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1955-12-23 第24回国会 衆議院 逓信委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年十二月二十三日(金曜日)     午前十一時七分開議  出席委員    委員長 松前 重義君    理事 愛知 揆一君 理事 秋田 大助君    理事 小泉 純也君 理事 廣瀬 正雄君    理事 井手 以誠君 理事 松井 政吉君       宇田 耕一君    川崎末五郎君       塚田十一郎君    中曽根康弘君       濱地 文平君    原   茂君       前田榮之助君    森本  靖君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 村上  勇君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  松田 英一君         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君         郵政事務官         (貯金局長)  成松  馨君         郵政事務官         (簡易保険局         長)      小野 吉郎君         郵政事務官         (経理局長)  八藤 東禧君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社経理局主計課         長       高橋 達男君         専  門  員 吉田 弘苗君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  委員派遣承認申請に関する件  郵政事業に関する件  電気通信事業に関する件     ―――――――――――――
  2. 松前重義

    松前委員長 これより会議を開きます。  まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。今会期におきましても、当委員会所管事項について、議長承認を得て、国政に関する調査を進めたいと思います。つきましては、郵政事業郵政監察及び郵政省所管行政事務改善をはかるため、前国会通り、第一、郵政事業に関する事項、第二、郵政監察に関する事項、第三、電気通信に関する事項、第四、電波監理及び放送に関する事項の各事項について調査をすることといたし、その他衆議院規則第九十四条に規定する事項については、委員長に御一任を願って、議長承認を求めたいと存じまするが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
  4. 松前重義

    松前委員長 次に委員派遣承認要求の件についてお諮りいたします。  ただいま決定いたしました国政調査要求につきましては、間もなく議長承認があることと思いますので、ただいまの調査事項のうちで、この年末年始の自然休会中を利用して、特に郵便貯金簡易生命保険郵便年金の成績、町村合併に伴う郵便集配及び電話施設整備状況放送事業経営状況マイクロウェーブ施設状況等について、現地に委員派遣して実情を調査いたしたいと思います。  つきましては、派遣委員の選定、派遣期間派遣地等委員長に御一任願、まして、議長承認を求めたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松前重義

    松前委員長 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。  暫時休憩いたします。     午前十一時九分休憩      ――――◇―――――     午前十一時五十分開議
  6. 松前重義

    松前委員長 先刻に引き続きまして委員会を再開いたします。  これより昭和三十一年度以降の郵便局舎改善計画窓口一元化等の問題について調査を進めます。質疑を許します。井手以誠君
  7. 井手以誠

    井手委員 前国会におきまして当委員会から質問をいたしました三つの当面の重要問題について、国会も改まりましたので、あらためて郵政大臣から当局所信を御表明願いたいと存じます。  その第一は、去る第二十二国会における簡易保険郵便年令積立金運用に関する法律の改正をめぐりまして、当委員会の強い要求によってまとまりました、積立金運用総額の三%を郵便局舎改築に振り向けるという、大蔵大臣了解の上に委員会でなされました郵政大臣言明は、私どもこれをかたく信じてはおりますけれども、今ちょうど明年度予算編成の時期にもなっておりますし、この問題は当局責任に関する重要問題でありますとともに、当委員会においても、国会の権威にかけて実現しなくてはならない事案でございますので、この際大臣所信表明を願うことが第一点であります。  第二は、去る二十三臨時国会において当委員会で論議されました郵便貯金減少、これは郵政事業にとってはゆゆしい事態であります。いかにして郵便貯金減少を食いとめて、さらにこれを伸ばしていくかということは、大きな問題でありまするし、具体的にその対策樹立方を当委員会要望を、いたしておりましたので、この際第二点として、大臣方針を承わりたいのであります。  第三点といたしましては、最近建設されつつあります郵便局舎電電公社との建設を、ある種の機関を設けて連絡をとるように御配慮を願いたい。と同時に、郵便局に参りましても電信電話取扱いができないのでは困る事態に相なりまするので、郵便局においても電信電話取扱いができるように、すなわち窓口の一本化についても、去る臨時国会において本委員会が強く要望いたしておりますので、この点についても大臣からその具体的方針について承知いたしたいと存ずる次第であります。以上三点、大臣にお伺いいたします。
  8. 村上勇

    村上国務大臣 局舎改築あるいは新築につきましては、去る国会において御答弁申し上げましたように、郵政当局といたしましては、簡保の三%というものをこれに充てるという、その方針には何ら変りありませんし、またその三%につきましては、すでに大蔵当局と慎重に検討して参ったので、大体今日までの交渉過程におきましては、これが可能性は十分あると思っております。しかしまだ大蔵当局から予算内示も今日までありませんので、近くこの点についての内示もあることと思います。万一当委員会におきまする附帯決議によってのあの御希望が、大蔵当局によって阻止されるようなことがありといたしますならば、私はどこまでも力の限りを尽してこれが要求を実現したい、かように思っておる次第であります。その他、運用部資金流用等につきましても、局舎修改築あるいは建築につきましても、十分省といたしましては力を注ぎたいという意味において、これらの予算措置について強く大蔵当局要望して、ぜひともその実現を期したいと思っておる次第であります。  第二点の郵便貯金減少をいかにして食いとめるか、この対策があるかという御質問に対しましては、私ども省内においてあらゆる協議を続けておりますが、これはなかなかいい知恵も出ないのであります。しかしいずれにいたしましても、国民の目を少くも郵便貯金に向けてもらうように、この郵貯の公共的な大きな役割を認識してもらうということも、これは大事なことだろうと思っておりますが、貯蓄奨励方法につきまして何とかもう少し検討を加えていきたい。もちろん人員をふやしてこれが勧誘を積極的にやるということも大事でありますし、またいささかの予算をここに計上して、抽せん等により何かある程度の加入者優遇策等、いろいろなことを今検討中であります。この点は御指摘通りに非常に大事なことで、この貯金減少ということは直接間接に国のあらゆる施設の上に影響のあることでありますので、十分検討してこれが減少を食いとめたい、かように目下対策を考究中であります。第三点の、郵便電信電話取扱いについて不便を来たすから窓口を一本化せよということにつきましては、これは私ども全く同感であります。従って公社とも緊密な連絡をとって、普通郵便局等におきましても、できる限り郵便局舎電電公社敷地等につきましても接近せしめるように努めたいと思います。なおこの点に関しまして何らかの委員会と申しますか、何かそういう一つ調査機関を設けて、ほんとうに御指摘の点が十分行われるように努力いたしたい、かように思っておるのであります。具体的なことにつきましては、事務当局から答弁いたさせたいと存じます。
  9. 井手以誠

    井手委員 実は本日村上大臣からはもっと具体的に対策の御表明があるものと期待いたしておったのであります。このことは何回も当委員会から具体的に答弁されたいという要望をいたしておりましたし、すでにその用意があることだと信じておるのであります。後刻事務当局から御答弁があるかもしれませんけれども、こういう重大な問題についてはなるべく大臣から言明のあることが、委員会のあり方として正しいと信じておるのであります。特に局舎改築の問題については、大臣可能性は十分あるものと思うという御答弁がありましたが、十分あるどころではなくて、これは当然、絶対的にあらねばならぬはずのものであります。私はこの問題に対する大臣のかねがねの熱意を承知いたしておりますから、言葉じりをとらえようとは考えておりません。職を賭してでも百分の三は確保するという決意を新たにしてもらうことを、特に要望申し上げる次第であります。  そこで私はこの際なるべく大臣からがいいのですが、この局舎の問題について、先般早稻田委員から御要望がありました長期改築計画を具体的にお示し願いたいのであります。あわせて先刻の質問の第二点と第三点、郵便貯金についてはけさ新聞にも金利について具体的に出ておったようであります。出ておってもなおこの委員会で、正式決定がないから言えないということは言えるものではないと思う。新聞に出た以上、大体このように考えておるということぐらいは言えないはずがないと私は思うのでありまして郵便貯金対策についても当局で考えておることをこの際発表願いたいと思います。  さらに窓口の一本化については何回も申し上げたことではありますし、当局においては具体的に対策を立ててあるようでありますから、これらのものをあわせて、どうしても大臣工合が悪いならば、それにかわる責任者でけっこうでありますから、第一は局舎の問題、第二は郵便貯金の問題、第三はただいまの郵政業務の一本化ということについて、一つ具体的に御発表願いたいと存じます。
  10. 八藤東禧

