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1956-05-16 第24回国会 衆議院 内閣委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年五月十六日(水曜日)    午前十一時十一分開議  出席委員    委員長 山本 粂吉君    理事 江崎 真澄君 理事 大平 正芳君    理事 保科善四郎君 理事 宮澤 胤勇君    理事 石橋 政嗣君 理事 受田 新吉君       北 れい吉君    高瀬  傳君       中馬 辰猪君    床次 徳二君       林  唯義君    福井 順一君       眞崎 勝次君    松浦周太郎君       横井 太郎君   茜ケ久保重光君       井手 以誠君    片島  港君  出席政府委員         内閣官房長官  根本龍太郎君         行政管理政務次         官       宇都宮徳馬君         総理府事務官         (行政管理庁管         理部長)    岡部 史郎君  委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君     ――――――――――――― 五月十六日  委員田村元君辞任につき、その補欠として中馬  辰猪君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 五月十五日  旧軍人等遺族に対する恩給等特例に関する  法律案大平正芳君外十一名提出衆法第五五  号) 同日  旧軍人恩給算制復元に関する請願福井順一  君紹介)(第二二二七号)  旧軍人恩給年額均衡是正に関する請願(福  井順一紹介)(第二二二八号)  旧軍人公務扶助料倍率改正等に関する請願(  福井順一紹介)(第二二二九号)  公務員給与改訂に関する請願原茂紹介)  (第二二四七号)  同(井出一太郎紹介)(第二二七八号)  薪炭手当制度化に関する請願西村彰一君紹  介)(第二二六三号)  長野県下各市町村の地域給指定等に関する請願  (西村彰一紹介)(第二二六四号)  地域給制度改正に関する請願八木一郎君外三  名紹介)(第二二七七号)  金鵄勲章年金復活に関する請願井出一太郎君  紹介)(第二二七九号)  米軍使用による土地等損失補償に関する請願  (淵上房太郎紹介)(第二二八七号) の審査を本委員会に付託された。 同日  国土総合開発事業に関する行政機構確立陳情  書(第七五  八号)  観光行政の一元化に関する陳情書  (第七六一号)  秋吉台大田演習場使用条件改訂反対に関する  陳情書(第七六二  号) を本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国家行政組織法の一部を改正する法律案内閣  提出第一五六号)  内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出第  一六一号)  事務次官補を設置するための外務省設置法等の  一部を改正する法律案内閣提出第一六四号)  旧軍人等遺族に対する恩給等特例に関する  法律案大平正芳君外十一名提出衆法第五五  号)     ―――――――――――――
  2. 山本粂吉

    山本委員長 これより会議を開きます。  旧軍人等遺族に対する恩給等特例に関する法律案議題として、提出者より提案理由説明を求めます。大平正芳君。
  3. 大平正芳

