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1956-04-06 第24回国会 衆議院 農林水産委員会水産に関する小委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年四月六日(金曜日)    午後二時五十二分開議  出席小委員    小委員長 田口長治郎君       川村善八郎君    白浜 仁吉君       鈴木 善幸君    原  捨思君       本名  武君    赤路 友藏君       淡谷 悠藏君    田中幾三郎君       日野 吉夫君  出席政府委員         水産庁長官   塩見友之助君         通商産業事務官         (通商局長)  板垣  修君         通商産業事務官         (通商局次長) 樋詰 誠明君  小委員外出席者         農 林 技 官         (水産庁漁政部         漁船保険課長) 中村 正路君         農林事務官         (水産庁生産部         水産課長)   小池 弥六君         通商産業事務官 花村 信平君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 本日の会議に付した案件  韓国のり輸入に関する件     —————————————
  2. 田口長治郎

    ○田口小委員長 これより水産に関する小委員会を開会いたします。  政府委員出席者塩見水産庁長官中村漁船保険課長小池水産課長通産省板垣通商局長樋詰通商局次長花村事務官が御出席でございます。  まず韓国のり輸入に関する問題について調査を進めます。  質疑を行います。鈴木善幸君。
  3. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 板垣通商局長にお尋ねをしたいのでありますが、昭和三十一年度の外貨予算も大体おきまりになったようですが、韓国のり輸入につきまして、三十一年度は通産省としてどういう御方針で進んでおられますか。その点をまずお尋ねいたします。
  4. 板垣修

    板垣政府委員 三十一年度の韓国のり輸入の問題につきましては、ただいま進行中の日韓通商交渉関係もございますので、まだきまってはおりません。ただ御承知のように、昨年入るべきのりについて、特別の事情のために輸入停止し、あるいは通関停止したものが若干残っておりますので、これが生産期を過ぎた今日において、入れるか入れないかという問題だけがまずさしあたり残っている次第でございます。
  5. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 私は昭和三十一年度の韓国ノリ輸入問題を政府が検討されます際に、三十年度の韓国のり輸入に際しまして、国内生産のり価格安定維持、またこれが商業秩序確保見地から、当委員会政府に対しいろいろ意見を申し入れ、政府においてもこれに対しまして、できるだけ適切な措置を講ずることをお約束もされまして、その線に沿うて三十年度の輸入措置がなされて参ることを期待いたしておったわけであります。そこで三十年度の韓国のり政府取扱いというものが、もし三十一年度も韓国のりを引き続き入れるといたしますれば、三十年の措置がうまくいっておったかどうかというこの問題を再検討をいたしまして、今後の韓国のりに対する政府の対策の遺憾なきを期さなければならないものである、こういう工合に私は考えておるのであります。三十年度の韓国のり輸入に当りまして、私どもが一番心配をいたしまして、るる政府にも申し上げました点は、まず第一点は国内生産のりと市場における競合関係、あるいは特に価格の面に対する圧迫、こういうものを十分排除するような措置を講ずる必要がある。そのためには輸入業者配給業者さらに国内のり生産者の間に、政府の適切な指導を受けつつ、需給調整、入って参ります韓国のりと国内生産のりとの間に需給調整が完全になされることがまず必要である。こういう見地からいたしまして、需給調整協議会に漏れなく関係業者加入せしむる、このことを政府に強く要望いたし、板垣通商局長からも、今後は輸入業者あるいは取扱い業者等が、全部需給調整協議会に加盟をさせるというお約束があったはずであります。この点につきましてその後政府の適切な指導がなされたと思うのでありますが、どういう工合に進行しておりますか、その点をまずお尋ねいたしたいと思います。
  6. 板垣修

    板垣政府委員 御指摘通り、私ども韓国のり輸入いたすことに決定いたしました際は、衆参両院農林水産委員会の御決議もあり、これを尊重いたしまして、できる限り国内のり生産に支障を与えない方法で入れるというお約束をいたしました。その際その一つ措置といたしまして、ただいま御指摘のありました需給調整協議会を設定いたしまして、これにできるだけ多く、ただいま漏れなくと仰せられましたが、行政権限界もございますので、果して全部できるかどうか、当時自信はございませんでしたが、われわれの及ぶ限りの力において、できる限り多くのメンバーをこれに加入せしめるという方針でやって参った次第でございます。ところが御承知のように昨年急に、一度入れるときめられたものが、韓国側事情どもありまして、強制的に通関停止というような措置がありました関係上、この需給調整協議会に入れさすというわれわれの行政指導も、少し力を失いまして、最近まであまり加入実績は、ほんとうのところを申し上げますとよくなかったのでありますが、最近に至りまして相当いい成績を上げて参りました。ただいま数字でもって申し上げますると、昭和三十年度の外割を受けた商社数は八十七社ございますが、そのうちで実は最近までは十社しか加入していなかったのであります。これに対しまして通産省といたしましては、再三これに加入方をすすめておったのでありますが、ただいま申し上げましたような事情によって一時途絶えておりましたが、最近になりまして二十五社が新規加入を行いました。それからさらにあと六社、韓国のりの新しい輸入見通しがつき次第加入するといっておるものが六社ございます。従って現在この加入せんとする六社も入れまして四十一社加入することになります。全体の会社の数からいいますと半分しか達しませんが、これを金額取扱い量からいいますると、既加入者すなわち十社の比率が三二・三四%、それから最近加入いたしました二十五社の分が三四・一五%、それから近く加入せんとするものの比率が一四・九%で、合計八一・四%でございます。まだしかし二〇%ばかり未加入がございますので、これも今後努力したいと考えておるのであります。
  7. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 三十年度の八十万ドルの外貨割当を受けましたものが板垣さんの御説明で八十七社、そのうち需給調整協議会へ入ったもの、なお今後入ろうとするものを合せて四十一社ということでありますが、数量的にいうと八〇%余り加入をいたしておるということでございますけれども、むしろ群小の商社需給調整協議会調整を受けないで恣意的な行動に出る。このことが価額面その他の影響するということが内地のり生産者から強く指摘をされ、これを早く加入させるようにしてもらいたい、こういう強い要請がなされておるわけでありまして、今後これらの未加入のものにつきましては、三十一年度もし入れるといたしました場合に、外割等をしないというような強い御方針で臨まれるのでありますか。それともそれぞれの商社の良識に訴えるという程度の指導で進まれるのでありますか、この点一つ方針を明らかにしていただきたい。
  8. 板垣修

