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1956-03-09 第24回国会 参議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月九日(金曜日)    午後二時七分開会     —————————————   委員の異動 三月八日委員木島虎藏辞任につき、 その補欠として小野義夫君を議長にお いて指名した。 本日委員小野義夫君、高大正夫君、高 良とみ君及び山縣勝見辞任につき、 その補欠として木島虎藏君、森田義衞 君、野田俊作君及び井上知治君を議長 において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     左藤 義詮君    理事            木島 虎藏君            片岡 文重君    委員            井上 知治君            岡田 信次君            川村 松助君            一松 政二君            平林 太一君            三浦 義男君            大倉 精一君            野田 俊作君            森田 義衞君   政府委員    運輸政務次官  伊能繁次郎君    運輸省船舶局長 山下 正雄君    運輸省船員局長 安西 正道君    運輸省自動車局    長       山内 公猷君    運輸省航空局長 林   坦君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省自動車局    整備部長    津守  巧君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選道路運送法の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○船舶職員法等の一部を改正する法律  案(内閣提出) ○道路運送車両法の一部を改正する法  律案内閣提出) ○空港整備法案内閣提出、衆議院送  付)     —————————————
  2. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) これより運輸委員会を開会いたします。  まず、委員変更について報告いたします。  三月八日木島虎藏委員辞任小野義夫補欠選任、同じく九日小野義夫委員辞任木島虎藏補欠選任、同日高大正夫君委員辞任森田義衞補欠選任、同日高良とみ君委員辞任野田俊作補欠選任せられました。  次に、理事補欠互選についてお諮りいたします。理事木島虎藏君が、先ほど申し上げましたように、委員辞任し、再び委員に復帰せられましたが、その結果、一名理事が欠員となっておりますので、その補欠互選を行いたいと存じます。互選の方法は成規の手続を省略して、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。  それでは、私より再び木島虎藏君を理事に指名いたします。     —————————————
  4. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、道路運送法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府より提案理由説明を願います。
  5. 伊能繁次郎

    政府委員伊能繁次郎君) ただいま委員長からお話のありました道路運送法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げたいと思います。本件については大臣から御説明を申し上げるはずでありましたが、衆議院の本会議の方へ出席をいたさなければならなく相なりましたので、私かわりまして御説明申し上げることをお許しをいただきたいと存じます。  ただいま議題になりました道路運送法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  終戦後の国民経済の復興とともに、自動車運送は急激な発展を遂げ、今や交通運輸の分野においてきわめて高い地位を占めていることは周知の事実であります。しかしながら、自動車運送の急激な発展に伴い、自動車事故増加の一途をたどり、これが早急な対策は朝野をあげて要望せられているところであります。政府におきましても、昨年交通事故防止対策本部を設けまして交通事故の根本的な防止対策について検討して参ったのであります。今回の道路運送法の一部を改正する法律案は、この交通事故防止対策要綱趣旨にかんがみまして、自動車運送事業による輸送の安全を確保しようとするためのものであります。  なお、自動車運送は多数の旅客または貨物を確実かつ迅速に輸送するものであって、この点より見ても、非常に公共性の高いものなのであります。従って、事業用自動車自家用自動車がそれぞれ関係法令を順守することにより、調和的、総合的に発達していくことが、国民経済上望ましいのであります。しかしながら、現在自家用車による営業類似行為が著しく増加しまして、道路運送に関する秩序も維持することが困難となっている状態なのであります。  今回の道路運送法の一部を改正する法律案は、右に述べました自動車運送事業による輸送の安全を確保するとともに、道路運送に関する秩序確立することにより、道路運送の健全な発達を促進するために提案する次第であります。  以下本法案による改正の要点について御説明申し上げます。  第一に、自動車運送事業の定義から「有償で」を削りまして、他人需要に応じて旅客または貨物を運送している者は、その対価を運賃料金の形で収受しているといなどを問わず、自動車運送事業として道路運送法規制対象としたことであります。これは事故防止徹底を期し、あわせて道路運送に関する秩序確立をはかるためのものであります。  第二は、特定自動車運送事業免許基準に、事業適確遂行能力を加えたことであります。これは特定自動車運送事業について事故防止徹底と、利用者の保護とをはかったものであります。  第三は、特定旅客自動車運送事業事業用自動車運転手についても、一般乗合旅客自動車運送事業一般貸切旅客自動車運送事業一般乗用旅客自動車運送事業事業用自動車運転者と同様に、政令で定める一定要件を備えるようにしたことであります。これは特定旅客自動車運送事業他人需要に応じて旅客を運送するものである以上は、運転手の未熟や不注意による事故の発生の防止をはからねばならないという理由によるものであります。  第四は、一般旅客自動車運送事業者及び特定旅客自動車運送事業者に対して、政令で定める一定要件を備えない運転者の使用を制限し、本条違反事業者に対し罰金刑を科することとしたことであります。これまでは事業用自動車運転者自体に対し規制していたのでありますが、これを改め、前述のように事業者自体規制対象といたしまして、事故防止徹底をはかることとしたのであります。  第五は、自動車運送事業者に対しては輸送安全準則を、自動車運送事業用自動車運転従業員に対しては運行安全準則を整備するための根拠規定を設け、命令によって必要な規律を行うこととしたことであります。いずれも事故防止徹底をはかるための改正であります。  第六は、現行法の「報告及び検査」の条項を整備いたしまして、監査責任を明確にし、事故防止徹底をはかったことであります。  以上によりまして本法律案提案理由について御説明を終りますが、自動車輸送の安全の確保と道路運送に関する秩序確立のためには、ぜひとも本法制定を必要とするものと考えますから、何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決されまするようお願いいたす次第であります。     —————————————
  6. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 本案に対する質疑は次回に譲りまして、前回に引き続き、船舶職員法等の一部を改正する法律案議題といたします。  質疑を御継続願います。
  7. 片岡文重

