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足鹿委員 たしか食管会計の中に計上してあります学校給食は、例年十六億ないし十八億円だと私は記憶しております。たまたま
農林大臣は、今文部省
関係の学校給食の事例を引用されたから申し上げますが、そういたしますとこのたびの御計画は、内閣の学童に対するところの福祉、保健
施設といいますか、栄養改善の
対策といいますか、そういった問題において文部省とも
関係を持ち、結核患者や
妊産婦の
関係においては厚生省との
関係ができる。炭坑
労働者その他百五十数万人の
労働者に影響を持つ点においては、労働省と
関係を持つ。また海運その他いろいろな事業場を監督しておる運輸省と
関係がある。ただ防衛庁
関係はこれはしばらくおくとして、非常に
関係をしていく方面が多岐にわたっております。そうしてその
内容は、非常に重要な
内容であります。それを聞くところによると、
閣議においてはほとんど異論がなかった。それで
河野さんはずいぶん労働省や厚生省から突き上げられるものと思っておったところが、案外静かだった。これならやってもよさそうだというので声を上げられた、世間ではそういっておる。われわれはそう聞いておる。そういたしますと、このような非常な重要かつ広範な
関係を持つ
国民の保健、栄養、あるいは実質賃金、その他
労働者等の福祉に非常な
関係を持つ重大な政策を、ただその
内容がよくわかっておらないから、
閣議のような大ざっぱな論議をするところでは議論が出なかったのではないかと私は思う。その
内容はこういうような
内容のものであるということを、
ほんとうにあなたが精通した事務官を帯同されて、そうしてこういう結果になるということを言われたら、
関係大臣なり
関係省はがく然として、この問題については慎重な検討をその際においてもやったでしょう。また
結論を出すことができなければ、保留等の
措置によって慎重を期せられたと私は思う。今からでも私は慎重な検討を必要とする段階だと思う。ですから、今
大臣が言われるように、その制度自体はけっこうな制度だから残したい、予算の
関係のあるものについては本年度中途で切るようなことはしない、これは
関係省と相談をするというようなことになりますと、この
労務加配米について約十四億程度、学校給食
関係が十六億ないし十八億程度、その他いろいろなものを見ますと、
相当な金額になります。その事業
内容も、先ほど申し上げたように、非常に重要な問題になってくると思います。私はこういう重要なことは、
国民の生活に密着しておる問題でありますから、
ほんとうに慎重にやってほしいと思うのです。
そこで実施についてでありますが、議論をいつまでしておっても切りがありませんが、実施について十月一日を目途にしてやるというふうに
閣議で御決定になっておるのであります。目途ということはどういうことでありますか。ただいま聞きますと、
関係省とは事務的な調整はまだついておらぬ、経済企画庁がこれからその調整をやるのだ。その調整を待ってやられるともしかりにいたしますならば、いつごろを想定しておられますか。こういうことはやはり慎重を期して、かりに断行するにしても、ある一定の折れ目、切れ目といいますか、そこに年度の変りであるとか、何か重大な変異が起きたというようなときか、あるいは
国民はいいことであれば、納得をいたしますが、時期としてもまずいし、
内容から見ても不当だし、どうしてもわれわれ
国民は納得がつかない。私ども農村
関係者でもどうしても納得がいかない。いわんや
利害関係を密接に持っておる
人々の立場から見れば、納得のいくはずがない。私はそう思う。これは
農林大臣は厳粛に反省をされて、これをもう一ぺん
閣議にかけ直す、あるいはもっと具体的に
内容をさらけ出して、
ほんとうに真摯な立場に立って御検討をされる価値のある問題だと思います。面目にこだわる必要はないと思う。実施の期日とからんで、私は
農林大臣の今一応の御所信を承わりたい。どうされるつもりでありますか。これを二十八日の
閣議決定の十月一日を目途としてこの重大問題を押し切っていかれるのでありますか。そのころまでには経済企画庁が事務上の調整もとり、
関係省も納得をして進むというふうに解釈をするのでありますか。その
関係省が一応
内容を知らないままに今日になっておるといたしますならば、これは問題でありますが、大体山下政務次官の話を聞いてみましても、厚生省方面においてはよく御理解になっておる。労働省といえどもそうであろう。ただ
