○
河野(正)
委員 私が申し上げておりますのは、いろいろ改善していたたくのはけっこうでございますけれども、改善を行います基礎資料というものもきわめて重大である。今日まで基礎資料に不十分なものがあったから、今日の防音その他の対策が不十分なのだ、私はこういうふうに理解するわけです。そこで改善するということも必要でありましょうけれども、それ以上に大事なものは基礎資料になる
研究である、私はこういうふうに考えておるわけです。そこで調達庁は補償すればいいということでございますけれども、むだな補償をするよりも、まずりっぱな基礎資料を作らせるということを先に解決して、その後に補償をするという考え方の方が私はきわめて合理的だと思うのです。そうしませんと、ただいま申し上げますように、せっかく防音教室の設備をやったけれども不十分であったということになる。今日福岡基地の周辺の学校を見て参りますと、ほとんど不備です。私は特に医者でございますから科学的立場から見て参りますと、どうしてこういう
施設を作ったろうと思います。たとえば換気孔を作ってやっていますけれども、実際見て参りますと、吸気孔は
二つあるが、排気孔は
一つだ。
空気は吸い取りますけれども、ちょうど教室内にエア・ポケットみたいなものができます。そこでは不純な
空気がいつまでも充満しておる。その設計によりますと、四十分から四十五分かかると換気が完全にできるという設計だそうでございますけれども、私たち見て参りますと非常に不合理だ。これはやはり
研究というものが不十分であったために、せっかくやったけれども非常にむだなものができたというようなことでございます。そういった意味で、いろいろの
研究機関も非常に協力してくれているようでございます。私ども二、三べん行ってみましたが、九大の環境衛生学の教室からも
研究に出て参りまして、非常に熱心に
研究をやっておりました。こういった費用については幾らかもらっておるのかと
質問いたしましたところが、一銭も出ておりません、これではどうも教室といたしましても
研究に支障を来たすので何とかやってくれぬだろうかということで、私も福岡の教育
委員会に行き、九大当局も出て参りましていろいろお願いしましたが、金の出るところがない、しいてとおっしゃいますれば結局PTAあたりからでもお金を出してもらってというお話でありました。私はとんでもない、これは単に
研究いたしますその学校の問題ではないのでございます。これは全国に七百数十カ所の軍事基地があるということでありますが、その軍事基地の周辺にあるすべての学校の問題を解決する
研究でございます。そういたしますと、特定の学校のPTAから金を出してもらって
研究するということではなく、それは当然国の
責任において
研究する問題でなかろうかというような感じを私ども強く持って参ったわけでございます。当局もこの問題を解決しなければならぬという御熱意はあると思います。御熱意があるといたしますならば、その基本となる基礎
研究に対しましてもっと熱意を示さるべきではなかろうか、それに対する財源の捻出ができなければ、当局が誠意を示して幾ばくの
研究費でも捻出していただいて、そして納得のいくような合理的な解決
方法をはかっていただきたい。この点につきましては調達庁もそうでございますが、
竹尾文部政務次官も
一つ御
答弁を願いたいと思う。