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1956-06-01 第24回国会 衆議院 地方行政委員会 第53号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十一年六月一日(金曜日)     午前十一時二十四分開議  出席委員    委員長 大矢 省三君    理事 亀山 孝一君 理事 鈴木 直人君    理事 永田 亮一君 理事 山中 貞則君    理事 吉田 重延君 理事 北山 愛郎君    理事 中井徳次郎君       青木  正君    唐澤 俊樹君       川崎末五郎君    木崎 茂男君       纐纈 彌三君    櫻内 義雄君       灘尾 弘吉君    丹羽 兵助君       古井 喜實君    堀内 一雄君       山崎  巖君    加賀田 進君       川村 継義君    五島 虎雄君       櫻井 奎夫君    西村 彰一君       門司  亮君  出席国務大臣         国 務 大 臣 太田 正孝君  出席政府委員         自治政務次官  早川  崇君         自治庁次長   鈴木 俊一君         総理府事務官         (自治庁行政部         長)      小林與三次君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      後藤  博君  委員外出席者         総理府事務官         (自治庁行政部         振興課長)   宮沢  弘君         専  門  員 円地与四松君     ————————————— 六月一日  委員小澤佐重喜君及び木崎茂男辞任につき、  その補欠として堀内一雄君及び中馬辰猪君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員中馬辰猪辞任につき、その補欠として木  崎茂男君が議長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  新市町村建設促進法案内閣提出一三四号)  (参議院送付)  町村合併促進法の一部を改正する法律案北山  愛郎君外十名提出衆法第六三号)  請願審査小委員長より報告聴取   請 願  一 地方交付税における高校単位費引上げに関    する請願永井勝次郎紹介)(第三三    号)  二 地方公務員に対する期末手当増額に関する    請願原茂紹介)(第八一号)  三 同(下平正一紹介)(第八二号)  四 漁業不振に伴う特別交付税交付に関する請    願(白浜仁吉紹介)(第九七号)  五 発電税創設に関する請願鈴木周次郎君    紹介)(第九八号)  六 交通取締のための警察車両増強に関する請    願(原茂紹介)(第九九号)  七 同(下平正一紹介)(第一〇〇号)  八 農業事業税設定反対に関する請願原茂    君紹介)(第一〇一号)  九 同(下平正一紹介)(第一〇二号) 一〇 地方交付税における高校単位費引上げに関    する請願中村時雄紹介)(第一五七    号) 一一 消防施設強化促進法に基く国庫補助増額等    に関する請願池田清志紹介)(第一七    九号) 一二 町村合併促進法の一部改正に関する請願(    池田清志紹介)(第一八〇号) 一三 奄美群島復興予算確保に関する請願(池    田清志君紹介)(第一八一号) 一四 交通取締のための警察車両増強に関する請    願(松平忠久紹介)(第二二三号) 一五 農業事業税設定反対に関する請願原捨    思君紹介)(第三二二号) 一六 市町村職員共済組合法の一部改正に関する    請願多賀谷真稔紹介)(第三六七号) 一七 同(石坂繁紹介)(第三八七号) 一八 公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関す    る請願杉山元治郎紹介)(第三八四    号) 一九 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する請    願(杉山元治郎紹介)(第三八五号) 二〇 公営住宅起債増額に関する請願野田卯    一君紹介)(第三八六号) 二一 合併町村育成強化に関する請願鈴木善    幸君紹介)(第三八九号) 二二 奄美群島復興予算確保に関する請願(池    田清志君紹介)(第四五七号) 二三 軽油引取税設定反対に関する請願早稻    田柳右エ門紹介)(第四八六号) 二四 同(早稻田柳右エ門紹介)(第五一七    号) 二五 自動車取得税設定反対に関する請願(五    島虎雄紹介)(第四八九号) 二六 クリーニング業に対する事業税軽減に関す    る請願床次徳二紹介)(第五一三号) 二七 木材引取税撤廃に関する請願坂田道太君    紹介)(第五一四号) 二八 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する請    願(灘尾弘吉紹介)(第五五一号) 二九 公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関す    る請願灘尾弘吉紹介)(第五五二号) 三〇 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する請    願(亀山孝一紹介)(第六〇八号) 三一 同(丹羽兵助紹介)(第六六九号) 三二 同(渡海元三郎紹介)(第六七〇号) 三三 公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関す    る請願亀山孝一紹介)(第六〇九号) 三四 同(丹羽兵助紹介)(第六七一号) 三五 同(渡海元三郎紹介)(第六七二号) 三六 公給領収証交付制度廃止に関する請願(    中村三之丞紹介)(第六一〇号) 三七 消防法の一部改正に関する請願椎熊三郎    君紹介)(第六一一号) 三八 公衆浴場営業規制市委譲反対に関する請    願(丹羽兵助紹介)(第六七三号) 三九 市町村職員共済組合法の一部改正に関する    請願熊谷憲一紹介)(第六九二号) 四〇 同外二件(吉田重延紹介)(第七七四    号) 四一 公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関す    る請願五島虎雄紹介)(第六九三号) 四二 同(永田亮一紹介)(第六九四号) 四三 同(古井喜實紹介)(第七七九号) 四四 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する請    願(五島虎雄紹介)(第六九五号) 四五 同(永田亮一紹介)(第六九六号) 四六 同(古井喜實紹介)(第七七八号) 四七 木材引取税撤廃に関する請願薩摩雄次君    紹介)(第六九七号) 四八 同(平野三郎紹介)(第七三三号) 四九 同(坂田道太紹介)(第七七五号) 五〇 同(植木庚子郎君紹介)(第七七六号) 五一 同(瀬戸山三男紹介)(第七七七号) 五二 私鉄に対する事業税改正に関する請願(山    口丈太郎紹介)(第六九八号) 五三 同(五島虎雄紹介)(第七八〇号) 五四 公給領収証交付制度廃止に関する請願外    一件(田中伊三次君紹介)(第七三四号) 五五 公給領収証交付制度廃止等に関する請願    (田中伊三次君紹介)(第七三五号) 五六 同(田中伊三次君外一名紹介)(第七三六    号) 五七 軽油引取税設定反対に関する請願五島    虎雄紹介)(第七八三号) 五八 市町村公平委員会存置に関する請願山下    榮二紹介)(第八二〇号) 五九 同(五島虎雄紹介)(第八九四号) 六〇 市町村職員共済組合法の一部改正に関する    請願福田昌子紹介)(第八二一号) 六一 私鉄に対する事業税改正に関する請願(永    田亮一紹介)(第八二二号) 六二 同(内藤友明紹介)(第八二三号) 六三 同(宇田耕一紹介)(第八五一号) 六四 同(五島虎雄紹介)(第八九一号) 六五 軽油引取税設定反対に関する請願門司    亮君紹介)(第八二四号) 六六 同(横山利秋紹介)(第八二五号) 六七 同(山口丈太郎紹介)(第八九六号) 六八 地方自治法の一部改正反対に関する請願(    江崎真澄紹介)(第八五二号) 六九 地方税法の一部改正に関する請願砂田重    政君紹介)(第八七二号) 七〇 同(山下榮二紹介)(第八九二号) 七一 同(松本七郎紹介)(第八九三号) 七二 地方自治法改正に関する請願山口丈太    郎君紹介)(第八九〇号) 七三 町村合併促進法の一部改正に関する請願(    小牧次生紹介)(第八九五号) 七四 市町村公平委員会存置に関する請願山口    丈太郎紹介)(第九一八号) 七五 私鉄に対する事業税改正に関する請願(小    西寅松紹介)(第九一九号) 七六 同(松田竹千代紹介)(第九二〇号) 七七 同(小笠原八十美紹介)(第九二一号) 七八 同(久野忠治紹介)(第九二二号) 七九 同(坊秀男紹介)(第九二三号) 八〇 同(南條徳男紹介)(第九二四号) 八一 同(西村榮一紹介)(第九二五号) 八二 市町村職員共済組合法の一部改正に関する    請願木原津與志君外三名紹介)(第九二    六号) 八三 木材引取税撤廃に関する請願山本幸一君    紹介)(第九二七号) 八四 同(纐纈彌三君紹介)(第九二八号) 八五 同(三田村武夫紹介)(第九五〇号) 八六 入場税の一部を所在都市交付請願(野    田卯一紹介)(第九五一号) 八七 地方税法の一部改正に関する請願堤康次    郎君外四名紹介)(第九二九号) 八八 同(高村坂彦君紹介)(第九三〇号) 八九 同(塚原俊郎紹介)(第九三一号) 九〇 私鉄に対する事業税改正に関する請願(永    山忠則紹介)(第一〇二二号) 九一 同(小林郁紹介)(第一〇二三号) 九二 地方税法の一部改正に関する請願佐竹新    市君紹介)(第一〇二四号) 九三 同(伊藤郷一君紹介)(第一〇二五号) 九四 同(足立篤郎紹介)(第一〇七一号) 九五 同(植村武一紹介)(第一〇七二号) 九六 同(大野市郎紹介)(第一〇九九号) 九七 地方自治法改正に関する請願中馬辰猪    君紹介)(第一〇二六号) 九八 公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関す    る請願永田亮一紹介)(第一〇六九    号) 九九 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する請    願(永田亮一紹介)(第一〇七〇号) 一〇〇 軽油引取税設定反対に関する請願(江    崎真澄紹介)(第一一〇〇号) 一〇一 地方税法の一部改正に関する請願田中    角榮紹介)(第一一六八号) 一〇二 同(亘四郎紹介)(第一一九四号) 一〇三 同(植村武一君外二名紹介)(第一一九    五号) 一〇四 同(星島二郎紹介)(第一二三九号) 一〇五 クリーニング業に対する事業税軽減に関    する請願中村三之丞紹介)(第一一六    九号) 一〇六 消防法の一部改正に関する請願江崎真    澄君紹介)(第一一七〇号) 一〇七 木材引取税撤廃に関する請願中馬辰猪    君紹介)(第一一七八号) 一〇八 同(野田卯一紹介)(第一二三七号) 一〇九 同(中馬辰猪紹介)(第一二三八号) 一一〇 地方自治法改正に関する請願池田清    志君紹介)(第一一七九号) 一一一 旧軍港市の財政確立に関する請願池田    清志君紹介)(第一一八〇号) 一一二 私鉄に対する事業税改正に関する請願(    堀内一雄紹介)(第一一九六号) 一一三 公給領収証交付制度廃止に関する請願    (田中彰治紹介)(第一一九七号) 一一四 同(塚田十一郎紹介)(第一二四〇    号) 一一五 公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関    する請願門司亮紹介)(第一二三三    号) 一一六 同(大矢省三紹介)(第一二三四号) 一一七 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する    請願門司亮紹介)(第一二三五号) 一一八 同(大矢省三紹介)(第一二三六号) 一一九 スケート場利用に対する娯楽施設利用税    撤廃に関する請願大矢省三紹介)(第    一二四一号) 一二〇 地方自治法の一部改正に関する請願(中    村梅吉紹介)(第一二七二号) 一二一 質屋営業に対する固定資産税軽減に関す    る請願櫻内義雄紹介)(第一二七三    号) 一二二 新市育成強化に関する請願山崎巖君    紹介)(第一二九二号) 一二三 旧軍港市の財政確立に関する請願(前田    榮之助君外二名紹介)(第一二九三号) 一二四 消防施設強化促進法に基く国庫補助増額    等に関する請願中馬辰猪紹介)(第一    三二七号) 一二五 地方税法の一部改正に関す    る請願竹山祐太郎紹介)(第一三三八    号) 一二六 遊興飲食税免税点引上げに関する請願    (吉田重延紹介)(第一三六四号) 一二七 新市育成強化に関する請願池田清志    君紹介)(第一三六五号) 一二八 地方税法の一部改正に関する請願江崎    真澄紹介)(第一三六六号) 一二九 同(五島虎雄紹介)(第一四〇二号) 一三〇 同(門司亮紹介)(第一四〇三号) 一三一 都道府県保険課職員身分移譲に関する    請願島上善五郎紹介)(第一四八九    号) 一三二 地方税法の一部改正に関する請願中井    徳次郎紹介)(第一四九〇号) 一三三 昭和三十一年度公共事業費割当方針是    正に関する請願松平忠久紹介)(第一    五二四号) 一三四 遊興飲食税免税点引上げに関する請願    (西村力弥紹介)(第一五二五号) 一三五 旅館における遊興飲食税撤廃に関する請    願(大野市郎紹介)(第一五二六号) 一三六 公衆浴場業に対する事業税軽減に関する    請願五島虎雄紹介)(第一五四九号) 一三七 公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関    する請願五島虎雄紹介)(第一五五〇    号) 一三八 小規模公営住宅に対する交付金改正に関    する請願大矢省三紹介)(第一五八六    号) 一三九 地方税法の一部を改正する法律案の一部    修正に関する請願田中武夫紹介)(第    一六二八号) 一四〇 遊興飲食税免税点引上げに関する請願    (楢橋渡紹介)(第一六四九号) 一四一 同(石坂繁紹介)(第一六七二号) 一四二 注文洋服仕立加工業者に対する第一種事    業適用変更に関する請願(小金義照君紹    介)(第一六五〇号) 一四三 公給領収証交付制度廃止に関する請願    (伊藤郷一君紹介)(第一六七三号) 一四四 山辺町の上水道敷設工事に対する起債認    可の請願松浦東介紹介)(第一六七四    号) 一四五 遊興飲食税免税点引上げに関する請願    (五島虎雄紹介)(第一七七五号) 一四六 軽油引取税の一部を市に交付請願(野    田卯一紹介)(第一七七六号) 一四七 娯楽施設利用税の一部を所在都市交付    の請願野田卯一紹介)(第一七七七    号) 一四八 国庫補助金並び起債わく決定促進に    関する請願野田卯一紹介)(第一七七    八号) 一四九 都市監査委員制度整備拡充に関する請    願(菅野和太郎紹介)(第一八一三号) 一五〇 私鉄に対する事業税改正に関する請願(    田中角榮紹介)(第一八二四号) 一五一 旅館における遊興飲食税撤廃等に関する    請願廣瀬正雄紹介)(第一八七三号) 一五二 遊興飲食税免税点引上げに関する請願    (高橋等紹介)(第一八七四号) 一五三 同(永山忠則紹介)(第一八九六号) 一五四 質屋営業に対する固定資産税軽減に関す    る請願塚田十一郎紹介)(第一八七六    号) 一五五 地方税法の一部改正に関する請願(森三    樹二君外一名紹介)(第一八八五号) 一五六 旅館における遊興飲食税撤廃に関する請    願(西村力弥紹介)(第一九三〇号) 一五七 交通事故防止のための信号機設置請願    (平塚常次郎紹介)(第一九五一号) 一五八 地方公務員法等の一部を改正する法律制    定反対に関する請願島上善五郎紹介)    (第一九五四号) 一五九 地方財政確立に関する請願島上善五郎    君紹介)(第一九五六号) 一六〇 町村合併促進法適用範囲に関する請願    (小坂善太郎紹介)(第一九六三号) 一六一 木材引取税撤廃に関する請願鈴木善幸    君紹介)(第一九九九号) 一六二 芸者の花代に対する課税改正に関する請    願(中村梅吉紹介)(第二〇〇〇号) 一六三 地方自治法の一部改正に関する請願(中    馬辰猪紹介)(第二〇八八号) 一六四 地方財政再建に関する請願愛知揆一君    紹介)(第二一三八号) 一六五 同(床次徳二紹介)(第二一三九号) 一六六 私鉄に対する事業税改正に関する請願(    山口丈太郎紹介)(第二一七五号) 一六七 駐留軍関係施設所在市町村に対する交付    金交付に関する請願福田赳夫紹介)(    第二二〇八号) 一六八 たばこ販売業に対する事業税撤廃に関す    る請願野田卯一君外一名紹介)(第二二    二一号) 一六九 発電税創設反対に関する請願中村梅    吉君紹介)(第二二四八号) 一七〇 国有鉄道等に対する固定資産税課税に関    する請願八木一郎君外三名紹介)(第二    二八〇号) 一七一 信用金庫に対する市民税等課税に関する    請願八木一郎君外三名紹介)(第二二八    一号) 一七二 町村合併に伴う借入金長期債に借換え    の請願八木一郎君外三名紹介)(第二二    八二号) 一七三 たばこ販売業に対する事業税撤廃に関す    る請願大矢省三紹介)(第二二八三    号) 一七四 地方債証券公庫設置請願八木一郎君    外三名紹介)(第二二八九号) 一七五 群馬県の凍霜害に伴う普通交付税の繰上    交付等に関する請願長谷川四郎紹介)    (第二三八五号) 一七六 同(福井盛太紹介)(第二三八六号) 一七七 同(笹本一雄紹介)(第二三八七号) 一七八 地方債証券公庫設置請願神田博君紹    介)(第二四〇八号) 一七九 同(江崎真澄紹介)(第二四〇九号) 一八〇 国有鉄道等に対する固定資産税課税に関    する請願纐纈彌三君紹介)(第二四一〇    号) 一八一 同(神田博紹介)(第二四一一号) 一八二 同(江崎真澄紹介)(第二四一二号) 一八三 町村合併に伴う借入金長期債に借換え    の請願纐纈彌三君紹介)(第二四一三    号) 一八四 同(神田博紹介)(第二四一四号) 一八五 同(江崎真澄紹介)(第二四一五号) 一八六 信用金庫に対する市民税等課税に関する    請願纐纈彌三君紹介)(第二四一六号) 一八七 同(神田博紹介)(第二四一七号) 一八八 同(江崎真澄紹介)(第二四一八号) 一八九 町村職員恩給組合法に基く複式簿記実施    期日延期に関する請願五島虎雄紹介)    (第二四一九号) 一九〇 弥彦事件の調査に関する請願(稻村隆一    君紹介)(第二四四九号) 一九一 同(櫻井奎夫君紹介)(第二四五〇号) 一九二 同(大野市郎紹介)(第二四五一号) 一九三 同(三宅正一紹介)(第二四九七号) 一九四 地方債証券公庫設置請願纐纈彌三君    紹介)(第二四七六号) 一九五 たばこ販売業に対する事業税撤廃に関す    る請願野田卯一紹介)(第二五二一    号) 一九六 同(植木庚子郎君紹介)(第二五二二    号) 一九七 同(南好雄紹介)(第二五二三号) 一九八 同(内田常雄紹介)(第二五二四号) 一九九 同(松野頼三君紹介)(第二五二五号)     —————————————
  2. 大矢省三

    大矢委員長 これより会議を開きます。  新市町村建設促進法案及び北山愛郎君外十名提出にかかる町村合併促進法の一部を改正する法律案の両案を、一括議題として質疑を行います。質疑の通告がありますのでこれを順次許します。北山愛郎君。
  3. 北山愛郎

    北山委員 昨日に引き続きまして促進法の質問をいたします。きのう最後にお伺いした町村合併基準でございますが、これは現在に至るまで町村合併によってでき上る市町村というものが、どの程度の大きさが最も合理的かというような点のものさし基準についてはまだ何もないんじゃないか、こういうふうな疑問を私は当初から持っておるわけであります。現在でもこの問題は解決をしておりません。そこでやはり町村合併というものを、府県なりあるいは政府の方で指導するという場合には、当然これはものさしが必要なのでありまして、従来も何かのものさしでもってやってきたに違いないと私は思うのです。たとえば町村合併の結果新しい市がたくさんできたわけです。ところがその市の中には、地方自治法に規定されておる市の要件を欠いておるものが、相当出ておるということは否定し得ない。いわゆる商工業のような都市的な業態の人口というものは、六割以上ということに要件はなっておるわけです。ところが明らかに農林関係等人口が六割に達して、逆な農村都市的な、田園都市的なものが出ておる。従って地方自治法の市の要件を欠くものが現実に出てきておる。そこで一体この地方自治法の市の要件という規定を、実態の方に合せるつもりなのか、あるいは将来実態の方の現実の市というものを、何らか別な形に持っていく方針なのか、こういうことすらもきまっておらない。今度地方自治法の一部改正案が通りましたけれども、この中に、当然市の要件なんかは入れなければならぬ問題だと私は思う。こういう点については一体自治庁はどのように考えているのか、その辺の造詣が深い鈴木次長からお伺いしたいのであります。
  4. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 ただいまの点は、行政部長から一つ直接お話を申し上げるようにさせていただきたいと思います。
  5. 小林與三次

    小林(與)政府委員 ちょっと私から先に御答弁申し上げます。町村合併促進合併基準の問題が最初お話が出たのでございますが、これはその促進法の三条に、合併のめどを書いてあることは御承知の通りでありまして、やはり具体的に人口何万でなくちゃいかぬというわけにはいかぬので、おおむね八千人以上の住民を有するのを標準とし、地勢、人口密度経済事情その他の事情を考えてやる、こういう建前で規定しておりまして、町村実態、それぞれの実情が千差万別でございますので、おおむねの見当でいくよりしようがないのでございます。それで八千以上で、一万二、三千から一万四、五千というところが、町村として適当じゃないだろうか、こういう計算を一応いたしておりまして、普通の町村合併計画を作ることを地方でも考えておったと思います。そこで問題はむしろ市の問題でございまして、その過程におきまして、町村合併中心になり、市街地中心にして市を作った事例が相当多いのでございます。これはそれぞれの団体の実情上そうした合併をする方が一番適当であり、また住民の御総意もそこにあったわけでありまして、その合併自体はとやかく言う必要はないと思いますが、それを市にしたら適当かという問題が議論の中心だろうと思います。そこで市につきましては、自治法に一応資格の要件がございまして、この要件を充足する限りは市として設置されたわけでございます。ただこの要件というものは、これは認定の問題もございますので、この認定のいかんによって非常にお粗末じゃないかとおっしゃるのはこれは間違いがないのでございまして、従来の市から見れば市街地としては相当お粗末なのは——お粗末というのは非常に語弊がありますから慎しまなければならぬことだと思いますが、そういう市が現実にあるのも事実でございます。しかしながらこれは一応認められる限りは、町村住民総意を基礎にして考えたらどうだということで、従来の市ができておるのでございまして、そして新しく発足した市は、それぞれ新市の経営に鋭意努力いたしておるところでございます。  そこで今度自治法をその実態と合せるために上げ下げするかせぬかという問題でございますが、現行法は御承知の通り、今後の市の運営をまず人口五万で押えるのが適当だろうという判断になりまして、三万が五万に上ったのでございます。大体の新市は三万時代の要件ででき上ったのでございまして、今後五万以上の市ともなれば、そう簡単にでき上るものでもなし、全国的にそうあろうとは私は考えておりません。それなら五万にしたのだから従来の三万時代の市をつぶすかといえば、それはそれぞれの時代に適法な手続でできた市でございますから、これはつぶすわけにも参らぬと思うのでございまして、でき上った市は市として一つ発展、経営を願いたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  もっとも市と町村というのも名称は違いますが、市町村を構成しておる実態はもちろん違いまするけれども、制度上市と町村といって区別する理由と必要はどこにあるのかという一つの議論も一面にあるのでありまして、普通の構成では人口十万以上とか十五万以上とかいうことで福祉事務所を置いたり、保健所を置いたりする扱いを別にしておるものはありますけれども、市と町村で特別に扱いを異にしておるのは、実はあまりないのでございます。いずれも基礎的な地方公共団体でございますから、制度上そうやかましく言う必要があるのか、むしろ基礎的地方公共団体を一つの名称で呼んで、人口なり何なりの実態に応じて制度を考えていったらどうだという基本的な考え方も実はあるわけでございます。これも一理のある考え方だとわれわれは考えておるのでございまして、そういう意味もありまして、現在のものにつきまして、八条の要件を三万時代のものについて、とやかくするということにつきましては、その必要もないんじゃないか、一応そういうふうに考えておるわけでございます。
  6. 大矢省三

    大矢委員長 ちょっと北山君、資料について何か説明を訂正したいと言うていますから、それを先にやってもらいましょう。
  7. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは北山委員からかねて御要望がございました「新市町村育成に関する世論調査報告書」の案でございますが、けさ印刷ができましたので実は一応お配りいたしたいと思います。実はこれはお配りしてはなはだ申しわけないのでありますけれども、世論調査の質問事項とか、その結果はもちろんこれは事実でございますから問題ないのでございますが、その前の方に概括的な意見が一部書いてあります。これは世論調査をまとめました中央調査社の一部の人が書いたものをそのまま急ぐあまり印刷所へ回しまして、これにつきましてはこの事実の評価をどうするかということは、それぞれ人の考え方によって違うのでございまして、自治庁の公式の意見ではありませんので、自治庁といたしましては、必要ならば意見をつけ加え、修正すべきものは修正していきたい。むしろ事実だけの報告としてお配りいたした方がよかろうと思っておりますけれども、時間のゆとりもございませんので、一応調査社からできた資料をそのまま印刷したものをお配りいたしまして、御参考に供したいと思うのでございます。自治庁としての正式の資料ではないのでございます。その点だけを一つ御了承の上、御判断を願いたいと思います。事実だけは間違いありませんから、これについてはとやかく言うつもりは毛頭ございません。
  8. 北山愛郎