    片岡文重君 船舶職員法の一部改正につきましては、すでに政府委員からも御説明を承わっておりますが、前回の御質問に対する御説明を伺って、どうも結論がはっきりのみ込めませんので、あるいは前回と重複するような点があるかもしれませんが、なるべく簡単要領を得た御説明をいただきたいと思います。  で、前回の御説明では、この改正案経過措置をさらに一年半延期をしたいということのようでありますが、その延期をする理由は、本法現状に沿わない点が多いから、船員資格定員表現状に沿い得るように改正する必要がある、そのためには、その準備のために延期をしたいのだ、そのためにこの改正案を出したのである、こういうことであったのですが、この現状に即さないということは、どういうところを意味するのか、その点を一つ、まずそこから御説明いただきましょう。
  8. 安西正道

    政府委員安西正道君) 現状に沿わない点はいろいろあると思いますが、まず、遠洋かつお・まぐろの臨時特例に関する法律におきましては、たとえば総トン数三百トン未満の船舶につきまして、現在は船長が乙種一等航海士という資格になっております。機関長乙種一等機関士になっておりますが、こういった職員法を完全実施いたすことになりますと、この種の船につきましては、甲種一等航海士資格を持たなければならないということに変るわけでございます。機関長につきましても、甲種一等機関士でなければならないということになるわけでございます。そういたしますると、現在の乙種一等航海士から一段上の資格甲種二等航海士でございます。また乙種一等機関士は、一段上の資格甲種二等機関士でございまして、このように二ランク資格が飛ぶわけでございます。しかしながら、甲種免状乙種免状とは非常に大きな試験程度の相違がございまして、なかなか、実地出方々試験を受けられるといたしましても、よほど勉強しなければ、これは受からないというような程度になっております。もちろん航海の安全の見地から申しますれば、高いほどよいのでございまするけれども漁業界現状等から考えますと、二ランク飛ぶというようなことは、非常に現状では至難ではないかというように考えられます。一例を申し上げますと、こういったような点がございます。
  9. 片岡文重

    片岡文重君 今日この経過法が期限切れになるというときになっても、なおかつ現状に即しないということになれば、本法制定の当時は、なおさらそういう点がひどかったのじゃないかと思うのですが、それにもかかわらず、今になってなおかつ実施し得ないような高度の規定を設けたということは、どういうところに理由があるのですか。
  10. 安西正道

    政府委員安西正道君) これはいろいろ問題がございまするけれども、当時はたとえば漁船につきましてもマッカーサー・ライン等ラインが設けられまして、漁船にいたしましても、現在の乙区域程度がようやくその漁業区域でございまして、従ってその船舶の数も非常にその当時といたしましては少い、わずかで、少数でございましたが、その後講和条約の発効に伴いまして、わが国の漁業が急激に発展いたしましたこと、従って漁船の数が急激に膨張いたしまして、従って船舶乗組員必要性が非常にふえて参った等の事情からいたしまして、充足困難になってきたいというように考えております。
  11. 片岡文重

    片岡文重君 そうすると、本法制定の当時にはそう切りかえは困難でなかったけれども、その後漁業遠洋化等によって急速に高級船員の補充が困難になってきた、そして現在は比較的レベルの低い船員が多くある、そのためにこの本法の適用が困難になってきた、こういうことですか。
  12. 安西正道

    政府委員安西正道君) その当時も非常に困難であったと考えます。しかしながら、その当時の情勢から見ますれば、その当時の漁船事情から見まして、本法できめていただいたような猶予期間を設けていただけば十分充足できるというように考えておったわけでございます。
  13. 片岡文重

    片岡文重君 そうすると、この経過期間を置いておれば、十分その間に本法で切りかえができるというように考えておったのが、できなかった。しかもそのできない間にも政府としては、前回委員会の御説明によれば、相当措置はとられたようですけれども、なおそれができなかった。しかも今の御説明によると、ますます困難になってくるようなお話ですけれども、この今度の再延期によって、果たして本法への切りかえができるのかどうか。特に船腹もますます大きくなってくるし、航法漁法ともにますます高度化されていくでしょう。延期されている間にもそういうことになったら、今さえ困難なことが、一そう困難になるというように考えられるのですが、これに対して、政府として確信を持ってこの切りかえができるということがお答えいただけるのですか。
  14. 安西正道

    政府委員安西正道君) 従いまして、現在の船舶職員法木規定でございますが、これを適用いたしますと、非常にこの一年の期間をもってしては困難であろうと増えております。しかしながら、もちろん航海の安全を確保するのが船舶職員法の目的でございまするが、しかし同時に、漁業界等実情もあわせて考えなければなりませんので、実情に即するように、しかもまた船舶安全性に対して非常な支障を与えないような資格定員表を作りたい、そういうように考えております。
  15. 片岡文重

    片岡文重君 経過措置を再延長して、この次に期限が切れたときに本法への切りかえができる、つまり再々延長をしなくとも済む、こういうことが政府として確信をもってお答えができるのかどうかということを、私はお聞きしているのですがね。
  16. 安西正道

