○小野
参考人 私は
日本トラック協会の常務
理事の小野
盛次であります。本日
軽油引取税につきましてわれわれの
考えておることをこの
委員会において述べさせていただく機会を得たことをまことにありがたく厚くお礼を申し上げます。
軽油引取税に関しましては、お手元にお届けしてあります公述書の内容に述べておりますが、時間の
関係上ごく概要について
意見を述べさせていただきます。
軽油引取税につきましては、御
承知の
通り新聞論調も相当に強く
反対をされております。私ここに記事の切り抜きを持っておりますが、まず大きなものを取り上げますと、一月二十三日の朝日新聞の記事に、「ちぐはぐ」という題で
軽油引取税の矛盾をついております。一月三十一日の
日本経済新聞においては、「
軽油引取税に
反対」という記事が掲げられております。さらに二月一日、
日本経済は「難問はらむ
軽油引取税新設」「逃げ道多数あり」という見出しでいろいろな御
意見が述べられております。二月三日の東京新聞は吉野運輸大臣と太田自治庁長官との
意見の相違ということで、軽油
税率の記事が出ております。二月十八日の朝日新聞には、私が今述べようとするような内容について、ディーゼル自動車工業と軽油の問題について詳細に出ております。本日の日刊工業新聞はさらにこれを詳細に解説してこまかく論説が出ているようなわけで、新聞界においても大きく取り上げておられるように思うのであります。
私たちは
軽油引取税は絶対
反対だということを表明しておるものでありまして、
日本自動車
会議所を中心とする自動車
関係二十五
団体で結成いたしました
軽油引取税反対同盟という名前で、もうすでに
国会に三回陳情いたしております。私も実行
委員としてこの面で先生方にいろいろお願いしている一人であります。なお石油の精製元売りの業者の協会で石油連盟また石油の販売店の協会である
全国石油協会、昨日衆議院の面会所で労組の代表と議員との懇談会をいたしました。
全国自動車
産業労働組合、全
日本交通運輸労働組合、
全国石油
産業労働組合等の労働組合四
団体は強く
反対をいたしまして、すでに
国会に
請願、陳情等もいたしておるようなわけで、こまかい点についてはもうすでに
請願書、陳情書でるる述べておりますので、私は今まで申し上げなかった点、なるべく重複を避けて簡単に
意見を述べさせていただきます。
第一に今回軽油税の新設の原因となった昨年十二月八日に出された臨時
税制調査会の答申についてであります。臨時
税制調査会は各
委員、ことに一橋大学の井藤半弥先生あるいは東京都民銀行の頭取の工藤昭四郎先生とも私はお目にかかりまして二十八年十一月十二日に
税制調査会から答申された当時のことを詳細に説明を申し上げたのであります。これは木暮武太夫さんが会長であられて、
揮発油との
関係から軽油税はかけられないが自動車税で調節しようというようなことでありましてそしてその答申が
参考資料に明記してありますが、ごく簡単に書かれておるのであります。二十八年十一月十二日の答申書は、「自動車の性状、
揮発油税の
負担等を考慮し、高級大型乗用自動車及びガソリンを使用しないバス、トラック等について相当大幅に引き上げることが適当である。」これは自動車税の引き上げの調整をするということであります。それと同じように三十年の十二月八日の臨時
税制調査会会長原安三郎さんの答申は、「
揮発油との均衡を考慮し、自動車用軽油に対し
消費税を
課税する。」とあります。かように二十八年の十一月十二日の
税制調査会の答申に基きまして、二十九年の第十九
国会におきまして自動車税を特に軽油自動車、ガソリンを使わない自動車の
税率を約五〇%上げるということが御決定になって、私は二十九年の三月三十日、
地方行政委員会でこの件について公述しておるようなわけであります。その当時の模様を申し上げますと、
揮発油は二十九年に一万三千円に
改正されまして、三十年に
揮発油税を一万一千円、
地方道路税の新設によって
地方道路税二千円ということで、実質においては一万三千円そのままになっておるのであります。
揮発油の価格が上ったならば今回の
税制調査会の答申も一応うなずけるのでありますが、
揮発油価格が
地方道路税を含んで一万三千円同額であるならば今回の答申というものはわれわれは納得できない。前の
税制調査会の答申並びに第十九
国会での決議というものを無視された、
国会の
意見というものを尊重しなかったのじゃないかというふうに、私たちは多少ひがまざるを得ないのであります。
自動車税について申し上げますならば、昨年の十二月十八日と記憶しておりますが、私が大蔵省の主税局長を訪問いたしました際に、今度の
