○岩尾説明員 御
質問の
趣旨は、国鉄の場合に運用部からの借入金が計上されておるけれ
ども、電電の場合には運用部からの借入金が計上されておらない、こういう御
趣旨だと
考えます。
政府の
財政投融資といたしまして、現存電電並びに国鉄にいろいろな外部資金のめんどうを見ておるわけでありますが、本来企業としまして国鉄なり電電がその仕事をやっていく場合に必要な資金というものはどういう調達をしていったらいいか。この点につきまして、大蔵省として
考えておりますのは、やはり企業といたしましては、できるだけ
国民大衆の資金を吸収して企業を伸ばしていくという方向にいっていただきたい、本来、私企業におきましても、借入金と社債の
関係は、借入金というのは一時の運転資金、あるいは長期のものもありますけれ
ども、本来は、そういった一つの金融機関から金を借りてある制限を受けるという形よりも、社債のような形で吸収していくのが企業としても正しい方向である、いわんや電電、国鉄のような
公共企業体におきましては、
国民大衆の財産として、できるだけそういった面から資金を吸収していってもらいたい、ただ、現実の問題といたしましては、現在の運用部資金は十五年で六分五厘、公募債の方は七分五厘で七年ということで、逆に公募債の方が条件が悪いというような現況にありますけれ
ども、これはむしろ、将来の方向としては、公募債の償還期限をもっと延長するとか、あるいは公募債の利率を下げるとかいうような方向にいくべきであり、かつまた、いくような
考え方で逐次社債市場の育成ということを現在やっておるわけでありますが、そういった本則からいきますと、
公共企業体においてはできるだけ公募債によってその資金を吸収してもらいたいということを言っておるわけであります。
そこで、現実の問題といたしまして、国鉄、電電の場合に三十一年度の
予算においてどうしてああいう形になったかということでございますが、一応国鉄、電電につきまして所要の
経費、所要の工事
計画というものを決定いたしますと、そのために必要な資金のうち、自己資金でどれくらいまかなえるか、あとを外部資金でまかなうという場合に、三十一年度におきます公募債の消化状況というものを
考えてみまして、全体として約三百二十五億くらいは消化できるのじゃないか、こういう判断がつきますならば、そのうち足らない分は電電の方で公募債のワクとして持ってもらう、残りを国鉄に持ってもらって、なお国鉄の工事
計画で足らない分は運用部等にお願いをしよう、こういう
考え方をしておるわけでありまして、これは、両公社におきます
財政の状況自体が、現在の国鉄は非常に苦しい状況で、減価償却自体も満足にできないような
状態でございますので、国鉄についてはそういった面も
考えて、本来はやはり公募債でやってもらいたいのだけれ
ども、運用部の金を出そう、電電の方はかなり企業が順調にいっておりますから、その本則に従って公募債でやってもらう、こういう
考え方であります。