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西村(力)
委員 そういう期待はこれは望ましいことでございましょうけれども、実際にそういうほんとうにある
程度の
防衛力ができて、
あとは
日本の独自の立場で交渉して、そして何らその後の
日本の
防衛力というものに対する拘束を受けずに、さあ帰って下さいといって、向うが了承して帰るなんということは、これはだれも本気にはしないことであろうと思うのです。それを本気にさせるには、もっともっと大きな形の
国民的な運動というものがこれを決定づけるのであって、今のような方法でもってそういう安易な
考え方を成就し得られるなどということは、とうてい私
たちは
考えられないところなのでございます。それは幾ら繰り返しても何でございましょうが、私
たち思うには、やっぱり
日本の
自衛隊ができて、
アメリカさんも長く
日本におってもしょうがないということになって帰るという段階では、
日本の
自衛隊は、やっぱりあくまでも
アメリカの世界政策の一環としての拘束力をがっちりと置いて、それからでないと行かないであろう。それに対処する
日本の国策というものは、やっぱり立てられなければならないのだ。こういうことをはっきり、保守党のあなた方であろうと、革新政党のわれわれであろうと、真剣に
考えていかなければならない。
独立に向って、むしろ
独立以上の拘束をわれわれが受けていく危険性が多分にあり得るだろうと思うのです。その点を私は、言いたいのであります。
あとこまかい点についてはいろいろお聞きしたい点がありますけれども、私内閣
委員会に今回初めて参りましたので、
一つ御苦労でも
防衛庁の方に資料の提出をお願い申し上げたいと思うわけでございます。その
一つは、現在
日本の国にある
自衛隊——
海上自衛隊、航空関係のもの全部を含めて、その演習場、
基地というものは全国的にどういう工合に配置されて、どういう工合に人員が配分されておるか、こういう資料が
一つ。それから今年度の拡張予定——青森に混成団の本部が置かれると書いてありますが、それとともに、青森だけではないので、そのほか各
方面に予定される新規の
計画がおありだろうと思う。それを全部提出していただきたい。それから現在の
自衛隊の教育
計画、これを教育
計画の基本
目標——昔でいうと何とか典範とか、何とか操典とか、ああいうような基本
目標から、具体的にどういう施設で、どういう機構で教育が現在進められておるか、この点が
日本の
自衛隊がほんとうに
日本人の誇りにかけた
日本の
防衛力になるかどうかという重要なる
意味を持つものであろうと思う。それでその教育
計画の全般についての資料を
一ついただきたい。以上二点の資料を要求いたします。
それからその次にお聞きしたいのは、調達業務を
防衛庁に移管することが、今回の
防衛庁設置法の一部改正に出ておりますが、この調達関係は、直接調達、あるいは調達庁を経由しての調達、
防衛庁を通しての調達、そういうような工合にあるだろうと思うのでございますが、私
たち考えますに、前のあやまった大東ア
戦争の場合における
日本軍の直接参調達、ああいうようなことを
考えた場合に、あるいはその他占領当初の
アメリカ軍の調達状況、そういうところを
考えた場合において、直接調達ということは相当問題を起すのではないだろうかということを
考えられるわけなんであります。現在の調達庁の調達にしても、
国民の権利を侵害するという抵抗にあってなかなか困難でありますけれども、
防衛庁が調達を行う段階になって、どういう変貌を来たすであろうかということに非常な懸念を持つ者であります。
一つは
防衛庁の事務というものは、
米軍の調達業務に営々として奉仕するというような工合になって、
自衛隊の、あるいは
防衛庁の任務に性格的な変化を来たすのではないだろうかということ。それからこの調達を受ける
日本の
国民が権利を守るという立場においてあるおそれを感ずるのではないだろうか。
日本の
国民はまだまだ昔の事大主義的な、あるいは権力に対する恐怖、そういうものが大きく残っておる。そういう場合において、調達庁の役人ですとまださほどでもないけれども、
防衛庁という、
軍隊というバックを持つそれがやることによって、
国民の権利を守ろうとする気持に対するある
精神的なというか、
一つの違った相当の圧迫感を与えるのではないだろうかと思う。そういう調達業務全般が今
政府において変えられて、
防衛庁に移ろうとして法案が固まっておるようでありますが、今私が申し上げた懸念とそれに対する検討、そういう点はどのようになされて参りましたか。それを
一つ長官からでも、あるいは直接担当された方からでもお聞かせ願いたいと思います。