    板垣政府委員 仰せの通り、確かにのり関係業者全員入れさせることが理想でありますし、私どもはそれに向っていっておるわけでありますが、何分にも行政権限界がございまして、これを強制して全部入れさせることができるかどうか、完全にできるとはお約束ができない次第でございます。ただいまおっしやいました通り、これに入らないところは外割をしないというような強制条件を付し得るかどうか。この点は法制上まだ私どもとして十分に検討いたしておりませんので、ただいま御確答はいたしかねますが、今後とももう一度強い行政指導をやってみまして、それでどうしても不可能とわかりました際にいかなる措置をとり得るか、もう一ぺん検討させていただくという余裕を与えていただきたいというふうに考えます。
  9. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 それから板垣局長も御承知だと思うのでありますが、需給調整協議会が、内地のり養殖業者に対しまして、協力費と申しますか、そういうものを輸入取扱い商社割当賦課いたしまして、これを協力させるようになっておるのでありますが、二十九年度分におきましても三百万円以上の相当協力費が滞っておる。三十年度分におきましても二百万円余りのものが全く醵出されていない、こういうような事実があるのでありますが、私ども韓国のりをかりに入れるといたしましても、内地生産者十分協力をし、いやしくも迷惑をかけないようにする、いろいろの面で協力し合うという態勢が望ましいと思うのでありますが、実際におきまして相当の利益を上げておると思われる韓国のり輸入業者、こういうものが、内地のこれがために大きな影響を受けます生産業者に対して、このような不誠意といいますか、協力が十分になされていない。そのことが、今後韓国のり輸入等に対して内地生産者が非常に反対をする、通商局方針を進める場合にも非常に大きな抵抗になって現われてくるんじゃないか、こういうことも懸念されるわけでありますが、そういう点につきまして局長の御所見を伺いたいと思います。
  10. 板垣修

    板垣政府委員 延滞金金額がどのくらいになるか、私個人的には存じませんが、そういうようなものがあるということは聞いております。私どもとしましては、一度承諾したものを納めぬということは困るわけでございますので、今後とも私どもの力の及ぶ限り、これを完納させるように指導いたしたいと存じます。ただ御承知のように、従来韓国のり輸入問題は非常にむずかしく、常に難関にぶっつかっておりますし、決定までに常に数カ月を要しておるというような状況であるのみならず、一度決定されましても、日本国内事情あるいは韓国側事情で、少くともこの二カ年間は輸入がすこぶる不円滑であったというような事情もございましたので、あるいは延滞した者が出てきたかと思いますが、できる限り、今後韓国のりをまた入れることになりますれば、ほんとうに入れるなら入れるで、一定の範囲内においては円滑に入れ得るような態勢を早くきめまして、しかし一方納めるべきものはきちんと納めさすという方向に持っていきたいというふうに考えております。
  11. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 国内のり養殖業者の諸君が、昨年の秋に韓国が、日本に対しまして貿易の停止の行為に出て参りまして、そのために政府がすでに割当をいたしました輸入シッピング等がおくれて、十一月になってこれが入ってくるというような事態に相なったのでありますが、すでにそのときは国内の新のりの出回り期に入ろうとする際でありましたために、局長お話をいたしまして、これを一時保税倉庫に入れる、こういうような措置を講じていただいたわけでありますが、その際に、その保管料あるいは金利等の負担につきましては、国内生産者の側においてこれを負担するというような犠牲まで払いまして、そうしてその措置を講ずることになったわけであります。その費用等は、生産者の側におきましては十分誠意を持ってそれを支出をしておる。こういうように生産者の側は非常に約束を守り、協力的にいたしておるのにかかわらず、一方国内生産者に迷惑がかかる側におけるところの輸入業者等が、前段で申し上げましたように、非常に非協力的である。需給調整協議会にも、政府の強力なる行政指導があるにもかかわらず、遅々として加入が進まない。こういうことでは、今後韓国のり輸入は決して円滑に参らない。事ごと内地のり業者と衝突をする。こういうことに相なると思うのでありまして、この点は通商当局においても、関係業者に対して十分なる御指導をやっていただきたいと思うわけであります。  それから次にお伺いしたい点は、今申し上げた十一月以降に入って参りましたものを保税倉庫に入れることにし、その保管料あるいは金利等生産者が負担してまで、この措置を講じていただいたのでありますが、中途において数回にわたって、ある商社のものを通商局関税当局に連絡をとられて、これを民間倉庫倉移しをされた、通関をされたという事実もあったことを聞き及んでおりますが、その経過を一つ御説明願いたいと思います。
  12. 板垣修

    板垣政府委員 ただいまのある商社という点は、はっきり名前を申した方がはっきりいたしますので申し上げますが、これは東和商事でございます。実はこの問題が起りましたのは、私どもが就任いたす前から問題になっておりました東和商事の対韓国債権回収問題から起っているわけでありまして、実はこの東和商事昭和二十七年の十月に通産省の正式の許可を受けて韓国とのバーター契約を結んだのでございます。その際、その契約によって小麦粉六万四千六百ドルを輸出したのでありますが、その後韓国側債務者の不履行によって、この見返りの輸入が行われなかった。従ってこの金額東和商事の対韓国業者に対する債権として残つたのでございます。この回収については、やはり国といたしましても、個人債権でありますが、国の債権回収という意味から、やはり回収をさせる義務もございますので、いろいろと方法を考えておったわけでありますが、御承知のように、なかなか韓国から輸入する適当な物資がない。それで一度のり回収をしようということになって、昭和二十八年八月に東和商事韓国のりの、債権回収のための無為替輸入許可を受けたわけでございます。そしてのりその他銅くずなどを合せて、昭和二十九年の末までに三万六千百ドルだけ回収されたわけでございますが、なお二万八千五百ドル残って今日に至った次第でございます。その間において東和商事からもできるだけ早く債権回収さしてもらいたいという申し出通産省にあったわけであります。しかし、そのころからそろそろ韓国のり輸入問題が非常に複雑な問題になって参りましたので、私どもとしては、この許可については非常に慎重な態度をとっておった次第であります。しかし昨年の暮、このうちの一部について回収を認めようということになりまして、もし東和商事が他の外貨割当を受けた商社からこののり輸入権を譲り受け得ろほらば、その範囲内において認めようということで、その金額は一万三千七百八十四ドルだけを認めた次第であります。ところがここで問題になりますのは、今の通関の問題、この通関を許すかという問題でありますが、私どもとしては、できる限り通関だけでとめておきたいというふうにも考えましたけれども、一方東和商事の申し分を聞いてみますと、やはり東和商事相手方韓国債務者地位が非常に不安定である。それから韓国側事情がいつ変るかわからないので、できる限りこれを少くとも国内貨物にしておきたいという申し出があったわけであります。私ども生産期には輸入をさせない、あるいは通関を差し止めるという意味は、結局市販をさせないで国内価格影響を及ぼさないということが主でございますので、通関でとめるかあるいは通関さしても倉荷証券を取って、要するに市販をさせないというところでしばり得ればいいのじゃないかというように考えまして、たまたま東和商事申し出ももっともな点もありましたので、これを許可した次第でございます。私どもは当時国内生産業者にも一応通関をしないという約束をしましたけれども、しかしその後強制的な通関差しとめが非常に韓国側の外交的な抗議に会いまして、その際私どもは、それではいろいろな関係があるならば一応通関をさしてもいい、もし国内価格の折り合いさえつけばよろしいということで許可をしようとしたのでありますが、何分にも四月以降に売られる値ぎめができないから、この際通関はできないということで、この方の分は通関だけはとまったわけでありますが、東和商事の分は無為替輸入なものでありますので、値ぎめの問題があるが通関はできる。それで通関させまして倉に入れさして、倉荷証券をわれわれの方の役所で扱うという形で許した次第でございます。私どもの方としましては、通関線は越えるけれども市中には売りさばかないという念書を取って処置をした次第でございます。
  13. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 この通関は何回ぐらいにわたってなされておりますか。
  14. 板垣修