閣議の場合においては、
大臣にはそこまでこまかいことがわからなかったと考えざるを得ないのです。従ってこれは次官
会議等でもっともっと慎重な態度をとられて、そうしてもしこの制度をかりにやめた場合には、労働省や厚生省でかわるべき
措置が予算の面においてもめどがつき、何ら既得権をくつがえすことのない保証のついたときにこの問題に切りかえていくということであれば、
国民はある程度納得すると思うのです。今これをやめてごらんな
さい、あとはそれきりになります。これは明らかなる事実です。そういった面から考えてみますと、財政負担は大体において石当り九百二十円くらいになります。それを百五十二万石といたしますと大体十四億円、一升当りの差額が十一円という計算になりまして、
労働者の家計あるいは長期療養者の家計にとっては非常に重大な問題です。金額はわずか十一円でありますが、私は非常に重大な問題だと思います。そういう具体的な
内容を突き詰めて検討するとき、われわれも非常にがく然とするのです。これを
世論があまり騒々しくない、
閣議でも大した異論がなかった、こういうことですらすらと持っていかれるということは、私は少し無謀過ぎると思う。もっと慎重であってよろしい。
また過日も
大臣がラジオで放送されたのを聞きましたが、これをやりまして食糧事務所の機構を今後縮小していくという御意図が含まれておる。それから次には集荷方面において去年一応成功を見たわけでありますが、漸次この
合理化措置が一段と進むと、今度は集荷面において現行米の卸売業者の新規開業を認める道を開く、現行米配給卸問屋と小売商の登録の固定化を緩和し、小売商自由選択制によって卸業者の競争によるサービスの向上をはかる計画がある。現在の食糧事務所の配給業務機能の一部を卸業者に移譲することによる
政府の米流通中間経費の節減をはかる等を考慮しておると伝えられておる。また本年私が予算
委員会の席上において
農林大臣に伺いましたいわゆる特別集荷制度の問題についてであります。あのときは委託制度においてはやるのだと言われましたが、あのときはすでに二月の中旬でありまして、大体において米の予約も完了し、農家の手にはあまりないときであるから、
農林大臣が一応委託方式によって特別集荷制度をおやりになっても大きな影響はないと私は見ておりました。が、しかし
反対をいたしましたが、
農林大臣は押し切って政令を施行せられました。これに関連をして、米の集荷制度についても現在の農協の独占体制を改めるという美名のもとに、商人系業者の進出を促す方策を講ずることによって農協と商人の自由競争を行わせる、そのため現在の集荷登録方式を固定化せず、予約申込時に自由に農家をして予約せしめる等の案が一部に検討されておると伝えられております。
河野農相は明年から集荷予定数量を示さない方針だともいわれております。現在の出荷奨励金は出さないとも言明されたと伝えられております。こういうふうに二段、三段と
——この間もあなたは、この
配給制度というようなものは重大な問題であるから、今後三年間はいろいろと検討してみなければならぬというふうに、
速記録によりますと、参議院の予算
委員会において私どもの同僚議員であります羽生議員の質問に対して答えておられます。ところが、参議院の選挙が済み、一応この問題が
世論の対象から薄くなってくると、いきなりこの
配給制度の改善という格好で
労務加配米さえ切ってくる。米の配給統制撤廃の際に、集荷面においても配給面においても一挙に統廃にひとしいようなことをやると抵抗が強いから、まず配給面で比較的抵抗の弱いところから
一つ一つ片づけていく、世にいわゆる
河野方式のなしくずし統制に持っていこうとする御意図のように見受けるのです。このように第二段、第三段とちゃんと詰め将棋のように次の手が考えられておる。こういうことでは食糧制度は重大であるだけに
国民が非常に不安に感じます。先ほど山下さんがおっしゃっておったように、要するに何となしに非常に不安動揺するということでは私はよろしくないと思う。
質問に戻りますが、先ほども述べましたように、十月一日を目途としてどこまでもおやりになるのか、あるいは経済企画庁が調整をして実際におやりになろうとするのはいつごろであるのか、そういう
考え方をやめて、もう一ぺん
閣議その他事務次官
会議とかいろいろ必要な
措置を講じて、
国民の
世論に問うて慎重を期せられる御所存はないか、こういう点を
お尋ねいたします。