    北山委員 今の世論調査ですが、ちょっとお伺いしておきますが、この前書きを見ると、「この、報告書は、自治庁昭和三十年九月に実施した「合併町村育成についての世論調査」と総理府審議室が同年十二月に行なった「地方自治(新市の育成)に関する世論調査」の結果をまとめたものである。」こということになっているのです。結果をまとめた作業というものは一体どこでおやりになったか、自治庁の御意見が入っておらぬというお話でございますが、初めの合併町村育成についての世論調査は、これは自治庁がやった調査でありますから、二つの調査が一緒になっているような格好になっているのでありますが、これらの関係はどうなっておりますか、説明していただきたい。     〔委員長退席、鈴木(直)委員長代   理着席〕
  9. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これはごもっともでございます。この世論の調査は御承知の通り非常に専門的な技術と能力が要るのでございまして、自治庁や総理府の審議室自体が調査できるわけではないのでございして、ただその調査の企画と申しますか、その発動の一部をこちらでやったわけでございます。実施は二ページに書いてございますが、社団法人、中央調査社、かつて国立世論調査所というものがありましたが、それが現在民間の法人で世論調査を技術的にやっておりまして、そこへ全部委託をいたしましてやるわけでございます。審議室でやったのはそういうことで、両方とも委託して、全部まかす、ただ問題点などは私の方で一部出した問題がありますが、それも聞き方とか問題の出し方もみんな世論調査所で技術的にまとめまして、その結果を向うで、似たような調査でございますから、これはむしろ一本にした方がよかろうということで、その取りまとめもみな向うでお願いいたしたのでございます。ただその主管者と申しますか、発動者が自治庁というふうになっておりますから、そういう意味でこの前書きを書かれておるのでございます。
  10. 北山愛郎

    北山委員 それからもう一点、この世論調査の中で、自治庁の意見として出すのは、ちょっと工合が悪いというふうな御発言がございましたが、たとえばこの中のどういう点でございますか。
  11. 小林與三次

    小林(與)政府委員 どういう点もこういう点もないこの質問事項と結果はこれは全部実際の結果の集計でございますから間違いはないのですが、その上の方に総括的な意見がついておる。つまり調査所の係の人が意見を中心にまとめておるところが自治庁の見解ではない、これは事実に対する評価の問題で、都合のよしあしの問題ではないのでございます。
  12. 北山愛郎

    北山委員 それではこの報告書は自治庁と銘打ったものが消されて、そうして報告書(案)となったことは、やはりこの中にどうも今度の新市町村建設促進法、これをやるのには都合が悪いような資料が入っておるらしい、こういうふうに了解いたして、その点は終ります。  先ほどの市の要件ですが、自治法第八条の市の要件は、人口五万であることと、それから中心市街地の区域内の戸数が全戸数の六割以上、商工業その他都市的業態に従事する者及びその同一世帯に属する者が、全人口の六割以上である、こういうことは今の小林さんのお話だと、まあ相当これは適当にやってもよろしいのじゃないかというふうな御発言だったようでありますが、そうすると、やはり一つの法律でございますから、法律でこういうふうに要件は明定してあるのですから、これを変えるか何かしなければ、そういうようないいかげんなことはできないと思うのです。法律というものは、今小林さんのおっしゃるように、いろいろ御意見もあるというので、適当に運用されたのではたまったものじゃない。もしもそういうようにこの要件というものを適当に認定して、おそまつな認定だと言われましたけれども、その認定をしてやられて、いいものであればそれが正しいとするならば、やはり法律そのものを直すべきじゃないか、こういうふうに考える。法律はそのままにしておいて、それを適当に実態に合うように運用するということは、法律の権威といいますか、そういうものを害すると思うのでんが、一体どうなんでしょう。これは鈴木さんから一つお伺いしたい。
  13. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 この八条の市となるべき要件というものは、ここに規定してございます通りでありまして、人口五万以上の市というのは、これは数学的にぴしゃっと出てくるわけでございますが、二号の戸数の六割以上が市街地を形成しておる、あるいは人口の六割以上が都市的業態の世帯に属するものである、こういう点でございますが、これらも自治庁が実際に運用しております場合におきましては、これは認定ではございますけれども、この要件を満たすか満たさないかということを、やはり市制施行の重要な要件といたしまして調査をしておるわけでありまして、これらの要件を備えたもののみを今日市といたしているわけであります。従って先ほど行政部長の答弁の中に、私どういう表現でございましたか、あまりはっきり記憶いたしておりませんが、北山委員が適当にやってもいいのだというふうにお聞きになったといたしますれば、それはそういう意味でおそらく行政部長は申したのじゃないと思います。法律に定めてありまするこれらの要件を満たすもののみを、市制施行の処分をすることができる、こういうことになっておるのであります。
  14. 北山愛郎

    北山委員 それはざっくばらんにお話をなさった方がいいと思うのです。現実に二号、三号の問題にしても、これは数字的に出ておるのですよ。この条件に明らかに合わないいわゆる農村市みたいなものがたくさんあるのです。それを認定の問題で片づけたんじゃ、一応の答弁としてはいいかもしれないけれども、やはりわれわれは市町村なら市町村の制度というものを考える場合に、そういう申しわけ的答弁を乗り越えて、どう持っていったらいいかということです。だから市なら市の一つの要件があると思うのです。市と町とは同じだとはいえない。同じなら何もそんな名前を区別しないで、みな市とした方がいい、だから地方へ行くと、村だか町だか市だかわけのわからぬような、一つで市町村全部を兼ねているようなものが出ておるのです。これをどういうふうに持っていくかということは、地方自治制度上重大な問題だと思うのです。それに対して、ただ法律の解釈について、そのような申しわけ的な答弁では僕は納得しないのです。どういうふうに持っていく方が正しいか。だから将来の問題、今後の問題を私は聞かなければならぬと思う。それについて何ら考える必要はないというなら別です。
  15. 小林與三次

    小林(與)政府委員 私どもも市をどう持っていくかという問題につきましては、市はつまり町村と制度を別にする以上は、もちろん市は市として考えていかなくちゃならぬのでございまして、私の先ほどの答弁も、法律の解釈はでたらめにやるという趣旨ではもちろんないのでございまして、法律は可能な限り解釈し得るだけでございますから、その点は一つ御了解を願いたいと思います。そこで結局市と町村を一体今後どう持っていくかという基本的な問題でありますが、どう持っていくかという問題は、それぞれの自治体の経営の実態をどう持っていくかということが一つ、それから国の制度上それをどう使い分けて扱っていくかという問題と、二つあると思うわけでございます。そこでその問題について考えますと、現在市、町村という名前は自治法で区別しておりますが、普通の法律制度の上においては、事務を市と町村によって全部区別しておるかというと、必ずしもそうでないということを先ほど申し上げたのであります。しかしながらとにかく自治法で市と町村を区別する以上は、市は市街地中心とした都市的な発展、都市的な実態を持っておるものを基礎にして、都市的な実態を持つものは都市的な業態にふさわしい生活の需要があり、建設の運営方針があるべきだということが、根本にあることは間違いないのであります。しかしながらそうした都市的な実態があっても——それならばそれは市街地だけであって、農村地帯というものは全然なくていいかといえば、これまた必ずしもそういう必要はないのでございまして、京都にもいなかがあれば、東京都にも郡部があり得るわけでございまして、果して市街地部、農村部というものを竹を割ったように割って、それぞれ別個に経営していくだけが一番いいかといえば、これも一つの問題がありまして、市街地とこれに密接不可分の隣接農村地帯というものがむしろ一体になって、都市、農村連帯的な共同生活体ができておるならば、その共同生活体を基礎にして経営を考えていくということも十分に考えられると思うのでございます。それぞれの自治団体は必ずしも一様の実態を持っておるわけではないのでございまして、それぞれ特徴のある性質を持っておりますから、その特徴を生かしながら自治体の経営を考えていくべきだと考えておるのでございます。それを国の制度としてどう規制する方策を持っていくかという問題になりますれば、先ほども申しました通り、それは基本的ないろいろな考え方があり得るのでありまして、それにつきましてはわれわれといたしましては、一応今の態勢で問題を考えていきますが、なお問題があり得るということを申し上げたのでございます。
  16. 北山愛郎

    北山委員 今後における地方制度ということは、全国民的な重大な関心の問題だと思うのです。今の市についてもあるいは町村についても、どういうような格好に持っていったのが最も合理的であり、いわゆる基礎的な地方団体として発展ができるかというようなものさしを持たなければ、そういう前提の上に立たなければ、町村合併を促進するという理由が出てこないと思います。そこで先ほど町村についても——市についても同じですが、町村についても、町村合併の結果を見ると、町村は平均一万五千くらいになっているようです。しかしこれも一万五千がなぜいいのだという合理的な基準、基礎になるものはないと思うのです。ただ漫然と腰だめ的に一万五千くらいで四ヵ町村くらい平均で合併するというようなことで、きているのではないか、こういうふうに思われるので、その点私は非常に自信がないといいますか、不安を覚える。町村合併促進法にあった人口八千というのは、一応例の神戸委員会の調査というものを基礎にして、大体村なんかの事務量は人口八千くらいあれば能率的だという一つの資料に基いたものですが、しかし一万五千というのは何も基礎がないと私は思うのです。結果は一万五千くらいになっておりますが、県によっては一万二千くらいのところもある。そういうような一万五千がいいということについての合理的な基準というものを、自治庁はお持ちになっているかどうか。  それからもう一つは、今度の地方自治法改正の中にも、府県の仕事を市町村でやれるものはこれを委譲していくというような考え方が、そこに入っているのです。町村合併が進行していく過程において、一体一万五千くらいな町村に対して、どういうような府県の事務を委譲されるというお見通しであるか、これもあわせて伺っておきたい。
  17. 小林與三次

    小林(與)政府委員 私は一万五千が、結果的になっているという意味で申し上げたのでございまして、一万五千が適当だから一万五千にしろ、そういう趣旨の考え方を従来自治庁は持っておるわけじゃありません。この促進法に書いてあります八千を最低基準として考えたい。そうすると御承知の通り町村は三千のものもあれば、五千のものも六千のものもあるのでありまして、そういうものが、それぞれの実態に応ずる組み合せの結果、八千でとまるものもあれば、九千、一万になるものもある。こういうことで実際は計画を立てて組み合せをしてみるというと、その結果が、現在までのところは一万二、三千が平均で、県の合併計画によりますと、一万五千くらいになっておる、こういうのでございます。われわれといたしましては、今仰せられました神戸委員会からいろいろ研究の結果できております八千というものを最低基準に考えて、そして適当にまとまるという考え方で参っておるわけでございます。  それからなおこれに関連しまして、合併をすれば府県の事務をどういうふうに委譲するか、こういう問題がございます。これはわれわれといたしましても新市町村ができ上ったら、新市町村実態に即して、できるだけ事務の再編成というものを考える必要があると思っております。しかし今の段階は、なおこれは合併途上にございまして、全部が合併を完了したわけでありません。そこにわれわれの仕事を進めていく場合の非常にむずかしさがあるのでございまして、でき上ってしまったものは、新町村のことを考えていかなければならぬ。残っておるものは、残っておる合併を考えていかなければならない、それで新市町村建設促進法を考えるようになった趣旨でありまして、合併促進法だけでは、もうすでにその段階が済んでおる。新市町村ができたら、こっちに移るべきである。しかしそれだけでは問題が済まぬ。こういういろいろな段階的な問題がございまして、国の制度としてぴちっとやるということにそう簡単にいかぬ時期があるのが、われわれのこの問題に対する苦労の種なのでございます。そこで合併もほんとにでき上っちゃって、そして一応の目途がついて、残るものはあるに違いない。残るものはどういう形で残って——それだってやはり合併した町村と同じように生かしていく必要も考えていかなければならぬのでありまして、早く一応の結末がついたところで、実態に即した行財政上の措置というものを、私は考えていく必要があろうと思うのでございます。そういう時期が早く到来することをわれわれとしてはこいねがっておる次第なのでございます。そこでそれなら具体的に二条の事務委譲を府県と市町村について何を具体的だ考えておるかといえば、これは制度として割切って考えられるものと、それからもう一つは今の補完事務と申しますか、個々の施設の問題等両方にありまして、制度として今まで県がやっておるものを一万二、三千の市町村に、すぽっとおろせるものがあるかと言えば、私は実はそうないと思います。それは主として考えられるのが民生とか、保健とか、社会福祉というような事務について、もう少し積極的におろすべきであるという問題がございますが、それにしろ社会福祉事務所を人口十万で押えるとか人口十五万で押えるとかいう問題が現況でありまして、これをどれだけに下げていくかというようなことで考えなくてはいかぬのでございます。それ以上の問題は、むしろ府県の何と申しますか、指揮とか監督とか、いろんな形で調整権を持っておる。そういうものはできるだけはずしていくことを考えなければいかぬ。町村道とか、府県道とかいう認定が——府県道と町村道はどれだけ合併したって残ると思いますが、そういうものだって、なるべくこれは事実上の問題になりますが、町村の中でさばきのつくものは町村でさばきがつくようにさしていく必要がある。それからいろんなそういう具体的な土地改良の仕事だって、そういう問題でございまして、そういうものをできるだけ府県のよけいな関与というものをはずして、自立さしていくということを実態的に考えていく必要があろう。そういうふうに考えておるわけでございます。
  18. 鈴木直人

    鈴木(直)委員長代理 門司委員
  19. 門司亮

    門司委員 時間の関係もございますので、ごく簡単に二、三の質問だけをいたしたいと思いますが、まず最初に質問をしておきたいと思いますことは、きのうで地方の公共団体に対する再建整備法の一応の期限は切れたのでありますが、今日までに都道府県市町村で、地方財政再建整備法の適用を受けることを申請している、あるいは議決さしている町村がどのくらいあるか、一応その数字を発表しておいていただきたと思います。
  20. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 それは今ここに数字を持っておりませんので、すぐ取り寄せまして申し上げたいと思いますが、きょう新聞紙上に出ておりましたあの数字でございます。
  21. 門司亮

    門司委員 そうすると、その中で町村合併促進法に基いて合併をした町村が、どのくらいの申請をしてきているか、その数字を明らかにしてもらいたい。
  22. 小林與三次

    小林(與)政府委員 五月一ぱいの集計がわかりませんので申し上げかねますが、ここに五月七日までの現在数がございます。それはその割合だけから申しますと、その日現在では、再建団体の申し出総数が、町村が百七十八、そのうち合併町村が九十五、ちょうど半分くらいになっております。その割合でいっているかどうかわかりませんが、一応御参考までに申し上げます。
  23. 門司亮

    門司委員 この問題は、この法律に非常に重大な関係を実は持っているわけであります。町村合併促進法が完全に法通りの遂行をされていれば、私はこういう問題は比較的少なかったんじゃないかというふうに考えられる。従って率直に聞いておきたいと思いますことは、政府は——これは大臣がおいでになれば大臣でなければ困ると思うんだが、鈴木次官がおいでになっておりますので、一応聞いておきますが、町村合併促進法案は完全に法案通りに実行されたとお考えになっているかどうか。いわゆる法の効果が十分にあったとお考えになっているかどうか、この点を明確にしておいていただきたい。
  24. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 町村合併促進法は、御承知のごとく町村合併をいたしまして、そうしてでき上りました町村の建設計画を作り、その建設計画にのっとった新市町村の育成をするということをねらって、国会において御制定にたったわけでございまして、その前段の町村合併をする、こういう点については、私どもは当初の予定をいたしましたとほとんど同様の、所期の結果を達成してきていると思うのであります。なお最後に残された問題がございますけれども、大体において所期の目的を達成したものと考えております。  それから新市町村としての育成の点につきましては、これも合併してすぐその年から一切のものが、あるいはその大半のものが、うまくでき上るということは、期待はいたしましても、なかなか実際問題として困難でございまして、現実の数字等は昨日行政部長が申し上げたいと思いますが、事業の建設計画の年度予定から申しまして、大体五、六割前後のものができている。起債の面から申しましても、大体予定の計画の五割前後、こういうことになっておりますので、従ってこういう点は、所期の目的を大体近い程度に達成したとまでは申し上げかねるのでございますが、後段の点につきまして、私どもといたしましては今後努力していかなければならないというようなところから、今回合併の方に従来主体を置いてありました法律案を、建設の方に主体を置いて進めていく、こういうことでこの法案を提案いたしたような次第でございます。
  25. 門司亮

    門司委員 もう一つ基礎的なものを聞いておきたいと思いますが、今日までの町村合併の状況から考えて、将来なお合併しなければならない、あるいはするであろう、した方がいいというように考えられる町村が、一体どれくらいあるか、その数字が自治庁には大体わかっているはずだと思いますので、一応お知らせ願いたい。
  26. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは私がお配りいたした資料のうちに、合併市町村及び未確定町村数等に関する調べというのがございます。これは県の合併計画を一応基礎にいたしまして集めた数字でございまして、それでは未確定町村数が一応千九百ということになっております。しかしこれは合併が最終期になりますと、県の合併計画通りには必ずしもいかぬ場合もあり得るのでございまして、最終段階ではそれぞれ調整すべきものが相当あろうと思うのであります。そこらの点を一つお含みおきの上で、一応の数字として大体の御見当をつけていただきたいと存じます。
  27. 門司亮

    門司委員 そうする、こういうことに解釈してよろしゅうございますか、町村合併促進法が施行されて、町村合併の目的は、自治庁の答弁では、一応、曲りなりにもという言葉を使うとどうかと思うが、われわれの主観からいえば一応曲りなりにも達したと考えられる、しかし残されておる町村が約二千くらいある、大体こういうように解釈しておいてよろしゅうございますか。
  28. 小林與三次

    小林(與)政府委員 大体そういうことでよろしいと思います。
  29. 門司亮

    門司委員 そういたしますと、今度の法案と今ありまする町村合併促進法との関連が、ここから生まれてくると思いますが、法の建前から申し上げて参りますると、すでに今施行されている町村合併促進法の一条には明らかに、「この法律は、町村町村合併によりその組織及び運営を合理的且つ能率的にし、住民の福祉を増進するように規模の適正化を図ることを積極的に促進し、もって町村における地方自治の本旨の充分な実現に資することを目的とする。」こう書いております。そして今度の新市町村の建設法の一条にも、「この法律は、町村合併を行った市町村の新市町村建設計画の実施を促進して、新市町村の健全な発展を図り、あわせて未合併町村町村合併を強力に推進することにより、地方自治の本旨の充分な実現に資することを目的とする。」と書いてある。同じです、これは。趣旨を読んでごらんなさい。字句はなるほど違いますが、町村合併促進法と今度の法案の趣旨、第一条にいわゆる目的というところは全く同じものである。といたしますると、未合併に置かれております約二千近い町村があるという現実を見て参りますときに、少くとも政府は、現行法をまず十分に実行して、なお足らざるところを補っていくという方針が正しいと思う。同じような法律が出ているが、第一条の目的というところをごらんなさい、両方とも同じですよ。どこも達ってやしない、片一方の字数が多いか少いかというだけです(笑声)こういう法律を出された趣旨がわからぬ。これは大臣の説明を書読んでごらんなさい、ほとんど同じことが書いてある。一体現行法とどこが変っているか。現行法でも、市町村を育成して、自治の本旨を実現することのために尽すということで、いろいろな特典が与えられておる。一体どこが違うのですか、法律の内容のどこがどれだけ違うのですか、具体的に事実を言ってごらんなさい、あなたの方で。
  30. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは今までもだいび御答弁申し上げたところでございますが、煩をいとわずもう一ぺん御説明させていただきたいと思います。  第一条の目的から申しましても、第一条は、それはもう合併の基本は前とあとでも異なるはずもありませんから、基本の精神は変りがありませんが、この前の促進法では、合併を促進するということが重点になっておるのでございます。しかしながら今度のは、合併を行なった市町村の建設計画の実施の促進ということが主体になっておりまして、しかしなお未合併町村もあるから、未合併町村合併をあわせて考えたい、こういうことを書いておるわけでございまして、この趣旨も、基本はもちろん地方自治の本旨の実現にあることは変りがない。これは永久に変りがないのでございますから、変りようがありませんが、考え方のとり方が違っておるわけでございます。そこで合併促進法では、いわばわれわれとしては不十分なものを補いをつける、今おっしゃいました通りの趣旨がこれでございまして、単に合併促進法をそのままの形で延期するよりも、ともかくも八割何分というものは合併ができて、新市町村が現に経営のために苦労しておる、これを早くほんとうに一人前にしてやるということが、今の段階ではむしろ正しい政府としてのあり方だろうと思うのでございまして、むしろ考え方の重点をそこに置きまして、従来の促進法で不備な問題を補いをつけていった方がいいのではないかという考え方が基本的にあるわけでございます。そこで従来の促進法でもいろいろ援助、助成措置かございました。ございましたがそれ自体だって不十分ではないかという御批判もごもっともで、われわれはその点は十分認めておるわけでございます。しかしなお法律の規定の上におきましても、不十分な面があるじゃないか、こういうので、今度の規定を入れたのでございまして、今度の第三章に、実施の促進の規定が入っております。そこで第三章のうちの第十一条も、もちろんこれも新しい規定でございますが、これは北山委員からいつもおしかりを受ける規定でありますから、あまりもう申し上げぬことにいたしまして、次の十二条の方は、これは全く新しい規定で、支所あるいは出張所の統廃合に伴う通信連絡施設の整備に対する助成、地方小、中学校の統合に対する助成、それからそれに伴う必要な道路、橋梁あるいはスクール・バスというようなものに関する助成、これはみな新しい規定でございます。それから十三条は、大体各省の補助の優先措置の規定でございますが、これにつきましても公営住宅の整備というのが、建設省の御要望で特に入れた規定でございます。それから十四条、これは主として郵便局の統合問題が中心になっておる規定でございます。ほかにもいろいろございますので、表現が大きく書いてございます。それから十六条は、電信電話局の統廃合の問題で、特にこのうちの二項でそれを計画的にやるために強力な措置を講ずる。これも郵政省並びに電電公社も非常な熱意を持っておる規定でございまして、これを強力にやりたい、そういう規定がある。それから他の法律の特例というのがございまして、これは第四章でございます。四章では、一つの問題が二十三条、地方交付税法の特例でございまして、これはやはり新町村ができた以上は、新町村合併に伴う特殊ないろいろな行政事情があるのではないか、これはやはり新しい行政事情というものを基礎にして交付税を配っていくことを考えるべきだと思います。そこでここに一種の合併補正分とでも申しますか、そういう意味の補正を考えて交付税の配分を考えたい。それからさらに二十四条の国有財産、これは大したことはございませんで、二十五条の国有林野法の特例につきましては、かねてから林野の払い下げが問題になっておりまして、払い下げ自体を促進することとともに、払い下げを受ける条件というものは、さらに実情に合うようにしなければならぬ。なおありますが、ここらでやめておきたいと思います。
  31. 門司亮

    門司委員 そんなことは前の法律を読んでみると、みんな書いてある。どこが一体違うか。この中にもししいて違うところがあるといえば、機構の複雑化をねらっておる。合併して、この中に新市町村の建設の計画審議会をこささえるということが書いてあって、おのおのの持っておる審議会の上にもう一つ審議会をこさえる。そうして審議会の委員が決定した場合に、これを知事に報告するということが、内容を読んでみると書いてある。ところがこれらの計画も現行法の中にはちゃんと書いてあるのです。第三章に明らかに、町村合併及び新町村建設計画の実施というところに、今言ったことはみんな書いてある。われわれが審議するときにみなそれを審議しておる。さらに第四章には、町村合併及び新町村建設計画の実施の促進というように全部書いてある。     〔鈴木(直)委員長代理退席、委員   長着席〕  それから電信の問題にいたしましても、払い下げの問題にいたしましても、この前の町村合併促進法案を審議するときに、わざわざ農林省の諸君を呼んで、こういう法律をこさえるがお前たちはどうかということを念を押してあるはずです。そうして承知したということになっておる。郵政省の関係も同じです。従って今お話になったようなことは、大体この町村合併促進法の法文通りに施行されておれば、こういうものの必要はないのである。ただ私は、はっきり言えば自治庁の政治力がない、従って法律で縛らなければ、郵政省も言うことを聞かない、農林省も言うことを聞かないから、それを法律で縛ってこれからやろうということになる。そういうことでは、これはまるで自治庁の政治力がないということを暴露するようなものである。みんな同じことが書いてある、ちっとも違わない。一体どうしてこういう法案を出してくるか、これは機構が複雑化するだけなんです。この中で問題になるのは、今申し上げた町村についてそういう審議会を作るということです。自治法で、あるいはその他の問題で、地方自治体の機構の改革を行なってできるだけ機構の簡素化をはかろうというときに、この法律から考えると、もう一つよけいなものを作ることになる。そうして当該市町村の議会との間に問題を起しておるのである。ますます妙なものができ上ってくる。私はこの法律のねらいがちっともわからぬのです。だからこれは今の御説明のあるところを、一条々々町村合併促進法とあわせて審議していくと、私は妙なものができてくると思います。これから逐条審議をやってもいいんですけれども、これは答弁ができないものが出てくるのではないかと思います。ですからこういう法案はどうなんですか、こういう法案はいいかげんでやめた方がいいんじゃないか、これがなければどうしてもやれませんか。
  32. 小林與三次