    政府委員安西正道君) 再々延長しないでも、改正いたしました資格定員表によりまして十分充足できるような資格定員表を作りたいと考えております。
  17. 片岡文重

    片岡文重君 大へんお含みのある御答弁ですが、船の大型化、それから航法漁法高度化は、著しく進歩しつつあるという御答弁前回にもなされているのですから、少くともその高度化し急速に進歩していく船舶に対して、あるいは漁法に対して、追いりきもしくはそれ以上に進歩した船員を乗せることが安全を確保する最大の原因であろうと思うけれども、そういう点について、今からこの切りかえのときの措置考えておかなければ、なかなか困難になるだろうと思うのですが、そういう点についてはすでに政府としては腹案をお持ちになっておられるのですか。
  18. 安西正道

    政府委員安西正道君) 二年前の国会におきまして、この特例法の二年ばかりの延期をお願いいたしまして、その間に、漁船船員養成及び小型船舶船員養成等につきまして、省と運輸省と協同いたしまして、非常に力を尽して参りました。従いまして、最近までの情勢におきましては、相当漁船船員及び小型船舶船員素質も向上して参ったように考えております。また私どもは本年度におきましても、小型船舶養成補助予算審議をお願いいたしておりまするが、同時に、農林省におきましても、同様に漁船船員養成につきまして一生懸命やるようになっております。従いまして、他面この二年前と現在とを比較いたしますると、漁船船員素質相当向上して、もう一息というところまで参っているように私ども考えております。従いまして、来年の通常国会におきまして、本法改正法案をお出しするつもりでございまするが、十分船舶の安全と両立し縛るような資格定員表であり、かつ充足できるという確信を持ったものを提出いたしたいというように考えております。
  19. 片岡文重

    片岡文重君 船員の再教育については十分考慮をされて、再々延期のときの切りかえには大体できるであろうという御答弁のようですが、まあ御答弁ですから、私はそのまま率直に拝聴いたしておきますけれども、実際問題として、相当年齢に達しておる船員がこの一年半なり一年の間に、果して本法に定められておるような資格を取り得るかどうか。で、かりにこの再々延長するまでは船員資格表を直す、そうして実情に即するようにするということであっても、今日の経過措置で定められておる資格表よりもはるかにレベルは引き上げられるものと考えます。そのときにその切りかえが、その老齢船員等についてできるかどうか、これははなはだやはり困難が伴うであろう。そういう点を考慮するならば、この相当年齢にある船員等については、乗船経験年数とか、そういう点を考慮して、改正をされる意思がおありになるのかどうか。
  20. 安西正道

    政府委員安西正道君) ただいまの御質問の御趣旨はきわめてごもっともでございます。老齢船員は非常に経験は持っておると思いまするけれども、なかなか学術試験に合格するということも非常に困難な面もあると考えられますので、改正案提出の研究におきましては、ぜひそういった人たちに対しても何らかの措置を設けて、失業することのないように考えたいと存じます。
  21. 片岡文重

    片岡文重君 これから三月に水藤学校商船学校等を卒業して新たに乗り細まれる諸君は、この経過措置資格によって乗り組まれるわけですから、一年半たてば、これらの諸君が再び試験を受けなければならないことに立ち至るわけです。その際に、これらの諸君がまた失格するようなことがあると、大部分が若い諸君ですから、将来問題を起すと思うのですが、これについては、乗せる際に相当資格を吟味して乗せられるような措置をとっておるのか、もしくはそういうことがなされておらないとするならば、この切りかえのときに再び今直面しておるような困難にぶつからないように、何らかの措置を講ずる、あるいは再教育をするか、なにか、そういうことについてもお考えになっておられるのかどうか。
  22. 安西正道

    政府委員安西正道君) 現在は、特定学校の卒業生に対しましては、試験を猶予いたしておりまするが、この人たちにつきましては、もちろん乗船の際一定経験を必要といたしております。すなわち学校における一定航海実習資格要件として設けておりますので、従いまして、その人たちがおそらく何らかの商船会社なりあるいは漁船等に乗り組んでおる人たちでございますので、十分航海実歴を加味した試験を行いたいというように考えております。
  23. 片岡文重

    片岡文重君 どうも経過措置再々延期をして切りかえのときに、今当面するような困難にぶつからない確信というものを私はお伺いしたいのですが、先ほど来の御答弁で、大体そういう意思でおやりになっておると思いますので、大体質問はこの程度で打ち切りたいと思うのですけれども、二十九年の四月二十日に出されました、これは何国会でしたか、十九国会における本委員会決議が少くとも全然順守されておらなかったということが、この際明らかになっているわけですから、この委員会として再ひこのような決議をするまでもないと思いますので、政府としては、この再々延長の切りかえに当って、この決議を再びわれわれが思い起すことの必要のないように、十分な措置をしていただきたいということを要望いたしておきます。
  24. 伊能繁次郎