    板垣政府委員 東和商事外貨を譲り受けた相手方薩摩木材の分と白子商店の分でありますが、これを三回に分れて輸入をされました。第一回分は三十年十二月十六日、第二回分が二月二十七日と二十八日、それから第三回分が三月の九日でございます。
  15. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 東和商事自体のものは通関いたしておりませんか。譲り受けたものだけが通関されておりますか。
  16. 板垣修

    板垣政府委員 東和商事の分は通関はされておりません。
  17. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 東和商事のものもやはり無為替輸入になっているのでありますか。
  18. 板垣修

    板垣政府委員 東和商事の分も無為替輸入になっておりますが、これは通関は先ほど申し上げましたように通商局長の指示があるまでは通関させないということで許したわけであります。
  19. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 東和商事の分も無為替輸入許可が出ている。なお白子商店及び薩摩木材の分も東和商事に振りかえて無為替許可が出ている。しかも債権確保の面につきましては同じ条件下にあるわけなのでありますが、この二つだけを特に通関をしなければならなかった事情というものがはっきりしないのでありますが、通商当局ではどういう工合にお考えになっておりますか。
  20. 板垣修

    板垣政府委員 東和商事自体の分は向うで荷物の準備ができなかったために、前の薩摩及び白子商店分だけがそういう措置がとられた次第であります。
  21. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 そういたしますと東和商事の分は現実にはこちらへまだ入って来てないということになりますか。
  22. 板垣修

    板垣政府委員 まだ積み出しもしていないそうでございます。
  23. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 次にお伺いをいたしたいのは、通関をして民間倉庫倉移しをして、倉荷証券を発行しておると思いますが、通商当局ではこれが市販に流れないために、その倉荷証券銀行保管させ、これを十分管理するような御措置をおとりになっておりますか。その点をお伺いしたいのであります。
  24. 板垣修

    板垣政府委員 倉荷証券そのもの通商局で預かっております。
  25. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 そういたしますと、東和商事倉荷証券等によって金融を仰ぐとか、そういうようなことを目的として民間倉庫に移した、こういう事情ではない。ただ相手の商社が非常に不安な商社であるために、その債権確保するため、そういうためのみの措置として通関を許した、こういう事情でありますか。
  26. 板垣修

    板垣政府委員 それは前に申し上げました理由のほかに、やはり倉荷証券にしましてそれを金融に利用するという意図はあったわけでございますし、倉荷証券である以上はやはり転々流通することはやむを得ないと考えます。
  27. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 ただいまの局長の御答弁だと、その倉荷証券通商当局保管をなさっておるということになります。そうすると倉荷証券担保にして金融等は受けられないと思うのでありますが、その点はどうなっておりますか。
  28. 板垣修

    板垣政府委員 私ども預かっておりますのは、東和商事がすでに所有権を移しまして、金融を受けたあと倉荷証券であります。
  29. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 そうすると金融機関に持っていって倉荷証券担保にして金融を受けた、その銀行が預っておる倉荷証券通商局が何らかの事情銀行からお預かりになっておるということでありますか。それともこの倉荷証券第三者倉荷証券のまま売買をした。その現物にかわる、第三者が引き受けたその倉荷証券を、どういう形で通商局がお預かりになっておるのでありますか。その辺が経済取引としてどうもふに落ちないのです。
  30. 板垣修

    板垣政府委員 事情を調べました結果こういうことになっております。東和商事債権回収のため金融の必要もありましたので、荷物を倉に入れたあとその所有権だけは移しまして、その所有者には、これは市販はできないことになっておるということを申し渡しまして、その売った先と話し合いの上でその倉荷証券東和商事自身通商局に持って参って、私ども保管をしておるということになっております。
  31. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 私は、なぜこのようなことをお尋ねするかと申しますと、生産期に入った際には韓国のり国内市場に放出をしないというお約束を当委員会にもいたしておられましたし、また実際にのり業者にもいたされておるのでありますが、これを確実に履行して参りますためには、やはり政府の責任である保税倉庫管理することが一番ベターである、こう考えるわけであります。これを特例をもちまして、民間の倉に移すといたしますならば、これがいやしくも倉荷証券のままであっても、現物でなくとも転々第三者に移動していくということになれば、政府管理というものはだんだん徹底しなくなるおそれがあると考えるのでありますが、この点何人にそれが渡ろうとも、政府十分管理ができるというお見通しでありますか。またその倉荷証券を他の者に譲る場合には、一々通商局許可を得た上で第三者倉荷証券を譲渡しておるものであるかどうか、この点をお尋ねしたい。
  32. 板垣修

    板垣政府委員 御指摘通り今最も完璧にやるためには、通関をさせないでやるのが一番いいと思ったわけでありますが、この東和商事の場合は、先ほど申し上げました通り相手方債務者地位が非常に不安定で、できるだけ早く国内貨物にしておきたいという切なる要望もありましたので、私どもといたしましては、債権回収について国としても多少の便宜をはかる必要があると考えまして許可をした次第でございますが、しかしその際先ほど申し上げました通り倉荷証券をこちらに預けさせ、かつ売りさばかないような念書を入れさせて許可をした次第でございます。従って倉荷証券を持っておるわけでありますから、品物は税関線は越えますけれども、倉の中の貨物は移動はしないという考え方で許可をした次第でございます。
  33. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 私ども仄聞いたしますのに、倉荷証券がそういう形で管理されておりますから、現物市販に流れないのが常識でありますが、現実にはそれが関西方面におきまして相当流れておる。現在その倉の中に入っております物は、果して通関をしたそのもの現物であるのか、あるいは国内生産のものであるのか、あるいは全然のりでなくて新聞紙を切ったもの等であるのか、その辺のところが明確ではありませんが、相当韓国のり市販に流れておって、そのために国内のり価格に非常な悪影響を及ぼしておる、こういう事態が現にあるやに聞いておるでありますが、通商当局にはそういうようなお話を聞いておりませんか。
  34. 板垣修