税制調査会の答申ははなはだおもしろくない。しかるに大蔵省は軽油税を六千五百円、
揮発油税の半額
程度に上げるというようなことを新聞が報道しているのは事案かどうかということを申し上げた際に、
税率はまだきまっておらないが、あなたの言うように十九
国会で一応調節したのだから、軽油自動車税をガソリン並みに下げることは自分も考慮しよう、こういうことのお話があったのであります。それで今回の
法律改正にも、軽油自動車税は引き下げてガソリンと同率にするということがうたわれておりますが、この点においては私たちも全く同感であります。しかしこのたび出された
軽油引取税一キロリッターにつき六千円というものはどうしても納得できない。ことに
軽油引取税につきましては、自動車のみにしわ寄せをされて、非
課税部分と
課税部分と二つに分れたということは、後ほど申し上げますが、この徴税操作において非常な問題点が残されておるのであります。
政府のお話によりますと、
課税する軽油の量が約六十五万キロリッター、非
課税の分が三十五万キロリッター
程度だと
承知しておるのであります。われわれは軽油税が創設されたということで、どうしても自動車税を一応
揮発油並みに落してそして税において一応バランスがとれた。しかし軽油税をここに新設するというならば、第十九
国会でもみにもんできまった五割の増徴というものが、大体において軽油自動車の一両当りの平均の
税率が年間一万円、軽油自動車の消費量は、車の大きさあるいは使用状況によって多少は違いますが、運輸省自動車局の調査による平均は、年間十キロリッターでありますから、一キロ千円として年間一万円、かようなことで、
軽油引取税の額をきめますと、一キロについて一千円、そうして年間二万円くらいで大体軽油自動車税と
揮発油税との
関係がここで調節がとれる。従って六千円という
課税は非常な暴税、暴率であるというふうに
考えます。
ことに第三番目に申し上げたいのは、軽油自動車というものについての御理解をいただきたい。わが国の軽油自動車というものは、戦後急激に発達いたしまして、現在においては
日本の気候、風土あるいは輸送状況等が盛り込まれて世界的に公認されておる、むしろ世界の水準を越している性能を持つということで、輸出
産業としてますます発達の道程にありますし、年々輸出量はふえ、本
年度におきましては少くとも千五百万ドル
程度の外貨が獲得できるというところまで発達しておったのであります。この点につきましては
参考資料に運輸省から述べております
意見書、軽油税については軽油税の創設は取りやめるべきだとか、あるいは燃料
政策、軽油自動車は育成すべきであるとか、経済六ヵ年
計画においても軽油転換工作を奨励し、燃料使用の合理化と節約を推進しようとしておる等、軽油自動車に対する運輸省自動車局の
意見がすでに述べられておるのであります。しかるに軽油自動車を御理解ない、御理解ないということははなはだ言葉が過ぎるかもしれませんが、徴税の手段として一キロについて六千円の
軽油引取税を課した場合においては、
揮発油の価格と軽油の価格とが非常に接近して参ります。そうしますと、軽油自動車を使うということがだんだん少くなる。従って生産量の低下による生産コストが上ってくる。生産コストが上りますと、輸出の自動車としての外国との競争入札において非常に苦しくなる。現在においても価額においては紙一重の間にあって、私たちからいえばスペインの今度の輸出あるいはビルマの輸出等においても量がたかだか二百台、四百台
程度でありますので、これのサービスのために大きな費用もかかる。いわゆる出血輸出をいたしましても、輸出
産業としてどうしても外貨を獲得しなければならぬという、血のにじむような汗とあぶらの結晶でディーゼル自動車工業が発達しておることを、ぜひ本
委員会においてお認めを願いたい。ディーゼル自動車の普及をはばむようなことがあったならば、これは国策としてはまことに残念な問題であり、またこの輸出については、一月三十日の鳩山総理の施政
方針演説の中にも輸出振興について述べられておるので、われわれはこの自動車工業との
関係と、軽油自動車については何とかここで御調整を願いたいということをお願いするのであります。
余談ではありますが、
政府といたしましては外国人の
日本の観光誘致のために、国際観光協会に対して昨
年度八千万円の補助金を出しておる。それに対して昨年観光客が
日本に落したドルは幾らかというとたかだか四千万ドルであります。だから一千万ドルについて二千万円
程度の補助金を出しているということになるのであります。私たちは
