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1956-03-22 第24回国会 参議院 運輸委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十二日(木曜日)    午後一時五十七分開会     —————————————   委員の異動 本日委員山縣勝見君、木島虎藏君、三 木與吉郎君及び高木正夫辞任につ き、その補欠として田中啓一君、石坂 豊一君、新谷寅三郎君及び森田義衞君 を議長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     左藤 義詮君    理事            仁田 竹一君            早川 愼一君    委員            有馬 英二君            石坂 豊一君            岡田 信次君            川村 松助君            新谷寅三郎君            田中 啓一君            一松 政二君            平林 太一君            内村 清次君            大倉 精一君            森田 義衞君   国務大臣    運 輸 大 臣 吉野 信次君   政府委員    運輸政務次官  伊能繁次郎君    運輸大臣官房長 朝田 靜夫君    運輸省船舶局長 山下 正雄君    運輸省港湾局長 天埜 良吉君    運輸省鉄道監督    局長      權田 良彦君    運輸省航空局長 林   坦君    運輸省観光局長 間島治郎君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省港湾局港    政課長     中野  大君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○空港整備法案内閣提出、衆議院送  付) ○臨時船舶建造調整法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○旅行あつ旋業法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○運輸事情等に関する調査の件(港湾  運送事業に関する件)     —————————————
  2. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 運輸委員会開きます。  まず、委員変更を申し上げます。三月二十二日本島虎藏辞任石坂豊一君新任、同じく山縣勝見辞任田中啓一補欠選任、同じく高木正夫辞任森田義衞補欠選任せられました。     —————————————
  3. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、空港整備法案議題といたします。  前回に引き続き、質疑の御発言を願います。
  4. 林坦

    政府委員林坦君) 前回十五日の御審議に際しまして委員長から御質問ございました点につきまして、私の答弁が多少言い足りない点があったかと存じますので、若干補足さしていただきます。  空港設置等につきまして、現地の人々との間に何か予想されるいざこざが起ったような場合、その対策はどうだというお尋ねに対しまして、私といたしましては、空港設置現地の希望に基いて行うものでございますので、そのようないざこざ話し合いで解決していきたい、また解決できると信ずると申し上げたのでありますが、その節、委員長から、国家的見地から空港を整備しようとするような場合に起ることあるべきいざこざの解決につきまして、空港整備法中にそのための何か規定が必要なのではないか、こういうこと、及び今言ったような話し合いで解決するということは見通しが甘いのではないかというような御質問炉ございました。御質問の点につきましては、実は別に航空法におきまして必要な規定があるのでありまして、私はそれを前提としつつ、現地でのいざこざをあくまで話し合いで解決していきたい、こういう所信を申し上げたのであります。  前提となっております航空法規定につきまして、若干補足いたします。まず、飛行場設置しようとするときは、航空法規定に明らかなように、設置者はその予定敷地につきまして、所有権その他使用権限を持つか、またはこれを強くできる確実性がなければ、飛行場設置はできませんので、予定敷地内に他人土地があるというようなとき、これと話し合いの上買収あるいは賃借りを行いまして、またはその予約をするわけであります。従って、敷地内における他人土地の問題は、おおむねこの話し合いの段階で解決されるわけであります。しかしこの土地飛行場の用に供することをどうしても承知しないというような所有者のある場合に、航空法附則によりまして、土地収用法規定が適用されることになっておりますことは、先般申し上げた通りでございます。なお飛行場の周辺の土地あるいは物件所有者等との関係につきましては、航空法規定にやはりよりまして、損失補償またはこれらの土地物件買い取り請求規定航空法にあるわけであります。  御質問の点につきましては、以上のように、航空法の中にそれぞれ必要な規定が整備せられておりますので、この空港整備法案におきましては、あらためてこれらの規定を設ける必要がないと存ずるのであります。ただ、先日も申し上げました通り、法的に整備されているからといって、直ちにこれを振り回すというような意味でなくて、あくまで現地の方々との話し合いによりまして問題を解決してゆきたいと考えておる次第でございます。     —————————————
  5. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑のお方は御発言を願います。
  6. 岡田信次

    岡田信次君 私はこの前だいぶ伺いましたから、ただ一点伺いたいのですが、この法律施行されてから、建造許可を申請してこれを却下したというか、断わったというのは、どのぐらいありますか。
  7. 山下正雄

    政府委員山下正雄君) この法律施行されましてから、却下した例は実は比較的少いのでございます。例といたしましては、川南造船所から申請しました輸出船舶につきまして却下した例が一例ございます。しかしそのほかにもあるかと思いますが、実は私記憶しておりませんが、実効上、こういう建造法がありますために、輸出船舶につきまして相当程度造船所の方が実益をおさめたという点はございます。
  8. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると、ただいま言われた川南造船所の却下した理由ば、どういう理由で却下されたのか、それからまた施行以来どのくらい建造許可を申請したのか。
  9. 山下正雄

    政府委員山下正雄君) 川南造船所の例は、御説明申し上げますと、造船所設備がその船をやるのに現在のところ非常に不適当なところである。それをやりまするには相当程度造船所設備の手入れをしなければならぬ。それからしかもその船の資金計画につきまして相当程度調査いたしましたところ、ある程度無理があるのではなかろうかというような結論からいたしまして、これを許可をしなかったのが実情でございます。  それからこの臨時船舶建造調整法施行されまして以来、許可いたしました船の数でございますが、国内船につきましては、計画造船といたしまして合計六十三隻、五十五万九千トンあります。それから計画造船以外に六十九隻の二十万九千トンございます。国内船といたしまして合計いたしまして百三十二隻の七十六万八千トン、それから外国船といたしまして二百十六隻の三百十七万六千トン、総計いたしまして三百四十八隻の三百九十四万四千トンというものでございます。
  10. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると、初めのただ一つ却下した例も、あまりこの法律の精神とは違うような気がするし、そ即からだいぶたくさんの数の船を許可しておられるので、特にこの法律をさらに延ばす必要があるかどうかということについて、新たなる疑問炉出てきたのですが、その点、この法律を延ばす必要性について伺いたいと思います。
  11. 山下正雄

    政府委員山下正雄君) ただいまの御質問は船をたくさん許可をしておって、そのうちでこれを不許可処分にしたというのは非常に少いので一はないか、従って、この法律があってもなくても、同じことではなかろうかというような御質問だと思うのでございまするが、実は計画造船につきましては、海運造船合理化審議会のうちに、船型部会設計仕様部会二つ部会を作りまして、そこで船のあるべき形と船の艤装その他につきまして、こうあった方が望ましいというようなことを、専門家が集まりましていろいろ検討いたしてきめております。従いまして、計画造船につきましてもそういうような基準を持たれて、船の設計というものをしてもらう。出てきましたいろいろの計画につきましても、一々いろいろそういうおきめ願った案に基きまして審査をいたしまして、そうして船の合理化をはかっていく。たとえば十一次造船におきまして、数字は今はっきり覚えておりませんが、総額におきまして一億何がしかの資金のセーヴをいたしております。また外国船につきましても、造船所外国船会社契約いたしまして、その契約が相当古い契約であって、しかも船主オークションによってこれをやらなければならぬというような場合がございます。このときに、私ども現在の鋼材その他の事情からいたしまして相当安いというように見込みました場合には、船主に一々来てもらいまして、非常に安いように思うがというような話をいたします。もちろんこれにはそのうしろ建造許可というような武器があるということが一つの大きな船主に対しての、まあ何といいますか、もし自分の方が強く主張し過ぎて船の建造許可にならないというような場合には困るということもありますし、私どもからいろいろ鋼材その他の事情を話せば了解してくれるというようなこともあるかと思いますが、それらのことによりまして、船主の方が相当船値段を上げたという例があります。  それからもう一つは、日本造船所で作ります輸出船につきまして、外国船主からは強く外国機械を入れてくれという要求があるわけでございます。しかし私どもとしましては、国内で作る船でございまするから、なるべく国産の機械を多くこれに入れてもらうのを当然希望するわけでございます。そういうような場合に、やはり建造許可というのがありました場合に、こういうような行政的指導の面が割合にスムーズにいくというような点がございます。そのほか、まあ今申しました例は、先ほど申しましたように、一例でございますが、行政指導によりまして申請の取り下げをしてもらったというような例は若干あります。
  12. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると、今の外国船だけに建造許可制をしいて、国内計画造船その他はやめてしまうのですか。大体さっきのを伺っていると、能率のいい船を合理化審議会でいろいろ研究しておると言っておられますが、とにかく一隻何億とするのですから、船主の方がよほど、どういう船が能率的であるか、どういう船が現在の世界の海運界にあれするかということは、私はむしろ運輸省より、あるいは合理化審議会より、当然考えておると思うのです。ですから、それをこの法律を延ばす理由一つにするのはおかしい。だから、まあ輸出船については、いろいろエンジンの問題、その他いろいろ契約問題等もありましょうから、これはしばらくあれするとして、国内船に対してはこういう臨時船舶建造調整法なんというのはやめたらどうですか。
  13. 山下正雄

    政府委員山下正雄君) もちろん基本的には船主が、自分の船を作るのでございますから、十分研究して船を作るのが当然であり、またそうしておると思います。しかし私ども長年船関係仕事をやっておりますと、必ずしも船主というのは、そのときの勢いにまかせて船を作るケースが間々あるわけでございます。たとえば太平洋において自分の船がどうしても一番早くアメリカへ着く、いわゆるブルー・リボンを取りたいと思ったときには、船の経済性を無視してまで無理な船を作るということがございます。また船会社にも相当機械エキスパートがおるわけでございますが、しかしこのエキスパートが必ずしも時代の流れというものを早く見まして、先のものに対して深い研究をしておるかと申しますと、必ずしもそうではございません。従いまして、私どもとしましては、この行政の面としましては、当面の問題もさりながら、やはり先のことを十分考えるというのが、やはり結局技術行政一つのあり方だと思っておりますから、そういう見地からいたしまして、船会社意見は一応私ども十分聞きまして、しかしこういうようなケースも考えられるから、こういうふうにした方がいいではないかというようなアドバイスをいたしております。現に先ほど申しましたように、ある船会社が非常に速い船を作ったのでありますが、ところがその船は重油をたきますタービン船でございまして、その当時ディーゼルにしましても、ディーゼル機関に使いますディーゼル油とボイラーにたく油とは相当値段開きがございまして、この程度開きであれば、タービン船にそういうような安い重油を使った場合にディーゼル船に比して十分経済的に成り立つというような観点から、作ったことがございます。ところが、その後技術が進みまして、ディーゼル船においてもむっと低質の重油を使い得ると、こういうようなことが研究をされましだ結果、その先ほど作りました悪い油をたくタービン船ディーゼル船に比して非常に不経済になったという例もございまして、まあそういう面におきまして、私どもはやはり許可制むとに業界指導と申しますか、注意と申しますか、そういう点につきまして健全な海運界並び造船界が出発していけるようにいたし、従いまして、必ずしも国内船につきましても計画造船は要らないということにはならないと思います。
  14. 岡田信次

    岡田信次君 最後にもう一つ伺いたいのですが、今度は三十六年三月三十一日まで延ばして、四年間延ばすのですね。これはいわゆる計画造船と期間が合っているのか、それから三十六年の年度末になったときに、その先はどうなる見通しか、この点を伺いたい。
  15. 山下正雄

