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石井説明員 基地の
測量問題につきまして、いわゆる
反対運動が熾烈に展開されたのでありますが、これに対する
警察の
態度は、かねがね申し上げたと思うのであります。ここにあらためて繰り返しますが、われわれ
警察といたしましては、合法的な
反対運動に対しましては、何ら干渉し介入しようとは思っておりません。しかしながら、いかに
反対運動をせられる
方々の気持がもっともであるといたしましても、それが
行き過ぎまして、いわゆる非合法の段階に達しますならば、
警察の
職責上これを放任するわけには参らないと思うのであります。このことを私
ども警察のとるべき
基本的態度として、今日まで持してきたところであります。今回の
砂川基地の
拡張地域の
測量につきまして、その
測量の
必要性、特にまた十月十六日までに完了しなければならないという
必要性、こういう点につきましては、私
ども警察の直接あずかり知るところではないのでございますので、これは
調達庁その他
関係の
方々から
説明をお聞き取り願いたいと思うのであります。私
どもは
調達庁側のとられました
方針、すなわち
政府のとられた
方針でありますが、十月十六日までにぜひこの
測量を完了しなければならない。その必要に基きまして、
調達庁側が
成規の手続に従って
測量をしようという
方針をとられておりますのに対しまして、
地元の
方々、またさらにこれに応援をされる労組あるいは
学生の
諸君等が熾烈に
反対運動を展開されたわけでありますが、それに対しまして、私
ども警察としましては、先ほど申し上げました
通りその
反対運動が合法のワク内にある限りにおいては、
警察は何らこれに介入し、干渉しようとは思っておりませんが、一たびそれが
行き過ぎまして不法の
事態になりますならば、
警察の
職責上これを放任するわけには参らない。こういう
基本的態度に照らして、現実の動きを冷静にながめて参ったのであります。具体的には、今月四日以来
調達庁の
測量班が連日にわたりまして
測量すべく
現地に出向いたのでありますが、いわゆる
話し合い戦術と申しますか、
話し合いをしようということで絶えず
進路を妨げられまして、
目的の
測量地点に到達できないで、むなしく日を過したというように私
どもは
承知をいたしておるのであります。そうして十月十二日を迎えたのであります。
調達庁といたしましては、余日幾ばくもなくなりましたので、今まではできるだけ
話し合いに応じ、なるべく事が円満に運ぶことを念願しつつ応待をして参ったのであるけれ
ども、事ここに至っては荏苒日を過すわけに参らないというので、従来以上に強力な
態度をもって、強い障害があってもあえてそれを押し切ってどうしても
測量を実施したいという強固な
決意を固められたように伺ったのであります。そこで私
どもといたしましては、十月四日以来、
連月調達庁の
測量班が絶えず
進路をふさがれて、
測量をし得ないで引き揚げておった。それを繰り返しております間におきましても、これを冷静に
警察の立場からながめまして、しさいに検討しますならば、これはあるいは
道路交通取締法違反の様相もあり、軽
犯罪法に触れるような
事態もあり、また都の
条例違反の
状態もありましたけれ
ども、またさらに若干人に傷害を与えたような
事案もありましたけれ
ども、あえて私
どもは
事態の円満なる
解決を望むがゆえに、それをきっかけとして
警備出動することを極力控えて参ったのであります。先ほど申しました
通り、十月十二日に至りまして、
測量隊といたしましては、これ以上時日を遷延するわけに参らない、十六日までにどうしても完了しなければならぬという
必要性にかんがみ、今日からはどうしても強力に
妨害を排除してでも
測量を実施しなければならない、こういう強い
決意をされたように伺ったのでありまして、そうなりますと、もしそれをそのまま放任いたしますならば、必ずや相当な
混乱が起るであろうということは、予想にかたくないところでありましたので、そうした不法な
状態のままに放置することは、とうてい許されないという見地から、
警察といたしましては
出動を余儀なく
決意をいたしたような次第でありまして、十二日には、午前中に
地元の
