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1956-03-14 第24回国会 衆議院 農林水産委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年三月十四日(水曜日)    午前十一時三十七分開議  出席委員    委員長 村松 久義君    理事 吉川 久衛君 理事 笹山茂太郎君    理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君    理事 田口長治郎君 理事 中村 時雄君    理事 芳賀  貢君       赤澤 正道君    足立 篤郎君       安藤  覺君    五十嵐吉藏君       伊東 岩男君    井出一太郎君       大野 市郎君    加藤常太郎君       川崎 秀二君    川村善八郎君       木村 文男君    楠美 省吾君       小枝 一雄君    鈴木 善幸君       中馬 辰猪君    綱島 正興君       原  捨思君    本名  武君       松野 頼三君    赤路 友藏君       淡谷 悠藏君    伊瀬幸太郎君       井谷 正吉君    稲富 稜人君       石田 宥全君    川俣 清音君       田中幾三郎君    中村 英男君       日野 吉夫君    久保田 豊君  出席政府委員         農林政務次官  大石 武一君         農林事務官         (畜産局長)  渡部 伍良君  委員外出席者         農林事務官         (畜産局資料課         長)      森   博君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 三月十四日  委員石坂繁君及び大森玉木辞任につき、その  補欠として川崎秀二君及び井出一太郎君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員井出一太郎君及び川崎秀二辞任につき、  その補欠として大森玉木君及び石坂繁君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 三月十三日  肥料取締法の一部を改正する法律案内閣提出  第一二四号(予) 同日  さつまいもでん粉政府買上げに関する請願(  伊東岩男紹介)(第一二八二号)  新指導農業団体法制定に関する請願北村徳太  郎君紹介)(第一二八三号)  同(伊東岩男紹介)(第一二八四号)  同外二件(堀川恭平紹介)(第一二八五号)  同外一件(前田房之助紹介)(第一三〇二  号)  同(加藤常太郎紹介)(第一三〇三号)  同(橋本龍伍紹介)(第一三〇四号)  同(砂田重政紹介)(第一三〇五号)  同(白浜仁吉紹介)(第一三〇六号)  同(田子一民紹介)(第一三〇七号)  同(小山長規紹介)(第一三〇八号)  同(中馬辰猪紹介)(第一三〇九号)  同(藤本捨助君紹介)(第一三一〇号)  同(山本猛夫紹介)(第一三一一号)  同(古井喜實紹介)(第一三一二号)  同(椎熊三郎紹介)(第一三一三号)  同(小澤佐重喜紹介)(第一三一四号)  同外十三件(野田武夫紹介)(第一三一五  号)  同(内藤友明紹介)(第一三三二号)  同(淺香忠雄紹介)(第一三三三号)  同外一件(河本敏夫紹介)(第一三五四号)  同(大平正芳紹介)(第一三五五号)  国立食糧科学研究機関設置に関する請願(小笠  公韶君紹介)(第一三一六号)  農業団体整備強化に関する請願木村文男君  紹介)(第一三三四号)  農業委員会強化に関する請願田子一民君紹  介)(第一三五六号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  漁業に関する日中両国民間協定の問題につい  て、参考人出頭要求に関する件  農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間  の協定締結について承認を求めるの件及び千  九百五十五年五月三十一日に東京で署名された  農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間  の協定第三条を改正する議定書締結について  承認を求めるの件について、外務委員会連合  審査会開会申入れに関する件  飼料需給安定法の一部を改正する法律案内閣  提出第三六号)  飼料品質改善に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第一〇四号)     —————————————
  2. 村松久義

    村松委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。漁業に関する日中両国民間協定の問題につきまして参考人出頭を求め、意見聴取をいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認めます。  なお参考人日中漁業協議会会長山崎喜之助君とし、意見聴取日時については委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。     —————————————
  5. 村松久義

    村松委員長 この際連合審査会開会申し入れの件についてお諮りいたします。ただいま外務委員会に付託されております農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件、これはアメリカ小麦大麦トウモロコシ等余剰農産物買い付け、その積立円農地開発、森林、畜産等開発に使用せんとするものであり、また一九五五年五月三十一日に東京で署名された農産物に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定第三条を改正する議定書締結について承認を求めるの件は、わが国が贈与を受ける農産物のうち綿花分小麦及び粉乳に振り当てようとするものでありまして、いずれもわが国の農業問題に重要なる関係を有しておりますので、この際両件について外務委員会連合審査会開会申し入れを行いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 村松久義

    村松委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。なお開会日時等につきましては、両委員長協議の上公報をもってお知らせをいたします。     —————————————
  7. 村松久義

    村松委員長 去る三月八日付託になりました内閣提出飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案議題といたし、審査に入ります。まず本案の趣旨について政府説明を求めます。大石政務次官
  8. 大石武一

    大石(武)政府委員 ただいま上程せられました飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  畜産を振興して参ります上におきまして、飼料問題の解決家畜家禽生産力の増大、飼養管理方法合理化畜産経営安定等見地から重要な前提でありますことは、今さら申し上げるまでもないところでございます。しかしてこの飼料問題の解決につきましては、量及び質の両面について従来から種々の対策が講じられているのでありまして、量の問題につきましては別途飼料需給安定法等の適切な運営により処理することとなっていますが、質の問題すなわち飼料品質改善向上をはかりますことにつきましては、すでに御承知のように、昭和二十八度四月飼料品質改善に関する法律制定されて、これに基きまして飼料登録検査等が実施されて参ったわけでございます。同法施行後の状況を顧みまするに、飼料品質改善相当の効果を上げているのでございますが、なおこれを促進いたしますため、この法律中心をなしております登録制度に関し若干の改正を加えるとともに、取締りの面におきましても必要最少限強化をはかることが必要と考えられますので、今回この法律案提出することといたした次第であります。  次にこの法律案内容を簡単に御説明申し上げます。改正の第一点は、登録制度に関するものでございます。すなわち現行の制度におきましては、登録製造業者または輸入業者の任意の申請に基いて行われ、かつ申請にかかる飼料異物混入その他著しく品質が劣ることが認められる場合のほか、すべて登録を行うという建前になっているのであります。従いまして登録飼料と申しましても、必ずしも品質佳良なものとは申しがたい実情でありまして、登録制度性格がやや明瞭を欠くきらいがございますので、今回登録の基準となるべき公定規格を設け、これに適合する飼料限り登録を行うこととし、良質飼料推奨制度としての性格を明確化することといたしました。公定規格制度につきましては、農林大臣が必要と認める場合飼料種類を指定してその種類ごとに定めるのでございますが、なお公正かつ妥当な規格制定を期するため、製造業者輸入業者販売業者または飼料消費者におきましても、公定規格制定を申し出ることができることとするとともに、農林大臣は、必要と認める場合には、規格制定に当り製造業者等利害関係人及び学識経験者意見を聞くことができることといたしております。  改正の第二点は、飼料品質取締りに関するものでございます。この点につきましては、従来から品質の低下するような異物混入を禁止する規定があるのでございますが、現在流通いたしておりますところのいわゆる粗悪飼料の中には、例えば炭カル貝がら粉末等異物とは言い切れない材料を多量に混入いたしましたものが何らの表示もなく流通し、ために家畜生産能力を低下せしめ、はなはだしきはその健康を害するに至るという事例が少からざる状況にあるのでございます。これに対処いたしますため、これらの材料混入した飼料につきましては、その混入物の名称及び混入割合等表示を義務づけることとし、消費者の保護をはかり、あわせて取引の公正化を期することといたしたのであります。またこれに伴いまして、この法律の適正な運営をはかるため都道府県知事に権限を委任することといたしましたほか、若干の所要の改正を加えたのであります。  以上がこの法律改正案を提案する理由でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第でございます。
  9. 村松久義

    村松委員長 引き続きまして飼料需給安定法の一部を改正する法律案飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。淡谷悠藏君。
  10. 淡谷悠藏

    淡谷委員 飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案内容につきまして、若干質問をいたします。一体最近の畜産状態を見ますると、生産物価格が非常に落ちておるのに対して、飼料の面ではその価格がなかなか落ちていかない、この矛盾の根本的な理由をどうお考えになっておられるか、その点をまずお伺いいたしたい。
  11. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 飼料価格に関しましては、需給安定法関係資料の中に、昭和二十六年以降の価格の足取表をお配りしておいたのであります。それで御承知願いますように、飼料においては、家畜の頭数が増加していくのに比例して必ずしもその供給が伴わなかった。従いまして需給関係から値段が二十九年の中期から三十年の中期にかけまして非常に高騰しておったのであります。その後私の方といたしましては、一方におきまして飼料需給安定法におけるふすまその他の飼料買い入れを増加し、同時に幸いなことには三十年度の秋の農作物の作柄が非常によかったような関係がありまして、三十年の秋以降は相当程度価格の低下を見てきておるような状態であります。
  12. 淡谷悠藏

    淡谷委員 価格が若干落ちましても、牛乳、卵等価格下落に比べますと、ずっとその落ち方が少い。それにつきまして価格の安定をはかり同時に畜産業が成り立つようにするためには、飼料といってもここに掲げてありますようにたくさんございますが、一体どの点に重点を置いて指導されておりますか、重点的な飼料関係お話願いたいと思います。
  13. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは御承知のように、人間でも動物でも同じでありまして、蛋白、脂肪、澱粉というふうになっておるのであります。従来の慣行からいきましてこれを好むという飼料はありますけれども、必ずしもどの飼料でなければならぬということは言えないのであります。これは配合飼料を製造する人とかあるいは農家の手持ち飼料との関係でいろいろ好みが出てきておりますけれども蛋白なら蛋白相互融通がきくわけであります。しかしながら現在のところにおきましては、日本飼料供給確保見地からいきますと最もふすまが問題になってきておるようであります。トウモロコシなり大豆かす魚肥等は世界的な生産から見ましても潤沢でありますので、比較的問題はないのでありますが、ふすまは国内生産以上に外国から入れるということになりますと、外国供給が少いので問題があるのであります。従いまして私どもの方で、行政上一番やりにくいのはふすまの問題である、こういうふうに考えます。
  14. 淡谷悠藏

    淡谷委員 若干御答弁の方向がそれましたが、私この規格案について見ますと、大きく分けまして家禽類飼料と牛その他の大形家畜に対する飼料とは根本的に性格が違っておると思うのであります。ここに配付されました、先ほど犬石次官が読まれました提案理由説明にも見られます通り異物混入として「炭カル貝がら粉末等」というのは、これは養鶏飼料の場合には異物じゃございません。必要物でございます。従ってこの養鶏飼料とその他の家畜飼料とははっきり区別をする必要があるのはもちろんでございますが、このふすま等に関しましては、養鶏飼料にもなれば牛、綿羊等飼料にもなる。そこで、あなたの御答弁は若干それておりますが、御答弁に基いてさらに質問を進めますと、このふすまは品質が非常に変る。こぬかほどじゃございませんけれども品質が変りますので、この需給安定法の一部を改正する法律案提案理由にもうたわれております、この外国から入りますふすまが、一体小麦のままで入るのが多いのか、あるいはふすまとして入るのが多いのか、この間の関係を詳細に御説明願いたい。——どうも私の質問内容がおわかりにならないようですが、ふすまというのは麦の皮であることは御承知でしような。それはおわかりになっておれば、この皮をむいたものをふすまとしている場合と、小麦としてやる場合とは非常に違うのです。腐敗の度も違いますし、扱いも違う。その場合に、最も合理的な飼料を安く国内に使わせるためには、小麦あるいはその他の麦類として入れた方がよろしいか、ふすまとして作ったものを入れた方がよろしいか、その点に対する根本方針を聞いておるわけです。
  15. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 まず初めのふすまの関係を申し上げますと、三十年度は約十万五千トン輸入したわけであります。日本生産は五十数万トンであります。日本生産のふすまの中で、外国から輸入した麦によるふすまが二十数万トンというふうに考えております。そのほかに麦そのもの飼料として配給するのが国内産で約五十数万トン、輸入品を十万トン余りというふうに考えておるのであります。これは麦そのものであります。
  16. 淡谷悠藏