政府に自動車工業のために補助金を出せというようなことはとうてい不可能でありますが、少くとも国内の普及、奨励、育成というような点においては通産省あるいは経済企画庁、運輸省と十分お話し合いをつけて
政府としてこの問題は何とか御援助を願いたい、こういうふうに
考えるのであります。また軽油自動車についてはいろいろの問題があります。奥野部長の前で申しわけないのですが、二月の二十四日に自治庁から大蔵
委員会に出された資料を見ますと はなはだどうも私納得のいかない点がある。ディーゼル自動車の修繕費がガソリン車よりも安いということになっておる。こんなばかばかしいことは私はないと思う。ガソリン車の一キロ当りの修繕費が八円四十一銭で、ディーゼル自動車の修繕費が六円八十二銭という表があるのでありますが、これは何か数字のとり方についての誤まりではなかったかと思うのであります。一応この際先生方に私の調べた点を申し上げますと、修繕費としてとる場合においては、車の新しい、古い、それから積載量の同じものをガソリン車と比較しなければ、これは比較にならない。七トン車もあり、七トン半の車もある。五トン車もある。五年も使った車と二年使った車とでは修繕費が違う。そこで私たちがいろいろ現場の
実情を調べてみますと、五トン車として車齢が三年の場合を比較しますと、一キロ当りの修繕費は軽油自動車が六円八十九銭、
揮発油車が三円七十銭、車齢が二年の場合においては、軽油車が三円十九銭、
揮発油車が二円二十七銭、こういうふうに修繕費は軽油車の方が高くなっておる。また運輸省の
意見書の中にも、軽油車の修繕費は
揮発油車より一・五倍ないし二倍高いということを述べております。これは
参考の書類としてこれに添付いたしておきましたから、あとでごらん願うとありがとうございます。また全体の経費といたしまして五トン車を一応比較いたしますと、燃料費において一キロ当りガソリン車が十円六十四銭、軽油自動車が四円十銭、それから修繕費においてガソリン車が三円七十銭、軽油自動車が六円八十九銭、償却費、これが問題であります。ディーゼル自動車は、五トン車を一応比較しますと百六十万円、ガソリン車の場合には百二十二万円から二十五万円、従ってこれの償却費が違って参ります。ガソリン車ならば十一円、ディーゼル車の場合は十四円、この燃料費、修繕費、償却費だけを合計いたしますと、ガソリンが二十五円三十四銭、軽油が二十四円九十九銭、もし軽油一リットルについて六円の値上げをいたしますと、一キロについて一円三十六銭の値上りをいたしますために、二十五円三十四銭の
揮発油車の経費に対して軽油車の経費は二十六円三十五銭、一円一銭軽油車の方が高くなる、かようなことは
一つの例ではありますが、今発達をさせよう、そして
日本においては燃料の節約をしなければならぬ。同じ外貨で輸入する石油が、軽油の場合は
揮発油の場合の三分の一で済む。
揮発油の価格が税込みで三万三千円と仮定しまして一リットル当り三十三円、
揮発油車においては一リットルの走行距離が大体三キロで、軽油車の場合は四・五キロも走れる。三十三円に対して、現在の東京渡し値段で軽油は十六円ぐらい、
揮発油の価格の半分で、走行キロははるかに延びる。こういうことは燃料の消費節約、外貨の節約の上からも軽油自動車が大きな役割をしておる。用途別によっては、軽油車でない乗用自動車などを軽油車にすることはまだ早いとしても、バス、トラックの長距離輸送は将来軽油車に転換しろというふうに運輸省も通商省もこれらに対するいろいろの育成方法を
考えておられる際に、軽油の引取税が大幅に引き上ることは問題が大きくなってくるのであります。
第四に、
揮発油税と
軽油引取税でありますが、これは三十一
年度の予算はもうすでに
国会において、衆議院においては成立いたしまして、参議院もおそらく通過すると思いますが、そのうち
揮発油税収見込額は三百七億二千万円、これは先生方御
承知の
通りでありますそれに二十九
年度の自然増の分で三十一
年度においてこれを繰り入れるというのが五十五億四百三十三万円、合計しますと
揮発油税の収入は三百六十二億二千四百三十三万円、この三百六十二億に対して、
道路整備五カ年
計画の三十一
年度の年次割は、
道路費としては二百九十億、これは
法律七十三号で二十九年から三十三年の間に千四百三億という年次割ができておる。この三十一
年度の二百九十億を差し引きますと、余剰金がここに出てくる。この余剰金が七十二億二千四百三十三万円となるのであります。これは先生方十分御
承知のことであります。また一応国税としてとりますが、
地方譲与税として
揮発油からとる
地方道路税が七十四億二千万円、今度新設される
軽油引取税の三十一