    小林(與)政府委員 逐条をやりましても、そう妙なことにはならぬと思いますから、その点は御安心願いたいと思います。それからこれは従来の促進法でもある程度やれるんじゃないか、これも間違いありません。しかし従来の促進法では不十分だから、より積極的にやるようにしようじゃないか、そのためには立法的な解決を要するものもあるし、それからなお行政的あるいは財政的な措置だけで足りるものもあるわけです。しかしながら財政的な措置だけにいたしましても、立法的な規定があった方がより目的を達し得るものもあるのでございまして、そういうものがここに拾ってございます。それから立法的なものがなければ全然動きがつかぬ、たとえば今の国有林野の払い下げの問題につきましても、払い下げの条件などが法律に書いてございます。さらにこれにつきましては、きのうも申し上げましたように、新市町村になってからの払い下げはそれほど入っておりませんが、国有林野整備臨時措置法当時、十万町歩をこえる林野が払い下げになっております。これはそのまま新市町村に引き継がれております。ところかそのときの払い下げの条件が非常に厳重でございまして、償還期間が五ヵ年間とか利子が六分何厘とかきまっておる。そういう問題につきましても、あんばいをしてやらなかったならば、新市町村の育成ができないので、これは非常な異例の措置でございますが、過去の契約をやったものに遡及して条件を緩和させるということは、なかなか農林省も大蔵省も言うことを聞いて下さらなかったのでございますが、幸いに自治庁は微力でございましたが、誠意を認められまして、過去のものにもさかのぼって条件を緩和する、こういうような規定も実はこの中に入れたのであります。そういうようなことで、なおこれはこれで不十分だという問題は私はあろうと思います。あろうと思いますが、従来の促進法から見れば、この点から考えましても数段の進歩があるのでございまして、お考えの通り、できた市町村をどう育成していくかという問題から、従来の促進法のままでいいのか、こうやった方がよりよくなるのではないか、よくなるならばその道を選ばなければならぬじゃないか。そうしなければわれわれは責任を果せないのでございまして、よりよい道を選ぼうというのがこれでございます。合併後でも残念ながらいろいろ紛争がございますのを、なるべく合理的にやはり解決をはかりたい、解決をはかる仕組みも考えるべきではないか、そういう意味で争論のあっせんとか調停ということを考えたのでございます。それから市町村に置かれます審議会の問題につきまして、いろいろ御議論がございますが、私はやはり新市町村の経営計画というものの推進とか、今後の計画の変更というようなものが必要があれば、これは全市町村をあげての身ぐるみの運動でなければいかぬ。それにつきましてはやはり町村長と町村議会がございますが、それぞれ市町村の建設は県農業団体にも関係があれば、教育委員会にも関係がある。その他文化団体の協力も得なければいかぬ。そういう意味でやはりこういう計画をいろいろ調整したり、推進していくためには、全市町村公共団体をあげて、それぞれ総合的な計画で相分担、協力していく必要があるのではないか。特に合併前は、御承知の通り合併促進の委員会を各町村が作って、それを持ちよって建設計画もできているのでありますから、やはりそれを受けていく態勢を考える必要があるではないか、こういうのでこの審議会が考えられたのです。その他いろいろ御議論になっております新農村の建設計画とか、その他いろいろの建設計画も各方面にございます。そういう方面の調整も当然考えなければいかぬ。そうすれば、こういう審議会に各方面の方々が入っていただいて、町全体としての総合的な経営計画も入れて、それを強力に推進していくことを考える必要がある。しかし最初の意思決定は、これは議会の問題でございますから、議会がきめるべきことは当然の次第なのでございます。そういう意味の配慮を入れて、置き得るような規定を入れたのでございます。
  33. 北山愛郎

    北山委員 私は自治庁に正直に答弁してもらいたいと思うのです。ただいま門司委員から、この法案は前の町村合併促進法とどこが違うかという点を聞かれた。ところで違う重要な点があるのですが、それを答弁しておらない。それは前の町村合併促進法と比べてみると、前の促進法では建設計画というものも、とにかくその実施についてこれを援助するというようなことで、建設計画を立てさしてそれを援助するということ一本やりだった。今度のものは調整ということが入っている。建設計画の調整ということで、審議会も調整のための審議会です。国に置かれる中央審議会も建設計画の調整の基準をきめる審議会なんですね。だから今までの建設計画というものを、ただそのままに実施促進していくのではなくて、調整をするということが違ってくる。それからもう一点は、今の約二千の未合併町村の半強制的合併である。これが違っている。そのためには今お話のいろいろの争論のあっせんばかりではない。初めは調停あっせんをするけれども、最後には府県知事というものが、事務所の位置であるとか、市町村の名称であるとか、財産の処分であるとか、そういう争いの裁定をするのです。その裁定でもって結局市町村の当該議会がきめたり、あるいは条例を定めたりするような事項まで、府県知事がこれを処分することができるということがある。この裁定はそういう効果が出るようになっている。それが一つと、もう一つは、都道府県知事が合併の勧告をする。それでも合併をしないものは今度は内閣総理大臣が合併の勧告をする。それでもやらない場合には、この二十九条の二項に、そういうふうな内閣総理大臣の勧告があってもまだ合併をしないときには、「小規模町村であることにより行われる国の財政上の援助措置は、当該町村については行われないことがあるものとする。」こういうような規定まで設けておる。だから私は、この建設促進法なるものの前の促進法と違う点は、こういうふうにして残っておる町村をいやでもおうでも合併させるというところが一つのポイントだと思う。前の促進法にはこういうことはなかった。こういう点が重大な違いがあるということを自治庁としては当然明らかにすべきだと思うが、それを答弁しないで、国有財産の払い下げがどうのこうの、そんなことは末梢ですよ。私の言ったことに誤まりがあるなら、それを正していただきたい。
  34. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これはちっとも誤まりはございません。(笑声)私は、育成の問題で主として御議論になって、どこが変ったかとおっしゃいましたから、その点だけを申し上げたのでございまして、その点は今までも何度も申し上げたところであります。法律にはっきり書いてあります重点のそれぞれ一つでございます。  そこで申し上げますが、調整の問題は今まで何回か議論されたことでございまして、ここで繰り返すつもりはございませんが、それは建設計画の実現を期するために、合理的に推進するためには、やはり必要な年度的の実施計画だけは合理的に、確実に調整される必要があるじゃないか、こういうことで実施のための年度別計画の変更、作成を調整という言葉でやったのでございまして、これは建設計画を一日も早くうまく作り上げたいという趣旨でございます。  それからなお未合併町村につきましての合併の推進ということも、われわれが考えた問題の一つでございます。これは合併促進法施行後、なお未合併町村でだれが考えても合併した方がよかろう、こういうものがございますならば、やはりこの合併を合理的に推進していく方法を考える必要があるのじゃないか、こういうことでこの規定が入ったのでございます。そこでその規定も、もちろん合併でございますから、市町村の自主的な意思というものを基礎にしなくちゃならぬことは当然でございます。それでございますから、強制合併などということは考えちゃならぬ問題でございますので、勧告の規定を入れたわけでございます。知事の勧告の規定は現在でも実はございます。自治法にも合併の勧告の規定がございます。しかしながら知事の勧告だけの場合でも、この後に残る問題につきましては、先ほどちょっと申しました通り、合併計画につきましてはやはり具体的になお調整を要するものもあるのじゃないか、そこでそういう意味で残ったものにつきましては、国全体のレベルで総合的に考えるものもあるだろう、そこで県がやる場合でも中央に相談をさせまして、中央の審議会にもはかって、これは最後のどうしてもやるべきものか、やる必要のないものかということを考えて、慎重にこの問題を扱いたい、そういう趣旨で勧告の規定が入ったのでございます。総理大臣の勧告の規定が入ったあとで、今仰せられました通り、小さな町村であるがゆえに特別な措置を講ぜぬことがあるかもしれぬという規定を入れましたのも、要するに合併不可能町村というものは必ず残ると私は思うのであります。山の奥とか島とか、当然これは残るのです。残ればそういう町村はむしろ一番合併を必要とするきわめて小さな規模の町村でございまして、おそらく二、三千のものが相当あろうと思います。こういうものは不可能なんです。そういうものと合併した町村というものかバランスのとれるような行財政の態勢を将来考える必要がある、その場合にだれが考えても、平場地帯にあって合併した方がいいのじゃないかというのが何かの事情でしなかったら、そういう町村については合併したいけれどもやれないという町村と同じふうに扱うわけにはいかぬのじゃないか、あくまで自立でやっていくならば将来も自立の態勢でやっていかなければならぬぞという、そこの趣旨だけを明らかにしたのでございます。  そこでなお紛争の調停につきまして最後に裁定の規定が入っております。これも事実でございます。私はそこまで最後いくかいかぬかわかりませんけれども、大ていはあっせん、調停の段階で事がきまると思います。しかし最後にどうしても問題がきまらずに、いつまでもごたついておるということになれば、何かやはりそこはけりをつけることが必要ではないか、そうしなかったら町村としての合理的な運営ができずに、住民も非常に迷惑しておるということになれば、これは最後の最後でございますが、何かさばきをつける必要があるのじゃないか、こういうことでこの規定が入ったのでございます。この趣旨のような規定は、従来でも分村合併に伴う財産処分などにつきまして、分村は住民投票できめてしまう、しかし財産処分がまだ話がつかぬ、それであとでごたつくという場合にも知事の裁定が従来もございますので、それは許されることじゃないか、こういうことで入れたのでございます。大体先ほど申しましたことと、今申しましたようなことで、新しい促進法の、新しい規定の重要な問題は尽きておるのじゃないかと存じております。
  35. 中井徳次郎

    中井委員 どうも政府委員の答弁ははっきりしないのですが、簡単でけっこうですから、はっきりと御答弁をいただきたいと思います。私は五、六点についてお尋ねをいたしますが、最初に、町村合併もだいぶ進んで参りまして、九千五百ありました町村が今四千くらいになっておる。またいただいた資料を見ますと、二千ということで大へん成績がよろしい。なぜこんな法案を出して追い打ちをかける必要があるのか。さらにまた国の方から見ると、うその上塗りをやらなければならない。この前の法律さえ十分に実施をされておらない。実施をされておらない部分を検討しますと国の怠慢である、行政力の不足である、こういうことでありますから、幾ら法律を出しましても、今の行政力不足の政府におきましては、実施という面において絵にかいたもちのようになるというのが、私のこの法案に対する基本的な態度ですが、今日はだいぶ審議も進んでおりますので、私ちょっとそれに関連をいたしましてお尋ねをいたします。  郡という地域がありますが、これの法律的な地位というものはどういうものでございましょうか、これを一つ伺っておきたいと思います。
  36. 小林與三次

    小林(與)政府委員 郡は法律的に申しますと、自治団体でもございませんし、行政区画にもなっていないのでありまして、一つの歴史的な、地理的な名称ということになるのではないかと思います。この地理的な名称を押えて、いろいろ他の法制で管轄区域などをうまくきめるのに利用する、こういうふうに考えております。
  37. 門司亮

    門司委員 この法案の目的がどう考えても私にはわからないので、もう一度聞いておきますが、この法の一部は時限法です。町村合併促進法、この現行法も時限法ですが、今度出ておるのも内容を見ると時限法になっておる。三十二年三月三十一日という字がずっと使われておる。そうしますと、この法律は明らかに町村合併の強制法だ、今度は期限をつけた強制法であるというように考えられる。同じようにそういう時限法にするなら、現在ある法律を修正した方が形はいいと考える。これが時限法でなければいいのですよ。ところが時限法の部分がたくさん書いてある。要するに政府の意図は、昭和三十二年三月三十一日までに大体町村合併を完了したいという意図があるのではないかと考える。もしここに、そういう意図があって、こういう法律案を出されたとすれば、これは法案の取扱いとしては、明らかに現行法の期限を延ばしていった方が適当である。ということは、先ほどから申しておりますように、いろいろ国の行う施設等がずっと羅列して書いてありますが、これも施行令の第十四条には、国の行う仕事というものがちゃんと書いてある。現行法の施行令はあなた方が書いたんだから見てごらんなさい。同じことが書いてある。ただそれが一つ一つ具体的になっているかなっていないかということだけです。電信とか電話というものは郵政事業ということで、ちゃんと書き表わされている。それからさらにその前段を見てみれば、学校建設その他等についても財政的援助をするようにちゃんと書いてある。交付税の問題も規定してある。だから私はさっきから申し上げておるようでありますが、この法案の内容というものは、時限法であります限りにおいてはこれはほとんど同じことだと思います。そこで聞いておきたいと思いますのは、もし今度出したこの法律案で三月三十一日までになお未了の、町村合併をしなければならぬと考えられる町村が残った場合は、もう一ぺんこういう法律案を出す意思であるかどうか。それでは法律のために法律を出し、また法律のために法律を出すことになる。そこの考え方が、この法案と現行法とにらみ合せてみて、どう考えても考え切れない。こういう勧告の時期であるとかいうようなことが書いてなければ、まだ一応了とするところがあるのであります。ただ新市町村を育成するというだけの分であるならば、そして、残された部分については古いこの町村合併促進法の規定を、大体織り込んでいった法律案であるならば、一応私どもは考えられる。しかし法案はそうはなっておらないじゃないか。どうしてこんな時限法を設けたのです。時期が昭和三十二年三月三十一日までという字を書いたその趣旨を、この際はっきり聞かせていただきたいと思います。
  38. 小林與三次

    小林(與)政府委員 仰せの通りこの法律は時限法でございます。と申しますのは、新市町村建設促進法案よりも、町村合併促進法をそのまま延期する、町村合併促進法に必要な改正を加える、これは一つの考え方で、技術的にも立法的にもそういうことはもちろん可能でございます、必要な規定をそこへ入れればいいのでありますから。ただわれわれの考え方は、単に町村合併促進法という規定を延ばして、必要な改正を加えるよりも、やはりでき上った市町村が現在大半でありますから、この新市町村を将来にわたって育成して、育成の土台を築く、こういう形で打ち出すことが、新市町村のかねてからの要望でありますし、なお残された町村合併を推進していくためにも、その方が適当ではないか、こういうのがわれわれの考えでもございますし、町村会なり議長会なりの考えでもございましたし、これはこの前の国会で参議院の方でも、院議でそういう趣旨の決議もなされておるのでございまして、そういう趣旨もあわせ考えてこの新しい立法の形でものを考えよう、そのかわりに合併促進法にある必要な規定はそのまま全部引き継ごう、こういうことに実はいたしまして、そしてなお足らぬところは補いをつけようじゃないか、こういう考えでできておるわけでございます。そこでそれならばその合併促進法が一般的には五ヵ年の効力になっておりますが、その後合併が残ったらどうするかというお考えでございますが、これはわれわれといたしましてはもう現在のところ、どうこうということは考えておらぬのでございます。それでございますから、これで無理に強制をしてということは地方自治法の建前から見て、これは行き過ぎでありますから、あらゆる協力、援助の問題を考えるとともに、必要なものについての勧告をやって最後の反省を求めて、自主的に問題を解決したい、これたけのことは明らかにしておきたいのでございまして、これによって今後の問題を措置していきたい、あとのことは現在全然考えておらぬのでございます。
  39. 門司亮

    門司委員 あとのことを考えていないということになりますと、こういう法律ではいけないと思う。やはり将来に向っての考え方を、この法律のどこかにはっきりしたものを入れておかないと、——現行の地方自治法の中にも町村合併その他に対する知事の勧告権はあります。何もこういう法律で特別にこんなに二十八条に変なことを書いて、三月三十一日までに知事が勧告するということを書かなくても、現行の親法であります自治法でも知事はやれるのです。やれないわけじゃない。従ってこの三十二年三月三十一日までになおできないものがあるとすれば、将来やはり自治法によって町村合併促進ができ得ると私は思うのです。そういうことを考えて参りまして、これを特に時限法にしたということは、強制的に町村合併の促進をはかろうとするものの考え方である。従って、もしこういうことが強制的に行われて参りますと、そこには大きな自治権の侵害ができてくる。今日の市町村がたとい合併して大きくなりましても、地域社会の一つのグループであることには間違いがない。地域社会の構成と将来の発展というものは、いわゆる地方住民の偽わらざるまとまった意見に基いて行政の運営がされなければ、将来の運営というものは非常に困難なものができてくる。従って形だけの町村合併では私はいけないと考える。従って形だけの町村合併ではいけないということを考えて参りますと、こういう法律の立て方というものについては、非常に大きな誤まりを犯しているのであって、やはり先ほどから申し上げておりますように、少くとも現行法を修正していって、そして法律自体の悪いところを直していくという考え方の方が、どう考えても正しいのである。  そこでこれは意見として申し上げておきますが、参考までにこの際数字を出しておいていただきたいと思いますことは、新しい、合併された町村の中で分村問題の起っておる町村がどのくらいある、同時に事実上分村のやむなきに至ったものがどのくらいある、これらの数字をこの法案の審議の過程において一つ明らかにしておいてもらいたい。調整がついておりますので、ことさらにこの問題を一つやってもらいたい。今までの合併はこれほどきつい調整がついておらない。今度あらためて二十八条にはっきり勧告するようになっておる。従ってこれから先残されておる二千ばかりの町村合併にはかなりの無理ができてくると私は思います。一応参考までに今日までの数字を一つ明らかにしておいてもらいたい。
  40. 小林與三次

    小林(與)政府委員 この分村に関連する資料は、お手元にお配りしてございます「町村合併に関する資料」の十一ページに、「町村合併に伴い現に争論のあるものに関する調」そのうちで最後の欄に、「分村問題のあるもの」そこに近く解決する見込みのあるものと、解決になお日時を要すると考えられるものとに分けて資料が出ております。これは二月一日現在の調べでございますから、その後だいぶ解決しておるものが多くございます。この数字をごらん願いますと、百九十五が解決の見込みのあるもの、それからなお残るであろうというものが百六十、こういう数字でございます。その後だいぶ現実的に解決しておる問題があるわけでございまして、最近は町村合併よりも、むしろ分村の手続をわれわれの方で処理しておる件数の方が多いようでございます。
  41. 門司亮

    門司委員 この数字は合併された町村の数字に勘定いたして参りますと、かなり大きな数字になると私は思います。しかもこれは自治庁が関知し、自治庁にいろいろな問題を持ってきた、公けにされたものでありまして、公けにされたものがこれだけあるとすれば、そのほか公けに至らざる問題が相当ありはしないかと私は考える。従って町村合併促進法の問題は、明らかに未解決だと言っても差しつかえないと私は思う。町村合併促進法が十分に効果を奏したということは、表面上の数字だけを拾えば一応考えられるが、しかし内面にこういうものが伏在しておる。両方合せますと三百五十くらいになりますか、約一割以上のものがもし苦情があったとすれば、これは大へんな無理があると思う。そういう際に現行の法律を直さないで、繰り返して申し上げますが、新しい法律によって進んでいこうということは冒険であると考える。やはり先ほどから申し上げておりますように、一つの地域社会というものはなかなか理屈や道理では律し切れないものがたくさんある。従って町村合併等については無理があってはならない。私は今分離しなければならないと考えられております問題の中にも、なおもし自治庁がわかっておれば詳細に知らせてもらいたいと思うのでありますが、町村合併促進法の趣旨によって一応は合併をしてみたが、どうもその趣旨がうまくいかない、たとえば町村合併促進法の中にも、あるいは今度の新市町村建設促進法案の中にも税金の均一課税というものも規定されておる。同じことなんです。これが合併をしてみたが均一課税でなくて今までの税金よりも重くなった、あるいは交付税も、両方の法律とも同じような趣旨によって書かれておるが、今まで通りの交付税を支給する、一体合併したからといって、そう急に財政需要との関係から減らすことはしないということになっておるが、これも合併してみたがどうもうまくいかなかった、国有林の払い下げもうまくいかなかった、あるいは電信電話等も法律には書いてあるが、しかも施行令にもはっきり書いてあるが、これもうまくいかなかった。もちろん町村側から言わせればだまされて合併したのだから、一つおもしろくないから別れようじゃないかというようなことによる、いわゆる感情を抜きにした、法律の施行が十分でなかったということのために分離騒ぎを起しておる町村が一体どれくらいあるか。この点もしおわかりならば、この際はっきりしておいて下さい。
  42. 小林與三次

    小林(與)政府委員 実はここに書いてあります資料は県へ照会いたしまして県から集めた資料でございまして、われわれのところへ問題が来ておるのはきわめて少いのでございます。もうほとんど全部の問題を拾わしてございます。これも分村を希望しておる部落を一応拾ったわけでございまして、部落の数は一村には幾つも合わせて希望しておるものがございますので、こういう形でできておるのであります。それから先ほど申しました通り解決しておるのも相当多いのでございます。今お尋ねの問題は、分村の問題というよりもむしろ合併はしたけれども、元の町村に戻ろうというような問題点が多いのじゃないかと思いますが、これにつきましては私の方で詳しい資料が今のところございません。これはきわめて少い例だろうと思います。しかし合併の当時から話がつかなくて分村問題が続いておる事例があるのは、たとえば長野の駒ヶ根市ですが、そういうような非常に顕著な事例は承知いたしておりますが、あとは北山委員もいろいろおっしゃいました事例があるようでございますけれども、まだわれわれの方で詳しく聞いた資料はございません。御了承願います。
  43. 門司亮

    門司委員 これだけであと質問いたしませんが、少くとも今の答弁ではきわめてあいまいであって、一向わからぬのでありますが、私どもから考えて参りますと、そういう分村騒ぎあるいは部落が脱落をしていかなければならないというようなことは、今までの町村合併促進法の施行に当って、十分なる処置がとられなかったということに私は起因するものがかなりあるのじゃないかと思う。これが調べられていなければやむを得ませんが、あなたの方から出されておりますこの新市町村育成に関する世論調査報告書を、これはきょうもらったのでありますから、内容を全部検討するわけには参りませんが、この内容を一わたり見て参りましても、必ずしも合併当時の条件に期待しておったようなわけには行っておらない、こういうようなことから私はいろいろな事件が出ておると考える。だから今申しましたように、私にはこの法律の出された趣旨というものが十分わかりません。これは立法の技術としても法律をこしらえる観念あるいは法律を守る観念から申し上げましても、まだ町村合併促進法案の中でやるべき仕事がたくさん残っておるのである。従って同じ時限法にするというならば私はこういう形の方がいい。町村合併促進法は時限法であったから、これが一応目的を達したから、あとは一つ恒久法に直していこうという考え方であるならばけっこうであります。これはそうではない。そこで私は最後に聞いておきたいと思うことは、これを時限法にして、そうして恒久法にしなかったという考え方の中に、町村合併促進法によって促進をしたいわゆる新町村だけは、何らかの形において育成をしていこうという考え方、残された新しい町村でない町村との間に、私は区別ができていきはしないかということがおそれられる。もしほんとうに自治庁町村の育成をしなければならないというならば、一方にこういう新しい法律を設けないで、現行法を修正することと同時に、市町村の育成に関する法律案を出すべきである。時限法というようなものではなくて、そうして今までの自治体のいろいろな弊害あるいはいろいろな問題を除去すると同時に、全体の市町村を育成するという恒久法が、この際はある程度必要ではないかということが感ぜられる。これは市町村の権益という言葉を使えば少し行き過ぎるかもわかりませんが、市町村の自治にまかすべきものが往々にして中央集権になりつつある、たとえば今度の地方自治法改正などもそうであります。こういう危険性を持っておる。だから新しい法律として出すならば、さっき申し上げましたように、全部の市町村を育成していくという一つの考え方のもとに立って、国の出先をどう整理するか、あるいは国がいろいろな問題を処理していくことのために、どういう義務を負わなければならないかというようなことは、あらゆる角度から考えてこの際恒久法を設定されることが私は必要ではないかと考える。従って聞いておきたいと思いますことは、自治庁には合併促進法ができて、合併されたからその新市町村だけを育成すればいいのだ、あとの残されたものに対してはこれをあまり重要視しないという考え方が出てきはしないかということを私は心配する。それで一番大きな問題は財政上の問題です。この中にいろいろなことが書いてありますが、これから実行しようとするには財政上の裏づけがなければならぬ。ところが起債の問題にしても一応のワクがあるはずです。そこで今度の法律に規定されたものあるいは現行法でもよろしいが、いろいろ規定されたものがどんどんやってこられるということになると、ここに起債のワク等が多く集中されると、新市町村でない市町村の起債というものは必然的に減らされてくると思う。だからやはり財政の裏づけが十分でなければならぬと考えるが、政府は新市町村育成に関する法律案の中に盛り込んでおる財政的の見通しというものをどの程度につけておるか、これは現行法によりますと予算の範囲内という文字を使って逃げておりますが、一体どういう角度で財政上の見通しをつけておられるか。この法律に基いて校舎を建て直すというようなことを無制限で認められるかどうか、査定をされるのであるかどうなのか、予算的の裏づけはどうなっておるか、その点だけを一つ聞かしておいていただきたい。
  44. 小林與三次

    小林(與)政府委員 この実施に伴ういろいろな各省の措置は、これは毎年予算の制約を受けざるを得ぬのでありまして、本年度これを前提にいたしまして、各省の予算に組まれましたものは、これもお手元に資料として確かお配りしておるのでございますが、予算の制約を受けざるを得ぬのでありまして、その予算をわれわれといたしましてはできるだけ取りまして、市町村の需要にこたえたい、そういうふうに考えておるわけでございます。なおこれをやるからといって合併しない町村を、妙な扱いをするようなことはわれわれも考えていないのでございまして、合併を必要としない、つまり相当な規模の町村も相当あるわけでございます。それから先ほど申しました通り合併したくても地勢その他で不可能な町村も当然あるわけでございます。こういう町村もいずれも基礎的な地方公共団体として、等しく自治の発展運用をはかるべき問題であると考えておるわけでございまして、これはともかくも、非常な苦労をして合併をした市町村につきましては、早く一本立ちになる基礎だけを固めたい、そういう意味でこの法律も時限法にした趣旨があるのでございます。こういう町村だけをいつまでも特別扱いにするわけにいかぬのでありまして、早く一体的な基礎を確立するまでの基礎固めだけをやって、あとは全市町村の問題として当然考えていくべきものと存じております。
  45. 門司亮