    ○八藤説明員 遅参いたしまして御質問の御趣旨について聞き漏らしておるところがあるかと存じますが、お尋ねの要旨は、現在における局舎改築計画進捗状況等に関することと存じます。先般本委員会におきまして老朽局舎緊急改善に関する御決議等がいろいろありましたが、幸いに御指導御協力のもと、三十年度を第一年度といたします郵便局舎等緊急改善計画というものの大綱を郵政省として持つことができました。三十年度予算におきましては、その第一年度といたしまして総額といたしますれば三十四億何がし、この金額は戦後においてはおそらく建設関係としては最高の金額と思いますが、官庁営繕その他がほとんど絶望状態に近い際に、かかる金額をもって第一年度を出発いたしましたことにつきましては、私ども事務当局といたしましてはまことに感謝申し上げる次第でございます。  計画の大体の要綱といたしましては、昭和三十年度を第一年度といたしまして、新増築する郵便局舎千四百五十四局、またこの新増築のために所要土地といたしまして買収いたします個所が千八十五カ所、約二十一万坪、これは土地買収でございます。そのほかに局舎の新増築といたしまして、先ほど申し上げました千四百五十四局に関する建坪約二十万坪というものを予定しておった次第でございまして、三十年度、第一年度の三十四億何がしの予算をもちまして、八十一局の新増築、九十二カ所の土地買収、大体これを目安としてただいま進行中でございます。その具体的な状況につきましては、あるいは後ほど御説明する機会があるかと存じますが、おおむね順調にただいまのところは進んでおるように私どもとして考えております。ただいま申し上げました緊急改善計画を八カ年間にこれだけやろう、第一年度はそうでございます。第一年度といたしまして、私どもはただいま財務当局に提出しておりまするところの三十一年度予算概算要求書で、約五十五億円を概算要求しておる次第であります。その五十五億円によりまして、郵便局だけについて申し上げますれば百三十二局の新増設を行いたい、土地としては百六十五カ所ほどの買収をいたしたい、それの所要金額がこの五十五億の大部分を占める金額と相なっております。この五十五億円の財源と申しますか、財政上の計画といたしますると、約二十五億円はいわゆる自己資金でまかない得るのではなかろうか、かように考えておる次第であります。他の余すところ三十億円は外部資金、いわゆる借り入れによってまかなわざるを得ない、かようなめどをつけておる次第であります。自己資金の大体の目安の内訳といたしますれば、御承知のように郵便貯金特別会計簡易保険及び年金特別会計から、過去におきましてもそれぞれ設備負担金というのを繰り入れてもらっている次第でありまするが、この三十一年度の概算要求におきましては大体十四億円前後というものを、両会計において負担してもらいまして、設備負担金の繰り入れをしてもらいたい。残る十一億円ほどが減価償却積立金、それと概算要求の正面には出しておりませんが、おおむね五億円くらいほ最低限度会計剰余金というものが三十一年度に予想せられるであろう、これは簡単に申しますれば利益金でございますが、合せて二十五億の自己資金、それからあとの三十億円の借入金でございますが、おそらく明年度一般公債ということにつきましては、大蔵財務当局もなかなか在来方針を変えないということがありまして、簡保及び預金部資金借入金をもってまかないたい、かように考えておる次第であります。  つきましては、先般簡易保険法改正当時におきまして、当委員会において力強い御決議がございまして、今後郵便局舎緊急改善については、当該年度簡保資金運用総額の三%を下らざる金額を回すようにという御決議をいただいた次第でございまして、一銭一厘も間違いない計算ということにはならないのでございますが、御精神と御趣旨に沿いまするならば、この三十億の借り入れのうち、簡保年金明年度の大ざっぱな金額を計算いたしますと十五億円、これがただいまの御決議のあれにもなりまするし、私どもとして来年は三十億円中十五億円を下らざる金額をもって簡保から借り入れるとしますれば、あと残り預金部資金から参るか、あるいは簡保にさらにお願いするか、それはいよいよ決定した段階において具体的にきまっていくだろうと思っております。はなはだ簡単でございますが、内容につきましては以上の通りでございます。
  11. 成松馨

    成松説明員 郵便貯金の伸びの問題につきましては、郵便貯金利用者の客観的な経済条件によることも非常に多いと思うのでありますが、私どもといたしましても、郵便貯金国民一般方たちから非常に親しまれて利用されるということが、一番大切だろうと考えるのであります。そういう意味から、従来よりも増して貯金局が親しまれるためには、郵便局におけるサービス向上といったようなものが非常に大切であろう、こう考えますので、サービス向上に従来以上の努力を向けていきたいと考えております。なお周知宣伝といったような問題につきましても、いろいろ足らざる点についての御批判等もございますので、周知宣伝についてなお一そう努力を傾けていきたいと考えております。  次に、何と申しましても郵便貯金がどのように利用されておるかということを、よく国民人たちにも理解してもらうことが必要であろうという点から、前の委員会のときにも申し上げたのでございますが、やはり郵便貯金資金運用部から融資された方面が、郵便貯金からできておるものであるといったようなことをよく理解してもらうと同時に、この点においても郵便貯金の使命の重要さといったようなものについて協力してもらうことが必要であると感ずるのでありますが、本年行いました運動に引き続きまして、その影響をもっと大きくしていきたいと考えております。  なお私どもの方でも、従来団体貯金結成ということには非常に力強く運動を進めておるのでありますが、私どもの見るところでは、なおなおこの団体貯金結成については一そう充実せしめる余地があるし、またその必要を感じますので、この方面にも強力な運動を進めていきたいと考えております。  以上、私どもの内部的な仕事のやり方について反省をすると同時に、一そうこれを拡充していきたいという方面について申し上げたのでありますが、何と申しましても一般経済状態が安定して参りますると、金利といったような方面についても相当業者の関心が向けられることは事実でありますので、この点について考えてみますと定額貯金等におきましては民間金融機関と比べてみまして、利子に対する課税免除が行われて以来かなりの開きがありますので、その点についても一般の民需の問題との関連において相当重要な問題であるとは考えるのでありますが、何とか郵便貯金においても民間金融機関金利と同等なところまで持っていくことが必要ではなかろうか、こう考えまして事務的にいろいろ検討を続けておるところでございます。
  12. 松田英一

    松田説明員 郵便局電信電話局舎をなるべく近接させるという事柄につきましては、ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、そういう趣旨はけつこうだと思っておりますが、前の国会井手委員からもお話がございましたように、郵便局の性質としてにぎやかなところへ出なければならないということと、電信電話の方は必ずしもその必要がなくて、むしろ地理的条件等経済的見地からそこまでいけないという問題もございますので、双方条件の許します範囲でなるべく近接させるということでお互いに相談をするということにいたしまして、現在各地方郵政局とそれから地方電気通信局との間に共用の局舎に関する連絡委員会がございます。これを利用いたしまして、お互いにこの問題について連絡協議をいたしまして、御趣旨に沿うような工合に取り計らっていきたいと思います。  それから窓口の一本化の問題になりますが、この問題につきましてはまことにごもっともな次第でございまして、郵便局電報も打てるし電話もかけられるという方向で、これを解決していきたいと思います。そしてそれを実施いたしますためには、郵政省の方の郵務局電電公社の方の営業局、それに電気通信監理官が入りまして委員会を作りまして、ここでその実行促進をはかって参りたいというふうに考えておる次第でございます。現在郵便局通話事務をまだ開始していない局は、普通加入区域内で普通郵便局が三百二十二局、それは共同局舎は除いておりますが、それと特定郵便局で二百七十一局、このうち電話がついていないという局が九十一局あるわけでございます。それから加入区域外では特定郵便局が約十二局、それもまだ電話が全然ついていないという局が十局ございます。それから電報取扱いを開始していない局といたしましては、普通局で三百四十一局、特定局で千四百五十一局、こういうふうな状況になっておりますので、ことに電話のついていない局なんかは電話をつけていくということから問題でございますし、これだけの局に対して直ちに全般にわたって実施するということは困難かと思いますけれども、なるべく早くそういう方向で解決していきたいと考えておる次第でございます。
  13. 井手以誠

