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角田説明員 共済組合に金がない、
恩給組合に金があるから
恩給組合に福祉
事業をやらせるというような
考え方では実はないのでございまして、私
どもといたしましては
恩給組合、
共済組合両々相待って
職員の福祉
事業をやってもらいたいという
気持で、今度の
改正案の中にも、四条の三の二項にはそういう趣旨のものを書いておりますし、また別途提案しております
市町村共済組合法の
改正案の中にも、そういう趣旨を入れております。従いまして両々相待ってやってほしい、お互いに矛盾そごがないようにやってほしいという
気持であります。ただ
現実に
市町村共済組合の方はまだ発足当初だから、それだけに回す
積立金がないということを申し上げたわけでございます。それから
恩給組合自体の問題といたしまして、それでは金があるから福祉
事業をやらせるのだということではないかという御質問でございますが、これは実は逆でございまして、私
どもといたしましては
恩給組合はいわゆる健全な
保険数理に基きまして、必要額を積み立てるという方式をとっているわけでございます。
恩給の支払いに必要な
財源をどういうふうにして調達するかということにつきましては、いろいろな
方法があろうかと思います。たとえば国の
恩給のように、毎年必要額を予算に計上して、そして必要な額をそのまま払ってしまう、これは
原則として一銭も残らないわけでございます。それからこの
恩給組合のように、平準保険料方式と申しますか、将来の
給付を一応予定いたしまして、現在の
負担と将来の
負担とを平準化するという
意味におきまして、
相当額を現在から徴収しておる、そしてそれを積み立てる方式もあるわけでございます。そういう方式のいずれがいいかということにつきましては、いろいろ議論があろうかと思いますが、
恩給制度自体の
基礎を将来にわたって確実にしておくという
意味から、その点に限って申せば、現在の
恩給組合の
制度の方が、はるかに理論的には正しいわけでございます。むろんどの
程度の
負担を現在するかという点については、いろいろ問題もあろうと思いますが、ともかくそういう積立方式というのは、健全な
恩給制度としては、当然とるべき
制度ではないかと思います。現に
国家公務員の
恩給につきまして、人事院がいろいろ新しい
退職年令、法を勧告しておりますが、そういう
退職年金法の
考え方も、ある
程度の積立方式を採用する、現在の国の
恩給のような予算方式はとらない、人事院でも将来の
退職年金方式としては積立方、武をとるべきだというようなことを言っておるような次第でございます。
恩給組合はそれをすでに
昭和十八年以来やっておるわけで、そういう
意味では非常に進歩した
制度であるということが言えるのじゃないかと思います。それでかりにどれだけの額を積み立てるかは別といたしまして、一定額を積み立てると、うことになりますと、その間この積み立てについては運用によって利子というものも
相当出てくるわけでございます。現在の
計算ではこれを五分に回せばいいというふうに
財源の
計算をしておるわけであります。しかし五分というのは経済界の変動によっていろいろ
考え方が違うと思いますが、少くとも従来は五分以上に十分楽に回せたわけでございます。そういった点ににおいて五分に回せば将来の
恩給の支給に絶対不安がないという非常にかたい見方をしておるわけでありますから、それ以上に回せば
相当余裕が出てくるわけでございます。その
余裕金が出てきた場合に、これを
負担金の軽減とかいう
方向に回していくというのが確かに
一つの
方法であり、同時にそういう七分にも八分にも回せるものなら、それのうちの一部をこういう福祉施設に投資しても、因心給の支給そのものの
基礎を脅かすようなことにはならないと思います。同時に
恩給組合は今後複式簿記を採用して会計
経理をやっていくわけでありますが、現金をかりに払い出しても、病院なら病院になりまして、それが不動産の資産として残るわけでございます。決してこの金は使いっぱなしでなくなってしまうということはないわけであります。そういう
意味では銀行に金を預けて七分なり八分に回すと同じように、そういう不動産に投資していくということは、一面からいえば、また財産を保全していく
方法であるとも言えると思います。従いまして資産管理の一
方法として、そういうものを銀行なり貸付信託なり、社債に投資するということと同じような
意味において、若干
職員の福祉の方へ振り向けるということは、
恩給の
基礎を脅かさない範囲であれば許されるのじゃないか、かたがたこの金は町村あるいは
職員自体が出した金でございます。従って結局はそういうものを
職員の利益に多少とも還元するという
方法も当然
考えられるのじゃないか、それは必ずしも
恩給というものと矛盾するものではない、こういう
考え方から今回福祉
事業を
恩給組合もやることができるようにしたのでございます。決して金が余って困るから福祉
事業をやらせるのだというような
考え方ではございません。