    政府委員山下正雄君) 今後計画造船がいかように進められるかは、今後のいろいろ問題があると思いますが、一応私どもとしましては、先ほどきめられました自立経済五カ年計画の線に基きまして、そのときまでは計画造船というものはあるであろうということを想像いたしまして、そのときまで延期をお願い申し上げたいと思います。それからあとの問題でございまするが、これはやはりそのときになりまして、日本造船業が、または日本海運業がどういうような形になるかというよう血ことをよく見きわめまして、その上でさらにこの法律変更をお願いするなり、または廃止を決定するなり、そのときによってまたいろいろお願い申し上げたいと思っております。
  16. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) なお質疑の方はございませんか。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  17. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記をつけて。  委員変更を申し上げます。三月二十二日、三木與吉郎委員辞任新谷寅三郎君が補欠選任せられました。     —————————————
  18. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、空港整備法案議題といたします。
  19. 大倉精一

    大倉精一君 運輸大臣に参考までにお伺いしておきたいのですが、今日本自衛隊の増強について、大体空軍を主力にして、空軍を重点にして国防力を増強しようというような御方針のようでありまするが、この今度の法案は、当然この空港の新設ということは、これは国防——いや別法律でおやりになっておると思うのですが、空港の将来の設置、いわゆる一般民間空港の将来の設置について、将来の日本の防衛庁ということについての考慮を払われて、その配置というものを考えられておるのかどうかということについて、一つだけ伺っております。
  20. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 私に関する限りにおきましては、そういったような、自衛隊関係のようなものば全然考慮に入れてございません。ただ、この法は、つまり国内の方の航空路というものをこれから整備したいということでありまして、あるいは今お話のようなことがかりに将来あれば、これは将来の問題としてそういう問題は起るかもしれませんけれども、今のところ全然そういうことの協議にもあずかっておりませんし、私としては全然それを考えずにこれをやっております。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、将来そういうような問題については、民間ののいわゆる空港配置ば別に考えていくということは、あるいは民間空港自衛隊、いわゆる軍の空港ですね、これと兼用する場合もある、そういうことも考えられると思うのですが……。
  22. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 具体的にそういうことがあるかもしれませんです。あるかもしれませんが、今主として考えております国内航空路の方は、ごく小規模のものになっておりますので、かえってそういうものを二つに使っては工合が悪いと思うのです、今私ども計画しておりますものは。それですから、遠い将来のことは存じませんけれども、私ども計画としましては全然考慮しないと申し上げてよろしいかと思います。
  23. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。
  25. 大倉精一

    大倉精一君 前にちょっと私申し上げておいたのですが、港湾局長緊急質問をしたいと思うのですが。
  26. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 今呼んでおりますから……。  それでは、本案については質疑も尽きましたので、これより討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) それでは、これより採決に入ります。  空港整備法案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  28. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。     —————————————
  29. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案議題といたします。  別に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  32. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第百四条による本会議における口頭報告内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他事後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  それから報告書には多数意見者署名を付することになっておりますから、両案を可とせられた方の順次御署名を願います。   多数意見者署名     仁田 竹一  早川 愼一     有馬 英二  石坂 豊一     岡田 信次  川村 松助     新谷寅三郎  田中 啓一     平林 太一  内村 清次     大倉 精一  森田 義衛     —————————————
  34. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案議題といたします。  ちょっと速記とめて。   〔速記中止
  35. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記を始めて。  旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案について質疑のある方は御発言を願います。
  36. 岡田信次

    岡田信次君 大体この旅行あっ旋業取締りというか監督というか、これは具体的にどういうふうにやっておられるのですか。
  37. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 旅行あっ旋業法監督内容でございますが、この旅行あっ旋業法による権限は、法律とそれから政令ないし施行規則によって、一般旅行あっせん業と申します外国人並びに日本人を取り扱う旅行あっせん業者に関する権限は一切運輸大臣が持っておるわけでございまして、それから普通の邦人旅行あっせん業者の大部分は、これは地方都道府県知事に委任してやる。それから定期路線を持つ運輸業者旅行あっせん業をやりまず場合には、これを陸運局長あるいは海運局長にそれぞれ権限を委任してやるわけでございます。それから監督内容といたしましては、まず料金につきましては、料金をあらかじめ届け出でなければならないということになっております。もしその料金が不当でありまする場合には、運輸大臣あるいは都道府県知事あるいは陸海運局長がこれに対して変更命令を出し得るということになっております。そうしてこの料金につきましては、個々の場合の料金を一々あげることは、あらかじめ定めて届け出でることは非常に困難でございますので、最高のあっせん料率というものを届け出てさしております。たとえば一つ旅行を主催いたします場合に、宿泊費交通費を合せました実費に対しまして何パーセント最高取るかという料率届け出でさせておるのであります。この届け出でた料率によって取らなければならない。それ以上取った場合は違法になるわけであります。  それからこの法律自体は無登録業者を撒くして、一切の業者登録させるということが主眼でありまして、また登録業者が不正な行為をすることを取り締ることを目的にしておるのであります。それにつきましては実は今度のこの法律改正一つ主眼にもなっておりますが、現在そういった事態がありまする場合には、報告を徴することができるというだけに相なっておるのであります。でございますので、一応業者から出ました報告をもとにいたしまして審査いたすわけでありますが、これが必ずしも現行法ては十分目的を達することができませんので、やむを得ず今度の改正法には、ある程度立ち入り検査並びにその場所て関係者質問し得ることができるというふうな、監督内容を追加いたしておるような次第でございます。  それから無登録業者取締りでございますが、これも現在われわれの推定では全国に大体四百くらいあるのではないかというふうな各方面からの報告を受けておりますが、実態がなかなかつかみがたいのでございます。果してこれを営業として継続的にやっておるかどうか、またこの行為自体が果してこの法律にいう旅行あっせんに該当するかどうか、こういうふうなデリケートな場合が非常に多いのでございまして、監督面につきましても非常に困難を来たしておるような次第でございます。現在運輸省におきましては観光局、また地方都道府県におきましてはそれぞれの観光主管課、それから陸海運局におきましてはそれぞれ総務課にお誉まして、この仕事を担当いたしてやっておる次第でございます。
  38. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると、登録業者不正行為をやるというのと、無登録業者が同じく不正行為をやるというか、ばっこするのと、どっちが多いのですか。
  39. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) はっきりした数を申し上げることはできませんが、現在無登録業者は四百あると申しましたが、これは法律的に見まして果して旅行あっ旋業法による登録を要するものかどうかということは、さらによく具体的に審査しなければわからないわけでございますので、この四百自体法律違反業者とはいえないと思います。ただ、今の不正行為者の数でございますが、これにつきましては、この不正行為の範囲も非常に困難ではございますが、現在施行あっせん業者事業内容として不正あるいは不当といわれておりますのは、旅客と契約いたしました内容と違った旅行あっせんをやるというふうな行為がかなり多いのでございまして、お手元に差し上げました旅行あっせん業の現状という青表紙の書面の中にも、各方面からの報告事例を具体的に書いておきましたが、この数は相当多いのではないか。それではどうしてこういうものがばっこしておるかと申しますと、現在旅行あっせん業者と旅客が契約を終びます場合に、ほかの業態と違いまして、はっきりした契約書をかわしていない場合が多い。口頭によりまする場合も非常に多い。単に見積書を出す程度でありまして、事故が起きました場合の処置、あるいは具体的な旅行あっせん内容をはっきりと契約書にうたってない場合が非常に多いのであります。これははっきりした数はつかんでおりませんが、今申し上げました地方都道府県あるいは陸海運局からの報告によりましても、そういった契約内容の不備、あるいは旅客の無知に乗じましてかなり不正に類する行為が行われておるといわ出ておるのであります。そういう意味で、今度の改正におきましても、他の業界と同じような「旅行あっ旋約款」という制度を考えておりまして、旅行を中止した場合の措置、あるいは事故が起きました場合の責任の分界というふうなものを明らかにいたしまして、旅行あっせん業者側がそういった不正の行為をやる余地のないように、かように考えておる次第でございます。
  40. 岡田信次

    岡田信次君 はなはだうかつな質問だけれども登録しない無登録業者でも正しいあっせんならやれるのですか、正しい旅行あっせんなら。
  41. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 今の御質問は、無登録業者旅行あっせんをできるかどうかという御質問でございますが、これはこの法律にきめてありまするようないわゆる旅行あっせんを、対価を得て業としてやりまする場合には、それが正しい旅行あっせん不正行為でない旅行あっせんでありましても、違法行為になるわけであります。一応登録を受けてやらなければいけないということになるのであります。
  42. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると、登録ではなくて、内容は免許みたいなものなんですが、免許にしたらどうなんですか。
  43. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 免許にするということも一つの考え方でございますが、免許あるいは許可と申しますのは、一応こういった事業を一般的に禁止いたしまして、特別な条件に合致したものだけ許可する、こういうことになるわけでございますが、登録という建前と申しますと、一定の条件に合致したものは全部登録をしなければならない義務を生ずるわけでございます。運輸大臣、あるいは都道府県知事に……。普通の事業ではそういう免許制にいたしておりまするものは、たとえば需要供給の関係を見まして、ある程度数を制限するとかいうふうなごと、も考えられるわけでございますが、現在の旅行あっせん業の実態から見まして、また一般の社会情勢から見まして、そういったところまで考える必要はないのじゃないか。不正行為をなくする、正しい旅行あっせんをやらせるということが一番主眼であるように考えられまするので、われわれといたしましてはまだ免許制まではいかないて、やはり一定の条件はつけるけれども、そういう条件にかなったものは全部登録して事業をやらせるという登録制度の方がいいんじゃないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  44. 田中啓一

    田中啓一君 これもまことにいろはからの質問で恐縮ですが、あっせんという言葉ほどいろいろなときにいろいろなふうに使われておる言葉はないのですよ。そこで本法におけるあっせんとは、一体どういうことですか。契約書なんかというのは、いかなる性質の契約書を結ぶのですか、作るのですか。
  45. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 旅行あっせんというものの内容法律的に定義することは非常に困難ではございますが、この旅行あっ旋業法自体では、第一条で非常にむずかしい表現で一応規定いたしておりますが、一応やっておりまする行為といたしましては、われわれは三つに考えております。  一つは、旅行の手配でございます。旅客の申し込みに応じまして、他人が経営しておる運送機関あるいは宿泊施設等の利用に関して手配をしてやるという行為、これは何と申しますか、民法上の準委任というふうな行為でございます。  それからもう一つは、請負あるいは主催ということでございます。旅行を請け負うあるいは主催するという場合があるのでありますが、請負の場合は、旅客のやはり申し込みに応じまして、旅客にかわりまして運送機関あるいは交通機関の利用に関して契約するというような行為でございます。  主催の場合は、これは申し入れによるのではたくして、旅行あっせん業者が日程を作りまして、そうして一般の者を募集いたしまして旅行させると、こういう行為でございますが、大体この三種に区別できろと考えております。
  46. 田中啓一

