○石谷
政府委員 昭和二十六年の六月から昨年の三月末までにおきまして、国有林野整備臨時
措置法によりまして、約十三万町歩の国有林を実は売り払ったのでありますが、あの
法律によります売り払いは、必ずしも売り払いをいたしました相手方の町村の基本財産の造成というようなことを
目的にいたしまして売り払ったものではなかったのでありますが、実際面におきましてはそのような
意味に運用されたことは事実でございます。当然国有林野として持っているよりもむしろ市町村に売り払いをいたしまして、既存の市町村林野とともに一体のものとして経営してもらうということの方が、
土地利用の上からいっても、林業経営の面からいっても一そう集約な
仕事ができる、こういうことを実はねらって売ったのでありますが、現状は必ずしもそのような運営に相なっておらないという事例が非常に多いのでございます。御
承知のようにちょうど木材
価格の上昇期にもありましたので、売り払いました物件が、すぐさま地上のものだけにつきましては他に転売されるというようなことによって、実際売り払いの
目的に合わないような結果に相なっているものもあるわけであります。しかしながらやはり将来の町村財政の点を十分考えられて、期待
通りの経営というものを進められているものも
相当ございます。町村合併促進法による売り払いは、現に適確なものについて取り進めているわけでありますが、さきの林野整備の場合におけるときの轍を踏まないように、特に町村合併の場合におきましては、新市町村の育成促進のための基本財産の造成ということが売り払いの唯一の
目的になっているのであります。従いまして基本財産の造成上適当な山を選定して、該当するものを売り払っていくということになっておりまして、買い受ける能力等も十分吟味いたし、その後の経営
計画等につきましても私
どもさまざまな注文を出しまして、そして十分納得の上で売り払っていただく、こういうことでやっていくように考えているわけであります。