○川崎(末)
委員 地方税法等改正に関する小
委員会におきまする付託された
法案についての
審査の経過並びに結果について、簡単に御報告を申し上げます。
今次国会に
提出せられました
地方税法の改正に閲する諸
法案は、いずれも地方財政の再建と健全化のために立案せられたものでありまして、
内容的にも重要な改正を含むとともに、地方財政並びに住民の税
負担の上に及ぼす影響もまたきわめて重大なものがありますので、
地方交付税法の一部を改正する
法律案、
国有資産等所在市町村交付金及び
納付金に関する
法律案、及び
地方税法の一部を改正する
法律案の三案を議題といたしまして、小
委員会は慎重に審議を開始いたしたのであります。今日まで七回開会いたしまして、
法案の細目にわたって政府の説明を聴取するとともに、広く
請願、陳情、要望書等に現われました
地方税制上の問題点をもしさいに検討いたしたのであります。
特に論議の中心となった主要な点を申し上げますと、第一に、
国有資産等所在市町村交付金につきまして、駐留軍使用の
国有資産及び旧軍港
施設を
交付金の
対象から除外していることは、均衡上から見ましても、また
所在市町村の困窮している実情から見ましても、適当でないのではないかという点でございます。
第二には、今回創設の軽油引取税につきましては、税率が高きに過ぐるのではないか、また免税
措置のため徴税上多くの困難と混乱とを招くことになるのではないか、むしろ免税
措置を取りやめるべきではないかというような点が、おもなる検討の問題点でございました。
第三には、事業税につきまして、私鉄に対する外形標準
課税は、税体系の問題はしばらく別といたしましても、現実にははなはだしく
負担の過重を来たしており、バス事業等との均衡上から見ましても、所得
課税に改めるべきが至当ではないかという点でございます。
第四に、同じく事業税につきまして、大工、左官等主として労務を主体にいたしております業種、公衆浴場業のごとき、公衆衛生の
見地から見ましての一定の規制を受けている業務につきましては、社会
政策的の
見地からいたしまして、これを第三種に改めて、その
負担を軽減するが至当ではないかという点でございます。
第五には、娯楽
施設利用税におきまして、スケート場の利用を一般人に対してもこれを非
課税にするがむしろ適当ではないかという点でございます。
第六は、
固定資産税につきまして、いわゆる大規模償却
資産に対する
市町村の
課税限度額をこの際引き上げる必要はないか。また昭和二十九年度以前に
建設に着手した水力
発電用の償却
資産について、その
課税限度額の特例の適用範囲をこの際拡大いたしまして、新設のもののすべてにまでこれを及ぼすべきものではないかということでございました。
第七には、
遊興飲食税につきまして、
公給領収証制度をどうすべきであるか。むしろこれをこの際、施行後間がないのではございまするけれども、ある観点から見ますれば廃止するかあるいは改善を加えた方がいいのではないかという点が論議の中心の
一つでございました。その他信用金庫等に対する
課税適正化の問題、あるいは水源地に対する
所在市町村交付金交付の問題、
木材引取税の取扱い、自転車荷車税の廃止等、現行
制度全般にわたっての問題点を検討いたしたのでありまするが、二十二日には日本社会党側の
委員諸君から、以上の諸点をも含めまして、
相当広範にわたる修正
意見が開陳されたのでございます。その修正
意見中には自由民主党側の
委員諸君におきましても、趣旨といたしましては賛成の点が少くなかったように認めます。しかしながら自由民主党側といたしましては、明年度につきましてはすでに予算も成立いたしておるこの際であり、修正によって歳入の欠陥を生ずるおそれもございまするので、これらの問題はさらに一そう検討を加えた上、あげて昭和三十二年度において予期される税制財政
制度の根本的改革の際に譲るべきものであるという見解をとられることになったのでございます。従いまして小
委員会といたしましては、この際修正案の作成を見合せまして、ただ各
委員の間で見解の一致した案件につきまして、本
委員会の
委員各位の御賛同を得ますれば、これを
地方税法改正案等に対する附帯決議として提案いたしまして、その検討、善処方を政府に要望し、それが実現を次年度において期するということにいたした方が妥当であるという
意見が多かったように存じておる次第でございます。
以上、簡単でございますが御報告申し上げます。(拍手)