    田中啓一君 それぞれ民法なりにあげてあるような契約内容、従って、まあ債務の内容というものはほぼ明らかになるだろうと思います。ところが、まず手配の方にしましても、手配が下手で、あるいは下手でなくとも意識的にもあり得ると思うのですが、まあひどい宿屋に泊められてひどい目にあったというふうなこと、あるいはまあその旅館が混んで、そこには行かれないで、探し回って商い宿屋に行くと、そういうことが起りがちだと思うのですよ。そういうことがあればこそ、こういった一つ取締り法をお作りになる。そういうものに対する何か損害賠償のような規定はこの法律で含んでおるのですか。
  47. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 今のお尋ねの点は、現状から申し上げますと、たとえば旅館を手配いたしまする場合には、現在日本の実情ではクーポン券を発行する場合が多いわけでございますが、これの契約内容を見ますと、旅客の都合で中止した場合の、何と申しますか、払い戻しというふうなことは規定してございますが、旅行あっせん業者側のそれによる場合の払い戻しとか弁償というふうなものについては、規定してない場合が非常に多いのであります。これにつきましては、私どもの考えでは、今度の改正法案にありまする旅行あっせん契約の中に、旅行あっせん業者自体の責めに帰すべき理由旅行を中止した、あるいはその他のいろいろの事情で損害をかけたというふうな場合の損害賠償あるいは違約金の規定を入れさせたい、かように考えております。それを一つの必要的な記載条件にいたしたい、かように考えております。
  48. 田中啓一

    田中啓一君 そうなりますと、これはやはりそのあっせん業者に債務不履行が起きた場合には、損害を賠償するだけの能力がなくちゃいかぬ。ところが、まあひどいのは宿屋のポン引き—ポン引きじゃない、宿引きくらいからまあだんだん大きくなってきましてね、ないものがずいぶん多いのじゃないか。ことに最近は学校の生徒の修学旅行なんかを専門にやっておる、それがまた先生上りだとかね、何とかというようなのがずいぶんありましてね、とても一文もそんな能力がないというもの炉やっておりはせぬだろうかと実は思っておる。大ていみな、そんなことは仕方がないということで、まあ学校の先生や父兄、生徒だものですから、そのままになっておると思うのですがね。まあせっかくこういう法律を作る以上は、登録といいましても、そういった全然無資力の者などは資格がないのだというくらいのことは一本入れておかなき、いかぬのじゃないかと思いますが、その辺の御用意はどうなっておりましょうか。
  49. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) その点につきましては仰せの通りでございまして、現在のそういった事故の場合の救済制度といたしましては、日本人だけの旅行あっせんをいたしまする邦人旅行あっせん業者の場合は、本店が五万円、支店が一カ所二万円、それから最高二十万円の営業保証金を納めなければならないということになっておりまして、もし事故がありました場合には、旅行あっせんに関して生じました債権につまきしては、他の債権に優先してこれから弁済を受けるという制度になっておるわけであります。しかし今仰せの通り、この程度では旅行の実態からみまして、たとえば修学旅行一つ引き受けましても、私の方で調べましたところによりますと、大体百人あるいは百二、三十人くらいが平均でございますが、また平均のところをとって考えますと、一つの団体、修学旅行を扱いますと、二十万円あるいは二十五万円くらいの金額になるわけであります。それに対しまして一カ所五万円では非常に足りないわけでございますので、今度の旅行あっ旋業法改正案におきましては、従来ありませんでした資力信用という条項を一つ入れておるのでございまして、これも抽象的な資力信用ではいけませんので、今度この法律炉御承認を得ましたならば、具体的な基準を設けて、その具体的な基準の考えといたしましては、今申し上げました通り一つの団体を扱いました場合の料金が大体二十万円ないし二十五万円くらいになるという点を考えまして、純資産が大体二十万円くらいなければいかぬというふうなことに考えております。それからまた、あるいはそういうことによりますか、第三者がその程度の債務保証をするというふうなことを条件にしたらどうか。それと従来の制度にありまする営業保証金と、両者を合せまして損害の補償に充てる、こういうふうな制度にしたらどうかと思うのであります。  それからもう一つは、そういった資産の額も、その後の経営いかんによりましては非常に変るわけでございますが、それがすっかりなくなっておるということでもいけませんので、改正案におきましては、他の法律にありまするように、有効期間の更新という制度を設けまして、一応有効期間を三年にいたしまして、三年目にそういった資力信用を改め直すという制度にいたしておるのであります。資力信用が乏し者は、三年目の更新を受けるときには、それをまた充足しておかなければいけない、こういうふうな建前にいたしておる次第でございます。
  50. 田中啓一

    田中啓一君 いろいろ御用意のようでありますが、そこでまずそういうことを励行していくということになりますると、ただ登録のしっ放しではなかなかうまくいかない。おそらくそういったあっせん業者に頼んだがひどい目にあったというようなことで、苦情をみるようなことが非常に多いので、何か観光局の中に何人かの人で苦情処理なり監督取締りですね、あるいは助長もあってもいいかもしれませんが、そういったある程度の機関に当るような人を準備しておられるような用意はございますか。
  51. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 今お話しの点につきましては、実はこの法律施行いたしますにつきましては相当の人員も要するわけでございますが、三十一年度の予算の折衝におきましても実は人員の増員は通らなかったわけでございます。しかし私どもの方でも、これは業務課という課で主管いたしておりますが、業務課といたしましても一番大事ね仕事でございますので、このうちの数人の者をこれに充てまして、遺憾のないようにいたしたい、かように存じております。  またそういった法律を改正いたしましても、これが一般の旅客の側に、利用者の側に周知させなければ、全然意味がないわけでございますので、この法律を作りましたときも、登録制度というものをとりたということをいろいろな方法で周知の方法をとりました。今度もそういった改正内容、特にこの旅行あっせん業者取締り、特にまた事故がありました場合の補償について十分考えられておるというような点を、一般に周知させるような方法をとりたいと思っております。
  52. 田中啓一

    田中啓一君 これで最後にいたしますが、実はこれまで非常に信用がないというのですね。そこで私の国の方の学校の修学旅行団なんか見ますと、あっせん業者が来ているけれども、金を渡せないのです。そこで持ったことのない金を三十万とか五十万とか、これを胴巻きに入れて持ち歩くのですが、大へんな心配なんですよ。ひょっと落しゃせぬかということで、夜も眠られぬ。風呂へも入られぬという調子でやっておるわけです。そこで、その中には金の持ち逃げをするやつがあるのではないか。そこでまあ不可抗力的に、遠い所の宿屋へ電報・手紙等で往復する、それで十分意思が徹底しておらなかったために、宿屋の方が期待通りでないということは、ある程度これは仕方のないことだと思うのですね。しかしその業務上預かった金などを持ち逃げ、雲隠れするというやつは、これはきわめて悪質なんです。そこでそういうようなものは何か相当の厳罰に付するような条項はこのあっせん業法にはございませんか。
  53. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 今お話しのような点につきましては、この法律にありまする「不正な行為」でございます。そうなりますると、内容にもよりますが、登録の取り消し、あるいは営業の停止という処分を行う、こういうことになります。
  54. 田中啓一

    田中啓一君 それは当然のことなんです。私の言うのは、つまり刑罰加重の理由にしてびしびしやるというようなことが必要なんじゃないか、そういう点を実は言いたかったのですが、どうですか。
  55. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) 今のお話の点につきましては、もちろん事態にもよりますが、刑法上の横領罪あるいは詐欺罪になれば刑法上の問題になるわけでありますが、一応この法律といたしましては、そういった不正行為がありました場合に、二度と再び旅行あっせん業が営めないというふうな制度にいたしているわけでございます。
  56. 仁田竹一

    仁田竹一君 非常に適切な改正案だと存じますが、ただこの改正法案要綱の第四点に、この職員による営業所への立ち入り検査とあるが、しかもその範囲は、本法の目的達成上必要な限度まで検査し得る、こういうことになるわけだろうと思いますが、例の健康保険医の立ち入り検査が今日何か憲法違反とか基本的人権のじゅうりんだといって、だいぶ問題になっているようでありますが、これは相当大きな問題でありますけれども、このような旅行あっせん業者程度行為に対しまして職員は立ち入りの御検査をすろ、しかもそれが本法の目的を達成する限度をこえちゃいかぬ……。しからば一体どこまでが限度であるのか。それで旅行あっせん業のみをやっておる入は簡単ですけれども、定期運行をやっておりますバスとか、相当規模を持っておる会社のほんの一部分の仕事でありますと、そういった所に行って職員がとにかく帳簿などをおっぽり出してがたがたやりますと、一体調べを受ける方の限度炉正しいのか拒否する側の方の限度が正しいのか、この限界は必ず問題を起してくると思いますが、しかもこれには何だか五万円とか十万円の罰則の規定があるのであります炉、その目的達成の限度が非常にあいまいなこういったものに罰則を設けるという点、もし間違いがありますと、すでに新しく約款の規定もできておるようでありますが、従いまして、約款に違反するということが大部分だと思いますが、そういたしますと、刑法上の問題にいたしまして詐欺の成立することもありましょうし、場合によれば、あるいは横領のような場合には損害賠償などもできることでございますので、このような小さな事柄のためにわざわざ職員が業者の帳簿を強制的に閲覧する、こういうふうなことはほかに刑法上の方法があるですから、今までは約款がなかったが今度は約款があるのですから、それぞれ刑法上の処分ができ得るのでありますから、このようなことはこの問題の性質からいって行き過きではないか。こんなことされたのでは、実際に業者が困るというふうな感じがいたしますが、この点につきましてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  57. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) ただいまのお話の点はごもっともと存じますが、実は今も申し上げました通り、この法律取締り権限といたしましては報告を徴し得るというだけになっておるので、これまでの実情に徴しまして各方面からいろいろ聞いておりましたところが、そういった不正行為に類すると思われるようなものをやりました所では、なかなか報告を出してこない。また出してきても、単に不正行為じゃないということを言うだけでありまして、何ら監督の実が上らないというふうなことが言われておるのであります。今お話しのように、全面的に何でもかんでもむやみやたらに立も入りまして、そうして質問するということは、厳に戒むべきだと思いますが、現在のこういった報告を徴し得るというだけの力では、十分この目的が達せられないということを考えまして、これを入れたわけでございますが、しかし今お話のような点はもちろん十分考えまして、特に取締り権限を与えます職員につきましては、だれもかれもこの仕事に従事しておる者に対して権限をやるというのではなくして、やはり相当の責任の地位にある者だけに持たすというふうなことにいたしたい、こういうふうに考えておるのでございます。
  58. 仁田竹一

    仁田竹一君 これはどうも問題からそれるようでありますけれども、現在健康保険医の立ち入り検査のことが問題になっております。これらとの関連上、憲法違反と申しますれば問題は大きくなりますけれども、そういったような人権じゅうりんといったような問題も起きております。御承知のように、犯罪捜査というのは、相当の手続がなくちゃ犯罪捜査はてきません。それからおそらく家宅捜査にいたしましても、令状を持っていかなければ執行することができないというほど、いろいろな問題がありまするので、そのようなものを、このような簡単な問題のために、そのいろいろ調査、検査を受ける、しかもそれを拒めば罰金に処せられる、こういうふうなことになってくるわけなんですが、そこらの点はどうでございましようか。私はよくわかりませんけれども、せっかく健康保険医の問題が問題になっておりますから、あわせて一つお尋ねしておきたいのです。憲法違反になるかならないか。
  59. 田中啓一