    淡谷委員 畜産局長は、麦がふすまになるのにどれくらいの種類があるか、おわかりだろうと思いますので、ふすまになっております麦の種類数量とをお答え願いたい。小麦もございます、裸麦もございます。大麦もございます、マニトバもございます、これは一体どういうような種類別になっておりますか。
  17. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 ふすまは小麦だけでありまして、そのほかのものはいわゆる麦ぬかとして私の方では分類しております。小麦からできるものをふすまとして扱っております。
  18. 淡谷悠藏

    淡谷委員 小麦から出るものだけをふすまといっているのですか。あとは麦ぬか、こう了解してよろしいのですか。
  19. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 そうです。
  20. 淡谷悠藏

    淡谷委員 その場合に小麦から出ますふすまの価格の問題でありますが、一体小麦を精白しまして食用に供しました場合に、どれくらいの。パーセンテージのふすまができ、また精白されました、あるいは粉砕されました小麦粉価格とふすまの価格とがどのような工合に分かれておるか、価格構成の面についてお尋ねいたします。
  21. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 普通の麦では大体二五%がふすまの歩どまりである、こういうふうに考えております。そうしまして、小麦粉価格とふすまの価格1ただいま資料をお配りいたします。
  22. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今お配りのこの表は、精細に見なくてもわかるように、小麦粉市場価格平均してずっと上り下りがない。ふすまだけが非常な変動がある。これは一体どういうことによるのか、一つ説明願いたい。
  23. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは今までの小麦あるいはふすま、小麦粉関係は、小麦粉中心にした操作が行われているわけなんです。すなわち食糧の一部として小麦粉価格が安定する。そうすると、人間食糧飼料需要とは必ずしも一致しないわけであります。従いまして、小麦粉人間食糧として一定の価格でなければ買ってくれないということになっておりますので、製粉業者が採算をとる場合にはふすまでバランスをとっていく、こういうのが実情であると思います。
  24. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それは根本的な間違いじゃないですか。私さっき質問いたしましたけれども小麦を製粉して人間食糧を作る場合、それから残ったものでふすまを作る場合、価格構成がどうなっておるのか。今のお話では、人間の食べる小麦の方ははっきり価格を押えておる、従って需要がふえますとふすまは高くなるといっておりますが、原料の価格が違わないでいて製品だけ高くなるというのは、需要が多くなれば幾らもうけてもよろしい、こういう考え方なんですか。つまり、加工賃が幾らとられても一向かまわないということなんですか。もう一つ人間食糧ということを言いますけれども、ふすまは人間は食べませんが、ふすまを食べた鶏なり牛なりの卵もしくは乳というものは人間は食べている。だから、小麦粉は安いま主でよろしいのだが、ふすまは幾ら高くなっても人間食糧の困難は起らないということがどうして言えます。
  25. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 それは事実ですから申上げますと、戦争前に比べまして小麦小麦粉とふすまとは比価が非常に悪いのですが、しわが飼料に寄ってきておるというふうな関係になっておるのです。それで、例を昭和——十一年の平均で申しますと、それぞれバランスがとれているということにしまして、昭和三十年の平均で見ますと、小麦価格が三〇〇になっておるのに対して小麦粉は二五二、ふすまは四一八、こういうふうなことになっておるのであります。これは食糧統制はおそくまで続いて、飼料統制が早くはずれた、こういうことが一原因になっております。それから、それに対する飼料需給安定法ができまして、需給安定法によって飼料価格の安定をはからなければならないという仕組みができたのであるけれども飼料需給安定法提案理由でも御説明申し上げておきましたように、需給安定法はできたが、その中にふすまが確保できなかった。従って需給安定法で、今お示ししておるグラフでふすまの価格変動をなくすべき手持ちがなかったわけです。そこで三十年度は初めてそれを持ちまして、この変動を防止するということができつつあるわけです。  さらに今度は、比価バランスをやるのには、一番上の欄にありますように、小麦粉政府売り渡し価格、それからそれを算出する場合の小麦粉とふすまの織り込み価格を変えなければいかぬわけです。先ほど資料の中にお配りしておりますが、三十一年度からは、ふすまの織り込み価格を算定する場合には、畜産物価格一つのファクターとして織り込むようなふすまの価格の算定をいたしたい、こういうふうに考えておるわけです。
  26. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この表について質問いたしますが、大体小麦粉価格が九百八十八円で、ふすまが七百八十五円、これは一体公正な価格構成でしょうか。それからその次にも、やはり三十年度に入りましても、五月になりますと、七百五十四円まで上っております。需要最盛期にずっと上ってきておりますが、この間に何でこう高くなるのですか。ただ需要だけでございますか。他の理由がございますか。
  27. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 価格変動需給関係だけだと思います。今の小麦粉とふすまの価格のアンバランスの問題は、先ほど説明した通りで、これは是正しなければならないと私どもは考えております。
  28. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは調整しなければならぬというお話でございますが、三十年の何月から調整の手を打たれておりますか。
  29. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 需給安定法は二十八年にできまして、二十九年から動いておるのでありますが、買い入れ価格売り渡し価格差損を財政上見るということに至っていなかったのであります。三十年度から買い入れ価格売り渡し価格差損需給安定法に基いて食糧管理特別会計で見るという制度ができたのであります。そういうことでありまして、また一方、この需給安定法に基く政府手持ちするふすまの確保を三十年度に至りまして大いに努力しまして、これはお恥かしい次第でありますが、十数カ国から買いあさりまして、やっと十万トンを買えたのであります。その手当の状況は、お手元に配付してある資料の中に「昭和三十年四月以降における飼料輸入状況」というのがありますが、夏ごろからやっと日本現物が到着するというふうな状況にあったのでありまして、実際にどうやら買えるということがきまってから現物が手に入るまでギャップができておるのであります。従いましてこの表で見ますように、相当価格の高騰が三十年の夏ごろまで起っておるのであります。
  30. 淡谷悠藏

    淡谷委員 需要がふえて価格が高くなったから、たくさん買いあさって需要に応ずるような貯蔵をした、これはよろしいのですが、貯蔵の結果品質が変るというのでしょう。だから今度はこの新しい法律改正をやろうという。ふすまというのは貯蔵としておくと品質が変るものであるという認識はなかったのですか。
  31. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 普通の気温の状態であれば大して変らないのであります。高温多湿の場合に、貯蔵施設が悪いと、湿気を吸収して発酵する、こういうような状況が起るのであります。大体六月の梅雨時期にそういうことが起ることが予想されますので、そのときにそういう変化が起きないような措置を講じたい、こういうのであります。現在そういう品いたみがあるということではありません。
  32. 淡谷悠藏

    淡谷委員 普通の気候なら変らないと申しますけれども高温多湿日本気候の普通の状態じゃないですか。一年に一ぺんは必ず高温多湿がある。日本気候というものは順当なものでない。だから日本に入れたふすまは変る。日本気候高温多湿がないという観点からお入れになったのか。
  33. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 貯蔵方法さえよければ必ずしも全部が品いたみするというわけでないのです。それから相当長く置いておきますと、重量がかかって、上から押えられまして包装がいたむとかなんとかいうような関係がありまして困るので、買いかえをやるのであります。しかしそういう六、七月の時期をからにしましたら、また今度手当するのに、どんなに早く見ましても、アメリカから一番早く来るのでも二カ月かかりますから、さあというときに間に合わない。従って最低三万トン程度は常時持っておかなければ、ふすまの価格の安定を期することはできない。三万トンくらいでありますれば、りっぱな倉庫に今の品いたみが起らないような貯蔵が完全にできますから、国損を与えるようなことはない、こういうふうに考えます。
  34. 淡谷悠藏

    淡谷委員 保管方法さえよければ品質変化が起らない、こういうのですが、この改正法案で見ますと、買いかえを行うとある。買いかえを行うよりも、保管をよくした方がいいんじゃないですか。保管をよくしないで買いかえを行うというのですか。改正の要旨はどっちなんですか。
  35. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 配付の資料でごらんのように、政府買い入れ数量は、去年の八月に一万トン、九月に一万三千トン、十月に一万八千トン、十一月に一万トン、十二月に一万トン、一月に一万九千トン、こういうふうになっているのであります。ところが今年の豊作で当初予定したほど売り渡しがないのであります。かつ保管の場所は相当全国に需要地に近い所に持っているというような必要もありますので、貯蔵個所も多くなるのであります。従いましてこれは全部外国から入ったものでありますので、水分、それから状態等から見まして、夏を越せるか越せないかということを一々当りまして、越せないおそれのあるものから買いかえていく、こういう考えでおるのであります。相当早くから入れておりますし、また向うで生産されてから輸入するまでに時期がたっておるわけでありますから、一々調べまして処分し、あるいは国内でできたいいものと入れかえるということもやっていきたいと思っております。
  36. 淡谷悠藏

    淡谷委員 どうも答弁がはっきりいたしません。さっきのお話では、保管が十分であれば品質は変らぬと言っている。今の答弁では、置き場所がないから買いかえる、保管の設備も十分じゃないと言っている。これは、国内産のものも一緒にして買いかえる、または交換を行わんとする規定なんです。そうしますと、一体どっちに重点を置かれてやるのか。酪農によって日本食糧事情を大いに緩和しようというのが日本農林大臣の考え方です。それならば、そういう目の前に起った現象に追われて、絶えず右往左往しているような状態ではなくて、ふすまの価格安定にもっと根本的な方策があるのではないかと思うが、いかがですか。
  37. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 ちょっと私の説明がよく徹底しなかったかと思いますが、不要なものを持っている必要はないのであります。必要最小限度を持っておればいいのでありまして、今十万トン入れた中で、三月末に約九万トン翌年度に持ち越すわけであります。毎月一万トンから二万トンくらいは需要があります。しかし率直に申し上げますと、私の方では年度末に大体三万トンくらい持ち越すだろうという予想で輸入計画を立てたのでありますが、とにかく南米から南アまで手当をしまして、今の現象からいえば、相当前から手当をしておるものが昨年度の豊作で結果的には不必要に入ってきているというふうな状態を呈しておるのであります。しかしちょうどいい機会でありますし、来年も豊作であるということは期せられないわけでありますので、せっかく初めてふすまの手当ができたのでありますから、できるだけこれをいい状態で保っていきたい。そのためには、先ほど申し上げましたように、湿気を遮断できるようないい倉庫がたくさんありますから、そこへ保存する。その倉庫の保存能力等もありますから、その限度までしか持てないと思うのであります。ですから私の方としては、できるだけいい状態で、できるだけ来年の秋に間に合うような数量を保っておりたいというふうに考えております。
  38. 淡谷悠藏