    政府委員伊能繁次郎君) ただいま片岡委員の御希望に対しては、御趣旨に沿うように、法律改正に際しては十分注意をして、考慮をして参りたいと存ずる次第であります。
  25. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 他に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     —————————————
  26. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 本案討論採決は少しあとにいたしまして、引き続いて、道路運送車両法の一部を改正する法律案議題といたします。  この際、御質疑のある方は御発言を願います。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 前回この問題に対する質疑を保留しておきましたが、続いて若干お尋ねしたいと思います。  地方の陸運事務所等現場状態を見てみるというと、根本的には人員不足予算不足、あるいは設備の不完全、こういうようなことのために、車両検査等が必ずしも適正に行っていない。非常にそこに欠陥があるように児受けておりまするが、そういう点についてどういうふうな御認識を持っておられるか、それを伺いたい。
  28. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) その問題につきましては、先般のこの委員会でも御説明いたしましたように、運輸省当局といたしまして、自動車増加数に適応いたしましてその定員増加に努めて参ったわけでございますが、その面におきましては、三十年度の予算におきまして、三十六名の常勤労務者定員増加いたしております。三十一年におきましても、また三十六名の常勤労務者の増員をすべく、現在予算の御審議を願っているわけでございます。  それで、御承知のように、官庁定員増加というものが業務の実態に即してなかなか国家財政上伸びない現状でありますので、この人手不足人手で補完するというだけではなくて、機威力によりまして人手不足を補うという面にも力を尽して参りまして、車両検査機械化ということにつきましても努力をして参ったわけでございまして、特に三十一年度におきましては、その方面におきましてはある程度、従来になく相当予算の計上をお願いをいたしておりますので、三十一年度におきましては、その方面における機械化というものを相当やっていきたいと、かように考えております。また車両検査のやり方にいたしましても、各方面の御要求に応じて出張検査というものが、従来ある程度無計画的に行われた面がありましたので、できるだけ能率を上げますために、集中検査制度というものを充実いたしまして、人及び物を最も効率的に使いまして、車両検査の迅速をはかるべく努力をいたしておる次第でございます。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 自動車局長は、あるいはそのほかの幹部の諸君は、その現場でですね、車両検査現場あるいは事務所現場おいでになったことがありますか。
  30. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 私はまだ日が新しくて、局長に就任いたしましてから参ったことはないわけでございますが、前職の時代には、鮫洲車両検査場を見ておりますし、前職の関係上、東京陸運局というようなところにはしばしば参っているわけでございます。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 前の局長あるいはその前の局長が一回もおいでになったことがない、こういうようなことを私は聞いたのですが、私は一度現場へ行って、現場実情をよく見てもらわぬというと、机上プランだけではいかぬものがある。私も現場へ行きまして、なるほどというところをたくさん判別することができました、たとえば昨年三十六名おふやしになったというのでありますが、現場で聞いてみるというと、ほんとうにこれが検査員として使えるまでには六年かかる、こういう実情を私は聞いて参りました。それは確かに事実をもっていろいろ説明してもらいましたが、五、六年訓練期間が要るわけであります。そこでたとえば鮫洲の問題にいたしましても、あそこは何名でしたか、三十五名中二十二名が検査をやっているわけでありまして、これがほとんど経験と勘でもってやっておる。これが出張をするというと、四、五名抜けることになるので、その四、五名に対して補欠もない実情にあるが、それからまた病気欠勤その他の場合におきましても、そういうような人を募集するところの——募集といいますか、埋め合せるところの人員余裕のない、こういうようなことを聞いて参りましたが、ここで私はちょっと思い当ったのですが、この車両検査補助要員養成ということについて、特別にお考えになる御意思がございませんか。つまり今まで事務所において事務をやるかたわら、これをやっているのですが、こういうものを集めて、車両検査に関する特別の養成をする、その他要員養成するというようなお考えはないのですか。
  32. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 先生の御指摘の点はすでにわれわれも苦慮しておるところでございますが、御承知のように、現状におきまして定員余裕がありませんために、そういうものを引き上げて養成をしているということは、従来やっておらないわけでございます。鮫洲におきましても、御承知と思いますが、あそこに職員のための教室というまでにはいきませんが、休憩所をある程度教室程度に使っております部屋がございます。三十名ぐらい入ると思いますが、そこでいろいろ陸運局及びそういった担当官が行きまして、従来からおられる方々業務なりいろいろの研修車両検査に関する研修をいたしているわけでございます。御指摘の点につきましては、将来あるいは仕事の繰り回しによりまして、そういった研修ができるかどうか、十分検討さしていただきたいと思いますが、定員余裕がある程度あれば、そういう方向に向ってわれわれといたしましても努力いたしたいと思っております。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 私が聞いているのは、定員余裕という意味ではなくて、将来この車両検査に専任させるために、格別に要員養成をするような機関を設けて、そういう場所を設けてやるお考えはないか。そういったようなことが、ぜひこの実情において必要なように感じますが、こういうことを御研究なさる御意思はありませんか。
  34. 津守巧