    田中啓一君 関連でございますから……。私はこういうふうに思うのでございますがね。一応法律上そういった立ち入り検査権限はあることにしておいて、そこで立ち入り検査の必要のあるというのはどういうものかというと、鉄道、国鉄もやっていらっしやる。それから大きな汽船会社もやっていらっしやる。そういうような逃げも隠れもせぬものは、いってもできるし、報告も出せ出せで、幾らでもやれると思うのです。ところが、てんから消えてなくなるというものもおるのです。相当信用だの能力だのということを条件にしてはいらっしやるのですが、これもまあ抽象的にしか書け倣いことでありまして、結局は一応相当に、特に悪いという評判のものは別としてそうでないものは一応登録申請があれば登録しなければならぬものだろうと思うのです。そうなりますると、やはり危ないと思うのです。ちょっと危ないと思っておったら、案の条、問題となったときにはもうおりわせぬというようなことは、あり得ると思うのですね。これが権限があると、用もないのにやってくるから、おかしくなるのですね。警察なんかでも同じなんですよ。どろぼうをつかまえる方を糾明すればいいのに、取られた方ばかり調べておって、どろぼうなんかちっともっかまりはせん。こういうのが今日の警察の実情です。でありますから、そこは運用については、そういった点を明らかにされたらどうなんですか。やはりそれは、もう用もないのに、それにかこつけてあらゆる調べをするなんというのは、実に不当なことになろうと思うのですね。でありますから、その辺の一つ御見解をこの際明らかにされ、また適当な方法でその点を明らかにしていただいたらどうかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
  60. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 私から申し上げるのは何ですけれども、今の点は局長からいろいろ申し上げますが、先ほど仁田さんからも憲法に違反するかしないかというお話です。これはあるいは私よりも法制局長官が適当かと思いますけれども、私の承知しておる限りては、こういう場合の法案が別に憲法上差しつかえないということに承知しております。ということは、幾多の同じような、——同じじゃないかもしれませんけれども、厳密にいえば、いろいろ事情は違うかと思いますけれども、立ち入りというものを、そのかわり、今申しました通り厳重に、証票を見るとか、やり方について制限してやるということが、現行法上の幾つかの前例があるわけであります。私はその憲法の問題というものには別段差しっかえないのだと、こういうふうに考えております。
  61. 仁田竹一

    仁田竹一君 ただいま大臣のお話でありましたけれども、それはどこまても、私はその目的達成上必要な事柄といえどもその疑いがあると思うのでありますけれども、問題は、目的達成の必要以上にまて立ち入り検査をするようなことがあり得る、そのときに問題が起きてくるわけなんでございます。しかもその限界はだれが行うか、そこに憲法違反になるおそれが多分にある、こういうことなんでございまして、これは本法の目的達成まて行けばそういうことは相当問題があると思うのですけれども、これは一つ大臣のおっしゃる程度にまでなら、私いいと思います。これをこした場合、限界をだれがきめるか、そこに問題がある。しかもこれによらざればこの法律目的を達成できないかというと、そうでないのです。詐欺にも横領にも損害賠償のてきる法律があるのだから、これがなければ逃してしまうじゃないかというならば、この法律を作っておく必要炉あるけれども、何もこういうことをしなくても、ほかの刑法上の問題で幾らでも処分し得る道があるのだから、なぜそのような疑いがあり、しかも将来行き過ぎになりがちな事情のある法律を新しく作らなければならぬか、こういうことなんです。
  62. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) この立ち入り検査の点に関しましては、ただいま両先生からもお話ありましたし、私自身といたしましても、これは厳に乱用は戒めるべきであると思います。それでこれは私の考えでございますが、こういった立ち入り検査をする必要が起きます以上は、大体は不正行為があったと思われるので、ある程度立ち入り検査をしなければならないということが起きるわけでございますが、その場合にはやはり事案をはっきり示しまして、具体的にこういった案件で検査に来たという内容自体をはっきりさせた上で、立ち入り検査をするというようなシステムにしたらどうかと、かように考えております。
  63. 仁田竹一

    仁田竹一君 ただいま局長のおっしゃったのは、それはどういうような方法で明らかにされます。
  64. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) そういった立ち入り検査の場合には、その事案を明らかに示して後、入れ、こういうことにつきましては、これは施行規則のよう血ものではっきりきめたい、かように考えます。
  65. 仁田竹一

    仁田竹一君 それは何ですか、個々の場合ですか、あるいは刑法上の犯罪だと認められるような場合というようなことになりますか。
  66. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) この法律におきまする立ち入り検査は犯罪捜査ではないのでございまして、犯罪捜査に類するような行為をしてはいけないわけであります。建前として、この法律に基きまする監督権限によりまして、不正行為があれば、運輸大臣あるいは都道府県知事登録の取り消しあるいは営業の停止をしなければならぬのでございますので、実態を調べる必要がある、こういうことでございます。
  67. 仁田竹一

    仁田竹一君 その不正とおっしゃるけれども、不正の中にはもちろん事務上の手違いの不正もありましょうし、あるいは詐欺、横領の場合も不正なのでありますけれども、そこがわからないから私お尋ねしたわけなのです。普通の事務上の手続の違い等でありますならば、これは詳しくそれぞれ一万円、五万円、十万円、二十万円と切って、それぞれ罰則をつけてあるわけであります。これは網の目を張ったように、少しでも悪いことをすれば、罰則がそれぞれ事務の内容によってきめてあるわけでありまして、これはどうにもしようがないわけてすから、結局残された問題は、約款に違反をした場合、言いかえますれば、詐欺、横領とかいう場合以外にないわけです。従って、そこの立ち入り検査をする場合はおそらくそういうふうなこと以外には実際にないのではないかと考えるわけなんでございまして、従って、もし、局長のおっしゃるようなことが私適当だと思いますけれども、その言い表わされる文句が、なるほどそれならば立ち入り検査されるのもやむを得ないというだけの業者が納得のゆく文字を使っておいてもらいませんと、結局問題を起すのでは広いかと、こういうふうに思いますので、しつこくお尋ねするわけなんですが、その点どうなんです。
  68. 間島大治郎

    政府委員間島治郎君) ただいまお尋ねの件でございますが、たとえば料金をあらかじめ届け出でなければならぬということになっておりますが、届け出でた料金以上に料金を取りました場合は、この法律による処分を受ける、こういうことになっております。こういった場合も、これは利用者側からそういったあれを受ける、あるいは旅館側からそういった訴えがあるだろうと思いますが、これにつきましても、場合によりましてはやはり報告だけでは済まないという場合も起きるのではないか、こう思うのであります。ですから、私の考えとしては、ほんとうに立ち入り検査をしなければならぬという場合は、そうはないとは思いますけれども、しかし登録取り消しというような事態にまで行くような事案の場合には、そこまで行かないと、報告を徴するというだけでは、業者側は取り消されるかもしれないのでございますからして、正直に報告をまかしておくはずもございませんし、実際こういう事態が起きることはわずかではございますが、しかし徹底的にその法律目的を達しますためには、やはりこういった制度も場合としては考えなければならない、こう思うわけでございます。  なお、今お話のございましたように、乱用を戒めるために、できるだけはっきとそういった具体的な事案を示して立ち入りする、こういうことにつきましては、できるだけ取り入木まして間違いのないようにしていきたいと思います。
  69. 仁田竹一

    仁田竹一君 実際問題といたしましては、今いろいろ御答弁を承わりましたが、とにもかくにも、このようなとかくの疑いのありまするような、しかも罰則規定の伴うような事柄を、作らなくてもいいじゃないか。しかもそのようなことによって、また役人が必要以上の、検査等に名をかりて業者をいじめることがありはしないか。そういう必要がないというのが私の意見でありまして、まだ質問が続くそうでありますから、一応本日はこの程度にして、私の質問を打ち切ります。
  70. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記とめて。   〔速記中止
  71. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記つけて。  次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
  72. 大倉精一

    大倉精一君 今港湾の労働者諸君が労働争議に入って、何か二十五・六日ころには憂慮すべきような事態が起るというような状態を聞いておったのですが、これに対しまして、ここは労働委員会ではありませんので、関連をしまして運輸大臣にお伺いしておきたいと思うのですが、港湾運送事業法の第一条に「港湾運送に関する秩序の確立及び港湾運送事業における公正な競争の確保」という工合に規定してあるのですが、今の港湾事業の現状は必ずしもそうなっていない。むしろ非常に激しい不当競争が行われている。これがために、業者も労働者も非常な混乱を起して、労働争議にまで発展をしているというような事実があるんじゃないか、こういうふうに考えるのですが、運輸大臣は、今の港湾事業の現況は事業法の精神に基いて大体そういう条件にあるのてばないか、あるいは今申したような不当競争の乱立の状態があるのか、その辺の御認識はどういうふうにお持ちになっているのか、お伺いしておきたい。
  73. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) お話の意味は港湾荷役のことだと思いますが…。
  74. 大倉精一

    大倉精一君 港湾運送事業法に規定してあるところの……。
  75. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 港湾荷役の関係、これは私どもそう大して全国を見ておりませんのですが、私の承知しておるところでは、所によるだろうと思いますが、たとえば名古屋のごときは今御指摘になりました港湾業者というものが二つくらいに限られておりまして、互いにその間に協調をとってやっていく、そういうことに承知しております。そういう所は少いので、ずいぶんほかの所ではやはり、いわゆる御指摘になったように、事業者が数が多過ぎるために、いろいろそこに請負賃金の競争がございまして、それがひいて労働する方の賃金の方にも響く、こういう実情があることは私どもも承知いたしております。
  76. 大倉精一

    大倉精一君 今大臣もお話しになったように、そう大したことは血いというような認識らしいのですが、実際の状況は、相当港湾事業の混乱というものはひどい状態にある。特に公正なる競争ということとはおよそ縁が遠い状態にある。こういうような事情を数字的にもここに若干持っておりますが、こういう工合になっておる原因ですね、原因は一体どこにあるか、こういうことが私は非常に大き数問題だろうと思うのですが、運輸大臣のお考えはどういうようなお考えてすか。
  77. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) この法律制度の建前から申しますと、御承知の通り料金というものはお互いに厳守しろということになっております。それからもしそのきめた料金というものを不当に引き下げて競争する場合には、いわゆるわれわれの方としてこれに対して監査をしてその勧告をする、こういう建前になっておりますけれども、実際上、御指摘のように、なかなかそういうふうに守られていないところが多いことは、これはどうも認めざるを得ないところだろうと思うのです。これはやはり業者が、需要供給の原則からいうと、多過ぎるというところに一つの弊があるのではないか、こう考えておりますが、それですからどうしても、法律制度の監督権の建前と相並んで、業者自体がこれに対して、何というか、協調することをやらなければいかぬのじゃないかと思っております。その辺が例の公取引の方の集中排除法の関係てどうなっているか、その辺の法律関係の問題も私もまだ実は承知しておりませんが、大体そういうところではないかと思います、原因は。
  78. 大倉精一