    淡谷委員 あとはもう輸入する気持はないのですね。ことしは去年の豊作の分がたくさん入っておるのだから、買いかえをやるといいますが、買いかえなどで悪い方のふすまは捨てるわけじゃないのでしょう。おそらくこれは、買いかえをする場合に二束三文でたたき売られ、どこかへやみ流しされましてもうかる商人が出てきます。必ずこれはまた影響する。そうなると、この買いかえた新しいふすまはそのまま保管されて固定してしまいます。売れなくなります。そうすると、新しく輸入する必要はなくなると思いますが、これだけのふすまを買いかえた場合に、新しいふすまを輸入するということはおやりにならないでしょうね。
  39. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 三十一年度は去年の半分、約五万トンを輸入する計画にしております。  それから今の買いかえをする場合に、一ぺんに出すと二束三文になりますから、計画的に売り出していく、こういうことにしております。
  40. 淡谷悠藏

    淡谷委員 現在持っているふすまは品質が変っているのですかいないのですか。ことしの五月、六月の高温多湿を考えて買いかえをしようとするのですか。あるいは、現在持っているものがすでに悪くなっているから買いかえをするのですか、どちらですか。
  41. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 現在持っているふすまは、品質が悪いのはありません。
  42. 淡谷悠藏

    淡谷委員 現在持っているものにはない。そうすると、新しく買って、それをまた買いかえするということですか。
  43. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 外国からの輸入は、五万トンは秋以降を予定しております。  それから買いかえするのは、国内で製造されるふすまと買いかえまたは交換するということにするので、新しく国内でできるやっと入れかえる、こういう考えであります。
  44. 淡谷悠藏

    淡谷委員 現在ないものと何で入れかえるのですか。これから買うものは全部入ってくるのでしょう。それを買いかえるということは、何で一体買いかえるのですか。
  45. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 国内生産は、大体毎月五万トンくらいずつ生産ができているわけでありますから、買いかえる材料はあるわけであります。
  46. 淡谷悠藏

    淡谷委員 国内のものは五万トン買いかえる、そうしますと、常時どれくらいの手持ちのふすまを持っておりますと需給が安定する見込みでありますか。手持ちのものは幾ら持っておりますか。
  47. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 政府が常時持っているものとして三万トンくらいほしいと思っております。しかし常時三万トンということは理屈で言えることで、ある場合にはいつでも三万トンを切らない程度に持っておらなければ市場支配ができない。従って、多いときはより多く持った方がいいのであって、三万トンを切らないということが必要になります。  それから、月によって粉をひく量が違いますが、四万トンから五万トンの間のふすまの生産ができているわけであります。
  48. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ちょっと質問の方向をかえますが、この需要によりまして、非常に高くなった場合にもうけたのはどこですか。
  49. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 価格が高くなったときにもうけたのは、粉の生産者と、それから中間の段階でももうけたろうと思います。
  50. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この提案理由説明によりますと、保存しておいたふすまが変質した場合に国家に損害を与えるからこういう法律を作るというのでございまするが、一体値が上った場合は国家は利益をしないのですか。もうけたときは一般の飼料会社なり商人がもうけて、損したときはどうしてこれを国家が負わなければならないか、これは一体どこに欠陥があるのですか。この点はどうですか。
  51. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 そういう不合理がありますので、そういう状態が起らぬようにしたいというのが、需給安定法のねらいであるのであります。
  52. 淡谷悠藏

    淡谷委員 重ねてお尋ねいたしまするが、そのねらいはどこなんです。どういうふうなねらいでやろうというのか。あの価格を安定させようというのか、あるいは別な法的な欠陥があるのか、どうなのです。
  53. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 先ほどお配りしておる表でおわかりでありますように、食用としての粉の値段はある程度安定しているが、ふすまが安定していない。それは私の方の考えでは、値段が上りそうなときはふすまの需要が多いのでありますから、その需要を満すだけのふすまを供給してやれば、ふすまの値段は上らなくて済むのであります。従って、その数量は持ちたいというのであります。それが需給安定法の目的とするところであります。そのためにやっと三十年度に手持ちができたのでありますから、これを品いたみのしないようにできるだけ多く持っていたい、こう思っております。
  54. 村松久義

    村松委員長 午後一時三十分再開として、休憩いたします。    午後零時二十一分休憩      ————◇—————    午後二時五十四分開議
  55. 村松久義

