○加藤(精)
委員 お尋ねする点を申し上げまして、御回答はこの次にしていただきます。
第一番目は本法の二十三条と十七条と四条とに関連することであります。それから
整理法律の第一条についてであります。その要旨は簡単なことなんですが、私たちの
考えでは、
教育委員会法というものは、父兄の声、しろうとの健全なる常識というものを学校教育の上に反映させるということが
一つ。それから教育及び
教育行政について学識経験を有する専門家がそれに助言をする。そうして執行は大
部分その人が当るというような
考えが
一つ。そうしてそのレーマン・コントロールとテクニカル・エキスパートとの間に
一つの調和ができる。そうしてそれによって非常にいい教育執行機関を作っていくということに
考えておったのでありますけれ
ども、昨日の
公聴会等でもいろいろ各学者の発言等において、その点についての
考えがなかなかはっきりしなくなったのであります。それでまじめにそれを疑問にしているわけでございますので、
教育委員会という
一つの合議体が取り扱う事項の専門的知識の必要の有無ということが
考えられるわけですけれ
ども、その点は
教育長の専門的な知識技能の必要性、並びに教育
委員そのものの教育及び
教育行政に関する専門的な知識の必要性、この三者の
関係についての政府の御意見を
一つ示していただきたい。
それからそれに関連するものといたしまして、
整理法律の第一条に町村の助役が
教育長を兼任するということがありますけれ
ども、その問題をもそれに関連して説明していただきたいのでございます。
それから第二段目には、本法の五十二条の問題でございます。この五十二条は
文部大臣の教育そのものに対しての
責任の明確化と申しますか、
文部大臣の
権限に関する問題でございますが、この問題に対して質問を申し上げる私の
意図の
裏面には、現在の教育法令全般に対する
一つの疑問があるのです。と申しますのは、六・三制教育という概念で、学校教育法というもの
一つでもって現在はわが国における各教育施設の教育活動を規制しておるわけでありますけれ
ども、それには若干無理があるのじゃないかというのが根本の疑問なんです。
地方団体の府県、
市町村、五大市、それぞれみな一緒くたにして
地方自治法というもので
規定しておるのと同じように、実情に合わないのじゃないかという疑いがある。私の
見解によれば、義務教育こそ国家問題中の最も重要問題じゃないか、たとえば最高の学術、科学等の問題は、これはある場合は国境を離れて探求されるべきものであって、超国家的な
一つの世界である場合があると思う。ところが義務教育ということになりますと、そうしたものではなしに、国家は国民を最後まで生存させていかなければならぬし、また国民としての最小限度の精神的な雰囲気を作るということが、その本人の生活のためにもまた国家の存立のためにも必要なのじゃないか、そういうようなことを
考えますと、それに対しては国家の
政治を代表する
文部大臣は相当な
責任を持っておるのじゃないかと
考えるのでございます。教科課程の定めのある学校につきましては、特に私立学校であってもこれは例外ではないように思うのでありまして、そういう意味でたとえば
大学の学長や教授が教育の自由を守れという
一つの命題と、義務教育についての国家の
政治との関連性というものは全く違ったものじゃないかというふうな感じがいたします。そういうことから見まして、この
教育委員会法は公立の
大学等をも規律する
法律でございます。教育二
法律案につきましては特に義務教育に限った経緯もございますし、そういう
文部大臣の
責任の徹底という新しい御
政策について、
一つの学校の教育別のニュアンスの差があるかどうかということについて
お尋ねしてみたいと思ったのであります。
それから同時に、
教育委員会法そのものが、私立学校について、ことに義務教育に関する限り何らタッチしていないわけでありますが、その点につきましても、私立学校は教科課程を定めない学校から出発したもので、その惰性で今日も
市町村の首長の一種の監督のもとにある。これは適切なものでないので、今回の改正が済んだら新しい
教育行政上の問題として出てくるのじゃないかと思っておりますので、そういう問題もあわせて御説明いただきたい。
時間が超過いたしましたが、よく御調査、御研究になって、この次の
委員会で
一つ政府の御
見解を承わらせていただきたいと思います。