    大倉精一君 これは大臣のお考えと少し私は違うのですが、業者自体がこの法律に合うように協力しなければならぬのじゃないか、こうおっしゃるのですが、業者はやはり利潤追求の業者でありますので、これに協力せよといっても、協力し得るような状態を政府が作ってやらなければならぬじゃないか。しかしながら、それと逆に、不当競争をしなければ生きていけないという状態をあなたの方でお作りになっておるのじゃないか。ですから、今大臣のお話からいって、何か業者の方に責任があるような話なのですが、これは私はどうも受け取ればいと思うのですが、いかがですか。
  79. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) それはすべての経済行為については共通の問題でございまして、ただ利潤追求でやっておりますけれども、結局しかし不当な競争をするということは、その利潤追求の見地からいうても、結局本人の首を締めることになる。それですから、やはり自由競争だというても、無制限の絶対の自由競争というものは現実にはないのでございまして、そのために、われわれとしても、今の業者の間に協同組合の制度を応用いたしまして、なるべく業者自体というものが業界の秩序というものを作ることに努力する、それがすなわち彼らの利潤追求の見地からいうても、彼らの利益に一番合致するものだと、こういう方針で、実は当局としてはそういったような組合の結成ということを助成しておりまして、まだ十分に行き渡っておりませんけれども、ぽつぽつそういう組合というものはできておる。ことに私どもの方の監督権で、いわゆる料金というものの、料率を厳重に守るというものの方の検査を十分いたしまして、相待って業界の秩序というものを立てるということ以外には、ちょっと方法がないだろうと、こう考えております。
  80. 大倉精一

    大倉精一君 何か組合を作らして、それによって不当競争をなくするというお話なんですが、組合を作らして、それだけで不当競争がなくなるとすれば、港湾運送事業法というものは大して大きな必要はないのではないかと、こういう工合に考える。ところが、港湾運送事業法というものを作って、そうして港湾運送事業というものは一応公益的な性質を帯びたものである、であるから、従って一定の資格要件を備えたものでなければ登録許可しない、登録をしない、こういう工合になっておる。この法律の精神というものは、この事業に関する限り、やはり政府においてその事業をある程度規制していく、こうしなければならぬというのが、この法の精神だと私は思うのです。思うのですが、そのいわゆる法律の資格条件というものですか、資格条件というものに対する調査、認識といいますか、そういうものは非常にルーズに行われておるのじゃないか。従って、必要以上にたくさんのものが乱立をして、そうしてそこに組合を作ってどうのこうのしようといっても、必然的に不当競争が起る、そういう条件を政府みずから作っておるの一じゃないかと、こう思うのです。
  81. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 私の申し上げたのは、組合だけということじゃないのです。先ほど申し上げましたように・組合の方の自主的な秩序を立てることと相待って、やはり監督官庁としてもやる、こういうことです。その点、誤解のないようにしていただきたい。  それで今のお話の通り、実際過去におきまして認可いたしまする基準等も幾分ルーズ——何というか、 ルーズじゃなかったかというようなことも、結果から見れば、見ればですね、そういったような事態を引き起しておることから見れば、そういうことも言えるだろうと思うのです。そこで今当局におきましてもそういった基準の、ことにその基準というものをよく、どういうふうにするか、今再検討をいたしております。何分にも終戦後の法律は、御承知の通りに、こればかりではございませんが、すべて、運輸省関係の通運でも同じですが、認可のやつが一通り抽象的の基準に合いますと、これを許さなければならないような法制になっておるのです。そのことがいいか悪いかということも、実は立法論として少し考えなければならない問題じゃないかと思っております。それですから、過去においては確かに御指摘のような点が運輸省行政の面においてもないとは申し上げかねますのですが、将来こういう点も十分考慮いたしまして、改めたいと、こう考えております。
  82. 大倉精一

    大倉精一君 私は、その問題が中心だと思うのです。ないとは言わないがというのでなくて、大いにあった。大いにあったから、こういうような結果になったのだろうと思うのです。それで、従来大体一応の資格があれば登録許可するといいますが、しなければならぬというのだが、その資格条件というものについて当局はどういう方法で調査をしておられたか。具体的にどういう調査をして、その資格条件を認定をされたかどうか、それはどうですか。
  83. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) だいぶ具体的なこまかい問題になりますので、私が申し上げるよりか、中野課長が見えておりますから、中野課長から説明いたさせます。
  84. 大倉精一

    大倉精一君 局長さんは見えませんか。
  85. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記をとめて。   〔速記中止
  86. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記を始めて。
  87. 中野大

    説明員(中野大君) ただいまの資格要件の問題でございますが、事業法は登録制度になっておりまして、これは一自由裁量の余地のない規則裁量になっております。従いまして、登録要件が備わっておれば、その要件に該当すれば登録せざるを得ない、こういう立場になっておるのでございまして、その内容につきましては今大臣からお話ございましたように、二十六年制定になって、十分な検討も一もう五年間たちましたので、その間の経験にかんがみまして、最近その基準の内容を検討をして修正を加えたい、こういうふうに考えております。
  88. 大倉精一

    大倉精一君 これは登録ですから、この登録は「左に掲げる事項を記載した申請書を運輸大臣に提出しなければならない。」だから、問題は、左に掲げる事項が、記載してある事項が事実かどうか、事実かどうかということばお調べになって登録されておったのか。これはもう登録制だから、こういう書類が形式上完備しておれば登録するというふうな御方針であったのか、今までですね。どっちなんですか。
  89. 中野大

    説明員(中野大君) 登録申請がございますと、その書類に基きまして、それが事実であるかどうかは、地方の海運局、また支局において十分検討いたしましてから、登録を受理しておるのでございます。
  90. 大倉精一

    大倉精一君 その十分検討するという、その方法を私さっき聞いたわけなんです。どういう方法によって調査されるか。
  91. 中野大

    説明員(中野大君) それは海運局で、たとえば貸借契約書とかいう場合とか、あるいは需要証明書というような場合には、相手方からもよく聞きまして調査いたします。
  92. 大倉精一

    大倉精一君 これはやはり港湾局長でないと御答弁がちょっとむずかしいのじゃないかと思いますが、至急一つお呼び願いたいと思います。  で、私その件の質問は一応保留しまして、さらに大臣にお伺いするのですが、今のこの港湾の労働争議ですね、私はこの原因が今質問申し上げたようなところから原因が発生しておると思いますので、それでこの問題の将来の発展によっては、運輸委員会としても問題がある。特にこの問題につきましては、一昨年でございましたか、やはりそういうような問題がありました。そこで大臣にお尋ねしたいのは、この港湾運送事業法によりますと、第九条によって港湾運送事業の運賃及び料金というものは確定料金になっておる。いわゆる大臣に届け出たものよりも高くてもいけなければ安くてもいけない、割り戻しをしてもいけない、こういう工合になっておるのですが、これは守られておりますかどうですか。
  93. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 法律の建前からいうて、これはまあ守られておるものと私どもは見ているわけです。ことにこれはいうまでもないことですけれども、たとえば農林省が、いろいろ輸入食糧などについては、これはもう明瞭であって、相手が役所でございますから、それですから、まあ表向き現実にそでの下でどういうことをやっているかということになりますと、ねかなかこれは目が届きませんですが、一応はこれは確定でちゃんときめた通り業者はやると、こういうことを期待しておるわけであります。
  94. 大倉精一

    大倉精一君 期待しておるのではなくて、確定料金が守られておるかいないかということなんです。この法律が守られておるかどうか。
  95. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) それですから、守られておると私は思うのです。もし守られていなければ、その事実がわかれば、それに対してば法律に定めるところによって相当の措置をとると、こういうことです。
  96. 大倉精一

    大倉精一君 これは守られておりません。守られておりませんが、まあ大臣の認識がその通りだと非常に私は不満でありまするが、まあ認識は認識としまして、事実、守られていないということが事実であるとするならば、運輸大臣としてこれはどういう工合に措置をされますか、今後。……
  97. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) それは、もしそういうことがかりに明らかになりますれば、やはり法律に基きまして、まあ一応は、その事態の重い軽いにもよりますけれども、一応はそれじゃいかぬじゃないかということを勧告をする。その勧告をしたにもかかわらず、たびたび繰り返すということであれば、法律に定めるところによって登録を取り消すとか、あるいは停止するとか、そういったような処分をすると、こういうことです。
  98. 大倉精一

    大倉精一君 それはいつ勧告をされますか。
  99. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) そういう事態がわかれば直ちに、そういうことはやっちゃいけないですから、直ちにそれに対してそういう勧告はいたします。
  100. 大倉精一

    大倉精一君 これは守られているかいないかは直ちにわかるはずなんですが、わかったら直ちにそういう勧告をお出しになりますか。
  101. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) その通りでございます。
  102. 大倉精一

    大倉精一君 さっき輸入食糧の問題をお話しになりましたが、これは一昨年のことだと思います。暮れにやはりこの問題で全港湾が争議を起しました。この争議は非常に珍しい争議であって、法律を守ってくれと、こういう争議でありました。これはいまだかってない争議でございます。で、この委員会におきましてもこれを取り上げて、いろいろ御質問申し上げた。その結果、海運局と業者、労働組合というものがいろいろ集まって、そうして協議会というものを作って、これから公正にしようじゃないか、あるいは窓口を一本にしようじゃないかということがきまったと私は記憶しておる。  それまでは政府みずからが法律を守っていないという状況があったのであります。これは私はその後深く追及いたしませんでしたが、もし食糧庁が、いわゆる輸入業者港湾運送業者に対して支払っておるその通りの運賃、料金を、食糧庁が支払っておるとすれば、食糧庁自体がこれも法律違反をやっておるわけなんです。あるいはまた逆に、食糧庁は法律通りに払っておっても、輸入業者炉これを法律通りに払っていなかったとすれば、これは輸入業者が国家のお金を詐取をするようなものです。これは大へんな問題です。私はこ木はあまり追及はしませんでしたが、今運輸大臣が輸入食糧はやっております、これは政府でありますからと、こういうお話がありましたが、これは非常に認識が違うと思うのです。従って、今ずっと大臣のお話を承わっておるというと、港湾事業に対する大臣の御認識あるいは関心というものが非常に私は薄いような気がするんです。  ただ一点だけ、今の御答弁で、この確定料金を守られていない業者は直ちに調査をし直ちに勧告をすると、こういうお話があった。その勧告に従わなかった場合には登録を取り消す、あるいはその他の処分をすると、こういうお話がありましたから、それを早急に確実におやりを願いたいと思う。  それからもう一つお伺いするんですが、軍の荷役ですね、軍の荷役は今入札制度になっておるというんですが、この入札制度というものと確定料金というものと、どういう関係にあるんですか。
  103. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 係りの方から……。今のやつは多分在日米軍のお話だろうと思うんですが、そうですな。
  104. 大倉精一

    大倉精一君 そうです。これは技術的な問題じゃなくて、そういう軍の荷物についてはこの法律のワク外であるのか、あるいはこの法律の適用を受けるのかということで、根本問題だと思うです。
  105. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) それは私の承知しているところでは、やはり法律のワク内です。法律のワク内ですが、ただ、今の入札と確定の料金というものと違うようになっておるから、そこのあやがどういうことになっているかということを、係りの方から説明させようと思ったんです。つまり私の聞いているところでは、軍の方ではサービスというものが、どういうものか知りませんが、向うの方からやるそうですから、それだけの分を確定料金そのものの方から差し引くと、こういう基準でやっておるというふうに聞いておるものですから、そういう実際のあやですな、そのあやのやり方について必要があれば係りの方から説明させよう、こう言っておるのです。
  106. 大倉精一