    井手委員 大体一通り承わりましたが、おそらく答弁なさった方もお感じになっているだろうと思いますが、どうも抽象論で私は困っておるのであります。そこで私は重ねてお伺いいたしますが、郵便局舎緊急改善計画、三十年度を第一年度とし、出発されるそうでありますが、三十年度は三十四億、三十一年度は五十五億、それに長期計画総体から考えますと、この計画では緊急改善にも相当長期間を要するようであります。もちろん簡保の三%を含んではおるようでありますが、先般郵務局長に聞いたところでは六カ年計画であるとか八カ年計画であるとかという話もございました。また大蔵省と交渉する場合には、何年には幾らという確たる裏づけを持ってやらなくては、私は交渉にもなるまいと考えております。当然何年度には幾ら、五年目には幾らという計画がなければならぬと思うのです。総体をきめて徐々になるべくよけいにということでは、交渉もうまくいかぬのではないかと思う。そこで当局は何カ年間で緊急改善を完了なさる御意思であるか。希望ではなくて確たる信念をお伺いしたい。それと同時に先般の当委員会における決議もありますし、この改築計画の中に普通局特定局はどういう比率になって計画が進められておるのか、この点を承わっておきたいと存じます。おそらく半々ぐらいになっておるだろうとは存じますけれども、念のためにお伺いをいたしておきます。  それから貯金の問題については、これは大臣一つお聞きを願いたい。けさ新聞にも定額貯金は二厘程度引き上げる、郵政省はそういうふうに考慮しておるという記事が大きく載っている。もちろんあなたの方から発表されたものではございませんでしよう。しかし新聞にこれほど具体的に出る以上は、研究も進められておるはずであります。また新聞に大きくトップ記事になるほどに郵貯の動きについては関心が強いはずであります。そこでこの際重ねて教科書みたいな答弁は要りませんから、この一番肝心の利子の引き上げということについて、決定ではないでしようけれども大臣からこの機会に発表願いたいと存じます。  それから第三の窓口の問題ですが、努力努力するということではなくして、基本方針をはっきりここで明示してもらいたい。大体いつごろからこれを実施するか、郵政省電電公社の間にはいろいろ事務的に折衝すべき点は多々あろうとは存じますけれども方針だけはこの際はっきり示してもらいたい。実現するよう努力するということではなくして、大体何月からその方針で実施をいたします、こういうことに私はお願いしたい。少くとも普通局においてはまだ相当数電話電報を取り扱っていない局もあるようでありますので、基本方針だけは一つこの際はっきりしておいていただきたい。以上三点重ねて御質問申し上げます。
  14. 村上勇

    村上国務大臣 先ほど貯金局長から御答弁いたしましたように、私どもとしては貯金の伸び悩みについては非常に心配いたしておるのであります。従いましてあらゆる角度からこれを検討して参りました結果、ただいま御指摘のような点についても一応考慮しておく必要があるのじゃないか、もとより今日の市中の金融状態を見ますと、相当金利の引き下げをやりつつあるようにもうかがえるのでありますが、われわれとしては郵便貯蓄金利との均衡を考えて一応研究してみたい、かような研究過程にあるのでありまして、ただいま私がこういうふうにやるのだ、あるいはこうするのだというようなところまでにはなっておりません。     〔委員長退席井手委員長代理着席〕 従いまして大蔵当局その他の関係方面との交渉も開始しておるということには至っておらないのであります。この点御了承願いたいと思います。
  15. 八藤東禧

    ○八藤説明員 ただいま井手委員からお尋ね緊急改善計画二点、一点は計画期間、一点は特定局普通局との比率ということでありますが、期間につきましては、大体私どもといたしましては、三十年度を含めまして八カ年間にこれを完成するようにいたしたいということで、ただいま計画を立てておる次第であります。特定局普通局比率につきましては、何せ最初の出発点が四十年以上経過しておるもの、これらは老朽あるいは衛生、職場環境、公衆の利便等から考えて何とかしなくちやならぬ。それから戦争後の急造バラックでどうにもならぬものがある。それから市街都市計画と申しますか、都市計画が進行して郵便局だけが動いていないために、地元民に非常な御迷惑をかけているというふうな問題、これは若干市町村合併その他によって、どうしても在来措置ができないというものを大体拾い上げましてやった次第でございますが、対象はおおむね国有局舎に充てている次第でございます。若干国有でないものにつきましても、集配特定局と申しますか、ともかく事業の国管というとあれですが、重要な点の緊急なものを必ずやっていく一ということで考えておりますので、比率等につきましてはまだ明確に私としては承知しておらない次第でございます。大体数はおおむねの見当はつけておるだけにとどまっております。
  16. 松田英一

    松田説明員 窓口の一本化の点につきましては、郵便局電報が打てるように、また電話がかけられるようにという方針でいくことは、これはもうきまっております。ただそれをどういうふうに実現していくかということにつきましては、いろいろ予算を要します点その他を考えますれば、本格的には来年度、三十一年度からということになりますけれども、緊急を要しますもの、あるいは簡単にやれるものにつきましては、年度内におきましてもなるべく早く実施したいと思っております。
  17. 井手以誠

    井手委員長代理 松前委員
  18. 松前重義

    松前委員 電電公社、国鉄に関する固定資産税の課税問題でありますが、固定資産税を課税されることにつきまして、電電公社当局の経営に対してどういう影響が来るか、これにつきまして電電当局から伺いたいと思います。
  19. 高橋達男

    ○高橋説明員 今の三公社に対する固定資産税の課税の問題につきましては、まだ具体的に正式に数字をあげた連絡がございませんけれども、大体臨時税制審議会の答申を中心といたしまして、現在まで関係方面から伺っておる数字を申し上げます。この数字も非常に浮動しておるのでございますけれども電電公社に対しましては大きなところでは三十五億、少いところでも十五億程度の課税を予想して、作業を進めておられるように承知いたしております。それでもし固定資産税が課税されることになりますと、さしあたりのところといたしましては、先般の料金値上げによります利益剰余金、すなわち資本勘定に繰り入れておりますところの建設勘定に対する自己資金の財源が、それだけ削減されるということに相なるかと思います。
  20. 松前重義

    松前委員 まだ政府として決定されておる問題ではないようでありますが、ただいまこの問題に関する具体的な措置を講じようとしておられるかのごとく新聞紙上でも報道しております。ただいま伺いますとまだ具体的なデータについての御説明は承わっておりませんが、相当大きな本質的な影響電電公社経営の中に及んでくるかのごとくに聞くのであります。太田自治庁長官、それから大蔵大臣等においていろいろ話し合っておられて、二人の間では御決定になったといわれておりまする電電公社に対する固定資産税の課税の問題につきまして、郵政大臣は国務大臣としてどういうふうなお考えをお持ちであるか、今後においてこれに対してどういう態度をおとりになるか、伺いたいと思います。
  21. 村上勇

    村上国務大臣 この問題はまだ正式に交渉があったわけでもありませんし、ただ新聞等によって私も承知している程度でありますので、具体的にどうというような御納得のいく御答弁のできないことを遺憾といたしますが、私の率直な考え方は、現在の電信電話についてはこれを世界的に見ましてもまだ非常におくれておる、そのおくれておるところを挽回し、一般公衆の福祉に沿うためには、これから相当な施設を積極的に遂行しなければならないという際でありまするので、年次予算につきましてもいろいろと大蔵当局に、公債あるいは預金部資金等の借り入れによってこれが計画を遂行いたしておるのであります。こういうやさきにここで固定資産税等によって数十億の税の徴収をされるようなことになりますと、電信電話の国家的な要望にこたえることが非常に阻害されるのじゃないか、こういうような大きな問題を今臨時税制審議会等において検討しておられるということを聞きまして、私も非公式には自治庁長官にこれは非常に困る、そういうようなことをされたのでは、一方にそういうことをされれば、結局国民要望にこたえるためには電信電話等の値上げまで考えなければならないことになるのではないか、であるから現在の状態では、われわれはそういう電信電話等の値上げはしてはならぬと思って、今日その施設は公債あるいは借入金等によってやっておるのだから、ぜひ一つこういう税金については考慮を願いたいというようなことを申し入れておる程度にとどまつております。公式な交渉がまだ私に何らなされていないのでありまするから、ただいま私は、これに対して具体的な方法を講ずるという点はまだいたしておりません。
  22. 松前重義