    板垣政府委員 実は私はこの点につきましては、最近まで知らなかったわけでございますが、先般全のり生産業の方々が来られてそういう話もされましたので、私としましては至急調査をただいま開始をいたしております。まず大阪で調べたわけでありますが、この二月二十七、八日及び三月九日に入りました分はそのまま、現物のまま倉庫にあるということを確認いたしました。それからもう一つの分は広島にあるわけでありますが、これは先週広島通産局をして東和商事も立ち会いの上検査をいたした次第でございますが、その際非常な雨天でありましたので、大小一個ずつしか目張りの用意等もありませんでしたので、あけられませんでしたが、その分につきましては福岡へそののりを送りまして、専門家に鑑定してもらいましたところ、これは韓国のりであるという認定は受けております。しかしまだそれ以上のことは私どもわかりませんので、なお引き続き調査をいたしたいというふうに考えております。
  35. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 どうも正規に輸入承認されましたものはそのままにしておきまして、そういうような特殊な事情を訴えて通産当局の特別な計らいを受けながら、それを種にして他の密輸品等を扱って市販に流しておるというようなことがもしありといたしますならば、これは非常に重大な問題だと思うわけであります。私は通産当局業者特殊事情を御考慮になることは、百歩譲りまして了解いたしますとしても、そのあなたの特別な取り計らいに乗じまして、いろいろそこに暗い取引がなされる。そのためにちょっとしたことから内地のり養殖業者全体が非常な迷惑をこうむる。その損害は三億ないし五億円程度の価格上の打撃を受けておるというような事態が発生しておるのであります。この点につきましては、通産御当局は十分調査をする責任があると私は思います。またこういうようなことでは、今後三十一年度以降韓国のり輸入ということ自体を厳重に禁止するということを、私ども政府に要望せざるを得ないわけであります。要は国内生産者とこれら韓国のりを扱います業者との間に十分協力態勢——需給調整の面でも、あらゆる面で協力関係がなされておって、了解ずくで国内のり業者が納得する形において秩序あろ輸入と販売がなされておる際はいいのでありますけれども、その間に今指摘いたしましたような事情が起り、通産当局が乗ぜられる原因を作っておるということでありますと、これは非常に問題だと私は思うわけであります。この点十分御調査の上で当委員会にその結果を御報告いただきたい。ごのことを御要望申し上げておくわけであります。  それから塩見長官にお尋ねいたしたいのでありますが、のりの増産の問題につきましては、昭和三十一年度の予算の編成に当りまして、与党におきましても、浅海増殖費を増額いたしまして、あるいは耕耘機械の購入の問題でありますとか、いろいろこれを援助することを考えて参ったわけでありますが、一体昭和三十年度以降ののりの増産の見通しと関連いたしまして、なおそれでも韓国のり輸入した方がいい、輸入しなければ、消費の面からいって不足を告げるというお見通しでありますか。国内生産韓国のり輸入関係を、水産庁はいかに考えておりますか、その点お尋ねしたいと思います。
  36. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 現在のところ三十一年度の需給に関しましては、生産関係からはっきりとした数字的な見通しがまだついておりませんので、できるだけ早くつけて調整をはかりたいと思います。
  37. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 韓国との間のオープン・アカウントの帳じりの関係その他そういう要素を考えました場合は別でありますけれどものり製品の需給の問題としてこれを取り上げました場合には、政府が引き続きのりの増産の面につきまして技術的にもその他の指導の面でも力を入れて参りますれば、私は韓国のり輸入なくしても十分国内の需要にこたえ得るものである。そういう面に外貨を使うよりももっとこの増産の面に水産当局は力を入れていただきたい。そうして通産当局為替の面あるいは通関の面あるいは需給調整協議会等を通じまして行政指導国内のりと競合関係、摩擦を防止しようと苦労されておるが、なかなかむずかしい。こういうようなわずらわしいことをせぬで、すっきりした形でのり価格の維持、生産者の擁護というものがなされるのではないかと考えるわけでありますが、今後こののりの増産と指導の面につきましてどういう工合にお考えになっておりますか。塩見長官にお伺いしたいと思います。
  38. 塩見友之助

    ○塩見政府委員 御存じの通りに、最近幼苗の人工的な養殖が可能になってきましたし、一部の技術者としましては、実行方法等についてなお研究の余地はあると申しておりますが、見込みとしてはかなりいいものがあるだろうと考えます。特に沿岸の漁村においても、そういうふうな割合に商品としては高価な、有利な産業としてのりの養殖は考えられる、この幼苗の採取というふうなものが実行的に相当うまくいくようになりますれば、相当な程度適地としてはございますので、何年間ということはまだ申し上げられませんが、うまくすると沿岸漁民によって需給の方を調整していけるし、またまかなうことができるようになるのじゃないかと考えております。
  39. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 国内のり養殖事業は、沿岸漁業の振興対策としても非常に有望であり、効果的である。そういうような面からいたしましても、また需要の面からいたしましても、長官のお述べになりましたように、これは重要な、政府ほんとうに力を入れて指導すべき養殖業である、こういう工合に考えますので、今後ともその面に一そうの努力を払っていただきたいと思うのであります。  最後に通商局長にお尋ねいたしたい点は、今一部の物をそういう工合通関させたためにいろいろな問題が起っております。生産者に対しましても非常に迷惑がかかり、これをめぐって生産者側では商社の不信行為なり、あるいはそれに関連いたしまして通商当局のやり方なりに対して非常に懐疑的であり、不信の念を持っておるのは事実でございます。そこでこの事態が明瞭になりますまで、残余のものにつきまして通関の差しとめというような措置をとる御意思がありますかどうか、この点お伺いいたしたいと思います。
  40. 板垣修

    板垣政府委員 ただいま御指摘通り東和商事のことにつきましては調査中で、実態はまだ把握していないのであります。これがどの程度生産業者に迷惑をかけたかどうかまだ判明いたしませんが、いずれにいたしましても債権回収のためにとりました私ども措置が、生産業者に対して非常に不信の念を与えていることが事実といたしますならばまことに遺憾に存じます。しかしながらこの問題は、一応通産省関係の行政措置の問題でございますので、私どもの一応の希望といたしましては、これは一応別個に取り扱っていただきまして、それ以外の昨年非常に無理をしてとめて、非常に迷惑をこうねっております一般の通関差しとめの分につきましては、少くともこの問題に関する限りは、できるだけ早く解除の方向にいくよう当委員会においても御協協力願えれば幸甚であるというふうに、私個人としては考えております。
  41. 鈴木善幸

    鈴木(善)小委員 あとのものを通関をして市販に出してしまいますと、現在の通産局長の御方針とは相反して、もし民間倉庫倉移しされたものが不当に市場に流れるといたしますならば、あとのものが通関され市場に出て参りますと、もうそれが一緒くたになるわけでありまして、調査も何もできないような事情になるのではないかと思うわけであります。事実それが民間に放出されて、そのために国内生産業者が迷惑をしておる。これは九州、関西方面のり業者が非常な打撃を受けておるわけであります。そういう面を早急に御調査されまして、これは通産当局調査の進め方、その促進方にかかっておるわけでありますから、私はこの事態を明確にしてから通関をした方がいいんじゃないか、こう考えるわけであります。その点もう一度お聞きしておきます。
  42. 板垣修

    板垣政府委員 御趣旨ごもっともと存じますので、私ども調査をできるだけ早く進めまして、この辺のけじめがつきますればそういう手続をとるようにいたしたい、またこの調査と並行して、今御指摘のような問題がないような方法で改良できる方法を考えつけば、御協議申し上げて措置したいと考えております。
  43. 田口長治郎