    説明員(津守巧君) 実は今年度の三十六名の採用をいたしますときに、そういうことを最初考えました。一応各局で採用してもらった人を、数カ月して東京で合宿させまして、これを一応教育してから、また各局に帰らして、仕事をしてもらおう、こういう計画を一応立てたわけでございますが、まず御承知のように、現在非常に忙しい。それからまた車検、登録の仕事にいたしましても、非常に高度な仕事から割合に熟練を要しない仕事まで、いろいろランクがございまして、割合に技術なり知識、高度の知識を要しない仕事なら、相当助かるというようなことで、従来相当熟練した人が、そういうのを人がないためにやっていたわけでございますが、そういうふうにして順繰りに先任順位で上っていけば、そういうところが助かるというようなことで、一日も早くほしいというようなことで、今回はそれを見送りまして、仕事のかたわら現地においていろいろの指導をしてゆくということで、やむを得ず始めたわけでございますが、できるだけ御指摘のような教育方法をとっていきたいという念願でおります。来年度の採用の分につきましては、御指摘のような教育をして仕事につけさせたい、こういうふうに考えております。  それからまたいろいろ仕事のやり方に関しましても、いろいろと能率の上るやり方があるわけでございまして、この点に関しましては、今年度、各局並びに各事務所で中心になるような車検官、登録官を、ごくわずかの人数でございましたが、一事務所一名ぐらいの割で東京に集めまして、どういうふうにしたら能率が上るか、それから最近困っているような点は、どういうふうにしたら解決できるかというような、車検官並びに登録官の研修の勉強の会議を、今年度、登録官に関しては一回、車検官に関して一回、行いたい。この関係予算もつけてもらっております。今後もこれを続けていって、大いに登録、車検事務の能率化、改善化をはかっていきたいと思っているわけです。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 ただいまのこの御提案になった道路運送法の一部改正については、交通事故が非常に多い、これを何とか対策を立てなければならぬという御提案がありましたが、この交通事故の根源であるところの車の病気を完全に直して、そうして健全な車をということがまず出発点じゃないかと思います。そういう意味におきましても、今お話があったことは、一つ今後も現場実情に即して、いろいろな点について善処をお願いしたいと思います。  それから現地の職員諸君は非常にそういう少い人員でもって苦労してやっているのですが、この検査関係の仕事は日限がきまっておりますので、あしたにする、あさってにするというわけにいきませんので、どうしてもその口にやってしまわなければならぬというので、相当超過勤務をやるわけです。特に超過勤務をやるわけです。この超過勤務手当というのは、規定通り払われておるのですか。
  36. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) もちろん、超過勤務におきましては、支払っておるわけであります。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 払っておるという御答弁ですが、私の調査したところによりますと、払われていない。ここにやはりさっき申しましたように、高いところから見ておるのと、それから現場とは、だいぶ違うわけなんです。払われておっても、規定のものは払われていないという実情でございますから、これは一つ、ここでやりとりするまでもなく、今の払っておるという御言明ですから、十分御調査願って、払われていなかったら、お払い願うようにしていただきたいと思います。  それからさらに、これは一カ所でなくて、私は方々でそういううわさを聞くのですが、うわさであればけっこうだと思うのですが、車体検査を受けに行くというと、本人が持っていったのではこれは受からぬ、どこかの修理工場から持っていくと簡単に受かってしまうといううわさを聞いております。うわさです。そういううわさが事実でなければけっこうでありますが、そういううわさが事実だとするならば、これは大へんなことだと思う。むろんそういうことが事実であるとするならば、そういうことが起る原因がいろいろあるだろうと思うのですが、そういううわさを私は聞いているのですが、あなた方はそういううわさをお聞きになったことがございますか。
  38. 津守巧

    説明員(津守巧君) そういううわさを聞いたことございません。それで私たちとしましては、符にこの車体検査の公正、公平を旨としてやるということを、特にモットーといたしております。もちろん中には、結果的に見たら、まあ人のやることでございますので、そういうふうに見られた点があるんじゃなかろうかという点も心配になりますが、今後、先ほども局長が申されましたように、今後極力急速にこれを機械化していって、人の勘をもうそこに入れないで、特に最新式の機械はゲージとか、ゲージの針とか、それから不合格のときにはあとでグウッと鳴るとか、電灯がつくとかということになっております。特にそういう機械、ゲージによるところの切りかえと、その公正をますます期していきたいという所存でございます。
  39. 一松政二

    ○一松政二君 今政府委員から、大倉委員質問に対して、うわさを聞いていないと。今業者が持っていけば早いし、個人が持っていけばおそくなると。従って、業者はおれにまかせろと。これは修理工場に入ったら、それはもうどの修理工場でもそう言っておりますから、あなた方の耳に入らぬといえば、これは入らぬ方が不思議なんであって、それはおそらく、またそういうことは、お互いに顔なじみであるということが、以心伝心にものごとを早くしたり、ものごとがスムーズにいく原因にもなるから、それが全部陰で何かおかしいことなんであるという問題に、直ちにはならぬ。ならぬけれども、どうも方々に協力会とかなんとかいう看板がかかっておって、そしてナンバーの書きかえその他のことで行くと、何もかも協力会と代書人とあって、何だか役所の分身みたいなことをやっているような印象を受けるわけです。従って、予算等の関係もあってできないから、協力を頼むなんということもあるかもしれぬし、また手助けをしてもらうというようなこともなきにしてもあらずというので、その辺がどうもすっきり行っていないのだろうと私たち想像している。で、また私も車両検査場に行ったことがある。自分たちのところでずいぶんかせいでいる収入は、全部大蔵省に持っていかれて、そして自分たちの予算は一つもくれないと、こういうことを場長から聞いたことがある。でありますから、そういうことについては、私はちょうどいい機会に、入って来るなりそういうことを大倉委員からお話がありましたので、私は厳に一つ、これは運輸省で事の起らぬ先に、一つ御注意を願いたいと思う。別に私は御意見があれば承わりますけれども、うわさを耳にしないなんというようなことを言っておられますから、何も耳にしたからといって、私は大蔵省や運輸省が怠慢だとかなんとかいう、大倉委員のような考えでもないし、私もそう思っていない。けれども、やっぱり何かちょっとすっきりしないような気がすることは確かでありますから、非常にその辺御注意が願いたいので、入って来るなりでありましたけれども、ちょうど関連でありますから、申し上げておく次第であります。
  40. 岡田信次

    ○岡田信次君 ただいまの関連ですけれども運輸省の何か指定の整備工場というのがあるのじゃないですか。そこである程度検査の、検査というか、機械の状態がいいということになって、ほんとうの車両検査場であまり、精密な検査というか、たとえば自動車の運転免状をとる場合に学校が指定されておって、そこの免状を持っておれば試験をしなくてもいいと同じようなものがあるのじゃないですか。
  41. 津守巧