    大平委員 ただいま議題となりました旧軍人等遺族に対する恩給等特例に関する法律案提案理由について御説明いたします。  終戦後十有余年独立を回復してすでに四年になりますが、異国には今なお抑留されている同胞が相当数あり、国内におきましては一家の支柱を失って生活苦と戦っている百数十万の遺族がありますことは、まことに遺憾にたえないところであります。  さきに、軍人恩給復活を見、次いで援護法における遺族年金支給範囲が拡大されましたことは、御同慶に存じますが、この措置にすら浴することのできない幾多の遺族の上を思いますとき、国家財政の許す範囲において、できるだけの援護の手を差し伸べることは、国家として当然の責務であろうと存ずる次第であります。  本法案は右の趣旨に基き、太平洋戦争の様相ないしはその際における召集基準変更等をもあわせ考慮いたしまして、旧軍人、旧準軍人等本邦をはじめ、満州、朝鮮、台湾、樺太など戦地に指定されなかった地域において、その職務に関連して死亡した場合、これを公務によって死亡した場合に準じて取り扱い、これら旧軍人等遺族に対して遺族年金または扶助料支給いたそうとするのが、その骨子であります。  法案内容について、おもなる点を申し上げますならば、第一点、旧軍人等遺族で、戦傷病者戦没者遺族等援護法第三十四条第二項の規定により、同条第一項の規定による弔慰金支給を受けたもののうち、当該軍人等で営内に居住すべき者が、昭和十六年十二月八日から昭和二十年九月一日までの間における在職期間中、本邦及び政令で定める地域戦地以外の区域において、その職務に関連して負傷しまたは疾病にかかり、これが原因となって、在職期間内又は在職期間経過後一年以内に死亡したものである場合には、これを公務による死亡に準じて取り扱うこととし、これに該当する旧軍人等遺族に対しては、通常の遺族年金額の六割に相当する遺族年金支給いたそうとするものであります。ただし、当該軍人等負傷又は疾病昭和十九年一月一日前に生じたものにつきましては、その負傷又は疾病職務に関連することが顕著であると認められる場合に限っております。また、旧勅令第六十八号の施行前に旧軍人関係普通扶助料を受ける権利について裁定を受けた遺族につきましては、援護審査会の議決を経たものに限ってこれを支給することといたしております。  第二点は、恩給法との関係について規定いたしたものでありまして、すなわち、その死亡公務死亡に準じて取り扱われる場合に該当する旧軍人等遺族は、これを恩給法上の遺族とみなし、その死因については、恩給局長審査を要することなく、これに対しましては、仮定有給年額を基礎として定めました倍率を、一通扶助料に乗じて得た金額の扶助料支給することといたしております。  なお、本法の規定に基く扶助料及び遺族年金は、明年一月分から支給することといたしております。  以上がこの法律案の要旨でございます。なにとぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 山本粂吉

    山本委員長 本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  5. 山本粂吉

    山本委員長 国家行政組織法の一部を改正する法律案内閣法寿の一部を改正する法律案及び事務次官補を設置するための外務省設置法等の一部を改正する法律案の三案を一括議題となし、これより質疑に入ります。通告がありますので順次これを許します。片島君。
  6. 片島港

    片島委員 内閣に設けられておる審議会調査会などの問題について官房長官に一、二お伺いいたします。今内閣に置かれている審議会あるいは委員会調査会のうちで法令に基いて明確になっておるものは内閣にどのくらい、各省幾つくらいかおわかりでございましょうか。
  7. 根本龍太郎

    根本政府委員 正確を期するために行政官庁事務当局から御報告いたさせます。
  8. 岡部史郎

    岡部政府委員 お尋ねの件は内閣と仰せられましたけれども、内閣及び総理府の両方の意味だろうと思いますので、お答え申し上げますが、内閣に設けられているものは、現在閣僚審議会というものがございます。これ一つでございます。あとは総理府法律で設けられておりますものは、正確な数字は今記憶いたしておりませんが、二十五、六ぐらいあろうかと思っております。
  9. 片島港

    片島委員 内閣ばかりでなく、各省にも法令によって設けたものがあるでしょう。
  10. 岡部史郎

    岡部政府委員 総理府及び各省を通じましては法律で設けられております委員会は二百二十四と記憶しております。
  11. 片島港

    片島委員 これは鳩山内閣ができたときに非常にこの委員会の数か多くて、しかも眠っておる委員会なども非常に多い、こういうようなことで、私の記憶によりますと、これをだいぶ整理をするというようなことが言われておったのでありまするが、鳩山第一次内閣の成立以来今日まで、どの程度審議会整理をやっておられるのでありましょうか。
  12. 根本龍太郎

    根本政府委員 政府といたしましては、昨年末行政事務簡素化及び国費の節減の見地から、約四十の審議会整理いたしまして、さらに今回行政機構改革に当りまして、これを統合したり、あるいはまた移しがえをいたし、あるいはまた整理をする方針で御審議を願っておる次第でございます。今日までのところ約四十ばかり整理いたしておる次第でございます。
  13. 片島港

    片島委員 整理をいたしますと同時にまただんだんとふえて参っておるようでありますが、そういたしますと、四十を整理いたしましてもおそらくその後また四十ぐらいは追加になっておるのじゃないかと思うのですが、鳩山内閣ができてからさらにいろいろな委員会調査会ができておりますが、そのできたのはどのくらいありますか。
  14. 岡部史郎

