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1956-03-27 第24回国会 衆議院 本会議 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月二十七日(火曜日)     —————————————  議事日程 第二十四号   昭和三十一年三月二十七日     午後一時開議  第一 憲法調査会法案岸信介君外六十名提出)  第二 補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律案内閣提出)  第四 特定物資納付金処理特別会計法案内閣提出)  第五 国有財産法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第六 離島振興法の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 地代家賃統制令の一部を改正する法律案内閣提出)  第八 引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案原健三郎君外七名提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  議員川島金次逝去につき院議をもって弔詞を贈呈することとし、その弔詞議長に一任するの動議福永健司提出)  日程第二 補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律案内閣提出)  日程第四 特定物資納付金処理特別会計法案内閣提出)  日程第五 国有財産法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第六 離島振興法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第七 地代家賃統制令の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第八 引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案原健三郎君外七名提出)  道路運送法の一部を改正する法律案内閣提出)  飼料需給安定法の一部を改正する法律案内閣提出)  飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  農業協同組合整備特別措置法案内閣提出)  国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案議院運営委員長提出)  国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案議院運営委員長提出)     午後四時三十二分開議
  2. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御報告いたすことがあります。議員川島金次君は、昨三月二十六日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。  この際、弔意を表するため、福永健司君から発言を求められております。これを許します。福永健司君。     〔福永健司登壇
  4. 福永健司

    福永健司君 ただいま議長から御報告になりました故衆議院議員川島金次君に対し、院議をもって弔詞を贈呈し、その弔詞はこれを議長に一任するの動議提出いたします。(拍手)  川島君は、二十六日、病のため逝去されました。私は、この際、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、つつしんで哀悼の辞を申し述べたいと存じます。(拍手)  川島君は、明治三十六年埼玉大宮町に生まれ、大正七年機関車乗務員として国鉄大宮機関区に奉職し、同九年に上野機関区に移られましたが、勉学の志厚く、苦学力行、中央大学に学び、大正十四年同校経済学科を御卒業になりました。翌年十月京城府朝鮮醸造協会誌編集主任に迎えられ、二年の後、昭和四年には日本連合通信社に入社され、政治部記者として政治経済方面の研さんを積まれたのであります。昭和八年からは、みずから目下大宮夕刊新聞社経営に当られたのでありますが、昭和十二年に大宮町町会議員に御当選になり、ここに初めてその長きにわたる政治生活の第一歩を踏み出されたのであります。次いで、昭和十五年には埼玉会議員当選され、引き続いて地方自治の発達と民生の福祉増進とに貢献せられたのであります。その間昭和十五年より埼玉新聞社の経営に参画せられ、同十八年には第一冶金工業株式会社取締役社長に就任されるなど、言論界政治界産業界に目ざましい活躍をされたのであります。昭和二十年十二月、日本社会党に入党、同党大宮支部長となられたのでありますが、翌二十一年の第二十二回衆議院議員総選挙に出馬、見事当選の栄を得られ、自来引き続き六回当選、在職九年十一ヵ月に及んだのであります。(拍手)  本院議員としての川島君の御活躍諸君のすでに御承知のところでありまして、同君は、日本社会党におけるすぐれた財政通として、毎会期、本議場において、はたまた大蔵委員会予算委員会等において、鋭い質疑をもって政府に迫り、あるいは精緻な討論をもって党の立場を表明するなど、縦横に活躍し、よく国政審議の重責を果されたのであります。(拍手)また、党内にあっては、政策審議会予算部長国会対策委員長政策審議会副会長、税制改革委員長などの要職を歴任し、社会党政策の立案とその実現に大いに精進努力せられたのであります。(拍手)また、去る昭和二十六年には、スイスのコー市におけるMRA世界大会に出席し、その帰途欧米各国を視察され、国際親善に尽力されるとともに、その政治経済面の見聞を広められたのであります。  このように、川島君は、政治家としての優秀な素質と豊富な経験とを持つのみならず、その御性格がきわめてまじめで、穏やかで、かつ、まれに見る努力家であり、また、すぐれた理論家であったのであります。(拍手)ことに、国の財政経済については常時研究を怠らず、予算法律案審議に当っては、その計数をこまかに分析し、その内容を詳しく検討し、もって明快なる論断を下されたのであります。しかも、名利を追わず、一国会議員としての面目を重んじ、ひたすら政策面においてその職責を果すという態度でありまして、これこそは、われわれのとってもって範とすべきところであると信じます。(拍手)  君は、ひとり日本社会党の欠くべからざる幹部として重きをなしておられたばかりでなく、政策面において相競う二大政党対立時代には、まことにふさわしい議員として、本院内外の信望を集めておられました。