○
西村(力)
委員 ただ
調査をすると仰せられるけれども、
調査をするに踏み出す限り、
改正の
方向というものは当然持っていらっしゃるはずなんです。だからその玖正の
方向が実際に
国民の
福祉にどう影響するだろうかということを
確信を持って打ち出さなければならぬのじゃないか。単に
改正するかしないかということを
調査するということではなくて、実際企図せられておることは、
改正をこうやるんだ、そのためにその民主的な手続として一応
調査会を作ってやるんだ、こういうことになっておるのですから、必ずや
国家の
繁栄、
国民の
利益のために効果をもたらすだろう、こういう漠たる期待ではなくて、やはり実際の
確信に満ちた
見通しというものをわれわれは持ってかからなければならぬ。はっきりそれを
国民に示していかなければならぬ。そうしないで、ただ押しつけられた
憲法だからといって、低俗な
民族感情のごく一部分をゆすぶって
憲法改正を押し切ろうというような簡単な行き方ではいけないと思う。やはり
憲法を
改正することによって
国民の安全、
利益というものはこのように向上し得るんだという点を一応
国民に示していく。単なる
言葉ではなく示していくということがぜひ必要だと思うのです。今、
憲法に対する
国民の
関心は、私から見るとまだまだ薄い。これは
明治憲法の罪悪だ。
欽定憲法というわけで、われわれはそれには一指だも触れない。
明治憲法はわれわれのものじゃなかったんだ。そういう長い
生活をさせられたために、このたびの
憲法を喜んで、明るい
見通しを持って迎えたけれども、まだ多くの
国民は、
憲法はおれ
たちのものだという
認識が十分でない、こう思うのです。それを
改正するのでございますが、とにかくもっと
関心を持たせる。それにはやはり現段階に当ってはかくかくのごとく
憲法を
改正することによって
成果は期待せられるんだということを、
国民に示すことがぜひ必要であると私は思うのです。単に
言葉で期待し得られるだろうと言われても、それだけでいただくわけには参らないということになるのではないかと思うのです。もう少し、
一つ本気な
考えを聞かせてもらいたい。