    岡部政府委員 正確なところは後刻御報告申し上げたいと思います。
  15. 片島港

    片島委員 審議会委員会委員についてでありますが、この前に本院の承認をたしか必要とする委員でありましたが、電電公社経営委員でありましたか、あるいは電波監理審議会委員でありましたか、非常に名前を何回も聞いたような人でありまするから調査をいたしてみましたところが、七つも八つもそういう類似の委員会名前を連ねておる人でありまして、わが党としてはこれに反対をいたしましたところ、やはり与党の方でもこれは適切でないということで差しかえをした人がありましたが、委員になる人の顔ぶれというものが大体においてきまっております。民間公務員というような名前がよく使われておるのでありますが、大体有名なような人は目星をつけておいて、委員専門のように何の委員でもかんの委員でも任命をされておるというような状態でありますが、こういう委員任命する場合には、何かの基準なり方針なりというものがなければならぬと思うのでありますが、これらの委員内閣において任命せられるような場合にはどういう方針なり基準を持っておられるかをお伺いしたい。
  16. 根本龍太郎

    根本政府委員 政府といたしましては、その設けられた委員会性質にかんがみまして、最も適任者を選ぶのが基本の方針でございます。従いまして、たとえば今指摘のありました一例もございまするが、経営委員会委員なんかにおきまして、たとえば興業銀行総裁をしておるという方が、あるいは鉄道関係審議会にも適任と思われ、あるいはまた電電関係適任にも思われるというような形で、実は一人の人間が四つ五つも兼ねたことは従来たくさんあったのでございます。しかし現内閣になりましてから、できるだけこれを避けるために、一人でせいぜい三つないし四つぐらいに限定いたす方針でやっておるのでございます。たまたま先般電電経営委員だと思いましたが、前任者からもそれからまた委員会の方からも電々公社経営並びに資金関係の方面からも、興銀の総裁川北禎一君を指名してほしいという要請もありましたので、一応それを出したのでありますが、御指摘のように、川北委員はあのとき五つばかり兼任しておったような形でございまするので、そこでその理事中山素平君にかえた次第でございまして、今後はでき得る限り適任者の中でも一人で多数の政府審議会委員あるいは委員会委員に重複しないように気をつけて参りたいと思っておる次第でございます。
  17. 片島港

    片島委員 こういう審議会とか調査会、そういういわゆる民間人を入れての委員会というものは、民意を広く行政の面に反映させていくということが私は主眼であろうかと思うのであります。ところが従来のこれらの各審議会などの審議状態を見ておりますと、行政府の方で作りました案をこの委員会にかけて、それがいまだかつて通らないという例がほとんどないくらいにこの委員会を通っておる。そういたしますと、民意を尊重するためにこういう委員会を設けると言っておきながら、実際は行政府民意を尊重するという二種の隠れみのにこれを使うという弊風が非常に多く出ておるのであります。むしろこれを民意を尊重するための口実に悪用されて飾るというふうにしか考えられないのでありますが、長官は個々の審議会委員会については御承知ないかもしれませんけれども、もしこれかわかることでありますならば、これらの審議会委員会等に対して諮問をせられたる事項がここで否決をせられて、ついに練り直しをやったという例がありますならば、この際お示しを願いたい。
  18. 根本龍太郎

    根本政府委員 今の片島委員の御質問に直接答えることにならぬかもしれませんが、御承知のように、審議会並びに委員会諮問する場合において、一つ成案を示して諮問する場合はほとんど少いのでございます。問題の項目だけをお示ししまして、それについて諮問をいたし、御答申をいただくというのが、ほとんど大部分でございます。またある場合にはさらに非常に概括的に、現在ここで御討議になっておりまする行政機構に対する諮問委員会のごときにおきましては、概括的に現在の日本行政組をどういうふうに改革すべきかというようなことでありまして、従いまして、政府が一案を作りまして、これがいいか悪いかというような諮問はいたしていないのでございます。従いまして、今御質問になりましたように政府から一つ成案を出して、それを否決されたということは、ほとんどその例が出てこないのでございます。なおまた、委員会において、あるいは審議会において御答申になりましたものにつきましては、そのまま政府がとるという場合と、そうでない場合もございます。これは性質上、諮問委員会でございますがゆえに、政府と全然独立してやっておりますがゆえに、これが法制化する場合においては、やはり政府責任においてしかも、関係各省との意見調整もございますので、若干の修正をされて、政府の具体的な法案として出る場合はございます。
  19. 片島港