    説明員(津守巧君) この自動車の整備をする工場は、これは認証制度になっておりまして、認証工場でなければ自動車の整備を業としてはいけないという制度になっております。それでその認証工場の中で、さらに申請に基きまして、優良認定工場というのを運輸大臣が指定をする、認定をいたすことになっております。それには一定の基準がございまして、その基準に合格した工場は、その設備なり、それから工員の技量、整備士の数、その運輸大臣が行う試験に合格した整備士の数、そういうものを基準といたしまして、優良認定工場を認定いたしております。その優良認定工場の中で、さらに申請に基きまして、車検用の機械設備をその工場が整備いたしまして申請をしてきた工場は、これを指定工場とするというふうにいたしまして、そこの指定工場で整備をして、その直後の車につきましては、車検の際には現車呈示を免除いたしまして、書類の、そこの整備の記録簿を提示してもらって、現車の呈示を免除いたしております。ですから、言いかえますれば、優良認定工場でさらに車検の設備を持っている工場ということに相なるわけでございます。
  42. 岡田信次

    ○岡田信次君 そういたしますと、実際車検を受ける場合に、まず指定工場に入れて整備をして、そこで何か証明書か何か持っていくという今のお話ですが、実際に行われているのなら、それの車検場に持っていく前に指定工場に入れるということがどうも人情ですから、そうすると、この際二百円を三百円に上げるというのは少し高いと思うのですがね、どうですか。だから、実際問題は、運輸省の車検場でやる手数というのがあるいは非常に少くて、大体指定認証工場にまず整備に入れていって、そこでその証明書なんか持っていくのが実情のようですが……。
  43. 津守巧

    説明員(津守巧君) われわれといたしましては、業界にこの指定工場を実はふやすようにいろいろ指導をいたしておるような次第でございまするが、実情といたしまして、なかなか、この車検の整備をしなければならないとか、いろいろむずかしいいろいろの点がございまして、われわれの思うようにこの指定工場がふえていかないわけでございまして、実際に特に大きなバス会社、そういう大きな会社の自家整備工場あたりにこういうのが割合にあるわけでございますが、実際に自動車の整備だけを業としておる工場のうちで、この指定工場というのがなかなかふえないような実情でございまして、そちらで整備をして、実際の車検に持ってこない、現車呈示をしないでも済むという車が、実は非常に少いということでございます。
  44. 森田義衞

    森田義衞君 先ほど自動車検査の整備について、人員の充実あるいは設備の拡充をやっているといった一般的なお話があったのですが、その人員の充実では、私思うに、こういった行政事務の中でも現業事務といったものは、やはりそれに応じた人員の配置をしなければ、完全な業務の運営はできないのではないか。この点で、たとえば陸運局と陸運事務所の行政事務の範囲を見ましても、ある調査事務陸運局はやる、あるいはまた陸運局と陸運事務所がダブってやるとか、下請けをしておられる陸運事務所がだいぶあるようでありますが、そういったものはやはり簡明な方式をきめられてやった上で、その違った部面、いわゆる現業事務に属する検査事務といったものは、やはり自動車車両数が非常にふえてきているのですから、それに応じて定員の適正配置が必要ではないかと思います。そういった点で、先ほども充実していると言いますが、自動車増加に対応して、そういった要員運輸省考えているようにうまく行っているかどうか。何といいますか、たとえば検査をやられても、いろいろな集中検査をやればその事務が少くなって、うまくやれるとか、いろいろないい面もある。そういった面と並行してこれは考えるべき問題だと思いますが、少くともそういった要員の充実をはかってやらなければ困るのじゃないかと思いますが、その間の数字の比例的な問題ですが、そういった点、ちょっと御説明願いたいと思います。  なお、たとえば検査期限あたりも、新製車ならば一年にするとか、その他の車ならば半年にするとか、いろいろな事務の簡素化の方法もあると思うのであります。こういったものをいろいろ苦労しながら最小限度の検査をやっているというのが、要員不足から来た実情だろうと思うのですが、そういった安全の限度をためす検査でなければならない、そういった面を考え要員の充実ができているかどうか、そういった点をお聞かせ願いたいと思います。
  45. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 主として定員面で、自動車の伸びに対して、それに相応して定員増加を来たしているのかどうかという御質問趣旨だろうと思うのでありますが、それに関連いたしまして、管理要員の御質問考えましてお答え申し上げますが、御承知のように、運輸省定員は昭和二十四年以来減少の一途をたどっております。これは主として戦時中膨張いたしました仕事に対して、戦後その事務がなくなったから、減らしていこうという政府の要請でございます。ところが、自動車に対しましては、戦時中ほとんど仕事がなくて、戦後伸びていく定員関係でございまして、われわれといたしましてはその点十分説明をいたしておりましたが、全体的の仕事の減っておる状態のときに、なかなか定員の獲得がむずかしかった。その際には、主としてわれわれの定員で打ちました手は、管理職を減らす、管理関係業務からついて来る定員をそういう現業従事員の面に回していったというのが、定員の主な動き方でございまして、またある場合の定員整理の場合におきましては、一律に何人という定員の整理もあったこともございますが、その場合にも、これは各省全般にきめまして、一省だけではございませんが、あるいは研究要員現場要員についての定員減は、ほかの一般の事務よりも定員の減らし方を少くしてきたという状態でございます。  それでわれわれといたしましては、先ほどからるる申し上げておりまするように、規定業務のいわゆる業務量増の定員というものは、なかなか大蔵省は予算上認めがたいことでございますので、その面におきまして非常に努力をして参ったわけでございますが、ようやく三十年度予算からほんとうに私の方も困って、いろいろのデータも十分説明いたしまして、三十六名の常勤労務者定員をふやしたわけでございまして、常勤労務者といいますのは、これは国家公務員法上のやはり定員でございまして、昔でいえば、いわば雇員、用員というようなケースには入らないけれども、国家公務員の一人になっております。それで三十六名三十年度にはふやしまして、三十一年度にも三十六名ふやす予定にいたしております。それでは三十六名で現在の状態を解消できるかと申しますと、ある程度それがまだ残るということはいなめないわけでございますが、現在の財政上あるいは国家公務員法、定員法の関係上、急激にこれを伸ばすということもなかなかなしがたい財政当局の意見もありまして、年々、逐年これをふやしていくという意図のもとに、われわれ定員の充実については将来とも、御趣旨に沿いまして、努力をして参る所存であるわけでございます。
  46. 森田義衞

