用
貨物自動車使用者に反省を促し、輸送秩序の確立を期せんとするものであります。
以上修正案提出の趣旨並びにきわめて簡単にその大要を述べましたが、要するに、もぐり自家用
貨物自動車に対する
措置となすとともに、従来よりも実態の把握を正確にし、正常な自家用
貨物自動車の適正な使用を期待するものであります。その正当な行使の自由を不必要に制限しようとするものではありません。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。