    ○田口小委員長 赤路友藏君。
  44. 赤路友藏

    赤路委員 ただいままで鈴木委員から詳細にこの問題について御質問があったのでありまして、通商局長から御答弁がせられておるわけでありますが、私はなおぶに落ちない面がありますので、そのことについてお尋ねしたいと思います。  昨年の十一月二日付で通産省通商局長名で大蔵省の主税局長あてに、韓国のり輸入割当についてという文書を出しておられる。その文を見てみますと、その中には本日以降生産期の終了までその通関停止していただきたいという結論に達したので、即時関係税関長あて御指示願いたく、特段の御配慮をわずらわしたい、こういうような通牒を大蔵省の主税局長に出しておる。ところがこうした通牒を出しておきながら、一カ月もたたないのに、ただいまの説明によりますと、十二月の何日かに東和商事に対して輸入許可をした。これは通関を認めておる。その理由としては、東和商事の方が小麦粉その他の債権が向うにあった、その債権の取り立てのためにということのように私は聞いたのでありますが、そういうことは私は理由にならぬと思います。通牒では、すでに生産期に入ったので、関係各省と協議した結果、こういうことをちゃんとうたわれて、そのことのためにこそ通関停止がなされておる。およそこの債権の取り立てということは別個に考えられてしかるべきだ、こういうような公文通牒を大蔵省の主税局長に、各省と相談して出しておきながら、そうして東和商事債権があるからというので、それの取り立てをこの際やらせたらよいというので、通関させたのはあまりにもやり方としては軽卒だと思う。そういう通牒を出したということは事実でありましょう、こうして印刷されておりますから……。東和商事輸入許可をしたときはどこと御相談になったか、この点をお聞きしておきたい。
  45. 板垣修

    板垣政府委員 債権回改に関する無為替輸入許可通商局の専管事項でありますので、相談はいたしておりません。
  46. 赤路友藏

    赤路委員 今の御答弁ではどことも相談しておられない。これは何と申しますか、通産省の職務範囲になる、だから自由にやったのだということになると思う。通牒では関係各省と協議の結果になっておる。のり輸入するということは生産期に入ったのであるから、これは通関を許さないようにしてくれということで関係各省と相談しておるのでしょう。それから一カ月もたたぬうちに、関係各省に何の相談もなしに、通産省で勝手にやってしかるべきものだというのでやったならば、この通牒は一体何ですか。
  47. 板垣修

    板垣政府委員 相談せずにやったというのは無為替輸入許可そのものでありまして、私ども許可いたしました前提は、先ほど鈴木先生にお答えいたしましたように、市販に流れないという保証措置をとりまして、大体これと同じ目的を達し得るということで許可いたした次第であります。
  48. 赤路友藏

    赤路委員 その点はその程度にしておきましょう。それではこの通関許可に対して主管大臣の決裁をとっておりますか。
  49. 板垣修

    板垣政府委員 これは局長の専決事項になっておりますので、私のところまでで許可をしております。
  50. 赤路友藏

    赤路委員 どうも農林委員会の競馬馬等についても、通産省はなかなか下の方で自由におやりになる、これは重大なる問題です。よく将来は考えていただかなければならぬと思います。  それではもう一点お尋ねいたしますが、本年一月十三日付で、韓国から十二月過関しているものの中に盗難品が約二万東あるという抗議を受けたことを知っておられますか。
  51. 板垣修

    板垣政府委員 存じません。
  52. 赤路友藏

    赤路委員 もう一ぺん言いましょう。一月十三日付韓国から十二月に日本通関しておるのりの中に盗難品が二万束、数字は一万九千何ぼですが、約二万束あるという抗議がきているのです。
  53. 板垣修

    板垣政府委員 ちょうど私海外に出張しておりました時代でございますので存じません。しかし今書類を調べましたら、抗議は来ておりますが、私は存じませんでした。
  54. 赤路友藏

    赤路委員 これは私は問題だと思うのです。私が先ほど軽率だと言ったことは、無為替でもって東和商事にこれの通関を許した。これが十二月なんです。韓国政府から一月の十三日付で盗難品が約二万東十二月に通関されているという抗議が来ている。そうなってくるとこれはそういう意図ではなかったと思うが、通商局がこれを許可したという処置が、結果的には密輸入を幇助したということになる、そうでしょう。これはたまたま起ったことか知れませんよ。たまたま起ったことか知れませんが、十二月に通関さしている。これに乗ってこういうような盗難品が入ってきたんだ。これは密輸入です。そうすると、結果的にはあなたの方が幇助したということになるんだな。どうなんです。
  55. 板垣修

    板垣政府委員 まだ実は抗議の内容はわかりませんが、しかしこの韓国における盗難品と東和商事の入れたものと同じであるかどうかはわからないと存じます。
  56. 赤路友藏

    赤路委員 その通りなんです。それはわかりません。私は東和商事の入れたものが盗難品だとは言っているわけじゃない。たまたま韓国から十二月過関したものの中に盗難品がある、こういってきておるが、これはほんとうかどうかわからぬ。韓国のいっていることはわからないが、おそらくこうしたものがあり得るだろうということは想像できるわけです。この前鈴木君も言っておられましたが、昨年韓国のりの問題については、委員会でいろいろと論議をした。これは昨年六月四日の議事録にもありますが、そのとき私は通産省が非常にお困りになっておるだろう、毎年々々韓国のり外貨割当の問題で問題を起して、何とか考えなければいけない、この状態でいくと、また来年もこういうような問題を起すだろう、こういうことを私は言っておいたら、板垣さん、あなたは仰せの通りだと言った。あなたのそのときの答弁はこう言っておられるのですよ。「仰せの通り韓国のりの問題につきましては、私が昨年就任して以来からでも局長、次長さらには大臣、次官まで時間の大部分をとられるということで全く困惑をした次第でございます。」 こう言っておる。その通りなんです。それだけに私はこの問題については慎重に扱っていただかなければいけない。軽率なことをやると、必ずこれは問題が起ると思う。これを心配するから私はこのことを昨年もくれぐれも申し上げたはずなんです。ところが申し上げたような結果が出たということは、こういうような状態になって問題になるということは、何といっても私は通産省が軽率であった。といわざるを得ないと思うのです。たとえば韓国がいっておる盗難品というものが、かりに韓国の何か間違いであるとしても、これは私は問題だと思う。昨年も私は密輸入品が相当入っておることを指摘した。おそらくこういうことは私はうそでなしに事実だと思う。そうすると結果からいうと、あなたの方でちゃんとした通牒を出しておきながら、一カ月もたたないで、ただ一商社債権を取り立てるために通関せしめたということが軽率な行為にこれが便乗したということになる、こういわれてもしかたがない。あなたは軽率でなかったと思いますか。
  57. 板垣修

    板垣政府委員 結果的に軽率であったかどうかは御判定におまかせせざるを得ないと思いますが、しかしこの問題につきましては、私どもも軽率な行為のないよう、ほんとうに念には念を入れて、一カ月以上も議論をし、その結果債権回収という要望があるのに、これを一々全部拒否することもできませんので、従ってその補償の措置をいろいろと考究いたしました結果、この結論になった次第でございます。その結果御指摘のよう点が、もし事実であったといたしますれば、軽率であったというそしりは免れないかもしれません。
  58. 赤路友藏