    片島委員 成案委員会に示して審議をするという場合は非常に少いのでありますが、しかし項目を示して、その項目について行政府当局からどういう考えを持っておるかというその説明において、実は成案と同じような趣旨のものが説明をせられる。このたびの行政機構改革について私たちが非常に不愉快に感じましたのは、私は先般本会議においても質問を申し上げたのでありますが、日本における行政機構がいかにあるべきか、こういう諮問であったかと思うのです。その中には、大ざっぱに占領政策の行き過ぎであるとか、あるいは一般社会情勢経済情勢の変化に伴う当然の機種改革であるとかいうようなことが掲げてあるし、またそれは当然であろうかと思うのでありますが、だんだんと審議の過程を見て参りますと、実現可能というような言葉が出て参っておるのであります。私はこの点については倉石国務大臣にもお尋ねをしたのでありますが、実現可能ということをその委員会に申し上げますならば、どういう点が実現が可能であるか、答申をしても実現できないものを答申をしたのでは意味がないのであるから、答申をするならば実現のできるような答申をしてもらいたいというようなことになりまして、結局は政府考えておるそのもの答申案として採用せられるという結果になるのでありますが、これは行政機構改革調査会に限らず各委員会において当てはまる問題であって、たまたま事が非常に重要な問題でありましたために実現可能というような言葉が出てきた。これは行政府から調査会に対して、実はこれこれのことは実現可能であるぞということを耳打ちをして教えておるのと同じであります。こうなって参りますと、調査会そのものは何らの権威も何もないものになって参るのでありますが、これらの問題について長官はどうお考えになりますか。
  20. 根本龍太郎

    根本政府委員 行政機構改革審議会において実現可能という前提のもとに答申をしたという答申書になっておるのでありますが、それは今あなたが言われたごとくに、政府内容を示して、これならやり得る、だからこの程度にというような耳打ちをした結果ではないと私は信じております。御承知のように、行政機構改革に当りましては、観点を異にするに従って、いろいろのことが考えられるわけでございます。たとえば内政省を設けるというような答申が出ておるのでありますが、この場合において、現在の自治庁、あるいは建設省、農林省、あるいは運輸省、こういうふうに、ずっと以前においては非常に簡素に行われておったところの行政が、戦時中、あるいは占領下において分化された。これを統合する場合において、いわゆる社会事業を中心としてみた場合における観点と、それからまた地方自治と国政との関連を重点に置いてみた場合と、国土総合開発という観点に立ってみた場合と、これは可能性の問題からいたしますと、いろいろあると思います。けれども現在の日本の実情からしてみた場合において、むしろ内政省を作る方がいいという結論を出しておるようでありますが、しかし少数意見といたしましては、内政省については今日むしろとるべきではなく、場合によっては総合開発意味において、国土開発省というような意見もあるというふうに、少数意見といえどもやはりこれは示しておる次第でございます。従いまして、この点は決して政府のあるいはまた役人の意思を尊重して、あの権威ある審議会が左右されたものとはわれわれは信じていないのでございます。
  21. 片島港