    松前委員 町村合併に伴う郵便電信電話、通信設備の整備に関して、自民党内においても相当に関心を持って努力される意向のように承わっております。町村合併に伴う通信施設の整備は、決して収益を増大せしめるというような具体的な企業性を持っていないのでありまして、そういうものを今後実行していかなければならないのにもかかわらず、このような固定資産税のごとき課税によって、この事業を挫折せしめようという結論に到達いたしまするこの課税の精神については、これは根本から電電公社の事業を理解しないばかりか、通信事業を破壊する行動と考えなければならないと思うのであります。大臣におかせられましては、ただいまの御答弁で満足ではありませんけれども、少くとも反対の意向を持っておられると承わるのでありますが、今後この問題の解決に対しましては、反対の立場で国務大臣として御発言並びに御行動なさる御決意でありますか、伺いたいと思います。
  23. 村上勇

    村上国務大臣 ただいまのところ公式な交渉もないのに、賛成、反対を申し述べることは差し控えたいと思いますが、私はどこまでも御指摘のように、町村合併が行われ、電信電話がほとんど他人同様な取扱いをされておる、こういうようなことを早く統合して、一般合併町村の人たちの福祉に沿わなければならないという見地からも、どうしても昨年あるいは一昨年よりも年を追うて積極的に電信電話施設に力を注がなければならないときに、固定資産税等によって万一それが阻害されるというようなことでありましたならば、私どもといたしましてはそれに賛成するわけにはいかないと思います。
  24. 松前重義

    松前委員 言葉じりではありませんが、万一という言葉がありました。万一阻害されるようなと御解釈のようでありますが、固定資産税を課税するということは、私は決定的に阻害するものであると思いますが、万一という言葉に対しまして、大体の御精神はわかりますけれども、速記に残りますので、もう一回一つその辺の所信を伺いたいと思います。
  25. 村上勇

    村上国務大臣 私が万一と申し上げましたのは、万一固定資産税をとるということになりますれば、私としてはこれに対して私の前に申しましたような立場から賛成できかねるということでございます。それからいかなる方法にしても、ともかく電信電話に対しては相当これを積極的に遂行する資金をもらわなければいかぬ、その資金をもらうのが阻害されるようなことについてということが含まれておるのであります。
  26. 井手以誠

    井手委員長代理 森本君。
  27. 森本靖

    ○森本委員 私は二、三質問がありますが、今その問題に関連をして電信電話事業はまだ相当飛躍をしていかなければならぬというふうに大臣が言われましたけれども、今日の電信電話事業の段階においては、電電公社になって以来というものは、公社当局それから従業員の努力によりまして全国的には確かに相当目ざましい発達を遂げておることは事実なのであります。しかしその問題が都市を中心として行われてきておるということもまた事実なのであります。都会地が非常に電信電話事業が発達をしてきた反面に、山村、農村、いわゆるいなかの方面においては電信電話事業というものが依然として発達が阻害されておるということも、今までの実情なのです。こういう際において今日町村等においてこの電信電話の、特に電話事業でありますが、電話事業の発達をその町村自体の町村民が望むというならば、今のような機構では、電電公社の方から相当の債券を引き受けてやらなければできないというのが実情なのです。こういう際にこういう固定資産税をやるということについては、特にこれは税制の面からいっても、それから地方自治体の今日電信電話事業の発達を願っておるという観点から考えても、非常に相剋、矛盾が出てくると思うのです。こういう点については単に表面的な問題だけではなくして、もう少し電信電話事業というものの奥深い内容についてまで大臣が十分に検討せられて、そうして理論的にも固定資産税というものは、こういう内容の事業状態であるから反対であるということをもう少し的確に、明確に――こういうことを言っては失礼ですけれども、もう少しその事業の内容に奥深く研究をせられて、これに対するはっきりした反論というものを持ち出してきてもらいたいと思う。ただばく然とこの固定資産税というものをかけたら――今資金が足らないという今日において、電電公社としては事業が伸びないからというふうな、そういう簡単な理由でなしに、今の電信電話事業の発達の過程というものを考えて、この固定資産税というものを電電公社に課してやることが、いかに今日の状況からいって矛盾があるかということを十分に一つ――自治庁長官方に対してもその内容を詳しくあなたの方から反論を持っていくようにお願いをしたいと思うのですが、どうでしよう。
  28. 村上勇

    村上国務大臣 御指摘通りでありまして、私といたしましてもそこに公式な折衝がありますれば、詳細にあらゆる角度から検討した反論なりあるいは意見なりを加えることは当然であります。
  29. 森本靖

    ○森本委員 この固定資産税ということになりますと、これは地方税の問題にもなってくるわけでありますが、今のような格好で十分に研究をせられると同時に、今までの電信電話事業の発達の方向、そういう方向一つここらあたりで――採算ということも考えなければならぬけれども、全国あまねく電信電話事業は国民サービスのために行うという観点からいくならば、今後の電信電話の飛躍的な発展ということについては、一般のいなか、農山村、そういうところにも大きく普及をしていくような方向方針をかなり変えてもいいような時期ではないかということが、全国の普及状況から見えるわけですが、そういう点について大臣はどう考えるのですか。これは常識で考えてわかるわけです。今日まで電信電話というものは目ざましい発展をしてきた。しかしこれは概括的に申し上げて、何と申しましても都市中心の発展段階だ、今まで町村合併によってややもすれば忘れられておったところの電信電話事業というものが急速に浮び上ってきたこの際、町村合併によるところの問題も関連をして、この電信電話事業の発展という問題については、そういう方向にぜひとも方針を持っていってもらいたいというように考えるわけです。そういうこと自体が私はこの固定資産税の問題についても、かなり反対の理論にもなるのではないかということも考えるわけです。大臣の御所信はどうですか。
  30. 村上勇

    村上国務大臣 この点は森本委員の御指摘通りであります。私どもといたしましても都市中心の施設のみに重点を置くことなく、どこまでも農村あるいは山村における利便を少しでもはからなければならないことは当然であります。従いまして無電部落に対するこれらの措置に対する予算も、相当多額な要求をいたしておるのであります。財政の許す限り御指摘通りに実行いたしたい、かように思っております。
  31. 森本靖

    ○森本委員 この問題は一応これで終りまして、次に局舎の問題でありますが、この問題について井手委員の方から先ほど御質問がありましたけれども、それに対する当局答弁が非常に明快でないわけであります。と申しますのは、例の百分の三の借入金というものを郵便局舎建設に充てるということを当委員会決議をした際に、特にその文書の中には、その全額の半額を特定郵便局舎の建設に充てるということになったわけであります。それに対しまして趣旨の説明を行いまして、大臣事務当局の方からはそういう決議については尊重して行なっていくという答弁があった。われわれとしてはそれを納得してあの満場一致の決議を行なったわけであります。ところが先ほど来の事務当局答弁によりますと、そういうことについては考慮しておらないような内容であります。この問題については私たちも自民党の方々とも個人的にはいろいろ話し合いをしておりますけれども、しかし本委員会における決議の内容というものは、ただいま私が申し上げた通りでありまして、そういう方向事務当局は協力していただかなければ何にもならないというふうに考えておるわけでありまして、先ほどの経理局長答弁は若干本委員会決議とは違いますので、その点を念を押して私はもう一同聞いておきたいと思うわけであります。
  32. 小野吉郎

    ○小野説明員 簡保年金の資金運用に関する法律の改正法律の際に、郵便局舎の建築の改善促進のために簡保資金から百分の三を下らない程度の貸付を希望する、こういう附帯決議は私その通りに了解しております。これを特定局舎と普通局舎に分けまして、両者の比率についてどうということは、当時私は簡易保険局長でなかったのでありますが、とにかくその上にはっきりしておるとは了解しておらないのであります。御趣旨はよくわかるのでありまして、これは普通局といわず特定局といわず、比率はどうなりましようとも、ある一定年数を経過いたした腐朽局舎改善することが要務であります。そういう面からいえば普通局から何局、特定局から何局、こういう計画はあり得ないわけでありまして緊急を要する度合いから優先的にとって参るわけであります。そういう面から申しますと、まず貸付の資金の面ですでに比率をきめて、特定局はどれくらい、普通局へはどれくらい、こういうことは附帯決議趣旨からも私どもも解釈できないように思いますので、要は資金の百分の三をその方面に融資することについては、極力決議趣旨を尊重いたしまして、その通りに取り計らって参りたいと考えております。
  33. 井手以誠

