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渡部(伍)
政府委員 肉の
消費は、最近まではこれがどういうふうに伸びていくだろうというようなことを突き進んで実はあまり
考えてなかったのです。畜産局におきましてもあるいは資源調査会等におきましても、
日本の食糧
構造をどうしたらよいかということをあまり突き詰めて
考えていなかったのでありまして、最近において、三年間の努力で安里博士のところで、人口一億の場合の食糧
構造はどうあるべきかという結論を出しておりますが、それによりますと、肉は現在の三倍までは当然伸びるであろう、また伸びなければ国民の栄養を保持することには不十分である、こういう結論も出ておるわけであります。関連して申し上げますと、卵は現在六十億個ぐらいですが、それが倍、ミルクは五百万石、これの倍一千万石というように、その
程度まではどうしても伸ばさなければならぬ。そういう見地に立ちますと、現在の
施設ではいかないことは先ほど申し上げた
通りであります。それと同時に、
幾ら国が公的
施設でやろうとしましても、肉の処理
加工につきましては、いいところの肉だけではなしに、内臓、皮、骨全部の処理をうまくやらないと、今までのように内臓はせいぜい焼き鳥ぐらい、
あとは肥料にするという形では 栄養が逃げるのみならず、肉の
価格それ自体も安くならないのであります。そこでこれらをうまく処理するためにはもっと大きい規模で、もっと大きい
施設を作らなければいかぬのでありますけれ
ども、それを動かす人の問題が問題になってくるわけであります。そういう点で現在、先ほど申し上げましたように、全
業界が一丸となってその方向で
考えて、そうして
政府の意図するところを実際に担当していく基盤を作っていかなければならない、こういうことが必要でありまして、たとえば国が何億かかけて
屠場を作り、それに関連する肉、皮の処理
施設を作っても、すぐ右から左にその処理ができるというわけにはいかないところがちょっと肉の事業としてむずかしいところであります。もうしばらく時間を拝借して、御説のような趣旨に合うような
施設を作ることに進みたい、こういうふうに
考えております。