    大倉精一君 あやとかなんとか言いますけれども、これはちょっと私は理解ができないのです。かりに軍の方から何かサービスを提供して、それだけ確定料金から引いておるとするならば、それがあるとするならば、民間会社にしましても、何かお手伝いをする、たとえば事務上の手伝いか何かわかりませんけれども、何かこれに付随するサービスを大なり小なりしておる。そうすれば、それだけやはり確定料金から引いても差しつかえないわけです。今のお話だというと、軍の関係法律のワク内だとおっしゃるのですから、ワク内であれば、運賃は運賃、料金料金として収受して、サービスとして割り戻すべきものはサービスとして別にきちんとしてやれば差しつかえないと思うのですが、その点はどうですか。
  107. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 私もしろうとでございまして、言葉の足りない点もあったのですが、私の申し上げ方が悪かったかもしれませんが、つまり、軍のやつは接収しておるわけですね。向うの側で接収をしておりますから、厳密にいえば、その接収しておる地域にこの法律がそのまま一体適用になるかどうかということも、法律的にいえば問題になるかと思うのですが、ただ実際問題として、接収しておりますけれども、それをむちゃくちゃに向うは向うだというふうにして確定料金という建前をくずされては困りますから、そこでこちらの方で交渉をいたしまして、そうして確定料金というものを守るように向うの方に言うておる。そのときに、軍の方でサービスしたものがあれば、サービスしたものを差し引いたものが確定料金というふうにしてきめてやっておると、こういう従来のやり方だと……。
  108. 大倉精一

    大倉精一君 今日本は独立をして、条約もできたのですが、接収ということは今も続いているのですか。
  109. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 間違いました。接収じゃないそうです。折衝しておるのだそうです。
  110. 大倉精一

    大倉精一君 これはいやしくも独立国になったというのですから、あるいは日本には法律があるのですから、これは守ってもらうとか守ってもらわぬてはなくて、やはり確定料金に従って運賃収受をする。その自余のことは、これは法律も何もきまっていないのですから、いろいろ折衝の何があるでしょう。そういうものを含めて、それを引いたものが確定料金てあるということなんか法律にもどこにもない、この法律の条文からいって。軍の関係法律のワク内だとするならば、そういう場合にはこうだということがなければならぬ。そういうものがあるとすれば、やはり民間業者の方にも適用できるわけなんです。軍の貨物だけに何かそういう特例があるというのは、どんな特例があるのか。
  111. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) だんだんこまかい問題ですから、やはり私が言うと間違いますから、現実に扱っておる課長の方から説明をさせることにいたした方がよかろうと思います。
  112. 大倉精一

    大倉精一君 これはこまかい問題ではなくて、軍に対してこの法律をどうするかという根本問題であるのですが、まあ課長さんの御説明があるというなら伺いましよう。
  113. 中野大

    説明員(中野大君) ただいまの軍からの入札制度の問題でございますが、今まででも随意契約制度に切りかえてもらうように米軍に折衝をいたしておるわけてありまするけれども、米軍といたしましては、米国会計法によりまして入札制度をとらざるを得ないということで、まだ折衝の段階の途中にあります。これにつきましては、外務省を通じて、あるいは日米行政協定に基く日米合同委員会を通じまして、無登録業者の入札参加の問題、それから公示料金順守の問題、この二点を米軍の方に折衝をしておる段階でございます。その今のサービス云々の問題につきましては、公示料金からサービスしたものを引いて契約するのではございませんで、公示料金というものは一応きめてありますが、米軍の軍貨の荷役については、ドライバーのサービスとか荷役道具の提供とか、いろいろそういったものが含まれておりますので、それを引いたものを公示料金ということで、年度契約でございますのて、それを引いたものを公示料金ということに届け出さしてやっておるわけでございます。従いまして、サービスの提供があったから公示料金を引くのではございませんで、あらかじめわかっておりますそういう提供物件につきましては、それを落しましたものを公示料金として業者から届け出でさせてやっておるわけであります。
  114. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、日本には港湾運送事業法というものがあるが、アメリカの法律では一応入札ということをしなければならぬ制度になっておろから、だから入札をする、こうなっておるのですね。ところが、港湾運送事業者は、やはりこれは自分の国の法律に従って仕事もしておりますし、そうして運賃料金もこれによってもらわなければならぬ。これは何ですか、大臣にお伺いするのですが、何か行政協定か何かで、日本のこういうような法律があっても、アメリカの何々の法律があれば、それが優先するのだというような条約か何かありますか。
  115. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) お話の点は、また間違うといけませんから、よく行政協定というものの内容を調べ、またそれぞれの担当の役所がございますから、そういう所と打ち合せまして申し上げることにしたらよかろうと存じます。
  116. 大倉精一

    大倉精一君 これは港湾局長にあとでお尋ねするのですが、おそらく政府の方で、あるいは行政官庁の方で、そういうことをおやりになっておるとするならば、そういうものをちゃんとお調べになっておやりになっておると私は思うのですが、そういう関係はこれから調べてみろというのじゃ、いかに港湾行政というものが非常に関心薄く、それがために業者が迷惑しておるかということが、これでもってわかるわけです。ですから、一番初め、冒頭にお尋ねしたことは、今の現状が非常に乱立混乱に陥って乱脈になっておる、不当競争が行われておる、その原因についていろいろお尋ねしたのですが、大臣は組合を作って業者に協力を求める、こういうことでしたが、結局はこういうような、何といいますか、港湾運送事業に対する行政がどうもルーズな格好で行われておった。これがほんとうの原因ではないかと思いますが、もう一回大臣にお伺いしたい。
  117. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) それは先ほど申し上げました通り法律自体が、御承知の通り、許さないという建前になっておるのですね。これは書いてあるものも、一つも資力信用なんということも書いてないのですから、みな欠格条件みたいなことだけ並べてあるのです。ですから、前に悪いことをした着てなければこっちへ来て拒否しちやいけないという建前になっておるところに、私は根本の弊があると思います。だから、これはかりではないのです。ほかの運輸省関係法律もおおむねそういうようなことになっておるところに根本原因があるということは、私も認めております。その点について、これはやはり改正をしなければならぬのじゃないかというふうなことば、これは考えております。  それと、今お話しのことは、はなはだ申しわけないことですが、率爾に申し上げますが、初めて今の米軍関係のことを実は伺ったわけでありまして、そういう問題もまたあるということであれば、私もまたそういう問題についても、これは率直に申し上げます、私がうかつでございましたので、それはうかつだっだじゃないかといえば、まことにお話の通りうかつでしたが、そういう問題もあるので、結局大倉さんのおっしゃる通り、この問題について従来の運輸省行政が、要するに進駐軍時代の、占領軍時代の遺物に引きずられて、もう少し再検討するときに達しておるということだけは私は認めております。
  118. 大倉精一

    大倉精一君 今の御答弁で、この法律が不備であるという工合にお考えになっておる。私もそう思います。思いますが、将来やはりこれを、たとえば資格条件というものについて具体的に一定の条件を明記するとか、そういうようなお考えがあるのですか、あるいはまた登録制を認可制にするとかいうような御方針炉あるのですか。
  119. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) お話の点はよく一つ考えてみたいと思います。いずれにしても、このままではどうも工合が悪いと。一番大事な資力信用のことが抜けておりますから、資力信用なくてもだれでも一だれでもといっては語弊がありますけれども、過去において悪いことをしたものでなければ、一応登録しなければならぬというような建前になっておりますから、これはとくと一つ考慮したいと思っております。
  120. 大倉精一

    大倉精一君 資力信用という条項を入れられるお考えのようなんですが、とこで問題は、資力信用ということが入っておるのは、通運事業の免許にしましても、道路運送のあれにしましても同じですが、問題は資力信用というものをどうやって認定するかということが問題なんです。どういう機関でもってどういう方法で認定するかということ炉問題なんですが、これは港湾事業ばかりではなくて、道路運送事業あるいは通運事業も同じなんですが、その点について、私は今までの過去の実績からいって、必ずしも十分ではないと思いますが、そういう問題について将来どういう工合にお考えになっておりますか。
  121. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 具体的のことまでまだここにお話をする何もございませんが、お話の通り、ただ抽象的に資力信用といってみたところで、一体どのくらいの金額かということもございますし、それも社会の時代によって変って参ります観念であります。何よりも、それよりも業の実歴がなくちゃならぬという点もございましょうし、それですから、そういうことを一々抽象的に書いて、その標準を書いても、要は運用の問題ですから、そういうふうに抽象的な標準を掲げた方がいいか、あるいはそれを掲げた上で所管大臣というものの自由裁量の余地を、あるいは適当な機関、現にそういったような何とか審議会とかいうようなものだけでやっておるようね行政運輸省でやっておりますが、そういったようなもし機構を設けて、そうしてやはり広くそういう方面の利害関係者意見を聞いて、これを大臣がきめた方がいいのか、そこらの点が将来の立法の問題として考究しなければならぬ問題じゃないかと、こういうふうに考えております。
  122. 大倉精一

    大倉精一君 この問題について、たとえばこれは港湾事業法ばかりではありませんが、免許するにしろ、あるいは認可するにしろ、あるいは審議会を設けても、最後には運輸大臣の認可あるいは運輸大臣の免許ということになるのですが、これがいわゆる資格条件その他の要件が備わっていないということが明らかになっておった、あるいはまたそういうものに対しまして非常に重大な誤認があった、そしてそのまま認可した、あるいは免許したという場合に、それによっていろいろな支障が起きる、こういう場合の責任者は大臣になるのですか、あるいは審議会になるのですか、どこになるのですか。
  123. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 審議会の設け方にもよりますけれども審議会は審議会ですから、設け方によるというのは、立法的に考えれば審議会は単純な諮問機関であって、政治的にはその答申を無視することはできなくても、法律的には無視してもいいという審議会の形もありますし、それからまた同じ審議会でも、審議会に従わなければならぬという、大臣の自由裁量の権限審議会で制限するような形の審議会もあるわけでございます。いずれにいたしましても、やはり行政は大臣がやるのですから、そのときの責任はどういう審議会の規定であるにしても、責任は全部運輸大臣が負うべきものだと私は考えております。
  124. 大倉精一

    大倉精一君 責任を負うといっても、それはおれの責任だということだけでは責任を負うことにならぬのですが、その場合の責任を負うということは一体どういうことになるわけですか、その責任の問題の生じたときには……。
  125. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) それはやはり政治的責任というものだろうと思います。さらに法律的に、その損害をこうむったときに、それを大臣として訴えることができるかどうか、国として。そのときは国なんですな、国の行為ですから、大臣といえどもこれは国の一つの機関ですから。そういう問題まで発展をすればする問題の性質だろうと思いますが、ただいま私の申し上げたことは、一応政治的の責任というものは議会に対して負わなければならぬ、こういうふうに考えておるわけです。
  126. 大倉精一