    井手委員長代理 この際委員長から当局に御注意を申し上げておきたいと存じます。先般の二十二国会において松前委員長の総括質問に対し、松田郵政大臣は次の通り答弁をされております。「この積立金の百分の三の資金中、少くともその半額程度は特定郵便局舎の建築に充当していきたいつもりでございます。」このように御答弁せられております。これは当委員会において十分協議懇談の末きまった事柄をあらためて言明なさったものでありまして、お忘れになっておるはずはないと思いますが念のために申し上げておきますので、そのお含みで大臣以下御答弁を願います。
  34. 松井一郎

    松井説明員 あの当時の決議文の表面にはなかったのですが、しかし先ほど委員長がおっしゃったように、最後の総括質問という形でそういうふうな要望が伝えられまして、そして当時の松田大臣からもできるだけその趣旨に沿うようにいたしたい、かような答弁があったように私どもも記憶しております。そこでさしあたりの問題でございまするが、昭和三十一年度の計画を策定する際におきましても、当時の御趣旨を体しまして、来年度における積立金の百分の三を大ざっぱに十五億程度というふうに見まして、私どもは少くとも来年度においては木造建築を対象とするもの、これは大体九割までが特定局に入ると思いますが、このために八億程度の金を使うような計画を立てたいという形で、現在計画を進めております。御承知のように本年度におきましては、この関係についてはせいぜい二億五、六千万円くらいの金しか充当されておらなかった。しかしこの次は思い切ってこれを拡充して、七、八億に達するものをやりたいという考えで進めております。当時の御要望は十分尊重するつもりで計画を進めております。
  35. 森本靖

    ○森本委員 郵便局長の答弁の点は大体私も了解しますが、委員の中にもその通りというような声がありまして、私非常に心外にたえぬのであります。もう一ぺん保険局長からはっきりした答弁を願いたい。 (「決議はそうですよ。」と呼ぶ者あり)決議はそうであっても、このときはこの法律が非常に紛糾いたしまして、最終的にどういう格好においてこの法律を通すか、どういう決議案を通すかということで政治的な折衝になった。それで、はっきり申し上げておきますが、大臣はこういう答弁をする、委員はこういう質問をするということで政治的に折衝して、そうして大臣答弁もちゃんとこしらえて、委員質問もちゃんとこしらえて、そこで最後に大臣委員の間で質疑応答して、その決議が満場一致で通ったという経過がある。 (「その通り」と呼ぶ者あり)その通りということならばいいけれども、それを単なる決議文と見て、今、ごろになってそれを簡易保険局長は、その決議通りでございますと言うようなことでは、当時のいきさつをよく御承知ないと思う。ですから、それがために速記録にそういうことがちゃんと載っておりますので、その趣旨は将来とも十分尊重してやっていただかなければ、非常に困ると私は思う。その点、もう一ぺん保険局長、はっきり答弁してもらいたい。
  36. 小野吉郎

    ○小野説明員 私の申しましたのは、決議文にあります局舎改善計画所要資金に対しまして、簡保積立金の中から百分の三を下らない金額を融資しろということでございまして、その趣旨には何ら誤解はありません。その通りに考えております。ただ簡易保険といたしましては、金を貸し出す立場でありまして、計画内容をどうしなければならぬ、こうしなければならぬ、こういうことを言う立場にはないのであります。郵政省といたしましては、先ほど郵務局長から御答弁がありましたごとく、速記録に載っておりますような面に即して計画を立てておられます。その計画に対しまして――全部が借り入れ資金ではございません。自己資本もありまして、その不足分を借り入れるわけでありますが、その借り入れにつきましては、簡易保険局長といたしましては、決議趣旨を十分尊重いたしましてそのように処理して参りたいと考えております。その意味における答弁であったわけであります。
  37. 森本靖

    ○森本委員 大体それで私も了承いたします。  次に、これは百分の三の金額借り入れる。従来までは簡保資金預金部資金と五億、五億で、たしか三十年度は十億だったと思うのですが、そういうことになると、来年度はそれだけのものは別途に借り入れて、それ以外に百分の三を借り入れ、これを郵政省局舎建設資金に回す、こういう趣旨に基いて、村上大臣は今後大蔵大臣と折衝して、それをぜひとも通してもらいたいという私の質問に対して、よろしい、こういう回答があったわけであります。ちようど予算編成期になりまして、この問題が非常に紛糾するとつまりませんので、もう一回私念を押しておきたいと思うのですが、予算折衝の際におきましては、今申し上げました趣旨を十分了解してもらいたいと思う。その百分の三が、総額でたとい十五億か十六億になった場合、従来の借入金を除くと五億か六億にしかなりませんので、そうでなくして従来の借入金借入金として、それの上にプラス百分の三というものがつく、その方向大臣としては努力していただくということに、これは政治的な含みもありましてこの前御回答せられておりますので、そういう方向努力していただくということを一つはっきりと御確約を願いたいと思うのです。この前約束をせられたわけでありますけれども、話が妙にこんがらがってくると非常に心配になりますので、もう一回間違いがないかどうかということをお聞きしたいのであります。
  38. 村上勇

    村上国務大臣 その方針については少しも変っておりません。
  39. 森本靖

    ○森本委員 そうするとこれから先は事務当局の問題になるわけですが、たしか二十二国会の初めに局舎の八カ年計画という書類を私たちは一応もらったわけであります。ところがその局舎の八カ年計画というものは、こういう百分の三という問題が出ない前の計画であったわけであります。そこでこの百分の三という問題が出てくると、当然あの八カ年計画というものはかなり充実された計画になってくると思いますし、その裏づけが明確になってくると思いますが、それと同時に今申し上げましたような特定郵便局舎の半分半分という問題になってくると、あの計画そのものが相当変ってこなければならぬと思う。そういう点からこの前早稻田委員要求をしたのは、今後におけるこの問題を含んでの六カ年計画なり八カ年計画を出していただきたい、こういうことであったわけでありますけれども、残念なことには三十年と三十一年との計画でありまして、あとの八カ年の計画というものは、当初の、初めの計画でありますので、そういう点からもう一回一つ六カ年計画なり八カ年年計画というものを――そういう今大臣答弁をせられた方針に従って毎年そういう方向においてできるものとして、六カ年計画なり八カ年計画という局舎建設計画を出していただきたいということを考えておるわけでありますが、どうでしょうか。
  40. 松井一郎

    松井説明員 私どもは実は当初六カ年計画というものを策定いたしましたときには、御承知のように現在郵便局舎の中で緊急に改築を要するものが相当ある、それを工事能力その他から勘案して、さしあたり六カ年くらいにやっていくのがいいのじゃないかという形で策定したわけであります。もちろんその当時これを裏づけする資金が、全部自己資金でまかなわれるというふうには毛頭考えておりませんでした。これを固めていくためには、やはり資金的に見ましても少くとも二百億以上の金が要る。その場合にはどうしても借入金によっていかなければならぬ。しかしその当時借入金の見通しというものは必ずしも確実についておらなかったことは申し上げるまでもありません。その間におきましてちようど保険の運用問題にからみまして、皆様方の中からもぜひこの機会にこの金を優先的に局舎改築の方に回すべきであるというふうな指示を得ましてああした決議をいただいたわけであります。従ってあの決議を実行いたしましても、百分の三程度の金だけでは、全部の借入金はおそらくまかない切れないであろう。そのほかにもなお補修のものが要るのだ、かような状況になっております。そこでお尋ねのようにこれを当初の借入金の外ワクに見るか内ワクに見るかという点は、まだ現在までにどちらの方向にいくということがきまっておるわけではありません。おそらく今後の折衝問題としてこれは展開されるわけだろうと思っております。
  41. 森本靖