    門司委員 今の答弁ですが、これはきわめて不親切であり、不的確な答弁である。もし今の答弁の通りだとするならば、この委員会に一つ郵政省の諸君に来ていただいて、この法案が出るが、一体これに基いて十分に行える予算を取ることができるかどうか、あるいは農林省について払い下げ等についても十分に行えるかどうか、あるいは文部省についても、学校等の移転あるいは新築等に対しては、十分なる予算の裏づけをとってくれるかどうかということを、一応この委員会で確かめないと、これを通すわけにいきません。また、このために五年たってまだでき上らないと、また時限法を出さなければならぬ。私はそういうことを申し上げますのは、さきの現行法を審議するときに、おのおのの関係各省から来ていただいて、これは念を押してあるはずです。国有林の払い下げにつきましても、さっき申し上げましたように、郵政関係についても、学校関係についても、この法律ができて、諸君の方ではこの法律の趣旨に従ってやると言っておりましたけれども、現実にはこれがちっとも行われておらない。そこでまた新しい法律をこしらえて、今度は具体的に並べて縛っていこうとする。だからこの場合も、委員長はぜひ一つ関係各省を呼んでいただいて、その信憑性を、どの辺まで自治庁の考え方と合っているかどうかということを一応確めた上で、この法律を通すなら通しておかないと、また現行法と同じようなそしりを受けることになるのではないか。従ってこの点は私の意見として委員長に申し上げておきますので、一つしかるべくお取り計らいを願いたいと思います。
  46. 小林與三次

    小林(與)政府委員 実は本年度の合併でこの法律に伴う合併の予算措置は、お手元にお配りしておきましたが、自治庁関係の経費はこれは別といたしまして、文部省の小、中学校の統合に伴う経費が三億、郵政省の郵便局の統合に関する経費が四億七千万、それから電電公社関係で、電話局の統合に対する経費の予算が十億、無電話部落解消に関する経費が一億、これは一応本年度の予算にございます。なお林野の払い下げとか、統廃合の問題とか、そういう各省の集めました数字を基礎にいたしまして、この資料でお配りいたしてございますので、これで大体の計画を御了承願いたいと思います。これは今申しました通り、国の予算にも限度がございますので、それぞれの財政の許す最大限度で、各省も御協力を願うよりいたし方ないと思うのでございますが、この趣旨によってこの問題をできるだけ強力に進めて参りたいと存ずるのでございます。
  47. 門司亮

    門司委員 今の数字は年度計画ですか、今年の計画ですか。
  48. 小林與三次

    小林(與)政府委員 今年の計画です。
  49. 門司亮

    門司委員 年度計画はどうなっておるのですか、これを一つ聞いておきます。各省がもしほんとうに了承しておるというならば、今の数字は年度計画等についても私は了承しておると思う。来年度以降の予算について必ずそういうものが織り込まれなければならぬ。従ってどうしてもこの機会に、この法案が通過いたしますまでに、各省の責任者を呼んで一応その点をただしておきたいと思う。そうして現行法のように、法律はできたが、一向その実施は行われない、合併はしてみたが、いろいろ問題を引き起すというようなことのないように、一つ十分考えてもらいたい。自治庁内部においても財政部の諸君がここへ出てきて、税金の問題にしても、あるいは交付税の問題にしても、自治庁の考えておることを、もう少し詳細にこの委員会で話をして、われわれの了解を得る必要があると考える。ただこういうものを考えた思いつきだけで法律をこしらえていくと、地方の公共団体に非常に大きな迷惑をかけることになりますので、一つ委員長はさっき申し上げたような処置をぜひとっていただきたいと思います。
  50. 大矢省三

    大矢委員長 了承しました。
  51. 小林與三次

    小林(與)政府委員 ちょっと念のために申し上げますが、各省がそれぞれ資料がございますので、それで年度別の計画も出ておるものもございますから、それを一つごらん願いたいと思います。
  52. 大矢省三

    大矢委員長 それでは午前の会議はこの程度にして、午後は請願委員会がありますから、三時の予定ですから、そのおつもりで一つ……。  暫時休憩します。     午後零時五十五分休憩      ————◇—————     午後四時六分開議
  53. 大矢省三

    大矢委員長 それでは休憩前に引き続き会議を開きます。  新市町村建設促進法案及び北山愛郎君外十名提出にかかる町村合併促進法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として質疑を行います。質疑の通告がありますので、順次これを許します。中井君。
  54. 中井徳次郎

    中井委員 午前中にちょっとお尋をいたしましたが、小林君からの回答によりますと、郡というのは地理的な名称である、こういうことでありましたが、それでいいのですか。もう一度念のためにお尋ねいたします。
  55. 小林與三次

    小林(與)政府委員 私の考えではそういうふうに理解いたしております。郡に関する規定は御承知の通り、地方自治法の二百五十九条にございまして、郡の区域の変更の手続を書いておりますが、郡の性質はそういうふうに理解していいんじゃないかと思います。
  56. 中井徳次郎

    中井委員 私、このようなことをお尋ねいたしますのは、最近町村合併の進展に伴いまして、現実の問題として郡というものの持つ意味が地理的だけではなかろうと私は思います。たとえば今でも県会議員の選挙あるいは衆議院議員の選挙などの選挙区につきましては、郡が非常に重要な役割を果しております。また自治体同士の連合会その他自主的な団体はおおむね郡単位でいろいろな計画事業が行われておると思うのでありますが、そういう点について、地理的であるというふうに簡単に割り切っておられるのならば、私はこの際、郡というものがそんなに簡単なものならこれを廃止をするというふうなことはどうですか。そういうふうなことについて、たとえばある県においては郡を廃止する、名称を廃止する、知事が県会の議決でもとって行うと、こういうことが簡単にできるわけですね。
  57. 小林與三次

    小林(與)政府委員 今仰せられました通り、郡の法律上の性質は地理的区画の名称だろうと存じておりますが、これがいろいろな法律、制度の上におきまして援用いたしておりますのは、主として選挙区とそれから役所の管轄区域につきましてこれを基礎に使っておるのでございます。それ以外は今お話の通り、各種の経済活動とか社会活動等のもとにおいては、事実上一つの地方的な固まりの基礎になっておると存ぜられるわけであります。それで、今の地理的区画ならばこれを廃止していいかというふうな仰せでございますが、これはやはりそういうわけで選挙法その他の法律上の管轄区域として残っておりますから、区域を押えるには、やはり市と町村だけ押えるということも押え方として考えられると思いますが、そういう法律体系になっておりますので、一応郡を予想してほかの法律ができておる部面があろうと思うのでございます。自治法の二百五十九条は、「郡の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止」するための手続でございますので、大体郡の廃置分合を前提にした規定じゃないかと考えられております。しかし郡を全然廃止できないかといえば、そこは全然できないとも言い切れぬのじゃないかと思いますが、やっぱりあるものとしてその区域を、廃置分合する規定として二百五十九条が作られておると理解した方がいいと存じております。
  58. 中井徳次郎

    中井委員 答弁が少し怪しくなってきました。それじゃ地理的な名称じゃないのですか、どうですか。
  59. 小林與三次

    小林(與)政府委員 地理的な名称であることは間違いないのでございます。私の申しますのは、つまりこれは地方公共団体、特殊な団体じゃないことは明瞭であります。でありますから、あとは地理的な区画でございまして、その区域の名称、それから地理的な区画を押えて、そういうほかの法律が区域をきめる場合に単位に使っておるというふうに申し上げたわけでございます。
  60. 中井徳次郎

    中井委員 そういう単なる地理的な名称であるならば、ある府県におきまして、郡を廃止するという決議をとってやったら、それは有効ですか、無効ですか。
  61. 小林與三次

    小林(與)政府委員 郡を全部廃止するというようなことは、法律上不可能とは、二百五十九条だけの解釈からいえば、言いにくいと思います。しかし今申しました通り、選挙区は郡市の区域によるという法律があるということは、地理的区画としてなお郡市というものを前提にしておるというふうに、現在の段階においてはやはり理解すべきじゃないかというふうに存じておるわけでございます。
  62. 中井徳次郎

    中井委員 そうなると、やっぱり一つの行政単位じゃありませんのですか。地理的な名称ならば、今の自治法その他からいって自主的に府県がこれを廃止してもかまわぬ。それができないということになれば、やはり国家との関連において何らか差しさわりがあるということになれば、府県において廃止することはできないことになる。そうなると、地理的な名称であるかどうか非常に疑問だと私は思う。こういうことをお尋ねするのは、今度の新市町村建設促進法案ですか、これを拝見いたしましてもどうも皆さんの御計画は、たとえば県知事だとか市長だとかという執行機関の意見をまず一番先に聞く、その次は議会関係の意見を聞く、これはいいでしょう。さらにまたそこに勤めております地方公務員の意見を聞く、この程度はけっこうでありますが、肝心の住民の意思というものを皆さんがほんとうに考えておるかどうか。住民の便、不便を考えておるかどうかというところまで思い至りますと、住民はいつの間にやら町村合併をしなければならぬというわけでやる。やったところが税金が高くなるとかいろいろな問題があって、ちっとも国民の側に立っての考え方というものはなされておらぬ。私は郡というような簡単なことを言いますが、国民の側に立って、日常生活というものから今度の町村合併その他を考えていかなければならぬ。非常に町の名前や村の名前が変りましたので、年賀状一本にしても、あいさつ状にしても、電報にしても手紙にしても、大へん迷惑なことであります。  そこで、そういうふうに積極的におやりになるなら、郡というものは単に地理的な名称であるというそんなお気持であるならば、なぜこんなものを残しておくか、手紙一本書くにいたしましても、何県何村でいくようになれば非常に能率的で、けっこうであります。そういう面における親切さというものが、この法案の中にちっとも現われておらぬ。特に郵政関係、電信電話関係におきましてそういうことが非常に迷惑になる。住民の側から見ると、役場がどうなろうが、そういうことよりも、自分が便利になればいいのであって、町村合併になったら電話も一本になるというが、ちっともならぬ。変らず何々局内というのでちっともいかぬ。手紙を出すにしても一郡が一つの市になっておるようなところ、そういうふうな大きな変革があったのに、昔のままの郡が残っておるから、やはり郡の名前も書かなければいかぬ、こういう面について、午前中に門司委員から、すでにもっともな意見もあったように、この法律はなくもがなであると私どもは考えておるのであります。やるのならば、なぜこういう点にまで、もっと積極的な考え方を及ぼさなかったか。こういう点についてあなた方は今どういうふうな考え方を持っておられるか。将来私の意見のように郡も一つ考えてもいいのだというふうな積極的な考え方であるのかどうか、ちょっとこの際伺っておきたいと思います。
  63. 小林與三次

    小林(與)政府委員 今度の新市町村建設促進法では、市町村の建設のことを中心に考えておりませんが、町村合併がこれだけ進みまして、県内の町村が数十、多いところは百近くになりますが、そういう状態になれば、ところによっては一郡一市と申しますか、あるいは二町村、三町村で一郡を作っておるところもあるのでございまして、当然に郡の地域の再編成というものが考えられるのじゃないかと存じております。これはわれわれといたしましても、合併がここまできたのでございますから、区域の問題を取り上げまして統廃合という問題を積極的に検討する必要があるというので、いろいろ今資料も集めておるのでございます。しかしこの郡の統廃合の問題はやはり相当な影響を——先ほど申しました通り地理的の名称でございますが、選挙区の土台となっており、その他いろいろな社会的、経済的な活動の基礎になっておりますので、やはり影響するところ相当にあり、大きな問題だろうと思います。相当慎重に扱う必要があるのでございまして、場合によっては地方制度調査会にも御相談すべき問題ではないだろうかという意見も内部にございます。いずれにいたしましても、積極的にこの問題を再検討する仕事を本年度はぜひ進めたいと考えております。
  64. 中井徳次郎

    中井委員 そういうふうなものを、もやもやと残しておきながら、しかもまた町村合併についてのいろいろなきずなをそのままにいたして、次の手をあわてて打つということはどうもわかりません。それと同じようなことで、私もう一点お尋ねいたしたいのですが、きょうは鈴木次長が見えておりませんか。先般鈴木次長にお尋ねしたのですが、どうですか。——それでは鈴木次長に尋ねる分はあとにいたしまして、例の二十九条の二項の問題でありますが、これについて小林君からるる御説明がありましたが、どうも私どもを納得せしめるまでに至っておりません。この二十九条の二項をどうして置かねばならぬのか、その点をもう一度私は念を押しておきたいと思うのであります。
  65. 小林與三次

    小林(與)政府委員 二十九条の二項の規定は、いろいろ御意見があろうと思います。われわれといたしましては、町村合併はすべての町村について規模が小さいからといって強行すべきものではもちろんないのでありまして、それぞれの町村事情によりましては、地勢その他の関係で合併したくてもできない、することがむしろ不適当である、こういう町村も相当数あるだろうと思うのでございます。そういう資料も一応お配りいたしてあります。あるいは現在の合併計画に載っておる町村のうちにも、さらに全国的に検討すればそういうものもできてくるものもあるだろうと思います。そこで一般の町村といたしましては、合併いたしまして一万二、三千になりますか、平均四、五千になりますか、そういうものがかりにでき上ったといたしましても、二千、三千の弱小町村というものはどうしても残らざるを得ないのであります。そこでその後の自治制度を考えますと、まだ二、三千の微弱な町村につきましても、やはり一つの町村として最低規模の行政が行えるようないろいろな保障を、将来制度として当然考えていく必要があるわけでございます。そういう段階になりましたときに、普通の平場地帯にありまして、合併しようと思えば十分にできる、またした方が、いろいろの面から考えて合理的だというような場合におきましても、何らかの事情でどうしても合併をしないという町村もあり得るのでございます。強制しない以上は、そういうことももちろんあり得るわけでございまして、そういう場合には、その町村はいかなることがあっても独立独行していこうという趣旨でそうするのなら、それもやむを得ない。そういう暁には、一般のきわめて弱小町村につきましては、先ほど申しました通り、いろいろの措置を講ずるような事態においても、そういう小規模なるがゆえの特別扱いというものは、今申しましたような、合併するのが適当だと思われる町村で、しないものには、それはやるべきではない、この趣旨を明らかにいたしたのでございます。
  66. 中井徳次郎

    中井委員 二十九条の二項はそういう規定じゃないでしょう。あなたはそうおっしゃるが、これは強制的な規定です。明治二十三年からありまする町村制によりましても、数百名の村も全国にはあったはずでございます。いわんや、民主的な今日になりまして、町村合併促進法は、最後の線といたしまして、これは民主主義をあくまで守る住民本位の合併だというこの線を貫いておりますが、あなたはここでその線に対して権力をもってこの民主主義を圧迫しようという、これは非常に重要な法案だと私は思うのであります。だれが見ても合併すべきものをがんばっておると言われますが、それはがんばっておるなら、がんばっておるだけの住民としてのりっぱな意思があると思う。啓蒙宣伝はけっこうでありまするが、そういうふうにして残しておきましたならば、これでもって「国の財政上の援助措置は、当該町村については行われないことがあるものとする。」というふうなことは、これは皆さんは簡単にお考えであるかもしれぬが、非常に重要な基本的な問題であろうと思うのであります。昔から村八分という言葉はたくさんありますが、国八分なんということはありません。これは国八分の制度だと思う。この民主主義の時代にここまでいくということについては、これは行き過ぎだと思うのです。この点については、政務次官の率直な見解を政府を代表して聞かしていただきたい。これは乱暴ですよ。どうしてこんなことまでするか。そんなにまであわててなぜ計画通りやらなければならぬか、伺っておきたい。
  67. 小林與三次

    小林(與)政府委員 私からその前にちょっと御説明申し上げたいと思います。この規定は二十八条を受けたのでございまして、「未合併町村の規模が適正を欠き、かつ、地勢、交通、経済事情その他の事情に照らし、町村合併を行うことが関係市町村の基礎的な地方公共団体としての機能の充分な発揮と住民の福祉の増進のため必要である」そういういろいろな客観的な事情が存する場合において、知事の勧告が行われ、それから続いて総理大臣の勧告が行われることになっておるのでございます。そうしてだれが見ても、合併して合理化した方が、結局町村としての機能を発揮し、住民のために役立つのじゃないか、こういう場合において勧告をしましても、しかしなおかつその町村の意思で、どうしてもという場合があり得るのでございます。そういうときに、二項の規定は、町村として普通の扱いは当然にしなくちゃいかぬのでありまして、それは当然にいたしますが、その場合に、小規模町村であるから特別の措置を国がする、そういう場合には、自分は小さくてもがまんをするんだ、やっていくんだということならば、そういう特別の措置をする場合には、その町村については考えないことがある、こういう趣旨でございまして、特にその町村として全然扱わぬという趣旨では毛頭ないのでございます。
  68. 早川崇

    ○早川政府委員 中井委員の言われましたような、合併しないから差別待遇する、これは村八分扱いするという意思は毛頭ございません。ただいま部長が申し上げましたような趣旨でございますから、御了解願いたいと思います。
  69. 中井徳次郎

    中井委員 どうも今の説明と本文とはだいぶ違います。この法律ができましたら、法律は法律として独自に動いていきますよ。これは村八分でない。私に言わせると国八分だ。国八分でないという理由はどうしても出てこない。やらないことがあるというのですから、これはそのまま動きますよ。そういうあなた方の気持ならば、そういうものは削って下さい。そういう意思がないというのなら、二十九条の2は削ってもらったらいいと思う。御説明はるるありましたけれども、御説明と全く違います。そのまま読んでみると「前項の規定による内閣総理大臣の勧告があった場合において、当該町村がなお町村合併を行わないときは、小規模町村であることにより行われる国の財政上の援助措置は、当該町村については行われないことがあるものとする。」こういうことはこのまま読んだら、あなた方の今の答弁とは全く反対のことになります。なぜこんなものを置いたのか。民主主義の基本を侵すことになり、平等の原則その他にもちろん反します。なぜこんなものを置いてまで急いでやらねばならぬのか、その点はどうも私はその答弁では納得いきません。これほどやらなければならぬ具体的な例がどこかにありますか。それがありましたら説明して下さい。こういうものをやらなければ、どうしても合併に応じない——あなた方はだれが見てもと言うが、それはだれが見るんです。やはりこれは住民の意思というものを最後まで尊重しなければいけません。民主主義というものは根気が必要です。それを簡単に一刀両断、三十二年の三月三十一日までに勧告をして、聞かなければお前はほっておく、これは完全な国八分です。こういうものをどうして入れたか。その具体的な裏の事情もおありだろうと思うが、それを私は聞かしてもらいたい。もし裏の事情がないならば、あまりに軽率、あまりに越権、あまりに思い上りだと私は思うのですが、どうですか。
  70. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これから残っている、合併を必要とする町村には、いろいろ困難な事情があることは申し上げるまでもないのであります。困難な事情の理由につきましては、資料でお配りしたようないろいろな事情が実はあるわけでございまして、それを一つ一つもみほぐして問題を合理的に進めたい、こういうふうに考えているわけでございまして、この合併を進めるにつきまして、もちろん住民の意思を基礎にすべきものであって、これを強制するということは適当でない。むしろやるなら、すっぽりとはっきり強硬的にやった方がどうだという意見も一部には相当ございます。町村自身の中にもそういう意見を述べる人があるし、国会の中でも、参議院あたりでもそういう意見を出された方もあるのでございますが、われわれといたしましては、やはりそうはいかぬ、合併町村住民の最後の意思でもってきめるべきものだと存じているのでございます。しかしながら、だけが見てもという意味は、むろん県の段階の合併審議会なり、さらに国の段階における合併審議会なりでいろいろ判断をして、客観的な事情から考えて、地勢その他から考えて合併した方がよかろう、またしても支障がないんじゃないかという判断をつけることを考えているわけでございますが、最後にするかせぬかは、もちろんこれは町村の自主的な意思に待たなくてはいけないと存じております。その場合に、いや、自分は合併せずにやっていくのだ、国の援助も何も要らない、あくまでもやっていくのだ、こういうことになれば、それはその責任でやったってやむを得ぬじゃないか。しかしこれは何も国が全部相手にしないわけではないのでございまして、それぞれの筋の負担金とか補助金とかいうものは当然に流れていくわけでございます。ただ小規模だからといって特別に財源の点を将来考えるような場合には、小規模なものは先ほど申しました通り、したくてもできない町村が必ずできるわけでございますから、それと同じ扱いにするということは、かえって均衡がとれないし、平等という見地からいっても、苦労して合併をしたところとそうでないところとは、その意味から見ても均衡がとれない面があるのじゃないか、そういうようなことをかれこれ考えまして、この規定を入れることにいたしたのでございます。
  71. 中井徳次郎

    中井委員 この点はどう考えましても私どもは賛成するわけにはいきません。それから今あなたはだれが考えてもという中に、たとえば府県が考えてもというお話でございましたが、今日町村合併が行き詰まっておりますのは、実は府県が考えたことが間違っておる。府県の考えておることが軽率であったり、あるいは一部の有力者の意見を聞いて間違った地図を書いて見せたりしたがために、この二千の町村が残っておる。むしろ逆なんです。われわれの見解をもってすればそういうものにはもう少し水をさして、ひまを与えて、そうして府県側も白紙になって、どうぞあなた方でよく相談して下さいといえば、この残っておる二千というものはまとまる部分が非常に多い。府県が面子にこだわっておる、指導者が面子にこだわっておるのが非常に多い。私は具体的事実を知っておりますが、きょうは申しません。従ってこういうことについてはここまで法律を出すというふうな必要はないし、またあなた方とされても、国家から見ましても大体標準が八千ということになっているが、みな八千に右へならえ、八千以上、そんな考えではなかったはずでありましょう。従って小さな町村が残ったってこれはやむを得ない。先ほどもばっさりやってしまえという意見があったというが、これは山県内務大臣の子分だろう。それは明治二十三年くらいの人です。そういう気持であなた方はこういう法案を作られたのでは、私が冒頭に申し上げましたように、国民の側から見ればまことに迷惑だ。なぜわれわれは自分で行こうというのにいじめられるのであろうか、こういうことになってきます。どうもこの法律の二十九条の二項がないことにはうまくいかないというふうな考え方は、私は基本的な問題として非常に危険だと思うのですがどうです。最後にその点についてもう一度私は意見を伺っておきたいと思います。非常に危険です、こういう考えでいきまするならば、将来の町村制というふうなものは……。一時大いに解放されまして自主的にやりました。従いましてその中には一、二問違いの面もあったでありましょう。やり過ぎた面もあったでありましょう。しかしそれは今自粛の段階に入ってきておるわけでございます。町村の赤字問題その他にいたしましてもそういう経過をたどっております。大変革のあとには必ずそういうことがあるのです。その一、二の行き過ぎをとらまえて、そうして逆をとってここまで追い込むということは、私は大きな意味の政治としてどうしても納得できない。この点を重ねて政府のはっきりした見解を聞かしてもらいたい。こい願わくはこういうものはもう適用をせいぜいしないようになるというふうな、行政措置といったってそんなものはできませんがね。この委員会においても政府もその意思をはっきりとさしておいてもらいたい、かように思います。
  72. 早川崇

    ○早川政府委員 中井委員の御心配になる点は、私は相当有力な根拠があると信じます。しかしながら現在の合併促進の場合におきましても、不都合な合併をした場合には、国から促進の補助金を与えておりません。そういった現行促進法と同じような気持で、たとえばここにありますように地勢、交通、経済事情、その他から申しまして、当然これは合併すべき妥当性があるにもかかわらず、だだっ子のようになかなか親の言うことを聞かぬ。こういう場合に特別に、従来やっておったせんべいを一枚節約させて、多少反省を求めるという程度の措置とわれわれは考えておりまして、むろんこれを乱用いたしますと官憲の自治統制というようになる心配もございますので、今御要望のありました点は、われわれといたしましても最後の、でき得べくんば実施しない程度のものと考えておるわけでございます。従って乱用ということは厳に自治庁当局としては慎しみたい、こういうように考えております。従ってお説の御心配は特にわれわれとしても将来とも十分考慮いたすつもりでございますので御了承いただきたいと思います。
  73. 中井徳次郎

    中井委員 二十九条の二項は、もうはっきりといたしておりますから、あまりくどいからお尋ねいたしませんが、今あなたは例を出されましたけれども、何も市町村は子供でもございませんし、せんべいを一枚少くすればなおひねくれます。この点は今最後に御答弁がありましたから、私はこの程度にいたしておきますが、最初に戻りまして郡の地位などというものとの関連において、どうもこの町村合併の問題については、国の内政の重大事件であるにもかかわりませず、自治庁だけが非常に熱心に推進をして、他の省がどうも応援をしない。これも午前中から門司委員よりたくさん御質問がありましたが、私はそういう予算措置、これはまた後刻お尋ねいたしますが、その前にせめて行政区画という面において、他の省もすみやかに新しい合併しました町村の基礎に沿うというような、このことは住民の側からとりますと、非常に大きな問題だと思います。特に郵政省関係でございます。この点について政府はどういう努力を今までされておるか。さらにまたこの問題がどんどん進みますというと、その過程において今が私は一番いいチャンスだと思うのであります。郵便は郵便で勝手に行政区画を持っておるというふうな形、これには経費も要るかもしれませんが、実はあまり要らないと私は考えておる。専門的なことになりますから申し上げませんけれども、こういうことについて自治庁は他の省に対して、これまでどういうふうな働きかけをいたしておったか。これを念のために最後に伺っておきたいのであります。
  74. 小林與三次