    片島委員 私はこの審議会などが一つの大きな項目を示されて、それを審議をしてかくあるべしという答申をなすのが、これは正常な状態であって、もし長官のおっしゃるように実現不可能なようなものを出してもこれは意味がないのでありますから、耳打ちはしなかったけれども、実現可能なものを出した。しかし何が実現可能かということは、当然行政府の方から十分意向を聞きださなければできないのであります。実現可能なものは——これは何も行革の審議会ばかりでなくて、ほかの審議会なり委員会においても、日本財政状態なりに照らして実行が全然できないようなものを答申するということはあるべきではない。ところが、たとえば社会保障審議会社会福祉省を作るがよろしいとか、あるいは社会保障省を作ったがよろしい、こういうようなことを言う場合でも、これは実行不可能なことを言っておるのではなくて、機構改革に当然持ち込んでいける問題でありますが、これらの問題については、かりに実現が可能であっても、実行が可能であっても、政府の方ではこれを取り上げていかない。自分の方の政策に反するからこれを取り上げていかない。そうして自分の方の都合のいいところばかりこれを取り上げていく、こういうようなことが出てくる。私は審議会というもののあり方が、日本の全体の財政状態から見て当然実現不可能なものを並べ立てるということはどうかと思いますが、日本の現在の国情に照らしてこれならばやれるという観点から有能なる委員の諸君が考え出したものでありますから、その案は、かくあらねばならぬというものでなければならぬ、国情に照らしてこうあらなければならぬ、しかもこれは財政状態においてやっていけるというものであります。それを政府においては自分都合の悪いものはこれを取り上げずに、都合のいいものだけはこれを取り上げるということが、今日まで非常に多く行われておるのであるが、こうなっては委員会審議会というものの権威は失墜してしまうと思うのだが、委員会審議会の本来のあり方について、長官はどういうようなお考えを持っておられますか。
  22. 根本龍太郎

    根本政府委員 先ほどからあなたの方で言われますには、政府にいろいろ意見を聞く、諮問委員会委員がさらに政府職員意見を聞くとか、あるいはまたいろいろの政府の意のあるところをそんたくしてやっておるではないかというようなことを言われましたが、これは委員になられた方はその問題についての専門家ではありましても、必ずしも全体の他の諸般の問題について資科を十分持っていないという方丈もたくさんあるだろうと思います。そういう方々が、自分答申案を出すに当って必要とする参考資科を十分に集めるために、関係職員からその資料並びにその意見を聞くということは、決してその人の意見を採用するためのことではなくして、その委員自身が独自の判断をするために必要なる参考意見をその担当の職員から集めるということは、これは職務に忠実なるゆえんであって、何ら差しつかえないと存じます。  なおまた委員会あるいは審議会において答申せられたものが、直ちにそのまま政府に採用されないということは、審議会並びに委員会存立の意義がないんじゃないか、こういうふうな御意見がございますけれども、しかしながら御承知のように、審議会並びに委員会は、これは独立行政機関ではないのであります。どこまでも諮問機関でございます。従いまして政府はそういう審議会並びに委員会に、諮問に対してお答えを願いまして、そのお答えになりましたところの問題を十分に尊重いたしまして、政府が独自の責任において国会にその成案を得て、法律といたしまして、国民にその責任を明らかにするということでありまして、何らこれは委員会性格そのものを曲げるものではない、かように考えます。これはどの内閣になりましても当然のことでありまして、国会並びに国民に対して責任を負うものは行政府でございます。その意味におきまして、委員会あるいは審議会が直ちに国民責任を問うというわけでありませんから、これは政府任命し、政府がその意見を徴するために作ったことでございますから、その間矛盾はないものと信じておる次第でございます。
  23. 片島港

    片島委員 この審議会委員任命について、内閣及び総理府に設置せられるものについては、当然内閣総理大臣任命かと思いますが、各省に付置せられるものについては、これは各省大臣任命になっておるのでありますか。
  24. 根本龍太郎

    根本政府委員 これは各省に置くものでも法律によって規定された場合においては、その委員任命権者が明確になっておりますから、それがすなわち責任者でございます。しかしながら総括して、これは政府機関でございますから、究極的には政府の連帯の責任になる、こういう考えをいたしております。
  25. 片島港

    片島委員 私はこの委員会審議会について詳しい資料を持っておりませんので、なお調査の上、次の機会にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、あるいは次官会議とかあるいは各省の省議などにおいてきめられた問題については、これはおそらく調査が困難であろうと思いますが、法令によって設置されております委員会審議会について、現在どの程度動いておるものであるか、そうしてその委員会は今までどういう答申なりどれだけの仕事をやってきたものであるか、また今後もどういうふうにやるのであるか、これらの資料を私は一つ調査ができるならば、この委員会提出をしていただきたいと思うのであります。  なお委員の問題について重ねてお尋ねしたいのでありますが、このたび地方自治体等に付置せられておるいろいろな委員会委員等が、日当によってこれから支払われるように改正がなされようとしておるのでありますが、この中央に置かれる内閣及び各省における委員の待遇といいますか、給与といいますかそういう点はどういうふうになっておりますか、お伺いいたします。
  26. 根本龍太郎