    ○森本委員 だから私がこれから先は事務当局だと言ったのは、大臣に先ほどその点を念を押してあるわけであります。大臣はそういう方向において今後努力をされるというわけでありますので、従来の借入金借入金としてそれ以降に百分の三という金が入ってくる、その百分の三のうちの半分というものは特定郵便局舎の建築に充てる、そういう計画をもう一回立て直す必要がある。最初に私たちが資料としていただいた六カ年計画なり八カ年計画というものは、今大臣がおつしやった方針に従って計画を立てられて、新しい計画書をお出しを願いたいと思うがどうだろうか、こういう意味であります。
  42. 松井一郎

    松井説明員 ただいまお尋ねのような形にいきますと、かりに来年度予算で申しますると、保険の方から優先的に十五億ばかりの借入金ができる。そのほかに去年の実績というものが五億ある。預金部の方にも五億ある。そうすると合計しまして二十六億ばかりの借入金になるという形になります。そういうふうに大臣もできるだけ尽力しようとおつしやったわけであります。それを今私たちの考えておる六カ年計画、これは事実上実行上八カ年に移るということをこの前申し上げてありますが、この計画を勘案してみますると、その程度の借入金をすることによって辛うじてこれがいけるのじゃないか、かように考えております。従ってそのために今ここで当初の計画を全然変更するというほど大きな影響はないと思います。
  43. 森本靖

    ○森本委員 そこで問題は明確になってきたわけでありますので、大臣もよくお聞きを願っておきたいと思うのですが、今までの六カ年計画なり八カ年計画というものが、今度もらえるところの――もらえるというと語弊がありますが、そういう政治的なものによって百分の三という金額が出ても、資金あるいはその計画というもののようやく裏づけになるという程度である、こういうことになるわけであります。そこで計画書の内容については変更する必要はないという郵務局長答弁でありまするけれども、特に私が言っておりまするのは、借入金が従来であれば十億円、それから百分の三が十五億円なら十五億円、来年度は十六億円なら十六億円、そういうことになってくると、その十五億円なり十六億円の半分というものは、特定郵便局舎の建築に回さなければならぬ、こういうことになってくるわけであります。そういうことになりますと、あの計画というものをもう一回具体的な、これは一応計画でございますから、それがそのときの政治情勢によってどういうふうに変るかということはわかりませんけれども、一応今言ったような方針に従って、その計画書に変更を若干でも願つて、もう一回本委員会に御提出を願いたい、こういうことでございますが、いかがでございましょうか。
  44. 松井一郎

    松井説明員 実はあの当時その半分ぐらいを何とか特定郵便局の方に回せないかというお話があったわけであります。私ども特定郵便局の方にもしも必要ならば半分といわず、全部回してもいいでしよう、しかし必ずしも特定郵便局にそれほどの金を必要としないならば、これまた無意味なことである。そこでいろいろ当時の私どもの持っている計画書をにらみ合せましたところが、大体年に七、八億ぐらいのものがあれば、八カ年計画の遂行としてはいいという大体の見通しが当時持てたわけでございます。そこで十五億と換算しまして、その半分ぐらいのものを回すということが大体妥当なラインじゃないか。その程度の資金を確保していくということは、私たちの持っている計画と何ら矛盾をしないという意味合いにおいて、当時私どももけつこうでございます、かように申し上げた次第でございます。
  45. 森本靖

    ○森本委員 だからその経緯は、私もその内容はよく知っております。その内容でなしに、だからそういうふうに来年八億円というものを特定郵便局舎に回すということであれば、その次も大体そういう格好になるわけであります。ところが今おつしやったようなことになれば、私の方の目的は十分達せられるわけであってけつこうでありますが、そういうことにならずして、片一方の八億というものが一億か二億程度になって、かえって逆に平年よりも下るということであっては困るので、そういう具体的な計画というものをもう一ぺん計画をされてお出しを願いたい、こういう意味であります。
  46. 松井一郎

    松井説明員 今森本委員のおっしゃることと私どもの申し上げていることと同じことだろうと思うのです。私どもとしては大体この八カ年全体として計画を持っております。それを何年に割り振っていくかという進行過程があります。それを見ますると、現在のところ木造建築については大体八カ年の割り振りとしては、年間七、八億円の資金でいいのじゃないかということが出ているわけです。たまたまそれが現在の保険の積立金の百分の三の大体半分というところに一致したわけでありますから、ちようどおっしゃる御要望の数字と、われわれが今までに持っている計画との間においては、そう大きな食い違いはないと思います。そこで私どもは皆さんのその御要望をできるだけ尊重してこの計画を推進していきたい、かように考えております。
  47. 森本靖

    ○森本委員 それでその計画の内容ですけれども、もう一回一つ大力年計画なり八カ年計画なりの計画書というものを――先ほどもらったようなこんな一枚の簡単なものではなしに、もう一回詳細な資料を本委員会に御提出を願いたい、こういう意味でありますが、よろしゅうございますか。
  48. 松井一郎

    松井説明員 おっしゃる意味は、三十一年度だけじゃなしに、二年、三年、四年と割り振っての計画、そうでございますね。――それは差しつかえございません。
  49. 森本靖

    ○森本委員 それでは次に郵便貯金の問題をお聞きしたいと思いますが、その前に郵務局長に簡単な問題でありますのでちょっお聞きしておきます。この前に一度申し上げたことがございますが、実は郵便の集配人で、従来駐在集配で請負をやっておりましたものが、公務員の地位を離れまして、今日そのまま民間の産業人と同じような格好になって、郵政の仕事をしておるというのが多数おりますが、これについての賃金値上げが過去ほとんど行われておりません。そこでこれらの者に対する賃金の引き上げと、できればこれをもとの公務員に戻すことが一番望ましいことでありますが、現在の段階においては非常にむずかしいと思います。それよりも現在の段階においては賃金の引き上げを行うか、あるいはその賃金の引き上げが今直ちにむずかしいということであれば、一般の労働者なり公務員は年末手当が出て一応の潤いを得ておる。ところがこの集配人に対しては全然出ておらないという今日において、何か年末にこういうみじめな人たちに対して考えてやる意思はないかということをお聞きしたいのであります。
  50. 松井一郎

    松井説明員 おっしゃる通り、現在駐在請負人が相当多数おります。この方々はこの前の行政整理のときに、それまで本員であった方を請負という形に切りかえた関係であります。しかし私たち切りかえに当っては、少くともその当時現実に収入があった程度をそう落すわけには参らない。そこで請負ということになりますれば、請負という目から見た一つの請負料という基準がおのずからできてくる。しかしその基準を若干オーバーしても、従来からそういう実績を持っておった方々は、一応その線を据え置こうということでいたしたわけでありますが、その後いろいろそういう労務に関する一般の賃金的なものも上昇しておりますので、実は本年の初めでしたかも、その後の情勢に応じて請負料の単価の修正をして参ったわけであります。ただその場合におきましても、そうした一般社会的なレベルから算定してあるべきというものよりも、さらに高いものを持っていらっしゃる方々には、残念ながら増額はできないというので、そういう方々はそのまま据え置かれたという事実はあります。  それから先ほど森本委員から御指摘になったいろいろな年末手当の関係のものがございます。これは当時われわれとして請負料の基準を定める材料として、公務員全般の年末的な給与関係というものも、もとよりその中に一つの参考資料として入っておるわけでありますが、今度はいろいろ年末の関係がありまして従来支給していたものよりも〇・二五だけたくさん出されるということが起きて参ったのであります。そこで私どもとしても、この方々に全然知らぬ顔して過ごすわけにはいかないというので、そういう新しい情勢勢に応じて、年末には臨時的にいろいろ仕事がふえるということで、若干のものを特にさきまして、この年末には支給いたしたいと考えております。
  51. 森本靖

