○石谷
政府委員 非常にむずかしい観念であろうかと思うのでございますが、私
どもといたしましては、すでに部落という観念によって規律されておりますものが共同使用をいたしておりますところの林野、一言のもとに申せばそういうことに相なるかと思うのでございます。ただ構成の上からいたしましても、あるいは実態の面からいたしましても、非常に千差万別な姿があるのでございまして、これをひっきょういたしまするに、いわゆる徳川時代の村落共同体とも申すべきもの、その物質的な
基礎として、当時は自給的な草肥農業や農山村の生活を成立させるための
基礎となっておりました共同財産、こういうものがあったのでございまするが、その後社会、経済的な変動の中で非常に大きな変貌を遂げながらも、現在いわゆる部落の財産というような姿のままで、旧来からの使用権による使用慣行にゆだねられておるというようなところが
相当あるわけでございます。私
どもといたしましては、このようなところを総括いたしましていわゆる部落有林という表現で呼んでおるわけでございますが、その実態の中でいろいろ共通いたしまするもので、部落民の共同利用されておる林野ということに尽きるように考えておるわけでございます。