○茜ケ久保
委員 官房
長官は今はっきり断言されましたが、私どもは決してそういったことを春季闘争の問題にこじつけて言うわけじゃない。今やまさに春季闘争が
相当熾烈な段階に入ろうとしているこの場合、せんだっても
政府としはて官公労に対して警告を発しないということを社会党にはっきり約束されている。にもかかわらず
政府は、やはりああいう声明を出し、官公労の責任者に文書をもって通告なさっている。こういうふうに、いわゆるわれわれと
話し合いの過程においては、断じてしないしないと言いながら、すぐその言葉がかわかぬうちに、別な角度から弾圧を加えるようなことをなさっておる。そういう際に行われた放送討論会において、官房
長官がこういう発言をされることは、これは官房
長官いかに弁解されましても、やはり一般の受ける印象というものは、これは私がこじつけて聞くのではなくて、当然一般の
人たちが感じている。
政府は何か今度の春季闘争に対して、権力をもって、しかもいわゆる
自衛隊といったような具体的な
一つの、今どこへも使い道のないものだから、せっかく作ったけれども使い道がない、使いものにならぬこういった
自衛隊を、争議のいわゆる弾圧に持ってくるほかないというようなことを印象づける、こういった観点があるのです。あるから世間では非常に重要視している。私が先ほど指摘したように、
船田長官は自民党の総務会でやはり同じような発言をなさったということを聞いて、同僚の西村
委員が、先般の
委員会で詰問したところ、
長官はそんなことを言った覚えはないとしている。私が自民党所属の新聞記者諸君に会って話すというと、確かに言ったと言う。新聞に出るとあわててそういうことはないとおっしゃる。逆に社会党や総評が何かやるとなると、新聞に出る、すぐに
政府の皆さんは、新聞はこう書いていると、新聞のためにして、いろいろなことを灰になさる。自分の都合のいいことはみんなそのままで、悪いことはみんな捨ててしまう。こういうことがありますから、今重要な時期でありますから、私はこの問題をお聞きするのですが、しかし官房
長官が絶対にそういうことがないと断言されるなら、ここではさらに深追いはいたしません。しかし私どもの最近感ずるところでは、
政府の部内に、やはりそういった
自衛隊を平時において国内で何か出動させてもいいのだ、また出動させることが当然であるといったような考え方があるのじゃないか。それはこの
自衛隊法に基きますと、確かに地方
長官なりが要請すれば出るという条文はございます。これは昔の軍隊にもありましたが、昔の軍隊ですら、あの軍閥が専横をきわめた時代ですら、そう国内において軍隊の出動した例はないのであります。そういう際に、条文にあるから万全の策を講ずるということはおっしゃってもよろしいでしょう。おっしゃってもよろしいけれども、事態がこのような事態に際して、そのようなことをはっきりおっしゃることは、これは一般に大きな危惧を与える。当然であります。従いまして、そういうことはあるけれども、それは絶対してはならぬ、またすべきでないということならいいが、先ほどの
長官の言葉は、私は断固としてそういう万全の策を講ずるのだと、非常に積極的な態度の御発言だったと思う。やはりそういうことなら、こういった発言が一般国民に与えあるいはわれわれ勤労者に与える非常に強いものを持っておる。そこで私はもうくどく申しません。鳩山内閣は、
自衛隊を持っておるけれども、また条文にはこうあるけれども、どんな事態であっても、絶対に
自衛隊を平時において国内に発動させるということは、断固としてないという強い否定の言葉があれば、一応ここではこの発言に対して了承しますけれども、そうでない限りは、やはり私どもは現在の
政府部内にそういった
一つの思想が流れておるということをもう看過できないと思うのでありますが、
一つ最後に官房
長官から、
政府を代表した発言として、これに対する確固たる御所見を表明してもらいたい。