    ○森本委員 その問題はそれでおきまして、次に大臣にお聞きしたいと思います。河野農林大臣が行政管理庁長官になりまして、行政機構の改革を行うということを大上段に振りかぶっておりますが、当委員会に関係をし、郵政大臣の所管に関する電電公社、国際電信電話株式会社、郵政省の機構については、行政機構の改革という問題になりますと、いつの場合でも矢面に立つわけであります。政府当局は、行政機構の改革についてはかなり熱を入れておるようでありますが、郵政大臣としては、郵政省の機構なり電電公社の機構なりについてこういうふうにしてもらいたいというように、これは一応最終的には相談があって発表になると思いますが、その辺の関係について大臣は何か相談があったことがありますか。それとも将来の問題についてそういう政治的な話し合いについてはどう考えておりますか。さらに今日の郵政省の機構、電電公社の機構、国際電電の機構についてどう考えておりますか。放送の問題については、この前に私が質問いたしましたように、次の通常国会明けになりまして、この問題は当然持ち上りまして、超党派的な審議会なり何なりを構成することになるだろうと思いますが、今申しましたような問題について話があったか。それから将来そういう機構改革の問題について、行政管理庁の方でいろいろの問題を出す場合に、郵政大臣として相談にあずかると考えますが、その前に郵政大臣としては積極的に意見を持っていくかどうか、そういう問題について一つ御説明願いたいと思います。
  52. 村上勇

    村上国務大臣 河野大臣からの行政機構改革についてのお話は何もありません。ただ先日の閣議の席で、各省にいろいろ調査に行った際に、事務当局から親切に教えてもらいたいというこの一言だけはありました。それから私の所管について、今御指摘郵政省電電公社、国際電電その他について、別にどう改革しようとかいう意見は持っておりません。
  53. 森本靖

    ○森本委員 そうすると現在は管理庁の事務当局郵政省事務当局とが、下相談で話し合いをしている程度でありますか。
  54. 村上勇

    村上国務大臣 その通りです。
  55. 森本靖

    ○森本委員 行政管理庁がこの前国鉄の経営調査の問題について、意見書みたいな勧告書みたいなものを発表したが、聞くところによりますと、電電公社に対しても、そういう内容なり意見を発表するという情報が流布されておりますが、そういうことについて大臣はまだ何も聞いておりませんか。
  56. 村上勇

    村上国務大臣 まだ何もそういうことは聞いておりません。それから先ほど私がちょっと申し上げました中に、特に河野主管大臣が私の方をさして相談に行くとかいうことではないのでありまして、各省に必要があって調査に行った場合には親切に教えてもらいたいということであって、それだけにとどまっております。ただいまのところ郵政省に行政管理庁から調査に来て話し合いをしているという事実はありません。
  57. 森本靖

    ○森本委員 現在に至るまで、行政管理庁の方から、電電公社に対する問題については大臣はまだ全然聞いておらないのですか。電電公社の機構の問題についての勧告、あるいはそういうふりな意見、そういう問題については、今日の段階においては、行政管理庁の力からはまだ全然聞いておらない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  58. 村上勇

    村上国務大臣 私の方にはそういうことは全然ありません。
  59. 森本靖

    ○森本委員 そうすると、この前の国鉄の勧告のときもかなりこれは政治問題になったわけでありますが、かりに管理庁の方がそういうふうな計画を、あるいはまた勧告を出すという場合においては、あらかじめその所管大臣と十分に政治的な話し合いをして出すかどうかということをお聞きしたいと思います。
  60. 靱勉

    ○靱説明員 ただいまの大臣の御答弁に対しまして電電公社の方で知っている点だけを申し上げますと、現在私どもの方は行政監察を受けております。しかしまだ終了いたしておりませんから、どういうような意見が出されますか承知し得ないのですが、これは何も今回に限ったことではないのでありまして、在来から、行政管理庁におきましては、行政監察の権限に基きましてわれわれの機関についても監察があるわけであります。その結果というものは必ず総合されまして、あるいは注意事項等がございますれば郵政大臣にそれが示される、郵政大臣から公社に対して示される、こういう形になっておる次第でございます。
  61. 森本靖

    ○森本委員 私の申しておるのは、平常の行政監察によるところの勧告なり意見であれば、それはそう大したことではありません。ところがそれが根本的な基本的な公社の改革とか、機構の改革とか、そういうふうな重要な要素をはらんだものになってくると、これはかなり政治的な問題になってくるわけであります。だから、そういうふうな場合には、郵政大臣としては、そういう勧告については向うが今度発表して、郵政大臣は反対だ、電電公社は反対だということになって、それが一つの政治の渦巻の中に入るということでなしに、そういう勧告がある場合には、あらかじめそういうものをよく聞いて、郵政大臣郵政大臣なりに意見も言って、そこで十分に意見を調整をしてから、そうした上においてやった方が私は非常によくはなかろうかというふうに考えて、あらかじめこれを聞いておるわけであります。そういうふうな問題について、もし向うがそういうことを発表する際においては、大臣新聞にも発表にならない前に十分にその意見を聞いていただいて、あなたの方の意見というものも向うに十分に言って、場合によってはそういうことを政治折衝によりて、両方がよく話し合いをした上において中外に発表する、そういうふうな方法をとった方がよろしくないかということを聞いておるわけであります。その点について、大臣はどうお考えになるかということを聞いておるのです。
  62. 村上勇

    村上国務大臣 もとより私の方に全然連絡なしにいろいろなことを発表することはないと思います。私もまたそういう連絡があれば十分に意見をして参りたい、かように考えております。
  63. 森本靖

    ○森本委員 それがこの間の国鉄の問題を見てもわかりますように、同じ国務大臣が、何か片一方が勧告書を突きつけて、片一方はそれに対して省内の意見をまとめて反対だということで、私はこれは非常におかしな現象だと思います。同じ国務大臣として行政を分担する段階において、ああいうことは非常におかしいと思うのです。今そういう情報が流されておるから、電電公社の問題についてそういう勧告がなされると、かなり大きな政治的な問題になるので、大臣としては十分にそういう点については気を配っていただいて、相手が河野農林大臣ですから、あなたも十分にお考えの上、そういう点については政治的な話し合いを十分にされたいということであります。  それから次に機構の改革の問題になりますと、これは非常に重要な問題になってきます。これはおそらく郵政省郵政省なりに、省内においてもそれぞれいろいろの意見があろうと思います。また改革すべき点も私は多々あろうと思います。しかし現在の機構をそのまま存置して、これを拡張しなければならぬというところも多分あると思います。それから電電公社の経営の問題についても、これはいろいろ意見があろうと思います。そういう際に郵政大臣としては、いかにして電電公社なり郵政事業の発展を願っていくかということについては、あなたは十分にお考えの上で意見を率直に出してもらいたい。そういう場合には省内の意見に限らず、それ以外の有識者の意見というものも、あるいはまた従業員の意見というものも、あるいはまた国会方面の意見というものも十分聞いて、そうして成案を得て、その上において発表してそういう方向に行くということで、今度の問題についてはぜひとも新しい大臣としての手腕の発揮を願いたいというふうに考えているわけでありますが、この機構改革についてそういう措置をとられるかどうか、一つ御意見をお伺いしたいと思います。
  64. 村上勇

