○松前重義君 ただいま
議題となりました、
放送法第三十七条第二項の
規定に基き、
国会の承認を求めるの件に関しまして、逓信
委員会における
審議の
経過並びに結果の
概要を御
報告申し上げます。
本議案は、日本放送協会の
昭和三十一年度収支
予算、
事業計画及び資金計画につきまして
国会の承認を求める
ために、去る二月二十二日内閣より
提出せられたものであります。
議案の
内容につきまして大略御
説明いたしますと、
昭和三十一年度における
事業計画につきましては、その主眼を、ラジオについては、難聴地域の解消、老朽設備の
改善及び放送番組の
内容充実等に、またテレビジョンについては、札幌、函館、静岡、岡山、小倉、熊本、鹿児島及び松山の八地区における放送局の建設、既存設備の
改善、整備及び放送番組の
内容充実に置いてあります。
次に収支
予算におきましては、ラジオ
関係については、前期繰越収支剰余金一億五千万円を収入に含めますと、収入支出おのおの総額百十八億千七百万円余を予定しておりますが、これを
昭和三十年度に比較すれば、収支ともに六億四千六百万円余の増加となっております。また、テレビジョン
関係については、収入支出ともに総額十八億六千四百万円余を予定しており、これを前年度に比べますと、それぞれ六億五千万円余の増となっております。なお、本年度の収支
予算においては、受信料を、ラジオ及びテレビジョンともに、
昭和三十年度と同額の、ラジオ月額六十七円、三カ月二百円、テレビジョン月額三百円といたしております。
次に資金計画でありますが、これは収支
予算及び
事業計画に照応する資金の出入に関する計画であります。
以上御
説明申し上げました収支
予算、
事業計画及び資金計画について、郵政大臣はこれをおおむね妥当なものと認める旨の意見書を付しているのであります。
以上をもちまして本議案の
内容の
説明を終ったのでありますが、逓信
委員会におきましては、去る二月二十二日
本案の付託を受け、同二十四日以降数回にわたって
会議を開き、
政府当局の
説明を聴取し、
質疑を行いましたほか、特に参考人として日本放送協会の会長及び理事等の出席を求め、
慎重審議を重ねたのであります。
質疑応答に当って論議の焦点となったのは、まず、来年度から新たに日本放送協会に対して課せられようとしている固定資産税に関して、
公共企業体であるNHKに対して、かかる課税が適当であるかどうか、また、すでに課税方針が明らかであるにかかわらず、
事業支出に計上されておらず、予備金をもって所弁するのは不適当ではないかという点、国際放送に関し、その方向、時間の拡充強化、
施設の
改善整備、国からの交付金の増額、放送効果の測定等についての方策、また放送技術の研究に関し、その振興策、なかんずく国の
負担による研究
実施に関する問題、さらに従業員の待遇
改善の方途等でありますが、これらの
質疑応答の詳細は
会議録に譲ることにいたしたいと存じます。
かくて、
委員会は三月十五日
質疑を打ち切り、直ちに
討論に入ったのでありますが、
討論に際し、自由民主党を代表して竹内俊吉君、
日本社会党を代表して松井政吉君、いずれも、日本放送協会の
公共的使命にかんがみ、各般の施策に万全を期するよう、
関係当局に一そうの努力を要望して、本議案に承認を与えるに賛成の意見を述べられたのであります。
委員会は、次いで
採決の結果、
全会一致をもって本議案はこれに承認を与うべきものと議決した次第であります。
なお、
委員会は、
委員森本靖君の動議により、本件
審議の過程における論議の動向に照らし、次のごとく
全会一致をもって附帯決議を行なったのであります。
附帯決議
政府並びに日本放送協会当局は、左に掲げる事項の達成に努むべきである。 一、協会における放送の進歩発達に必要な研究を助成する
ため、
放送法第三十四条の
規定に基く国の
負担による研究を
実施する方途を講ずること。
二、
経営の刷新、能率の増進等によって収入の増加、
経費の
節減を図り、協会従業員の待遇を
改善すること。
右決議する。
以上でございます。
これをもって御
報告を終ります。(
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