    根本政府委員 これは法律によってきめられておる委員会でも、行政委員会のようなものについては、ちゃんと常勤者については俸給が明示されております。それから非常勤については、日当と申しますか、車馬賃と申しますか、こういうものが出ておるものもあります。それからほとんどそういうもののない、いわばこれは法律によらざるものが主でございますが、各省あるいは内閣等において閣議決定の事実上の機関として設置されているものにつきましては、ほとんど手当は出しておりません。ただしかし東京在住にあらざる方でおいでを願うときには旅費を支給する、こういうふうになっておりまして、この委員会並び審議会委員方々に対する俸給手当について統一した給与規程はないのでございます。各省まちまちの状況でございます。
  27. 片島港

    片島委員 審議会等の問題については資料をいただきましてからとして、後日に譲りたいと思いますが、現在これは週に一度でありますか、あるいは月に何回やるのでありますか、事務次官のいわゆる次官会議というものが行われている。この次官会議というものは何を根拠にして開催せられ、またどういう権限が与えられているものでありますか、お伺いしたい。
  28. 根本龍太郎

    根本政府委員 次官会議なるものの法律上の根拠につきましては、私はよく存じておりませんが、これは内閣制度ができて以来、事務次官は大臣の補佐の最高の事務官僚としての責任者でございます。従いまして閣議において決定せられる事前の事務的連絡会議であると承知しているのでございます。従いまして法律上どういう根拠においてこういうものが行われているかということではなくて、閣議の準備補佐機関の事務会議、かように解釈していただきたいと存ずる次第でございます。
  29. 片島港

    片島委員 今そういうように非常にあいまいな存在であるように言われておりますが、実は次官会議というのは相当重要なる任務を今日まで果して参っております。ほとんど次官会議で決定をすれば、その事項については閣議はそのままのみというような状態でありまして、この事務次官会議というのは非常なる権限を持って今日行われている。それが何らの法令上の根拠にも基かないで、ただ事務的に連絡するだけだというのでは、私はあまりにも大きな権限をこの次官会議に与え過ぎていると思うのであります。当然これは法制化するなり、何なりしなければ、こういうあいまいな法令上何らの根拠のない機関において、こういう重要な事項を審議させるということは、私はどうも不都合であると思うのでありますが、いかがでございますか。私特に申し上げておきたいのは、政務次官については政務次官会議というものがあるかどうか、そうしてどういうことを政務次官会議はやっているか。と申しますのは、政務次官にわれわれが接してきました場合に、ある政務次官のごときは、政務次官の任務というものはちゃんときまっている。きまっているにもかかわらず、全くの陳情係を勤めている。いろいろな陳情が来ているものを、あちらに飛びこちらに飛びして陳情係をやっている。またある政務次官になりますと、大臣より以上の発言をしている。委員会に参りましても、委員会において大臣が苦い顔をしておっても、どんどんやる。地方に行っても大きなラッパを吹く。これは私は担当大臣を知っているのでありますが、うちの次官はけしからぬから、ときどき委員会でとっちめてくれということを私たちは担当大臣から依頼をされることすらあるのであります。そういたしますと当然私は……。(「名前を言え」と呼ぶ者あり)ここにはおらぬけれども、床次さんあたり知っておるかもしれない。たくさんおるが一々言う必要はない。そういうように政務次官としての職務権限というものが非常に不統一であると思う。だから政務次官を今度たくさんおふやしになることには疑問を持っておるので、この点に  ついてはさらに追及したいと思いますが、事務次官が法令上何らの権限がないのにあのようなきちんとした機構を持って、現実に重大なる審議機関となって閣議の下ごしらえをしておるのに、政務次官はぶらぶら陳情係をやって、あちらこちら選挙民を案内して歩くかと思えば、ある政務次官は大臣の上に立ったような大きな顔をしていろいろやっておる、きわめて不統一であります。これをまたたくさんふやしたならばふやすほどますます不統一になると思いますが、政務次官の任務についてもう少し明確なる方針がないかどうか、この点事務次官会議の問題とあわせて御答弁を願いたい。
  30. 根本龍太郎