    村上国務大臣 そういう際には、ただいまの御意見を十分尊重いたして処置いたしたいと思います。
  65. 森本靖

    ○森本委員 私は今の大臣答弁で非常に満足に思いますので、こういう問題が持ち上った場合には一つそういう方向でやっていただきたいと思います。  それから次に郵便貯金の問題でありますが、きょうは最後の日でありまするので一応処理をしておきたいと思いまするが、郵便貯金の問題については、本日の新聞に載っておりまするのは、上林山政務次官がこの前答弁をした内容が大体そのまま載っておるようでありまして、それ以外に範囲を出ておりません。ただきょうの新聞で見てみますると、この間の上林山政務次官は、金利の問題については具体的に触れることを避けて定額貯金のみを考えるということを言ったのであって、その定額貯金についての金利の問題がここに具体的に若干出ているわけでありますが、この郵便貯金の優遇策といいまするか、そういう問題についてあなたは十分に考えていかなければ、この程度では問題にならないのではないかというふうに私は考えるわけであります。そこで、これは郵政大臣としてでありまするか、国務大臣としてでありまするか、来年度の自民党の政務調査会によるところの予算の編成方針によりますると、財政投融資については、これを相当額減らして民間の資本に肩がわりするという、財政投融資計画についての基本方針がうたわれておるわけでありますが、この方針がそのままいくということになりますると、郵便貯金の問題についてもかなりこれは影響してくると思います。そういう点から、郵便貯金に関するもう少し具体的な優遇策というものを早急に立てていただいてそれから来年度の予算編成における財政投融資計画についても、いま少しこの郵便貯金と関連をして考えてもらいたいということを、私は強く大臣要望しておきたいと思うのですが、はなはだ残念なことには、郵便貯金の具体的な増強策というものを明示されておらないわけでありますけれども大臣の具体的な郵便貯金の増強策というものを、本委員会では決意だけでもけっこうですから、一つ明確にしてもらいたいと思うのです。というのは、募集の方法とか、郵便貯金を吸収するとかいう、そういうテクニックではない。技術的にそういう問題はいろいろ研究されているわけでありますので、今大臣からそういう言明を聞かないでもけっこうでありますが、郵便貯金の根本的な増強方針ですね。具体的に郵便貯金を増強するということは、やはり郵便貯金金利の問題になってくると思うが、一般の銀行預金なりその他の預貯金と比べて、郵便貯金が実際にこれだけは若干でも優遇になっているということを明確にしなければ、これ以上伸びていかないと思う。それから来年度における与党の財政投融資計画についても、やはり国家資金というものを郵便貯金を通じて大きく吸収して、それによって投融資計画を進めていくということが常道だと思う。そういう観点から、この郵便貯金と来年度の予算編成にからんで、明確な大臣の決意というものを御説明願いたいと思います。
  66. 村上勇

    村上国務大臣 私の御答弁申し上げようと思うことを、みな森本委員から御指摘になられたのでありますから、私は別にあなたの今のお説以外に特別なものを持ち合せておりませんが、しかし与党の政調会における財政投融資を市中に求めよう、民間に求めようということは、郵便貯金の伸び悩みのための一つの彌縫策じゃないかと思います。できる限りこの財政投融資には、私の考えとすれば、この郵便貯金を充てるということが最も望ましい、また好ましいことであるのでありますが、郵便貯金を今後計画通りに伸ばしていくという方法については、前回井手委員にもお答え申し上げましたように、いろいろな施策を講ずる必要があろうかと思います。御指摘通り郵便貯金金利が市中の金融機関金利よりも見劣りがするようでは、どうしてもこれは伸び悩みになるのは当然でありますから、この点については十分研究いたしております。まだただいまの段階で私がこれをこういうふうにするというようなお答えのできぬことを遺憾といたしますが、目下慎重に事務当局検討中であります。その他の方法といたしましては、国民の目を郵便貯金に向けてもらうように、この郵便貯金に集まった金がどういうふうに使われておるかというようなことも再認識してもらう、あるいはまた何らかの懸賞の方法とか、また多少の定員をふやしてでも、積極的に貯蓄の勧誘を今よりも一層にやる、そういうようないろいろなところを総合いたしまして、今後郵便貯金の増強をはかりたい、かように思っておる次第であります。
  67. 森本靖

    ○森本委員 そうすると大臣としての財政投融資計画というものは、やはり民間資本に肩がわりをするという方向よりも、やはり国家資金を持って行なっていく方が、これは金融政策からいっても妥当であるという考え方に私は賛成だろうと思います。それでその点はいいわけでありますが、ただそこで問題は、郵便貯金の具体的な増強策ということになりますと、根本はこれは優遇策だろうと思います。今日のように世界情勢というものが一応落ちついてきたような段階においては、国が預かるという信用だけによりまして、郵便貯金が集まってくるとは考えてはならぬと思います。そういう点からいきましても、どうしても基本的には郵便貯金利子の問題になってくると思います。だからこの問題については、大臣としては慎重に考慮して、郵便貯金の増強をはかるように、何とか次の休会明けにでも明示をしたい、こういう明言をお願いしたいのです。
  68. 村上勇

    村上国務大臣 非常に各方面影響のあることでありまして、これを今こういうふうにするという明言はいたしかねますけれども、私も貯蓄の増強についての対策について、こういうような点も考慮していかなければならぬということは、申し上げて差しつかえないと思います。
  69. 森本靖

    ○森本委員 それではもう一回くどいようでありますけれども、この点については繰り返しておきますが、来年度の予算編成とからみまして、非常に重要な段階でありますが、郵政大臣としては、郵便貯金が増強されることが最も望ましい、それについてのあらゆる総合的な施策というものについては考えるけれども、その基本的な郵便貯金の優遇策という問題についても、慎重に十分考慮して、次期の休会明けの国会あたりにおいては、そういうことを明確にしたい、こういうことでよろしゅうございますか。そういうふうに受け取って……。
  70. 村上勇

    村上国務大臣 本年度も現在まで昨年に比べて非常に伸び悩んでおりますから、これをこのまま放置して、自然にまかしておくというわけにはいかないと思います。従いまして、どういう方法によって貯蓄の増強をはかるかという具体的なものは、まだ決定いたしておりませんが、御指摘通りに十分これの希望を達成できるように、来春、いつという日時は申し上げるわけにいきませんが、とにかく年度内に十分な対策決定いたしたいと思います。
  71. 森本靖

    ○森本委員 それからもう一点、金融問題と財政問題にやはり関係がありますけれども、前の本委員会決議にもなっておりますところの、簡易保険の最高制限額の引き上げについては、次期国会において考慮するのが妥当であるというような決議を出しまして、その決議が満場一致で通って、前のときには閉会になっておりますが、この簡易保険の最高制限額の引き上げについても、大臣としては十分に考慮をして、次期の休会明けの国会には、この問題についても前の国会通り明示を願いたいと思うのですが、どうでしよう。
  72. 村上勇

    村上国務大臣 これを明示するということはちょっと困難じゃないかと思います。これはそういうような、そこまで相当各方面に渡りをつけていかなければならない、微妙な点がありますので、その点は一つお許しを願いたいのですが、前松田大臣の御意思もそこにあったといたしますれば、私も十分考慮して参りたいと思います。
  73. 森本靖

    ○森本委員 今大臣答弁をされた言葉の内容ということについては、私もよく承知をしております。非常に困難な事情があるということは事実だろうと思いますけれども、前の国会のときに、次期の国会においては、この点については十分考慮するということを政府当局も言われておりますし、それから本委員会においても、満場一致でそういう方向決議がなされておりますので、この問題については、やはり私は休会明けの次期国会には、一つ明確にしてもらいたいと思う。大臣の意思というものを明確にしていただきたいということでありますが、どうでしょうか。
  74. 村上勇

    村上国務大臣 明確になるか、あるいは御希望通りにならないかどうか、私ここで直ちに御答弁申し上げることはどうかと思います。しかしでき得る限り、各方面の意向も打診いたしまして、御期待に沿うような方向に持っていきたい、この程度でお許しを願います。
  75. 森本靖

    ○森本委員 これ以上大臣を追及するのもお気の毒でありますので、私はやめますが、今最後に大臣が申されましたように、そういう方向に従って万全の努力を払うということを確認をしていきたいと思います。  それからもう一点、この前の国会において、次期の国会あるいは次の通常国会あたりに、お年玉はがきのあの法律についても改正して、これを次の国会に出すということを大臣は明確に言明をしておるわけであります。この問題についても臨時国会では問題にならなかったわけでありますけれども、次の休会明けの国会においては私はこの問題についても明確に改正案というものをお出しを願いたい。その具体的な内容についてはこれはいろいろ御意見がありましょう。ともかく現行の法律においては非常に不備があるということは、これは当局も本委員会も全部が一致して認めておりますので、どういう方向にこれが改正をされるということについては、この前の委員会においても、いろいろ意見が交換されましたけれども、ともかく不備な点が非常に多いので、これを改正して明確な法律案を提案するということは、前の大臣も約束をされておりますので、これも休会明けの国会においては提案するということは、大臣の方から明確にしておいていただきたいと思います。
  76. 松井一郎

    松井説明員 森本委員のおっしゃった通りでありまして、私どもも現行の法律に幾多の不備があるということを認めまして、目下その改正案について研究中でございます。成案ができますれば通常国会で御審議をお願いしたい、かように考えております。
  77. 井手以誠

    井手委員長代理 大分時間も経過いたしましたので、本日はこれにて散会いたします。     午後一時四十一分散会