    森田義衞君 ですから、この現業事務と一般の行政事務と、はっきりした感覚をお持ちになっておやりになった方がいいじゃないかもその点の主張が足りないんじゃないかという現状を、私も検査場を見まして、非常に気の毒に感ずる点があるものですから、特にそうした主張をしたいのですが、それと同時に、今言った臨時人夫的なこの種の人間で、来して先ほど申されたような検査官として適正な人が得られるのですか。
  47. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) ただいまちょっと触れましたように、常勤労務者といいましても、これは国家公務員に変らない立場に立っておるものでございまして、三十年度に採用いたしましたものにいたしましても、大体大学、高等学校の出身者を採用いたしております。それでわれわれの方といたしましては、定員のあきのあり次第、こういう人たちをやはり定員に繰り込む道も考えますし、将来定員に移しかえる努力もまたいたしたいと考えておる次第でございます。
  48. 森田義衞

    森田義衞君 それからその検査場の整備充実をはかるといった話がございましたのですが、私も先年ですか、富山県に参りまして、富山県の陸運事務所に付設検査場があって、それが非常に機械化されたりっぱなものであるということで、随時の検査もやっており、期間外にやはり危ないと思えばやってもらえるということで、ある一定期間を指定して集めるということは非常な無理な関係もあって、これは非常に工合がよく、業者の間もうまく行っている。しかも検査能率も上っているのですが、私はこういうふうに実際の検査場は充実すべきだと思いますが、その後そういった検査場というものは各県に一つぐらいできましたかどうか。
  49. 津守巧

    説明員(津守巧君) 一応各県に一つずつ整備に努力して参りました。特に東京あたりでは、鮫洲一カ所ではこれは狭隘を告げるに至りまして、足立にさらに東京都の約三割の自動車を回しまして、最新式の検査場を作るというようなことで、今後特に今の検査場で足りないところは二カ所にする必要がある、こう考えております。
  50. 森田義衞

    森田義衞君 それからその集中検査場だけでは無理な場合に、出張検査といったことをやっているようですが、これに対しまして旅費が適正に支払われているのかどうか。ということは、前に非常に旅費を削減して、無理にやってしまった。それにもかかわらず、検査はやらなければならぬ。ならぬとすれば、その業務をやるとなりますと、やむを得ず、悪いことをするつもりでなくても、何か組合かなにかに頼んで旅館代ぐらい出してもらうといったやり方をやる。そういったことをやったという話を聞くのですが、非常にそういった点は官庁としても威信にかかわる問題ではないかと思いますので、そういった点は今弊害はございませんかどうですか。
  51. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 出張検査につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、集中検査を充実していくということでございまして、出張検査は万やむを得ない場合には、全体的の検査というようなことを阻害いたしますので、そういう方向で考えていきたいと思っております。  それから出張の旅費の問題、あるいは庁費の問題もからむ問題でありますが、これにつきましては、三十年度、三十一年度、私も前職の関係で、当委員会でも御説明申し上げましたように、全力をあげまして、運輸省の非常に悪い状態につきましては財政当局に説明いたしました。その結果、三十年度におきましてはある程度、各省が落ちたにもかかわらず、運輸省の庁費、旅費は上ったわけでありますが、三十一年度におきましては、われわれといたしましてはある程度画期的にふやしたつもりでありまして、ただいま御指摘のような点は絶対に起さないような決意でございます。
  52. 森田義衞

    森田義衞君 もう一点お聞きしたいのですが、今度検査手数料を上げることによりまして相当の増収になると思うのでありますが、こういったものは実費の手数料といったような感じを私いだくので、政府としては収入と支出とは別だとの考えがあるかもしれないけれども、こういった実費手数料的なものは、そういった施設が運輸省で不十分であるとすれば、それに還元して施設の充実をはかることに使われるように、大蔵省と御交渉になるのが当然だろうと思います。また当然おやりになっておると思いますが、そういったことに対して、今回こういった増収に対する大蔵省とお話ができておりますか。その点、お聞きしたい。
  53. 山内公猷

    政府委員山内公猷君) 御指摘のように、こういう行政の関係の手数料は、原価計算的に実費を徴収するというのが建前でございまして、その原価計算の関係は、先般この委員会で御説明したわけでございますが、われわれといたしましては、現在いろいろそういう庁費、旅費という面に少くて、御指摘のような疑念をお持ちになるというふうなこともありますので、いわゆる還元するといいますか、徴収した手数料を行政に戻してもらうという交渉は、もちろん並行してやりまして、その結末、大体四割程度、三十一年度のこういう設備に関しましてふやす予定になっております。
  54. 大倉精一