    根本政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、事務次官会議という会議そのものの法的規定はございません。しかしながら御承知のように、各省設置法、あるいは内閣法において明定されておるごとくに事務次官は大臣の補佐役でありまして、大臣の命を受けてその省に属する事務の総括に当っておるわけでございます。従いまして事務次官議は独立の権限は持っていないのであります。これは国事が内閣の意思決定の機関でありまして、その閣議決定の事前の行為としての連絡事務会でございます。従いまして事務次官会議は特定の権限を持っておるのではございません。閣議において決定もしくは了解されない場合においては、それは何らのあれはできないのでございます。政務次官はこれまた各省設置法に制定されておるごとくに、明確に大臣の補佐役として、しかも政務に対する補佐をやっておるのでございます。従いまして事務次官会議と異なった高い政治的な政策の立案、あるいはまた政策に関連いたしまして大臣の補佐をいたしておるのでございます。定例の政務次官会議も開催いたしております。これは軍務次官会議において取り上げられる問題のうち、特に重要なる政治的な問題について協議いたしておるのでございます。また事務問題でございましても特に政治的な問題として取り上げられる問題については、同じく政務次官会議において論議される。そうしてその場合においては、政務次官会議は私が主宰しております。事務次官会議も私が主宰するという立場でありまするが、大ていの場合は官房副長官が主宰してやっておる、こういう状況でございます。従いまして事務次官会議が非常に大きな権限を持って、政務次官会議は権限がないという  ようなことではございません。   なおまた政務次官の力の問題がここに出ておるようでありますが、政務次官は独立したものではございません。どこまでも大臣の補佐役でございます。従いまして大臣が大臣の権限において政務次官をどのように活用されるかということは、これは大臣の見識ということになるのであります。政務次官が大臣の上になるということは全然ございません。
  31. 片島港

    片島委員 大臣は大臣として、国務大臣であり、また各省庁の行政長官でありますから、これは非常に明確であります。たとい力のない人がそのポストにすわっても、それだけの権限を持って、非常に明確である。各省大臣ともそれぞれ同じような権限を持っておるのであります。また事務次官につきましては、非常に統一された仕事をやっております。ただいまも申し上げましたように、法令上権限がなくてもあれだけの大きな役割を果しておる。私が一番不可解なのは政務次官であります。政務次官を大臣の力量によっていかに使いこなすかというお話も出ましたが、なかなか自分が思うような政務次官を自分で勝手に任命するわけにはいかないので、やはり大臣がそれぞれの毛色の人が出てくると同じように、政務次官もそれぞれの毛色の方から選んで配置をされるために、大臣と次官とが多少毛並みの違うような配合がなされるということも今日においては非常に多いのであります。そういたしますならば、政治における大臣の最高の補佐機関であるならば、やはり事務次官と同じようにある程度統一をされた——職務権限について法律上は同じような権限であるかしらぬが、事実上において非常なる違いが出てくる、不統一が出てくる、こういうものはやはり法令によらなくても内閣として統一ある行動、職務権限を与えるべきである。大臣なり事務次官というのは非常に明確になっておるにかかわらず、政務次官というのは非常にその間において開きがあり過ぎる。これを私は何とか調整をする必要があると思うのであります。同時にまた閣議にかかるような問題について事務次官がいろいろと前に相談をするというのでありますが、閣議にかかるような問題であるならば、当事務次官の上に立つべき政務次官の会議においてもこれを取り扱うのが当然であると思うが、閣議にかかるべき問題が政務次官に相談をされておるかどうか、これらの問題についてもお伺いをいたしたい。
  32. 根本龍太郎

    根本政府委員 これは各省の内部事情でございます。大臣が特定の問題に  ついて政務次官に委託する場合もございます。しかしながら先ほど申しましたように、政務次官合会議においても、事務次官会議においても、会議体それ自体に対しては独立の権限はございません。閣議において決定もしくは了解されて初めてこれは政府の意思となるのでございます。そうでないものは各省間の事務を行うために単なる連絡をする、その便宜のために行なっておる、こう解釈してよろしいのであります。
  33. 片島港