    小林(與)政府委員 お尋ねの新市町村の区域を基礎にして、郵政官署、電信電話の官署の管轄区域を統一するということは、われわれといたしましても一番注意をいたしておるところでございまして、これは郵政省とも常時折衝しております。郵政省自身も基本的にその方針をとっておりまして、再編成計画を作ってその実施を着々進めておるのでございます。ただ郵政省といたしましても合併が全部完結しなければ、区域が変ったりしてはいかぬ、こういう懸念もございまして、固まったところから逐次やっていくという考え方で事が進んでおります。それともう一つは、郵便局の場合は、お話の通りあまり金はかかりませんが、電話局の場合には回線の都合その他で相当な施設がいるわけでございまして、それで促進法にもそういう仕事を計画的にやるという趣旨で規定も入れ、今度の新しい予算にも十億でございますかを計上されておりまして、計画的に逐次解決するために向うも全力を注いでおります。私の方と郵政省と一緒になって、大蔵省にも折衝をして予算の獲得に努力をいたしております。これは政府並びに党の方でも非常に力こぶを入れまして、この問題を進めておるわけでございます。その点は一つ御了承願いたいと思います。
  75. 中井徳次郎

    中井委員 全力を上げてやっておると言うが、一体電信電話公社は、この町村合併に即応して工事をやるならどれくらいの予算総額が要るか。それからことしはどれくらい予算に計上しておるのですか。たった十億ですか。
  76. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは先ほどの資料の二十二ページと二十三ページ。二十二ページに、郵便の集配区域の総合状況に関する現状と、なお今後の計画も一部出ております。それから電話局の統合に関する資料、こういうものも出ておりまして、全体の計画は相当大きい数字が出ております。ちょっと今調べて申し上げますが、本年度の予算は御承知の通り十億です。これはきわめて少いことは明瞭でございますが、向うも一生懸命にやっておるということだけは一つ御了承願いたいと思います。
  77. 中井徳次郎

    中井委員 一生懸命やっておると言うが、ちっとも一生懸命やっておらぬのですよ。大体全体の計画は三百億でしょう。私は去年そう伺った。三百億を十億ずつやって何年かかるんだ、三十年かかるではありませんか。何が一生懸命やっておるのですか。  それからもう一つ申し上げたいことは、電信電話公社というのは、利益追求の株式会社でないはずです。これは公社なんだ。政府の機関そのものではないかもしれないけれども、公けに奉仕する機関なんだ。この電信電話公社はことし幾ら黒字を出しておるのですか。百十億金が余っておるのですよ。なぜこれに金を出さないのか。なぜ出せないのか。そんな利益ばかり追求して、東京と大阪の即時通話をやったって何もなりやしませんよ。そういう点を政府としては総合的な判断において、百十億円も金が余って、おととし二割五分値上げをしました、そうしてわずか十億で新しい法律を出さないことには予算が出ないとは何事ですか。これは問題にならぬのです。ことしの決算は大体百十億の黒字ですよ。しかも大きな目で見れば町村合併に伴いまする電話の統合なんていうものは培養線なんだ。今国鉄も黒字になっておるのは東海道だけでしょう。あとの支線はみんな培養線だ。しかし支線がなければ東海道線は黒字にならぬ。そういう意味において、どんどんと農村地帯に電話を広めることは、長い目で見ればちっとも赤字の原因にもなりませんし、しかも国家的な事業だし、そうして百十億の金を余して、あなた方は十億で熱心にやっていますと言うて、ようのめのめと返事ができたもんだと私は思うのですがどうですか。
  78. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは十億の金額が少いのはわれわれも認めておるのでございます。電電公社といたしましても、電電公社全般の施設整備計画というものがございまして、それとともにこの合併に伴う施設の再編成計画とあわせてやっておるわけでございます。われわれといたしましてもなおできるだけスピード・アップしてこの問題を進めるようにいたしたい。電電公社自身も、今申されました通り、それぞれ公社の経理の合理化という見地からその計画も作り、実施に力をいたしております。サービス官庁ですから現地の要望が非常に強いので、もちろんそれに応じなきゃならぬというので努力をいたしておるわけでございます。なお郵便局の場合もその通りでございますが、これが郵便局の場合は、一般的に要望されながら、いざというと郵便局の統廃合について現地の反対が出て、これまた困るという問題もある事例も少くないのでございまして、統廃合はわれわれとしては進めた方がいいと思いますが、そういう現地における一部の反対をも合理的に解決していくというような問題もあわせ考えながら、事を進めていかなければならないと存じておるのでございます。大体今のところは、私のところの県で作りました建設計画を基礎にして再編成計画を立てておるのでございますが、先ほども申しました通り、合併がでこぼこができて完結しておらないと、将来の見通しもつかぬものだから仕事がはっきりしないという面も実はございまして、この点もわれわれといたしましても、合併の進捗等に即応しながら事を進めていくよりしかたがないという実情もあるのでございます。なお力の足らぬ点は、さらに一段と努力をいたさなきゃならない、こういうふうに存じております。
  79. 中井徳次郎

    中井委員 この点については私は怒ってばかりおってもどうかと思うが、あなた方の電信電話公社に対する折衝がまるで底抜けだと、いうことを私は言っておる。百億も黒字で、三百億もかかるというが、そんなものは、あなた方がちょっと上手に話をすれば、十億や三十億や、五十億は何でもありません。それで言うのです。電信電話というのは、局をあまり置くと人件費がかかっていけない。電信電話は、線を引いておけば、もう経済的に逆に黒字になるのです。あなた方の電信電話公社に対する折衝、郵政省に対する折衝が非常に概念的で実際的でないから、このような十億でもってのたられて、こういう法律を出さなきゃいかない。これをやるためには大蔵省の預金部の資金がないことにはできない。ああそうかと言って、それなら法律を作ってやろうというふうな簡単なことでは、幾ら法律を作りましても、十億が十五億になるか十七億になるくらいのことであって、私は熱心になっておるとは思えないから、先ほどからくどく申し上げておるわけであります。もっとまじめな研究した態度でこの点を進めていただきたい。  最後に、これはたびたび他の委員から聞いたわけですが、どうも皆さんは今回の自治法改正において、委員会その他を経費節約のために、委員の報酬を日当にするとか何とか非常に思い切ったことを御計画になった。幸い私どもの手によって修正はしたが、ああいうふうに委員会を整理する段階にあるのに、これだけは建設審議会を作りまして、この建設審議会は屋上屋であることは議論の余地がありません。しかし作ることができるとあったように思うのでありますが、これはどうです。実際の運用においてあなた方が作れ作れと言って奨励をするのか、まあ作らぬでもいい、せいぜい作らぬ方がいい、しかし作りたいと思うならば法律にもあるから、やむを得ないから作っておけという程度でいくのか、この点をそこでゆっくり相談をして返事をしてもらいたい。これは全く屋上屋ですよ。そうしてちょっと申し上げるが、こういうものを作ったら、これまでに作ってありまする雄大な、さっきも夢のようなというお話があったが、その夢のようなものをこの審議会が押えることができるとあなたが判断をしておるその甘さを私は笑うのです。こういう委員会ができると必ず大きくなりますよ。これは村会なり町会なり市会なり、そういうものにまかしておくのが一番堅実であると思う。そういう意味においてあなた方はどうですか、建設審議会を作ると簡単におやりになったが、法案実施の場合には、なるべくこんなものは作らぬ方がよろしい、まあ作りたいと思うなら作っておきなさいという形でなさるのか。これは誘導尋問みたいですけれども、必ず置けというのか、私は必ず置けというふうなことはどうも実際問題としてまことに変なものだと思うのです。これは皆さんの問答の中で大体お感じとりになったのじゃないかと、えらい甘いのですが判断をしておるのですが、どうでございますか。
  80. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは必ず置けという気持はございません。いつも申します通り、そもそも建設計画の調整というのも、必要があるところもあれば、必要のないところもございまして、従来から堅実な年度計画を作って着実にやっておる町村も少くないのでございます。そうでなしに年度の実施計画が具体的にできていないという町村もございまして、そういうところについては年度の実施計画を作ったり、あるいはある程度合理化する、こういうことを考えておるのでございます。その場合、そもそも建設計画を作ったときには、関係町村でやはり促進審議会を作って、各団体の方々がみな集まって、こういう計画ができておるわけでございますから、やはりそれぞれの向きの団体の人たちが集まっていただいて、現在の計画との関係もございますから、その意味で調整を考えたらどうか、こういう趣旨でございまして、これの設置を強要するとか、そういう考えはございません。必要に応じて、自治体が自主的にそういうことを考えてもらいたいというふうに存じております。
  81. 中井徳次郎

    中井委員 まあ、せいぜいこういうものは作らぬ方がいいと思います。  最後に、この間鈴木次長にお尋ねをいたしましたが、このたび政府がお出しになった新農村建設計画というものと、この新町村合併促進ですか、これとの関連であります。もっと詳しく言いますと、町村と新農村建設計画とのつながりでありますが、鈴木次長の答弁は、あの計画で町村分のものは十分財政計画の中に織り込んであるということでありましたが、資料を要求してもらいましたところが、一向織り込んでありません。ただ事務的な経費だけ二、三千万円織り込んであるだけであって、私どもがいういわゆる地元負担にかかるものは、全然計上されてないのでありますが、この点もう一度あらためて、この前の答弁がずさんであったなら、ずさんであったとお答えいただきたい。
  82. 後藤博

    ○後藤政府委員 お答えいたします。農山漁村建設計画に関する経費に二種類ございます。一つは、団体の関係に流れて参ります金を含む事業費、もう一つは公共団体を通るもの——公共団体を通る負担部分については、財政計画の中に加えております。団体関係を通りますところのものは、これはもちろん地元負担があるようでありますが、これは直接公共団体を含めてございませんので、財政計画上は同様な事業も他にありますので、それと同じような取扱いは落しております。
  83. 中井徳次郎

    中井委員 町村に直接いく経費があるように伺いますが、町村にいった場合の町村の負担部分が計上されておるか、それをお伺いしたい。
  84. 後藤博

    ○後藤政府委員 農山漁村建設計画に樹立推進費補助金というのがございます。これが市町村に参りますのには、二分の一負担でございますので、その負担部分を財政計画上見ておるのです。
  85. 中井徳次郎

    中井委員 金額は幾らですか。
  86. 後藤博

    ○後藤政府委員 国庫補助の総額は四千五百万円、それに見合う四千五百万円の地元負担があるというように計算いたしております。
  87. 中井徳次郎

    中井委員 そういたしますと、この間の鈴木次長のお答えが間違っておると思う。四千万円ばかりの、そんな何じゃないと思います。総計十七億で五百ヵ所、一ヵ所大体三百万円という大きな数字でありましたが、そうすると市町村を経由しないで、全部団体にいくということですか。
  88. 後藤博

    ○後藤政府委員 今申しました四千五百万円の内訳を申しますと、五万円で九百ヵ町村の分であります。そのほかに市町村負担のものが、農山漁村建設総合施設事業附帯事業費、これも補助金でありますが、これは二分の一国から出て、県が四分の一、市町村が四分の一を持つのでございます。その分は、国庫補助総額が四千八百七十五万円であります。県が二千四百三十七万五千円、市町村の負担分も二千四百三十七万五千円、合せて事業費総額が九千七百五十万円、この地方負担分はやはり計算いたしております。
  89. 中井徳次郎

    中井委員 今の説明で大体わかりますが、これは内容がほとんど事務費とか、宣伝費だろうと思います。そこで私はこの前もお尋ねしたのでありますが、それはこの町村合併に関連がありますが、あなた方はがんばっておっても、各省は町村を経由するのがきらいである。そうしてある町村の中の一部落だけに、うんと農協を通じて補助するという形になりますから、この町村の円満なる運行を阻害するということになってくると思います。こういう点について、自治庁は農林省あたりとどうなんでありますか。われわれはあくまで府県を通じ、町村を通じて行われないことには、円満なる自治行政というか——特に農村振興というものは、ある村にどかっと金が出て、それでうまくいくものではないのでありますが、そういう点はどうでございますか。
  90. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これはわれわれ自治庁といたしましては、中井委員と基本的には同じ考えを持っておるのでございまして、今度のこの場合におきましても、でき得るなら、町村を経由して補助金を流すということを、だいぶ実は主張したのであります。しかしこれは、従来いろいろ補助金が出ておった、それを総合的にまとめたということで、そこのところまで話が進展しなかったのであります。県をたいてい通ずるのでございますが、それで県の扱いによって、それぞれの系統の団体を通じていく場合、それから町村を通ずる場合、これは両方あるのでございます。自治庁といたしましては、基本的に中井委員と同じような考え方を持っております。そうする方が市町村の総合行政を進展する上においても、農政自体を進展させる上においても、非常にこれは必要じゃないかと思っておりますが、これにつきましては、農林省の中にもなおいろいろ意見がある、団体関係の人たちにもいろいろ意見がある、そういうことでございまして、われわれといたしましても、なおその方向に力をいたしますから、これはわれわれのお願いでありますが、国会におきましても、全体的にそういう方向に動くように、なお協力をお願いしたい、こういうふうに存ずるのであります。
  91. 中井徳次郎

    中井委員 大体私お尋ねすることは、これで終りましたが、今の一例をとりましても、どうも今回政府の出されました法案は、従来のものとのつり合いがとれておりません。私はそういう意味において、こんな法案をなぜあわてて出したか、この点がどうしても納得できませんので、この最後の私の気持だけを申し上げて、私の質問を終ります。
  92. 大矢省三

  93. 北山愛郎

    北山委員 町村合併関係の予算措置の資料をいただいておりますが、これについて若干お尋ねいたします。  これを見ると、零細な補助金が数種類置いてあります。その中で特別町村合併対策費八千万円、これは市町村の計画補助となっておりますが、これはどういうような補助ですか。
  94. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これは町村合併をやる場合に、合併困難な特殊事情がいろいろありまして、そうしてその特殊事情の結果、どうしても動きがつかぬというような場合に、その特殊事情を解決するために、ある程度の特別の助成というものが考えられないか、そうすれば、合併が推進できる。これは現地でも、こういう要望がございまして、そのための特別な経費として、一応八千万円を計上してあるのであります。
  95. 北山愛郎

    北山委員 その特別な場合の対策費というものは、具体的に例をあげていえば、どういう場合に出すわけですか。
  96. 小林與三次

    小林(與)政府委員 この特別町村対策費は、これは今までも中井委員でしたかお話があったのでありますが、町村内の特殊事情によりまして、その町、その村は合併をしたいけれども、相手がなかなか言うことを聞かないというような事例があるのであります。そういう場合にその部落の中の改善とか整備とかいうようなものをある程度やってやる、そうして受け入れる町村が受け入れやすい形にしてやるという趣旨の経費を中心に、これは考えておるのでございます。
  97. 北山愛郎

    北山委員 大体この合併関係のものは、予算としては十二、三億ですね。ですから従来の町村合併促進法時代といいますか、その予算よりも、むしろ下回るような格好でありまして、先ほど来の合併のこれからの建設育成というものに力こぶを入れるという言葉とは、逆をいっているのではないか、こういうふうな感じがするわけであります。その中の、しかもその補助費という内容は、指導育成なり、あるいはいわゆる推進費というようなものがあって、今の対策費なども推進費の部類に属する、実際に実のある建設計画の実行に直接使われる金は、ほとんどないというのが実情じゃないか、この点ははなはだ不満なわけであります。それで先ほど来電話局の統合に関することが出ておりましたが、私はこの電信電話の統合ということは、何も町村合併とは直接関係がないと思うのです。電信電話の技術的ないわゆる合理化という面からして、これは改善をすべき、整備をすべきものであって、町村が別であっても電話局は統合していくというのが合理的であるならば、そういうふうに促進すべきなんです。これを町村合併とひっかけてやっていかなければならぬところに、今の行政の非常な弱点があると思うのです。中小学校の統合にしてもしかり、郵便局も同じです。そこでちょっと確かめておきたいのですが、電信電話の整備計画というのは、私の知っておるのは七ヵ年の整備計画で、その予算は五百億円くらいと聞いておるのです。そうしますと、今合併関係で十億ということにすれば、五十年くらいかかる。実際の必要な整備計画と今回の十億円の予算というものは、非常なギャップがあるわけなんです。三百億という話もありましたが、一体どれがほんとうだか、それを承わりたい。
  98. 小林與三次

    小林(與)政府委員 現在の電電公社の計画では、局の統合を進めるのと、それから市外回線を増加するのと、両方分けておりまして、局の統合は千九百六十件、二百六十七億、市外回線の増は三千二百五十二件で三十三億、合計三百億という数字でございます。
  99. 北山愛郎

    北山委員 次に先ほど中井委員からもお話がありました、第二十九条の勧告を受けても合併をしない町村、弱小町村に対する財政援助をしない、特別な財政措置はしない、援助措置はしないというようなこらしめのような規定、これは私はおどかしの規定だと思うのですが、私はやはり中井委員と同じように、これはまれに見る悪法だと、こういうふうに考えるのです。先ほど政務次官は、補助金等についても、そのやり方が適当じゃない場合は、補助金をやらない場合もあるというふうなお話がありましたけれども、この合併をしないでおるということ自体が悪いことかどうか、こういうこらしめをしなければならぬというものかどうか、その点に私は疑いを持つのです。それでも、合併をしたところが、みんながよくなって住民の福祉も増進されておるという、その実績が目の前にあるのであれば、意地になって合併をしないで、独身で暮らそうというような小規模町村は、当局としても悪いんじゃないか、やはりそういうものはできるだけ合併を進めていくということがいいかもしれない。しかし今までに合併したところはほとんど赤字を出し、税金が高くなり、役場は遠くなって、いろいろな期待が裏切られて、住民の失望がほとんど全面的に広がっているというような実績なんです。これはきのうも申し上げた通りです。そういう事態の上において、そういう合併市町村というものを目の前こ置いておいて、そうしてああいうふうにならぬ、けしからぬ、めんどう見ないぞというようなやり方が、だれが見ても適当なやり方と言えるかどうか、私はここに疑いを持つのです。合併するということは客観的にいいということが、実際上にも証明されているという確信の上に、自治庁当局が立ち得ないのではないか。そうしておいて合併を慫慂し、ほとんど半強制的にやって、勧告をしてもまだやらないものには世話をしないこともあるぞ、こういうおどかしの規定を置くがごときは、これは行き過ぎもはなはだしい独善的なことだと思うのですが、その意味で自治庁の政務次官はどういうお考えであるか、これをお聞きしたい。
  100. 早川崇

    ○早川政府委員 合併しないということが妥当な小規模町村が残るわけでございます。そういった残された小町村に対しては、何らかの特別措置をしなければならぬ。これが主体なんです。ところがこの場合は例外的に、当然その規模、地勢、交通、経済からいって統合すべきものだ、その場合になおやらないというまれなケースをここに規定しているのでございまして、その場合には小規模なるがゆえの特別免除は、これは差し控えたい。こういうわけでございまして、決してどうかつとかそういうものではないのでございます。この観念は、飛び地があったりして非常に無理があるのに、勧告があっても合併しないような町村には、現在の法律で補助金を差し上げているのを差し控えるという程度の例外的な考えでございまして、原則としてこれをどんどん発動したりするという考えは毛頭ございませんので、その点は御了解願いたいと思います。
  101. 北山愛郎

    北山委員 原則でない例外としても、これは結局一般的なことになるのです。もしもこの法律が出て、そうして私がかりにそういう小さい合併がむずかしいような町村住民だとします。このごろは、今までの政府のやり方を見、あるいは県のやり方を見ていると、何でもかんでも合併しろといって、合併をしなければ何だかもう非常に損なように追い込まれている。そこへ持ってきて新しくできたこの建設促進法を見ると、いろいろ順序はあるけれども、最後へいって、それでもいやだといえば、これはやはり世話をしてくれないというような規定がある。そうすればそこまでいかないうちに、これは幾らがんばったって最後にはそこで押し切られてしまうのだ、あとではもうめんどう見ないということになってくれば、心理的に強制をされて、そうしていやでも応でも合併の方に追い込まれてしまう。こういう規定があるということ自体が非常におどかしなんです。現にごらんなさい。今の地方財政再建促進特別措置法の二十三条の一項に、将来赤字を出した場合にも地方債を制限するというような規定があるでしょう。それは現在はまだ発動しておらぬ。少くとも三十一年は発動しないという言明はあるけれども、その時期はいつだということをちらちらにおわしている。三十二年度かもしれぬということをにおわす。そうすればやはりびくびくして、これは何とか自治庁の言う通りしなければ、将来は地方債の起債も許してくれないのではないかというような心理的なおどかしになる。あの規定は現在は政令が出ておりませんから、まだ発動しておらぬのですが、そういうおどかしの規定になっておる。この規定もそうだと思う。だからあなたたちは、慎重に取り扱って、こういうことをやるのはごくまれな事態だ、こう言うけれども、規定そのものとしてはこれは一般的なんです。未合併町村全部に対しこれは心理的な影響を与える、そういう規定だ。少くともこの法律を見てその効果というものを正しく考えるならば、そのことぐらいはすぐわかるはずだ。そこでその点についてもお伺いしたいのですが、一体どのくらいの町村合併困難な町村として、あるいは不可能な町村として残るか。これは今千九百の未合併町村のうちで、やっぱり最後までできない町村があるということを予定しておられるようでありますが、自治庁としてはどのくらいが残るとお思いですか。
  102. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これはこの資料で一応、不能町村と適正規模の町村と未合併町村、こういうふうに分けて資料を作ってありますが、合併不能町村といわれているのは百九十六、これは初めから県が合併計画を作るときに、財政その他の関係から、適正規模ではないけれども合併のしようがない、こういう筋でございます。それから適正規模町村というのは、もう現に適正な規模に達しておるから合併をする必要がない、合併町村にも載っかっておらぬ町村でございます。それから未合併町村は、あらゆる面から考えて規模の適正を欠いて合併が可能であり、またすべきものだというのが千九百六十一でございます。しかしこれも先ほど来申しました通り県の合併計画でございまして、県の合併計画につきましては、中井委員も仰せられました通り、それは百パーセント正しくて押し切れるという程度のものとは私は思わぬのでございまして、やはり実情に即して、いろいろ特殊の事情からなお調整すべきものが私はあろうと思っておるのでございます。それでこれは今日の段階におきましては、むしろ必要なものは再検討をして、そうして進めるべきである、こういう指導をわれわれの方でも今やっておるかけでございます。従来の計画に必ずしもこだわる必要はないのでございまして、要するにそれぞれの地域で合理化されればいいことであって、どういう案でなくちゃいかぬということは私はないと思うのでございます。そういう意味で再調整をやってはおりますけれども、なおかつそういう計画で適正だという場合でも残るものがあり得るのではないかということを考えておるわけでございます。その数字がことしの九月までにどれくらいになりますか、われわれの方でも逐次情報を集めておるのでございますが、まだ正確な数字は参っておりません。参っておりませんが、この千九百六十のうちのある程度の数はやはり残るのじゃないか、こういうふうに見ておるのでございます。
  103. 北山愛郎

    北山委員 その点について鈴木次長はある座談会で六百ぐらいは残るのじゃないかというようなお話をなさったように聞いておるのですが、そういうことがあるか。あるとすればそれはどういう基準でどういうものが六百ぐらい残ると見込んでおるか、これを伺っておきたいのです。
  104. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これはその千九百六十のうちで三、四割が残るかもしれぬという県の情報が入ったことがありまして、その数字が出たのだと思います。四割とすると、六百という数字はその数字だろうと思います。これは要するに見込みでございまして、われわれの方でときどき、この年度末一ぱいに幾らできるか、あるいは九月までどれだけ見通しがつくか、こういう数字をとったときの数字に、そういう数字が出たことがあるそうでございまして、その数字を基礎にしてあるいは次長が何らかの機会にお話しになったのかと思います。
  105. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 行政部長から説明を申し上げた通りでございまして、千九百余りの町村の三割程度のもの、約六百くらいになりまするか、そのくらいのものが合併困難の町村として残るのではないかという見通しが、あれはいつごろでございましたか、話をいたしました当時でございましたので、それを基礎にして申し上げたのでございますが、今行政部長の説明も同じような趣旨と思います。
  106. 北山愛郎

    北山委員 すでに府県の計画もあり、それが中央にも出してあると思います。そこでやはり地理的な事情その他だれが見ても納得ができるというか、これならば合併がむずかしいだろうと思うものは、もうわかっているはずだと思う。それがまだわからないというのは、ちょっとおかしいと思うのです。大体において府県計画を基礎にしてみれば、あそこは合併できたらいいだろうけれども、やはり地理的に面積が広いとか、交通か不便だとか、そういうことで、本人同士が一緒になりたくても、これは無理だというような町村があると思うのです。やはりそういうような客観的な基準からすれば、どのくらいがむずかしいか、これは五%くらいは残るだろうというようなお話も当初にはございました。ですから何らかの調査があると思うのですが、そういうものに基いた六百町村ではないかと想像したのですが、そういうことはないのですか。
  107. 小林與三次

    小林(與)政府委員 最初五%という数字がありましたのは、全市町村につきまして合併が不可能なものがあるではないかという意味の五%という数字が、われわれが全体計画を作るときに、これは全く腰だめでございますが、そういう数字を出したことがあるのでございます。それから今の六百という数字は、合併は可能ではあるが、九月までにはむずかしいということが出ておった数字だということでございます。今仰せられました通り、一応の計画には載っておりますが、実際問題としてそれは無理があるというものも、実はあり得ると思うのでありまして、その点はわれわれといたしましてなお個別的にそれぞれの計画を再吟味しているわけではございませんが、県によりましては、繰り返し申します通り、最終段階でございますから、もう一度自由な立場でもって検討して進めるように、また事実実際の合併が多少食い違っているところもありますから、その現実も基礎にして事を進めるようにということを注意いたしているわけでございます。そして最終の時期になれば、当然われわれといたしましても県と相談いたしまして、最後の調整を考えなくてはなるまい、こういうふうに存じているわけでございます。
  108. 北山愛郎