(拍手)君のごとき人が、よわいいまだ五十二才、政治家として今後の活躍に大いに期待される若さをもって、天運むなしく、不幸病魔の侵すところとなり、闘病かいなく、ついに御本復を見るに至りませんでしたことは、まことに痛恨のきわみでありまして、哀惜の情禁じ得ないものがあります。(拍手)今静かに君のありし日を思いきたって、万感胸に迫るものがあります。  君とは所属政党を異にし、主義主張を一にせず、幾たびか逐鹿の輸贏を争ってきた間柄でありますが、不思議に政敵という感じはなく、終始政友という印象のみが強いことは、全く君のお人柄に由来するものとして、今さらながら深い感銘を覚ゆるものであります。(拍手)昨夜も、霊枢の前で、君の令夫人が涙ながらに申されたところでありますが、さきに千葉の病院にお見舞したとき、君は、ふと、福永君に弔辞演説をしてもらって死んでいくなら私も本望ですと言われました。私は、そんな冗談は言われず、是が非でも全快していただかなければなりませんと申し上げたのでありますが、今にして思えば、あのころすでに君は御自分の運命を悟られ、従容として澄み切った心境に達しておられたのでありましょうか。昨年十月、日比谷公会堂で行われた社会党左右統一大会の席上吐きけを催して床につかれ、両社県連統一のすみやかならんことの希望を遺言として世を去られるまで、病床にありてなお常に国を憂え、党を思われ、逝去の数時間前、呼吸困難、脈博微弱となっても新聞政治面に目を通されたというあなたは、まさにわれら政治に携わる者のかがみと申さねばなりません。(拍手)  ここに、川島金次君の御長逝に対し、つつしんで敬弔の誠をささげ、御冥福を心からお祝りして、もって追悼の言葉といたす次第であります。(拍手
  5. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) ただいま福永君から提出されました動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、動議は可決せられました。  ここに、議長の手元において起草いたしました文案があります。これを朗説いたします。衆議院ハ多年憲政ノ為二尽瘁セラレタル議員従四位勲三等川島金次君ノ長逝哀悼シ恭シク弔詞呈ス     〔拍手〕  この弔詞贈呈方議長において取り計らいます。      ————◇—————
  7. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 日程第一はあと回しとせられんことを望みます。
  8. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程第一はあと回しといたします。      ————◇—————
  10. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、日程第二ないし第五とともに、内閣提出関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を追加して、五案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  11. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  日程第二、補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案日程第三、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律案日程第四、特定物資納付金処理特別会計法案日程第五、国有財産法の一部を改正する法律案関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。大蔵委員長松原喜之次君。     〔松原喜之次登壇
  13. 松原喜之次

    松原喜之次君 ただいま議題となりました五法律案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  政府は、国の財政健全化等目的から、補助金等整理につきまして、昭和二十九年度以降予算において所要措置を講ずるとともに、法的措置を講ずる必要があるものについては補助金等臨時特例等に関する法律により所要措置を講じてきたのでありますが、昭和三十一年度予算の編成に当り、補助金等整理につき検討の結果、同法の対象となった補助金等につきましては、昭和三十一年度におきましても引き続き同様の措置をとることを妥当と考え、これがため右の特例法有効期限昭和三十二年三月三十一日まで一年間延長することといたそうとするものでございます。  本案は、去る二月十四日本委員会に付託され、同十六日政府より提案理由説明を聴取し、自来数回にわたって慎重審議いたしました。去る三月二十三日質疑を打ち切り、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、起立多数をもって原案通り可決いたしました。  次に、特定物資納付金処理特別会計法案について申し上げます。  今回、政府は、バナナ、パイナップル・カン詰等、その輸入が制限されるため、国内需給の不均衡が著しく大となり、その輸入によって通常生ずる利益を越えて異常な利益を生ずると認められる特定物資につきまして、その輸入により生ずべき利益の一部を徴収するため、別途特定物資輸入臨時措置法案提出いたしておりますが、この法案によりますと、特定物資輸入について外貨資金の割当を受けた者は、適正な利潤を越えて生ずべき特別輸入利益国庫に納付する義務を負うことになりますので、政府におきましては、同法の制定に伴いまして、その特定物資納付金を徴収し、これをもって産業投資特別会計投資財源に充てることといたし、これに関する政府の経理を明確にするために、新たに特定物資納付金処理特別会計を設置いたそうとするものであります。  次に、この法律案概要について申し上げます。この会計通商産業大臣管理することとし、特定物資納付金及び付属雑収入をもってその歳入とし、産業投資特別会計への繰入金、事務取扱費及び付属諸費をもってその歳出といたしております。また、この会計から産業投資特別会計への繰り入れの方法につきましては、毎会計年度歳入収納済額から事務取扱費及び付属諸費支出済額等を控除した金額限度として、予算で定めるところにより随時繰り入れることとし、その他この会計予算及び決算等の作成並びにその手続等に関し、特別会計の運営上必要な事項を規定いたしております。  