    赤路委員 率直に言ってもらった方が私はいいと思う。一カ月もの長い間にわたって検討された、こういうふうにおっしゃっておられる。東和商事債権というものは、今鈴木君の質問に対してあなたがおっしゃっておる通り、これは昭和二十八年以来の問題なんです。古い問題です。今に起った問題でない。そのつどそのつど韓国のり輸入の場合に、東和商事の方はこれをやっておるのですね。現在もうすでにあと残りもなんぼかになっておるのですね。最初のものよりずっと減ってきておる。あなたの方の昨年度の韓国のり割当を見てごらんなさい。各社は全部要求額よりも半分くらいです。あるいはもっとそれより少いはずです。東和商事だけ要求通り一〇〇%いっておるのは、あんたの方でそれを特別に見ておるのでしょうね。見てごらんなさい、昨年の外貨割当を……。
  59. 板垣修

    板垣政府委員 今の最後の割当の点は、私の承知しておるところでは、やはり東和商事は過去朝鮮のりにつきましては相当実績がございますので、昨年はむしろ切られておるのじゃないかと思います。ただ絶対数におきましてはよそより多いということはあると思います。
  60. 赤路友藏

    赤路委員 東和商事の実績のあることはわかる。昭和二十七年度はほとんど東和商事に割り当ててやっておるはずです。私はそれを言っておるのではない。実績があるのだからよけい割り当ててもいい。しかしながら昨三十年度の割当を見た場合、各社が全部何分の一しかもらっていないのに、東和商事が一〇〇%もらったということはそれだけ東和商事に要するに向うに対する債権があるという特殊な考慮の上に払われたものであると私は思う。それほどまでに東和商事に対しては過去の実績とそういう特殊な条件を勘案してやっておられるのです。これがきょうこのごろ起った問題なら別ですよ。長年にわたってやっているんだから、これは年々また漸減しておることも事実なんです。何もまだ生産期の終っていない、生産中の、ちゃんと各省の協議の上にあるものを、こわしてまでやる必要はなかろうと私は思う。これはただいまあなたのおっしゃられるように、軽率であるかないかということは観点の相違でしょう。これ以上なんぼ言ってみたところでらちがあかない。だからこれ以上私は申し上げません。申し上げませんが、それらの点を十分一つお考えを願いたい。私はこの問題はもう何年も扱ってきましたが、通産省の苦労はよくわかる。だからこそこの前も何とか韓国のり輸入については、新しい方途を考えなければいけないということを言っておる。なぜこんなに韓国のりにたくさんわっさわっさ寄ってくるか、わずかなものです。外貨といっても八十万ドル、ところが今度東和商事が入れた価格は一体なんぼか、私の聞く範囲では、二十五セントで入っておる。一帖九円です。これを二十五円で売ったらどうか、八百万円という利潤が五百万枚で出る。こういうような大きな利潤が出るから、これに寄ってくる。それだけに私は、あなたがこの前おっしゃっておるように、あなただけじゃない、次長も係の人たちも、次官、大臣まで、わずか八十万ドルや百万ドルの外貨割当に非常な苦労をしておられる。だから根本的にこれらの問題は考えていかなければならない。私はあなたを責めているんじゃない。いつもいつもこういうようなものを繰り返されたんじゃたまらぬ。それらの点を十分一つ御考慮おきを願いたいと思う。  それからもう一点お聞きいたしておきたいことは、今鈴木君から質問がございましたが、今後の問題です。今通産局長もおっしゃったように、昨年のものの外貨割当をして、まだ輸入をしていない残った商社がありますね。これに対しては何か処置をしなければならぬ。ところが聞くところによると、韓国側から、中共との関係商社に対しては取扱いをやらさない、こういうような強い要望と申しますか、申し入れと申しますか、こういうことがあるということを聞いておる。それはその通りですか。
  61. 板垣修

    板垣政府委員 その通りども了解しております。
  62. 赤路友藏

    赤路委員 そこで問題になるのは、韓国韓国として言い分があるのでしょう。しかしながら、こちらの方としてやはり考えなければならぬことは、少くとも自主的にやっていくという考え方、これを堅持していかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えております。これらの問題はこれからの問題ですから、またよく通産省の方でお考え願って、また私たちの方もこれに対する最善の方法を考えて、話し合いをしながら間違いのない措置をとっていきたい、こういうふうに思いますから、十分一つこれに対しても御検討おきを願いたい、こういうふうに希望申し上げております。  それから最後に、私いやなことを申し上げるようでございますが、先ほど鈴木君から詳細にわたって需給調整協議会加入の問題を言われておりました。十分御努力願うという御返事を得ておりますが、私はこれは鈴木君と同じ考え方なんですよ。輸入商社の連中はあまりにも虫がよ過ぎる。これは考え方の相違でしょう。生産者だって虫がいいじゃないかという論もあるかもしれない。しかし三十年度のものは、何といっても生産者負担で七十一万という金を出している。これは事実です。生産者にそれだけ負担をかけておいて、現にそれでは三千七百万枚ですか、輸入した。すでに昨年度輸入したものは売ってしまってないはずなんですね。輸入の済んであとに残ったものじゃなしに、一億万の上の三千七百万枚は売ってある。この連中はもうすでに商売が済んでいるはずです。あとに残された諸君が、おれはまだ現品もとっていない、商売もしないんだから分担金だといったってそんなものは出せるものか。それだけじゃない、保税倉庫に入れられちゃって困っているんだといって、保税倉庫に入っているいろいろな経費は、生産者が七十一万円負担する。この売った商社の連中は利潤を得ているはずです。ところがこの連中は一銭も出していない。調べてみると、第一番に出していないのは東和商事、それから住友商事、東邦貿易、橋本産業KK、大同実業、エルモンド商事、これらは全然出していない。出しているのは美津和産業だけです。だから、こんなものは必要はないからぶっつぶしちゃおうというのなら別です。しかしながら、鈴木君も言ったようにこの問題については昨年の委員会でも再三再四話し合ったことは御承知通りであります。われわれは何も特別にこの協議会というものをどうというのじゃない。少くともこの生産者側の生産の方式なりその他をもっと合理化して、コストを下げていく、そういうような方向へ持っていくために協力してもらいたい。そうしてお互いに、商社生産者も立つように、あるいは消費者も少しでも安いものが入手できるように、お互いが寄って協力しようじゃないかというのでできておる。そうして協力しましょうということでこれが成り立っておるものを、この連中のやり方というものはあまりにも虫がよ過ぎる、こういうふうに私は考えるわけです。そこで、鈴木君がおっしゃったように、この面については十分指導いたしますという約束であったにもかかわらず、今日こういうものが輸入されてすでに何ぼになりますか。放擲されておるというのでは、通産省でも真剣になって指導されていないんじゃないか、こう考えざるを得ない。この問題は非常に複雑な、またともすると暗い陰があるかのごとくに巷間流布される問題でありますから、どうか十分一つ慎重に今後はおやり願いたい、このことを御希望申し上げておきます。御答弁は求めません。以上で私の質問は終ります。
  63. 田口長治郎