    北山委員 府県の合併計画というものは正しいものとして法律が作られている、そこに若干の疑問を持つのです。いわゆる市町村の建設計画の調整ということが、この法律の中ではいわれているわけで、そのために各階段に審議会を設け、中央にも審議会を設ける。ところがその中央の審議会は、府県の合併計画を審査するということが目標ではなくて、あくまで建設計画の調整を中心としている。ここのところはおかしいと思うのです。やはり府県の合併計画に調整すべきものがあれば、それは中央の審議会の仕事にならなければならぬのではないかと思うのです。今、地方に対して今までの県の合併計画も再検討してみろというような指導をなさったというお話でありますが、やはり制度の上で府県の合併計画が金科玉条とされないといういろいろな事例があるのでありますから、これをどこかで審査するということが、特に中央の審議会においては、建設計画よりもむしろ府県の合併計画というものを検討することの方が正しいのではないかと考えるのでありますが、その点はどうでしょうか。
  109. 小林與三次

    小林(與)政府委員 これはごもっともでございまして、われわれもそういう考え方でおります。中央の審議会の仕事は、建設計画の調整並びにその実施の促進とともに、未合併町村町村合併の推進をその仕事といたしておるわけでございまして、総理大臣に協議するという意味は、総理大臣は当然それを審議会の審議事項として審議会に相談をして事をきめたい、こういう考えでございます。
  110. 北山愛郎

    北山委員 この規定の中の中央審議会の仕事の中こそのことは書いてございますか。     〔委員長退席、亀山委員長代理着席〕
  111. 小林與三次

    小林(與)政府委員 十八条に、中央審議会は「未合併町村町村合併の推進に関し必要な事項を調整審議する。」とありますが、これはそういう趣旨で入れた規定でございます。
  112. 北山愛郎

    北山委員 十八条には、「中央審議会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、新市町村建設計画の調整その他その実施の促進及び未合併町村町村合併の推進に関し必要な事項を調整審議する。」とあるが、そうすると当然この言葉の中に、府県計画の検討ということも中央審議会の仕事としてやる、こういうふうな解釈と承わっておきます。  それで先ほども半強制合併の問題が出ましたが、私がきのうお伺いしたことと関連をして、どうしてもこの規定の一つの柱は千九百、約二千の未合併町村合併に追い込む規定がたくさん盛られておるように思うのです。最終的には内閣総理大臣が直接勧告もする、それでもやらなければこうだ、こういうような規定になっておるわけです。しかもその時期としては来年の初めごろを予定して、時期的にも非常に急いでおる。それで、争論や紛争があれば、すぐに府県知事が裁定処分をしてしまう。こういうふうにしてぎりぎりと合併をやらせていく一つの政策がここに盛られておるのですが、そこで今までの合併の実績と考えてみて、私は一国民としてどうもこの政策が納得いかないのですよ。今までの合併された市町村というものがうまくいっている、当初の期待に沿うて住民の福祉も増進されておるというような実績は現われておるなら、それはまだ合併されていない町村に、あのようにうまくいっているのだから、君たちも合併しろということが言えるでしょう。ところが逆なんです。世論調査も逆なんです。税金は上った、役場は遠くなって不便になったと言っている。建設計画も不公平で思うようにいっていないと言っている。いろいろそういうふうな不平不満で合併当初には賛成した人がもう、大量に反対派に回っておるのです。そういう現実ですよ。今まで合併したものがそうなんです。それを目の前に置きながら、まだ合併しないものにあのような状態になれというふうに持っていくということは、一体方針としてどうなんです。それで自信が持てるのですか、早川さん、どうです。
  113. 早川崇

    ○早川政府委員 昨日北山委員にお答えいたしました通りでございますが、合併して非常に困ったというパーセンテージが、あのときに北山委員は一〇〇%そうだと言われましたが、実はそうではないようでございます。二一%程度がよくなかった、よかったのは三〇%、あとはどちらかわからない、これが政府の世論調査の結果でございます。いろいろ御議論はあろうかと思いまするが、とにかくわれわれといたしましては、従来から進んで参りました約八千という人口中心にいたしました適正規模町村という方向でいきたい、しかし決して北山委員の御心配のように、無理やりに引っぱっていこうというものではございません。あくまで最後は、水を飲むか飲まぬかはその住民自身の問題である、たたしだれが見ましてもこれは合併が妥当だという例外的な場合におきましては、小規模町村の特別の援助は差し控えたい、こういう法律の趣旨でございます。従って決して飲みたくない水までも無理やりに飲ますというようなものではないのでありまして、また事実そういうことはできないのであります。どうかこの法律の意図するところを、一つ客観的に御了解願いたいと思います。
  114. 北山愛郎

    北山委員 私は何も主観的に言っておるのではなくて、客観的に言っておるわけです。従って全国民が一〇〇%合併反対しておるなどというようなことは申しておらないのです。私は政府のお出しになった世論調査に基いて申し上げておるのです。今日正式に資料をいただきましたから再び申しますが、こういうことなんです。「合併に対する賛否」として、「合併が行われた時にくらべて調査時現在の方が賛成者が減っている。すなわち、合併当初には、住民の半数以上が賛成であったのであるが、現在では住民の約三割が「よかった」と考えているにとどまる。こう明瞭に、自治庁で今日配付された資料の中に書いてある。ですから二五%というのが合併はよくなかったと思っておるか、あるいはよかったとは思わない方に回った数字なんですよ。これは大きな世論の変動なんです。世論なんかに一〇〇%というものはない。五割五分が賛成であったものが、今や賛成者はわずかに三割になっておる。その原因は何であるか、事実がちゃんと示しておる。税金が高くなったというものが五〇何%ですよ。安くなったというものはたった六%にすぎない。税金が安くなると言って合併を勧めておいて、その逆な事実が現われておる。当然期待が裏切られるでしょう。建設計画は一向に進まない、政府はめんどうを見てくれると言いながら一向に財源措置をしてくれない、役場は遠くなるというようにあらゆるものが期待を裏切っておるからこういう統計が出てくるのです。そういう事態のもとで、まだ合併をしない町村合併を半強制的に勧めて、それでもまだ合併しないでおるものには、あまり世話をしないというような規定を置く方針がいいか悪いか、これをあなたの方の統計で話しておるのです。世論調査によって話しておるのです。私が見聞しておるものもその通りなんです。私は主観的にものを言っておるのではないのです。もし主観的にものを言わしてもらうならば、実はこんな法案を出してもらって大へんよかったと思うのです。もしもこの法案が通ったならば、未合併町村に行って、国は町村合併を指導して、勧めておきながら、その約束をちっとも果してくれない、税金は高くなり、みんな裏切られた、失望不満を持つのは当然だ、そうしてなおかつ君たちをも、あの失望した住民と同じようにさせようとやっておる、われわれは極力反対したけれども、この法案は通ってしまった、こういうようにして演説をやります。だから私は、これが正しい主観的なものと申してはあれですが、それがまた同時に客観的だと思うのです。私はそういうふうにどう考えても納得がいかないから、そう申し上げておるのです。それでもこの法案の、少くともこの規定の部分が正しいという確信を持ってお出しになったか、これをお聞きしたい。
  115. 早川崇

    ○早川政府委員 実は昨日一〇〇%と言われましたので、実は速記その他で拝見したことを申し上げたのでありまして、私の申し上げたことが誤解でありましたならば、これは取り消します。この資料によりますと、今御指摘のように一〇〇%というのではなくて、確かによくなかったというのが約五分ほどふえております。これは確かに注目すべき数字だと思うのですが、今北山委員の言われました税金が重くなったというのは、昨日行政部長も申し上げましたように、農地その他の固定資産税がその間にふえておる。これは合併町村自体の問題ではなくて、固定資産税それ自体の問題というのもあるようでございます。そういった点の誤解、また中学校その他が統合する、あるいは役場がここへ来るというのが来なかったとか、そういったいろいろな事情をも勘案しなければ、この五%、五分という世論調査が、よし非常に客観的なものであるといたしましても、問題があるかと思うのであります。しかしながら賛成という数字は、よくなかったというよりも、はるかに大きい数字が出ておるのであります。従ってわれわれといたしましては、この二十九条の規定というものは、先ほど申し上げましたように、原則的な威圧的な規定ではなくて、当然合併したらよかろうと思うものに対してはこうだというように考えておりますので、その点若干見解が違いまするけれども、われわれといたしましては、明治一、二年にできました現在の町村というものを、現在の実情に沿いまして、八千というような大体の適正規模町村の方向へ合併を促進していたきいという決意においては、ごうまつも変化のないことをこの機会に申し上げておきたいと思います。
  116. 北山愛郎

    北山委員 私はいろいろ各地方合併したところの状況を見たり、人から聞いたりしてみて、実は心配しておったわけです。町村合併促進法というものは議員立法で出たんです。それが正しく行われるかどうか、そしてほんとうにねらっておる市町村の仕事の合理化であるとか、あるいは住民の福祉の増進になるかということを実は心配しておったところが、その得ておる見聞の範囲からすれば、どうもうまく行っておらない。不平不満がふえており、紛争が至るところに起きておる。まことに深刻ないろいろな問題を惹起しておるわけです。そこで実は再々毎国会自治庁当局に申し上げておる。だけれども、そんなことよりやはり長い目で見れば、よくなるということで言っていたんですが、ところが自治庁の配付されたこの世論調査で、とにかく賛成者が当初は五五%あったものが、三〇%に減ってしまったということなんですよ。その事実はやはり私の心配を裏書きしておる。その際に、私たちの立場からすれば、やはり町村合併の実績にかんがみて、今までの合併のやり方がよかったか悪かったか、ここに立ちどまって、そして今の全国の町村合併の実績というものをもっと深く検討して、果して今までのようなやり方でいいのかどうか、あるいはこれをよくするためには、欠けておるものは何であるかということを検討して、それから新しい一歩を踏み出す方が正しいのだ、こういう見解なんです。ところがそうじゃなくて、こういうようないろいろなトラブルがたくさん起きており、また統計もどちらかといえばそういう不安を裏書きしておるのに、さらに合併を強行して、しかも拙速合併をやろうとしている。来年の三月三十一日までに勧告しろとかなんとかいうようなことで、非常に短期に、残っておる町村合併させようとしておるところに、やはり今まで失敗した拙速主義がさらに輪をかけて出てくるのじゃないか。しかも残っておる未合併町村というものは、どれも何らかの事情があって、容易にいかないところが残っておるのですよ。それをがりがりとやられたのでは、ますますトラブルが起きるし、また住民の不満も増大するのではないか、こういうことを私は心から心配しておるのです。だから私はそういうことを申し上げるので、まあしかし何べん申し上げても、確信にはお変りがないようでありますから、この程度にしますが、しかしそういうふうに期限を切って、来年の三月三十一日というふうな一つのめどをつけて、残った町村をできるだけ合併させようというのは、将来一体市町村をどこへ持って行こうとするのか。府県との関連において、いろいろそこに先の地方制度に対するお考えがひそんでおるのじゃないか、こういうふうに私どもは考えますが、府県制度との関連において、市町村合併をどんどん進めていって、あとどうされるのであるか、これをお伺いしておきたい。
  117. 早川崇

    ○早川政府委員 だんだん伺っておりました点は、自治庁といたしましては、十分財政的な裏づけをやりまして、北山委員のいろいろな御批判に今後こたえていきたいと思います。府県の問題は、これは自治法の一部改正におきましても、いろいろ御質問もあったのでありますが、自治庁といたしましては、今府県の終着駅をどういうようにするかという、終着駅は考えておりません。新市町村建設促進法自治法改正も、それぞれそういう御疑念また御予想はいろいろございましょうが、自治庁といたしましては、これは地方制度調査会の答申に諮りまして考えるべきものでありまして、われわれといたしましては、全く現在白紙に立っておりますので、その点は御了解願いたいと思います。
  118. 北山愛郎

    北山委員 もう私もおしまいにしたいと思いますが、この地方事務所の問題については、どういうふうにお考えですか。これは町村合併とも非常に関連があるのです。府県においては、機構の簡素化というわけで地方事務所を廃止したようなところも相当あるようです。しかし私の知っておる限りでは、地方事務所をなるべく整理をしろというような指導を自治庁がやってはおらないのじゃないか、私はそう思う。出先機関の整理ということで、地方団体が自主的にやっているのじゃないか。地方事務所を一体自治庁としては将来どう考えているのか。今度の自治法改正の中にも、やはり地方の行政機関というものを認めて、その点についてはあまり触れておらないようでありますから、私はどうも自治庁方針に若干疑念を持っているのです。ですから市町村の支所、出張所統合の線は、はっきり出ておりますが、地方事務所は出ておらない。自治法の中にもあまり出ておりませんから、どういうふうな方針なのか、これをお聞きしておきたい。
  119. 早川崇

    ○早川政府委員 町村合併して、非常に統合、合理化また単一化が進んで参りますに伴いまして、われわれといたしましては、府県を強制するとか指導するとかいうよりも、むしろ地方事務所の統合、合理化という方向が望ましいと考えます。
  120. 北山愛郎

    北山委員 もう一点、これも町村合併に関連しておりますが、部落の問題ですね。新市町村の区域が広くなって、そして支所、出張所が整理統合されるということになれば、そこで役場が遠くなるために、部落というものの存在を見直すというか、いろいろこまかい部落、町内等の事務が、また復活をしてくるわけです。どうも自治庁は、部落会、町内会を復活させようというような御意図があるのじゃないか。去年でありましたか、たしか部落会、町内会等に関して、地方の府県等に諮問を発したようなこともあったようですが、現在では部落会、町内会についてどういうふうな御方針であるか、お考えであるか、それを承わっておきたい。
  121. 早川崇

    ○早川政府委員 別に復活は考えておりません。
  122. 北山愛郎

    北山委員 私はこの新市町村建設促進法については、大ざっぱな点を今までお伺いしました。それからなおこまかい点でございますが、この規定は、法律的に見ても、内容として相当問題になる規定がございますから、できれば逐条審議をいたしたいのですが、その時間もございませんから、ちょっと疑問点をお伺いしておきますが、住民投票をやらせることがあります。これは知事の力で勧告をして、そしてその地域の住民投票をやらせることになっていますが、その投票はもちろん関係の町村ごとにやるのだろうと思うのです。これは当然なことだと思うのですが、一応お伺いしておきたい。
  123. 小林與三次

    小林(與)政府委員 その通りでございます。
  124. 北山愛郎

    北山委員 それから財政問題に関連して、合併町村の赤字、これもお伺いしたい点が若干ございますが、     〔亀山委員長代理退席、委員長着席〕 今財政部長が来ておられますけれども、合併町村の赤字というのがたしか約百億くらいあると思います。これについてはすでに昨日地方財政再建促進特別措置法の適用申し出を締め切りましたが、どのくらいの合併市町村が適用申し出をしたか。この状況を一つ伺わせていただきたい。
  125. 後藤博

    ○後藤政府委員 合併町村の赤字の関係については、私は今はっきりした数字を持っておりませんが、再建団体に指定を受けたい希望の団体も、まだ合併町村という範疇で選んだことがございませんので、総括的な数字だけを申し上げます。三十日までにわれわれのところに申し出を持って来ました団体が、市は百三十あります。それから町村が三百二十一であります。県は十五であります。四百六十六のうち市町村が四百五十一ということになります。これは三十日までに私どものところに正式に申し出をした団体でありまするので、実際はそれよりも多いかと思います。それから三十日から三十一日にかけて申し出たところもございますので、私どもの予想では、大体府県合せまして約五百くらいにはなるのではないか、こういうふうに現在は考えております。しかしそのうちで合併町村が幾らあるかという数字は、個々に当ったことはございませんので、ちょっと申し上げかねる次第でございます。
  126. 北山愛郎

    北山委員 市が百三十あるわけですが、町村の三百二十一というのは、おそらく財政部としても町村の適用団体の申し出が予想よりも多かったのじゃないかと思うのです。百三十の市の相当部分は、旧市ではなくて新市ではないかと考えるのですが、どういう傾向ですか。
  127. 後藤博

    ○後藤政府委員 お答えいたします。町村については、おっしゃる通り、私どもは二百五十から三百の間と申し上げておったのですが、少し多くなっております。それから市については、私どもは百五十くらいを予想しておりましたが、最後には大体それに近いものになるのではないか、かように考えております。市のうちでは新市の数字が圧倒的に大きいのでありまして、これは総括的に新市が多いからでありますが、旧市も相当ございます。数で比較するのはどうかと思うのでございますが、必ずしも新市ばかりではなくて、やはり旧市が相当ございます。
  128. 北山愛郎

    北山委員 泣いても笑っても、とにかく五月三十一日で申し出期間が締め切りになったわけですが、それ以外にいわゆる自主再建の団体が相当あるはずだと思うのです。ところが最近問題になっておるのは、自治庁が自主再建団体の取扱いにつきまして通牒を出しておるのです。そこでその通牒についていろいろと論議をかもしておりますので、この内容を明らかにして、一般に誤解があるものであれば、その誤解を解いていただきたいと思うのです。というのは、自主再建団体の取扱いについてというので、大体内容的には再建団体と同じような、それに準ずるような格好に計画を作らす、あるいはそれよりも短期の計画を作らして、しかもこれは自治庁と府県において確認する計画を立てるというような格好になってきております。そこでこれは地方財政再建促進法の適用団体と実質上の地位は変らないことになりはしないか。何の根拠でこういうことになるのかということで、いろいろその内容についても問題があるわけなんです。そこでこの際、合併市町村の中にも自主再建団体が相当あると思いますので、ここで一つ財政部長からその通牒の内容について、簡単に誤解を解くようにお話を願いたいと思います。
  129. 後藤博

    ○後藤政府委員 おっしゃいます通達を最近出したのでありますが、その前に私個人の名前で、自主的再建団体とはこういうものを言うんだという書簡を、四月の終りに出したのであります。自主再建団体とは何ぞやという問題につきまして、いろいろ見方がございまするし、議論があったのであります。かたがた従来の起債の許可方針の中に、赤字の額の多いものは起債の制限をする、こういう方針が前からあるのであります。これは償還能力に関係いたしまして、当然その問題が出てくるわけであります。従って起債の制限を受けない自主的な再建団体というものはどういうものを言うか、こういう問題を方々で尋ねられますので、私どもといたしましては、自主再建団体とはこういうものを言うんだという考え方を一応書簡で流し、さらに五月の二十四日でありましたか、正式な通達ではないのでありますが、その内容は、自主再建団体というのは単に年度の終りの余剰をもってその赤字を消すというものでなく、何年間か計画的に予算に計上して、長期計画として赤字を消す、同時に単年度ごとにその赤字を消す額を予算の表に出してやる、そういうものをわれわれは自主再建団体と言うのだ。こういう方式をとっておられる場合には、その計画を持ってこられれば、それを確認すれば、それは起債の制限はしない、こういうふうな通達を出したのであります。ところが確認とはどういうことかということとか、自主再建団体それ自体の問題につきまして、地方庁でいろいろこまかい意見をつけて通達を流したところがございまして、誤解を招いておりますので、私もそういう団体に対しては十分注意をいたしたいと存じております。趣旨は、先ほど申し上げましたように、自主再建団体とは何ぞやという問題と同時に、起債の許可方針との関連において、起債の制限をしない団体は、大体こういう団体である、こういう点を明確にいたしたいと考えたのであります。
  130. 北山愛郎

    北山委員 この通達の題目は、自主再建団体の取扱いについてというふうに書いてありますが、これは再建促進法の観念というよりも、むしろ地方債の許可の際の一つの事務的な基準と申しますか、要領と申しますか、そういう意味でお出しになったと思う。そうでないと、これは根拠がないような格好になるから、私はそう思うのですが、それにしても地方債を許可する基準はいろいろあるはずなんだと思うのです。単に償還能力だけの問題ではなくて、ここでもはっきりと財政部長が言明された通りに、やはりそれ以外の継続事業の問題であるとか、あるいは合併市町村であるとか、そういうふうな優先順位についてはいろいろの問題があるのでありまして、従って単に赤字団体であるから、一定の自主再建計画だけで起債をこの許可基準にするということはどうも行き過ぎであり、誤解を生む原因になると思う。だからこの点は、やはり根本の趣旨が地方債許可のための便宜的な措置である、いわばその都度その財政状態を調べるのであるが、前もってそれを出さしてこれを見ておくのだ、こういう趣旨であるということを一つ明らかにしておいてもらいたいのです。  それからこの通達に基いて府県の方でもまたその下の方へ流しております。十万以下の市町村についてはこれは府県の確認といいますか——府県というのは自治庁の確認なんです。そこでその通牒を見ますと、たとえばこういうことを書いた通牒がある。地方債については次のごとく取り扱うものとする、自主再建団体に対しては、三十一年度は法適用団体に準じて取り扱うが、昭和三十二年度以降は法第二十三条第二項の規定による政令の制定により差別されることになろうというように書いておりまして、三十二年度からもうすでに例の法第二十三条第一項が三十二年度から適用になるようなことを、これもおどしの一種ですが、そういうものか出ておるのですよ。だから今のところ私どもの了解するところでは、少くとも三十一年度はこの二十三条第一項は適用しない。しかし三十二年度も適切なる別な地方財政の措置をやって初めて起り得ることであって、はっきりと三十二年度からそうなるということはまだ不明瞭なわけです。ですからこういうことを書けば、これはもう来年からはだめだぞというようなおどしになると思う、こういうことは府県が行き過ぎて出したに違いないと思うのですが、そういう行き過ぎのないように一つ府県に対しても指示されるようにお願いしておきたいと思うのです。以上の点についてお伺いしたいと思います。
  131. 後藤博

    ○後藤政府委員 先ほど申し上げました私の書簡を出しましたのは四月二十五日でありまして、その前後、それとほとんど同時に起債の許可方針をきめましてやはり流したのであります。従って両方を読めばよくわかるのであります。府県はやはり両方読んでおると考えております。従ってこれは起債の制限を緩和するものであるという考え方で読んでくれておるだろうと思っております。また内容はやはり私もそういう書き方をしたつもりでありますが、府県の中でごく数県だと思いますが、私の書簡をさらに敷衍して、非常にこまかくいたしまして市町村に流したところもございます。その一つに今おっしゃいましたようなところがあるようであります。私も昨日それを見たのでありますが、二十三条の問題につきましてはもちろん私どもの通達の中には、これは将来の問題であるから別途考えるのだということを明確に書いております。従ってそれを先回りしてそういうことをいたしたのでありまするから、私どもといたしましてはそういう団体に対しては十分に注意いたしたい、かように考えております。
  132. 北山愛郎

    北山委員 そこで町村合併等でできた新市等におきましては、非常に自主独往の精神が強くて、再建団体にならないで、できれば自主再建で行きたいという熱意を持っている新市が相当あると思うのですよ。ところがこういうようなやり方でやはり計画は作らなければならぬ、これは当然でしょう。ただしその場合に三年とか四年の計画を作れとか、普通の適用団体よりは短期の計画で何とかしろというようなことを指導されるのは慎しんでいただきたいと思うのです。自主再建であろうが、適用団体であろうが、再建をするということにおいては同じだと思うので、しかも自主的にやろうというのは、独力でやろう、利子補給も受けないでやろうというのだから、もちろん短期にやらなければならぬということはどの団体でも同じでありましょうけれども、特に自主再建の場合だけはその計画を非常に短かくしか認めないのだ、五年以下の計画でなければ認めないというようなことでは、せっかく独立して自分の力で何とかしようという団体に対しては、理由のない差別待遇ではないかと思いますので、そういうような計画あるいは計画の年次等につきましては、やはりその自主再建団体が合理的に再建ができるような点を考えて、無理な注文を出さないでいただきたい。そういう考慮をしていただけるかどうか、承わっておきたいのであります。
  133. 後藤博

    ○後藤政府委員 おっしゃるような点がございましたので、私どもといたしましては通達の中には年限を除いたのであります。従って個々の団体が自主再建計画を見ました上で、合理的であれば年限は多少延びる場合もあろうと考えております。しかし原則的に自主再建団体というものは、あまり再建債を受けないでやる程度の赤字を持っているところの団体がやるのであるという考え方に立っていると思いますが、あまり長くなりますと、そういう団体はむしろ再建債を起してやるというのが財政運営を正常化する建前からいたしましても必要ではないかと考えておるのでございます。しかしおっしゃるように例外的な場合もあると思います。従って私どもは別に三年とか五年とかに固執するわけではございませんが、指導的な考え方としましては、なるだけ短かい期間で解消するような指導方針をもって進みたいと考えております。
  134. 門司亮

    門司委員 私、さっき各省の提出者に出てもらいたいと申しましたが、おいでになっておりますか。
  135. 大矢省三

    大矢委員長 各省から今出ておりませんが、けさほど来打ち合せの内容を参考資料として出してございます。一つ財政部長から説明を聞かしていただきましょう。
  136. 門司亮