本案は、去る二月十七日本委員会に付託され、同二十一日政府より提案理由説明を聴取し、自来数回にわたって慎重審議いたしました。去る三月二十三日質疑を打ち切り、討論を省略して直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決いたしました。  次に、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律案について申し上げます。  この法律案は、別途審議中の国際金融公社協定に基きまして、わが国が同公社加盟いたしまするにつき必要な措置を規定することを目的といたしております。国際金融公社は、世界銀行姉妹機関として設立されるものでありまして、昭和三十年四月十一日の世界銀行理事会において採択され、すでに五十六の世界銀行加盟国に送付され、そのうち二十二カ国は署名を了し、九出国は受諾の文書を寄託いたしております。  世界銀行貸付政府保証を要し、きわめて厳格な条件を要するに対して、国際金融公社はその欠陥を補完することが設立のねらいでありまして、その投資に際しては政府保証を要しないこととなっております。  公社基本目的は、公社加盟国、特に低開発国生産的民間企業の成長を助長することにありまして、公社株式資本投資することはできず、投資先企業経営につき責任を負ってはならないこととなっております。  公社授権資本金は一億ドルであり、協定に定められた各国引受額世界銀行資本金への応募額に比例して割り当てられたものでありますが、日本引受額は二百七十六万九千米ドルと定められております。従いまして、政府が同公社に対してこれに見合う九億九千六百八十四万円に相当する米ドル限度として出資できることとし、あわせて、国際金融公社が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所として日本銀行を指定することとするのが、この法律案内容であります。  本法律案は、去る二月十日大蔵委員会に付託せられ、同十四日政府より提案理由説明が行われ、自来慎重に審議を重ねて参りましたが、本法案は去る三月二十三日質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決に入りましたところ、全会一致をもって原案通り可決いたしました。  次に、国有財産法の一部を改正する法律案について申し上げます。  この法案は、合同庁舎等管理に関する特例を設けるとともに、別途審議中の物品管理法案と関連して国有財産範囲を調整するほか、行政財産について各省庁相互の間における使用の調整をはかろうとするものであります。  次に、その内容について申し上げますと、まず第一に、合同庁舎等管理に関する特例を設けることであります。現行国有財産法においては、合同庁舎等、二以上の各省各庁の長において共同して使用する行政財産につきましては、これを所管する者が明確に定められていないのでありますが、これらの財産管理の適正を期するため、統一的に管理を行う必要のある行政財産のうち大蔵大臣が指定するものにつきましては、これを使用する各省各庁の長のうち大蔵大臣が指定する者の所管に属させることといたしております。  第二に、国有財産範囲を拡張いたしまして、これに航空機を加えることとしております。これは、今般、物品管理法案におきまして、従来国有財産として取り扱われて参りました事業所学校研究所等の施設の用に供する機械及び重要な器具は物品として取り扱うことにする等、国有財産として管理するものと、物品として管理するものとの範囲を調整する必要を生じたことに伴いまして、従来物品として取り扱われてきた航空機につきまして、航空機が近時国においてその用に供することが顕著となったこと等にかんがみ、これを国有財産として規定することとしたものであります。  第三に、行政財産管理の斉一を期するため、各省各庁の長がその所管に属する行政財産を他の各省各庁の長に使用させようとする場合には、国有財産を総括する大蔵大臣に協議を要することといたしております。  以上が本法律案概要でありますが、本案は去る三月十二日大蔵委員会に付託せられ、同十三日政府より提案理由説明が行われ、自来審議を重ねて参りましたが、去る三月二十三日質疑を終了し、討論を省略して直ちに採決に入りましたところ、本案全会一致をもって原案通り可決いたしました。  最後に、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案改正のおもな内容は次の諸点であります。  まず第一に、給食用乾燥脱脂ミルクにつきましては、従来小学校もしくは盲学校等小学部または保育所児童給食の用に供せられるものに限り関税免税しているのでありますが、別途提案されました学校給食法改正案において、学校給食範囲中学校及び盲学校等中学部にまで拡大することとなっておるのに伴いまして、これらの中学校等の生徒の給食用についても関税を免除することといたしております。  第二に、原子力研究に資するため、特定原子力研究用物品について関税を免除することとしております。  第三に、主として輸出向け繊維製品染色用として使用されるピグメントレジン、カラーベース及びそのエキステンダーにつきましては従来関税を免除していたのでありますが、最近における国内生産事情等にかんがみ、この際基本税率の半額の税率による関税を課することといたしております。  第四に、その他、本年三月三十一日で期限が切れる関税暫定的減免税物品について、その減免の期限を一年間延長することとしておりますが、なお、このうち、大豆につきましては、国産大豆との関係もありますので、別途昭和三十一年度における輸入方式の確定を待って適宜の措置をとり得ることとするため、とりあえず一年以内で政令で定める日まで免税を続けることができるようにいたしております。  本法律案は、去る二月十四日政府委員より提案理由説明を聴取し、自立慎重審議を続けて参りましたが、その間に農林水産委員会連合審査会を開き、特に大豆免税について質疑応答がかわされました。  次に、本法律案に関しましては、本日黒金委員外二十五名による修正案提出されました。修正案内容について申し上げますと、大豆免税の期間は一年以内に政令で定める日まで続けることになっておりますのを、本年九月三十日までと短縮しようというのであります。  次いで、質疑を打ち切り、討論を省略して、修正案及び修正部分を除く原案についてそれぞれ採決に入りましたところ、いずれも起立多数をもって可決され、よって、本法律案は修正議決いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  14. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。横錢重吉君。     〔横錢重吉登壇
