○大野
参考人 料金の値下げをいたしました結果、概算いたしまして年間四億円の減収になるであろうという予想を立てましたのは、実は三十
年度の実績を土台にいたしまして、それに引き当ててみれば大体そういう数字になるであろうというふうに見込みを立てたわけでございます。ところが最近に第七期の決算がようやくまとまりかけておりますが、それを見ますと、非常に営業の状態は
改善されております。もっともこの第七期と申しますのは、本年の四月から九月までの期間でありまして、料金の値下げが
実施されますのは、先ほど申し上げましたかと思いますが十一月からでございます。そういうわけでありますから、この第七期には値下げの影響は現われていないのでありますから、営業の状態がいいということはもちろん当然でありますが、ここで大事な点は、私どもが当初料金の値下げ案を
検討しておりました当時に、大体電報の需要の
増加趨勢というものがどのくらいあるであろうかという点であったわけであります。これはまあ非常にむずかしい問題になりますけれども、大体過去の実勢から推しはかって、このくらいは
増加すると見込んでも差しつかえないのじゃないかと思われたのは、大体二%くらいであったのであります。ところが実際はそれをはるかに上回っておりました。それが当時においては予測できなかったいい結果が現われたわけでありますが、その状況は昨今のいろいろな情勢を勘案して
考えますと、ずっと引き続き期待してもよさそうに思われます。そういうことを織り込みまして、八期の収支がどのくらいになるであろうか。八期と申しますのは本年九月から来年の三月でありますが、それを大体見込んでみますと、なるほど確かに減収は年間にいたしますと四億、言いかえますと一期二億円ということでございますけれども、それは伸びたであろう収益がなるほど二億へっこみますけれども、その収益の伸びがかなりようございますから、かれこれ
考え合せますと、七期、八期を比較すると若干これはどうしても収入減は避け得ないのでございます。七期一期と八期一期だけの収入の状態を比較してみますと、それほど大きな減収には事実ならない。これは言いかえますと、非常にむずかしい問題でございますが、たとえば七期が一〇〇の収入であった。われわれの予想では八期は一一〇に伸びる。これは
一つの例でございますが、八期は一一〇に伸びるはずである。それが実際は今の料金値下げでこれが一〇〇を割って、九五とか九六に落ちるはずであるというような場合、これが実際は今申しました
通り、見込みの問題ではありますけれども七期は一〇〇であった、八期はおそらく九六、七くらいまではいくのじゃないか、こういうことになります。そうすると七期、八期を比較しますと、その減収は二とか三とかあるいは四とか、そういうことになりまして、当初
予定されました一一〇との比較では大きいのでありますけれども、前期と比較しますと実績ではそれほどの減収にならないということが期待できるのではないかと、これは少し楽観過ぎる見方かもしれませんけれども、まだやってみないことでありますから何とも申せませんが、まずまずそういうことを
考え合せますと、相当に
事業増が予想以上に伸びがよかったということから
考え合せまして、実績の減収は——実績の減収と申しますか、前期、前々期と比較しての減収は、それほどのものではない。今申します四億というのは、これだけの収入があるであろうという、あるべき収入との比較でございます。今、後に申しましたのは、実際にあった収入との比較でございます。多いとか少いということは、この辺は非常に言いにくいのでございますが、まあそういう意味で、実績と比較しますとそう大きな減収はなさそうだという見込みが大体立ちそうであります。やや楽観過ぎるかもしれませんが、今も申しました
通りそういうわけでありますから、配当その他の問題は、先ほど社長の申し上げました
通り、八分の持続には何らの懸念はございません。また他の
経費その他におきましても、必要
経費を処弁するのにいささかも不自由を感ずることはないというふうに
考えております。