    門司委員 私はそういうことは聞きたくないのです。なぜ聞きたくないかと言えば、現行法をこしらえるときに各省の諸君を呼んで大体聞いてある。しかるにそれの実行がいまだされていない、そこにガンがある。この法律をまた出さなければならない。今度の法律も各省の大臣が来て所管事項について実行いたしますと言うだろうけれども、実行ができないために、こんな法律を通してごらんなさい、また五年先に同じものを出してこなければならぬ。この法律は時限法でしょう、こういう法律を出す場合に、いいかげんなことをやっているから、自治庁はろくなことができない。さっきから指摘しておりますように、この法律と、現行法とどこがどれだけ違うか、内容はほとんど同じですよ。なぜこういうものを出さなければならなかったか、今までのことは実行されなかったからだ。これが行き詰まっているからだ。だからこういう法律をこしらえるならば、各省の責任者をぜひ呼んでもらいたい。そして慎重に審議すべきだ。市町村はこれで惑わされている。さっきから数字が一応あげられております。新市町村ができて、それが分離をしなければならない。この中には幾多の、町村合併すればこういう恩典がある、こういう恩典もある、こういうこともできるということが書かれている。えさがたくさん下げられている。合併してみたがどうもそれがうまくいかないというところに紛争や騒ぎが起っているのが事実です。そういう問題を再び繰り返すことのないために、この法律を通す場合にやはり確固とした将来にわたる計画を出してもらいたい。これは五ヵ年の計画ですから、各省がこの法律と歩調を合せる五ヵ年計画を持っておらなければ、この法律は出したって何もならぬと思う。各省に関連を持っておる。だからぜひそういう措置をとってもらわぬ限り、こんな法律を通したらとんでもないことになる。ただ事務当局同士の話し合いなどということで、一体速記録にそんなものを残して何になるか、責任者を呼んでこしらえた現行法ですら守られないでしょう。たからその点は私はこの会期の終るまでにぜひここに出てきてもらいたい。  それからこの現行の町村合併促進法の実行ができなかった原因が那辺にあるかということを、一々項目をあげて御説明願いたい。たとえば郵政関係の問題もなぜ一体できなかったか。施行令の十四条に国の行う仕事としてはっきり書いてあるはずだ。それがなぜできなかったか、その原因をここではっきりしておいてもらいたい。それを一々探求していって、この法律が妥当であるかどうかをきめる必要がある。
  137. 小林與三次

    小林(與)政府委員 現行法では財政上合併町村についてそれぞれ優先的な措置をできる限りやるという規定になっておるのでございまして、常にできる限りはやっておりますけれども、これは国の財政上の制約がございますので、それで思うように参らなかったのでございます。
  138. 門司亮

    門司委員 そんなことを言うが、それじゃ法律を変えればできるのですか。現行法では満足に実行できないから法律の名前さえ変えればできるのだ、国政というものはそんなおかしなものじゃないでしょう。なぜ現行法でやれないのです。もう少しはっきりした材料を示してもらわぬと町村が迷惑しますよ。あなた方は法律さえこしらえて勝手なことをやっていれば済むのだけれども、困るのは町村だ。町村が迷惑をしないようにするには、もう少し今の法律でどうしてできなかったかということを掘り下げて考え、そうしてこの法律ならそこはどういうふうに排除できるのだということが明確に出てこなければならぬ。それを聞いておるのである。ただ今までのができなかったから新しい法律をこしらえるというのではどうにもならない。まるっきり法律の遊戯みたいなものです。私しばしば申し上げますが、全く役人の悪趣味ですよ。一体どこがどういうふうに悪かったのかはっきり列挙してごらんなさい。言えなければこちらから一々聞きます。
  139. 早川崇

    ○早川政府委員 門司委員の言われましたお気持はわかりまするが、法律では、御承知のように予算幾ら、電信電話幾らというところは、むろん入らないわけでございまして、このたびの合併市町村に対する予算措置というものが、予算の中におきましてるる計上されておるわけでございます。電信電話公社関係におきましても十億というものが計上されております。またその他学校の統合等にも十分盛られておるわけでございますから、その線に沿って当然実行いたすつもりでありますし、各省におきましてもそのつもりで御了解を願っておるわけであります。
  140. 門司亮

    門司委員 さっきから申し上げておりますようにこの法律は時限法、計画法なんですよ。五ヵ年なら五ヵ年、三年なら三年と限ってある。だからこういう事業をやるには各省にこの法律に基く財政計画がなければならぬ。もしこれがないとするならば年度の予算のときに一つ一つ問題を起して、去年はやれたがことしはやれないということが必ず私は出てくると思う。従って、農林省においても大体五ヵ年間に払い下げを予定するものがどのぐらいある、郵政省においてはどのくらいのものができる、電信電話はどのくらいに統合ができるというようなことで、おのおのの省で五ヵ年計画というものがこの法律に沿うてなければ、この法律の効果というものは現われない。この前の合併促進法と同じ結果に陥るという危険性があるから聞いておるのである。こういう問題については具体的にきめておかないと、また五年たって、どうもこの法律がうまくなかったから、今度は何という名前をくっつけるか。新市町村でなく、旧市町村育成とでもつけるかもしれないが、法律の題目だけを変えたからといって、内容が充実しなければどうにもならぬじゃありませんか。だからどういうところが悪くてできなかった、この法律はどう補っているということを、あなたの方で一応説明ができないと、私の方では納得するわけにはいかない。
  141. 小林與三次

    小林(與)政府委員 説明が下手なものですから御納得いかないで恐縮でございます。従来の町村育成の面から申しますならば、予算の許す限り優先的な措置を講ずるという扱いになっておりまして、その扱いの予算の許す範囲が非常に小さかった、こういう点は事実でございます。われわれといたしましても、国家財政の許す限り新市町村の育成に協力いたしたい、各省もそういう気持でもちろんおるのでございますが、十分な措置ができなかったことは事実でございます。しかしながら、そうした規定はもちろんそのままとってあるわけでありますが、それ以外にも、先ほど申しましたように、なお積極的に新市町村育成のために考えるべき問題が多々あるじゃないかというので、そういう問題を取り上げて今度入れることにいたしたのであります。小中学校の統合の問題とか、あるいは小市町村の統廃合に対する補助の問題とか、電電公社等の問題とか、郵便局の統廃合の問題などもみなそうでございます。こういう郵便局の統廃合等につきましては、それぞれ所管省において計画を持って進める方針でおります。今のような問題はそれぞれの新市町村の申し出を待って、その申し出の適当なものについてだんだん考えていこうという考え方になっておるわけでありまして、初めから何万町歩払い下げるという計画は今日の段階ではなお立っていないのであります。その他予算の許す範囲内の問題は、それぞれの市町村の年度内の計画を基礎にして、各省事業費を執行する場合の扱いの問題でございますので、たとえば病院の整備のために何ヵ年計画で新市町村に幾らやるという資金計画を立てておるわけではございません。その点は御了承を願いたいのでございます。
  142. 門司亮

    門司委員 いろいろ言いわけをしておりますけれども、もう少しはっきり書きなさいよ。町村合併促進法の中にも新町村建設計画の策定という文字を使っております。そうしてそこは十三ヵ条か何を並べて書いてある。どこが違うのです。学校の統合廃置、村役場の統合廃置、こういうものについてはみんなやると書いてある。どれだけ違うのです。こんなことをしてもだめだというのです。法律案を出すなら、もう少しはっきりしたものを出さなければ、いたずらに法律の上に法律を重ねて、迷惑するのは地方市町村である。その上に、この法律で見ると、新しい策定を立てる何か委員会をこしらえて、これがまた町村会と対立するでしょう。こういうよけいな行政委員会の設置までしなければならぬと書いてある。複雑化するだけです。だから一つ大臣を呼んで下さい。こういうことでよいのか悪いのか大臣に聞いてみる。事務当局のそういう答弁だけでは納得できやしません。だからそれをはっきり答弁してもらうということと、もう一つこの機会に自治法改正の中にもなかったので聞いておきたいと思います。町村合併の行われた後、障害になるものに財産区の問題がある。これは小林君もよう知っているように、長い間の歴史と過程を持っていて、そう簡単にはやめられない。これが行政面で災いをしていることは事実である。従って、こういう機会になぜ財産区の問題に手をつけなかったか。将来の自治運営のために、あるいは現在の自治運営のためにも、この財産区という問題が一つの大きなガンになっておることは自治庁も知っておると思う。やはりこういう画期的な改正をやろうとすれば、こういう問題も一応何らかの形で解消するようにしないと、自治運営はうまくいかない。それに手がつけられなかったのはどういうわけなんです。その点をはっきりして下さい。
  143. 早川崇

    ○早川政府委員 前段の御質問でございまするが、この新しい法案は町村を迷惑するのではなくて、三月十六日全国町村会の決議をもって、新市町村促進法案を早くやってくれという、合併町村会の切なる願いにこたえるものでございまして、決して町村が迷惑する、あるいは合併町村が困るというようなものではないということは、各事実をあげて行政部長その他が御説明いたしたのでございますから、その点は誤解のないように願いたいと思います。財産区の問題は部長から御説明いたします。
  144. 小林與三次

    小林(與)政府委員 財産区の問題は、門司委員おっしゃいましたように、これは町村の運営上だけの問題点だと思います。それで今おっしゃいました通り、この機会に財産区をおそらく統合してしまったらどうかというお考え方だろうと思いますが、われわれといたしましても、財産区は町村の一体制を確立する意味から、できるだけない方がこれは望ましいと思うのでございます。しかしながら従来の長い因縁がございまして、ところによっては統合が進んでおりますけれども、今直ちに右から左へとなかなか行きがたい事情のものもあると思うのでございます。特に合併の際に、ある町村は非常に長い間苦労した山を持っておる。そうでないものは財産を持っておらぬというような場合の合併におきましては、この財産の始末をどうするかということが、合併上いろいろ論議がございまして、これも合併する以上は、持っている借金も財産も身ぐるみ統合した方が最も望ましいのでございます。いわゆる裸合併が一番望ましいのでございますが、なかなかそれが住民の立場の上において話がつかぬというような場合には、やむを得ず財産区を設けておるものもあるのでございます。これはわれわれといたしましても好むところでございませんが、それぞれの町村実情に即して、やむを得ぬ場合は認めざるを得ないことがあるのでございまして、この点は一つ御了承願いたいと思うのであります。
  145. 門司亮

    門司委員 それなら政務次官から、町村会でこれが非常に熱望されたということでございますが、町村会が熱望したゆえんは、現行法が満足に守られなかったことが原因だと思う。現行法がどれだけ守られたか。その実績を一つあげてもらいたい。どれだけ郵政省関係の問題が解決したか。あるいは山林の払い下げがどれだけ解決したか。この現行法に書いてある恩典がどれだけ市町村に影響したか、例をあげていただきたい。それから今の点を議論しなければならぬ。
  146. 早川崇

    ○早川政府委員 新市町村建設促進法案の前の法案におきましても、先ほど来申し上げましたように、法案自体におきましては、予算という面にまで及ばないのでありまして、そのときの財政の許す範囲のことを実はやったのでございます。御指摘のように非常に不十分だというおしかりは、これはわれわれといたしましては十分反省いたしまして、このたびの予算におきましては、しっかりした基礎の上に立って予算を計上しておるような次第でございます。また林野の払い下げという問題に関しましても、このたび農林省と折衝いたしまして、利子の引き下げまた期間のかなりの延長というような有利な条件で、この新町村の育成のために払い下げをやるというような話し合いもできておるわけでありますから、われわれといたしましては、この予算の許す範囲において、この法律の趣旨に沿って新町村を育成いたしたい。またそういう方向に町村長の人たちも望んでおる。実は本日も町村会長さんから、ぜひ早くあの新市町村法案を通していただきたいという強い要望を受けましたことを御報告いたします。
  147. 門司亮

    門司委員 その同じ陳情はわれわれのところにも参っておりますので、よく存じあげております。それは政府の反省する一つの大きな材料だと思う。これは十三条にも、国の予算の許す範囲内と書いてありますが、現行法も同じ字で書いてあります。この同じ字は一体どう解釈すればいいのですか。同じ字で違いますか。現行法に書いてある予算の範囲内ということと、新しい法律の予算の範囲内ということとは違いますか。予算の範囲内というのは同じでしょう。もし今の早川次官の言うようなことなら、具体的な事実をあげなさい。どれだけこういう形で計画になっているということを、そうしてその数字に基いて各省の大臣を呼んでここで聞いてみましょう。そういうことがほんとうなのか、うそなのか、出してごらんなさいよ。どれだけの数字があるか。
  148. 早川崇

    ○早川政府委員 一般的な問題は予算の範囲内というように抽象的になっておりますが、はっきりいたしておりますのは日本電信電話公社の十億円というような問題、あるいは文部省関係三億円、この統合に必要なものもこの中に計上しております。その他新町村の補助費あるいは郵政省関係の四億七千万というように計上していることは、前々から資料を出しておる通りであります。それ以外の各省の新市町村のほんとうの事業あるいは補助事業はどうかとか、あるいはその新市町村に関係のある各省の事業というものは、建設事業というようなものまでは、これはわれわれとしては詳しい具体的な資料は今後の行政に属しますので、それは大体予算書によって見ていただくよりほかはないと思うのでありまして、昨年度よりは予算の面におきまして新市町村育成のための交付税の面もふえております。われわれの新市町村育成の熱意の一端は一つ御理解願いたいと思います。
  149. 門司亮

    門司委員 そういう精神的な問題で具体的の法案を片づけるわけには参りません。それならこの方向を変えて少し聞いておきますが、大体自治庁は今新市町村育成に関してここに十三条に羅列されております。それが現行法であるならば、施行令の十四条、それから六条に書いてある問題が、この十三条にまとめて大体書いてあるように見受けられますが、これだけのものを完成するのに、大体どれだけの費用が要るというように、自治庁は見当だけでもついておりますか。法律は五ヵ年の時限法ですから、見当がついていなければこういうものはできないはずだ。この予算規模はどのくらいですか。
  150. 小林與三次

    小林(與)政府委員 その十三条に書いてありますのは、市町村の建設計画の問題でございまして、市町村の建設計画の今までのでき上った資料と、それからまとめたものと、そのでき工合の資料はこの前お配りいたしました数字でごらん願いたいのでございます。もちろんこれは今後まだ合併が残っておりますので、そういうものにつきましてもその数学を補正しなければ正確な数字がつかめないのでございます。そこでこの建設計画というものが、なるべく市町村の団体の財政力、あるいは府県の団体の財政力というものをやはり総合的に勘案しながら、具体的な実施計画が作られる必要があるのでございます。そこでそうした計画の具体的な数字というものは、今日の段階におきましてはなおそろっておりません。ただ申し上げたいことは、これまでも申し上げましたけれども、二十九年度におきまする建設計画に対する事業の実施状況は、総事業費で百八十四億、それから三十年度の実施状況につきましては、これはなお決算を見なければ正確な数字がわかりませんが、私の方で扱いました起債だけの実際の額を見ますと、合併関係が百六十八億ございます。それから逆に事業費を推算いたしますと、大体四百九十八億、これは正確な数字ではございません。逆算いたした数字でございまして、そういう数字が三十年度における建設事業の実施に使われておるのでございます。そういうわけでございまして、それぞれ各省の補助の実施におきましても、自治庁といたしまして起債の詮議におきましても、新市町村につきましてはその地方の要望ができるだけ達成されるように力をいたしております。またある程度実績をおさめておるのでございます。その点を一つ御了承願いたいと思います。
  151. 門司亮

    門司委員 私の聞いておりますのは、そういう問題でなくて、少くとも十三条においてずっと書いておる問題は新しい町村ができるからとかできないからとかいうことでなく、大体想定されて、予算額というものが一応考えられ、そしてそれを各省が了承して、この法律の施行の終るまで五ヵ年なら五ヵ年の間に実現を見ないと、また失望を与えるのであります。現行法は完全に守られない、現行法はどうもうまくいかないというので、うまくこの現行法通りにやっていく以上は、なお足りないものを現行法を改正して補っていくということと、新しい法律を出すということは、これは技術的の問題であり、考え方の相違である。しかし問題は同じことなんです。だから現行法がどうしてもやれないということで新しい法律さえこしらえればやれるということは、私どもにはどうしても納得するわけにはいかぬと言うのです。どうして現行法がいけないのか、先ほど次官も言うし、小林君も言っておったが、この前の町村合併促進法をこしらえるときにも、各省の大臣、あるいは官房長等が出てきておるのである。そして農林省の事業もやります、郵政の事業もやりますと念を押しておる。ところがそれがやられておらない。ところがそれと同じような法律をこしらえようとするとぎに、それらの諸君がここに出てこないとするならば、念を押すところがない。そんなものは勝手に自治庁がこしらえたんだから、私どもの方の本年度の予算では考えておりませんよと言われればそれまでです。これが現行法が実施されない大きな原因でしょう。どうしてやれないかということをもう少し反省してごらんなさい。どうして現行法が完全に行われないか、現行法が十分に行われなければ新しい法律を幾らこしらえても同じことだと私は言うのです。いたずらに繁雑になるだけです。こういう政治的の問題ですから一つ大臣を呼んでくれませんか。そしてほんとうにやるのかやらないのか聞きたい。現行法があるのにこういう時限法を出してきておる。今のあなたのような答弁で満足するわけには参りません。これは私だけではないと思う。市町村長がもしここにおいでになって傍聴してごらんなさい。これは時期を書いただけで、現行法の六条と施行令の十四条を新しい法律の十三条にまとめただけで一体ものが片づくなら、これは楽なものです。これでは片づかぬ。だから私はこれを聞いておるのです。一つ大臣を呼んでもらって、ほんとうにこういうことが実施できるのかできないのか、その点をもう一度私は確めておきたい。
  152. 早川崇

    ○早川政府委員 この法律に書いてありますように、これはあくまで予算の範囲内でこういうことをやる。それと、もう一つ重要なことは新市町村のために優先的にこういうものをやるのだという点に実は重点があるわけであります。御指摘の通り電信電話の費用というものが三百億全国でかかる、こういう問題、それにもかかわらず十億程度より計上していないじゃないか、それで三十年かかるというのもその通りでございますが、これが電信電話公社の予算の範囲内における最大の協力とわれわれは考えておるわけでありまして、三公社課税という面で電信電話公社にはこれ以上に十四億新たにことしは出させておるわけでありますから、ぎりぎりのところこの程度の実施というものは御不満でありましょうが、やはりこれは一歩前進である、かようにわれわれは考えております。その他につきましてもあくまで財政の許す範囲において各省の御協力を願う、こういうことでございますから、各省のそれぞれの予算の範囲内の事業計画を出せ、これは今少しまだ無理でないか、かように考えておるのでございます。
  153. 門司亮

    門司委員 これはせっかく次官がいろいろ答弁されておるようでございますけれども、これは時限法でなければまだいいのですよ。幾らか考える余地があるのです。だけれども法律の建前上そういうことをすると、また失望を与えるということが心配になる。この法律の終るころになると、また文句を言ってくるにきまっている。だからそのことをもう少し明確にしておいてもらいたい。
  154. 小林與三次

    小林(與)政府委員 ちょっと私より先に御答弁申し上げます。今のお尋ねの十三条の規定はおっしゃいました通り現行法の促進法の規定と変っておりません。ただ公営住宅の整備などというような項目が入っただけでございます。その点はおっしゃる通りでございます。それでこの十三条の規定は、現行法でもそうでございますが、それぞれの各省関係の町村に関係のある政府の行う補助事業の実施につきまして、各省庁は新市町村というものを優先的に扱うという基本の精神を明らかにいたしたのでありまして、この基礎になるのは町村の建設計画でございます。それで結局町村の合理的な建設計画を基礎にいたしまして、国も府県も協力援助したいという考え方でございまして、この建設計画というものは合理的な年度計画を作ることが前提になって、それを積み上げて国が援助していこうという建前になっておるわけでございます。これは今国の予算計画として直ちにどうこうという数字が、今日の段階では出て参らないのでございます。しかしながらこの十三条だけの問題でなしに、ほかにいろいろな問題を今度加えましたが、十二条とかあるいは十四条とか十六条とか、その他他の法律の特例として二十五条とかあるいは二十三条とかそういうような問題は、現在の法律ではなお不十分でございまして、どうしても立法的な措置が必要である。こういうことでこれらの規定が加わったのでございます。それでございますから全体の問題の財政上の解決は、もちろん一度にはできませんけれども、こういう形をやることによりまして財政的な援助も積極的に推進される、こういうふうに考えておるわけでございます。
  155. 大矢省三

    大矢委員長 大臣が出席しております。
  156. 門司亮

    門司委員 大臣がおいでになりましたが、その前に大臣に聞いておいていただきたいと思います。今の小林君の答弁によっても私はこれから先、条を追って質問しようとすることがだんだんふえて参りました。たとえば十六条を読んでごらん下さい。そういう処置を講じなければならないと書いてあるが、だれが責任をとるかわかっていない。公共企業体の協力ということが書いてある。この措置でもこれはやはり電電公社の諸君でも呼んできて、こういうことが書いてあるが、君の方はどう考えているかということを聞かなければわからぬでしょう。この法案にははっきり明確なものは何もないでしょう。「国は、日本電信電話公社が前項の趣旨に従い公衆電気通信法(昭和二十八年法律第九十七号)第二十九条の規定による加入区域の変更等必要な措置を計画的に講ずるため、日本電信電話公社が必要とする資金の融通について配慮しなければならない。」こう書いてあるだけなんです。これは配慮というのはどういう意味です。できるとかできないとかいうことはちゃんと書いてない。縛ってはない。そうしてその前段には、大体今予算の範囲ということになっておるから、今のお話のようにこの法律は五年で切れるのだが、実際は三十年もかかるという場合が出てくる。われわれはそれを心配するのです。従って私は大臣にこの機会に、はっきり聞いておきたいと思いますことは、町村合併促進に関する法律案が現行法で出ておる。その現行法の中にもこの法案に盛り込まれておりますものと同一の趣旨のことがあって、ほとんど字句も違わないようなことが書いてある、それがこの法案の骨子なんです。いわゆる町村合併をすれば電信電話の問題も解決する、郵便局の問題も解決してやろう、あるいは学校の増改築というようなものにも優先的に融資をしよう、国が取り扱おうというようなことがずっと書いてある。ところがその現行法が今日までどうしてもうまくいっておらない。そこで現行法でもできないから新しい法律を出したというのが、大体この法律を提出された趣旨だと思う。大臣の説明書を読んでみましても、大体そういう趣旨に受け取れる。そこで問題になりますのは、今までの問題がうまくいかないで、同じような法律で——ただ具体的に言いますと、字句さえ変えれば法律の運営がうまくいくのだ、いわゆる実施がうまくいくのだというようなことでは、われわれ承認をするわけにはいかない、こういうのです。だから大臣に伺っておきたいと思いますことは、ここに各省に関係を持ついろいろな事業面からくる予算の範囲内と書いてありますが、たとえば予算の範囲内でも、行う事業に対して各省は完全に了解しておるかどうかということであります。同時に予算的措置を講ずる義務が各省にあるかということを、大臣からはっきり聞かしてもらいたいと思います。
  157. 太田正孝

    ○太田国務大臣 合併につきまして今までやったことについての世間の批判も私は承知しております。今回かような法律を出しましたのも、前の合併法の中にあるものを吸収した分もございますが、とにかくもう少し真剣になってこの問題と取り組まなければならぬという立場におきまして、閣議におきましても、ただいま門司委員のおっしゃったように配慮しなければならないというのは、実際の実行の問題になって参るのはお言葉の通りでございます。その点につきましては各省大臣の間にもよく話をしておりまするので、万間違いないようにこの措置をとっていきたいと思うのでございます。お言葉の、今まで悪かった点につきましては、正直にこれを認めなければならぬじゃないか、あるいは林野の問題につきましても十万町歩やるなんて言って一割も満たないようなことは、まことに申しわけないことでございますが、こういった面につきまして予算上の関係その他各省におきまして十分注意し、また閣議におきましてもその点は私からお願いいたしまして、間違いないようにやっていただくことになっておるのでございます。どうぞさよう御了承を願いたいと存じ上げます。
  158. 門司亮

    門司委員 そうすると、重ねて大臣に聞いておきますが、今私が申し上げましたように、関係各省はこの法律で義務づけられたと解釈しておいてよろしゅうございますか。
  159. 太田正孝

    ○太田国務大臣 法律の解釈もさることでございますが、これを実行しようということにつきましては、お言葉のように責任を持ってやることと存じ上げます。
  160. 門司亮

    門司委員 責任を持ってやることと考えておるということでございますが、私の聞いておりますのは、この法律の施行に当って必要なものは必ず各省はこれに協力しなければならないという義務があるかどうかということなんです。義務がないと、予算の範囲内で、どうも予算がとれなかったから、これは困るよと言われたらそれっきりです。現行法はそれでどうにもならないものかできておると思うのです。大臣も御承知のようにこの法律は時限法なんです。その時期がくればこの法律は効力を失う。それまで私はこういうことでは、とてもできないと思うのです。さっきの電信電話の問題にいたしましても、今の電電公社等の予算の関係からいけば、大体二十年も三十年もかかる、五年のうちにはとてもでき上らない。農林省のことでも最初の計画を実施するということを、これをはっきり義務づけておかないと、願い出たら必ず認可をするとか、許可をするとか、あるいは町村で計画を立てればその計画の実施に当っては、政府は責任を持ってやる、関係各省は必ずやるというようなことを、特に義務づけておかないとこれはできないのです。できなければ町村からいろいろ不平が出てくると思う。先ほど早川君は、この法律を早く施行してもらいたいということを町村長がお願いにきた、こう言っておりますけれども、その実態は、現行法は行なってみたけれども、何にもならなかったということを裏書きしておるのです。もし現行法通りに完全にいっておれば、そう大した問題は起らぬと思うのです。現行法がうまくいってないからこういう問題が起ってきたのです。だからその点を心配いたしますので、先ほどから申し上げておるのであります。大臣の今のお言葉をさらに確認しておきたいと思いますことは、この法律が各省の予算計画というものを縛ることができる、拘束することができる一つの可能性を持っておるかどうかということです。これを義務づけておかないと、私はなかなか実施が困難だと考える。
  161. 太田正孝