  15. 横錢重吉

    横錢重吉君 ただいま議題となりました補助金等臨時特例等に関する法律の一部を改正する法律案について、私は日本社会党を代表して反対の意見を表明するものであります。(拍手)  以下、私は、本法案に対する反対理由を申し述べます。  第一に、政府は、補助金等金額、また、その予算総額に対する割合が逐次増大し、ために予算規模を年々膨張せしめる一因をなしていることを、補助金等整理の有力な理由といたしております。なるほど、補助金等総額は、三十一年度においても、一兆三百四十九億円の予算中三千余億円を占め、相当巨額を示しております。しかし、補助金等の中には、もちろん、単なる奨励的なものもあり、事業の発展に伴って整理してもよいものもありますが、本来国がやるべき行政便宜地方団体にやらしているのが今日の実情であります。言いかえれば、国の必要とする仕事地方団体にやらせる方法として補助金形式をとっておるのであります。こういった補助金等は、本来国の仕事として、直接国費支出形式をとるのがむしろ当然であります。私は、政府並びに与党が補助金等整理を行おうとするのは、窮迫した地方財政の真相を知らずして、ただ国家財政だけの健全性を示そうとし、地方財政をないがしろにすることで、結果として国民を欺瞞するものにほかならないと断ずるものであります。(拍手)  第二に、このような補助金等整理は、本来当然国がやるべき仕事を怠り、これを地方団体に押しつけ、地方団体赤字をますます累積させる以外の何ものでもないのであります。(拍手補助金等対象となる仕事は、地方団体の住民の教育問題、衛生問題、社会福祉問題あるいは産業問題とも関連があるという理由からして、政府では、その事業の主体を地方団体とし、国はこれに対して補助金等をやるという形式をとっておるのであります。従って、たとえば、公立高等学校定時制課程職員費に対する国庫補助停止とか、性病予防法精神衛生法に基く国庫負担金減率とか、児童福祉法母子福祉資金貸付法に基く国庫負担停止とか、あるいはまた水産資源保護法に基く国庫負担減率とかいったものは、本来当然国の仕事としてやるべき事業を、地方団体責任に転嫁しようとするものといわざるを得ません。これらの事業は、すべて国で法律を作って、補助金をえさに、その実施を地方団体に押しつけてきたものであります。国がわずかばかりの補助金等を好餌として、無理やりに地方団体に押しつけてきたものであります。地方団体の側では、中央の圧迫、干渉をおそれて、補助金で不足する部分は、苦しい固有財源を割愛してまでも、国の法律できめておることをやらなければならない弱い立場にあるのであります。これが今日の地方団体赤字累積根本的原因であることは、各位のよく御承知通りであります。(拍手)もっとも、政府では、補助金等整理しても、そのかわりに、地方財政計画の上において、財政需要を適正に算定して、財政歳出歳入とのバランスを見て、それに対する不足額交付税をもって埋めていくといっておるのでありますが、補助金交付税とは全然交付のやり方が違うので、従来通り補助金地方団体交付されるということにはなりません。従って、地方団体は、従来通りその事業を継続しようとするならば、府県本来の事業を犠牲にして、貴重な固有財源をこれに回さなければならないはめになり、地方団体赤字をますます累増させるという、真に憂慮すべき事態が迫っているのであります。(拍手)  第三に、補助金等臨時特例等に関する法律は、最初政府から期限をつけずに出されたのでありますが、それを衆議院で二ヵ年という時限立法に修正され、参議院でさらに一ヵ年に短縮されて決定されたものであります。それが、昨年期限がきて、また一年延長されましたが、今度また、これをさらに一年再々延長しようとするのであります。衆議院及び参議院の意思は、これを時限立法にした趣旨からして、その再々延長は認めないという立場にあることはきわめて明白であります。政府としては、当然期限満了と同時にもとの法律を復活さすべきであり、もしもこの法律を復活させないならば、それぞれの根本法改正する態度に出るべきであります。にもかかわらず、このように一年々々と引き延ばしていこうとするがごときは、院議を無視すること実にはなはだしいと断ぜざるを得ません。(拍手)  以上をもちまして、私の日本社会党を代表する反対討論といたします。(拍手
  16. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、日程第二につき採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  17. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。  次に、日程第三ないし第五の三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、三案は委員長報告通り可決いたしました。  次に、関税定率法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案委員長報告は修正であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  19. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって、本案委員長報告通り決しました。      ————◇—————  日程第六 離島振興法の一部を改正する法律案内閣提出
  20. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第六、離島振興法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。商工委員長神田博君。     〔神田博君登壇
  21. 神田博

    ○神田博君 ただいま議題となりました離島振興法の一部を改正する法律案について、商工委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知のごとく、離島振興法は、離島の後進性を除去するとともに、島民生活の向上をはかり、国民経済と文化の発展に寄与せしめることを目的として、昭和二十八年七月から施行されましたが、本事業の進展に伴いまして、離島民の日常生活の改善措置にさらに一歩を進め、簡易水道について特別の助成を行う必要が生じたのであります。すなわち、離島には一般に適当な自然水源が乏しいため、簡易水道を布設する必要が強いのでありますが、その工事費は本土に比べて割高であり、かつ、離島の経済力がきわめて低いため、布設がなかなか困難であります。そこで、簡易水道を布設する事業に対して、現在一般には総工事費の二割五分以内の国庫補助を行なっておりますのを、離島につきましては、その特殊事情を考慮いたしまして、特別に総工事費の三割五分以内の国庫補助を行う必要があるというのが、本法案概要でございます。  本法案は、三月十五日本委員会に付託され、翌十六日提案理由説明を聴取し、慎重審議を行い、二十三日討論を省略して直ちに採決に付しました結果、全員一致をもって原案通り可決されました。  右、御報告を終ります。(拍手
