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河野(正)
委員 大臣はヒューマニストでございますから御理解願えると思いますが、流産という
言葉、これは人道的に申し上げますなら邪道でございまして、本来から申し上げますならば間違いでございますが、
産児制限ということではなくて、
計画産児ということでなければならぬのです。それでただいまいろいろ御説明もございましたが、そういったような
観点から見て参りますと、
教育委員会が
対立予算を出すということは、これはむしろ望ましい
現象ではないわけでございます。
執行部案ができます以前において、いろいろ
教育委員会の
意見も尊重して、そして
執行部案でまとめるというのが、これが要するに先ほど申し上げた
計画産児でございます。流産じゃなくて
計画産児でございます。そういうことでございますけれ
ども、どうしてもおやじが言うことを聞かぬで作るというようなことで作るもんですから、あとで問題が起ってくるわけです。願わくは
対立予算では出さないということが望ましいわけでございますけれ
ども、どうしてもおやじが聞いてくれぬということで
対立予算が出てくる。まあ流産という形が生まれてくるわけでございます。そういうことでございますから、私
どもが一番心配いたしますのは、今日のように
教育委員会が、要するに
原案送付権を持っておるという
事態におきましても、そういった無理な
事態が起って参りますから、
原案送付権が剥奪されますと、さらに一そうそういった深刻な
事態と申しますか、露骨な
事態が生まれてきはしないか。その
一つのテスト・ケースとして
福岡県が——
福岡県はたしか富裕県でございますが、この
福岡県におきましてこういった
事態が生まれ、結局
教育委員長は辞表を
提出した。副
委員長も辞表を
提出するというようなことでございますから、おそらく
福岡県におきましては、私
実情はわかりませんが、
福岡県においてはちょうど新年度でございますし、非常な混乱が生まれてくるのではないかと思います。たとえば異動等もございますけれ
ども、そういった異動も、今日の
実情では困難だ。また今後、
予算が流れておりますから、ある部分におきましては
知事の専決処分というようなことになるでございましょうけれ
ども、しかし私は
運営の面におきましては専決処分だけではなかなかいかない面が起ってくるだろうと思います。そういたしますと、臨時県
議会、
地方議会を開いてということになりましょうけれ
ども、その間におきましてはかなりの空白状態も出て参ります。こういったことは
大臣は話し合いだから——なるほど話し合いがうまくいけば問題ないと思うのでございますけれ
ども、今日のような
現行法の時代におきましても話し合いがなかなかうまくいかない。しかも
福岡県では、一例ではございますけれ
ども、今日
教育委員長は辞退をし、副
委員長も辞退する。しかも教員の異動もできない。一部におきましては専決処分をやりましても、大部分は専決処分でいかない部分もございましょうし、
教育の
運営というものが非常に阻害されるのではないか。ところが
福岡県の
実情を見て参りますと、これは
教育予算が流れました
ために——単に
教育だけではございません。すべての
福岡県の
行政運営の上に、非常な大きな
事態を起したという現実の事実が生まれておるわけでございますので、私は単にこれは
教育だけの問題として
考えて参るわけには参らぬのでございます。こういった
実情でございますから、私は現実に起ってきた
実情をもって
大臣にお尋ね申し上げたのでございます。
大臣は
大臣なりに
考えがあると思いますけれ
ども、現実はこういった現実が起って参っておるのでございます。単に
教育だけの問題でなくて、今申し上げましたように、
福岡県すべての
行政に非常に重大な
事態を生じておるというようなことでございますし、
事務当局からは、全国的な状況についてはまだ統計的な資料がないというので御
答弁なかったと思いますけれ
ども、
福岡県は最近赤字ということで、いろいろ
自治庁あたりでも論議しておりますけれ
ども、全国的に見ますならば、最近赤字になったというような
実情で、必ずしも私は
財政状態は悪いというふうには
考えておりません。ところが今日では、
地方財政再建整備法の指定を受けようというような府県がたくさん出て参っておりますが、そういった
実情のもとでは、私は全国的には
福岡県以上の問題がたくさんあるのではないかと思います。ただ問題の
福岡県の場合は、いろいろな特殊性がございまして、露骨にそういった
現象が現われて参りましたけれ
ども、他の
地方におきましては、
教育委員会が泣き寝入りする。要するに
執行部の圧力で泣き寝入りをするというようなことで、
福岡県のような露骨な
事態が生まれなかったにすぎぬのではないかというようなことを私
ども強く感じて参るわけでございます。これは私、
福岡県の
実情に詳しいので、
福岡県の
実情を一言取り上げて申し上げたわけでございますけれ
ども、しかしながら、どうも私
どもが観察いたしますところによりますと、他の府県におきましても、
福岡県以上のものがあるのではなかろうか。ただ、それが具体的の事実となって、
現象となって現われてこない。先ほど申し上げますように、泣き寝入りするというようなことで、
現象となって現われてこないから目立たないだけでございますけれ
ども、実質上は
福岡県以上のものがあるのではなかろうかというふうな印象を強くするわけでございます。あら
ためてでございますけれ
ども、
一つ大臣のもう一度の御
答弁をお願い申し上げたいと思います。