○林(博)
委員 ただいま
お答えのありました点で一応了解できるのであります。ただ、本件につきましては、最後に
検察官が出張になってお調べになった際に、だれも家族の者も立ち会っていませんし、それから、これを聞いておった者もないのであります。従って、どのようなお
取調べがあったかということは私
ども推測できないのが非常に遺憾でございます。本件としましては、おばあさんを連れていこうとするのを見ておる者だけがあったような状況でございますので、私
どもとしてこれ以上の追及もできないわけでございますが、ただ、私は、この
横井太郎の
関係におきまして、なぜこのような問題を今取り上げたかと申しますと、全般の
取調べ方が非常に過酷であるように考えるのであります。たとえば、末端の
関係者を朝引っぱっていって、夜の十時まで何らの
取調べもしないで、そのまま帰すと言って帰した、あるいは、
取調べに当って、
取調べの最中にほかの刑事が入ってきて、まだ調べておるのかと言って手錠をじゃらつかせながら下っていった、そういうような幾多の事例がございます。また、いま
一つこれからお尋ねするような、私としましては非常に過酷と思われるような事実がありますので、あるいはこの死亡に関する
取調べに当りましても何らかの行き過ぎはなかったかという推測を持って私はお尋ねいたすのであります。
それから、いま
一つ具体的な事実についてお尋ねをいたしたいのであります。それは、北野田鶴子というやはり
選挙違反の
関係者に対する
取調べに当ってでありますが、この北野田鶴子氏は年令ははっきりしませんが四十才前後の御婦人であります。この方は
昭和三十年三月十五日六時四十分ごろに千種署の阿波という刑事さんが千種署に連れていかれたのであります。この人は肝臓病でありまして、銀行を約一年間、
昭和二十九年中休んでおりました。そうしてこの
選挙に当って
横井さんの
選挙を多少手伝ったのであります。ところが、三月十五日に連れていかれました。この嫌疑は、おそらく買収容疑でありまして、三百円入りの封筒を何人かの人に渡したという買収容疑であると考えます。ところが、この
取調べに当りまして、三月十五日午前六時四十分に千種署に同行をいたしまして、これを取り調べるのに三人の、最初は阿波刑事さん、次に吉野さん、その次に野野山主任と、三人の方がかわって調べておるのであります。
取調べが、否認しておりましたために非常に長くなりまして、夕景になりました。しかも
取調べを継続しておりまして、夜になって本人が
気持が悪くなった。そのために最初は小使部屋に寝かしておったそうであります。畳の上に寝かしたままで
取調べを継続しておった。ところが、小使部屋が他の用で使われるために、今度は刑事部屋に行ったそうでありますが、その刑事部屋に寝たままで
取調べを継続しておったそうであります。朝の六時四十分から夜の九時ごろまで
取調べを継続しておったそうであります。ところが、いよいよ
気持が悪くなって、吐きけを催して、非常に苦しくなって参りました。答弁もしどろもどろになって参ったそうであります。野野山主任さんという方が最後に調べたそうでありますが、これは本人の申すことでありますから名前等についてはかなり不確実なものがあるかもしれません。その野野山主任さんの言うには、お前は仮病を使っておる、だから医者を呼んで見せてやる、こう言って藤井というお医者さんを呼んできたそうであります。そして、藤井というお医者さんと野野山主任さんと二人で、お前裸になれと言われた。そこで、本人は洋服を脱ぎ、シュミーズを脱いで半裸になったわけであります。シュミーズを脱いでしまったから、少くとも上半身は全然裸になってしまった。そして、そのままふとんも敷かずに畳の上に寝せられて、婦人
警察官の立ち会いも何もなく、野野山主任さんがそのそばに座っておって、お前あっち向けこっち向けと言って医者に見さしたという事実があるのでございます。この点に関しまして御
調査をなさったことがあるか、
長戸政府委員にお尋ねをいたします。