  22. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————  日程第七 地代家賃統制令の一部   を改正する法律案内閣提出
  24. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第七、地代家賃統制令の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。建設委員会理事大島秀一君。     〔大島秀一君登壇
  25. 大島秀一

    ○大島秀一君 ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  地代家賃の統制は、昭和十三年以来戦後の混乱期に引き続き、物価統制政策の一環として行われてきたのでありまするが、現行統制額の水準が低いため、借家の老朽化、借家の減少等、住宅対策上再検討すべき問題を生じて参ったのであります。従って、この際借家について大修繕がなされた場合には、都道府県知事の認可によって家賃の増額を認め、また、三十坪以上の建物及びその敷地を統制の対象から除外すること等の点について改正を行わんとするのが、本法案の要旨であります。  本法案は、去る三月十四日本委員会に付託され、慎重に審議いたしましたが、質疑内容は速記録を御参照願いたいと存じます。  かくて討議に入り、自由民主党を代表して廣瀬正雄君より賛成の意見が述べられ、日本社会党を代表して中島巖君より反対の意見が述べられましたが、採決の結果、多数をもって本法案原案通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  26. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 討論の通告があります。これを許します。山田長司君。     〔山田長司君登壇
  27. 山田長司

    ○山田長司君 私は、ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表して反対討論をなさんとするものであります。(拍手)  本法律案は、敗戦後の昭和二十一年、経済の混乱期に、物価政策の一環といたしまして、国民の住居生活に役立ってきたのであります。今回行わんとする改正は、要約いたしますと二点があげられるのであります。その第一点は、建坪三十坪以上の家屋の地代家賃の統制を解除しようというのであります。第二点は、三十坪以下の住宅で、坪当り二千円以上の修繕費をかけたものについては、都道府県知事の認可により家賃の増額を認めるというのであります。この法律案は、一見いたしますと、小さな問題のように見えますけれども、実は、わが国住宅政策並びに民生安定の見地から検討いたしますならば、国民生活に実に重大な影響をもたらす法律案でありまして、断じてわれわれは承服するわけにはいかぬのであります。(拍手)  そもそも、この法律案は、忌憚なく申し上げますならば、改正ではなく、統制令の廃止であります。政府の住宅政策の貧困を——家主と借家人に責任を転嫁しようとするごまかし法案でありまして、時代逆行もはなはだしいものと断せざるを得ないのであります。(拍手)われわれをして言わしむるならば、むしろ、守り得る統制令の改正を行なって民生の安定をなし、今日まで家賃や部屋代、敷金等、あまり守られておらなかった面を統制令によって守ることの可能な法案に変化せしめてこそ、遅々として進展しない鳩山内閣の住宅政策が幾らかでも補われる結果になるのではないかと思うのであります。(拍手)  しからば、何ゆえにわれわれは守られる統制令の改正をすることを要求するかと申し上げますならば、御承知のごとく、現在の住宅不足は二百八十万戸と推定されております。年々火事や大暴風、水害あるいは老朽による減少等々で、これが年間二十五万戸と推定されており、このほか急激な人口増や、新たに世帯を持たれるために必要になってくる四十万戸等を加えますと、実に六十五万戸の不足があるありさまで、鳩山内閣の住宅政策による四十三万戸建設目標は数字の羅列にひとしいようなものであるけれども、それでも毎年二十二万戸の不足を生ずることになり、住宅不足は実に二百八十万戸の驚くべき推定数と相なるのであります。(拍手)無能な鳩山内閣にしては、とうてい、今までの政策では、奇跡でも起らない限りにおいては、この解決は不可能であります。  建設省では、昨年八月大規模な住宅事情調査をやった結果、日本の住宅難が、かねて政府が想像していた以上にひどかったことを発表しております。住居に困っておる世帯数が六百九十万世帯であると発表しておる。新聞の社会面を見れば、連日住宅不足から起る親子の不和、少年の不良化、あるいは、六畳の部屋で七人の家族が寝ておって、乳飲み子を圧死させたとか、あるいは、起きて半畳寝て一畳といわれる工員住宅のひどさ、いまだ壕の中に生活しておられる人たちや、倉庫その他に居住する人を入れて十四万世帯になるといわれております。住宅の不足は、当然、これによって、賃貸借に、高いやみの敷金、あるいはまた高い家賃、あるいは高い部屋代、領収書を発行しないようなやみの礼金、こういう問題があるばかりでなしに、さらに、一年ないし二年ぐらいの短かい期間が満了すれば、契約の更新、そのほか権利金または礼金等が取られるというような状態で、こう検討をいたしますならば、戦後十年を経た今日、国民生活は一向住宅については小康を見ていないのが現実の姿であります。(拍手)  このときに当って、もしも統制令が解かれるということになりまするならば、すでに償却済みのものと推定される全国の借家五百万戸、さらに、これに住まっている二千五百万人の人たちに法の適用がなされることになりますので、家主と借家人との間に一大借家争議が起らないと何人が断言できるでありましょうか。(拍手)そればかりでなく、民事事件の八割までがこの賃借争議であることを考えまするときに、統制令の改正は、これらの人々に対して、直接、間接に、経済上の影響は実に大きいものがあると申さなければなりません。