    村松委員長 休憩前に引き続きまして会議を開きます。  飼料需給安定法の一部を改正する法律案及び飼料品質改善に関する法律の一部を改正する法律案一括議題といたし質疑を続けます。石田宥全君。
  56. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 局長にお尋ねしますが、午前中の淡谷委員質疑に対して一局長は、ふすまの価格並びに需給状況について、今の状況では昨年の豊作で需要が減退しておる、こういう答弁であったわけですが、これは局長の考え違いじゃないかと思うのです。なぜかというと、飼料需給関係は、豊作だから売れ行きが悪いというふうに一面的に考えるならば、これは日本畜産行政の根本的な認識を誤まっておる。特にふすまを中心とします需給は、昨年春以来の牛乳の値下りが大きく影響しておるのであって、私も乳牛を四頭ほど飼っておるのですが、私自身から考えても、十分に濃厚飼料供給するわけにいかないのです。十分に濃厚飼料供給すればかえって採算がとれないという結果になっておる。そういう点について局長の認識のほどをまずお伺いをしたい。
  57. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 お話のように、昨年の春から夏にかけては乳価が下りまして、乳牛飼養者に非常な不安を与えたのでありますが、暮れから正月、最近に至りましては、もうすでに一部地方においては乳の争奪戦も起き、乳製品の在庫も非常に払底しておるような状態であります。従いまして先ほど需要が減退したというふうには私申し上げなかりたのでありますが、需給が緩和した、すなわち乳を生産する側においての各農家の生産物もふえるし、それからまた米ぬかあるいはイモ、そういうものの生産もふえておるのでありまして、普通の飼料需給は緩和しておる、こういうのが実態ではないか。しかし乳の価格を安定して、乳牛を飼う農家の先行き不安なからしめることが絶対に必要であるのであります。これらにつきましては、私の方でも検討を加えておる次第でございます。
  58. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 そこでさらに、やはり淡谷委員質問に対して、これ以上売り出しをすることは価格の暴落を来たすおそれがある、こういうことを答弁されたのでありますが、なるほど政府の手持品をどんどん売り出せば値段は下るかもしれない。しかしそこで、今の乳価が安過ぎるのか、飼料が高過ぎるのか。局長は一体乳価というものはどの程度が理想であって、飼料というものはどの程度が適正な価格か。乳価並びに飼料の適正な価格というものの算定をどのように考えておられるか。
  59. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは非常にむずかしい問題でありまして、乳の生産者から言えば、乳の値段が高ければ高いほどいいし、えさは安ければ安いほどいいのでありますが、きちっとどの点がいいということは一がいに言えないのじゃないかと思います。しかし私どもの方の目標としましては、少くとも乳牛を飼う農家の平常の規模の場合には、相当の余剰が出るような乳の値段でなければならない、こういうふうに考えております。
  60. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 一体畜産では酪農の場合ですと乳価を基準に採算を考えるべきものであるか、飼料中心に考えるべきであるか、その点はどちらですか。
  61. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは簡単に答えることはできないと思いますが、しかし現在ではやはり乳価の価格の流れがあるわけでありますから、やはりそれを中心にして考えていかなければ、どこか基点を置かなければいけませんから、私の方ではやはり乳価を一つの基点として、その乳価で引き合うような飼料、引き合うような消費者価格、こういうようなことを考えておるのが率直に申し上げまして私どもの方の考え方であります。
  62. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 はっきりした標準というものがないということでありますが、そうすると先ほどの答弁の中で、これ以上売り出しをすることによって飼料の暴落をしては困る。こういう答弁があったのですが、矛盾しておるじゃないですか。その点については乳価は現在の乳価が適正だということならば、それを標準にして今の飼料も高いとか安いとかいうことが言えるのであって、乳価が幾らが適正であるかということもはっきりしためどがなくて、そうして飼料だけをこれ以上政府手持ちのものを売り出すことによって暴落しては困るということはつじつまが合わぬ、そういう考え方じゃやはり困るのです。そうじゃなくて、やはり乳価というものは現在の程度が適切だと考えるならば、現在の乳価から判断して飼料価格が高いか安いかということが言わるべきものではないかと私は考えるのです。
  63. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 飼料価格の暴落云々の問題は先ほど御説明した中ではふすまの値段につきまして申し上げたと思います。それは三月末のふすまの手持ち見込みが九万トンであって、夏を越さすのに最低三万トンは持ちたいという関係から、その差額六万トンをつゆまでに売り出すということになれば、よほどうまくやらないと価格に急激な変動を与えるおそれがある。それが一ぺんに出せば暴落のおそれもある、こういう趣旨で申し上げたのでありまして、価格はすぐ暴落するというふうなことではないのであります。それからまたすぐ暴落するから困るというふうな趣旨で申し上げたのではないのであります。現在お配りしております表で見ますように、六百三十円代で現在の麦の売り渡し価格に織り込んでおる飼料価格程度まで一応下ってきております。これ以上に売り渡し価格を下げるのには、麦の価格まで、あるいは食糧庁にもう少し負担を持ってもらうとかいうところまでいかなければならないのであります。しかし私どもの方としては、そうしてもらいたいというので現在部内で協議をしておるのであります。しかしいずれにいたしましても急激な変化だけは避けたい。下げましてもスムーズな値段で推移さしていきたい、こういうふうに考えております。
  64. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 今お尋ねしようと思っておったところですが、麦の払い下げ価格が、今度の予算では御承知のように下げることになっておる。それから今までにいたしましても、払い下げの場合には食糧庁としては内麦と外麦との抱き合せのようなことで、払い下げに当っては、食糧庁はやはりそれぞれ条件を付して払い下げをすることができるのです。できるにもかかわらず、従来ふすまの値段が非常に高かったことは、午前中お配りになった資料によっても明らかなんです。しかもその場合に、食糧庁としては条件を付することができるのみならず、かつては相当に委託加工などをいたしまして政府手持ちの分もあったにもかかわらず、非常な飼料高のために酪農が一時危機に陥ったわけです。これにはいろいろな原因がございましょうけれども、そういう点について畜産局としては、食糧庁に対し適切なる処置を要請されて、今後これよりも下回るとしても、暴騰するようなことのないような措置をとらるべきであろうと考えるわけであります。そこでもう一、二伺いたいことは、問題は単に飼料だけの問題ではなくて、乳価とのかね合いであることは申すまでもないのでありますが、その乳価の問題であります。乳価の問題につきましては、これは率直に申し上げて、日本の乳業というものは明治、森永にほとんど独占されまして、かつての小牛の値上りやあるいは乳価の値上り等も、多分に明治や森永の乳業資本の操作によって暴騰をしたり、さらにまた暴落もまたその操作によるところが大きいのであります。われわれ地方の一般の酪農農家の間では、どうも日本の乳業というものは、全く明治、森永、北海道の乳業資本に完全に牛耳られておる。のみならず、農林省の畜産局も明治や森永の支配下にあるのではないかというようなことすら公然と言われておるほど、現実に乳業資本にあやつられておるのです。かつてアメリカの乳製品などが入ってきたときに、それをたてにして、現実にはそれほどの蓄積滞貨もなかったにもかかわらず、厖大なる滞貨があると称して、牛乳を買いたたくというような措置をやってきたわけであります。最近においては、昨年の非常な暴落から若干持ち直してはきておるわけでありますが、その牛乳の取引の条件については、今日現実に全国的に行われておるところはみな同様でありますが、たとえば脂肪取引をするような場合の脂肪の計算の措置がきわめて不当な場合が多い。それから中には比重取引というようなこともやっておる。一体そういう面について、当局としては果してどういうふうな指導監督を行いつつあるか、また今後行う方針であるか、その方針を明らかにしておいていただきたい。
  65. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 お話のように、日本の乳業に対する施策なり行政が非常に不十分であったことは遺憾ながら認めざるを得ないと思います。これには一つ理由があると思うのですが、要するに十数万頭の乳牛が今や四十万頭近くなっておるのであります。昭和二十七年の統計では三百万石が三十年では五百万石に伸びておるわけです。その間におきましては、御指摘のありました明治、森永あるいは北海道関係の乳業会社が、政府の施策より以上の施策で、乳牛を飼育する者を指導し、取引をリードしてきておったのであります。それに対して農林省側の知識というものは、率直に申し上げて遺憾ながらほとんどないといってよろしいと思うのであります。それは統計表を取ることからいたしましても、あるいはミルク・プラントに行って実験、検査するという点からいきましても、何らの施策がないのです。これは御承知のように、冬は余って夏は足りないのですから、足らぬときはえらくかわいがられ、余ると捨てられる。それからまた協同組合等でそれに対抗しても、協同組合の足並みがそろわない。何といいますか、強い者勝ちということになっておるのでありまして、今後私の方では、先だって申し上げましたように、乳牛を百万頭まで持っていきたいという希望を持っておるのでありますから、どうしてもこのままではほうっておけない。最近私の方では乳牛生産県、それから京浜、京阪神、北九州等の消費県、そういうところの特に経済部長等と実態について意見の交換をする、そして問題点をあげて、これに対してどうやるかということを取り上げて研究を進めておるわけなのです。そんなものを今ごろ研究しておかしいじゃないかというのですが、実際問題として、正直に申し上げて、もっと掘り下げなければ施策も何もできない。これを来年度の予算時期までに引き続いて行いまして、三十二年度の予算には、御指摘がありました乳の公営検査とか、そこくらいまでいきたい希望を持って今検討を重ねておるのです。率直に申し上げまして、乳についてはこれから具体的の施策を立てていきたい、こういう段階であります。
  66. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 それからさっきちょっと触れておいた脂肪取引の場合の措置、それから比重取引などというものが行われておるのですが、そういう取引の場合に、脂肪取引と申しましても、パーセンテージによって価格が非常に違うわけです。それがほとんどその会社に左右されて、実際は組合の抱えられておる技術員がそれを操作するものであるのに、事実は会社にあやつられて、酪農家に非常な打撃を与えておる。比重取引などというものについては、私は理論的によく存じませんけれども、最近新潟県などでは比重で取引をする、しかもそれが受け入れをして送り出しをする場合の比重と、今度乳業者が受け入れる場合の比重が変っておるというようなことで紛争などもやっておるような状況なので、そういう面についての価格調停並びに取引の条件についての指導の措置をどういうふうにとっておられるか、またどういうふうにとるべきだと考えておられるかということを明らかにしてもらいたいと思います。
  67. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 私もまだ詳しく一々について調べておりませんので、詳しいことは申し上げられませんが、二、三の工場を見学したところでは、口ではうまいことを言っても、実際そう行われておるかおらないか、はっきりつかめないのです。従いまして、先ほどちょっと触れましたように、どうしても取引を公営で、県なら県で検定した取引にする。一々立ち会って、サンプリングを取ってきめていく、こういうやり方までいかないと徹底しないのではないか。これは外国ではやっている例があるのですから、やってやれないことはないじゃないかという議論が今出ておるわけです。そうしましても、今まで議論したところでは、県の役人あるいは県が嘱託した人がやっても、また会社にまるめられるおそれはないか、こういう疑問も出てきております、しかし一応制度が整備し、そうして売る人、買う人、それから中に立つ監督官庁と申しますか、指導官庁と申しますか、それが問題の所在をはっきりつかんでやらなければ、どんな制度を作ってもうまくいかないと思いますので、それらを今全部当っているわけです。今すぐどうしたらいいということはまだ申し上げかねますので、もうしばらく御猶予を願いたいと思うのであります。
  68. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 そこで私も率直に申しますが、畜産局の某々技師は森永のひもつきだ、某技師は明治のひもつきだというようなことが公然と言われている。新潟県などにおいても、某技師はどこのひもつきだというようなことが言われている。またやっている仕事が、結果においてそういうことになっているようです。これはやはり日本の酪農というものの正常な発展をはからんとすれば、私はそこまでメスをふるわなければ、健全な酪農の発達というものはできないと思う。この点は一つ勇断をふるって、局長の手で刷新をお願いしたいと思う。  次に飼料需給安定法の今度の改正で、これを食管特別会計に繰り入れるということでありますが、食管特別会計は二、三年前までは相当な含み益があって、よかったのでありますけれども、一昨年来含み損で、非常な赤字続きで、インベントリー・ファイナンスなどでどうにかこうにかやっているような状況なんです。こういうふうに、食管特別会計が余裕のある時代であるならば、そこに繰り入れることによって操作することが非常に楽になるということは考えられるけれども、非常に苦しい食管特別会計の中にこれを繰り入れるということは、むしろそっちの方に食われるおそれすらあるんじゃないか。わずかの予算でしかないのに、そういう貧乏世帯の仲間入りをすることが果して妥当かどうか、私は疑いなきを得ないのですが、局長はどういう見解でこれを食管特別会計に繰り入れられたのですか。
  69. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは飼料需要安定の、独立した特別会計を作るという考え方が最初にあったのでありますが、しかし飼料需給安定法ができた当時におきましては、お話のように食糧管理特別会計相当の余裕があった。それからまた食糧管理特別会計バランスは、その当時でも五千億以上になっておったのでありますから、その中に掲げてもらった方が操作がやさしいんじゃないか、こういう考え方からできたものと私は承わっております。そこで最近のように食管が赤字になって苦しんでおるのに、その中に入れては困るじゃないか、こういうお話でありますが、三十年度では四億の赤字を計上し、三十一年度では五億九千万円の、飼料需給安定法に基く売買差損を計上しておるのでありまして、独立にしょうが、あるいは食管にしょうが、とにかく飼料需給安定の目的が達せられれば一応よろしいのであります。さらにこれを発展する場合にどうするかというときには、またあらためて考え直せばいいのじゃないかというふうに考えております。
  70. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 飼料の点はその程度にいたしまして、なおもう一、二点お尋ねしたいと思います。  日本の酪農というものはアメリカ余剰農産物の影響を非常に受けると思うのです。現実にどれだけ影響するかということは、われわれにもはっきりわからぬのですけれども、人気的に加工品、乳製品がどっと入ってくる。それをまた乳業者が材料にして買いたたきをやる。そういう点でアメリカから入ってくる乳製品等に対しては、局長はどういうふうにお考えになっておられますか。
  71. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 アメリカから入れるものは、今のところ学童給食用及び小牛育成用として脱脂粉乳を考えております。しかしこれはあくまでも日本の酪農にプラスになる限度において、決してマイナスにはしない限度において考えておるのであります。三十一年度は学童給食用には七千トン、それから飼料用脱脂粉乳としては五千トンを一応予定しておりますが、現在のところこの程度ならば悪影響はないと思います。むしろ最近の傾向としましては、乳製品が非常に払底しているから入れろという強い要求もありますが、それについてはまだその時期ではないというふうに考えております。
  72. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 もし日本の酪農に影響がないなどと考えておられるとすれば、局長の頭はどうかしていると思うのです。そんなことは小学校の子供でもわかることです。現にわれわれの関係しておる乳業資本は、アメリカから乳製品が入ってきたために云々と称して、もう値下げの交渉に当っておるのだから、それは否定することができない事実ですよ。これは先般の連合審査で終った問題だから、今申し上げても仕方がないのだけれども、一応学童給食用にするからという理由をいっておられるが、乳製品などは関税定率法でやはり関税をかけるべきものである、かけてその収入はまた学校当局にこれを補助すべきものである、やはり関税を取るべきものは取って、せっかく伸びようとしておる日本の酪農を保護すべきだ、実はこう考えておったわけであります。この点については、もう済んだ話なのですけれども、局長は一つ十分留意されて今後考えていただきたい。  もう一点伺いますが、最近酪農は、今申し上げたように非常な窮地に追いやられているわけであります。ところが今度はジャージー種を相当量輸入されるということです。現在日本の内地においては、子牛がほとんど売れなくて、最近少し動きかかったようですけれども、乳離れになっても全く買手がないのでお手上げの状態なんです。それで開拓地等においても、ジャージーじゃちょっと採算がとれない。これは飼料が雑草でもよろしいということであったのだが、実は日本の雑草ではやはり思うように乳量が出ないのです。これはすでにだいぶ議論がなされたから、私は多くは申し上げませんけれども、いたずらに政府がジャージーなどを奨励いたしますと、農民をまどわし、従来やってきた酪農家に非常な悪影響を与えやしないかと思うのですが、その点についてはどういうお考えでおられるのですか。
  73. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 ジャージーについては、ジャージーの適地というものを私の方で選定しまして、それ以外のところには奨励するつもりは持っていないのであります。今まで入ったところの成績を見ますと、たとえばジャージーの飼い方について、ホルスタイン的に飼ったり、あるいは和牛的に飼ったり、馬のなれた地域では馬みたいに飼ったりして、私たちの指導している通りにやっていない。たとえば、肥えればいいというので肥やしてみたり、いろいろ問題があったのでありますが、一番早いところは八ケ岳山麓と岩手山麓でありまして、三年たっております。そこの成績では、やっとジャージーの真価がわかってきた。局部的にいいましていろいろな問題が出ておりますけれども、たとえばこの間山梨の畜産課長なんかが来まして、これは来たときには配当したやつに相当の差があった。それがジャージーについてだけは飼育共進会をやったが、初めに買ったときには品質が悪かったやつがよくなった、あるいは初めによかったものがそれほどよくないというようなことがある、しかし全体的なレベルとしては年々よくなっているというような報告をいたしております。私の方としては、だんだんそれがなれてきますれば、草を主とする地域、ほかのものの栽培困難な地域においては、やはりジャージーがよいのではないか、ホルスタインが可能なところにはやはりホルスタインがいいけれども、先般申し上げたように、百万頭乳牛計画であれば、一割程度はどうしてもジャージーがいいのではないかという今の結論を出したわけであります。
  74. 石田宥全

    ○石田(宥)委員 最後に希望を申し上げておきますが、どうも農民は、政府がちょっとわずかな補助政策や助成政策などをやったり奨励をしたりすると、あとさきを見ずに飛びつくおそれがある。その意味で、農民に政府が奨励をされるようなときには、実は少し効能書きを並べ過ぎるのです。そううまいものではないということを、ほんとうのことをよく教えればよいのだけれども、それを早く普及すればよいと思って、効能書きを並べ過ぎるから飛びつくようなことになる。かつてのように、乳牛の導入資金の利子補給などが行われると、ネコもしゃくしも飛びつくが、それがようやく普及する時分になると、乳価が暴落して非常な打撃を受けるというようなことになる。それと今度のジャージーの場合ですが、今非常に積極的におやりになっておられるけれども、それがために従来のホルスタインを飼っている酪農農家に悪影響を与えたり、またジャージーが十分そしゃくし切れないのに、どんどん次から次へと輸入をされるというようなことは非常な危険があると思うので、そういう点はやはり実情に沿うように、今後、それだけの予算ができたからといって、必ずしも機械的にこれを輸入するというようなことのないように措置をすべきものだと考えるので、一つそれらの点は十分考慮をされておやりを願いたいと思う。
  75. 村松久義