    ○田口小委員長 日野吉夫君。
  64. 日野吉夫

    ○日野小委員 それでは、時間がないので簡単に伺っていきたいと思います。東和商事割当をした経緯については、もっと詳しく聞いてみなければ、どうも納得できないような気がするのです。市販さえしなければ国内影響がないから許した、こういう御答弁をさっきからしておられるのですが、一カ月もかかっていろいろ協議をしたというのですから、いろいろの起るべき事態等の予想などもされただろうと思うのです。これを許す場合に、今のように、どこから出たかわからないが、市場韓国のりが出て、そうして市価を圧迫しておるというようなことは、これは当然予想されなければならぬことであったと思うのです。通産省の秀才ぞろいが一カ月も首をそろえて協議したら、これくらいのことがわからぬという話はないんじゃないかと思うので、このことはよく聞いてみたいと思うのです。今本委員会でいろいろ調査をいたしています競馬の外貨割当等でも、どうも逃げ口上でしかないものがあるように考えられるし、きょうの本会議で佐竹君がバナナのあれをやっておりますが、これ等にもずいぶんいろいろの問題が残っておるのであって、どうも故意なのか過失なのか、これが出れば——あなた方今調査中で、やがて報告がくるということで、これらの報告も聞いてよく調査してみなければならぬのですが、もうすでに市場に出て——あなた方は市販をしないという証書を取って、保税倉庫保管しているから大丈夫だと言っておられるのだけれども、商品はそういうことじゃなかなか簡単に考えられないので、当然こういうことが伴うわけです。そうすると、またこれによって損害をこうむるものは生産者である。直接この商品を扱う業者等も損害をこうむるのであって、証書を取っておるから大丈夫だということが、それによって起る生産者業者等の損害は、一体どこでその責任を負うのですか。こういう重大なことを、しかもどことも相談しない、通産省の専決事項だということでやっているというのでありますが、これは調整委員会なりあるいは関係省等で何か相談でもしたのですか。全然無相談でも調整委員会で決定した事項はあなた方よく承知しておるはずです。それにもかかわらずこれを許可するのには、相当の理由と、絶対にそういう心配のない確信がなければできなかったはずなのに、市販しなければ影響がないという一点で許して、事態は今あなた方わかっていて調査しなければならぬような事態を引き起している、こういうことになっているのです。これらについて、通商局長から当時の経過、こういうことを予想したかしないか、そしてこの起った事態に対して、通産省はどの程度の責任を負うつもりかを伺っておきたい。
  65. 板垣修

    板垣政府委員 先ほど鈴木委員にもお答え申し上げました通り、一番安全なのは、通関の前でとめるのが一番いいわけでありますが、先ほど申し上げましたような理由で、やむを得ず一応国内確保にするということで許可したわけであります。それには、われわれとして考え得る万全の措置をとったつもりでやったのでございます。絶対確信があったかどうかというところまではわかりませんが、ともかくこういう事態になることは予想せずに許可をした次第でございます。
  66. 日野吉夫

    ○日野小委員 過失であっても責任はのがれられないのでありまして、これらのことについてば、あとで十分調査してみたいと思うのです。調査報告を待ってさらにやりたいと思うのですが、委員長にお願いをしたいのです。この調査が済むまで、鈴木委員にも答弁があったのですが、外貨割当、それらの一切のものを停止しておいて、外貨割当関係、これらによって起った損害、こうしたものの調査を十分した上で適切な処置を講ずるように本委員会はお取り計らい願いたいということをお願いして、実は出かけなければならぬ用があるので、これで終ります。
  67. 田口長治郎

    ○田口小委員長 淡谷悠蔵君。
  68. 淡谷悠藏

    ○淡谷小委員 二、三お尋ねしたいと思いますが、先ほどの鈴木委員並びに赤路委員に対する御答弁の中で、東和商事所有権を売って、市販はできないという条件のもとに何か金を受け取っておるように聞きましたが、一体この売り先は金融機関でございますか、それとも別な業者でございますかその売り先をはっきりお知らせ願いたい。
  69. 板垣修

    板垣政府委員 私ども東和商事より聴取いたしたところによりますと、北畑商店というのり屋だそうでございます。
  70. 淡谷悠藏

    ○淡谷小委員 一体どれくらいの額でございますか、価格の点はお聞きになりませんか。
  71. 板垣修

    板垣政府委員 その点はまだ私ども聴取いたしておりません。
  72. 淡谷悠藏

    ○淡谷小委員 現在こののり現物民間倉庫に移されておるように聞いております。金額は幾らになるか知りませんが、のり屋がのりを押えている。そうすると、あなた方が市販に流れないために押えた目的と、買った者が現物を押えておる目的とが違っておる。買った者は、出した金に対する現物さえ持っておれば、去年のものであろうがことしのものであろうが、一向かまわない。これが一般の商事会社あるいはまた金融機関のやり方でございますが、預かった品物の全体の額さえ違いがなければ、どんなものでもよろしい、絶えず買いかえて、次々と出しても一向にかまわない、そういうふうにお感じになりませんか。そうすると、金融機関なりあるいは北畑商店というのり屋さんなりが押えております目的と、あなた方がこれを押えておった目的とが全然違ったものになっておるのですが、こういう点は常識としてお考えになっていなかったのですか。
  73. 板垣修

    板垣政府委員 私どもしろうとでございまして、許可をする際その点まで思いが至らなかった次第でございます。ただ倉荷証券をただいまわれわれが押えておりますので、それ以後におきましては出したり入れたりするということはできないと思います。
  74. 淡谷悠藏

    ○淡谷小委員 これは官吏としては非常に正直なお考えでございますが、倉荷証券にはどういう品目を書いておられるのですか。これは馬のこととも関連があったようですが、倉荷証券に記載されておる品名は何でございますか。
  75. 板垣修

    板垣政府委員 これも実は最近知ったのでございますが、馬と同じようにのりと書いてあります。
  76. 淡谷悠藏

    ○淡谷小委員 これはのりは足がありませんけれども、やはり商店にしてみれば、いつまでもこののりを押えておったところで払った金の回収はできるものじゃないのです。東和商事回収ができたでしょう。東和商事に金を出した北畑商店というところも、おそらくは資金の融通なしに営業しておるとは思われません。そうしますと、金を出して商品にしておきますればひとりでに金利がついてくるのです、置けば置くほど金利がついてくる、これは常識です。その場合に、いつあなたの方でお調べになっても、のりさえあれば、韓国のりであろうが、日本のりであろうが、一向かまわない。あなた方が倉荷証券を押えておる間に、黙って現物のりがどんどん売られてかわっていくのは常識であります。私は、調べるなんといっておりますけれども、一々韓国のりについて、何年産というようなことは専門家にわかりましょうけれども、そんなに微細な点までお調べにならないと思う。これは一日も早くはっきりした処置をとらなければ、押えておる倉荷証券が、ただ倉荷証券であって、現物の実際あります数量だけ残って、どんどん新しいのりにかわってしまう、かわっていっておる間にこれが市販されて、あなた方の当初の目的は全然だめになる。こういう事態が考えられるのですが、あなたはこれに対する対策をお考えになっておりますか。
  77. 板垣修