(拍手)  この法律案に対する政府の答弁の重点は、現在の借家所有者が他の物価と比較して採算上無理があるというのでありますが、法律は国全体の情勢を勘案した上で決定すべきもので、この改正案なるものは、立法の趣旨である国民生活の安定をはかるという趣旨に反するものといわなければなりません。しかるに、法案通過後必ず国民の間に紛争の起ることを予期しながら、何らの審議機関も設けず、単に届出によって知事に家賃の値上げを申請すれば、それでこの値上げができるというような、まことに政府みずから国民の間に相剋摩擦を生ぜしめるような結果をもたらすということは、われわれは断じて承服できないところであります。(拍手)  政府は、口を開けば、物価が安定したという前提のもとにこの法律の趣旨を説明しているが、これらは大きな間違いで、現在の給与と物価の均衡は決してとれておりません。加うるに、現在、全国に、登録失業者は七十五万、潜在失業者は実に六、七百万の多きにあると言われておるのであります。実に、勤労階級や庶民階級の人々にとっては、不安きわまりない社会状況にあるのであります。かくのごとき世相の中において統制のワクをはずされるということは、足の悪い人から松葉づえをもぎ取り、歩くことの困難な人から手押し車を取り除いて、健康な人の歩く速度に歩かせようというような、まことに暴挙きわまりないものといわなければならぬと思うのであります。(拍手)  かく論ずるとき、静かに方途を一考いたしますならば、まず、われわれは、二、三の点をあげて住宅緩和の方策にいたしたいのでございます。  第一点は、昭和二十一年以前と三十五年までと、さらに、最近の公団のできるまでであります。何となれば、二十一年ごろまでの借家借地の実情は、現在の実情と全く異なった社会情勢にあったという点であります。さらに、二十五年に出された統制令の一部解除によって、住宅を除く事務所、店舗、市場、倉庫等々の借地借家賃の値上りが行われており、その後は、住宅金融公庫、住宅公団等の機関により、かなり従来と異なった形ができておりまするので、当然統制上三段くらいの方途を講じてこれをなさなければならぬと私は思うのであります。(拍手)  第二の点は、住宅街の建設と都市の不燃化、高層建築化という問題であります。都市の不燃化は、言うことはやすいけれども、これが実行の段になると、なかなか困難であります。これをどうしても政治の力によって強行しなければならないと思っております。第三の点において申し上げることは、住宅建設費の低廉化の問題であります。これには、建設用材の価格の暴利取締り、地価の統制等でありまして、老朽住宅対策、これらについても当然住宅金融公庫から融資をして、家主や借家人の犠牲にならぬように措置すべきものではないかと思うのであります。(拍手)  一たび、世界の敗戦国の同じ立場に置かれておりますフランスやイタリア、あるいは西ドイツ等におけるところの家賃の統制令の状態を見ましても、これらの国々におきましては、戦後いまだに統制令を解いておらない。この事実をわれわれは見なければならぬと思うのであります。御承知のごとく、日本においては、諸外国と異なって、政府よりも民間の自力建設の方がはるかに多いありさまで、どの見地から論及いたしましても、絶対量の不足している日本の住宅でありまして、どうしても統制令を解く以上は、われわれは断じてこれは許せない状態にあると思うのであります。そういう点で、統制令を解く以上は、以上述べました二、三の点について当然これが実行されて後に、しかるべく講じられなければならぬと思うのであります。  最後に私は申し上げたいのでありますが、今回の改正は、無計画の中で統制の解除を行われるものでありまして、これから起るであろうところの借家争議は、これ全部政府責任であると私は断せざるを得ないのであります。そういう点で、この法案に対しましての反対討論を終ろうとするものであります。(拍手
  28. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告通り決するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  29. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 起立多数。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  30. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 日程第八、引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会理事木村文男君。     〔木村文男君登壇
  31. 木村文男

    ○木村文男君 ただいま議題となりました引揚同胞対策審議会設置法の一部を改正する法律案につきまして、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  引揚同胞対策審議会は、第二回国会に衆参両院において議決されました引揚同胞対策に関する決議に基いて、昭和二十三年八月に総理庁に設置され、海外同胞の引き揚げ促進並びに帰還者、遺家族及び留守家族の援護等に関する諸問題につき、民間の陳情を審議し、かつ、実情を調査して引き揚げ同胞対策を考究し、その結果を内閣総理大臣に報告することを目的としておるのでありまして、この審議会において取り上げて調査し、内閣総理大臣に報告いたしました事項は、今日までに十九件に達し、そのほとんどが政府の施策に組み入れられている点にかんがみましても、きわめて重要な役割を果して参ったのであります。  この法律案の要点は、未帰還者の帰還促進及び調査究明についての政府の三カ年計画並びに未帰還者留守家族等援護法の一部改正に対応して、この審議会をさらに本年九月より三カ年間存続させようとするのであります。また、その他行政機構の改革に伴い所要整理をもいたしたのであります。  以上が本法律案の要旨でありまして、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会におきましては、昨二十六日提案理由説明を聴取いたしました後、討論を省略いたしまして直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって本案は可決すべきものと議決いたした次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  32. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  34. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出道路運送法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  35. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  道路運送法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。運輸委員会理事臼井莊一君。     〔臼井莊一君登壇