    村松委員長 芳賀君及び中村君は見えておりませんので、これらの方の質疑はあと回しにいたします。  残余の淡谷君の質疑を許します。淡谷悠藏君。
  76. 淡谷悠藏

    淡谷委員 午前中畜産局長からまだお答えし残しがあったようですが、小麦がふすまになる間の価格構成についてまだお聞きいたしておりませんが……。
  77. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 現在政府が売り渡す価格を基礎にしまして算定いたしますと、小麦粉価格は八五・六%、ふすまの価格は一四・四%、こういう割合になっております。これは歩どまりを七四・五で見ておるのであります。原麦トン当り価格が三万五千二百七十九円と見まして、今申し上げましたように粉の歩どまりを七四・五%に見る、そうしますと、消費者小麦粉の最終価格は五万二千円になるのであります。それからふすまが七千百八十八円、こういうふうに出るのであります。この小麦粉価格は、その中に消費者価格に対して一三%の販売マージン、それから包装代、それから工場の加工経費等が含まれておるのであります。
  78. 淡谷悠藏

    淡谷委員 原麦が三万五千二百七十九円といいますと、小麦粉の五万二千円からこれを差し引いたもの、それからそれにさらにふすまの七千百八十八円を加えると、あとが加工及び販売マージンと見てよろしいのですか。だいぶ高くなりますが……。
  79. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 今のはみなトン当りで申し上げております。トン当りの原麦価格から出てくるものに対して計算は手元に持っておりませんので、あとで表にして差し上げたいと思います。
  80. 淡谷悠藏

    淡谷委員 資料としてお出し願いたい。ただこの場合、簡単に勘定しますと、算術でわかるのです。一トン五万二千円の小麦粉それから一トン七千百八十八円のふすま、それを合算したものと、原麦価格の差が販売マージン、包装、加工賃になるのじゃないですか。
  81. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 すぐそうならないのであります。それはふすまトン当り、粉トン当りの値段ですから、それを一トン当りの小麦粉から出るように換算しなければならないのであります。その計算が今出ておりませんから……。
  82. 淡谷悠藏

    淡谷委員 七四・五かければいいんじゃないですか。
  83. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 そうです。
  84. 淡谷悠藏

    淡谷委員 簡単に出ているじゃありませんか。それはあとで資料をいただきますが、そこでお聞きしたいのは、この配付されました参考資料の表の中の昭和三十一年度月別飼料需給計画について若干お尋ねしたいのですが、小麦という項目がございます。この買い入れが十二万トンと予想されておりますが、これは国内産のものでございますか、外国産のものでございますか。
  85. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 この十二万トンは外国産であります。
  86. 淡谷悠藏

    淡谷委員 小麦飼料としてやる場合に、小麦をまるのままで供給する予定でございますか、それとも一たんふすまにしますか。
  87. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 この十二万トンは全部まるのままで飼料に配給する予定であります。
  88. 淡谷悠藏

    淡谷委員 従来飼料に配給されました小麦が食品に化けた例はございませんか。
  89. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 そういう疑いがないということは言えません。
  90. 淡谷悠藏

    淡谷委員 今度の計画では、その取締りなり処置なりはどうされるつもりですか。
  91. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 そこでこれを防止するために、従来はカーボンブラックをまぜておったのでありますが、これが動物の衛生に影響があるとかないとかいう問題がありましたので、今度は魚油をしみ込ませまして、一般食用にはできないようにして配給することにしております。
  92. 淡谷悠藏

    淡谷委員 大豆などはどうなっておりますか。大豆のままでやりますか。
  93. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 大豆は指定工場に搾油させまして、かすを配給しておるのであります。
  94. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうすると供給するのは大豆じゃなくて大豆かすになりますね。これはどうしてこういう表では大豆になっておるのですか。
  95. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは飼料大豆かす確保しますために、飼料用として必要な大豆に相当する大豆のワクを特定分離するというために、大豆という項目で飼料用として為替許可をとっておるのであります。
  96. 淡谷悠藏

    淡谷委員 最後に脱脂粉乳ですが、これは国内産の脱脂粉乳ですか、それとも余剰農産物の学童給食などと同じ性格の脱脂粉乳であるかどうかという問題です。
  97. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これはアメリカから輸入したいという考えであります。
  98. 淡谷悠藏

    淡谷委員 ふすまが変質するのは大体何カ月くらいの間でございますか。
  99. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 含有水分が一四%以下でありますれば、特に悪い倉庫でない限り、試験的には変質するおそれはないことになっております。しかし倉庫の状況あるいは出し入れの状況あるいは積み方の状況等で、一四%程度のものでは不安であります。現在入ってきているのは水分一〇%から一二%で、水分が非常に少いのでありますけれども、今申し上げましたように、保管上の管理を十分にしなければ、心配がないというわけにはいかないのであります。
  100. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっき局長の御答弁では、現在手持ちがないようなお話でございましたが、ここに在庫九万トンとして保管されております。これはどういうわけですか。
  101. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 手持ちはないとは申し上げません。しばしば九万トンの在庫が三月の末に持ち越されるということを申し上げておったのであります。
  102. 淡谷悠藏

    淡谷委員 それは私の聞き違いかと思いますが、現在この九万トンはどういうふうになっておりますか。品質等はどのようになっておりますか。どこの倉庫に保管されておりますか。
  103. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは主として本船の入港地、すなわち東京湾、阪神、伊勢湾、その港の倉庫にあります。そして手わけして、今食糧事務所が一応保管の責任になっておりますので、私の方からも人を現地にしばしば出しておりますし、食糧事務所の方から報告もとっておりますが、現在のところでは、品質変化があるという報告はまだ全然来ておりません。
  104. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この九万トンの在庫のふすまは、何月までに全部交換もしくは買いかえをなすつもりでありますか。
  105. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 予算上は六、七、八月に各月一万トンを買いかえるという予算になっております。しかし実際問題としましては、法律通りますれば、先ほど来申し上げますように、さらに精密な検査をいたしまして、月月売らなければいかぬのもありますし、それからいい倉庫に買いかえたものを保管するという必要がありますので、そういうところをにらみ合せながら、実行は法律通り次第取りかかりたいと考えております。
  106. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これは価格安定と非常に関係がありますが、一万トンずつ実施をする計画は、市場価格変化によってはその数量は変って参りますかどうか。
  107. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 かりに今後需要が急増する——そういうことはないと思いますけれども——というような場合には、買いかえより先に実需に配給しなければいかぬということもできますし、また逆に今まで程度需要で、国内産のものと見合っていけば、そんなに多量を、三万トンと九万トンの差額全部を放出する必要がないということになりますれば、場合によっては三万トン以上も買いかえ、または交換しなければいかぬという場合も起り得ると思います。
  108. 淡谷悠藏

    淡谷委員 さっきからの御答弁でとてもうなずけない点があるのですが、需要が非常に高まると申しますけれども家畜というものはそう急激に数がふえない。そうしますと、一年中を通じてふすまの需要の量はほぼ一定していなければならないはずなんです。そして急激に需要が高まったり、あるいは需要が落ちたりするのは、一体どこに原因があるのですか。
  109. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 ですから、かりにということを申し上げたのであります。需要が急激にふえるということはないと思うけれどもという仮定で申し上げたのでありますが、現在のところでは、春になると、毎年でありますが、需要が多少ふえるわけであります。大体十二月か一月が最低になりまして、二月から需要がふえるのでありますが、それが異常にふえるということは予想できません。従いまして先ほどのは理論上の仮定の問題でありますが、私どもの現在実際に準備をしておりますのは、予算上買いかえ三万トンをやる。しかしそれは市場価格に急激な影響を与えないということが一つの前提にありますし、それからとにかく三万トンと申しますと相当の量でありますから、相当のゆとりを持ってやる必要がある。そして十分な施設のできている倉庫に、積み方等についても気をつけてやるというようなことがありますので、できるだけ早く取りかかりたい、こういう考えであります。
  110. 淡谷悠藏

    淡谷委員 そうすると、局長の答弁は午前中と矛盾するわけです。午前中私が言いましたのは、二十九年度の四、五、六と最高価格を示している。三十年度もやはり四、五、六と最高価格を示している。最高価格を示しましたのは需要の増大によるとあなたはお答えになった。ところが今の御答弁では、需要は急速に高まらないのだ。そうすると午前中の答弁と今の答弁とは心境の変化によるのでございますか。
  111. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これはそのときにも申し上げたのでありますが、需要に応ずるだけの供給があるかどうかというのが問題でありまして、需要が急激にふえなくても供給が少ければ当然上るのであります。今までは三十年度の後半からやっとふすまについては需給上心配がない状態になっております。それまでは需給バランスが全然とれてないのであります。だから相場は思いほうだいに出ておったのが実情なのであります。従いまして私が申し上げたのは全然間違いないわけであります。
  112. 淡谷悠藏

    淡谷委員 間違いなければ大へんけっこうなのであります。では今後は急速な市場相場の変化がないと認めて、従ってこの売り渡しも一万トンという原則は守っていかれる覚悟なんですね。
  113. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 それはしばしば申し上げますように予算上は三万トンで組んでおりますが、その組んだ場合に、現物を見た上でもっと買いかえなければならぬときは、その予算を変更するということは当然大蔵省との話の過程においてあるわけでありますから、いずれにしましてもよく調べまして、今まで当っているところでは、三万トン買いかえれば十分であるというように考えておりますけれども、まだ全部の工場にわたってさらに何といいますか、サンプルを取るロットを非常にこまかくしなければいけませんから、もう少し精査する必要があるのであります。その上で多少の数字の変動は起ることがあるかもしれませんけれども、現在のところは三万トン以上にそうふえるという見通しは持っておりません。
  114. 淡谷悠藏

    淡谷委員 次に小麦及び大豆はやはり買いかえをなさいますか。
  115. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 法律の規定では買いかえができることになっておりますが、小麦買いかえる必要がありませんからやりません。トウモロコシ等についてはよく調べました上で、そういう必要が起ってくるかもしれません。
  116. 淡谷悠藏

    淡谷委員 小麦と大豆ですが、これを買いかえないといたしますと、保管分との保管がえはやりますか。−おわかりにならないのでしたらこの表をごらんなさい。二万一千五百一千五百九十三トン保管している。これを五月からさらに一万トンずつ買い入れます。そうしますと五月の末で保管分をかえなければしょうがない。大豆もその通りです。これはやはり六月の末あるいは五月の末になった場合に新しく買い入れたものが余るのか、古いものはいつまでも保管しておくのか、こういう点です。これは品質をよくするという法律ですから特に聞いておくのです。保管するのはいつまでも古い小麦と古い大豆であるか、それともこれは保管がえをしてしょっちゅうかえていくのであるかという点です。この数字をはっきりして下さい。
  117. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 当然先に入ったものから先に売っていくということにしております。従いまして保管がえというのではないのでありまして、一方で買い入れて一方で売るのですから、その際に早く入ったものを先に売っていく、それからあとから荷物が入ってくる、こういう関係になるので、保管がえということではないのであります。
  118. 淡谷悠藏