    片島委員 そうじゃないのです。事務次官会議においてきまったことが閣議で決定される運びになったということはあるが、政務次官会議においてこういうことが決定をせられて、次の閣議にこれをかけることになったということは一回も新聞に出たことはない。だからそこにおいて実際上の権限においても非常に開きがあるのではないか、それと各省の内部事情と言われましたが、政務次官個々における仕事のしぶりに非常に不統一があるのではないか、この二点をお伺いしておるのです。
  34. 根本龍太郎

    根本政府委員 何回も申し上げたことでございますが、事務次官会議にかけて閣議に出るものは非常に政治的な問題のある場合もございますし、それから純然たる事務的なものもございます。従いまして閣議にかけるものはすべて重要ではございますけれども、これは主として各省との連絡係においてなさなければならないものがそうなります。それから政令等、これは各省関係があるというような問題で出て参るのでございます。各省において次官会議に出すもの、あるいは閣議にかけるものについては省内自身においてまず省議が行われるわけでございます。その際において重要なる事務並びに政務につきましては、当然これは大臣が政務次官にもその意見を聴し、また補佐を得ておるわけでございます。こういう関係でございまするから、政務次官会議がないがしろにされているということは全然ございません。むしろ政務次官会議などで問題になりますのは、実は事務次官会議でどうしても連絡、調整がとれない、これはどうしても政治的解決をしなければならない、閣僚同士の連絡でやらなきゃならぬ問題を、主として政務次官の連絡で政治的に解決するという場合にこれは大きな役割を演じております。なおまた対外関係の問題におきましても、大臣にかわって政治的な措置をしなきゃならぬというような問題、あるいはまた国会に対するところの問題等、これは致命に属することでございまするから事務次官はタッチさしてございません。御承知のように、事務次官はほとんど政府委員として答弁に当っておらないで、政府次官が大臣とともにいわゆる国の最高機関である国会に対する責任ある態度をとっておるわけでございます。従いまして法制上も実質上も政務次官は事務次官の上に立っておるという状況でございます。
  35. 片島港

    片島委員 ほとんど事務次官は政府委員になっておらないと言いますが、事務次官は一人も政府委員にはなってはおりませんか。しかしたとえば経理局長とかあるいは部長など、場合によれば課長でも政府委員になっております。これはもちろん事務官僚であります。私はいろいろなことをお尋ねする場合に、部長なり局長よりも事務次官の方が実際は上司であり、それを総括しておるのであって、ここへきて答弁をしてもらう場合には、政務次官よりも事務次官に出てもらった方がよっぽどいい場合が多い。ところが、事務次官は説明員で、政府委員ではありませんからなかなか出てこない。政務次官よりもむしろ詳しい、また実際その答弁についても私たちは信用をおいておる、ところがそれが出てこないのであります。私はこの点については一つ政府の方で考え直していただいて、何もそういつも出なくてもいいから、やはり事務次官も政府委員としてやった方がいい。連絡員がつけておるバッチで、説明員の姿で出てくるのは格好も悪いだろうし、むしろ政府委員任命してもらった方がいいと思う。ただ申し上げておきたいのは、国会政府との連絡調整に当るのが政務次官の任務でありながら、たとえていいますと、地方自治法が非常に難行いたしております場合に、担当の政務次官がその連絡調整の任に当っておらないということを、私は昨日実はある委員会で明言したのでありますが、そういうふうに政務次官というものは法規上明確になっておりますけれども、実際上仕事をやっておるやり方が不統一であり不十分である。これは内閣において、政府において、もう少し明確なる権限なり行動が指示できるように、また実際やらせるように何とか考えていただきたいと思うのであります。なおこの法案審議に入りまして、複数の政務次官も置かれるので、この権限等がさらに重要な問題になって参りますので、その法案内容審議に入りまして、さらに長官の御答弁をわずらわすことにしまして、私は本日はこの程度にとどめておきます。
  36. 山本粂吉

    山本委員長 暫時休憩いたします。     午後零時五分休憩      ————◇—————   〔休憩後は開会に至らなかった〕