    板垣政府委員 私も専門家でありませんから、存じませんが、しかし所有者とその預かっておる民間倉庫とは別でありますので、勝手に倉荷証券なしに中に入ることはできないと私どもは考えております。それといづれにしましても、御指摘のような点は多少あるじゃないかと思います。従ってそののりにつきましても、韓国のりであるかどうかということを専門家に鑑定してもらっております。それからお話のように、何年産かどうかという専門のことになりますと、私ども自信がないわけであります。
  78. 淡谷悠藏

    ○淡谷小委員 おわかりにならなければはっ透り警告しておきますが、商事会社の倉庫やあるいは所有主と違った倉庫であっても、中の品物さえ損傷がなければどんどんかえていって、倉荷証券で調べらた場合には、いつでも現物があるということで、売っておるのは当りまえです。商人は流通利潤なんです。一定ののりの量をはっきりして押えておきましても、これがしょっちゅう回っておると、回っておる間には利益になるのです。こういうふうなことは、おそらく所有主と預かっておる倉庫主とが違っておるのだからよかろうなんということを考えておったら、とんでもない甘い考えでありますから、油断なくあなたの責任において監査する必要があると思う。特にあなた方の目的が全くじゅうりんされて、通産省をばかにして、その裏では倉荷証券などは問題にせずに、これは品物が流れることがはっきりしておりますから、各地ののり商が騒いできておるのであります。これは現実の問題として現われておりますから、そんな甘い考えはお捨てになって、十分あなたの責任を感じて監査された方がよろしいと思います。あなたがおわかりにならないというのですから、そういうことはございますということを申し上げて、きびしく警告を申し上げてお誉ます。
  79. 田口長治郎

    ○田口小委員長 原捨思君。
  80. 原捨思

    ○原(捨)小委員 通産局長一つお尋ねしておきたい。三十一年度ののり輸入量については日韓会談を控えているので、目下検討中だ、かような御説明であったと思います。長い間中断されておりました日韓会談が開かれるのでありますから、さような御検討があることは、まことに当然なことと思いますが、その検討はそういう意味において関係各省と検討されているのか。それとも通産省だけで検討されているのか、その点をお聞きいたします。
  81. 板垣修

    板垣政府委員 新しいのりの数量あるいは入れるか、入れぬかという問題につきましては、私どもとしてはまだ通産省として検討しているわけではなくて、おそらく外務省で今やっております日韓会談が進むにつれて、韓国側からのりを入れてもらいたいという要請があるだろう、こういう意味でございます。
  82. 原捨思

    ○原(捨)小委員 そこでなおお尋ねしたいのでありますが、元来韓国のり輸入につきましては、関係業者からいろいろ苦しい要望もあったわけであります。なお最後的には韓国のり輸入を全面的に禁止すべしという相当強い世論もあったと思います。ところが、これまでの輸入については、おおむね通産省が、いわゆる通産政策の面からだけこれが取り扱われてきたというふうに、私ども了承いたしております。しかしながら、今回の日韓会談は、おそらく成功するものであろう、また成功しなければならぬ、こう念願しておりますが、そういうことになりますと、今日の輸入量が将来にわたって大きな問題になってくると思います。さっきから水産庁長官も、日本のり生産は今後増産になると言っておられましたが、また沿岸漁業の育成という面からいっても、のりは優秀な沿岸漁業でありますから、当然これは生産が増大されてこなければならぬ。またわれわれはそう確信いたしております。そこで今後の韓国のり輸入をこれまでの考え方通り、百万ドル入れるというような考え方は、この際根本的に検討されなければならぬと考えておりますが、通商当局として一体どういうふうにその辺のところをお考えになっているか、率直に御答弁願いたいと思います。
  83. 板垣修

    板垣政府委員 御質問の趣旨、はっきりわからない点もございますが、今後ののり輸入の問題につきましては、私どもも経験いたしましたし、農林水産委員会からもしばしば御意見を承わって、わかったわけでありますが、要するに国内生産との関係をいかに調節するかと問題であり、これを調節しながら、ある一定の数量を入れるということにきまりましても、その入れ方が今までのようないろいろな条件、今までのような輸入態勢でいいかどうかという問題もありましょうし、今までの輸入態勢で入れる場合に、私どもはあらゆる努力をいたしますけれども需給調整協議会に強制力をもって全員加入することができるかどうか、そういう点はいろいろむずかしい問題もございますので、この点につきましては、今後日韓交渉の関係で果して入れることになるかならないか。また日本側としては、国内生産者の関係で入れるか入れないか私どもはわかりませんが、かりに入れるにしましても、その数量なり入れ方というものは、もう一ぺん考え直さないと、私ども自信をもってこれ以上行政に当れないのではないかというように考えている実情であります。
  84. 原捨思

    ○原(捨)小委員 私どもは三十一年度においては、従来通り輸入量を許すべきでない、結論的にはこう考えている次第であります。もっとも外務省あたりで、日韓が仲よくしていくためには相当のりを入れなければならぬというような考え方がもしあるとすると、それは非常に危険な考え方である。またせっかく日韓会談が開かれているのに、この数量を減らすことは非常に会談をまずくするのじゃないかというような考え方も一部にあるかもしれません。しかしこれも大きな間違いである。やはり国民外交を推進する以上は、国民の世論というものが裏づけにならなければ、決して外交の効果は上らぬと考えますので、この際韓国のり輸入を減ずるとか禁止するということは一つも差しつかえないと考える。また日本生産者の立場を擁護するために、できるだけこれを輸入しないことにしなければならぬ。もし会談の結果ある程度どうしてもやむを得ないという場合においても、加工品とせずしてむしろ原料として輸入して、国内生産者を擁護すべきだと私は考える。どうも韓国のり輸入につきましては、国内生産者の立場があまりに無視されているという恨みがあったのははなはだ遺憾であります。この際従来通り輸入をいたしましたならば、もし日韓会談が円満に解決したあかつきにこれを減らすということが絶対必要である、私はこう考える。ですから通産当局としても、この辺のところをよほど考慮して決定されるべきでないか、これを要望いたします。
  85. 田口長治郎

    ○田口小委員長 なおこの問題に関しまして、委員長からも板垣通商局長に申し入れをしておきます。  過般通関されましたのりのために、西日本一帯ののり生産者価格の点において非常に恐慌を来たしている。こういうことは強く私らに陳情もあるし、また事実においてのり価格の低下がはなはだしいようでございます。この問題は従来から農林水産委員会とのいきさつもありますし、かくのごときことが将来繰り返されてははなはだ困ると思うのでございまして、将来にかくのごときことがないように、この際徹底的に調査する必要がある。しかるにただいままでの通産当局の御答弁によりますと、まだ調査が徹底していないようでございます。この会談におきまして新たに通関されるのりができるということは、実態を混乱さしてしまって、調査ができないという結果に陥る危険がありますから、本調査が徹底的にできるまで新たな通関は差しひかえていただくように強く要望をしておきます。さらに通産当局でなるべく早く通関さしたいという御希望もよくわかるのでございますから、当小委員会は毎週金曜日に開催することになっておりますが、金曜日を待たないで、調査ができましたら、繰り上げて小委員会を開いてもよろしゅうございますから、この点も一つあわせて申し添えておきます。  それでは朝鮮のりに対する調査はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十一分散会