    淡谷委員 小麦を十二万トン売り渡しする計画がある。ふすまは十一万トンです。ふすまよりもたくさんの小麦を売り渡す計画があるのですが、これは局長の専門的な分野ですから詳しく御説明願いたいのです。一体小麦をそのままに飼料にした場合と、ふすまでやった場合と飼料としての経済価値はどうなっているかというのが問題です。これを詳細に御説明を願いたい。特に現在輸入小麦にたよらなければならないほど逼迫した食糧事情において、人間の食うものをやらなければならないような何か専門的な理由があるかどうか。特に小麦がそのまま流れるという危険性を多分に持っておりながら、ことさらに小麦をまるのままで配給しなければならないという必要が、一体この飼料の経済価値上からいってどんなものか、この点はあなたの専門の場面でございますから詳しく御説明願いたい。
  119. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは「昭和三十年度輸入飼料政府買入及び売渡状況」という表が配付資料の終りから五枚目に出ておりますが、そこにありますように麦類はマニトバ・シックス、それから豪州の小麦アメリカ小麦こういうふうに分れております。大体こういうものが入ってくるのでありますが、このほかにマニトバ・ファイブというのも入っております。これは食糧用としての小麦でなくして、歩どまりが非常に悪いので、飼料用としての規格小麦なのであります。これをひいて——小麦粉が足りないときには、先ほどお話がありましたようにふすまと小麦粉に分けて、小麦粉を横流しするために横流しがあったのでありますが、実際問題としてはそれでは普通の場合は引き合わないのでありまして、このまま飼料にやった方がいいのであります。従いまして価格相当安いのであります。
  120. 淡谷悠藏

    淡谷委員 しかしそれはあなたの専門じゃないからそうおっしゃいますが、私の言うのはまるのままの小麦飼料的な経済価値です。飼料価値です。分析した場合、蛋白がどれだけあって、澱粉がどれだけあって価格はどうなっておるか、一単位当り幾らになっておるか、ふすまの場合はどうであるか、それを私たちの方では飼料における経済価値といっておるのでございます。あなたの方では何というか知りませんが、その点の御説明を願いたい。
  121. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 現在そういうこまかい表をちょうど持ち合せがなかったので、あとで資料として差し上げます。ただ麦をなぜやるのかということは、鶏に粒えとしてどうしても必要な分がありますので、そういう趣旨からも入れておるのであります。今の成分別に見た経済的な見方の表はあとで資料として差し上げたいと思います。
  122. 淡谷悠藏

    淡谷委員 これはあらためて一つ資料としてお出しを願いますが、もちろん私はしろうとじゃございませんから、十分注意をして資料をお出しを願いたいと思うのであります。  そこで今の御答弁ですと、マニトバ小麦がふすま以外に粉として横流しになったという事実をお認めになっておるようですが、その事実の詳しい御説明を願いたいと思うのです。
  123. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これは詳しいことは私も知らないのでありまして、三十年の夏からカーボンブラックをまぜたのであります。そのまぜた理由は、とにかく横流しが問題になってそういう処置を講じたということであります。それでも十分でないという説があり、一方私の方では鶏の衛生上よくないということで、魚油をまぜることにしたのであります。なお横流しの状況は、今手元に資料がないのでなんでございますが、おそらくわかっておるところだけしかわからないのじゃなかろうかと思います。(「わかっておるところだけ言え」と呼ぶ者あり)これはあとで調べて御説明申し上げます。
  124. 淡谷悠藏

    淡谷委員 局長、あなたは委員会へ出られて、はっきり政府の官吏としてマニトバ小麦が横流しになったと言ったのです。実際にはっきりした事実を知らずしてここで言われたとしたならば、これは責任問題ではないかと思いますが、やはりあなたは多少ともその横流しになったという事実を押えて、その上での発言だと信じます。從ってその点ここでわかっておるところだけでも御説明願って、わからない点だけは詳しく資料としていただきたい。もしそれもないというのならば、これは放言です。
  125. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 放言じゃないのです、率直に申し述べさせていただくのですが、私十月に本職についたのでございまして、そのときの引き継ぎで、そういう横流しが問題になったので、カーボンブラックをまぜた。それで私が来てから、それではいかぬので魚油に変えるのだということでやりたので、ございまして、具体的にどこそこでだれが何トン横流しをした、こういうことをすぐ今答えることはできないのでありますが、横流しがあったという事実は、役所として率直に認めなければいかないのではないか、こういうふうに考えます。その詳しいことは資料をととのえて御説明申し上げます。
  126. 淡谷悠藏

    淡谷委員 私は別にあなたをいじめるために質問しておるのではありません。とにかく十二万トンという膨大な小麦が、この食糧不足の場合に飼料として出されておる。専門的考えからいいますと、小麦を粒えとして十二万トン出す、ふすまとして十一万トン出す。これは鶏に粒えとしてやるだけでは納得がいかない。しかもこれが横流しをされた事実があり、その横流しを防ぐために非常に苦労しておる。このような苦労をしてまで食糧を不足させる必要があるかどうかという基本的な問題であります。これについては十分責任を持って、率直にマニトバ小麦の横流しの実態というものを出してもらいたい。この小麦飼料にするという裏には、横流しをするために、ことさらに小麦の配給をとめているという形が見えるのであります。これはやはり飼料政策の根本問題として重大な問題でありますから、あなたに資料を求めておるのです。私はその資料を手に入れてからさらに質問を継続いたします。保留いたしておきます。
  127. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 今の数字についてちょっと誤解があるようでありますが、配付資料の一番初めの二十一年度の需給というところを見ていただきたいのでありますが、その中に供給量としまして、国内産と輸入のワクがあるのでありまして、麦類国内産も輸入もある、それからふすまも国内産も輸入もあるのでありまして、今お話がありましたように麦は十二万トン、ふすまは十万トンだけではないのでありますから、その点は第一表を見ていただくといいと思います、輸入と国産の供給量はそれに全部出ておりますから。それからあとの資料はできるだけ精査いたしましてお出しいたします。
  128. 淡谷悠藏

    淡谷委員 この表は見ております。しかし国内産あるいは輸入のことは、見ておりますけれどももっと詳しくなければ、この概数ではちょっとわからぬのです。このうちマニトバ小麦がどのくらい入って、横流しになったのか、ここまで出してもらいたい。この資料じゃちょっと説明できませんから、この点だけ私要求しておきます。
  129. 川俣清音

    ○川俣委員 私も議論は自分の持ち場のときにいたしたいと思いますが、今の淡谷委員資料請求につけ加えておきたいと思います。  どの取扱い業者が一番多量に取り扱っておるか、これはかって非常にたくさんの取扱い業者に取り扱わせることによって弊害が起きる、横流しが起きるということで、かなり重点的と申しますか、特定の業者に集中したはずでございます。従って集中された取扱い業者、数量、その代表者、これをあわせて資料請求いたしておきます。
  130. 村松久義

    村松委員長 次は久保田豊君。
  131. 久保田豊

    ○久保田(豊)委員 私は畜産問題並びに飼料問題の基本点について大きく三つばかりお伺いしたいと思います。さっきから局長は、少くとも百万頭以上に持っていきたい、こう言われておる、そして政府のきめられた五カ年計画でも、大体畜産には非常に力を入れられておる。せんだって大臣も、これからの新しい日本の農業政策としても畜産ということを中心にして、いわゆる商業作物の方に力を入れていこうというような大きな構想を持っておられる。この五カ年計画を見ましても、三十五年度には乳牛が約七十六万頭、あなたの言われる百万頭には少し少いけれども、七十六万頭、そのうちで搾乳牛が三十五万頭ということになっておる。それから食肉牛が二百三十八万頭、豚が百二十六万頭、鶏が六千三百七十一万羽、こういうふうになっておりまして、全体を通じて乳牛は二十九年度を標準にして約八割五分の増をやろう、こういうわけです。これがいいか悪いかということは別問題としまして、私がお伺いしたいのは、これに対する政府飼料政策が立っているかということであります。この五カ年計画を勉強してみましても、飼料政策はざっくばらんに言って立っておらない。ここに日本の酪農が非常に大きな動揺をする根本があるわけです。これに対してどのような施策をとっておるか、少くともこれに見合うだけの飼料対策というものがどこにあるかというと、ほとんどない。国内的には小麦——三麦を合せまして大体田畑合せて百七十八万町歩まきつけをする。基準年度は百七十万町歩であって、わずかに、八万町歩の作付増である。こんなことは今のような麦価格の政策をとっておる場合実現はいたしません。おそらく実際にはすでに二十六年から比べると十一万町歩以上減っている。このままいけば日本の麦作は、三十五年度ごろには現在より少くとも十五万町歩ないし二十万町歩は必ず減る、こういう実情だと思う。これはだれが考えたって今の価格政策、今の基本的な農業政策では減らざるを得ない、こういう実情です。さらに飼料作物の増産を非常に考えておる。これは二十九年度では三十四万三千町歩であるが、これが六十六万二千町歩になっておる。しかもその内容を見ると、畑作飼料作物が二十九年度では九万四千町歩が二十八万八千町歩約三十万町歩で、三倍にふえることになっておるわけです。しかもこの飼料作物は、濃厚飼料も一部はありましようけれども、大体において濃厚飼料じゃない。しかもことしあたりの政府の予算措置からいうと、米麦の増産ということは、多少はできても多くは期待できない。価格政策の面からいっても補助金その他資金の使い方からいっても、そうならざるを得ない。そうしてくれば、私は結論としてどこへいくかといえば、外国飼料にのみたよるということにならざるを得ないと思う。外国飼料のよって来るところはどこにあるかといえば、外国から飼料作物のみならず一般の食糧として入れたものの残滓、いわゆるかす、こういったものであるが、これの方は政府の計画によると四百二十万トンで少しもふえていない。しかも国内生産がふえない、こういうことになれば輸入飼料にたよる以外にないという実情である。この輸入飼料が、これで見ると現在は大体五十八万トン約六十万トンである。この通り計画をやるとすれば、輸入飼料は少くとも現在の三倍ないし四倍にふえざるを得ない。今日でも百六十億以上の飼料を輸入しておる、これが三倍、四倍になって五百億ないし六百億になった場合に、現在の外貨事情がだんだん変ってきて、輸入が再考されるという問題が出てくる。その場合に、今の三倍、五倍の飼料の輸入ができるか、こんなことはできない。人間の食う物でさえ節約しなければならぬときがくる危険性があるので、その際に動物の食うえさの方に力を入れてやるというような政策をとる政府がもしあるとするならば、これは気の狂った政府である。(「いやりっぱな人がやっているよ」と呼ぶ者あり)今のことは別として、私はこういうことはできないと思う。小さな、こういうふうにあっちを少しいじってみたり、こっちを少しいじってみたりする法案も大事でしょう。しかし私は一番根本は、この基本問題を政府が今からまじめに考えて対策を立てない限り、日本の酪農というものは基礎的に非常に不安定である。安定した酪農にはならない。この基本問題について一これは局長に質問するのはちょっと気の毒だと思うが、しかし少くとも局長もその職務にある限り、この基本問題を本気に考えないで、法案のこんなところを少しばかり直してみて、十万トンとか五万トンをどうするとかこうするとか、こんなことは末の末です。この基本問題をどうあなたはお考えになって、どういうふうに今後施策を進めていこうということを考えておるか、まず第一にこのところをお尋ねいたします。
  132. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 先の見通しをどういうふうに立てるかというのは非常にむずかしい問題でありますが、一応五カ年計画ではただいまお述べになったようなことを目標にしております。これは根本問題は消費がついていくかいかないかということ、その次には日本食糧構造をどういうふうに持っていくかということ、それらとからんでくるのであります。その計算は方々でやっておりますが、最近資源調査会でやったのによりますと、日本の人口は一億で大体頭打ちをするという想定をしまして、その場合に食糧日本でまかなうとすればどういうふうに持っていくかという計算をしておるのであります。それによりますと、米、穀類の方は約一割増産、それ以上はなかなかむずかしいであろう。しかし肉は現在約二十万トンいっておりますが、この三倍、卵は六十余億個ありますが、これを倍、ミルクは現在五百万石以上になっておりますが、これも倍、そこまで持っていかなければ日本食糧事情は安泰にならないという一つの数字が出ております。しからばそういうふうな畜産物の消費が伸びるであろうかどうか、こういう問題がまず根本であります。これは脂肪、蛋白、カロリーから見ましてそこまで持っていくのが望ましいという格好であります。それからまたこれに到達する因子があるかといえば、ここ十年の伸び方から見て、そこまで伸びる可能性がある。要するに人間の嗜好が科学的な栄養観念に伴ってきておるのであるから、うまいもの、それがからだにたまるのであるから、あらゆる努力を用いてそういう量の動物質食糧をとりたがるわけです。それではそれに要する所得がそこまで伸びていくか、こういう問題がもう一つ出てきます。それも大体それに近づけ得る可能性があるだろう、これは数字的にぴしっと出てきませんけれども、そういう想定に基いておるわけ  であります。従いましてわれわれとし  ては、どうしてもそういう目標まで持っていきたいのであります。  そこでそれに対する飼育の面、生産の面から飼料がまず問題になってくるのであります。これらも私の方では、大体今後畜産飼料の自給を七〇%以上にしなければ成り立たない、そういう見地から畑の輪作に飼料作物を入れるとか、あるいは草地を改良するとか、そういうことに努力しておるのであります。これは久保田委員等専門家でよく御存じであると思いますが、先進の農家では、もうすでにそれで成功している人が日本至るところに出てきておるわけなのです。それに一般の農家の水準を合せれば不可能なことはない、こういうふうに考えておるのであります。しかし頭数がふえますと、残りの三〇%の分は購入飼料にたよらなければならないのでありますから、国内の穀物その他の飼料生産が間に合わなければ、その分はどうしても増加しなければならないのは当然であります。これはただいまの第一表のところで、三十一年度の輸入計画は約五十万トンを見ております。これはあらゆる飼料を含めてでありますが、これが相当程度ふえなければいかぬ。そうしなければ計画通り畜産の伸びが確保できない、こういうことになるので、私どもの方としては、必要なものはどうしてもある程度輸入にたよらなければならない。しかし基本は自給七割、農家の経営によって自給七割ということを目標にして指導をしておるのであります。
  133. 久保田豊

