○一
楽参考人 農林中央金庫の一楽でございます。こういう席に出るのは初めてでふなれなものでございますから、どうぞよろしく。
このたび
政府が御
提案になりました
農業協同組合整備特別措置法案について
意見を申し述べ、お聞きいただきますことはまことにありがたい仕合せに存じます。この
法案につきましては、結論といたしまして
原案通り御
実施いただくことが、私
どもの
考え方から見ましてもまことにありがたいことだと思います。特にこの点をこういう工合に御修正願いたいというような点も気づかないで、大体このままでけっこうじゃないかと思うわけであります。と申しますのは、御存じの
通りに
協同組合に関しましては、さきに
昭和二十六年ごろでございましたか
再建整備法をお作りいただきまして、その後五カ年にわたって三十億円
余りの
国費をつき込んでいただいて、そして
組合並びに
連合会の
再建を御推進いただきましたわけでありまするが、これはそれだけでは必ずしもその
効果が十分上りませんので、引き続き
事業連の
整備促進法をお作りいただきまして、これが二年ほど前から
実施になって、私
どもそれの
実施を一生懸命に今やってきておるわけでございますが、
連合会の方はその
整備促進法という手直しによって、今度は丁寧に
一つ一つの
連合会について徹底した
指導を加えてやるという時間的余裕を持ち、またそういう
個別的指導ができるような
立法をしていただきましたので、今度ので
十分連合会の方は立ち直るという
見通しを持っております。ただ
単位組合の方につきましては、大体において前の
再建整備法によって、それにかかった
組合は七、八割まで所期の
目的を達したように承わっておるわけでございまするが、そのときに
再建整備法に乗せなかった
組合で、その後思わしくないというのが
相当数あるようでございますので、そういうものを主たる
対象として、今度のこの
特別措置法によって手がけていこうという
考えであるようで、そしてこの今度の
特別措置法は、
考え方としては、最近にこの
連合会を
対象として
実施していただきました
整備促進法のその趣旨に大体のっとって、そしてまたそれの
経験を基としてやらそうというお
考えに基く御
立法のようでございますから、まことにけっこうじゃないかと思います。そにつきましては、結局運用におきまして
関係者が、特に県の
中央会、
信連、また経連というような
関係の
連合会が、そしてさらに
中央における全販連、全購連、
中央会、並びに私
ども農林中央金庫というような
系統組織における
中央並びに
地方の
連合組織というようなものが、この
制度を、この
法律を出していただいて、そして
国費を使っていただくというのを十分にまじめに、これを
一つの迎え水として、この
補助金の
金額にたよるのでなくして、
指導を加える
手がかりとして私
どもこれを活用するときに非常に
効果があると思いますので、これで予定されております
金額は、まあ
考えようによりますと非常に少額のようでございますけれ
ども、それでも
関係者が十分活用すればいいのではないか。本来
協同組合は自主的にやっていかなければならないものでございますから、これを
指導にいくときの
手がかりという
意味で活用すれば十分生きる、そういうようにしなければならないと私
ども思っておる次第でございます。そういう
意味におきましてこれを出していただけることは、私
ども関係者が当然今までもやらなければならなかったことでございますけれ
ども、国民から、並びに
政府からわれわれのなすべきことを一そう督励
指導していただいたという
意味に解釈しまして、われわれ
関係の
団体において、単に
政府行政機構にたより切るだけでなくて、自主的に魂をこめて
指導に当るということが必要である、その
責任感を痛切に感ずる次第でございますから、どうかそういう
意味で御
審議をいただけばけっこうだと思うのでございます。
直接この
法案につきましては以上の
通りの
意見でございますが、実はこの
機会にこの
法案と
相当不可分の
関係があると思いますところの、この
一つ前の
再建整備法のことにつきましてお願いを申さざるを得ない
気持がするのであります。それはどういうことかと申しますと、前のそのもう
一つ前の
再建整備法によりまして、
単位組合並びに
事業連の
再建に対して、
出資報奨金、
出資に対する
奨励金、並びに
固定資産を流動化するまでの
金利負担を緩和する
意味において、
政府が
助成金を出していただいた。これが大体三十億円
余りと承わっております。これが
法律の
条文の上では五カ年間の
目的達成の期間を置いて、その
目的を達成すれば、
あと利息をつけて返すというような
条文が十四条にあるわけでございます。まだ
目的を達成しなかったときにも
返還を命ずるという
条文である。
目的を達成しなかった場合に返せということは、あらゆる
補助金の建前から見て当然のことでございまして、これは問題ないことだと思いますが、
目的を達したのに返せというのは、
従前あまりなかったことであります。当時諸般の情勢上まだ
日本が
講和条約をしておらなかったあのときの
立法でございますので、そういう条項が加わって返せというような
条文になっているわけです。しかし実際問題として遠からず
法律が
改正されて、
返還しなくてもいいということになるというので、
関係方面がその点を
相当強く
指導されましたので、あの
補助金をいただいたのは、
組合においても
事業連においてもみんな
利益勘定に入れて、収入の中に入れちゃっているわけです。そしてそれを
担当官庁もすべて認めて、むしろそういう
指導をして来られている事実がはっきりとしているわけでありますので、これを
法律の
条文が訂正されないで、返さなければいかぬということになりますと、この多数の
単位組合として非常に意外なことになります。ことに
連合会におきましては、そういうものを返さないように変更していただくという
前提のもとに、今やっております
整備促進法もすべて取り運んでいるわけでございます。もしこれが
改正を見ませんで、どういう方法にもせよ
返還をせよということになりますと、今御
提案になっております
特別措置法の
意味もその
前提が非常に大きな影響を受けることになりますし、ましてすでにやっております各
連合会の
整備促進法による
措置などというものも、その基盤が総くずれにくずれるわけでございます。このことは
農林当局その他の御配慮によって、私
ども運動をいたさなくても当然期日の三月三十一日までにあの十四条の削除はお取り運び願えるものだとみな信じ込んでおります。これが
相当の問題にもなるということは予想もしておらなかったようなことでございますので、この
機会にお願いするのはまことに勝手なことでございますけれ
ども、要は
協同組合並びに
連合会の
整備という
一つの問題でございますから、この点について特に御考慮と御
検討をお願いしたいということを希望として切にお願いする次第であります。
まことに簡単でございますけれ
ども、また御命令によりまして
お答えをいたします。