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牧野国務大臣 ございます。ございますが、私は
委員会に現われたる保安処分ということが、人権の尊重の上において調和ができるかどうか非常に憂慮する。どうも形式論が多いのです。これじゃいかぬ。
売春法というものは弱い
婦人を助ける方がいい。
国家が助け、社会が助ける。私は
委員長のお許しと
委員会の御同意を得て今晩大阪に立ち、あすは大阪でバー・アソシェーションの会がございますので、それに出席して実はこの点に言及したいと思って、ここに原稿を用意いたしておるのでございます。といいますのは、日本のバー・アソシエーションというものは一体どれだけ仕事をしてくれるのか、今現に問題になっている
売春法に対しては、検事も判事も弁護士も学者も、すべての人が
一つになってこの問題に手をかしてくれ、そして社会的に
解決してくれ、そしていたずらに
委員会で私を困惑させるよう血ことのない空気を一緒になってこしらえよう。というのは、ほんとうのものを徹底的にこしらえるとなると人権問題に及んでくる、それのみならず、衆議院ではむやみに
予算をほしがっているが、そういう
予算が容易にとれないというときには、社会的に金を集めても、社会事業として
一つの
方面を担任してくれなければいかぬということを私は述べたいと思うのであります。東京でこれに関することを述べましたら、
牧野良三は僭越なことを言う、われわれに問題
解決の
責任を転嫁しようとしているという陰口があったそうですから、重ねて発言いたしまして、転嫁するのじゃない、国民であるなら分担してくれ、あなた方はなぜ
政府ばかりにまかしているか、なぜ衆議院にばかりまかしているか、こんな重大な問題は国民が社会的に燃え上ってやらないでどうするか、一体男が女を買ったり、
売春などと言うけれ
ども、だれが悪いか、女じゃない、男が悪いのだ、しかもそれは戦後における風紀が乱れ、性道徳が極端に行っているけれ
ども、年ごろになって性欲の
満足をすることができないという社会状態を一体どう見るか、それでもってこの問題が
解決すると思うのか、そこまで行かなければ形式的の議論になっていけないといって私は訴えたのである。そうか、わかると言ってくれましたから、お許しを得てあすは大阪に行って、このことを大会の席上で述べたい、そのことも御了承下さい。そして本気になってこれを
解決して下さい。議論はよしましょう、これは実際問題ですから、そういうことにするにどうか力をかして下さい。僕の周囲には力が乏しい、それを私は必配しておりますから、今度の
審議会の
委員には特殊な人々を頼み、その人人には終始一貫私の周囲を守ってもらって、
予算措置に対しても、社会的な会合を催してもらうのにも、御尽力を得たいと思っておる次第であります。