年度分が二十四億五千四百万円、自動車税が八十六億三千六百万円、これは自治庁
関係で数字も出ておる。かように計上されておりまして、私たちは
軽油引取税などを創設しなくても、余剰金をもって
地方道路の改修に充てたらどうだろう。これは二月二十一日の大蔵
委員会において一萬田大蔵大臣が横山議員の質問に答えられたものを速記録でいろいろ見ましても、
軽油引取税については大蔵大臣もしどろもどろの答弁をされておる。速記録がここにありますが、最初は、これは
地方財政の
赤字を相当に
考えて織り込んだものだ、こういうことを言われております。そうしてその次には
地方の
道路費にも充てなければならぬ
目的税だ、これは今度の
法案にも
目的税と出ておりますが、その他に対しては間接税として、これは業者がいろいろ
反対するが、利用者の
負担へ転嫁していけばいいじゃないかと、暗に運賃
改正を認めたような、
改正しろと言わんばかりの御答弁をされております。そこで横山
委員とくどくど問答をされておる点を見ましても、
政府としてもこの点においては御確信がないのじゃないか。さような
意味で、私たちはこの余剰金を全部
地方道路費と同じように
地方へ交付したら一番すっきりしやしないかというふうに思うのであります。ことに二月二十四日建設
委員会において
道路公団の問題で
参考人を呼びました。金子源一郎、私の所属しておる
日本トラック協会会長の小野哲、橋本元三郎の王氏が
揮発油税を
道路公団に持っていくのは
反対だ。
揮発油税というものは
法律七十三号ではっきりしている。第三条において、
揮発油税収額は
道路の整備費に充てなければならぬということをやる、これは一般無料で使用する
道路をさしておるので、
道路使用料をとる有料
道路にこの
揮発油税を持っていくということは二重
課税になる、われわれはかように
考えたのでありますが、これはすでに二十九日の衆議院本
会議で可決されておりますから、今さらどうにもならないのであります。これに対しては
法律改正をおやりになるそうでありますが、これも理論的にいうならばおかしなものだと私たちは
考えるのであります。もし私たちが
要望するように、余剰金を持って
地方の
道路費に充てることにするならば、
道路公団にもうすでに二十億は交付することにきまったが、まだきまらない分が五十二億ありますから、これを何とか御検討願えればまことにありがたいのであります。
道路利用者
会議においては、これに対して一月の十二日にこういう陳情文を出しております。大蔵省はこの余剰金を特別失業対策
事業費予算に持っていくように説明しておりますが、真実は私は
承知いたしておりません。ただ
道路利用者
会議から、そういうことははなはだけしからぬということで、陳情書が出ておるので、私もこの
道路利用者
会議の陳情書を拝見いたしまして、また大蔵省がとんでもないことをおやりになる、われわれは、
法律を
改正するならばいつでも
国会でできるのではありますが、多数の与党の先生方の力によって、何でもかんでも
法律改正をして、そうして都合のいいような税収、あるいはその費用の使い方をする前に、もう少し一般の世論というものも聴取していただくべきではないか。本日私たち
関係者をお呼び出しをいただいたのも、そういう
意味ではないかと思うので、はなはだ失礼な言い分でありますが、この税の問題はほんとうに国の政治として正しい
方向にお取り上げを願いたい。先刻播磨
参考人の申された
通り、軽油税についても私たちと同じような
意見を述べられておるのでありますから、私たちは今度の
法律において自治庁がいかにお苦しみになっているかということも、十分お察しができるのであります。また自民党の政調会においても、私自身も幹部の方々にお目にかかり、いろいろ御
意見を申し上げ、そうして自民党でも御
承知のように一応全面
課税ということで内定されて、農林水産用それぞれのものは、用途別にこれを分ける、
道路のものは
道路整備費に充てるという理屈のついた案が出されたのでありますが、ある非常な圧力のために、これが急にわれわれ自動車
関係のみに課せられるということになったことは、返す返すも残念であり、また民主政治の
国会において多数の力によってゆがめられていくということに対しては、私たちは重ねて先生方の御検討をお願いしたいのであります。
第五に
軽油引取税と運賃コスト、これは大蔵大臣も言われておるように、コストが上れば運賃を上げていけばいいじゃないか、何も泣き言を言う必要はないというようなことを、ガソリン税のときに再三言われたことを私は体験しておる。しかし運賃というものは