    ○太田国務大臣 御忠告の点まことにごもっともと思いますが、予算の数字で幾ら幾らということは、これは国会を通らなければできないことでございますが、この趣旨によって各省大臣におきましても十分注意をしてやることは、今までの経過から見ましても、御忠告の点を十分考えまして必ず実行するようにいたしたいと思うのでございます。
  162. 門司亮

    門司委員 これ以上あまり追及することもどうかと思いますが、今度の法律は、現行法よりも市町村に対するいろいろな問題について考慮するとか援助するとか幅が広げられております。言いかえれば今までの法律よりも、えさが少し大きくなり過ぎておる。今までも完全にいかないのに、そのワクを広げて、そして体裁のいい法律をこしらえても、この実施がうまくいかなければ、また怨嗟の的になることはきまり切っておる。そして迷惑するのは地方市町村です。自治庁の役人は法律をこしらえて涼しい顔をしておられるけれども、受けて立つ市町村はかなわぬ。うまくいくだろうと思って立てたところが、仕事がうまくいかない、予算の都合で削られたというようなことでは、いたずらに市町村の計画あるいは財政等についての混乱を巻き起すだけなんです。だからくどく聞いておるのであります。そうすると大臣の今の答弁を総合して考えて、まあ大体予算の範囲内でこれが行われる、確定したものではないということになれば、私どもの考え方からすれば、大体現行法の施行と同じような効果しかもたらされないだろうということが想像できるのでありますが、この点について大臣は、そうではない、必ずやれるのだという確信がございますか。
  163. 太田正孝

    ○太田国務大臣 合併の問題は非常に大きな自治の問題でございますので、今までのいろいろな非難また実行が及ばなかった点につきましては、私どもも当務者として考えなければならぬことで、今回この建設促進法をもってするという意味は、お言葉のように自治体に対して御迷惑をかけることではなく、どこまでもこれを実行しようという決意のもとにやっておるのでございます。その意味におきまして、御忠告もその通り私どもは受け入れなければならぬと思いますが、同時にこのことは必ず実行するという私どもの考え方もおくみ取り願いたいと思うのでございます。
  164. 門司亮

    門司委員 私は今日の現行法に対して、町村会あるいはその他の団体から絵にかいたもちであって、実際は何にもならなかったという批判があるが、これが一番正しい批判だと思う、またそういう批評が一番正しい批評だと思う。そしてその法律を完全に遂行することができないで、そこにまた間口を広げて、今までの法律は不完全だったから、もっとよい法律をこしらえるのだということで法律だけをこしらえて参りましても、今まで行われてなかったということが反省されないで、法律だけを、今までのものよりももっとよいえさをぶら下げてきたところで、今までのものすらできなかったのだから、こういう法律ではなおさらできないと思う。私が大臣になおお伺いをいたしておきたいと思いますことは、もし政府がほんとうに町村合併の促進を地について完全に行なっていこうとするには、現行法が絵にかいたもちでないように、現行法の不備があるならば、そこを直していくことの方が、私には正しい見方であり、親切な見方であったと考えるのであります。新しい法律でまたたくさんえさをぶら下げて、だますと言うと、あるいは大臣からおしかりを受けるかもしれませんが、実行のできないようなものを掲げてするよりも、欠陥があれば、さっき申し上げましたように、現行法を改正して、そうして率直に今までの至らざるところを認めて法律の権威というものを高めていくことの方が、法律的に見ても政治的に見てもよかったのではないかと考えるのでありますが、この点に対する大臣の御感想を一つ伺っておきたいと思います。
  165. 太田正孝

    ○太田国務大臣 もちろん合併促進法の中におきましても、いろいろのことを計画したのでございますが、しかしいよいよ合併問題も最後の段階に来まして、これを仕上げて合併する以上にこれを盛り立てて、計画のもとに実行していくということになりますと、私どもとしてはもう少し幅を広げなければならぬという意味で、合併の法律の中にあるものを吸収する以上に幅を広げていかなければ、建設の問題も完成ができないではないか。今までさえ悪かったのであるから、さらに広げたらなお悪くなるというお言葉もございますが、この点につきましては御忠告の点も十分考えまして、政府としては自信を持ち、また実行力に信念を持ちまして、誠意を持ってやっていかなければならぬと、かたくお誓い申し上げなければならぬと思うのでございます。
  166. 大矢省三

    大矢委員長 他に質疑はないですか。
  167. 北山愛郎

    北山委員 ちょっと大臣に一点だけ……。大体のことは先ほど御質問申し上げたのですが、大臣がお見えになりましたから、一点お伺いしておきます。  先ほど早川次官は、この新市町村建設促進法というものを、町村会方面では早く通してもらいたいと要望している、こういう御答弁があったようでありますが、全国町村会においては法案を通してもらいたいということもさることながら、この法案の修正についていろいろな条項を要望しておるのです。ところがその修正してもらいたいという内容は、この法案の中にはさっぱり盛られておらないのですね。だから、建設促進法だから建設をしてくれるのだろうと思って、町村会は早く通してもらいたいと言っておるようですが、実際は昨日来質問を申し上げたように、この法案の主眼点はやはり調整の方に重点を置いておるのです。建設計画の調整ということなんです。だから建設の助成、促進ということとは、ちょっとずれておるのですね。ところが町村会の方の修正要望というのは、たとえば内閣総理大臣は新市町村建設促進中央審議会の意見を聞いて、新市町村建設促進基本計画を定めなければならないものとすることとか、いろいろ建設の助成計画について中央の建設のための促進助成ということを、実のある助成計画というものを期待しておる。そういう修正要望を出しておるのです。ですからそういう面においては、どうもこの法案は全国町村会の要望に沿うていない、こういうふうに考えられるのですが、この点については大臣はどのように考えておられるか、またこういう要望に対しては、どういうふうな方法において期待にこたえるお考えであるか、これを一点承わっておきたいのです。今門司委員からのいろいろな質疑、要望は、結局このような町村会の要望と相マッチしておることだと思うんです。今までの実績もさっぱり上っておらない。しかもこの法案では規定の上から見れば、むしろ内容的に後退であるというような点について、町村会は実質的には必ずしも満足しておるわけではなくて、ほんとうの建設促進助成というものを国の方では積極的にやってもらいたい、こういう要望があるわけです。これをどういうような方法で実現をするお考えであるか、これについて一点だけお伺いしておきます。
  168. 太田正孝

    ○太田国務大臣 各地方におきまして積極的にいろいろなことをしたいという考えはもちろんあることと思います。ただ御承知の通り各町村が集まりまして合併いたしたものの、その当時に作りました計画等が実行できない、また政府の方に怠慢もあったというような御非難も承わっておりますが、これをかたく実行しようという意味で、調整という問題は考えられておるのでございます。従ってこれは消極的意味の調整でなく、実行をかたく誓う、またさせなければならぬ、こういう意味で五ヵ年計画も立てさせてやっていこうというのでございます。従って今までのような非難が起きないようにかたく実行するという意味において、調整という問題も考えなければならないので、私どもの考えとしては、着々としてその計画を進めていきますために、今までのような間違いのないようにするために調整を加えていこうというので、私は、町村の趣旨もできるだけくんでいかなければならぬと思いますが、まず第一はこれをかたく実行するという点に置いていかなければならぬと考えるのでございます。
  169. 大矢省三

    大矢委員長 よろしゅうございますか。——それでは両案に対し他に御質疑がなければ、これにて質疑を打ち切りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 大矢省三

    大矢委員長 御異議がなければ、これにて両案に対する質疑は終了いたしました。  次に両案について討論に移ります。討論の通告がございますので、順次許します。丹羽兵助君。
  171. 丹羽兵助

    丹羽委員 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となりました新市町村建設促進法案に賛成し、社会党の提案にかかる町村合併促進法の一部を改正する法律案反対の討論を行わんとするものであります。  御承知の通り町村合併促進法昭和二十八年九月制定され、同年十月一日より三ヵ年の有効期間をもって実施されたのでありますが、その後数回の一部改正を経て町村再編成に偉大な役割を果し、本年九月末日をもってその有効期間を終らんとしておるのであります。合併の成果については一部に批判的な異論がないではありませんが、わずか二ヵ年半にして、全国町村数を三分の一に減じようとする大計画の八割五分を達成したのであります。ただ数字の多少のみをもってその成績を論ずることはできないとはいえ、わずか一部の境界変更でも過去において多くの難事件を惹起した事例の多かったことを思えば、以上の数字はまさに驚異に値すべく、町村合併の成果は、わが国地方自治制度史上画期的事実であり、この間に促進法の果した使命と意義はきわめて大なりと信ずるものであります。もとより町村合併の目的は、いたずらに町村数を減少するにあるのではなくて、これによって町村の規模を適正ならしめてその基礎を強化し、基礎的地方公共団体として機能を十分に発揮し、住民の福祉を増進するにあることは言うまでもありません。町村合併促進法合併全体計画の大部分を達成し、その予定する有効期間の満期に近づきつつある今日、今後に残された問題は、合併によって誕生した新市町村が新しい地域を基礎としてすみやかにその一体的態勢を確立し、強化された行財政能力を活用して、その建設を計画的かつ効果的に行い、地域社会の発展向上に努め、もって国民生活の充実と国民経済の基礎をかたくすることであります。すなわち町村合併の現段階は、町村の適正規模を目標とする過小町村の数の減少と、合併の促進から新市町村の内容の充実に向って建設の実行に進むべき過程に入ったのであります。この段階においては新市町村自身がその建設に努力を払うとともに、国、都道府県等においても協力と援助を適切に行い、新市町村の建設を着実有効に進めていくことは現下の要務であり、町村合併の有終の美を飾るゆえんでありまして、この段階に臨み政府が諸事情を勘案して、新市町村建設の方途を進め、政府の協力体制を整えて本案を提案したことは、まことに時宜を得たものであり、関係地方団体は鶴首してその成立の一日も早からんことを待望しておるのであります。これが本案に対して賛成する根本的理由であります。  しかるに町村合併の成果を疑い、本案提案の必要なしと論じ、むしろ現行の町村合併促進法の有効期間を延長して、国の援助協力を徹底せしむるにしかずとの説もあります。この説が社会党提案になる町村合併促進法の一部改正案であります。なるほど現在でも未合併町村が相当存在していることは事実であり、また現行の促進法が規定する国の補助援助も十分その実をあげたとは言えないことも事実であります。政府各機関の町村合併に対する協力援助に統一を欠いたとの批判のあることも、また否定するものではありません。合併をめぐる紛争事件のあることも承知しております。しかしながら私どもは町村合併はともかくもここに一段落を遂げ、若干の未合併町村を残しつつも、合併市町村の建設のため新しき構想のもと再出発をなすべきであり、これがためには新法の制定により建設の基本事項を明示し、国及び都道府県等の協力援助の措置を明らかにすることが必要であるとする政府方針は、正鵠を得たものであり、私はこれに対し全面的に賛意を表するものでありまして、反対論者の説には、はるかにくみしがたく、社会党案には賛成し得ないのであります。  これは要するに町村合併の意義や成果に対する疑惑あるいは否定的批判は三年というごく短期間にかかる歴史的大事業を一挙に遂行したことによって起った町村合併の方法の不備や摩擦及びその結果として生まれた新市町村の現状、さらに新市町村建設の前途についてでありますが、しかしながら町村規模の拡大をはからねばならぬことは、異論の余地は全くないところでございます。合併の過程における方法論や新市町村の現状をもって、直ちに町村合併の功罪を論じ、合併に寄せていた期待がはずれたとするのは早計であると思います。  新市町村がいかに建設されるかは今後にかかっております。政府が新市町村建設並びに経営の基本方針として総合性と実効性のある新市町村建設計画の策定と実施、行財政運営の合理化及び一体性の確保の三方針を示し、新市町村建設計画の実施の促進に関する国、都道府県及び公共企業体の協力援助による措置を定め、また新市町村建設計画の実施を促進するために諸法律の特例を設け、なお合併に伴う論争の処理及び未合併町村合併の推進に関しても、これが解決の道を講じ、町村合併の趣旨を貫徹し、その最終目的を達成するため本法案を提案したことは、まことに意義深いものがあります。  すなわち基本方針は新市町村建設のための軌道であり、都道府県の協力援助は潤滑油や燃料の役目を果し、みずから走らんとする機関車に対し、大きな推進力となるものであります。また町村合併に伴う論争の処理のため、町村合併調整委員の制度を設けたことは、軌道に横たわる障害物を除去することであり、未合併町村合併の推進の方法を講じたことは、現行促進法の失効後に備えたもので、いわば古い軌道から新建設の軌道に乗りかえるための用意であって、これまた私の政府案に対し賛成するところであります。  社会党の諸君は、このような内容を持つ新法を制定する必要はないと言われ、その論拠として現行法で合併また合併する町村は、すでに合併条件として新市町村建設のための事業計画があり、国の援助または諸法律の特例による合併促進の保護も現行法に定められておる、政府がその法律に忠実に財政措置をもって協力援助を行えば足りるのである。新法を制定して新市町村建設計画を調整するというのは、当初の合併計画における事業計画を一方的に圧縮せしめるのではないか、また法案における国の協力援助のごときもその実がないのではないかというのであります。しかしながら町村合併促進法と新法とは、段階的にその主たる使命の異なることはすでに述べた通りであります。また当初の合併関係町村における事業計画もあるいは過大であったり、新市町村成立後の新事態に即応しないものが多いことは言うまでもありません。  新団体の個性と実情に相応し、新たな見地から総合的検討を加え、新市町村建設計画が計画的効果的に実行可能のように調整され、再出発の必要のあることは当然でありまして、新団体の誕生によって再出発の必要ありとすれば、進むべき新たなる道が必要であり、新たなる市町村としての計画の総合性、行財政の合理化、自治意識の一体性を確保するという、よるべき基準が必要なことは明白であります。  国、都道府県の援助については、財政その他の事情により完璧を期しがたいのでありますけれども、政府は新市町村建設のためにはでき得る限りの努力を示しておりますので、既往の町村合併促進の過程においては、この点につき遺憾があったことはいなめませんが、要は関係各方面の理解と協力のいかんにあると信ずるのであります。  なお政府は本案の立案に当り、関係各機関と協議して国の援助計画を総合的に実効性あるものとし、国庫の補助、起債の優先、事業計画遂行への協力等、法文に規定するにとどまらず、予算措置等にこれを具体化しておりますので、この効果は期して待つべきものと信じます。これが私が政府案に賛成する第三の理由であります。  今や全国関係地方公共団体、特に合併による新市町村は、本案の成立を一日千秋の思いで待望しておるのであります。私はこの全国の熱望にこたえて本法を成立せしめ、新市町村の建設を一日も早く堅実なる軌道に乗せ、民主政治の基盤たる地方自治法の根基をつちかい、もって新日本興隆のいしずえを築かんことを念願しつつ、社会党案に反対し、政府案に賛成して討論を終ります。(拍手)
  172. 大矢省三

  173. 中井徳次郎

    中井委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案になっております新市町村建設促進法案、これは政府の提案でありまするがこれに反対をいたし、社会党提出町村合併促進法の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものであります。  ただいまの自由民主党の討論者からるるお話がありました。確かに町村合併につきましては八割五分の実績である、数だけはまことにりっぱに減りました。このことは数の面からいいますると、私どもも町村合併促進法の効果は確かにあったと思うのであります。しかしこれは私ども社会党も三年前に双手をあげて賛成をいたしましたものでありまして、いわゆる挙党一致でやられたのが、今日この結果を生んでおると私は考えておるのであります。しかしながらその内容を見ますると、同僚委員からるる指摘されましたように、合併はしたがよくなかったという声が、非常にふえておるようであります。このことは私ども法案に賛成をいたしました者として、まことに遺憾にたえないのであります。そうしてその原因をよく考えてみますると、残念ながら法律はりっぱにできたが、どうも政府がこの実施に対して不熱心である。これが今日町村合併がうまくいっておらぬ最も大きな原因であろうと思うのであります。その点について私は二点ばかり申し上げてみます。  まず第一は、法律では非常にりっぱなことを書きましたが、現実には国の財政の都合によってということでありまして、予算の措置を初め、全国民が期待したよりも非常に少い。従いまして法律には、役場を新築するのならば起債を認めよう、道を作るのならばこれも優先的に扱おうというふうなことを、非常にたくさん羅列をいたしておりましたが、それがどうも現実とは合わない。このことが先ほどの討論者の言われまするように、何でもいいから、もうちょっとましな法律を出してくれという根本原因でありまして、実はこの法律に罪があるのではなくて、それを実施をする側に罪がある。その実施をする側も町村側に罪があるのでなくて、国にあるということでありますから、これは私どもとしても考えざるを得ないと思うのであります。  第二に申し上げたいことは、予算だけではございません。先ほど門司委員からも御指摘があった通り、これは関係の農林省であるとか、あるいは文部省であるとか、あるいは建設省であるとか、そういうところがさっぱりこの法律には協力をしないのであります。私どもはこの法律を作りまするときには、関係者を呼びまして責任ある答弁を求めて、一応答弁はありましたが、それはうその皮でありまして、現実には行われておらぬ。山林解放の問題、学校の問題その他全部それであります。従いまして現実では今や町村合併の問題は、自治庁だけが必死になってやっておるのであって、これは自治庁合併で、国の合併じゃないと言っておるのであります。本年、三十一年というのは私は妙な年だと思います。私ども社会党が、この間もだれか言っておりましたが、憲法を守れという、自治法を守れという、町村合併促進法を守っていけという、われわれの方が保守党でありまして、皆さんがあわてふためいている方なんだ。もっと先へ行け、こういうのであります。私どもは現在とにかく新興しました町村の内容をよくする、これがまず政府のやる仕事である、こういうふうにステップ・バイ・ステップで、健実に行けと言うのであります。しかるに皆さんはそういうものに目をふさぎ、耳をおおいまして赤字をほっておいて、次のことを考える。赤字会社の赤字の原因を除却せずに、さらに増資をするのと同じでありまして、まことに私は納得いきません。そういう基本的な立場で、そうして法案を拝見いたしますと、これについても審議の過程でいろいろありましたが、私どもは一番遺憾に思いますのは、強制的な規定があることでございます。二十九条の二項でございます。これは日本の憲法の基本的な精神に違反をする。さっきも申しましたが、これはどうも村八分の思想である。国八分といいまするか、政府のいうことを聞かなかったら、もう補助金はほかの村と同じように扱わぬかもしれませんぞというふうなことは、ここまでやらぬければ私どもは政府の行政力は及ばないのかと思いますると、まことに情ない気がするのでございます。  第二に、そういう案を拝見しまして思い出すことは、どうも急ぎ過ぎる。九月三十日のやつをもう半年か一年延ばしてやってみたらどうかというのが、私どもの素朴な意見でありますが、これはもうやめて、この法案を出して、そうして来年の三月三十一日までに一応の結末をつけよう。どうしてこういう大事業をお急ぎになる必要があるのでありますか。そんなに急ぐならば、もっとゆっくりとがっちりと考えて、まじめに考えて予算をうんとふやして傷をなおしていく、こういうふうにどうして皆さんがお考えにならぬのか。私はこの点は幾ら考えましても、あなた方の政府提出のこの案には解釈のしようがない、こういうふうなことであります。一般的にいいますと、戦後どうも法律が乱発された。そうしてこれについての裏づけがない。今府県市町村が赤字で困っておりますが、これの最も大きな原因の一つはこれでございます。法律はどんどん出ます。下部機構のような役割をいたしております府県市町村におきましては、これを忠実に実行しなければならぬ。たとえば児童憲章が出るとそれをやらなければならぬ。ところがやるには金がない。しかし人だけは要るというようなことが、今日の地方自治体の混乱の大きな原因でありますが、これにその本家本元であります皆さんがこの法律をまたお出しになる。私どもの過去の体験からいいますと、今大臣が約束はされましたけれども、結局のところ国の予算に縛られて大したことはできますまい。さっきも電信電話の話がるるありましたが、三百億かかるものを十億ずつやって三十年ですから、子供でも知っております。まあやるのならば五十億を下ってはいけないと私どもは考えまするが、せいぜい努力をするというようなことだ。  さらにこの法案をだんだんと拝見いたしますると、前の町村合併促進法に書いてあってできなかったこと、そういうものをほうっておいて、さらにそれよりも間接的だと考えられるようなことまで、どんどんやってやるぞという法律が出ております。どこでありましたか条文は私今記憶をいたしておりませんが、公営住宅とかあるいは病院だとかあるいは消防自動車、そういうものにつきましてはまだまだいい方です。ところがだんだん読んでいきますると、道路と橋というふうなことがあります。トンネルまで中に書いている。有線放送施設その他の通信施設の整備、これはきっと部落において田植えどきに、有線放送施設をして、音楽でも流すとかまたニュースを流すとか、いろいろな村の寄り合いの相談や何かいろいろなことでありまして、これは近ごろはやっておりまするが、こういうものにまで金を出してやろう、大いに積極的に取り扱おう、こういうのでありますが、実際できますか。トンネルを掘ってやろうというのであります。日本は昔から内務省の時代から道路についてのトンネルというものはほとんどありません。今トンネル一メートル掘るのに十五、六万円かかりますが、そうなりますと、百メートルのトンネルに千五、六百万円、そんなもの実際どうなりますか。そこまで積極的におやりになる気持であるならば、これまでもうやっておられねばならぬと私は思うのであります。従いましてこの法案の全体の空気は、やはり前の町村合併促進法の上塗りである。あれは夢が多過ぎたから今度はしぼるのだといいまするが、内容に書いておりますることはそうじゃございませんで、さらに夢よもう一度というふうなことでございます。私は財政の裏づけのないこういう法律は死文にひとしいと思います。そういう意味におきまして、私ども社会党の方がむしろ穏健であり、現在の法律をあと二、三年しんぼうしてそうして悪いところを少し直して、現実に立脚してまじめに行け、それが全国の町村が国に対して期待をしておるところである、こういうふうな考え方でありまするから、どう考えましても政府の案に賛成するわけには参りません。私どもは私どもが出しましたこの法案、これでもって現実に進んで行けというのであります。これをもって私の討論を終ります。(拍手)
  174. 大矢省三

    大矢委員長 これにて討論は終りました。  次に採決いたします。まず北山愛郎君外十名の提出にかかる町村合併促進法の一部を改正する法律案について採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  175. 大矢省三

    大矢委員長 起立少数。よって本案は少数をもって否決せられました。  次に政府提出にかかる新市町村建設促進法案について採決をいたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  176. 大矢省三

    大矢委員長 起立多数。よって本案は多数をもって可決すべきものと決しました。(拍手)  お諮りいたします。両案に対する委員会の報告書作成につきましては、委員長に第一任を願いたいと存じまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  177. 大矢省三

    大矢委員長 御異議がなければ、さよう取り計らいます。     —————————————
  178. 大矢省三

    大矢委員長 次に請願の審査を行います。本日の請願日程第一、地方交付税における高校単位費引上げに関する請願から日程第一九九たばこ販売業に対する事業税撤廃に関する請願までの請願について審査をいたします。これより請願審査小委員会の委員長の報告を聴取することといたします。纐纈彌三君。
  179. 纐纈彌三

    纐纈委員 ただいま議題となりました請願に関する審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  請願に関する小委員会は五月二十九日十一名の小委員をもって設置され、本日小委員会を開いて審査を行なったのであります。  今国会において当委員会に付託された請願は全部で百九十九件でありますが、その内訳は地方自治制に関するもの八件、地方公務員制度に関するもの十二件、町村合併及び新市町村育成に関するもの十件、地方財政に関するもの二十件、地方税制に関するもの百三十七件、及び警察消防に関するもの十二件となっております。請願は国会に対する国民の真摯なる意思の表明であり、要望の訴えでもありますので、その願意のとるべきものはできる限り広くこれを採択することとし、今国会においてその趣旨の達成されたものを除き、疑義あるものについては、今後さらに検討を加えることといたしたのであります。  次に審査の結果を便宜本日の請願日程について申し上げますれば、日程第一、第四、第六、第七、第一〇ないし第一四、第一八ないし第二二、第二五、第二六、第二八ないし第三六、第三八、第四一ないし第四六、第五二ないし第五六、第六一ないし第六四、第六九ないし第七一、第七三、第七五ないし第八一、第八七ないし第九六、第九八、第九九、第一〇一ないし第一〇五、第一一一ないし第一一九、第一二一ないし第一三〇、第一三二、第一三四、第一三六、第一三七、第一四〇、第一四一、第一四三、第一四五、第一四八、第一五〇、第一五二ないし第一五五、第一五七、第一六〇、第一六四、第一六六、第一六七、第一七二、第一七五ないし第一七七、第一八三ないし第一八五、第一九〇ないし第一九三の各請願は、採択の上内閣に送付すべきものと決し、日程第一六、第一七、第二三、第二四、第三九、第四〇、第五七、第六〇、第六五ないし第六八、第七二、第八二、第九七、第一〇〇、第一一〇、第一三八、第一六三、第一七〇、第一八〇ないし第一八二の各請願は、その趣旨がすでに達成され、あるいはこれらの点に関する当委員会の意思が決定した等の理由により、議決不要と決し、残余の請願はなお将来の検討に待つことに決しました。  以上概略御報告申し上げます。(拍手)
  180. 大矢省三

    大矢委員長 ただいま小委員長より請願審査の経過並びに結果について報告を聴取いたしましたが、小委員長の報告の通り決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  181. 大矢省三

    大矢委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。  ただいま議決いたしました請願に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  182. 大矢省三

    大矢委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。  なお本委員会に参考のために送付されました陳情書は、全部で百十件でございます。この際御報告を申し上げます。  それでは本日はこれをもって散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。     午後七時二十一分散会