  37. 臼井莊一

    ○臼井莊一君 ただいまより、道路運送法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  最近における自動車運送の急激なる発展に伴い、自動車事故も増加の一途をたどり、また、自家用車の営業類似行為が著しく増加いたしております。本法案は、かかる情勢に対処するため、現行法に所要改正を加え、自動車運送事業による輸送の安全を確保するとともに、道路運送に関する秩序を維持しようとするものであります。  改正の要点を申し上げますと、第一に、一般旅客自動車運送事業者及び特定旅客自動車運送事業者に対し、政令で定める要件を備えない運転者の使用を制限し、これに違反した事業者に対する罰則を設けたことであります。  第二に、特定旅客自動車運送事業事業用自動車の運転者についても、一般旅客関係自動車事業事業用の自動車の運転者と同様、政令で定める要件を備えるようにしたことであります。  第三に、自動車運送事業者に対しては輸送安全準則を、自動車運送事業用の自動車の運転従業員に対しては運行安全準則をそれぞれ整備するため根拠規定を設け、命令によって必要な規律を行うこととしたことであります。  第四に、特定自動車運送事業の免許基準に事業の適確遂行能力を加えたことであります。  第五に、自動車運送事業の定義から「有償で」という字句を削りまして、他人の需要に応じて旅客または貨物を運送する事業を営んでいる者は、その対価を運賃料金の形で収受しているといなとを問わず、自動車運送事業として道路運送法の規制対象としたことであります。  本法案は三月七日本委員会に付託され、同八日政府より提案理由説明を聴取し、二十七日質疑を終了、討論を省略し採決の結果、本法案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決しました。  右、御報告申し上げます。(拍手
  38. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 採決いたします。本案委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  40. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、この際、内閣提出飼料需給安定法の一部を改正する法律案飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案農業協同組合整備特別措置法案、右三案を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  41. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  飼料需給安定法の一部を改正する法律案飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案農業協同組合整備特別措置法案、右三案を一括して議題といたします。委員長報告を求めます。農林水産委員会理事吉川久衛君。     〔吉川久衛君登壇
  43. 吉川久衛

    ○吉川久衛君 ただいま議題と相なりました飼料需給安定法の一部を改正する法律案外二案について、農林水産委員会における審議の経過及び結果について御報告申し上げます。まず、内閣提出飼料需給安定法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案の要旨は、保管中の輸入飼料、特にフスマ等について、梅雨等の気象上の影響により品質が低下し、国庫に著しい損失を生ずるおそれがある場合には、現在買い入れ、保管及び売り渡しの対象外になっている国内飼料をも含めて、これらを同一品目、同一数量の飼料と同時期に買いかえまたは交換ができるよう、あらかじめ損失を未然に防止せんとすることであります。なお、本改正に伴いまして、食糧管理特別会計法の一部を改正いたしております。  本案は、二月十三日政府から提出され、二月十四日提案理由説明を聴取いたし、去る三月十四日以来数回にわたって委員会を開き、熱心なる審査を行なったのであります。その質疑は、主として、輸入飼料、特にフスマの買い入れ、保管及び売り渡しの操作が飼料価格に及ぼす影響に関するものでありましたが、昭和三十年度よりの持ち越し約九万トンのうち三万トン程度を梅雨期までに買いかえまたは交換を行い、また、政府は常時三万トン程度の手持ちを有することにより、飼料需給の安定をはかろうとする措置は時宜に適したものであるというのが圧倒的な意見でありました。  三月二十三日質疑を終了し、本日の委員会において本案及び飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案一括議題として討論に付しましたところ、本案に対しましては社会党より強い希望意見を付して賛成討論が行われ、小会派クラブからは反対討論が行われたのであります。  次いで採決いたしましたところ、多数をもって可決すべきものと決した次第であります。  次に、内閣提出飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  飼料問題につきましては、ただいま述べました飼料需給安定法の運用により、物量的に需給及び価格の安定対策が講ぜられておりますが、品質の改善向上をはかるために、本法により、昭和二十八年以来飼料の登録、検査等を実施いたして参ったこと、御承知通りであります。しかしながら、従来の登録は製造業者等の申請に基いて行われ、著しくその品質が劣ることが認められる場合のほかは、すべて登録を行う建前にあった関係から、登録飼料といえども必ずしも品質佳良のものばかりとは申しがたい事情であります。そこで、政府は、この実情に対処し、登録の基準となるべき公定規格を設定し、これに適合する飼料に限り登録を行うこととし、良質飼料推奨制度としての性格を明確にし、また、品質の取締りについても、炭カル、貝がら粉末等、異物とは言い切れない材料で、これを多量に混入する場合には、かえって家畜に有害となる飼料について、その混入物の名称及び割合の表示を義務づけることとし、消費者の保護をはかり、あわせて取引の公正を期そうとして、本改正案提出して参ったのであります。  