    ○久保田(豊)委員 私も理想として自給七割程度ということ、あるいは部分的にあちこちで成功している程度のことは承知しているのです。そういう机上論では——実際に今のように牛がどんどんふえておる。また政府の全体の農業政策の中でも、牛については割合に熱心で、いろいろの悪い条件がある中でもふやすような方策をとっておる。しかしながらどこの農家も飼料自給七割というようなことは、特殊条件のあるところでなければなかなかそう簡単にできるものではない。あなたの方の五カ年計画でも、田の方にやる自給飼料は何かというとおそらくレンゲが何かで、畑作の方も二十二、三万町歩、三十万町歩近くふやす。ところが畑作に対してのほかの作物の方はどうか、増反はどうかというと、ほとんど一やっていないというふうな実情になっておる。こういうところに問題がある。もう一つ、ことしの飼料計画のうちで数量について見ると、四百六十万トン要る。そのうちで国内でやるものについてはどうかというと、小麦が十万六千トン、これはあるいは輸入が入っておるかもしれない、大麦が二十四万六千トン、裸麦が二十四万二千トン、雑穀が二十四万五千八百トン、これを合せますと大へんな数量になるのです。政府がことし国内買い上げるところの食糧は、大麦が二十二万七千トン、裸麦が四十四万一千トン、小麦が五十八万二千トン、こういうことであって、食糧買い入れるものの約半分あるいは六割を飼料に回して、それで飼料の自給ができたといえるのですか。牛や何かにどんどんくれて、その反面においてはどんどん輸入をしていく、増産の方はやめる、こういうべらぼうな1牛にしろ何にしろ麦類をどんどん食えば、御承知通り自分のからだを育てるやつにも使う。同時に乳を出すやつにも使う。カロリーの計算からいえば、乳を一単位出すには六倍の穀物が要るはずです。草もくれますから、ある程度緩和はできましょうけれども、穀物だけでやればそれだけ要る。こういうべらぼうな土台の上に畜産政策を発展させていこうということが私は無理だと思う。四百六十万トンの飼料自給計画のうち、約九十万トンというものがあなたの方の資料では三十一年度濃厚飼料供給量として出ておる。こういうことで、しかも片方において食糧五カ年計画によって相当に増産をしたとしても、この増産量では今日の国内飼料がまかなえない。この増産計画は、最後にこの通りいきっこないと私は思うが、いったとしても、四百七十六万八千トンしかとれない。そのうち八十万トンくらいがようやく増産できる程度である。その増産分を牛がほとんど食ってしまう。これからさらに牛が八割もふえよう、今の倍にもなろうとする、そのときの飼料対策はどこへ持っていくのですか。今あなたのおっしゃったような、いわゆる濃厚飼料畑をどんどん作るとか、あるいは草地の改良とか、これもある程度の補いになることは間違いないけれども食糧が足りないといいながら、その増産の方をストップして、増産分以上のものを牛や馬にくれてしもうてどうするのですか。私はこの点を聞いているのです。あなたの言うように抽象的に、大いに自給飼料の増産をやる、こういうことは、ますます日本の米麦の面では外国に、対する依存度をますます強める以外にない。しかもその基礎の上で畜産が成り立つという、こんなばかな畜産というものがありますか。この点を、そういう抽象論ではなく、もっとまじめに計画を立てて検討をされる必要があるのではないかと思う。まずこの点をお伺いする。さっきの程度お話ではしようがない。
  134. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 これはまず大前提に、現在の畜産が何で保有されておるかということをお考え願いたいのであります。とにかく乳牛四十万頭、和牛二百五十万頭、馬百万頭、豚百万頭、綿羊百万頭、それが生きています。食わなければ生きられないわけなんです。あなたがおっしゃられるように、とにかく麦を家畜に食わせてけしからぬというけれども、現実に食っているのであります。しかしもっとコストを安くするためには、もっといい飼料を作らなければいかぬ、それからまた米の増産にも支障ないようにしなければいかぬということで、私の方で草を改良するのには、二つの方法を今考えております。原野の草の質をよくするわけであります。とにかく百貫や百五十貫の草ではこれは問題にならないのでありまして少くとも千貫とか千五百貫の草が出る可能性があるのでありますから、それを作ります。それからまた畑作あるいは水田の輪作、これも私現実に数カ所行ってきておるのでありますが、相当の期待を持ってやっているのであります。すなわちレッド・クローバーやオーチャードを入れまして、そして三カ年後に稲を植えれば、その水田の収量は従来の五割とか六割増というものが出てくるわけであります。そういうものをコンビにすれば、飼料の自給ができないということは言えないと思うのです。それが各人が一様にそこまで到達することは、なかなか努力が要り、いろいろな指導が要ると思います。これもよく承知しております。しかし一応われわれの目標としましては、今まで到達したこのいい結果を畜産飼育農家に普及さすことによって、この目標に到達させたいというのでありまして、それがそう簡単にいかないということであれば、計画自体が悪いのでございまして、私どもはその計画にまで持っていきたい、こういうふうに考えております。  それからもう一方、これはお話には出ていないのでありますが、それと同時にこの畜産物価格の安定なり流通の改善というものが伴わなければいけないのであります。これは先ほど他の委員からお話がありましたが、これについても並行した措置が必要であると思います。これらも一緒にやっていかなければ、この五カ年計画というものは、絵にかいたもちにすぎないのであります。しかしわれわれは一応目標をそこに掲げて、あらゆる知恵をしぼってそれに突進していこう、こういうのであります。
  135. 久保田豊

    ○久保田(豊)委員 今百姓は自分で作った小麦でも大麦でも牛や馬にくれています。馬の場合は、非常に骨折った場合にくれるとか、あるいはお産の前後にやるとか、いろいろあります。牛の場合なぜくれるかといえば、要するにふすまが高くて、くれきれないから、自分のものをやるということなんです。生きているのだから、食っていることは間違いない。片一方において食糧が足りないといって、年々歳々よけい入れなければいかぬということになっているでしょう。片一方において増産の方はだんだん政府の予算を詰めてくる。そうして麦の値段その他を安くして、ふすまは割高にして——今のようなやり方では割高にならざるを得ない。そうして国民の食糧に回わせるものを牛や馬にくれて、そうして人間全体の栄養価の上からいえば、カロリー計算といいますか、そういう面からいえば非常なむだをしているような、そういう基礎の上に立った畜産政策というものが発展するかどうか、これが国策としてやるべきことかどうか。今のようなやり方をしていけば、日本の麦作はますます後退する。できたものは全部自家用にくれてしまう。そうすれば、足りないものはまた外国から入れてくるということにならざるを得ない。これは国民経済の上からいって間違っている。しかも畜産の基礎というものは、外国畜産品によってときどきふらふらさせられ、日本の大資本によってたたかれる。こういう中で、そういう農業の基本に触れるものをはっきり考えずに畜産の増産計画を立てる、こういうのがいいか悪いかということなんです。その結果は必ずどこかに矛盾がくる。その矛盾は、おそらく米は別としてほかのものはずっと後退する。しからずんば輸入飼料にうんとたよるか、どっちかしかない。そういう基礎の上に畜産というものが果して日本の経済全体の動きの中で今後安定してやっていけるかどうか。かつて戦前ずいぶんそういう経験をしたわけです。外国飼料に依存して——私のところは伊豆ですから、牛を飼う中心地です。一生懸命飼ったところが、戦争で飼料が来なくなると、牛がばたばたいってしまう。こういうふうなことが再び起ってこないとも限らないじゃないか。畜産政策を立てる以上は、こういうことに対して、政府としてはもっと全般的な、しかも科学的な検討を加えられて、その飼料対策の上に増産計画なり何なりを立てるべきであると考える。あなたがいろいろあげられたような数字は私も承知はしております。そこにもう少し突っ込んでやってもらいたいということであります。  その点について特にこの中でも非常に大きな問題だと思うのは、日本の場合、家畜飼料というものは、比較的反当収量も多いし、栄養価の点についてはまだ問題ですが、イモの利用ということだと思う。イモの利用という点についてどれだけの研究をされているのか。下手にくれれば、じき腹を痛めたりするが、イモ、特にサツマイモ、あるいはジャガイモをどう活用するかということが、やはり飼料政策の一番大きな面じゃないかと私は思う。これについてどういうふうに考えているか、またこれらの飼料化についてどんなふうに研究を進めておるか、簡単に聞かしてもらいたいと思う。
  136. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 私の方でも飼料全般については、輸入飼料にたよるのであれば日本畜産は成り立たぬという前提で計画を立てておるのであります。しかし頭数がふえるのであるから、それに応じたふえ方はやむを得ない、こういう考え方であります。それの方法としましては、現在まで各農家なり各試験場で出ておる成果を普及していく以外にはない。そうして飼料の自給度を高めていく。これは端的に申しますと、たとえばオーチャードとかレッド・クローバーとかすべての自給飼料が急激にふえてきているわけです。それは輪作に入れ、畑作に入れて効果が出てきている証拠でありまして、カラーのスライド等で宣伝し、あるいは役人以上に進んだ農家がおりますので、これは相当早く普及する可能性があるんじゃないかと思います。  次は草地の改良であります。これはいわゆる集約酪農地域、牧野改良センターで手をかけたばかりでありまして、まだはっきりした効果を御説明するところまでいっておりませんけれども、これもわれわれは期待を持っておるわけであります。そうしますれば五カ年計画が単なる夢ではない、こういう確信を持っているのであります。しかしさらに研究すべき点は非常に多く残されております。たとえば北海道のビートと畜産の結びつきであるとか、今捨てられておる魚のあらの利用であるとか、いろいろ問題があると思います。今御指摘のありましたイモの利用等もあると思いますが、しかし現在のイモの価格からいきますと、飼料としてやるのには少しもったいないような状態であります。しかしその研究は、たとえばイモ養鶏をやるとか、イモとぬかをまぜるとか、サイロに切り込む方法とか相当やっておるのでありますが、ことに鶏も雑草養鶏というので、蒸気を通しまして粉にくだいてぬかなりイモの粉にまぜてやる、そういうことが非常に進んでおりますから、われわれとしては非常に希望を持っておるのであります。しかし今すぐあしたからそれが全部普及するということはむずかしいので、今後たゆまざる努力が必要である、こういうように考えます。
  137. 久保田豊

