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春日委員 私は問題を明確にしておかなければならぬと思うが、言うならば百貨店はただいま申し上げました
通りもうすでに膨脹して、拡張し切っている。もうこれ以上拡張してもしょうがない、またその必要もないというような段階になってから、この法律が出ようとしておる。この事柄は別の角度から批判するならば、これは有貨店保護法であり、既存の百貨店が新しい百貨店との競争がなくなるように保護されておることは明らかである。ところが小売店との
関係においてはその仕入れ行為、販売行為における独禁法違反の取引行為については、何らの制限をしようとはされておらぬ。しかも
大臣はそれは公取によって取り締られておるから、こういうような言葉でもって逃げようとされておりますけれ
ども、
大臣も御
承知の
通り他の法律によって禁止されております事柄が、その法律によって効果の上らざる場合単独法が幾つも設けられて、さらにその効果の上るような法律措置は幾多講ぜられておる。あるいは近くはあの補助金等の適正化に関する法律な
ども、他に幾らも公文書偽造だとかあるいはその他刑法上のいろいろな制約があるにかかわらず、その補助金等の使用が適正に行われていないから、従って特にその問題を単独法によって、効果を完全におさめるために必要な措置として、あの法律が立法されておるわけであります。今回のごときはすでに公取が特殊指定を行いましてから両三年にまたがりますけれ
ども、懲罰をされた百貨店は一店もない、あるいはまた仕入れ行為、販売行為等においてその特殊指定あるいは公取から注意を受けて、本質的に改められたという気配はありません。だからこそそういうような事柄を含めて小売店側はやればやっていける態勢と、自由にして公正なる商業活動の場合を法律によって確保していく、こういうことを強く要望しているのでありますから、この法律案が
政府提案として最終決定をされます過程において、なお論議が交えられることと
考えますけれ
ども、どうか
大臣もそういうような世論をも十分汲み入れて、せっかく法律案を作るなら、百貨店保護法やら小売店保護法やらけじめのつかないようなそんななまぬるい法律でなしに、もっと責任的な、権威のある純粋な法律を作ってもらいたい。小売業者はこういうような事柄を強く要望しておりますから、
大臣がせっかく今回そういう法律をお作りになるなら、味もつけて、すなわち仕入れ行為の制限というような塩かげんあるいは販売行為の制限といういうような砂糖かげん、塩や砂糖を入れて
一つ料理を作ってもらいたい。まるで白湯でゆでたような、どぶづけのようなえたいの知れない百貨店法なんか、私はむしろなきにしかずだと思いますので、
一つこの点を十分御
検討願いまして、この独占禁止法を守りつつなおかつこの小売店と百貨店との間の
関係がもう少し明確に、しかも独禁法の精神に照して十分
均衡のとれた
関係が、そこで保障されるようた法律を御
提案願うことを強く要望いたしまして、次に入ります。
この際
大蔵大臣と通産
大臣と
両方にお
伺いをいたしたいと思うのでありますが、それは損書保険事業に関する問題であります。火災保険に
関係する問題であります。御
承知の
通り現在わが国に火災保険会社は二十社ございます。ところが損害保険業法によりますと、新しくこの事業を行おうとするものは、資本これこれの制限があって、なおかつその事業を営むに当って再保険契約を付して、その営業許可の申請を
大臣に提出しなければならない形に相なっております。ところがすでに営業いたしておりまするこれらの二十社は、それぞれ暗黙の協約を取り結んで、新設されんとするそういう会社に対して、再保険の契約に応諾をいたしません。従いしましてこういう営業の許可を
大臣に願い出ましても、既存の二十社の損害保険会社が、いずれも新規に開業せんとするものに再保険の契約をいたさない。これは明らかに潜在カルテルであり、独占禁止法違反であります。しかしながらこの問題は、われわれがいろいろと指摘いたしましても、その会社個々に当りますると、私の会社はすでに再保険を十分してしまって、新しく再保険に応諾するだけの
経済余力がないので、私の会社としては再保険に応諾ができないから、他の
方面に
一つ当ってくれということで、いずれも二十社が申し合せて再保険に応諾をしないのであります。従って現行法律の範囲内においては、新規会社というものができ得ない状況にあることは御
承知の
通りであります。現にここ数年来、特殊の場合を除きましてはほとんど新設の会社というものができて参りません。ところが現在損審保険のわが国におきまする普及率は、諸外国の例に比べますると非常にパーセンテージが悪いのです。イギリスは一三〇何%、たしかアメリカは一二〇何%という工合に、この火災保険の普及率は相当のものであって、万一事故がありまする場合は、その保険の給付を受けることによって、自力でもって再建ができるという
経済態勢が確保されておる。ところが
日本においては結局二〇数%の普及率でありますから、事ある場合自力で再建することができ得ないという状況にある。一体どうしてそういう状況にあるかと申しますと、これはそのような独占禁止法違反の独占カルテル、潜在カルテルが存在することによって保険料が非常に高い。特にこの保険料については、保険料率算定に関する法律とか、あるいはその公定料率を乱した場合は、保険募集の取締に関する法律とかいうのがあって、それでもって体刑六ヵ月に処すというようなきびしい法律でもって、結局自由な競争の道がはばまれておる。これは独占禁止法の適用を除外されておりまするが、こんな
関係でもって現在高い料率が、この二十社によって確保されておりまするために、その
負担にたえかねて、結局火災保険というものは普及されておりません。こういうような状況下において、中小企業者においては、事業協同組合法中の共済活動といたしまして、あるいはまた勤労者においては、生活協同組合の
一つの事業といたしまして組合を結成して、組合保険というものがすでに数年来行われております。あるものは非常に成功いたしております。すなわち火災保険料率よりもはるかに低い料率でもって、保険契約を結んでおりまするから、従ってそれは事業会社の足らざる面をその組合保険で補うとか、あるいは小額のものはそのものだけによって保険をかけるとかいったような
方法によって、これは健全なる協同組合活動として発展しつっあるのであります。
そこで、聞くところによりますると、今回この保険協同組合法なるものを、通産省あたりから
提案しようというような動きもあるように報道されております。事業協同組合法中一部
改正法律案としてこういうことがなし得るという法律によって、この問題を明確に処理されるということが報道されておりまするがまた一方には大蔵省で単独立法として保険協同組合法を
提案するというような事柄も、内部的に報道されております。ところが今
国会は再開されてから、もうすでに一ヵ月有余経過いたしておりまして、この問題は今や法律によって明確に回答を与えなければならない段階に立ち至っておるのであります。健全にこれを育成するためには、やはり法律の保護を加えていかなければいならないと思うし、また十分に成長してないものは、それぞれ必要な基準を設けて、堅実に指導することによって、被保険者の利益を守っていかなければならぬ段階にあると思うが、この協同組合火災保険の問題を、一体
政府は今
国会においてどのようにまとめ上げるつもりであるのか。これはすでに中小企業問題といたしまして、十九
国会以来幾たびか
国会において論議されつつ次の
国会へ、次の
国会へと繰り延べられておりますところの歴史的な懸案でございます。この際通産省はこの問題について、中小企業
政策の一環として、この火災保険の問題をどのように取り扱い、処理されようとしておるのであるか、まず通産
大臣からその御方針を伺っておきたいと思います。