    大倉精一君 局長も見えられたようてすから、もう二、三、運輸大臣に続いてお尋ねいたしますが、今の問題は、これは非常に大事な問題だと思う。その関係がはっきりしていないから、いろいろルーズな面が出るのではないか。特に最近の実例を申し上げましても、具体的な名前は言いませんけれども運輸大臣が免許なすった。通運事業の例ですが、免許なすった。資力信用は十分なりとして免許したのだが、免許して半年たたぬうちに、そいつがつぶれちゃった、こういう事例があるわけなんてす。こういうようなことになりますと、一体この資力信用とか、あるいは何とかいう要件をどこで審議して、だれが責任をもってこれを認めるのかということが、非常にこれは疑問に思うのです。そういうような事例はどうするのですか。これはそういう事例があった場合に、いわゆる審議会の認定の誤りであったのか、あるいは運輸大臣の免許の判断が誤まったのか、どういうことになるのでしょうかね、こういう事態になったら。
  127. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) それは先ほど申し上げましたように、かりに運輸大臣審議会にかけてやっても、その責任は、やはり大臣の名で出すのですから大臣の責任のあることは、これは明瞭なんです、その点は。ただ、そのときのいわゆる責任のとり方がどうかという問題については、これはまあこうこうこうなりますと。これは日本の全体の、行政組織全般の問題になりますので、ひとり運輸大臣だけが力んでもまあしょうがない問題だろうと思いますが、しかしお話の点は、確かに私は今の行政の点について、従来何というか、国家が悪をなさないのだ、なすことができないのだとかいう、まあ一種のそういう古い思想というものが私はあることだけは、どうも認めざるを得ないと思っております。
  128. 大倉精一

    大倉精一君 さらにもう二つばかりお伺いするのですが、一応この免許にしろ、認可にしろ、登録にしろ、条件が備わったとして登録し、免許し、認可した後において、適当な時期にやはりその条件が備わっているかどうか、あるいは欠除しているかどうかということはやはりお調べになる方針であるのか、それは一ぺん免許すればそのままという方針なのか、どっちなんです。
  129. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) まあ監査で、建前はそのあとにおいて果してそれが続いているかどうかということは見る建前にはなっております。しかし実際問題として、あらゆる面についてそれだけの目が届けるかどうかという問題になりますと、私どもも自信をもってそれが全部行き渡っておるということは、実ははなはだ何ですが、申し上げる自信はございません。
  130. 大倉精一

    大倉精一君 港湾事業法についてもそうなんですが、登録申請した書類ですね、あるいはまた免許にしてもそうなんですが、登録あるいは免許、認可をしたあとにおいて、その記載事項とはなはだしく変ったような、内容に変化をした、いわゆる条件が欠除するような状態になったという場合に、認められた場合には、これは登録の取り消し、あるいは免許の取り消し、あるいはその他の何らかの勧告をするということになるのですか。その点の御方針はどうなんでしょう。
  131. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 港湾の方の運送事業については、今の届出制でやっております。そのときの条件等についてはその後も監査を行いまして、そうして監査の結果、最初の基準から外れるというようなことがある場合には、それを基準に満たせるまで、充足するような勧告をするなり、あるいは事業を廃止するたりするような勧告をするようにしております。
  132. 大倉精一

    大倉精一君 その問題は技術的にあとからまたお伺いすることにしまして、大臣にお伺いするのです炉、結局私はこの道路運送なり、あるいは通運事業なり、あるいは港湾事業というものは、主として人間が、人というものが主体になる。労働者が主体になるという事業であると私は思うのです。従って、不当競争の起らないようにするということは、抽象的にやってもなかなかそういうわけにいかない。そこで港湾関係の労働者あるいは道路運送、通運事業、ハイヤー、タクシーというような関係の労働者の労働条件というものに対して、あるいは労働問題というものに対しまして、運輸省として独自に研究をなされるお考えはねいのか。これは労働省の問題だからこっちは関係がないんだというようなお考えであるのか、あるいはやはり公正な競争をする、あるいは公益事業としての貢献をされるというようなことから、この交通運輸関係の労働者に対する労働問題、労働条件に対して、独自に研究をされるお蓄えありませんか。特にこの問題はILOの国際決議にもあるのですが、そういうような問題を解決しなければ、なかなかこういうような、この種の事業の不当競争というものは解決できない。そこからあらゆる争議が起り、いろいろな不祥事件が起るということになりますので、特にそういう工合に考えるのですが、この問題はどうお考えですか。
  133. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) 私もその点は同様に考えております。ただ、今の運輸省としてこの労働条件の統一というところまで深く入っておるかどうかということは、まだつまびらかにしておりませんが、結局するところ、やはり経済上の競争というものが起るのは、いわゆる多数使っておる人の賃金その他の労働条件というものがまちまちのところから起るんですから、どうしても根本はそういう問題の方にメスを入れませんというと、業者間の私は不正な競争というものは跡を断たない、こういうふうに考えております。ですから、その点については、従来もやはり労働省と連絡をとって、多少は運輸省の方で研究はしておるらしいのですが、なお深くその点については考慮を払いたいと思います。
  134. 大倉精一

    大倉精一君 最後に、大臣に一つお伺いしておきたいのですが、先ほどの軍の作業に対する問題ですね、いろいろお答えがあったんですが、行政協定その他の問題について研究するというお答えでございましたが、しかしやはりこの港湾運送事業法のワク外にあるということは事実なんでありますから、この問題に対して運輸大臣とされて、アメリカ軍の方に対しましても日本のこの法律について十分説明をしていただいて、そうして確定料金を収納させる、こういう方向に努力されなければならないと思うのですが、むしろこれは努力というよりも、当然そうされなければいかぬと思うのですが、その点はどうですか。
  135. 吉野信次

    国務大臣吉野信次君) お話の通りです。先ほど、私は事実を知らないで、少し間違ったかもしれません。お話の通り、そういうふうにしなければならぬと思います。
  136. 大倉精一

    大倉精一君 局長にお伺いするのですが、先ほど資格条件をどうやって調査するかという質問を申し上げたんですが、なるほどこれは届出制で、一応の書類の形式が整っておればいいといえばそれまでなんですが、やはり港湾事業の運送事業法の第一条によるところのこの法の精神を生かすがためには、これはやはり何でもかでも登録してしまおうというのでもいけないと私は思うのですが、との法律によって、そうしてこの第一条の目的を達成するために、その出発点になるところの登録という取扱について、港湾局長、どのようにお考えになりますか。
  137. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) お話の通りでございまして、登録いたしますときに、何でもかでもとれるということは非常に困りますので、登録基準を設けまして、それに必要な書類は添付させまして、それに基いて登録のときに考えてやるというような方針にしております。
  138. 大倉精一

    大倉精一君 登録基準を設けられて審査されるというのですが、今までにその基準に合わなかった、あるいは条件を満たさなかったというので、登録拒否をなさったことがありますか。
  139. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは正式に拒否したという事例はないのでございますが、そういう場合には勧告をいたしまして、そうしてそれは取り下げるようにということで処理をして参っております。
  140. 大倉精一

    大倉精一君 その場合に取り下げていますか。
  141. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) その場合には取り下げをしております。
  142. 大倉精一

    大倉精一君 この統計数字を見ますと、昭和二十九年の十二月における業者の数は全国で千六百六十四、そのうちに五大港が千百七十四で、ほとんどここに集中されているわけなんですが、これが一年後の昭和三十年の十二月には、全国で千八百七十八という工合に増加しております。そしてまた五大港におきましては千二百五十一と増加しておる。この一年間で全国二百十四社もぶえておる。五大港で七十七社ふえておる。こういうような実情というものは、おそらく登録申請に基いて無制限にこれは登録してきた結果じゃないかと思うのですが、これはどういうわけで急激にふえたか。特別な原因がありますか。特に需要供給の面において、こういう工合に特別にふえてくる必然的な要件があったのでありますか、どうですか。
  143. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) ただいまの数字の点で、昭和二十九年末現在の登録数が合計千八百四十でございまして、そして三十年末の現在では千八百七十八でございまして、約三十八ふえておるだけなんでございます。それから五大港につきましては、二十九年末が千二百二十五でございまして、それから三十年末は千二百五十一で、二十六ふえております。こういう状態でございます。二十九年末から三十報末にかけての増加数はそんなに大きなものではないと考えております。
  144. 大倉精一

    大倉精一君 それではこの数字は私の誤りかもしれませんので、さらに調査しますが、今度は船夫の問題、従業員の問題ですが、これはいわゆる常傭労働者でなければならぬことになっておるのですか、臨時でもいいということになっておるのですか。
  145. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 今の登録基準にははしけのトン数でなっておりまして、ある一定のはしけのトン数を持つということになっておりまして、そのはしけが稼動するものでなくちゃならぬということになっておりますので、直接船夫が常傭でなくちゃならぬということは表立っては出ておりませんけれども、常に動かなければならぬということから考えますと、大体常傭の船夫を持つということになると思います。
  146. 大倉精一

    大倉精一君 これは昭和二十八年の十月に運輸省が通牒を出しているはずなんですが、その通牒には、はしけの保有トン数は稼動できるものであるから、それに必要な船夫は当然登録条件の中に必要である。しかもそれは船内、沿岸の労働者同様常傭者でなくてはならだい。こういうような通牒を出しておられるはずなんですが、これとの関係はどうなりますか。
  147. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) お話の通りでありまして、結局通牒の意味は、船が稼動するというためには常傭でないと稼動と認められないのだという意味でございます。
  148. 大倉精一

    大倉精一君 そうすれば・職業安定所の手帳を持っているという者はこの要件の中には入らないと思うのですね。こういうのはやはり一向お調べにならずに、常傭者同様に登録の要件にしておられる、こういうようなことも聞いているのですが、そういう事実がございますか。
  149. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 今の点は、はしけのトン数に基準トン数があげてあるのでございます。その基準トン数を常に動かす者については、これは常傭でなくてはならないのでありまして、その点は登録の際によく調査をするわけであります。それ以上のはしけの保有がある場合に、そのはしけについての船夫については必ずしも常傭でなくても、これは動けるというふうにいたしております。
  150. 大倉精一

    大倉精一君 たとえば・具体的な事例を申し上げて承わりたいのですが、基準トン数による船にたとえば五人の船夫がいる、五人の船夫がいなくてはならぬ。その後において二人を解雇して、あと三人だけでやっておる、こういう場合でも別に差しつかえないわけなんですか。
  151. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) とれは基準にトン数だけで押えているものですから、その定数ごとにいろいろ変ってくるわけなんですが、基準のトン数に必要なだけの船夫がいなければ、これは基準にもとるわけです。それ以上になって参りますと、大体そうでなくても認めるというふうにしております。
  152. 大倉精一

    大倉精一君 基準トン数というものはどういうものなんですか。
  153. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは港ごとにいろいろございますが、第一群港湾というのにおきましては、はしけ五百積みトン以上及び引き船一隻以上ということになっております。これは第一群、第二群ともでございます。それから日本海群港湾、それだけがただいま申しましたはしけ五百積みトン以上及び引き船一隻以上、それから第三群港湾というのがございますが、第三群港湾におきましては、はしけ二百積みトン以上及び引き船一隻以上、それからその他の各港湾におきましては、はしけ一隻以上、こういうことになっております。
  154. 大倉精一

    大倉精一君 五百トンというと何隻になるかわかりませんけれども、佐世保の場合はどうなんですか。もしわからぬならいいです。
  155. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 佐世保の分は多分第二群になりますので、はしけ五百トン以上ということが基準の数量になりますので、大体今百トン積みが多いので、約五隻ということになります。一隻当り百トンぐらいでありますので……。通常は百トン一隻当り五人ということになっておりますが、佐世保のような場合は、百トン一隻当り三人ですか、三人で運転可能というふうに考えております。
  156. 大倉精一