    ○久保田(豊)委員 時間がありませんからその点について議論を戦わしてはいられませんが、オーチャー−ドにしましてもレッド・クローバーにしても、大いに普及しております。しかしそれとても濃厚飼料が要らないわけじゃない。御承知通り飼料が改良されたからといって濃厚飼料が要らないわけじゃない。やはり相当程度要るんです。今はさっきからお話がありました通り、乳価が安いから濃厚飼料をやれない、やらなければ出ないのです。  そこで私は資料一つお願いしておくが、この点について五カ年計画とからみ合せた濃厚飼料あるいは自給飼料、粗飼料を合わせて、飼料の五カ年計画が立っているならば資料を出してもらいたい。ただ口先だけで言ったのでは問題にならないと思いますから、これをはっきりしていただくことをお願いしておきます。  次に大きな問題として、配付をしていただいた資料を見てもわかるのですが、価格の問題で私は一番根本の矛盾があると思うのは、たとえば小麦粉織り込み価格より市場価格は常に下回っている。そうして今度はふすまの方はどうかというと、いわゆる織り込み価格は、最近はそうでもないが、概してこれが上回っておるというところに問題がある。これは要するに私は、これはいろいろな原因があると思うが、一番根本は政府食糧政策の根本に大きな間違いがあると思います。外麦を入れてこれにトン当り三千八百円とか、ときには五千円とかいうふっかけをして原麦の払い下げをしておる。つまり原麦の価格を上げておいて、そうして原麦の払い下げをして、つまり原麦価格を上げておいて、そうして粉を出しっ放し、それによって内地の食糧価格の補給をやっておる。今年の予算面でも、内地の米麦については百九十七億円ですか、損をする、その穴埋めをどこでするかというと、外米や外麦で二百十七億もうけてこれを穴埋めをする。その負担を原麦価格にかけて、そうしてしかも消費の方は突っ放し、そこへもってきて原麦が多いからみな生産者は競争する。だからいつでも織り込み価格は下らざるを得ない。麦粉の織り込み価格が一袋について、ここにあるようにあるいは多いときは五十円にもなる、小さいときでも大体において二十円見当の開きがある、あるいは十円ある。これだけの開きがあるとすれば中間のマージンやあるいは生産工場の原価や、包装費、こういうものをやってもなかなか生産者としては採算が成り立つまいと思います。そこへもってきて政府のやり方はどうかというと、ふすまの織り込み価格はほおっておいて、麦粉では当然損をしろ、その穴埋めを結局ふすまで何とかしろというのが政府食糧政策の根幹であり、飼料政策の基本であります。こういうべらぼうな政策をとっておる限り飼料価格は下らない、一番基本点は何といっても外麦、国内麦の補給、米麦の価格の保障というものは、これは政府が当然二重価格で一般に出してやるべきだ、それをやらないでこういうところへもってきて、しかも統制半分にやっておるところに問題がある。なかなか簡単には今の政府の皆さんの財政計画なり、食糧政策ではこの矛盾の解決はしまいと思います。しかしこれだけはできる、ある程度原麦価格を下げるということです。そうしてふすまと小麦粉が双方織り込み価格一ぱいになる程度の犠牲は当然今の政府が背負うべきだと思います。そうしていわゆるふすまと麦の価格が一体にいけるような価格政策なり、何なり、食糧政策、飼料政策と連関したものをとるべきだと思うが、局長はどう思いますか。
  138. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 お話通りであります。そういうような考え方で現在食糧庁と相談を進めております。なお配付の資料の中に省内の価格の算定方法資料を差し上げてございますが、畜産物価格もにらみ合せた飼料価格が出るようなことが書いてある、こういうふうに考えます。
  139. 久保田豊

    ○久保田(豊)委員 今の御答弁ではしようがないが、これは局長には無理なことだと思いますので、これ以上追究はしませんが、一つそういうところに基本的な矛盾があるということはよく御承知の上で、飼料政策なり飼料価格を考えられることが一番根本だということを申し上げておきます。  さらにこれは局長でも答弁できることだからお伺いしますが、政府は約五十万トンの飼料の輸入によって、四百万トンの飼料価格を操作しておる。これはもともと無理な話です。無理な話だけれども、ともかく現状ではその程度しかやれないということですから仕方がないとしても、これの運用については一番基本的な問題がある。大体において今あなたの方では、政府の輸入されたものはたしか八つの団体に指名入札をしていると思う。この指名入札制度というのはおかしいじゃないかということが第一点。さっき資料の要求がありましたけれども、昨年以来指名入札の実績はどのようになっておるか、政府払い下げの問題について実績はどういうふうになっているか、価格数量品質を八つの団体別に明確に示していただきたい。  もう一つ飼料需給安定法の一番基本的な欠点は、第一次的に政府から払い下げを受けたものが横流しをすれば文句をいわれる、これはちゃんと押えることができるようになっている。しかし第二次引き受け業者がやった場合には何ら規制がないということです。そうでしょう。第一次的に払い下げを受けたものがほかへ回せば文句をいわれる。それから第二次的に買い受けた人間は問題がないことになっている。そのうちで特に問題なのは、河野さんがかつて社長をされておったところの日本飼料です。あれはたしか四十二の飼料会社、卸売業者が合体をして作っているものだと思う。河野さんが——河野さんと言っては悪いかもしれませんが、とにかく日本飼料が引き受けたものをその株主であるところの第二次業者に回せば、やみをやっても、何をやっても、どこへ回してもひっかからない。こういうべらぼうな間違った機構を作っておるところに問題がある。政府がせっかく四億なり、五億なりの損をして、しかも百六十何億という資金をみなこれに向けておるのに、一部の連中が金もうけのために横流しのできるような機構を作っているところに問題がある。こういうことの改正は当然要求すべきであるが、こういうことの改正を要求せずに、こんな——こんなと言っては失礼だが、こういうふうな方面に当面の力を入れるということはおかしいと思う。今は飼料が足りないので、国家がなけなしの金を使って、しかも損失補償金をつけてやるのですから、この払い下げを受けた飼料が間違いなく飼養家の手に移るような仕組みを作るべきだと思う。これには今言った点を改正することが一つ。もう一つは、飼料の受注団体というのが四つか五つあるはずである。これも非常に危ない性格のものだ。この受注団体を法制的にはっきりとさせて、これに資金の裏づけをしてやるということが一番大事だと思う。資金の裏づけがないから、受注団体は日本飼料株式会社と競争したときに落札ができない。これは実績が示しておる。この二点を根本的に改正することが不十分ながら当面の飼料問題を農家の利益に合わせるものだと思うが、この点についてはどう思うか。
  140. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 現在政府の払い下げする飼料の荷受け団体は、御指摘の通りに受注団体でありまして、これは全国購買農業協同組合連合会、日本養鶏連、全国畜産連、全国酪農連、全国養豚連、全国開拓連、日本飼料株式会社、北海道飼料協会、中央飼料協同組合、こういうふうになっているわけでありまして、飼料の中央団体としては一応これで十分であるというふうに考えております。  横流しの問題は、これは現在はほかに用途がないから問題はないが、従来は、同じものがいろいろの用途に使われる場合に、より有利な用途があったのでありまして、そういうことが起らないようなものを流す以外に取締り方法はないのであります。これは要するにやみでありますから、従いまして今のような方法をとっておるのであります。今後はそういう問題は起らないものと私どもは確信しております。  さらに、荷受け団体に対する資金措置等につきましては、農林省としましては、これらの団体の要求に応じて農林中金なりその他の金融機関に対してあっせんをやっております。現在のところ苦情を言われる筋はないと思うのでありますが、なお足りないところがあればさらに私の方で十分なあっせんをしたいと考えております。
  141. 久保田豊

    ○久保田(豊)委員 これは基本問題だから私はお聞きしているのでありますが、もちろん局長では無理だと思いますので、一つ大臣に出ていただきまして、大臣とこの三つの点について、もう少し突っ込んだ意見をかわしたいと思いますから、大臣の出席を要求いたしまして、私の質問を保留いたします。
  142. 中村時雄

    中村(時)委員 関連して伺いたい。  先ほど局長に委員が尋ねた中に指名入札という問題があったが、指名入札ということは需給安定法の中の第五条の第二項に出ている。ところが食管法の麦の買い入れは、これは指名入札ではないが、その関連性をどういうふうにお考えになっているか、その点をお答え願いたい。
  143. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 食管で外国産の麦を買い入れる場合は輸入商社を指定しているのではないかと思います。
  144. 中村時雄

    中村(時)委員 食管法の第四条の三では、麦の売買の建前は大体随意契約でやっていいはずであります。少しあなたも考えて、もう一回読み直してもらったらよくわかる。ところが、片一方の飼料需給安定法では指名入札になっている。この飼料需給安定法ができ上ったときにその問題を追及したことがあるが、当然そのことは考えなければならぬという答弁もあったにもかかわらず、依然としてほったらかしてある。たとえば昨年六月ごろにマニトバの第五号を輸入してきた際に、一万トンの中の六千トン、残りのやつを日本飼料が全部購入したのもそういうところから出てくる。そうしてその裏では省令で、飼料需給安定法の金を使ってやっておるにかかわらず、食糧に回すことを許可してみたり、そういうことがいろいろ行われている。久保田君が今言ったことはそのことをさしているのだが、具体的にいってそういうことが起っている。だから、その問題をどういうふうに解釈しているかということをお聞きしているのです。この問題については、先ほど久保田委員から農林大臣をとの要求がありましたから、その際に十分検討したいと思いますが、局長としてはどういうふうな考え方を持っておるかということをお聞きしておきたい。
  145. 村松久義

    村松委員長 どうですか局長、明日までに取り調べていただいて、明日でもよいですよ。
  146. 渡部伍良

    渡部(伍)政府委員 よく調べて、後刻お答えいたします。
  147. 村松久義

    村松委員長 残余の質疑は延期して、本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十九分散会