立川署長が約一時間にわたってあらかじめ警告を発したように聞いております。にもかかわらず、それに応じていただけなかったので、午後に入りまして、午後一時二十分ころでしたか、初めて
予備隊の
出動の
下令をした、こういうように
承知をいたしておるのであります。十月十二日にはそうして
出動はいたしましたものの、
反対者側の
抵抗がきわめて熾烈であったために、結局当日は
測量の
目的を達し得なかったのであります。翌日はどうしても
測量を実施したいという
測量隊側の強い
態度でございましたので、
警察といたしましては、やはり不測の
事態の防止のために、前日
同様出動をせざるを得ないという
考えのもとに
出動をさせたのであります。しかしその間にありましても、なおかつ、
先ほどお話もありましたように、
社会党の各
先生方が手を尽して
事態の
円満解決のために、
最後まで努力されようとしておられた点を私も
十分承知をいたしております。現に私のところに、十二日の夜おそく、ある幹部の方がそういう話を持っておいでになりました。私もその話を承わりまして、私も全く同様に、もし
事情が許すならば、円満に
事態が
解決するならばこれほど望ましいことはないのであるから、
事情の許す限り
警察といたしましても
実力を
行使することについては慎重を期しましょうということで、十三日は早朝
部隊を
出動せし
むる予定でありましたものを、特に
最後の
話し合いのために若干の時間
猶予方を申し出られましたので、それに私は同調いたしまして、若干十三日の
出動を時間を繰り下げたような次第であります。私
どもとしましては、どこまでも
事態が円満に
解決することこそ念願しておれ、
混乱の起ることを望む、いわんや挑発的な
行為に出るといったようなことは毛頭
考えておらなかったのであります。不幸にしまして十二日、十三日の実際の
警備部隊の
出動の結果、双方に
相当数の
負傷者を
出しましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。その間
警察官の必要以上の
実力行使があったために、そういう結果になったかどうかという点につきましては、現在詳細に
調査をいたしておるところであります。もし不幸にしまして
警察官のいわゆる
行き過ぎ行為、必要以上の
実力行使をしておるというような点がありましたならば、それに対しましては
十分責任を追及すべき点は追及したい、かように
考えておるのであります。先ほど御
指摘のありましたように、
上司から、
暴力を
行使してよろしい、すべしという
命令を下したから、第一線の
警察官がああいう挙に出たのであろうという
お話でありましたけれ
ども、決してそういう
命令は下しておりません。どこまでも
警察としまして許されたる範囲において当然
行使すべき権限の
行使、
実力の
行使ということをやかましく
指示しておるのでありまして、
出動いたします
警察官の一人一人に徹底すべく、口頭における
訓示指示はもとよりのこと、書面によりまして、
警備出動の心得という印刷物を手渡しまして、こういう点につきましては細心の注意を払い
指示をいたしておるように私は伺っておるのであります。決して
お話のように
上司から
出動の際にはどんなことをやってもよろしいというような乱暴な
命令は下しておらないのであります。なおいろいろと例をあげて御
指摘がありました、たとえば
立川の
署長ともあろうものが、
国民の権利など知らない云々という
暴言を吐いたというような
お話もありましたが、私、
立川の
署長は個人的にもよく知っておりますが、決してそんな乱暴な
言葉を吐くような人物ではございません。おそらく何かの聞き違いではなかろうかと思うのであります。あるいはまたそういう場合に多少
言葉が足りないと申しますか、そういったようなことから誤解を受けるようなことになったのではないかと思うのであります。また婦女子に対してまで
警察官が
暴行を働いたとか、あるいは
妙法寺の坊さんに対して
警棒をもって
暴行を加えたというような、いろいろ具体的な事例をおあげになって御質問がございましたが、私の今日まで聞く限りにおきましては、そうした
暴行事案はなかったというふうに聞いておるのでありますが、なおそうした点につきましてはさらに十分に
調査をいたしまして、もし不幸にしてそういう
行き過ぎの点がありますならば、将来を戒めるとともに、また
責任を追及すべきものは
十分責任を追及したい、かように
考えております。