○
川崎(秀)
分科員 友人である
労働大臣に
質問をするのは恐縮でありますが、私の
質問はワン・ラウンドであります。一回限りであります。そこで問題の提出の仕方は、人口問題と労働問題に関する調整をいかにするかということであります。御
答弁をいただきたいものを先に課題として提出いたしておきますから、私の所論展開の間に御研究を願いたいと思うのでございます。
第一は人口問題に対する総合的
見解を、内閣は灯未発表する気はないかということであります。それから第二は、従来私
どものときには不安定内閣で、あまり
連絡する気にもなれなかったし、そういうことで動揺を続けてきたわけですが、今日は保守合同内閣ですから、密接な
連絡を願って、
労働省と厚生省、それから
経済企画庁の間でどういう作業をしておるか。第三には、新生活運動の中の実践
項目にあらずして研究
項目になったというわけは、新生活運動協会の内部自体の問題なのか、
労働省と厚生省はこれに対してどういう
見解を持っておるか、将来実践
項目に織り込む気はないかという三点であります。それについての御
見解を承わりたいと思います。
三分ばかり所論を展開したいと思います。労働問題に対する一番大きな問題は今日は
失業の問題でありましょうが、これがだんだん高じてきて、来
年度あたりは
失業のピークだといわれ、その後は
経済五カ年
計画によればだんだん減少していくような状態であるという、そういうことで作業を続けておると思うのですけれ
ども、これと関連してわが国の人口というものは、これは終戦以来の大問題であるけれ
ども国会であまり論ぜられておらない、非常に残念なことであります。そこで私は厚生
大臣在任中も適切なる家族
計画運動というものを推進したいということで、昨年の秋には国際家族
計画会議を招くことに対し裏側で
努力をいたし、相当国民の間には浸透してきて、一昨年の百四万という年間の増に対してことしは九十万台を割るのじゃなかろうかという議論をよくしておるので十けれ
ども、将来はこれがどういう数字になるか。これは
労働省にお尋ねするのは恐縮であるが、これと関連して労働生産人口というのを
あとで答えて下さい。これは
大臣に聞きません。そこでいずれにしても適切な家族
計画運動を推進したいのだけれ
ども、それに対しての有力なる反対がこのごろある。つまり二十年後ぐらいになると
日本の労働人口というのはだんだん先細りをして、老人ばかり多くなって、そして今の調子でかりに
——今は千分の十九ですけれ
ども、それが千分の十一あるいは千分の十ぐらいに下ると労働人口、労働問題はおさまるかもしれぬけれ
ども、そのかわりには民族としてのヴァイタリティというものがなくなるということから、むしろ家族
計画運動に対するブレーキをなす
見解が旧右翼の思想の人と労働問題研究家の間に若干あるようです。私の親友である中曽根君な
ども、
川崎さんの家族
計画という所論に対しては賛成であるけれ
ども、原子力が発達していくと国富も増大するし、あまり家族
計画というものに対して深い掘り下げをすべきでない、この
程度でいいのじゃないか、少しかけ声ぐらいでいいのじゃないかという
意見を持っておる。これはこの間も一晩議論をしたわけですけれ
ども、私はやはり福祉国家を
前提として
日本がお互いの生活水準を
引き上げたい、
雇用問題も
解決したい、そうして楽しい日常の生活を送っていくことが国家の目的であるという見地に立つならば、どんなことがあっても現在の
日本の過剰人口というものを
解決し、労働問題を
解決していかなければならぬ。この意味においての家族
計画運動というものは、今後も強力に推進していかなければならぬと思う。こういう観点に立つと、厚生省と
労働省との間に今日あまり大きな調整が行われておらぬ。たとえば
日本鋼管だとか、あるいは常磐炭鉱だなんというものは非常な
効果のある運動をしております。しかし
労働省側のタッチというものが非常に少くて、もとより厚生省はイニシアチブをとらなければならぬけれ
ども、こういう問題に対する内面の補助工作というものが今日はあまり強く行われておらぬのじゃないか、そういう点で
労働大臣が将来わが国の人口問題と労働との
関係を調整していく意味合いからも、強力なる家族
計画運動に賛意を表せられて、そして大いにこの面に力を入れていただきたいという意味で、先ほどの三点の御
質問をいたしたのであります。これに御
答弁を願いたい。