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政府委員(
伊能繁次郎君) その点につきましては、御承知のように、本
法律案の要綱にもございますが、自動車運送事
業者に対しましても輸送安全準則というものを定めておりますが、かような、ある程度形式的なものではなくして、実体的に、御指摘のように、運転者が安んじて作業に従事できるという裏づけの客観的な面も
運輸省としては十分考慮しなければならぬ。ことに小酒井先生御承知かと存じますが、一般交通
事業、なかんずく
鉄道交通等についての
機関士、電車運転手等の
資格要件並びに待遇、
給与等につきましては、従来
機関士等のごときは恩給その他についても特殊な恩典が与えられるというような面とも比較をいたしまして、目下まだ十分熟しておりませんが、
運輸省内において
検討いたしておるのでありますが、経歴並びに学歴、さらに長い間の経験度合い等によって、運転手の格づけと申しますか、階級と申しますか、そういうようなものによって、
給与の面においても一定の保障といいますか、そういうような問題を考えて参らないと、この刻々非常にひんぱんになって参っておりまする自動車交通、ことに自動車交通は一般大衆に対する事故防止というものと自動車自体に対する面と両方あると存じますが、要するに自動車交通確保の面から、運転手の方々が安んじてその仕事に服し得るためには、現在のような、率直な
お話しを申し上げますと、年配のタクシー、ハイヤーの運転手等は一般的に自重をした、あまりめちゃくちゃな運転をしない。ところが、若い運転手諸君は、単に自分の
収入を増加したいという気持からだけで、相当無理な運転をし、輸送をする。その結果は、無理な仕事をして、自動車の面にもいい影響を与えないと同時に、自分にも相当大きな疲労を増すが、
収入は非常に多く、一方まじめな運転と申しますか、自重した運転をする年配者の方は
収入は少いということで、経歴の面からいっても、また大きな意味における交通安全という点からいっても、支障が、——支障というか、公平を失する問題があるではないかというので、この点は実はいろいろ困難な条件はございまするが、こういう点について将来ある程度の公平な、経験に応じた、また整備等の資格を十分持った人に対する
給与の格付けといいますか、そういう問題も考えていかなければいけないというので、実はまだ研究の段階でございますが、そういう点については目下いろいろと
調査を進めておるような状況でございます。