    大倉精一君 もう少し質問を継続したいと思うのですが、先ほどの車両検査に関する諸問題については、これは一つ特に現場についてお調べ願って、善処願いたいと思います。私はいろいろ運転手諸君についても調査いたしました結果、あそこでりっぱにブレーキの検査に通過して、門を出て帰って行く途中で、ブレーキが不完全で、故障が起るような例も聞いております。あるいは近くは鮫洲検査場におきまして、吉田前総理大臣が乗っている車が被害にあった。車両検査はやめてしまえとまで言われた。こういうのはすぐ権力なり、あるいはいろいろ不明朗なものの介在になって参ります。ぜひともそういうようなことについてはお調べ願って、善処してもらいたい。特にそういうことになる部外のいろいろな原因、条件があろうかと思いますが、そういうことについてもお調べ願って、解決すべきは解決しても遺憾のないようにしていただきたいと思います。  それから局長は修理工場については十分監督指導を強化したい、こういうようなお話でありますので、これもぜひ一つしていただきたいと思います。  それから機械化という問題をさっきちょっと言われましたが、これはどうも当局理事君側の見解と現地とは違うのでありますが、人員不足を機械によって補う、こういう趣旨のように承わったのですが、たとえば鮫洲なら鮫洲でもって完全に変えますと、機械一台に一人づつ人間がつく。そうしますと、今の定員ではとてもやっていけないというような実情を開きまして、今三十五名あすこにおるのですが、少くとも完全に機械化すると六十名ぐらい要るというようなことを聞きました。この点はいかがでございましょうか。
  55. 津守巧

    説明員(津守巧君) 機械を置きまして、その機械の配列の問題並びに機械の使い方のいかんによりまして、人が多く要ったり少く要ったりする例も非常に多いわけでございますが、もちろんそういう方面を不手際にやりますと、人手が足りないという結果にならぬとも限らないというふうにも思っております。それでその点を非常にうまくやりますれば、必ず機械によって人手を助け得るという確信を持っておるような次第でございます。とかく従来現場でやっております者は、従来からの作業を変える、従来手作業で——まあこれは車検以外の工場あたりの例でございますが、従来手作業でやっておりましたのを機械にかえる、また従来使っておる古い機械を新しい機械にかえるというような場合に、とかくもとの長年やってきた作業に固執すると申しますか、新しい機械に作業を転換するのに非常にむずかしい点がございますが、そういう場合のその機械の使い方、能率のいい正しい使い方の指導という点も十分心掛けなければ、その機械の能率も上らないという例が非常に多いわけでございまして、そういう方面も大いにわれわれ気をつけていきたいと、こう考えておるわけでございます。  鮫洲の例を申し上げますれば、これは鮫洲だけの例でございますが、あすこは警察からの設備をそのまま引き継ぎましてやっておるわけでございます。ブレーキの検査で、坂を上らせて、それで坂を下らせる、その途中で、ブレーキをかけてとまるかどうかというようなことで、検査をいたしておるわけでございます。非常に危険でもございます。その一台の自動車が坂を上って下りるまで、これを見ていなければならない。これを機械に置きかえて、ブレーキ・テスターを横に三台ぐらい並べてやれば、一人で三台ぐらい見れるわけでございます。それだけ考えても、人手相当助かるというようなふうにも考えられるわけでございます。使い方が悪いとかえって人手がかかるかもしれませんけれども、ぜひそういう方面、よく機械の使い方、配列、車の流れ、そういう而も研究いたしまするし、またその機械の能率的な正しい使い方も十分指導いたしまして、それによって能率の上ることを確信いたしておるような次第であります。
  56. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  58. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 委員の変更について御報告申し上げます。  本日山縣勝見君が委員辞任井上知治君が補欠選任せられました。
  59. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 船舶職員法等の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案について討論に入りたいと思います。御意見のおありの方は、賛否を明かにして、お述べを願います。  別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。船舶職員法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  61. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
  62. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、道路運送車両法の一部を改正する法律案議題といたします。  討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。
  63. 大倉精一

    大倉精一君 私は、本法に対しましては、若干の要望意見を付して賛成をしたいと思います。  地方陸運事務所業務の実態を見てみますと、車両検査を初めといたしまして、業務遂行がきわめて不十分であるという状態がたくさん見受けられます。すなわち、まず人員につきましても相当数の不足がありまして、横布員が出張等の場合におきましては車両検査にはなはだしく支障を来たすという実情も、現実に存在しております。また給与関係におきましても、予算不足のために超過勤務手当等も規定通りの支給が行われていないということも聞いておる。あるいはさらに、こういうような状態のために、一部においては、部外者の協力を求めるという名目のもとに、部外業者から部内事務のために若干の人員の供出を受けている。こういう事業場のあるということは、この業務の性格からいって、まことに遺憾と存じます。また一方において、車両検査あるいは免許証交付等に関し、部外者関係と不明瞭な部分があるのでありまするが、これらは当局におきましてすみやかに現地において調益をされまして、そうしてそういうような問題につきましてはすみやかに一つ善処をしていただくと同時に、これらのよって来たるところの原因につきましては十分研究願って、抜本的にこういう問題について改善をされるように要望する次第であります。  以上私の要望意見を付しまして、本法案に賛成いたします。
  64. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。道路運送車両法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  66. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  ただいま採決いたしました両案につき、本院規則第百四条による本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例により委員長にこれを御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 御異議ないと認めます。よって、さように決定いたしました。  それから報告舌には多数意見者の署名を付することになっておりますので、両案を可とせられました方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     木島 虎藏  片岡 文重     井上 知治  岡田 信次     川村 松助  一松 政二     大倉 精一  野田 俊作     森田 幸衛     —————————————
  68. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 次に、空港整備法案について御質疑のお方は御発言を願います。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  69. 左藤義詮

    委員長左藤義詮君) 速記を始めて。  本日は、これをもって散会いたします。    午後三時二十六分散会      —————・—————