本案は、三月十四日政府から提案理由を聴取し、以来、飼料需給安定法一部改正案と併行して質疑が行われたのであります。これが詳細については会議録により御承知願います。  三月二十三日質疑を終了し、本日の委員会において飼料需給安定法の一部を改正する法律案一括議題として討論に付しましたところ、本案に対しては別段討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。  次に、内閣提出農業協同組合整備特別措置法案について申し上げます。  わが国の農業を振興するためには、農業協同組合の整備強化をはかる必要があることは申すまでもないところであります。そこで、昭和二十六年には農林漁業組合再建整備法を、また、昭和二十八年には農林漁業組合連合会整備促進法をそれぞれ制定し、これが整備強化に努めて参ったのでありますが、今なお、経営不振のため、農協本来の目的を十分果し得ない組合が相当数ある実情でありますので、これらの不振組合で自主的整備意欲の強いものについては、おおむね五カ年の間に整備をはかるべく、諸般の措置を講じようとして本案提出を見たのであります。すなわち、業務態勢の刷新強化を必要とする単協に対しては、農協中央会が駐在指導員を派遣して指導を行い、これに対し助成する方途を講じ、また、多額の欠損金を有する単協に対して、信用農協連が繰り越し欠損金に見合う債権の利息を減免する等、積極的な援助を行うときは、その信連に対し、元本の五分以内を補給し、また、経営規模の過小なものに対しては、これが合併促進のため、奨励金を交付する措置を講ずることといたしておるのであります。  本案は、去る二月十六日政府から提出され、三月二十二日以来連日審査をいたし、その間、参考人として農林中央金庫及び全国農協中央会から意見を聴取する等、慎重なる審議が行われたのであります。  次いで、質疑を終局し、本日の委員会において討論を省略、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対しては、次の通りの附帯決議を付することに決定いたした次第であります。    農業協同組合整備特別措置法案    に対する附帯決議   政府は、従来、農林漁業組合又は同連合会の再建整備又は整備促進のための法的措置を講ずるに当っては、森林組合および漁業協同組合と全く同列に取扱つてきたのである。   しかるに、本法案においては単に不振農協の整備にとどめ、これとおおむね同一の事情にある森林組合および漁業協同組合を特別措置対象外としているが、政府は、今回の措置に洩れたこれらの組合に対しても、経営の刷新を促進し、もって、林業者および漁業者の地位の安定向上と国民経済の発展に寄与せしめるため、今後速かなる機会において、諸般の特別整備措置を講ずべきである。  右決議する。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  44. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  45. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって三案は委員長報告通り可決いたしました。      ————◇—————
  46. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 議事日程追加緊急動議提出いたします。すなわち、議院運営委員長提出国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案及び国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  47. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 長谷川君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員会理事、長谷川四郎君。     〔長谷川四郎君登壇
  49. 長谷川四郎

    長谷川四郎君 ただいま議題となりました両案について、その提案の理由説明いたします。  まず、国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。  国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律は、国立国会図書館の行政各部門における支部図書館の設置並びに支部図書館の専任職員の配置、その任免及び定数に関し規定したものでありまして、昭和二十四年制定以来、二回にわたって改正されたのであります。その後、すでに法制局及び工業技術院に支部図書館が設置されており、経済審議支部図書館が、行政機構の改革により、経済企画庁支部図書館となり、また、今回警察庁及び防衛庁に新たに支部図書館が設置されることとなりましたので、これらについて所要改正を行う必要を認め、図書館運営小委員会において協議起草の案を、議院運営委員会においてこれを成案とし、委員会提出法律案とすることに決定した次第であります。  次に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案について御説明いたします。  本案も議院運営委員会において立案したものでありまして、両議院の議長、副議長及び議員の秘書に対し会期中滞在手当を支給する必要があると認め提出した次第でありまして、一日二百円の定額で支給せんとするものであります。これに要する経費は、すでに三十一年度予算に計上して、本院を通過しているものでありますから、何とぞ御賛成を下さいますようお願いを申し上げます。(拍手
  50. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 両案を一括して採決いたします。両案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) 御異議なしと認めます。よって、両案は可決いたしました。      ————◇—————
  52. 益谷秀次

    議長益谷秀次君) この際暫時休憩いたします。     午後五時四十九分休憩      ————◇—————     〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