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内田政府委員 これは、結局におきまして、
登録の
原票というものと、その
原票に基いて発行せられます
登録証というものが一致していなければ、この
登録の意味がないわけでございます。その点につきまして、遺憾ながら、過去の実例におきましては、その
登録証が他に
転売せられたり
譲渡せられたりいたした例が非常に多いのでございます。もっとも、
紛失したということをもって再
交付を申請いたして参ります場合に、ほんとに
紛失したものであるのか、あるいは他に
譲渡したものであるかということの
区別は非常に困難でございますが、しかし、われわれの方の
推定によりますと、
紛失と称して実は他に
転売、
譲渡したのではないかと認められる
事例が非常に多いのでございます。それと、ただ写真を貼付してあるというようなことでございますと、この改ざんが非常に容易にできまして、また
名前も、その
登録してある
名前に自分の
名前を変えてしまうというようなことによりまして、非常に不正が行われ、結果におきまして真実に反した
登録証が横行いたすことになるわけでございます。それはどういう場合にそういうことになるかと申しますと、一番多い例は、
密入国をして参りまして、
登録証がないために、金に困っているような人から
登録証を買い取るという形で行われる例が多いのでございます。ところが、御
承知のように、
指紋を
一つそれに付加いたしますと、そういった
事態が非常に避け得る。そのことは、すでに昨年の四月二十八日以来この制をとりました結果、いわゆる
紛失を
理由とする再
交付の数が著しく減っておるということからも、われわれのねらった
効果が十分に上っておるものであると
考えております。また、今の
外国人登録法のほかの
条文にございますが、再
交付を申請いたします場合には、われわれは
十指の
指紋をとるようにいたしておりますが、そのことによりまして間接に
登録証を大事にする、失ったような場合に
十指の
指紋をとられるという不愉快さを免れんがために非常に大事にするといった
効果も現われておるのではないかと
考えておる次第でございまして、われわれ、
日本に現在約六十万ほどの
朝鮮人、また四、五万程度の
中国人等、相当大量の
外国人をかかえております現状におきまして、やはりとういう
制度は
外国人の
管理の
基本としてぜひ必要であると
考えておる次第でございます。