    大倉精一君 先ほど私の申しましたのは佐世保の側なんですが、これが五人の船夫がいるということになっておったのが、二人やめて三人で運航する、それを港湾局の方では何らの手を打っておられない、そのままにしておられる、こういう事例があるということを私は知ったわけなんですが、これは今の基準の基準違反といいますか、そういうものの違反になるのじゃないですか。
  157. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは五人で運転可能というような場合が多いのでありますが、しかし場所によりましては三人で運転可能というようなふうにやる場合もございまして、そこの港の状況のケースによりまして、何人で運転可能ということを鑑定してやります。
  158. 大倉精一

    大倉精一君 それでは別のケースでお伺いするのですが、たとえば船だけ持っておる、船だけ持っておいて、それの乗組員、船夫、あるいはそういうようなものは一切自分で持っていなくても差しつかえないのですか。たとえばよその下請会社で持っておるという場合でも差しつかえないのですか。
  159. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) この場合は全然持っていなければ、やはりはしけの運転可能というわけには参りませんので、この場合は基準に欠けるものがあるというふうにして扱っております。
  160. 大倉精一

    大倉精一君 そうすると、はしけだけ持っておって、それの従業員というものについては会社が一つも持っていない、何々海運とかというそういうような下請会社がかりにあるといたしまして、全部その従業員であって、登録業者の従業員が一人もいない、こういう場合にはこの基準にならないわけですね。
  161. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) やはりその持っておりますはしけが使用不能の状態でなければ、登録基準に合致し血いということになります。
  162. 大倉精一

    大倉精一君 つまり使用可能というのは非常に幅が広いのですが、先ほどのお話でいって、自分の会社の所属する従業員がなければならぬというふうに考えても差しつかえないわけですか。
  163. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) やはり自分の常傭の船夫を持っていなければこれは使用可能とみなさないという解釈をいたしております。
  164. 大倉精一

    大倉精一君 常傭というのは、その登録会社に在籍する者なんですね。
  165. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) はしけにつきましては、六カ月以上の船夫つきと申しますか、船夫がついてそうしてそれを賃貸借するという場合もございますので、その場合にはやはり必ずしもその会社の者でなくても、そのはしけが稼動できるというふうに解釈して可能と認めております。
  166. 大倉精一

    大倉精一君 どうもその辺がよくわからないのですが、今の運輸省のこの通牒によりますと、船夫は当然登録条件の中に必要である、しかもそれは船内、沿岸の労働者同様常傭でなくちゃほらぬ、こういう通牒があるとするならば、やはりはしけを持っておる、そしてそのはしけの運航に必要は常傭の自分の会社の従業員がなければならぬ、こういうように解釈されるのですが、その通りでいいのですか。
  167. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 私の方の解釈は、これは船が動くということを一番の根本の基準にしておりますので、必ずしも会社の従業員を持っていなくても、その船についた船夫がおって船が稼動すれば、それは稼動可能であるというふうに解釈して、基準に合うものと考えております。
  168. 大倉精一

    大倉精一君 私はどうもその辺が、解釈の幅が広いといいますか、そこが混乱を起す原因じゃないかと思うのですが、今のお言葉を極端に申しますと、はしけだけ持っておって必要の場合に毎日職安からアンコを連れてきても、それで稼動になるわけですか。稼動といえば、毎日職安からアンコを連れてきても、日雇労働者を連れてきても、稼動になるのですか。それでも資格基準はいいのですか。
  169. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) そういうような特別の場合はこれはちょっとあれですが、実は今この点につきまして再検討しております。その点をどういうふうな対策をもって臨んでいくかという点で、再検討しておりますが、現在まではそういうふうで参っております。
  170. 大倉精一

    大倉精一君 私はこの趣旨は、はしけは五はいなら五はい持っておる、十ぱいなら十ぱい持っておれば、いつでも随時に任意にそのはしけが稼動できるものでなければならぬと思う。それで今のアンコあるいは下請会社に一切依頼する場合には、これは随時、任意というわけにはいかぬと思う。ですから、随時、任意に稼動し得るためには、やはり常傭の従業員がなければ随時、任意に稼動することができぬ、こういうのが私は精神だろうと思う。従って、このはしけを持つと同時に、それを稼動し得るところの常傭船夫がいるというのが、これが運輸省の二十八年十月の通牒じゃないかと思うのですが、そうじゃないのですか。
  171. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) お話の通りでして、いつも稼動できるというのが原則なのでございまして、今のお話で、職安からいつも持ってくるということでは困るので、先ほどちょっと申しましたが、はしけを六カ月以上賃借をするときに、ばしけについた船夫を一緒に借りる、こういう場合には随時はしけが稼動可能はものであるから、これをそれでやってもいいじゃないかという解釈なんです。  それから登録基準に見合うだけの船夫は、これはどうしても要るのですが、その基準に見合うトン数以上のむのがあった場合、それが全部動くというようなことがいつも推測されない。そのような場合に、全部動かすためにはやはり、全部の船夫がなくても、これはやむを得ない、こういうようなことで考えております。
  172. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、大体登録基準のトン数だけは少くとも稼動し得るような常傭従業員がいる、こういうふうに解釈しても私は差しつかえないと思うのですが、その場合にたとえば下請の人夫といいますか、そういうものは常傭の中に入るのですか。
  173. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 今の下請の方はこれは常傭にはなりませんです。
  174. 大倉精一

    大倉精一君 なりませんですね。今私がいろいろ申し上げましたのは実例があるので申し上げたのですが、今のお話に合致しない事例が現在たくさん現存しておるのです。そういうものに対しましていろいろ問題があろうかと思うのですが、港湾局としては、登録業者に対するそういうようないろいろな要件あるいは条件、内容等について、登録後においていろいろ御調査なさっておるのか、あるいはそれは登録したのであるからということでもって、放任主義でいっておられるのですか、どっちですか。
  175. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは登録後におきましても監査をしまして、先ほど申しましたように、基準に合致するように勧告をし、それからさらに基準に合致することができなければやめてもらうという方針で進んでおります。
  176. 大倉精一

    大倉精一君 その条件の欠除したという業者、に対しては勧告するということなんですが、実際問題として、全国の、あるいは五六都市でも、こういうたくさんな業者のそういう内容についてお調べになることはできますか。
  177. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは昨年ですか、昨年一回やりました。今年も早くもう一回やってよく調べたい、監査をしたいというふうに考えております。
  178. 大倉精一

    大倉精一君 最後に一つお尋ねしたいのですが、この登録申請があった場合に、いろいろ各方面から反対があったり何かあると思うのです。これは免許でも何でも同じことだと思うのですが、そのためにいろいろお困りになると思うのですが、そういう場合にあなたの方で、こういう方面の陳情なり意見なりというものを何か聞く機関とい  いますか、そういうような窓口か何かおありになるのですか。
  179. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) 各海運局に港湾運送事業協議会、こういうのを、これは法令によらないのですが、一昨年から設けておりまして、そこでよく意見を聞きまして、そうしてよく調べるというふうにしております。
  180. 大倉精一

    大倉精一君 たとえば港湾局長は地方の出先の幹部なり何なりが、条件が欠除しておる、あるいはその他の登録に適当じゃないということが明らかにわかっておる、あるいはそういうものが不完全だというのに、いろいろな関係からこれを無理にやっおゃうという場合があるとしますね。そうしてそれが、御本人があとから、あれは間違っておったというようなことを言ってこられる、そんな場合は、これはあなたの方でそういう事情をよく調査なさるのですか、そういうような事例がある場合に。
  181. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) そういうような場合があれば、これはさらに再調をしてもらいまして、そうして明らかにしたいと思うのですが、間違っておったというようなことはないのでございます。
  182. 大倉精一

    大倉精一君 その場合に、たとえば部長さんなら部長さん、局長さんなら局長さんが、あれは間違っておったというようなことをみずから認められるというような場合があるとするならば、そういう登録は取り消しになるわけですか。
  183. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは登録条項に欠けた者を登録したということでございますから、取り消しにしなければなりません。
  184. 大倉精一

    大倉精一君 先ほど運輸大臣にいろいろお尋ねして、今後の方針等をお伺いしたわけなんですけれども、確定料金の収受について、第十条のですね、これは一昨年のこれもたしか全港湾の争議のときに、輸入食糧については一応協議会ができて、窓口が一本になって解決したような格好になっているのですが、その他の貨物についてはこ木ばそのまま放任してあるようでありますが、大臣からもいろいろお伺いしたのですが、当面の問題としまして、局長としてこれに対してどういう工合な行政指導をされますか。
  185. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) これは料金監査を地方の海運局を通じてやっておりまして、乱れている所はこれを勧告して、正規な料金に復帰するようにしてやらなければならぬと思います。また事実、勧告もしてやっております。
  186. 大倉精一

    大倉精一君 これは事実調査をするとおっしゃるのですが、これは調査するまでもなく、局長だったらわかると思うのだ、これはめちゃくちゃだということは。それで先ほど大臣はさっそく調べてみて、実施していない所は直ちに実施するように勧告し、その勧告が実施されない場合は行政措置をやる、こういう明言があったのですが、ぜひそのようにしてもらいたいと思います。  そこで、私が心配することは、今全港湾の労働組合が争議を起して、これがどうも発展していくような形勢がある。私が今ここで、運輸委員会でこういうことをお尋ねするのは、そのことがひいては港湾運送事業の運営に対して非常に大きな支障が出てくるのじゃないかということで、運輸委員会としては当然これに関心を持たなければならぬ。そこで組合の方からいろいろ情報を私は聞きましたが、賃金値上げの交渉をやるたびに、確定料金はもらっていないのだから、そういうお前たちの賃金を満足に出せないというようなことで、常に労働争議のこれは争点になっているようであります。そこで一昨年の全港湾もこの法律を守ってくれというストライキをやって、まことに珍しいストライキだったのですが、これが御承知のよう血格好で解決がついた。今度もこのようは格好で争議が発展していくような状態にあるのですが、もし業者が確定料金をもらっていないからそれに応ぜられないというようなことであれば、今の方針に従って、さっそくあなたの方から業者に対して確定料金収受の勧告を出していただくということ、それからそれによって争議を解決して、そうして港湾運送に支障のないように、公益事業に支障のないようにするというような、一つ勧告をお出しにならなければならぬと思うのですが、この点はいかがですか。
  187. 天埜良吉

    政府委員天埜良吉君) お話の点、大臣も先ほど御答弁申し上げたそうですが、確定料金の件については、至急実施されるように措置したいというふうに考えております。
  188. 大倉精一

    大倉精一君 では、きょうはこの辺で質問を終りますけれども、今の大臣の確定料金に関する、さらにまた米軍に関することは、あまり日にちがかからずにこれが解決すると思います。すぐ実情がおわかりになるから、勧告もすぐ出すというから、それで今の争議に関する勧告もさっそく業者の方にお出しになっていただいて、その結果を一つ近い運輸委員会において報告を求めるかもしれませんから、そのときには一つ実情を御報告願いたい。以上をもって質問を私は終ります。
  189. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 本日は、これをもって散会いたします。    午後四時三十二分散会      —————・—————