政府の認可するものである。しかもトラックにおいては現在認可されている運賃の七割、よくても八割
程度の徴収しかできない
実情にあるのであります。これを申し上げると本論から多少横道に入りますので、御質問がありましたらお答え申し上げますが、認可運賃を取れないほど、今自動車界、ことにトラック業界というものは苦しんでおるのであります。従って会社の経営もほとんど
赤字会社で、倒産寸前にあるということもたびたび申し上げている
通りであります。この
実情から、今度自動車
関係の労組の諸君が立ち上って、この軽油税に
反対されておるのも、後刻伊藤
参考人からお話があると思いますから、ここでその件については省略させていただきます。
時間もたちましたので、ここで私は
要望を三つお願いいたしたいのであります。
税率云々を一応申し上げましたが、
揮発油も軽油も動力源であります。この動力源に対して不当な
課税をするということは、われわれどうしても納得できない。取れるから取るというようなことでは、これは税の公平を欠く。ことに
揮発油税とダイヤモンド々比べてみますと、ダイヤモンドでは物品
税法第二条において定められており、奢侈品であるダイヤモンドが小売価格の二〇%、芸者の花代は
地方税法の百十五条で遊興料金の三〇%、しかるに
揮発油税が約六五%、今度軽油税が新設されますとこれが約四〇%、ぜいたく品であるものの物品税その他の税金よりもはるかに高い。これはもう数字で明らかになるのであります。ことに電気ガス税が現在一割でありますが、
地方鉄道軌道においてはこれは非
課税になり、国有鉄道が今
課税になっておりますが、今度の
法律案でこれも非
課税にしようということになった。国有鉄道のごとき余裕のある経営のところに電気ガス税を無税として、われわれに軽油税を四〇%もかけるなんということはいかがなものか、どうしても私たちはこういうことには納得ができない。ことにこの
法律案の中に、国有鉄道の旅客、貨物の輸送をするものに対しての非
課税ということを云々している。国有鉄道が貨物や旅客を運ぶものと、自動車が運ぶものとどれだけの差があるか、かような点から私は税のいわゆる均衡というものが、われわれに課せられている諸種の税、たとえば
揮発油税、
地方道路税、自動車税、
道路損傷
負担金、
道路協力費、また強制的にやる
道路くじ、その他あらゆる税が自動車にみんなかかってきていることは、先生たち御
承知の
通りであります。ですから、ここに第一
要望したいのは、
揮発油税の余剰額をもって
地方税に譲与して、
道路の整備費に充てていただきたい。これは公団に二十億交付するから残りが五十億余りであります。五十二億二千四百三十三万円はまだ手がついていない。これを特別失業対策
事業に持っていかないで、これを自治庁の
関係の
道路整備費に使っていただきたい。
軽油引取税は前に述べましたようにキロリットル当り一千円
程度にしたいというのを理論的に申し上げたのでありますが、三十一
年度の予算がすでに衆議院を通過した今日において、予算の組みかえはできない、かような点からこの二十四億五千四百万円の
政府予算の
軽油引取税を
地方交付税にしていただけないか。そうして
道路の費用は余剰金でいって、一般の
地方財政の
赤字の補てんに利用していくならば一番いいじゃないか。その場合には、播磨
参考人の申された
通り、これは全面
課税で、この点につきましては御列席の奥野
税務部長も
国会で主義としては
賛成だというふうにも速記録で拝見いたしておるのであります。ただ閣議決定を見て今日に至った
立場から、
政府委員としてはいまさら閣議決定、ことに
法律案が出された以上この
国会においてどうこうということは、御
意見は非常にむずかしいと思いますが、私は自治庁の興野部長、細郷府県税課長などはまことにりっぱな方で常に尊敬しておるものでありますので、どうか
国会においてこの余剰金の使途を
地方道路費に向けていただけば、そして二十四億五千四百万円を
地方の
交付金として一般
財源の
地方財政の
赤字補助の見返り
財源に持っていっていただきたい、かように二つをお願いする次第であります。
終りにわれわれ自動車
関係の税が毎年
国会に提案されて、二十八年から今年まで私はもうすでに八回
国会に
参考人として出ておるのでありますが、かように毎年々々税で苦しんでおる一人であるのでつくづく
考えるのであります。またこの税は下るということはない、上る一方である、こういうようなことで播磨
参考人の言われたように、恒久性のある
課税方法を何とかお
考え願いたい。こういう三つの点をここにお願い申し上げまして公述を終らしていただきます。どうもありがとうございました。